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投稿ログ223 (No.3724 - No.3727)

親記事No.3581スレッドの返信投稿
board4 - No.3724

Re:移動要塞の技術問題について(お礼)

投稿者:RAM
2003年02月22日(土) 11時15分

S.Kさん、こんばんは。

どうも私の不躾なお願いにご回答頂きありがとうございました。

> ただし一点、「的が外れていると感じた」から「回答されてな
> い」というのはいささか受け手側の身勝手ではあるまいかと思
> いますのでその点御了承下さい。
>  いかなる形であれ回答は回答であり「意を汲めない」から
> 「無視された」というのは事実に反します。
>
一つ弁明させて頂ければ、「的が外れていると感じた」というの
は「無視された」と言うよりも「的が外れていると自分への回答
だと気付かない」という意味で書きました。

ですが、ご不快な思いをさせて申し訳ありませんでした。

既にいくつかの突込みが入っていますが、内容については後ほど
ゆっくり吟味させて頂きたいと思います。

第一インプレッションではまだ
・「無限の自給自足能力」は銀英伝世界において、存在が「立証」されている
・それ以外に解釈のしようがない
と言うことは言えないと考えます。何故なら既に突込みが入っ
ている内容の証明も出来ていませんし、これから私やその他の
方がするであろう質問に答えなければならないからです。

「それ以外に解釈のしようがない」と言った以上は大変だとは
思いますが、私達が提示する別解釈が出来ないことの証明を
よろしくお願いします。

親記事No.3581スレッドの返信投稿
board4 - No.3725

Re:移動要塞の技術問題について

投稿者:Night
2003年02月22日(土) 12時46分

 まず、申し訳ありません。下手な自己フォローでかえって皆様を困惑させてしまったようです。
 私が前回自己フォローを入れたのは、「誰からも応答をもらっていない」などと書いたままだと、直レスとしてついている古典SFファンさんやKenさんをまるで無視しているようにも取れるので、だとしたら誤解を解いておきたかったということでした。他の関連スレッドも一応読んではいたのですが、あまり私の投稿に関連することが書かれているとは思えなかったので読み飛ばしてしまっていたというのが真実です。以下で、その理由を含めていくつか説明を加えたいと思います。
(長くなるので、S.Kさんがまとめて下さった投稿の流れの引用は省略させていただきます。ご了承ください)

(1) イオン・ファゼカスは大質量ワープの実例ではない
 これに関しては、既に古典SFファンさんが投稿をして下さっているので、補足すべきことはあまりありません。
 イオン・ファゼカスに関する記述はそもそも非常に少ないです。私の知る限りでは、銀英伝1巻序章と、2巻の氷塊攻撃の引き合いに出された部分だけです(他にあれば是非教えて欲しいと思います)。それについて分かっているのは、それがドライアイスから作られたということと、40万人の男女がアルタイル星系を脱出するのに使われたこと、それらの人々は「無名の一惑星」で80隻の恒星間宇宙船に乗り換えて未知の宇宙に旅立った事だけです。実際に移動した距離や、ワープしたか否か、正確な質量すら全く不明です。
 問題だと思ったのは、以前の議論からの流れで、これが「大質量ワープ」の実例としてしばしば引き合いに出されるようになったからです。それに対して、私が主張したかった事は以下の通りです。

・大質量ワープは、帝国、同盟の双方にとって、銀英伝3巻の時点での新技術である。
・よって、それ以前のイオン・ファゼカスが大質量ワープしたとすると、帝国、同盟の双方で非常に御都合主義的な文明の衰退が起きたことを認めなければならない。
・イオン・ファゼカスがワープしたとしなければどうしても説明できないような事例もないのだから、強力な反例が見つかるまでは、これを大質量ワープの実例と考えるべきでない。

 残念ながら、S.Kさんがまとめて下さった投稿の流れは、このワープの問題に関して議論をしたものとは思えません。

(2) 自給自足艦隊は実現できない
 要塞の無限自給自足システムについて、私はかつて否定的でしたが、現在は「否定しきれないという意味での可能性はある」という位置に来ています。(正直、あまり納得できてはいないのですが……)
 ですが、「無限の自給自足艦隊」で冒険風ライダーさんが主張されている事はこれをさらにスケールアップしたものです。長征一万光年を引き合いに出した上で、これが宇宙船レベルでの無限の自給自足の実例であるとし、銀英伝世界では無限に自給自足できる艦隊が実現できるのだが、登場人物全てが固定観念に囚われていたのでそれが分からなかっただけだ、と冒険風ライダーさんは言っているのです。
 これは、銀英伝の記述全てを覆すような途方もない主張です。であれば、その主張の根拠となる事例は、寸分の疑いもなく立証された頑強なものでなければなりません。
 だからこそ私は、宇宙船レベルでの無限自給自足システムなど想定しなくても、長征一万光年を成功させることは可能だったのではないか、というアンチテーゼをこれに投げかけたわけです。
 S.Kさんがまとめて下さった投稿の流れは、「要塞」レベルでの自給自足について議論したものです。「宇宙船」レベルでの自給自足に関して議論をしたものではありません。

(3) イゼルローンを本当に移動要塞化できるのか?
 以前の投稿の繰り返しになりますが、私がここで主張したかった事は、肯定派の皆さんの主張の根底にある『ガイエスブルク要塞を移動要塞化できたのだから、同じ要領でイゼルローン要塞も簡単に移動要塞化できる』という論理の前半部は真であるが、それを以って直ちに後半部も真であるとすることはできない、ということでした。
 それを明らかにするために、要塞の大きさの違いを挙げた上で、前半部が真であっても、後半部が偽となるような例を挙げたつもりでした。
 これに対する反応は、当然、私が挙げた例への反論というような形になると思っていましたので、そうでない投稿は私への反応ではないと思ったのが真実です。
 S.Kさんがまとめて下さった投稿の流れを読みましたが、上の論理の証明、すなわち『ガイエスブルクを移動要塞化できたという事実から、(ほぼ)間違いなくイゼルローンも移動要塞化できるという結論を導く事ができる。体積が3倍になろうと全く問題はないのだ』と言うようなことを示したような投稿は見当たりませんでした。

 なお、「駄目で元々でやってみる」については補足しておきたいと思います。
 イゼルローンを移動要塞化できる可能性は、確かにあります。その意味で、この主張は正しいです。(私がNo.3700で否定しているのは、「努力さえすれば絶対実現できる」というような主張です。ガイエスブルク→イゼルローンの応用の途上で解決困難な技術上の問題にぶつかれば、いくら努力しても実現できないということはありえるからです)
 ですが、この移動要塞化成功の可能性が具体的にどの程度のものなのか、あまりに情報が少ないので我々には分かりません。一方、ヤンには「回廊の戦い」という選択肢もありました(こちらの勝算については別に投稿しています)。ヤンの苦しい台所事情を考えれば、両方の作戦に着手してどちらつかずになるより、一つの作戦に専念すべきであるというのは妥当な推測と思われます。
 二つの作戦のどちらの勝算が大きいかは、我々にはわかりません。であれば、「移動要塞化」を選ばなかったからといって、ヤンを一方的に無能、愚劣と断罪するのは誤りではないでしょうか。

親記事No.3581スレッドの返信投稿
board4 - No.3726

Re:Re3691:勝算の実態

投稿者:Night
2003年02月22日(土) 16時13分

> <"ヤンは、以下のように事前推測した。
> 『帝国側にとって、この戦いに勝って得られるものは少ないのだから、自軍に多大な被害が生じれば、本来は暗愚な君主でない皇帝は、より良い事態解決のために講和を申し出てくる(もしくはこちらからの講和申し出を受け入れる)可能性が高い』"
>  私は、このヤンの推測をおかしなものとは思いません。むしろ、ラインハルトの為人を良く分析した、妥当な推測と思います。
>  勿論、ラインハルトは頑固な性格ですから、犠牲が出ても頑なさを固持して、講和にならない可能性だって充分ある。だから、あくまで「可能性が高い」なのだし、「それは賭けだ」とも前回申し上げました。
>  ですが、その賭けの勝率は冒険風ライダーさんが言うところの0%ではなく、もっと高い確率です。それは、実際にヤンがこの賭けに勝ったことからも明らかでしょう。
>  むしろ、冒険風ライダーさんが何故「病気」や「夢」にそんなにこだわるのか分かりません。それは単にきっかけに過ぎないと書いたつもりですが。>

>
>  だから何度も言っているように「類稀なる僥倖」という「『結果として』発生した偶発的要素」から逆算して「ヤンに勝算があった」と結論付けるのは間違っていますって。その「実際にヤンがこの賭けに勝った」という事実は、ヤンの戦略構想とは全く無関係かつ想定外のところから出てきたものでしかなく、しかもラインハルトはイゼルローン要塞に籠もったヤンの手強さも、「回廊の戦い」で自他共に多大な犠牲が出ることをも全て承知の上で、「ヤンを叩き潰す」と宣言して遠征を行っていたのですから、そんな相手と和平が成立しえると考えること「自体」がすでに根本から間違っているのです。

 「類稀なる僥倖」に関しては前回も説明したので、もう言える事は余り残っていません。重要なのはヤンの善戦の結果、ラインハルトが置かれた状況である。きっかけなど無数にあり、病気も夢もその一つに過ぎなかったということを繰り返すだけです。(その夢にしたところで、たまたま偶然見たのではないのだろうということをヒルダが分析しているのですが)
 言うなれば、これは宝くじを買うようなものです。宝くじのどの一枚が当たるかを予測することは、それこそ「類稀なる僥倖」「ご都合主義」でもなければ不可能なことです。ですが、ある程度の量をまとめ買いすれば、この中のどれか一枚くらいは当たるだろうということは予測できます。この時、重要なのは当たるという結果だけであり、どの一枚が当たるかなど、買った人間には分からないし、また、知った事でもありません。私が言いたいのはそういうあたりまえのことに過ぎません。
 次に、『多大な犠牲が出ることを承知の上の相手とは和平が成立しない』ですが、ラインハルトは多大な犠牲を出す事は想定していなかったでしょう。そこまでの意義がこの戦いにはありませんし、イゼルローンにヤンがあろうとも、帝国軍にもラインハルトがあり、何より、彼我の戦力差はとても大きなものでした。次のような記述があります。(8巻P96)

> イゼルローン回廊に侵入する以前と較べても、すでにファーレンハイトとシュタインメッツの両上級大将が戦没している。自由惑星同盟を滅亡せしめた後、政治的にはその余喘に過ぎぬヤン・ウェンリーの一党に、これほどの苦闘を強いられるとは、皇帝ですら想像しえたかどうか。双方の戦力差と、戦いの目的とを考慮すれば、これまでのところは帝国軍の敗勢を認めざるをえない。

 ラインハルトには「本来、この親征はこうあるべき」という当初計画があったのでしょう。『圧倒的多数の兵力を揃えた上でヤンと一大決戦を構え、用兵の妙を以ってこれを打ち倒す。残存兵力については各個撃破してもいいし、降伏させても良い。いずれにせよ、こちらの圧倒的優勢は揺るがないのだから、大きな犠牲は出ないだろう』というような。また、彼我の戦力差を単純に考えれば、この計画そのものは間違っているわけではありません。
 ヤンの目論見は、その「本来こうあるべき」当初計画を戦術的勝利で打ち砕くことでした。帝国側に計画の見直しをさせれば、皇帝は優秀な戦略家なのだから『停戦、講和』という選択肢も当然考慮するだろう。それが、ヤンの狙いでした。

>  それに前の投稿でも書きましたけど、バーミリオン会戦時におけるラインハルトの対応から考えても、戦いを続けることによってラインハルトとの和平が成立することなどありえなかったことは一目瞭然なのですよ。バーミリオン会戦でアレほどまでに追い詰められていた時のラインハルトは、ヤンの目的が自分の生命を絶つことによって帝国軍を退却に追いやる事を充分に承知しており、逃亡すれば再起を図ることが可能であることも知っており、さらには周囲からさえもそのように進言されていたにもかかわらず、それでもあくまで逃亡を頑なに拒んでいたではありませんか。敗北寸前の状態でさえこの有様では、自らの優勢を信じ、勝勢に乗っている時ではなおのこと、和平交渉を自分から提案してくるなどという事態など、本来ならば到底考えられないことなのです。実際、例の「病気」と「夢」がなければ、ラインハルトはそのまま戦いを継続してヤンを打倒してしまっていたことでしょう。

 だから、『ラインハルトは頑固な性格ですから、犠牲が出ても頑なさを固持して、講和にならない可能性だって充分ある』ということは何度も言っています。
 それから、上で冒険風ライダーさんが出している事例を「回廊の戦い」にあてはめるのは不適切です。この事例やキュンメル事件のような事例から言えることは、ラインハルトは自己保存欲よりもプライドを優先させる傾向があるということだけです。見苦しく生き延びるよりは潔く死ぬことを選択するというような。
 「回廊の戦い」でラインハルトが迫られている選択は、あまり意義のない戦いで無闇に将兵を損なうことを続行すべきか否かということです。守るべき対象が自己か他者かという点で、この二つの選択の性質は大きく違っています。

 『勝勢に乗っている時ではなおのこと、和平交渉を自分から提案してくるなどという事態など、本来ならば到底考えられないこと』に関しては、地形や計略を使った善戦によってその「勝勢」を揺るがし、ラインハルトにとっての「本来ならば」を本来でなくしてしまうことこそがヤンの作戦の目的なのですと申し上げるしかありません。
 病気や夢については、もう説明しません。

>  さらに言えば、もし本当に「帝国軍に多大な損害を与えることによってラインハルトを交渉の場に引きずり出す」などという戦略方針を取るのであれば、そもそもイゼルローン要塞に立て籠もって防衛体制が完備した時点で、ヤン側から「我々は帝国と敵対するつもりはない、今後のことで話し合いたいので和平交渉の席を設けて頂きたい」といった類の提案を、自軍の軍事力を大々的に誇示しながら全宇宙に向けて発信することによって、ラインハルト以外の人間を動かせば良かったのです。
>  周知のように、あの愚劣な「回廊の戦い」はラインハルトひとりが周囲の反対を押し切って強引に行ったものでしかなく、周囲はことごとくラインハルトの出征に反対していました。そこに「和平」という揺さぶりをかけ、ラインハルト以外の人間を動かし、下から意見を突き上げさせることによって最終的にラインハルトが「動かざるをえない状態」に持っていき、和平を実現させた方がはるかに効果的なのです。成功すれば全く戦わずしてそのまま和平交渉に入ることができますし、成功しなくても、ラインハルトの侵攻を遅らせる時間稼ぎ程度にはなったはずです。
>  またこの策は、ラインハルト麾下の将兵の厭戦気分にも訴えることができます。ラインハルトはそうでなくても、実際に前線に出て戦う者たちにとっては、辺境の僻地にあるイゼルローン回廊などどうでも良いものでしかないでしょうし、ヤンの脅威を知る者も少なくはないのですから、「そこまでやる必要はあるのか」という感情を刺激することができるわけです。示威行為としては、実際に戦うことなどよりも、こちらの方がはるかに効果があります。
>  それに対して、ただ単に戦うだけでは、ヤンの側も損害が出ますし、ラインハルトの戦闘意欲を悪戯に刺激することによって、戦い自体が泥沼化・消耗戦化する可能性も出てきます。それは必然的に自軍の弱体化をもたらし、ただでさえ圧倒的な戦力差を更に拡大させる結果にも繋がりかねないでしょう。それではますますもって「対等の交渉」が行われる可能性はなくなっていき、最終的な破滅の結末を迎えるだけです。
>  武力とは政治的・外交的敗北を償う最後の手段であり、発動しないところにこそ価値がある。これは銀英伝の中でも語られている警句なのですがね。

 上で冒険風ライダーさんが仰っていることは全くごもっともと思います。というか、ヤンは当然そのような下工作の類はできる限りしたんじゃないでしょうか。してないという記述も特にありませんし。
 銀英伝の記述中に上のような話が見当たらないのは、結局、ラインハルトの意思が変わらなかったからでしょう。その後の話の大筋に変化があるわけでもないので、省略されたというだけではないでしょうか。

>  それにヤン自身、かつてユリアンに対してこんなお説教を垂れていたはずでしょう↓
>
> 銀英伝外伝2巻 P101下段
> <「戦略には、勘なんかの働く余地はない。思考と計算と、それを現実化させる作業とがあるだけだ。たとえば、ある方面に一〇〇万の兵力を配置するためには、兵力それ自体の他に、それを輸送するハードウェアと、一〇〇万人分の食糧と、それら全てを管理するソフトウェアが必要で、そういったものは勘からは生まれてこない。だから、職務に不誠実な軍人ほど戦略を軽視して、戦術レベルで賭けをしようとする。さらに無能で不誠実な軍人になると、精神論で戦略の不備や戦術の不全をごまかそうとする。食糧や弾薬を補給もせずに、闘志で敵に勝つことを前線の兵士に強要する。結果として、精神力で勝ったということはある。だけど最初から精神力を計算の要素にいれて勝った例は、歴史上にひとつもないよ」>
>
>  「精神力」のところを「ラインハルトに対する希望的観測」に置き換えて考えてみると、上で述べられている「無能で不誠実な軍人」という評価は、まさに「回廊の戦い」におけるヤンに対してこそ当てはまるものでしょう。ラインハルトの胸先三寸が当てになるという「根拠のない勘」でもって「戦略の不備や戦術の不全をごまかそうと」し、勝算が全く存在しないはずの戦いに、あるはずもない勝利の幻想を見出していたのですから。全く「回廊の戦い」というのは、ヤンが否定していたところの「最初から精神力を計算の要素にいれて勝った」最初の実例となるのではないのでしょうかね。もちろん「類稀なる僥倖に恵まれた『結果として』」ですが。

 別に、ヤンは意図的に戦略を軽視していたわけではないでしょう。特に同盟からの逃亡以降は状況がそれを許さなかっただけです。
 ただ、確かに冒険風ライダーさんの言うとおり、戦術レベルの勝利で戦略レベルの敗北を覆そうとするのは、不自然で無理があり、危ない橋を渡っているようなものです。しかし、ヤンとしては、民主主義を生き残らせるために敢えてその橋を渡ることに賭けるしかなかったのでしょう。
 別の橋(イゼルローン移動要塞化)を渡るという賭けについては、そちらの橋の強度が全く分からない以上、我々にはそれを選ばなかった事が賢明な選択だったのか愚かな選択だったのか、断定する術はありません。ただ、最近の亜光速ミサイルの話題を読んでいると、やはりそちらのシナリオは、たとえ移動要塞化に成功したとしてもテロリストの汚名を得た上に敗死のように思えます。(最初から長征一万光年に出るなら話は別ですが、それならば専用の宇宙船を大量生産する計画の方がマシのような気がします。移動要塞はワープに一回失敗すれば、そこで全てアウトです)
 「類稀なる僥倖」についてはもう説明しません。

>  あの当時のヤンがラインハルトと戦うことで唯一の勝機を見出すことがあるとすれば、それはバーミリオン会戦と同様、ラインハルトを殺すこと以外にはありえないのです。そして、それが全く不可能事であることなど、さすがのヤンですら認識できていたことでしょう。だからこそ、あの当時のヤンに勝算などありえないのです。

 これについても、もう繰り返しません。
 バーミリオンの時とは事情が違うことなど当たり前です。ヤンはラインハルトを倒しての勝機を狙ったのではない。もっと別の勝機を狙っただけです。

>  この議論で論じる際に重要なのは、戦時におけるラインハルトの対応「だけ」であることがお分かり頂けていますか? そりゃ確かにラインハルトは平民や部下達からも慕われてはいたでしょうし、政治面では多大な功績を上げてもいたでしょうが、それはあくまでも政治家として評価した場合の話であって、戦時におけるラインハルトの愚劣な「凶行」の罪を覆すものなどでは全くありえません。
>  実際、戦時におけるラインハルトは、それこそ「戦争狂」としか評しえないほどに戦争を追い求め続け、第8次イゼルローン要塞攻防戦、マル・アデッタ会戦、回廊の戦いと、明らかに「個人的矜持とプライドを満たす」という愚かしい理由などのために無為無用な戦いを自ら仕掛け、将兵を死地へ追いやってきたのです。そして、このような「凶行」に関しては、一般将兵の間からも「皇帝は戦いではなく流血をお好みあるか」だの「いつまで戦いを続けるつもりだ、もういいかげんにしてほしい」だのといった怨嗟を込めた不満が出てきていますし、オーベルシュタインもラインハルトの「戦争狂」的性格を「ゴールデンバウム王朝の門閥貴族とどこが違うのか」と批判していたではありませんか。その負の側面は決して肯定されるべきものなどではないのです。
>  政治家としてのラインハルトの評価と、戦略家としてのラインハルトの「凶行」はこの際分けて考えてください。私が論じているのは後者の方なのですから。

 私は、ラインハルトの負の側面を肯定する気などありません。正の側面は正として、負の側面は負として、それぞれ正等に評価されるべきです。私が前回、ラインハルトを不当に貶めているといったのは、冒険風ライダーさんが負の側面だけを並べ立ててそれがラインハルトの全てであると言っているように思えたからです。
 私が言いたいことは、『ラインハルトには「皇帝の為人、戦いを嗜む」という戦争狂としての一面が確かにあったが、「無益に兵士達を殺さない」と誓うような名君としての一面もあった。これはどちらかが真でどちらかが偽と言うようなものではなく、どちらもラインハルトと言う人格を構成する一部だった』というようなことです。

>
> <あと、冒険風ライダーさんはしきりに「対等の交渉」という言葉を使っていますが、そもそも交渉というものは、両者が対等でなければ全く成立しないものなんですか。現実世界でも、強大な組織/個人と弱小な組織/個人が交渉や取引をすることなどざらにあると思うのですが、その場合も冒険風ライダーさんは、弱小な勢力は強大な勢力にただ一方的にいいようにされるしかないという御意見なのでしょうか。
>  ヤンは「同盟領を全部返せ」というような無茶を言いたいのではありません。「弱小勢力は弱小なりに宇宙の片隅で勝手にひっそり生きていきますので、その許可を頂きたい」というような、言うなれば彼の立場からして、おそらく「分相応」と思われる願いを聞いてもらいたいだけです。
>  何故、ここでラインハルトと対等の立場に立たなければならないのか、私には全くわかりません。>

>
>  外交に限らず、あらゆる交渉や取引においても、基本的には力の強い者が弱い者に対して主導権を握るのは、力の論理から言っても当然のことです。たとえささやかな要求であっても、相手を威圧できるだけの軍事力を背景に要求しなければ、足元を見られて更に値切られることは確実です。一般社会においても、力の源が軍事力ではなく経済力や特殊技術、あるいは商品価値などだったりするだけで、本質的にはこれと全く変わることがありません。
>  そもそもラインハルトは、ヤンとその一党を全て滅ぼし、宇宙を統一することを望んでいたのでしょう? その望みの前では、「弱小勢力は弱小なりに宇宙の片隅で勝手にひっそり生きていきますので、その許可を頂きたい」などという「ささやかな要求」でさえ、本来ならば宇宙統一にとっては邪魔になるものでしかないのですし、将来的な禍根を残す可能性が全くないとは決して言い切れない「許されざる要求」なのです。ならばその「ささやかな要求」を押し通す「だけ」でも、相手を威圧し、自分達の要求を堂々と主張することができるだけの軍事力が必要になることは自明の理というものでしょう。ラインハルトの立場であれば、ヤンの「ささやかな要求」でさえも簡単に潰してしまうことができるのですから、「軍事力を背景にした対等の交渉」というのは、「ささやかな要求」を通すための最低必要条件でしかないのです。
>  「ささやかな要求」ですら聞き入れられないかもしれないほどに、「回廊の戦い」時におけるラインハルト側は圧倒的優勢にあり、それに対するヤン側は見るも無残なほどの弱小集団でしかないのです。だからこそ、「対等の交渉」を行うためには、それなりの切り札や軍事力が必要となるのです。

 確かに、全く無力な勢力は、強大な勢力に一方的にいいようにされるしかないでしょう。それが弱肉強食というものだからです。ここで私が言いたいのは『弱小な勢力であっても、その弱小なりの力を示す事で、強大な勢力から譲歩を引き出すことができる』ということです。
 分かりやすいので、窮鼠猫を噛むの例えを出したいと思います。窮鼠に噛まれた猫は、それ以後は面白半分では鼠に手を出すことはなくなるでしょう。戦えば勝つ事は分かっていますが、つまらないことで怪我をしても全く割に合わないからです。ここで猫から相応の譲歩を引き出すにあたり、鼠は猫より強くなる必要も、猫と対等の立場に立つ必要もありません。
 この時点でのヤンとラインハルトの立場も似たようなものです。ヤンの戦力はラインハルトより小さいとはいえ、運用次第では決して無視できるものではありません(というか、それを示すためにこそヤンは善戦する必要があったのです)。戦いを続行すれば、最後に勝つのはラインハルトですが、その場合、ラインハルトは無償で銀河統一を得られる訳ではありません。さらに数十万、数百万の将兵の命と、おそらく数名の提督の命を支払わなければなりません。
 ですから、ヤンにはラインハルトから譲歩を引き出す余地があります。それは、上に書いたような「弱小勢力は弱小なりに宇宙の片隅で勝手にひっそり生きていきますので、その許可を頂きたい」というような形になるわけです。

 あと、冒険風ライダーさんはここでヤンの戦力をやたら過小評価している割には、『ラインハルトはイゼルローン要塞に籠もったヤンの手強さも、「回廊の戦い」で自他共に多大な犠牲が出ることをも全て承知の上だった』みたいにも書いていて、今ひとつ首尾一貫しているように思えないのですが、どうなんでしょうか。

> <また、ヤンはラインハルトと戦ったのであり、他の誰と戦ったのでもありません。『ラインハルト以外の人間であれば絶対和平に応じない』(というのも怪しいと思いますが)というような批判は全く的外れです。
>  敵がラインハルト以外の誰かであれば、ヤンはその誰かに応じた作戦を立てていたでしょう。それだけのことです。(というか、そもそもラインハルトでなければ、こんな親征は最初からしないでしょう)>

> <ですから、無防備の惑星を包囲占領してヤンを脅すと言うような作戦をラインハルトが良しとするなら、そもそもこんな親征は最初から不要なんです。
>  ラインハルトは、堂々と実力で勝利を得たいのです。バーミリオンの時の二番煎じのような「卑怯な」手段で得た勝利など、何の意味もないんです。
>  そういう固定観念に縛られたラインハルトは、確かに愚かです。ですが、そういうラインハルトの心理を読んだ上で作戦を立てたヤンまで愚か者にされてはたまったものではありません。>

>
>  前の方で引用した「ラインハルトの為人」を擁護していた箇所と、上記の引用文は内容が大きく矛盾しているように思えるのですが、上記の意見を採用するのであれば、ラインハルトは弁護の余地なく愚かな人間であったということでかまわないのですね? だとすると「ラインハルトとは交渉の余地が全くなかった」という私の主張は正しいということになってしまいますが。

 矛盾に関しては、上に書いたように、ラインハルトという人格そのものにある種の矛盾が入っているからです。ラインハルトには民を大切にするような褒め称えられるべきところも、無用な戦を好むような批判されるべきところも両方あるということです。
 私が「ラインハルトは愚かだ」と言ったのは、もっと穏やかに事態を解決する方法はいくらでもあるのに、「正々堂々と実力で勝つ」と言う固定観念を捨てなかったからです。話の一切通じぬ愚か者、という意味で言った覚えは全くありません。

>  それと、あなたはどうもラインハルト「だけ」を見据えて相手をしてさえいれば良く、それ以外の予測など考えるにも値しないなどと本気で考えているようですが、ならばバーミリオン会戦時にラインハルトが追い詰められていた時に、ラインハルトの意向を無視したヒルダが独断でミッターマイヤーとロイエンタールを説得して惑星ハイネセンに脅しをかけさせ、ヤンの「戦術的賭博」を根底から覆してしまった事件は一体どう説明するのですか? ラインハルトだけを見ていれば良いわけではないことなど、この事例ひとつ取っても一目瞭然ではありませんか。「回廊の戦い」でまた同じことが繰り返されない、という保障などどこにもないのですよ?
>  ラインハルト自身がエル・ファシル本星の制圧や回廊封鎖作戦などを考えなかったとしても、部下が全く考えないということはありえませんし、ラインハルトが部下の進言を受け入れる可能性だって考えられるでしょう。また、戦況が膠着状態に陥り、にっちもさっちもいかなくなった場合に、ラインハルトが事態打開の策としてエル・ファシル本星の制圧を決断する可能性もありえるのです。未来がどのように推移し、どのような事態が待ち構えているかなど誰にも分かるはずもないのですから、ヤンの立場であれば、起こりえる最悪の事態を全て想定し、可能な限りの対策を立てなければならないのは当然の事ではありませんか。
>  ヤンが相手にするべき敵は皇帝ラインハルトだけでなく、政府も軍も全て含めた「帝国という専制国家」そのものなのです。そしてバーミリオン会戦でラインハルトひとりのみを見据えた「戦術的賭博」が、ヒルダによって見事に覆された前例があるにもかかわらず、相も変わらずただラインハルトひとりのみを見据えた「戦術的賭博」を行うこと自体、無能の証以外の何物でもないのです。

 バーミリオンの時、ラインハルトは生きるか死ぬかの緊急事態でした。だから、ヒルダや双璧の独走も、それがラインハルトを救ったと言うことで許されたわけです。ですが、回廊の戦いではラインハルトは健在ですぐに生命の危険があるわけではありません。指揮系統も失われていません。部下がラインハルトの意向を無視して勝手に兵を動かすのは明確な命令違反です。その部下がラインハルトの激怒を買って終わりです。
 ラインハルトが部下の進言を受け入れたらどうするかですが、なおさらお話になりません。バーミリオンの屈辱をもう一度味わってまで小さな勝利(というか、精神的には明らかな惨敗)を得るより、ラインハルトは素直にヤンに停戦と会談を申し出るでしょう。こんなこと、ラインハルトの性格を考えれば余りに明らかだと思うんですが。

> <交渉というのはそれを行うことによって両者に益があるから、行われるのです。少なくとも、それは強者が弱者に一方的に要求を押し付けて終わりというようなものではない。
>  上のような会話が行われた結果、交渉決裂、再戦となった時、ヤンも死ぬかもしれませんが、ラインハルトもまた少なからぬ人命を支払わなければならない。しかし、それは、二人のどちらにとっても好ましくない事態でしょう。
>  であればこそ、双方それなりに納得のできる妥協点を見つけあうわけです。その時、ヤンが提出する「内政自治権を有する民主共和制の一惑星の存在を認めて欲しい」という妥協案について、ラインハルトが妥当と思うか否かが、交渉の最大のポイントになるわけですが、これについては10巻でユリアンが交渉成立させているという作中事実もあるわけですから、それから考えれば、全くお話にならないということはないでしょう。というか、交渉成立になった可能性は、充分にあると思いますが。>

>
>  ヤンにとっては確かに交渉の成立がその後の命運を左右するわけですし、目的を達成することができる唯一の手段なのですから、そりゃ必死にもなるでしょうが、一方のラインハルト側はというと、こちらは必ずしも交渉に行わなければならない必要性などないのですよ。ラインハルト側はヤンおよびその一党を殲滅してしまえば、それで銀河統一という目的を達成することができるのですし、仮に再戦となってまたダメージを受けたとしても、要塞に閉じ籠っている相手の戦力が再び回復するわけでもないのですから、あらゆる犠牲を覚悟で何が何でもヤンの首を取ってもかまわないわけです。というか、ラインハルト側にとってはむしろそちらの方がはるかに目的にかなっているのですし、将来発生するかもしれない問題の芽を事前に摘み取ることもできるわけなのですから、交渉を意図的に決裂させ、交渉決裂の全責任をヤン側に擦りつけて再戦に突入する、という手を使う可能性も充分に考えられるのですけどね。

 何というか、これを読んでるとラインハルトはただただ交渉決裂になる事だけを望んでいるように思えるのですが、だったら何故、会談を申し込んだのでしょうか。
 交渉がうまく成立する事で益を受けるのはヤンだけではありません。ラインハルトだって相応に得をするのです。これ以上むやみに将兵や提督を失うことなく共和主義者達から物騒なイゼルローンを取り上げ、辺境に追いやる事ができます。
 何かどうも、このあたりの感覚が全くかみ合っていない気がしてなりません。

>  また銀英伝本編で交渉を申し込んだラインハルト自身、作中で次のような主張を展開しています↓
>
> 銀英伝8巻 P109下段~P110上段
> <皇帝ラインハルトは国政に無関心であったり無責任であったりしたわけではない。彼は良心的な為政者であったと、姿勢においても結果においても、評してよいであろう。しかし、彼はまず本質的に軍人であり、為政者としての彼が意識と努力の産物であったのに、他方の彼は無意識と天分とで構成されていた。したがって、彼の支配体制、彼の帝国においては、つねに軍略が政略に優先する。このとき、彼の精神の辺境には、ヤンとの会談を自身で否定する部分もたしかに存在した。
> 「予自身が不甲斐なくも発熱したという理由もあるが、将兵も疲労しているし、補給を待つ必要もある。ヤン・ウェンリーとの会談は、そのまま妥協を意味しない。再戦の準備をととのえるため時間をかせがなくてはならぬ」>

>
> 銀英伝8巻 P123下段~P124上段
> <ラインハルトは秘書官のヒルダ、ごく近い将来に大本営幕僚総監となるはずのマリーンドルフ伯爵令嬢に、つぎのように明言しているのである。
> 「予はヤン・ウェンリーに手を差しだすつもりだが、ひとたびそれを拒まれたときには、ふたたび握手を求めるつもりはない」
>  ラインハルトの気性からいっても、皇帝としての尊厳からしても、それは当然のことであった。>

>
>  これらの記述をどう読んでも、ラインハルトは会談による和平にそれほどの意義を見出していたようには見えないのですがね。また、仮にラインハルト自身が納得したとしても、ラインハルト麾下の将兵や将帥達、さらには帝国政府が納得しない、という事態も考えられるでしょう。ヤンとヤン一党は、ラインハルトを除く全ての帝国側関係者にとっては「帝国統一の障害」としてしか映らないでしょうし、今までの戦いで仲間や親兄弟を殺された怨みなどもあるでしょうからね。上の主張と併せ、ラインハルトがそのような部下や将兵の感情を蹴ってまで、ヤンに譲歩しなければならない理由があったようには到底思えません。

 そりゃ、ラインハルトは自らが旗を振り上げて始めた親征が中途で終了となれば、面白くはないでしょう。感情を納得させるためにも上のようなことは言いたくなるでしょう。しかし、政略レベルで会談が有効と思ったからこそそれを申し出た訳であり、会談をまとめる気が全くないということにはならないでしょう。
 あと、冒険風ライダーさん自身が、最初の方で『あの愚劣な「回廊の戦い」はラインハルトひとりが周囲の反対を押し切って強引に行ったものでしかなく、周囲はことごとくラインハルトの出征に反対していました』というようなことを仰っているのですが……帝国関係者が本当にヤンたちをそんなに障害に思っているなら、当然、親征に賛成する声の方が大きかったでしょう。帝国関係者は親征に賛成だったのか、反対だったのか、いったいどちらなんですか。

>  銀英伝10巻でユリアンがラインハルトとの交渉を成立させることができたのは、皮肉なことにユリアンがヤンに比べてあまりにも未熟で、かつ戦力も問題にならないほど少なかったがために、却ってラインハルトの戦闘意欲を削いでしまい、温情を示す「余裕」が出てきたことが何よりの原因でしょう。そして何度も言われているように、バーラト自治区は帝国内務省でさえ「難治の地である」と匙を投げた地域であり、しかも「皇帝の温情」によってかろうじて成り立っている弱小政体、いつでも帝国側の意のままにできるという状態に置かれているわけです。はっきり言いますけど、その実態は「自治区」というのも哀れなほど惨めな隷属的存在でしかありません。

 上で冒険風ライダーさんが言っている事は全く作中事実と反します。10巻P173下段に以下のような記述があります。

> 「ヤン・ウェンリーの精神的な遺産を継承したと称するほどの男なら、先人に智は及ばずとも、勇においてはいささかは非凡なところがあろう。ヤンの後継者の名は何といったか」
> 「ユリアン・ミンツと申します、陛下」
>  ミュラーが返答した。
> 「そのミンツなる者が、予の兵士達の抵抗を排して、予のもとに至りえたならば、すくなくともその勇を認め、対等の立場で要求を受諾してやってもよい」
> 「わが皇帝、であれば……」
> 「それとも、いわゆる専制君主の慈悲や、その臣下の協力がなければ、ここへ至る力もないというのでは、何を要求する資格もあるまい。すべて、その者が姿を予の前にあらわしてからのことだ」

 ユリアンは未熟だからラインハルトとの交渉を成立させる事ができたのではありません。ヤンの後継者であることを実力で証明してみせたからこそ、それができたのです。また、上記の会話の中でラインハルトは端的に「慈悲をかけるつもりはない」ということを言っています。冒険風ライダーさんの言っている事はまるで正反対です。
 また、バーラト自治区についてですが、最初の要求は一惑星だったものが、一星系にまでなったことが、帝国側の大幅な譲歩であったことがまず書かれています。もちろん、その後に軍事面、経済面その他の問題が書かれているのですが、要は悪い条件だけを一方的に押し付けられたのではなく、良い条件もあるということです。本文の中でも次のように書かれています。(10巻P215)

> ラインハルトがユリアンに対してしめした寛大さは、両刃の剣であったし、それをラインハルトもユリアンも承知していた。

 その後の帝国との共存については、以前にも投稿したように『侮られるほど弱からず、恐れられるほど強からず』を慎重に実践していく必要があるでしょう。ですが、仮にも皇帝の名の下に認められた自治区ではあるのだし、その後の外交はユリアンとその後継者達の働き次第でしょう。
 というか、この時点ではこれ以上のことを望む方が間違っています。そもそも、同盟の命脈が尽きた遠因は、市民が政治をないがしろにしたからです。ユリアンたちが現在おかれている状況は、そのまま現在の銀河の民衆の心にある専制政治と共和政治の力関係の差を表しています。ここから一足飛びに帝国と同等の力を得ようとしても、無理が生じるだけです。いつか専制の冬が訪れた時にこそ、このバランスは崩れます。ユリアンたちの使命はその時まで、共和政治の命脈をつなぐ事です。よって……

>  結局のところ、本当の意味で民主主義の擁護を掲げるのであれば、自前の軍事力で自立し、敵を圧倒できるだけの体制を整えるしか方法はないわけです。その意味で、ラインハルトの胸先三寸に全ての命運が委ねられている「回廊の戦い」は、勝算ゼロ・100%必敗確実であると言わざるをえないのです。

ということには賛成しかねます。ただ、交渉に関して上で冒険風ライダーさんが述べている認識から計算すると、このような結論になってしまうことは判ります。

 また、繰り返しますが、以上を総合すると「回廊の戦い」の勝算は必ずしも大きなものではないかもしれませんが、ゼロではありません。

親記事No.3581スレッドの返信投稿
board4 - No.3727

Re:移動要塞の技術問題について  抄訳紹介関係まとめレス

投稿者:S.K
2003年02月23日(日) 01時31分

古典SFファンさん

>あの・・・
大質量物体の航行例として挙がっているうち、氷塊はワープではありません。亜光速航行です。
>むしろ、氷塊は「帝国はともかく同盟は、大質量物体をワープさせていない」例です。

>純粋に作中の記述のみを元に述べます。
>氷塊       ・・ワープ× 亜光速○ 通常航行?
>要塞       ・・ワープ○ 亜光速? 通常航行○
>イオンファゼカス ・・ワープ? 亜光速? 通常航行?

>イオン・ファゼカスがワープしたとは、作中には書いていません。
>要塞が亜光速航行したとも書いていません。
>氷塊がワープしたとも書いていません。

>これらは「大質量ワープ」の話題で横並びにするには不適当だと思われます。
>パンツァーさんの並べ方は「大質量物体の航行」で、それはそれで正しいのですが、Nightさんの話題は「ワープ」に関するもので、
それに関する例として妥当とは思えないのですが?

>ワープでないとしても、他の恒星系に楽に到達する手段はあの世界にはあるのです。
>ヤンも使っています。

>これは直接には作中には書いていない話なので、あくまで推定です。
>しかし、
1.ヤンたちの時代には、要塞ほどの大質量ワープの技術は帝国が開発するまで存在しなかったはず(シェーンコップたちの台詞より)
2.作中ではイオン・ファゼカスがワープを使ったとはどこにも書いていない
3.大質量物体(氷塊)が亜光速で運動し、ヤンがそれを「アーレ・ハイネセンの故事に習った」と2巻で発言している事

>特に3が重要です。
>ヤンが文字通りの事を喋っているとすると、イオン・ファゼカスは亜光速航行していたという事以外の何者でもないからです。

 普通に「氷にエンジンを取り付けたから」じゃないですかね、正直な行いは「無断伐材の告白」でなくとも「ワシントンのような」と評されるがごとく。

>それと、作中でイオン・ファゼカスは同盟まで航行していません。
>同盟の祖先たちは、「無名の惑星の地下に潜み」50隻の船を建造しています

 そのようですね、御指摘感謝。
 しかし宇宙は広いですよ、隣の恒星系まで何光年あることか

>イオン・ファゼカスは、作中でもあまり遠くまで航行していないのです。
>イオン・ファゼカスがどのくらいの距離を航行したかという記述は作中にありません。

 光速で移動して何回を帝国艦隊に空域哨戒をかけられる利点は何かありますか?
 同盟建国者の脱出と建国、帝国からの発見と帝国暦にウラシマ効果的な描写が作中にない理由はワープ航法で同じ時間軸を歩んだからじゃないですか?
 普通に考えて辺境流刑惑星でまだしも入手できるエンジンかその技術といえば既に有効利用方法が限定される光速航行エンジンではなく民需でも広域に使用されるワープエンジンじゃないですか?

Ken さん
>まさか意図的な「うそ」でもないでしょうが

挑発的な御指摘をどうも。
 お礼に古典SFファンさんとの重複二度手間部分以外の「建造理由」を御教示いたしましょう。
「強度が不足していたから」ですよ、ワープに関係なく。
 Kenさんが北陸のどこかあたりから韓国までエンジンをつけた発泡スチロール船での渡海に成功したらお知らせください。
 別の観点からこの件についてお話しましょう。

Nightさん
>まず、申し訳ありません。下手な自己フォローでかえって皆様を困惑させてしまったようです。
 その点はお気になさらず。
 ただRAMさんの投稿は正しくNightさんを代弁していたのか、勝手に
Nightさんがわかっていないという決め付けだったのかは表明された方が
よろしかったでしょうね。
>他の関連スレッドも一応読んではいたのですが、あまり私の投稿に関連することが書かれているとは思えなかったので読み飛ばしてしまっていたというのが真実です。以下で、その理由を含めていくつか説明を加えたいと思います。
>(長くなるので、S.Kさんがまとめて下さった投稿の流れの引用は省略させていただきます。ご了承ください)

「思えない」で言われても困る、とはRAMさんにもお話しましたが。
 それでいいなら百万言つくしても「思わない」、事実を突き付けても「錯覚だ」で済ませる事とて可能なのですから。

>(1) イオン・ファゼカスは大質量ワープの実例ではない
 これに関しては、既に古典SFファンさんが投稿をして下さっているので、補足すべきことはあまりありません。

 というわけで上記を参照下さい。

> 残念ながら、S.Kさんがまとめて下さった投稿の流れは、このワープの問題に関して議論をしたものとは思えません。

 何度でも言いますが「思います」では通用しません。

>(2) 自給自足艦隊は実現できない
> S.Kさんがまとめて下さった投稿の流れは、「要塞」レベルでの自給自足について議論したものです。「宇宙船」レベルでの自給自足に関して議論をしたものではありません。

 私の抄訳だけご覧になられても目次で本を語るようなものです。
「ラグナロック作戦」で双璧が食料の心配はしても燃料の心配はしていない描写がある旨不沈戦艦さんがレスしておられますが見ました?

>(3) イゼルローンを本当に移動要塞化できるのか?
> 以前の投稿の繰り返しになりますが、私がここで主張したかった事は、肯定派の皆さんの主張の根底にある『ガイエスブルク要塞を移動要塞化できたのだから、同じ要領でイゼルローン要塞も簡単に移動要塞化できる』という論理の前半部は真であるが、それを以って直ちに後半部も真であるとすることはできない、ということでした。
> それを明らかにするために、要塞の大きさの違いを挙げた上で、前半部が真であっても、後半部が偽となるような例を挙げたつもりでした。
> これに対する反応は、当然、私が挙げた例への反論というような形になると思っていましたので、そうでない投稿は私への反応ではないと思ったのが真実です。

これもシャフト技術総監の「大質量ワープ」というひとくくりで「技術的問題はない」と作中述べている旨紹介されておりますが。
 少し「思わず」「考えて」から御意見を伺いたく思います。

>なお、「駄目で元々でやってみる」については補足しておきたいと思います。
> イゼルローンを移動要塞化できる可能性は、確かにあります。その意味で、この主張は正しいです。(私がNo.3700で否定しているのは、「努力さえすれば絶対実現できる」というような主張です。ガイエスブルク→イゼルローンの応用の途上で解決困難な技術上の問題にぶつかれば、いくら努力しても実現できないということはありえるからです)
> ですが、この移動要塞化成功の可能性が具体的にどの程度のものなのか、あまりに情報が少ないので我々には分かりません。一方、ヤンには「回廊の戦い」という選択肢もありました(こちらの勝算については別に投稿しています)。ヤンの苦しい台所事情を考えれば、両方の作戦に着手してどちらつかずになるより、一つの作戦に専念すべきであるというのは妥当な推測と思われます。
> 二つの作戦のどちらの勝算が大きいかは、我々にはわかりません。であれば、「移動要塞化」を選ばなかったからといって、ヤンを一方的に無能、愚劣と断罪するのは誤りではないでしょうか。

 いや、別に併行しても問題ない類の準備でしょう。
 艦隊の主準備はあの時点で再編成と訓練なのですしエンジン工事については
早い話腕さえあればエルファシルの民間企業に作業面は発注したっていいような話ですから。
 そもそもラインハルトが自ら寛大な処置を条件に降伏を呼びかけヤンがエルファシル独立撤回と引き換えに自身の公正な裁判と他の者の罪状不問を要求して投降していれば最善誰も死ななかったし何の物理的準備も不要だったのですが(まあ社会的な根回しは必要だったでしょうが)。

RAMさん
> S.Kさん、こんばんは。
>どうも私の不躾なお願いにご回答頂きありがとうございました。

「わからない」のを聞くのはそう思いませんが

> 「それ以外に解釈のしようがない」と言った以上は大変だとは
思いますが、私達が提示する別解釈が出来ないことの証明を
よろしくお願いします。

御自分で「やはり移動要塞など不可能である」「ヤンとラインハルトは無謬にして至高の英雄だ」と証明なさる行動に移られる前に「大変」「お願い」との
お言葉は嘲弄されている気分ですね、折角義務でもない「親切」でご紹介したのに。

>> ただし一点、「的が外れていると感じた」から「回答されてな
>> い」というのはいささか受け手側の身勝手ではあるまいかと思
>> いますのでその点御了承下さい。
>>  いかなる形であれ回答は回答であり「意を汲めない」から
>> 「無視された」というのは事実に反します。
>
>一つ弁明させて頂ければ、「的が外れていると感じた」というの
>は「無視された」と言うよりも「的が外れていると自分への回答
>だと気付かない」という意味で書きました。

>ですが、ご不快な思いをさせて申し訳ありませんでした。

 いえ、その点はお気になさらず。
 ただし「気付かない」から「回答していない」と公言して構わないとは申せません。

> 既にいくつかの突込みが入っていますが、内容については後ほど
> ゆっくり吟味させて頂きたいと思います。

「ゆっくり」なさるなら私に抄訳を依頼せずに「ゆっくり」過去ログを吟味していただきたかった物です。
 いずれ緊急で何かを仰るわけではなさそうなので次になにかありましたら数ヶ月単位でのレスのやり取りで良さそうですね。

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