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投稿ログ181 (No.3236 - No.3249)

board4 - No.3236

「小説」について

投稿者:honoo
2002年11月06日(水) 07時54分

みなさん、はじめまして!
私は中国の上海にいる一人の大学四年生です。田中氏の小説などに触れるのもただはじまったばかりなんですけど、(といっても「創竜伝」ならば3巻まで読んだ。次のはなかなか手にいられないから)今は彼のフアンになる一方です。今日は大学の卒業論文のためこの掲示版にきたのですが、皆さんの論争をみたら、何とかいやな気持ちになっちゃった。
もちろん、ある小説がつまらないとか、あるいはおもしろいとか;ある作家がすきとか、あるいは嫌いとか、これはもともと個人の問題です。でも、ここでみんなに考えてもらいたいのは「いったい、小説ってどんなもの?」という問題です。
皆さん、「小説神髄」という本をよんだはずなんでしょ?それによって、「小説」って作家の考えや感情などがいれた物語なんでしょ?もし、小説に自分の思想をいれじゃだめなんだっだら、エッセイだけでいいじゃないか?そりゃ、小説そのものも存在のいみがない!!小説に「ルール」なんかつけたら、一本だけ読んでもいいじゃないの?すべてにているから。
中国では政府や官僚機関などを批判する本はぜんぜんない。書いたら弾圧されるから。その点からみると、日本はなんか幸せじゃないか?わたしはあまり中国の本を読まない。内容も意味もないし、社会にそっくりして、なんか生命力のないものばかり。田中氏の作品がすきなのはここにあるかもしれないけど、なんとか小説で反映された作者の心のおくいところにある多彩な世界に吸い込まれるという感じがすき!
最後ですけど、一つ強調したいところがある。小説で反映されるのは作者の世界ですよ!作品の世界じゃない!!

親記事No.3236スレッドの返信投稿
board4 - No.3237

Re:「小説」について

投稿者:Ken
2002年11月06日(水) 12時05分

> みなさん、はじめまして!

honooさん、はじめまして!

いろいろと言いたいこともありますが、とりあえず一点だけ。

>「創竜伝」ならば3巻まで読んだ。次のはなかなか手にいられない

これは、中国では日本の本が手に入らない、ということでしょうか?上海のような町でも?

クレジット・カードをおもちなら、アマゾンを利用するのもよいと思います。(www.amazon,co.jp)
それがだめなら、私までメールをいただければ、創竜伝でも銀英伝でも、喜んで送らせていただきます。

どうぞご一報を。

親記事No.3236スレッドの返信投稿
board4 - No.3238

Re:「小説」について

投稿者:Ken
2002年11月06日(水) 13時34分

honooさん、

はじめに、ひとこと申しますと、よくぞ勇気をふるって書き込まれました。外国への投稿を外国語でやるなんて、とてもできない、という人がたくさんいます。たとえ、匿名(名前をかくすこと)でもです。また、「創竜伝」を日本語で3巻まで読んだのですか?だったら、すごいですね。私が大学4年生のときは、ようやく英語の小説を、簡単なものから読み始めていたころで、大人向けのむずかしい本なんか、読めませんでした。

実をいうと、私は「創竜伝」は読んでいないのです。興味はありましたが、この掲示板で、いろいろな人が言っていることを読んで、当面はその気がなくなりました。

つまり、この掲示板では、創竜伝や田中先生(「田中先生」は中国では「ミスター田中」という程度の意味ですが、日本人の私はもっと大きな尊敬を込めて使っています)に対して、それだけきびしい発言がなされています。

しかし、ここで大切なことは、みなさんが田中先生(中国式に「田中老師」といいましょうか?)の作品を酷評(わるぐちをいうこと)するのには、一つの大前提があります。それは、何を言おうが、そのことが田中老師の創作活動の自由を、決して制限しない、ということです。

もちろん、田中老師も人間だし、作品が多くの人に好かれることで、生活をしている人ですから、わる口を言われたら、影響をうけるかもしれません。それでも、そんなわる口を聞いて、(もちろん賞賛も聞いて、)その上で、どんな作品を書くか決める権利と責任は、田中老師にだけあります。このことは、みなさんにとっては、あたりまえすぎるので、わざわざ言葉にして発言する人はおりません。

もしも、わる口%

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board4 - No.3239

Re:「小説」について

投稿者:Ken
2002年11月06日(水) 13時39分

---どういうわけか、3238の書き込みが、途中で切れてしまい、削除キーも効きませんので、ここから、後を続けます。---

もしも、わる口を言ったら、田中老師がこわがって、書きたいことを書かなくなるんじゃないか、と考えて、批判をひかえる人がいたら、その人は田中老師に対して、最大の侮辱をしています。

さらに言えば、田中老師が、もしも批判をされて「ひるむ」ような性格の人なら、小説の中で、社会の一部の人を、あれほど批判するはずがありません。私は、田中老師の作品は「銀河英雄伝説」しか読んでいませんが、銀英伝の中で「悪役」にされている登場人物には、明らかに現実世界のモデルがあります。そして、それはおそらく創竜伝も同じだと思います。

結論を言いますと、この掲示板で言われていることは、honooさんの好きな田中老師が、創作活動をすることの妨げには決してならず、むしろ「肥料」になっていると、私は考えます。だからこそ、私のようなファンが顔を出して、田中老師のわる口を言う人たちと、親しく言葉を交わしています。

私の日本語は分かりやすいですか?

くりかえしますが、中国で手に入らない、日本の本でほしいのがあったら、ぜひ電子メール知らせてください。私は、今、中国人の友人(中国語で「朋友」といいましたね)を作りたくて、しょうがないんです。

親記事No.3175スレッドの返信投稿
board4 - No.3240

Re:小さいけれど重要な話

投稿者:八木あつし
2002年11月07日(木) 11時48分

僧侶Tさん
私より若い人がいた。やった!・・・と喜ぶべきなのでしょうか?う~ん(⌒~⌒ι)
ただ私は就職活動の一番ヤバイ時期にここを発見してしまい、寝る間と勉強の間を惜しんで、ザ・ベストや考察を読んでいました。
今思うと、ものすごくヤバかったです。

Kenさん
Kenさんの説明で超高速通信・画面の謎がついに解けました。
なるほど、リアルタイムでの通信か配信された映像を改めて再生しているかの違いだったのですね。
これならばラインハルトが華麗な姿のままでいることの辻褄が合います。
それにしても田中氏は、インターネットの誕生する遙か昔に「TCP/IP」を超光速通信という形で予測していたのですね。
さすが田中氏。SF作家としての面目躍如といえます。

> >超光速通信では、遠距離になればなるほど画面の解像度が下がっています。そのくせ、ラインハルトが全宇宙に放った超光速通信の画面は、乱れがないという矛盾がありますが(笑)
>
> なるほど、そういうことになっていますか(笑)。銀英伝得意の「ご都合主義設定」というやつですね。
> ただ、私は(皆さんに評判の悪い「創竜伝」などを読んでないせいか)「田中芳樹を撃つ」に顔を出しては、「田中芳樹を擁護する」ことに精を出して(笑)いますので、ない知恵を絞って、この設定を「合理的に」説明してみます。
>
> 実は、この「矛盾」の説明は、さして難しくないのでは、と思います。画面の解像度が下がったり、ノイズが入るのは、例えばキルヒアイスが死んだ直後に、ガイエスブルクのラインハルトとオーディンのアンネローゼが行ったような、リアルタイムの対話の場合ですね?これに対して、ラインハルトが全宇宙に放ったのは、一方通行の「放送」でしょう?銀英伝世界の通信が、私たちが利用しているインターネットなどと同じ原理で行われているなら、この現象の説明がつきます。
>
> インターネットでは、世界のどんなに離れた場所からデータがやってきても、画像や音声やソフトウェアにいたるまで、「完全に」届きます。これは、情報の送り側(サーバ)と受け側(私たちのパソコン)が、常に交信しながら、データが完全に届くように協力をしているからです。例えば、送り側が1メガバイトのサイズの映像データを送る場合、送信データの中に、「今送っているのは、1メガのデータですよ」というメッセージを埋め込みます。受け側は、そのメッセージを読み、もしも受信したデータの総量が1メガに達しなかったら、「届いていないデータがあります」と、送り側にメッセージを返し、また送られたデータを詳細にチェックして、どの部分が欠けているのかも知らせます。送り側は、そのメッセージを受け、足りない部分のデータを再送します。これらのやり取りは、我々ユーザには見えないところで、コンピュータがやっており、そのようなやりとりをするための共通ルールを、インターネットの世界では「TCP/IPプロトコル」と呼びます。
>
> さて、TCP/IPのおかげで、情報は完全に届きますが、難点もあります。完全な情報を送ることを優先し、本来のデータとは別のメッセージを送ったり、送るたびに正しく届いたか確認しあったり、僅かでも欠けていたら送りなおしたりするので、どうしても時間がかかり、会話のようなリアルタイムの交信には向いていません。(ウィンドウズに付いてくる「ネットミーティング」を試した人なら、分かるでしょう。)そこで、リアルタイム性を重視する応用では、このような確認・やり直し作業をわざと省略します。最近はやりの「インターネット電話」がそうで、通常の電話よりむしろ音質が劣ります。正確には、音声信号の一部が、欠落してしまっているのです。
>
> と、ここまで書けばお分かりになるかと思いますが、ラインハルトとアンネローゼが行ったようなリアルタイム通信では、インターネット電話の音質低下と同じ現象が起こっているのです。一方、ラインハルトの放送は、一方通行ですから、リアルタイム性は不要で、メッセージはTCP/IPもしくは類似のプロトコルで、各惑星の受信サーバへ「確実に」送られてから、惑星内で通常の放送をすればよいことになります。

board4 - No.3241

ありがとう!!

投稿者:honoo
2002年11月07日(木) 14時44分

kenさん、ご厚情をたまわり、ほんとにありがとう!
わたしが読んだ「創竜伝」は日本語で書いたものじゃない、中国語の訳本です。(残念ですね!)最近は7巻まで発刊したそうだが、まだ見つけていない。上海でも日本の原典が多くない。日本現代の作家なんかはいっそう少ない。田中先生の場合はただ外国語書店で3巻ある。近作の「岳飛伝」などの単行本だけ。そして値段はとっても受け入れない・・・クレジット・カードなどももってないですが・・・でも、本当に田中先生の原典が読みたい。
kenさんのご意見のとおり、みなさんがここで自分の意見をのべることは田中先生への一種の尊敬だと思う。でも、「田中作品が小説のルール破り」ということにどしてもうけとれない!これはただ作品に対しての感想じゃない、小説そのものの意味が認識できないのではないか?そして、田中先生の創作自由に手を出したい意味もあるまいか?今、どの国の先進都市でも、自分なりの社会問題を持つのはあたりまえです。そして、それらの問題もけっして外見のようにやわらかいわけでもない!そんな社会の膿を撃つ「創竜伝」は「自分娯楽」じゃない!
とりわけ、みなさんがここで田中先生の作品について論争するのは、「肥料」になるなんですけど、ここでたがいに攻撃するのは不祥じゃないか?「蝿」と呼び合えるなんて・・・「尻の穴が狭い」なんて・・・

さて、kenさんはよく考えてくれてありがとう!
わたしは今上海で日本語を勉強してるんですけど、日本語はまだまだです。きのう掲示版で書き込んだのもすきな田中先生の酷評を見てちょっと腹たって、どうしてもいいたくてたまらないから。返事してくれるなんか、思いもよらない。もともとは卒業論文をもっともすきな日本作家田中先生について展開するつもりで、この掲示版にきたのですが、いろいろ読んだ結果、田中先生の作品そのものにより深い興味を持つようになった。同じく田中作品がすきな日本人の友人もつくりたいです。

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board4 - No.3242

Re:「小説」について

投稿者:honoo
2002年11月07日(木) 14時45分

> みなさん、はじめまして!
> 私は中国の上海にいる一人の大学四年生です。田中氏の小説などに触れるのもただはじまったばかりなんですけど、(といっても「創竜伝」ならば3巻まで読んだ。次のはなかなか手にいられないから)今は彼のフアンになる一方です。今日は大学の卒業論文のためこの掲示版にきたのですが、皆さんの論争をみたら、何とかいやな気持ちになっちゃった。
> もちろん、ある小説がつまらないとか、あるいはおもしろいとか;ある作家がすきとか、あるいは嫌いとか、これはもともと個人の問題です。でも、ここでみんなに考えてもらいたいのは「いったい、小説ってどんなもの?」という問題です。
> 皆さん、「小説神髄」という本をよんだはずなんでしょ?それによって、「小説」って作家の考えや感情などがいれた物語なんでしょ?もし、小説に自分の思想をいれじゃだめなんだっだら、エッセイだけでいいじゃないか?そりゃ、小説そのものも存在のいみがない!!小説に「ルール」なんかつけたら、一本だけ読んでもいいじゃないの?すべてにているから。
> 中国では政府や官僚機関などを批判する本はぜんぜんない。書いたら弾圧されるから。その点からみると、日本はなんか幸せじゃないか?わたしはあまり中国の本を読まない。内容も意味もないし、社会にそっくりして、なんか生命力のないものばかり。田中氏の作品がすきなのはここにあるかもしれないけど、なんとか小説で反映された作者の心のおくいところにある多彩な世界に吸い込まれるという感じがすき!
> 最後ですけど、一つ強調したいところがある。小説で反映されるのは作者の世界ですよ!作品の世界じゃない!!

親記事No.3241スレッドの返信投稿
board4 - No.3243

Re:こんにちは

投稿者:不沈戦艦
2002年11月07日(木) 15時09分

> kenさん、ご厚情をたまわり、ほんとにありがとう!
> わたしが読んだ「創竜伝」は日本語で書いたものじゃない、中国語の訳本です。(残念ですね!)最近は7巻まで発刊したそうだが、まだ見つけていない。上海でも日本の原典が多くない。日本現代の作家なんかはいっそう少ない。田中先生の場合はただ外国語書店で3巻ある。近作の「岳飛伝」などの単行本だけ。そして値段はとっても受け入れない・・・クレジット・カードなどももってないですが・・・でも、本当に田中先生の原典が読みたい。
> kenさんのご意見のとおり、みなさんがここで自分の意見をのべることは田中先生への一種の尊敬だと思う。でも、「田中作品が小説のルール破り」ということにどしてもうけとれない!これはただ作品に対しての感想じゃない、小説そのものの意味が認識できないのではないか?そして、田中先生の創作自由に手を出したい意味もあるまいか?今、どの国の先進都市でも、自分なりの社会問題を持つのはあたりまえです。そして、それらの問題もけっして外見のようにやわらかいわけでもない!そんな社会の膿を撃つ「創竜伝」は「自分娯楽」じゃない!
> とりわけ、みなさんがここで田中先生の作品について論争するのは、「肥料」になるなんですけど、ここでたがいに攻撃するのは不祥じゃないか?「蝿」と呼び合えるなんて・・・「尻の穴が狭い」なんて・・・
>
>
> さて、kenさんはよく考えてくれてありがとう!
> わたしは今上海で日本語を勉強してるんですけど、日本語はまだまだです。きのう掲示版で書き込んだのもすきな田中先生の酷評を見てちょっと腹たって、どうしてもいいたくてたまらないから。返事してくれるなんか、思いもよらない。もともとは卒業論文をもっともすきな日本作家田中先生について展開するつもりで、この掲示版にきたのですが、いろいろ読んだ結果、田中先生の作品そのものにより深い興味を持つようになった。同じく田中作品がすきな日本人の友人もつくりたいです。
>
>

 どうもこんにちは。

 ところで、田中芳樹に対する批判は、ここ以外では「2ちゃんねる」のライトノベル板で悪口雑言浴びせられているくらいですよ。「ハゲ樹」呼ばわりされてますけど。管理人氏が述べているように、「Web上で田中芳樹に対しては礼賛以外には存在しない」という状態はあまりいいものとは思えないので、批判サイトを立ち上げたという経緯があります。

 それに、田中芳樹の全てを批判している訳ではありません。「銀河英雄伝説の素晴らしさ・面白さに比べて、何で創竜伝はあそこまで駄作なんだ。それと、ただでさえ刊行ペースが遅いのに、次から次へとシリーズ物を広げたあげく、何年もほったらかしにしているのはいい加減にしてくれ」と嘆いているからこそ、批判の声があがっているのです。

 ところで、あなたが思うところの創竜伝の「社会の膿を撃つ良い部分」とは、どのあたりなんでしょうか?できれば、具体的に指摘していただけると、ありがたいと思うのですが。

親記事No.3241スレッドの返信投稿
board4 - No.3244

Re:こんにちは

投稿者:honoo
2002年11月07日(木) 16時14分

> > kenさん、ご厚情をたまわり、ほんとにありがとう!
> > わたしが読んだ「創竜伝」は日本語で書いたものじゃない、中国語の訳本です。(残念ですね!)最近は7巻まで発刊したそうだが、まだ見つけていない。上海でも日本の原典が多くない。日本現代の作家なんかはいっそう少ない。田中先生の場合はただ外国語書店で3巻ある。近作の「岳飛伝」などの単行本だけ。そして値段はとっても受け入れない・・・クレジット・カードなどももってないですが・・・でも、本当に田中先生の原典が読みたい。
> > kenさんのご意見のとおり、みなさんがここで自分の意見をのべることは田中先生への一種の尊敬だと思う。でも、「田中作品が小説のルール破り」ということにどしてもうけとれない!これはただ作品に対しての感想じゃない、小説そのものの意味が認識できないのではないか?そして、田中先生の創作自由に手を出したい意味もあるまいか?今、どの国の先進都市でも、自分なりの社会問題を持つのはあたりまえです。そして、それらの問題もけっして外見のようにやわらかいわけでもない!そんな社会の膿を撃つ「創竜伝」は「自分娯楽」じゃない!
> > とりわけ、みなさんがここで田中先生の作品について論争するのは、「肥料」になるなんですけど、ここでたがいに攻撃するのは不祥じゃないか?「蝿」と呼び合えるなんて・・・「尻の穴が狭い」なんて・・・
> >
> >
> > さて、kenさんはよく考えてくれてありがとう!
> > わたしは今上海で日本語を勉強してるんですけど、日本語はまだまだです。きのう掲示版で書き込んだのもすきな田中先生の酷評を見てちょっと腹たって、どうしてもいいたくてたまらないから。返事してくれるなんか、思いもよらない。もともとは卒業論文をもっともすきな日本作家田中先生について展開するつもりで、この掲示版にきたのですが、いろいろ読んだ結果、田中先生の作品そのものにより深い興味を持つようになった。同じく田中作品がすきな日本人の友人もつくりたいです。
> >
> >
>
>  どうもこんにちは。
>
>  ところで、田中芳樹に対する批判は、ここ以外では「2ちゃんねる」のライトノベル板で悪口雑言浴びせられているくらいですよ。「ハゲ樹」呼ばわりされてますけど。管理人氏が述べているように、「Web上で田中芳樹に対しては礼賛以外には存在しない」という状態はあまりいいものとは思えないので、批判サイトを立ち上げたという経緯があります。
>
>  それに、田中芳樹の全てを批判している訳ではありません。「銀河英雄伝説の素晴らしさ・面白さに比べて、何で創竜伝はあそこまで駄作なんだ。それと、ただでさえ刊行ペースが遅いのに、次から次へとシリーズ物を広げたあげく、何年もほったらかしにしているのはいい加減にしてくれ」と嘆いているからこそ、批判の声があがっているのです。
>
>  ところで、あなたが思うところの創竜伝の「社会の膿を撃つ良い部分」とは、どのあたりなんでしょうか?できれば、具体的に指摘していただけると、ありがたいと思うのですが。

board4 - No.3245

銀英伝世界における教育制度

投稿者:イッチー
2002年11月07日(木) 16時16分

 私が「銀英伝」を読んでいて、不可解に思っている点に教育制度があります。誰かご教授していただければ幸いです。
①士官学校と幼年学校
 外伝「白銀の谷」で幼年学校を卒業したラインハルトが准尉として任官されるべきところを少尉に任官されたとあります。幼年学校を卒業して、数年かかって士官学校を卒業しても、1階級しか上がらないのであれば、幼年学校を卒業して、戦場に身を投じたほうが早く出世できるのではないでしょうか?非合理的な制度のように思えます。

②士官学校の上はないのか?
 戦前の日本には、陸軍士官学校や海軍兵学校の上に陸軍大学・海軍大学がありましたが、同盟には士官学校の上に軍大学のようなものはないのでしょうか?ユリアンのように士官学校を経ずに将校に任官したものを教育する機関はないのでしょうか?

③同盟に高校はないのか?
 ヤンが父親に大学進学の相談をしていたのは15歳のときでした。スールズカリッター少佐は中学校を卒業した後、士官学校にすすみました。ユリアンは16歳になる直前に軍曹になりました。同盟には高校はないのでしょうか?

board4 - No.3246

「社会の膿を撃つ」について

投稿者:honoo
2002年11月07日(木) 16時37分

あたしの書き込みに返事してくれて、どうもありがとう!

さて、ご質問に答えてあげよう。

あたしの読んだ訳本からみると、「創竜伝」で描かれた政治家、警察などの人物は発展途上国の中国の上海でもモデルがいる!!
もちろん、上海でも、東京でも、そんな政治家しかないわけでもないとしてるけど、やっぱりそのような人の数はすくないとはいえないでしょ?「創竜伝」では、この状況を倍に拡張して表現したけど、なんか「警世」の意味があるじゃないか?これは出すぎじゃないと思う。あたしたちが見たのはただの外皮で、本当の情況はどうかわからない。さらされたの不祥事はただの「氷山の一角」かもしれない。これらは「社会の膿」じゃない?そのぐらいの皮肉で「言い過ぎ」といったら、ほんとうにいいのか?

親記事No.3246スレッドの返信投稿
board4 - No.3247

Re:「社会の膿を撃つ」について

投稿者:Ken
2002年11月07日(木) 16時50分

honooさん、

>わたしが読んだ「創竜伝」は日本語で書いたものじゃない、中国語の訳本です。(残念ですね!)

そうでしたか。でもまあ、だいじょうぶですよ。私は、以前に、田中先生の作品は、英語に訳すのは難しい、と言ったことがありますが、中国語なら漢字を共有しているし、なんとかいけるでしょう。

>そして値段はとっても受け入れない・・・クレジット・カードなどももってないですが・・・でも、本当に田中先生の原典が読みたい。

先の発言で書いたように、私にメールをくれたら、喜んで送ってあげます。お金のことは心配しないでください。私は、アメリカ人の友達から、キリスト教の本をたくさんもらいました。「これを読め。こっちも読め」と、次々にくれるのです。おかげで、キリスト教の本で、自分で買ったのはバイブルくらいです。私の友達は、そういう本を外国人――とくに日本のように、キリスト教が弱い国からきた外国人――が読むこと自体がうれしいのです。私も同じです。田中先生の本を、中国の人が読みたいと思うなら、協力します。電子メールをください。

さて、先に書いたように、私は創竜伝を読んでいないので、細かい話になったら、honooさんの相手ができないな、と思っていたのですが、不沈戦艦さんが回答をくれましたね。(ところで「不沈戦艦」というハンドル名を見て、「やっぱり日本は軍国主義」なんて、思わないでくださいね。「なんとなくかっこいい」から、こんな名前を使われているだけだと思います。)

不沈戦艦さんが書いたように、田中先生には「銀河英雄伝説」という、たいへんにすばらしい作品があります。とくに「ヤン・ウェンリー」という、すばらしい中国人がでてきます。ここの掲示板に来ている人の多くも、銀英伝は大好きで、それに比べて創竜伝がつまらないから、残念に思っているのだと思います。(自分が読んでいないので、想像するしかありませんが。)

>でも、「田中作品が小説のルール破り」ということにどしてもうけとれない!これはただ作品に対しての感想じゃない、小説そのものの意味が認識できないのではないか?そして、田中先生の創作自由に手を出したい意味もあるまいか?

honooさんがいう「ルール破り」をやっている小説家は、日本のような国には、田中先生だけでなく、ものすごくたくさんいます。ここの掲示板にくる人たちが、「ルール破り」を理由に小説家をつぶそうとしたら、田中芳樹だけに、こんなに時間と労力をかけられません。また、私などは、田中芳樹さんを擁護することが多いので、今頃はこうして掲示板に書き込めないほど、ひどい目にあっているでしょう。でも、私に対して「だまれ」とか「でていけ」という人はいません。

>ここでたがいに攻撃するのは不祥じゃないか?「蝿」と呼び合えるなんて・・・「尻の穴が狭い」なんて・・・

うーむ。いたいところをつかれました。(ところで「不詳」という中国語は「悪意がある」という意味なのでしょうね?)そういう言い方をする人は、たしかにいますし、そういう言い方をする人には、いなくなってほしいと、私も思います。ただ、インターネットの掲示板のように、互いの顔を見えないところで、相手を「蝿」と呼んだからといって、それが「実社会」での相手の立場を傷つけるわけではありません。相手を「蝿」と呼ぶ人は、そのことに安心しているから、半分はおもしろがって、わる口を言っているのです。

>あたしの読んだ訳本からみると、「創竜伝」で描かれた政治家、警察などの人物は発展途上国の中国の上海でもモデルがいる!!
>もちろん、上海でも、東京でも、そんな政治家しかないわけでもないとしてるけど、やっぱりそのような人の数はすくないとはいえないでしょ?「創竜伝」では、この状況を倍に拡張して表現したけど、なんか「警世」の意味があるじゃないか?これは出すぎじゃないと思う。あたしたちが見たのはただの外皮で、本当の情況はどうかわからない。さらされたの不祥事はただの「氷山の一角」かもしれない。これらは「社会の膿」じゃない?

そういう回答がくるだろうな、と思っていました。政府や権力者が悪いことをしているのを、痛烈にやっつける部分を言っているのですね?たしかに中国には、そういう小説はあまりないかもしれませんね。でも、そういうことをやっている小説家は、田中先生以外にも、ほんとうにたくさんいるのですよ。インターネットの掲示板で批判する程度で、そういう意見を封じることができるなどと、まじめに考える人はいません。

小説だけでなく、新聞の論説などでも、政府や権力への批判はあります。朝日新聞(www.asahi.com)の社説を読んだらおもしろいかもしれません。また、honooさんは英語は読めますか?もし読めるなら、アメリカのニューヨークタイムズ紙(www.nytimes.com)とか、ニューズウィーク誌(ttp://www.msnbc.com/news/NW-front_Front.asp)とかの記事を読んでみてはどうでしょうか?アメリカ政府のやり方を、「こてんぱん」にやっつけている記事がいくらでもみつかりますから。「ブッシュ大統領が、なにがなんでもイラクをやっつけようとするのは、父親がやり残した仕事を息子が仕上げたいという、個人的な感情だろう」とかね。(いくらなんでも、これはいいすぎだと、私は思いますが。)

親記事No.3246スレッドの返信投稿
board4 - No.3248

Re:「社会の膿を撃つ」について

投稿者:honoo
2002年11月07日(木) 17時48分

> honooさん、
>
> >わたしが読んだ「創竜伝」は日本語で書いたものじゃない、中国語の訳本です。(残念ですね!)
>
> そうでしたか。でもまあ、だいじょうぶですよ。私は、以前に、田中先生の作品は、英語に訳すのは難しい、と言ったことがありますが、中国語なら漢字を共有しているし、なんとかいけるでしょう。
>
> >そして値段はとっても受け入れない・・・クレジット・カードなどももってないですが・・・でも、本当に田中先生の原典が読みたい。
>
> 先の発言で書いたように、私にメールをくれたら、喜んで送ってあげます。お金のことは心配しないでください。私は、アメリカ人の友達から、キリスト教の本をたくさんもらいました。「これを読め。こっちも読め」と、次々にくれるのです。おかげで、キリスト教の本で、自分で買ったのはバイブルくらいです。私の友達は、そういう本を外国人――とくに日本のように、キリスト教が弱い国からきた外国人――が読むこと自体がうれしいのです。私も同じです。田中先生の本を、中国の人が読みたいと思うなら、協力します。電子メールをください。
>

>ありがとう!今、あたしは「薬師寺涼子の事件簿」によっぱらているから、どうしてもそれが一番読みたい!そして、ストーリの構成と内容もより簡単ですし、原典のよみはじめるところにふさわしいと思う。
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> さて、先に書いたように、私は創竜伝を読んでいないので、細かい話になったら、honooさんの相手ができないな、と思っていたのですが、不沈戦艦さんが回答をくれましたね。(ところで「不沈戦艦」というハンドル名を見て、「やっぱり日本は軍国主義」なんて、思わないでくださいね。「なんとなくかっこいい」から、こんな名前を使われているだけだと思います。)

> そんなことはない。不沈戦艦さんも田中先生がすき、こちらははっきりわかている。どちらともしりたい、kenさんと不沈戦艦さん、そしてこの掲示板で発表したみなさんも。論文にいれたいのは田中作品に対して、自分の意見や自分がこれから受けた影響など。ただ「創竜伝」その本を読んだあとの感想文じゃないから、「創竜伝」を読んでも、読んでいないでも、kenさんの意見が聞きたい。田中作品をどう思ってるとか、どうして田中先生を尊敬するとか。
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> 不沈戦艦さんが書いたように、田中先生には「銀河英雄伝説」という、たいへんにすばらしい作品があります。とくに「ヤン・ウェンリー」という、すばらしい中国人がでてきます。ここの掲示板に来ている人の多くも、銀英伝は大好きで、それに比べて創竜伝がつまらないから、残念に思っているのだと思います。(自分が読んでいないので、想像するしかありませんが。)
>
>
> >でも、「田中作品が小説のルール破り」ということにどしてもうけとれない!これはただ作品に対しての感想じゃない、小説そのものの意味が認識できないのではないか?そして、田中先生の創作自由に手を出したい意味もあるまいか?
>
> honooさんがいう「ルール破り」をやっている小説家は、日本のような国には、田中先生だけでなく、ものすごくたくさんいます。ここの掲示板にくる人たちが、「ルール破り」を理由に小説家をつぶそうとしたら、田中芳樹だけに、こんなに時間と労力をかけられません。また、私などは、田中芳樹さんを擁護することが多いので、今頃はこうして掲示板に書き込めないほど、ひどい目にあっているでしょう。でも、私に対して「だまれ」とか「でていけ」という人はいません。
>
> >ここでたがいに攻撃するのは不祥じゃないか?「蝿」と呼び合えるなんて・・・「尻の穴が狭い」なんて・・・
>
> うーむ。いたいところをつかれました。(ところで「不詳」という中国語は「悪意がある」という意味なのでしょうね?)そういう言い方をする人は、たしかにいますし、そういう言い方をする人には、いなくなってほしいと、私も思います。ただ、インターネットの掲示板のように、互いの顔を見えないところで、相手を「蝿」と呼んだからといって、それが「実社会」での相手の立場を傷つけるわけではありません。相手を「蝿」と呼ぶ人は、そのことに安心しているから、半分はおもしろがって、わる口を言っているのです。
>
> >あたしの読んだ訳本からみると、「創竜伝」で描かれた政治家、警察などの人物は発展途上国の中国の上海でもモデルがいる!!
> >もちろん、上海でも、東京でも、そんな政治家しかないわけでもないとしてるけど、やっぱりそのような人の数はすくないとはいえないでしょ?「創竜伝」では、この状況を倍に拡張して表現したけど、なんか「警世」の意味があるじゃないか?これは出すぎじゃないと思う。あたしたちが見たのはただの外皮で、本当の情況はどうかわからない。さらされたの不祥事はただの「氷山の一角」かもしれない。これらは「社会の膿」じゃない?
>
> そういう回答がくるだろうな、と思っていました。政府や権力者が悪いことをしているのを、痛烈にやっつける部分を言っているのですね?たしかに中国には、そういう小説はあまりないかもしれませんね。でも、そういうことをやっている小説家は、田中先生以外にも、ほんとうにたくさんいるのですよ。インターネットの掲示板で批判する程度で、そういう意見を封じることができるなどと、まじめに考える人はいません。
>
> 小説だけでなく、新聞の論説などでも、政府や権力への批判はあります。朝日新聞(www.asahi.com)の社説を読んだらおもしろいかもしれません。また、honooさんは英語は読めますか?もし読めるなら、アメリカのニューヨークタイムズ紙(www.nytimes.com)とか、ニューズウィーク誌(ttp://www.msnbc.com/news/NW-front_Front.asp)とかの記事を読んでみてはどうでしょうか?アメリカ政府のやり方を、「こてんぱん」にやっつけている記事がいくらでもみつかりますから。「ブッシュ大統領が、なにがなんでもイラクをやっつけようとするのは、父親がやり残した仕事を息子が仕上げたいという、個人的な感情だろう」とかね。(いくらなんでも、これはいいすぎだと、私は思いますが。)

>そうですね。やっと気がついた。わが中国は日本とアメリカと違って、「言論自由」がまだ手に入れない国なんですよ!そんな「自由」に論争する場面になれないから、なんとか違和感がある。「互いの顔を見えない」インターネットの掲示板でも、誰かに「蝿」などと呼ばれると、必ず腹立つ、反撃するなんだが、新聞で大統領の悪口をいうなんて、想像でもできない!!中国では、そんあことのおこりはけっしてない!誰かが書いても、発刊前に逮捕されて、ひそかに「処理された」かもしれない。

PS:もねじゃだめ!明日また授業があるから。kenさんたちとここで知り合いできて、ほんとうによっかた! 今後もどうぞよろしくお願いします!!

親記事No.3220スレッドの返信投稿
board4 - No.3249

Re:銀英伝世界で人工知能はどれ位発達しているか?

投稿者:古典SFファン
2002年11月07日(木) 20時22分

IKさん:
>ダロウについてはハワイでの人種差別事件の裁判に関わっていたというおぼろげな記憶しかなかったのですが、今回、ネットで検索したところ進化論にも関わっていたとのこと。おそらくその関係のことでしょうが、お手数ですが解説をいただければ幸いに存じます。

ちょっとこの辺は面倒なんですが・・・
ダロウのこの「言葉」は、単一の発言を指しての事ではありません。
彼の活動期間の前期に当たる、労働組合運動の弁護を行っていた時期に
出た著書や、裁判中の断片的な発言の集積を俯瞰しての感想です。

ダロウは50年程も法廷活動をしていて、最初は出身地のアシュタブラ、
続いて大都会シカゴで鉄道関連の大企業に雇われ、次に敵に回って(笑)
労働組合運動に関わり、そして組合と袂を別った後、特に傾向なく
色々な弁護を行ったようです。

仰る「ハワイでの人種差別裁判」は「マッシー事件」です。
が、「ダロウ最後の事件」とも呼ばれるこの事件では(彼はもう相当な高齢でした)、
法廷外の和解に近い形で事件が処理され、彼は弁護士というより調停者として働いた
ようです。

彼が関わった事件で現在有名なのは、(これをネットで発見されたようですが)
デイトンにおける「スコープス事件」(進化論裁判)です。

ダロウは(自称)不可知論者で、進化論・唯物論にも通じていたようです。
彼や、いわゆる進歩的な市民層に支えられた弁護団は被告スコープスに付き、
そしてウィリアム・ジェニングス・ブライアン率いるファンダメンタリストたちが
彼らの敵に回りました。
(ブライアンは「聴衆を催眠術にかける」と言われた演説の名手で、大統領選で
活躍し、国務長官まで勤めた、かなりの大物です)

ちなみにデイトンにおける両者の対決は、何かというと聖句を引用するブライアンと、
皮肉で塗り固められたような弁論を駆使するダロウの舌戦で、なかなかの大論争だった
のですが、意外にも裁判自体はスコープス有罪と言う事になりました。
進化論そのものの正否はともかく、それを学校で教える事を禁じた州法に違反した
事はどうにもならなかったという事で・・・。
・・・が、論戦の旗色が悪すぎたせいではないと思いますが、ブライアンは裁判後に
急死。
裁判はともかく論争には進化論派が勝ったとして記憶されているようです。

これらの事件はダロウの活動の比較的後期に起きた事です。
ダロウは元々大企業の弁護士でしたが、当時あまりにも露骨に組合を弾圧した
経営側のやり口に嫌気がさし、30代の頃に労働組合側につきました。

以下はその時の、上司であったマーヴィン・ヒューイットとダロウの会話です。

ヒューイット:
 「暑そうだな、クラレンス。明日は独立記念日(7月4日)だ。仕事を休んで涼めるぞ」
ダロウ:
 「明日、シカゴで休んでいようなどと云う人間は一人もいません」
ダロウ:
 「今朝、連邦巡回裁判所がストライキ参加者に発令した禁止命令の記事を
  読みました。ストライキに参加する事が刑法に触れると云うだけでなく、
  他人に参加をほのめかすだけで拘留される、とまで命じているのです」
 ヒューイット:
 「その命令は、流血騒ぎと破壊略奪行為を防ぐ事になるだろう」
ダロウ:
 「少なくともここは、自由の国だと思っていたのですが。人は、労働条件
  が満足できないと判れば、働く事を中止する権利があるのではないかと。
  彼ら自身が選んだ政府がストライキは不法だと宣言し、雇用者が妥当と
  認めるいかなる条件下においても従業員が就労せねばならないとしたら、
  彼らは奴隷以下と云う事ではありませんか。
  われわれがもしほんとうに民主主義の社会に住んでいるのだとしたら、
  あの禁止命令こそ違法だと云うべきです」

当時はそう云う時代でした。
離職者や組合員はブラックリストに載せられ、スト破りのために軍隊が動員され、
大統領さえも資本家の意向により沈黙する時代です。

彼は(この時期より前になりますが)共産主義者と疑われて、でっちあげに近い
形で告発された何人かの労働者の弁護に関わっています(ヘイマーケット事件)。
その時に彼が云ったのが、
「私は、共産主義が正しいとは思わない。しかし、資本主義ではわれわれは
決して本当に幸福にはなれない」
という言葉です。
それは、分かち合うべきものを、お互いに奪い合わねばならぬようにする
狂った上掛けに覆われている、と。
しかしヘイマーケット事件では彼は敗れました。

彼はその後、アメリカン鉄道組合のユージーン・デブスを弁護しますが、
その事件でも敗れ、デブスと組合幹部は監獄行きとなります。

彼が地道に小さな勝利を積み上げ、遂に、述べ10万名が関わったといわれる
無煙炭鉱の労働争議で勇名を轟かせるに至るのは、1902~1903年の
事です。
ダロウと彼の同僚たちは、ルーズヴェルト大統領が招集した委員会の席上で、
経営者と、彼らの弁護団を打ち破り、労働時間の短縮と賃金の改善を勝ち取り
ました。
以後、彼は労働者の権利拡大のため、著名な組合弁護士として奔走します。

が、何度も大きな事件を勝ち抜いた後、彼は「マクナマラ兄弟事件」で、
「弁護しようもないほど有罪のテロリスト」(ビル爆破等で相当なムチャ
クチャをやったようです)を弁護する羽目になり、検察側と極秘裏に
取引して、有罪を認めて兄弟の死刑のみは避ける戦術を採用しました。

これが「事件は経営者側のでっちあげ」と謳っていた組合側との決裂を招き、
ダロウは政治的にも個人的にも多くのものを失って労働運動と距離を置く
ようになります。

スコープス事件はその後起きた事です。
マッシー事件はほぼ、彼の晩年に近い時期となります。

大資本や経営者にまつわる彼の見解は、その経歴に相応しく批判的で、
かなり皮肉です。
労働市場の性質を考察して、彼は「オープン・ショップ」と云う随筆調の
文章を残しています。
その中で彼が主張するのは、要するに組合か、それに等しい機能を持つ組織
が労働市場を寡占しない限り(クローズド・ショップを形成しない限り)、
労働協約の破壊(賃金切り下げ)を最終的に阻止する手段はないと云う事です。

経営者が、同じ質なら最もコストの低い者を雇おうとするのは当然ですが、
それを際限なく許すと、賃金は最低水準まで落ちてしまう。
・・結果的にデフレスパイラルが内需を圧縮してしまい、経営者たち自身の
首も締めるのですが、その性質はダロウの時代となんら変わっていない。

ダロウの生涯は毀誉褒貶が激しく、その政治的・個人的主張と同様、左右に
激しく揺れ動きます。
彼は皮肉屋ですが熱血漢で、裁判の最終弁論となると、芸術的とも云える
美しい言葉を駆使して陪審員の心を動かします。
・・ですが、その美しい言葉を以って「正義が勝つ」かと云うと、・・・
彼は重大な節目で何度も敗北し、そこからまた這い上がる羽目になり、
彼の依頼人は監獄行きになったり、はなはだしい場合は死刑に処せられたり
する。

私が、彼の人間的魅力と共に記憶しているのは、金持ちと戦う羽目になる
のが、今も昔も馬鹿馬鹿しく不条理で、不公平な勝負を強いられる事だと
云う事です。
この100年、基本的な所は何も変わっていない。

・・そして、結局のところ、「何も変わっていない」のは、人間の知性や
能力の限界が、まだそんなものでしかないと云うことではないのか。
・・ダロウは彼らしく皮肉に塗り固めた表現で、
「人間はサルである。今もサルだし、昔もサルだった。そして今後も、
おそらくサルでしかない」
とのたまっていますが・・・
彼は、そのサルを見下すような男ではありませんでした。
同時代の弁護士で、彼がしたように黒人を弁護した者は少数です。
彼は娼婦であろうと泥棒であろうと弁護したと、彼の伝記作者は語っています。

人間は今も昔も愚かで、臆病で、保守的で、貪欲で、仲間を平然と殺し、むしりとる。
・・・しかし・・・
どう取り繕おうと、結局われわれはその同類なのです。
少なくとも、私はそう思います。
・・・その中で、むしりとられまいとすると同時に、無用にむしりとるまいとすれば・・
ダロウのように、矛盾を抱えながらあがきつづけるしかないのではないか。
私は、折に触れてそう思う事があります。

追伸:
私はダロウに関する知識の大半を、サイマル出版会の「アメリカは有罪だ」から得ました。
・・この本は1970年代に出版された本なので、とうに市場からは消えているかも知れませんが・・・
写真資料を含め、100年前のアメリカの事情の一端を伝えてくれる、なかなかの本でした。

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