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投稿ログ216 (No.3655 - No.3662)

親記事No.3581スレッドの返信投稿
board4 - No.3655

Re:徹底反論3-1

投稿者:S.K
2003年02月14日(金) 13時38分

a-ruさん
> 特に私はあなたとの議論で不快な記憶が無いので、謝られてもただただ恐縮するばかりで。(笑)

 お心遣いいたみいります。

> ③に入る前にS.Kさんへ
>
> >悪いですが、ここで示唆されている原作6~8巻のヤンの逆境について①突然アンドロメダ共和国が援軍にくる②ハンサムのヤンは突然起死回生の大魔術を思い付く③なにもない現実は非情である のどれ、もし
> くはどうだとお考えですか?
>
> 手厳しいですね(笑)。
> 私の例は、実例ではなく、相似、近似例と呼べばよいのでしょうか、そういう類で述べたのです。私のあげた例が、規模が大きくなって、対象の言葉が入れ替わったときに、イゼルローン改造計画に繋がらないかということです。ぜひ、お聞きしたいのですが、このような状況の中でどのように説得するのでしょうか。短期間に説得する方法をお聞きしたいがために例をあげたわけです…て先にそれを言えって感じですけど。
>
 そうですね、まず民主的にイゼルローン幕僚とエルファシル臨時政府首脳部を奪取したイゼルローン要塞に召集、上記①~③に④時期尚早な挙であった。エルファシル独立政府を解散、ヤンとロムスキーは事ここに及ぶに至ったレンネンカンプ帝国総督府とレベロ同盟代表の迷走を指摘し弁明すべく帝国法廷に出頭 を示唆して決議を取ることが可能ですね。
 勿論この間にも「否決されたら中止すれば済む事だから」で要塞改造工事は強行してかまわないでしょう。
 中止を言いたてても、おそらくはヤン以外の誰も「ではどうなさいまか?」の疑問に回答はできないでしょう。
 それ以外では「軍事に関する全権はヤン・ウェンリーの指揮下」でごり押ししても誰もヤンを不信任して代わりに帝国と戦う事は不可能なのでまずは通るでしょう。
 改造までの道はそれなりに開けていますよ。

> 何度か出た話ですがガイエスブルグ要塞が移動した事実は認識されてますか?
>
> これもまた手厳しい。要塞に対する認識の違いでしょうね。
> 私のガイエスブルグ要塞に対する認識は「固定式砲台を取り外して、普通の船につけた」だけものである。そして、冒険風ライダーさんのいう移動要塞というのは完全な「戦艦」であるという認識です。
>  ガイセスブルク要塞の失敗は「固定式砲台を取り外して、普通の船につけた」という無理が作中の結果をもたらしたのではないかと分析しているのですがいかがでしょうか。あと以前の、空母と移動要塞設計思想の件ですが、やはり違います。あくまで空母は戦場に巻き揉まれる前に退避する、直接戦闘には参加しないのに対して、移動要塞は危険を侵して、戦場に飛びこむわけですから。空母は、英語の意味では「戦闘機の運び屋」です。
>
 うーん、それで「戦闘空母」という単語を使ったのですが。
 あとは倉本さんのお話にも少々かかりますが後方支援に徹する局面もあるでしょう。
 ただ倉本さんには「最初から戦闘に立つ気が無くとも包囲される可能性は常にある」ので移動要塞の戦闘能力は計算しておく必要があるのではと申し上げます。

> >それは最初の論点が違います。
>
> う~ん、論理の基本は帰納法ではないでしょうか?帰納法で原因を突き止め、演繹法でそれを証明する、それで結果が同じになったときに、はじめて正しいと言う事が証明されるのではないですか。それをいくつも積み重ねて統計を取り、近似値を求め証明されたときに、はじめて予測を立てることが出来るのではないでしょうか。
> ではなぜガイエスブルグ要塞があれほど短期間で工事ができたのかという理由について最も合理的な理由はなんでしょうか。私が考えつく理由は「徹底反論」のレスで述べています。他にどんな理由が上げられるか?教えていただきたいです。
>
 a-ruさんと逆の理由、つまり「用途が斬新だっただけで使用される機材と技術は極めてありふれた物だった」という説を押しております。
 ラインハルトはシャフトから説明を受けると同時にプロジェクトを立ち上げ同じく講習期間などもとりたてて設けない説明でケンプとミュラーは改築工事の指揮を始めています。
 ならば実際の工事担当者には大規模だから相応の時間が必要なだけで理解に困る点は何一つなかったとするのが自然ではないでしょうか。

> >冒険風ライダーさんの説明や他の方の質問内容を考えもせず自分の疑問もしくは主張に固執された論者が複数名残念ながら存在した事が一番長期化と紛糾の原因ではなかったでしょうか。
>
> 逆ではないですか。これほどの疑問・批判があるならばもう一度提案を再点検するべきだったと思います。過去のレスでの冒険風ライダーさんの返答は真正面からその疑問に対して答えていないように思いました。
>
 補足でも申しましたが「質問者サイドで回答窓口を絞る努力」はあってしかるべきだったと思いますよ。
 少なくとも質問者の大半が冒険風ライダーさんの回答を希望していたのですから、負担を減らしてさしあげる努力も必要だったでしょう。

> では、③実用化したと仮定して、民主主義をどのように残すのかです。

 恐ろしく乱暴な切り方ではありますがそれは帝国から逃げ切り当座の安全が保証されてから内部崩壊覚悟で喧々囂々始めるのが正しいでしょう。
「非帝国」以外には多分に接点の少ない脆い共同体である事実は用心して然るべきです。
>
> 要塞改造の政治的可能性について
>  ヤンは要塞改造ができなかった理由に、「資金」をあげました。大きな要の一つと言えるでしょう。ただ「資金がない」という理由を額面通りにとって良いか、その裏の意図の可能性も考える必要があるでしょう。彼の先見力のことを考えてみればの話しですが。
>
> 冒険風ライダーさんは、
> <同盟政府&軍首脳部に対して「移動要塞が持つ強大な潜在的脅威と無限の可能性」を報告し、その対策を考えると共に、移動要塞実現のための研究・開発チームを設けさせること。こんな簡単なことすらも行わなかった>
>  これが簡単なことだと片付けられることでしょうか。

 まあ「ハード信仰嫌い」「軍事的優位を得た政府の判断にアムリッツァで懲りた」を理由にラグナロック以前のヤンは気付いても移動要塞の可能性は秘匿しただろうと私は思いますが、単純にプラン提出という行為と有意義と思っての計画推進は楽だったのではと思います。
 フォーク准将はイゼルローン奪取からかなりの短期間で帝国侵攻計画を打ち出して来ました。
 フォークには政治力がありましたがヤンには実績があります。
 敵も多いヤンですので採用されたかは微妙ですが少なくとも相応の場で論議の俎上に乗ったことはまず信じていいでしょう。

 あとガイエスブルグ敗北の原因はケンプの資質とそれを配慮できなかったラインハルトに帰結する所が大きいと思いますよ。
「即断能力」が元戦闘機乗りのケンプの長所の一つでしょうが、もしミュラーの判断を尊重して「ヤン不在」の対策を練っていたら、もし要塞特攻にあたってミュラーに自艦隊の指揮をも委ね2個艦隊でイゼルローンまでのルートを間に合わせにでも確保・防衛してもらっていれば別の結果も有り得た事でしょう。

親記事No.3581スレッドの返信投稿
board4 - No.3656

Re3652:銀英伝世界の軍事的設定

投稿者:冒険風ライダー
2003年02月14日(金) 14時45分

<そのため私は、原作における戦闘艇の戦闘シーンの描写はともかく、戦闘艇の数については明確な田中芳樹の間違いであり、信ずるに足りぬというスタンスです。この戦闘艇に関してはアニメ版の設定および描写の方が正しいでしょう。
冒険風ライダーさんもアニメ版の銀英伝は見ていると思います。その戦闘シーンでは、戦闘艇が戦艦を単機であっさりと破壊するなど大活躍をしています。そのためゲームで戦闘艇が強いのは、ある意味当たり前なのです。原作の戦闘艇の機数が、宇宙母艦の数に対して完全に間違っているのですから。>

 単座式戦闘艇の弱さに関しては↓
ttp://tanautsu.duu.jp/the-best01_05_08_a.html
 のURL先である程度語られてはいるようですが、確かにあの単座式戦闘艇のあまりの弱さと数の少なさは私も疑問には思っていましたよ。何しろ、攻撃力も防御力も弱小で、数も艦船の10分の1以下、下手すると100分の1近くしかない、ときているのですから「一体何のために存在しているんだ?」とは私もやはり考えざるをえませんでしたし。
 ただ、原作ではあくまでも「単座式戦闘艇は弱い」というのが常識のようですし、銀英伝3巻でユリアンが巡航艦レンバッハを撃破する描写などを見てもそれは明らかなので、この件に関してアニメ版の設定を重視するというのも少々考えものではないかと思うのですけど。件の巡航艦撃破のシーンは、アニメ版にも全く同じものがありましたし。
 いずれにせよ、単座式戦闘艇の作品設定に関しては、今回のスレッドとは全く関係のない話題ですので、議論したいのであれば別スレッドを立てた上で改めて議題を提起していく方が良いでしょう。このスレッドでこの話題を展開しても、移動要塞スレッドに吸収されるだけです。

<冒険風ライダーさんが通常航行の速度が艦艇よりも速いから早く回廊に着いたと考えています。しかし私は、ワープ距離が普通の艦艇、というか艦隊よりも長いので回廊に早く着いたと考えています。この時点で私たち二人の考えは全く逆ですね。
如何に巨大エンジンが12機あるとは言え、質量が40兆トンもある物体が、宇宙戦艦よりも速いとはとても思えません。むしろ巨大な12個のワープエンジンの力で、より遠くまでワープできると考えた方が私は納得できます。
また宇宙艦隊が、1万5000隻近くの艦艇で同時にワープするのに対して、移動要塞ならば要塞内に艦隊を収容してワープすれば、質量が重くとも1個の物体がワープするだけです。1万以上の複数同時ワープよりも、1個だけのワープの方がワープアウトを考えてみても安全で、しかもより長く遠くへワープできると予想します。
やはり私は、移動要塞の通常航行での速度は、艦艇よりも遅い。よくいって同速度だと思います。>

 すいませんが、私が「移動要塞の航行速度」として言及したのは、一応ワープと通常航行の双方を含めてのものです。
 八木さんの前の投稿No.3643における反論の中にも、

<あと移動要塞は補給拠点として以外ではそんなに強くありません。アッテンボロー分艦隊とアイヘンドルフ分艦隊の遭遇戦では、相手を発見したのは時間的距離で50分でした。50分の距離がありながら、新兵中心のアッテンボローは逃げませんでした。つまりこの程度の時間的距離では逃げられないのです。艦艇よりも遅い要塞では、最後には追いつかれるでしょう。一個艦隊がイゼルローン移動要塞に接触できれば、それでほぼ終わりです。要塞の移動を中止して敵艦隊を排除しなければなりません。一個艦隊は例え全滅してでも足止めをして増援が来るのを待てば、最後にヤン艦隊は動けなくなり要塞に籠もって、戦うしかありません。待つのは敗北です。ラインハルトもここまでくれば、容赦はしないでしょう。>

 というものがあったので、私は「移動要塞の航行速度は艦船よりも速いのだから、速度差で追いつかれることはありえない」という意味も含めて反論したまでです。これは「ワープをも含めた移動要塞の航行速度全般」について言及したものではなかったのですか?
 あと通常航行に関しても、八木さんはNo.3643の投稿の中で「アニメは同速度に見えますが」とはっきり言っていますよね? ならばゲームごとにいちいち設定が異なり、しかもゲーム性を重視するために設定そのものを色々といじくっているゲーム版の設定を重視する必要性はないでしょう。銀英伝ゲームはパソゲー・コンシューマー合わせて10前後は余裕で出ていますし、統一された設定というのもほとんど存在しないのですから(ゲームによっては、原作で「最も弱小な存在」であるはずの単座式戦闘艇が「最も強大なユニット」になっているものすらあります)、証拠能力としてはあまり信用できるものではないのではないかと。
 設定重視で行くのならば、基本はあくまで原作を第一に尊重し、原作で補えない設定をアニメ版から持ってくるというのが、一番矛盾の生じない理想的な方法ではないでしょうか。

<まず小惑星(ないし氷塊)のエンジンですが、アルテミスの首飾り攻撃時における銀英伝2巻の記述やアニメ版での描写を見る限り、ガイエスブルクのようにリング上にはつなげていません。どちらかと言えば、筒型になっています。また早期に発見して攻撃しても、アルテミスの首飾りの高出力レーザー砲やミサイル攻撃でも防げませんでした。あるいはトゥールハンマーなら破壊できるかも知れませんが、連射が出来ない分、波状攻撃を掛けられれば終わりです。>

 これに関しては、銀英伝外伝短編「黄金の翼」のストーリーで展開されている「第五次イゼルローン要塞攻防戦」が参考になるでしょう。
 第五次イゼルローン要塞攻防戦では、当時の宇宙艦隊司令長官シドニー・シトレ大将の指揮により並行追撃と無人艦突入作戦によって「イゼルローンの厚化粧を一部だけ剥ぎとった」というレベルの善戦を行うことに成功しています。この戦いでは、トゥールハンマー主砲射程に引きずりこもうとする敵艦隊の後退につけこむ形で同盟軍が並行追撃を行い、敵味方を故意に入り乱れさせることによってトゥールハンマーを事実上無力化させた上で、積載されたウラン238ミサイルと液体ヘリウムを満載した無人艦を要塞に特攻させる作戦が展開されたのです。
 この作戦は途中までは非常に上手くいっていたのですが、無人艦突入による要塞陥落に恐れをなした当時のイゼルローン要塞司令官クライスト大将が、味方をも巻き添えにする無差別主砲斉射を決断し、トゥールハンマーを乱射させたがために作戦の前提そのものが瓦解してしまい、結局は失敗に終わってしまいます。
 この戦いの様子から、たとえ「アルテミスの首飾り」破壊時に使用された氷塊や無人艦クラスでイゼルローン要塞を攻撃しても、トゥールハンマーの主砲斉射1発があればいともたやすくねじ伏せられてしまうことがお分かり頂けるでしょう。第五次イゼルローン要塞攻防戦時に敢行された無人艦突入作戦でさえ、実は「並行追撃によってトゥールハンマーを無力化させる」という前提条件によって、初めて成立しえたシロモノでしかなかったのです。
 また、トゥールハンマー発射から再発射までにかかる時間はわずか200秒弱(銀英伝10巻 P57)でしかありませんし、イゼルローン要塞にはトゥールハンマー以外にも、電磁砲・荷電粒子ビーム砲・レーザー砲などに代表される砲塔・銃座が総計1万以上も存在します(「夜への旅立ち」収録「黄金の翼」 P208)。これでは、たかだか氷塊や無人艦程度のシロモノで波状攻撃を仕掛ける「だけ」では、数えるのもウンザリするほどの膨大な物量を事前に用意した上で長時間、しかも常に大量に突入させ続けない限り、イゼルローン要塞を仕留めることなど不可能に近いのです。だからこそ、第五次イゼルローン要塞攻防戦の後、無人艦突入作戦はイゼルローン要塞を巡る戦いにおいて全く使用されることはなかったのです。
 全長1キロクラスの無人艦や氷塊を使った特攻作戦が、第五次イゼルローン要塞攻防戦以降の戦いで全く使用されなかった理由は、これで説明可能でしょう。

 しかし、これは要塞クラスの小惑星特攻に関してはまるで適用できません。要塞対要塞の戦いを見れば分かる通り、要塞の主砲をもってしても、要塞クラスの巨大な図体を誇る小惑星を傷つけることはできても、完全に消滅させてしまうことは不可能なのです。だからこそ、ヤンもラインハルトも「要塞特攻」などという、私に言わせれば「コストパフォーマンスの壮大なる浪費」としか思えないような策を立案したりもするのですし、小惑星特攻に対する対処法は「かわす」以外の方法がありえないわけです。
 で、続きなのですけど、

<私はガイエスブルク移動要塞の通常エンジンによる航行は、「前進」と「後進」だけしか出来ないと確信しています(爆)。理由はアニメでガイエスブルク移動要塞が動くときは、常に直線運動だったからです(爆)。
アニメ版で宇宙艦艇の移動(前進)は、核融合炉が動力源と思われる後尾の主機関で行っていると思います。しかし急停止、艦首を敵に向けながらの後退、横への平行移動、回頭などは艦首及び側面の噴射口から推進剤のようなものを噴射して行っています。つまり後尾の主機関は、基本的に前進用だけだと思えるのです。
しかし当然ながらガイエスブルク移動要塞には、エンジンだけでそんなもの姿勢制御用の噴射口はありません。造ろうにもエンジンによる移動ならまだしも、推進剤噴射で40兆トンのスライド移動は不可能でしょう。ガイエスブルクが左に回頭するためには、エンジンを吹かして前進して大回りに左へ向かうしかないでしょう。恐ろしいほどの無駄です。
本当のことを言えば、ガイエスブルク移動要塞は「前進」しか出来ない!としたかったのですが、イゼルローンの要塞主砲の射程圏内に近づいたあと、一旦射程圏外へ後退していました。まさか大回りでUターンしたとは思えないので、艦艇と違いエンジンが逆噴射も出来るように改良していたと推測します。
私はこの仮説から、移動要塞は基本的には構造上、前進後進しかできないと考えています。横移動が出来なければ小惑星(氷塊)攻撃を避けることは無理でしょう。>

 この仮説の成立はどう考えても無理でしょう。八木さんの仮説は、現代世界で言えば「ハンドルがない大型トラックを使って荷物を運搬する」とか「一切の方向転換ができない飛行機を使って物資や客を輸送する」といった類の与太話に近いものがあるのですけど、そんなものが成立するはずもないことなど、少し考えてみれば簡単に分かる話ではありませんか。そもそも、もしそんな欠陥を抱えたシロモノに将兵や艦隊を満載して要塞攻撃を行わせていたのであれば、ラインハルトは無能どころか「狂人」と評しても甘すぎるくらいに常軌を逸していると言わざるをえません。そこまでラインハルトを貶めて一体何になるというのですか?
 第一、あの移動要塞が方向転換を行うなど、私には非常に簡単であるようにしか思えませんけどね。素人考えではありますが、たとえば左旋回する際には、進行方向右エンジン3つほどの出力を上げて要塞を左に方向転換させ、目的の角度まで曲がったら右エンジンの出力を元に戻した上で、今度は進行方向左エンジン3つの出力を上げ、旋回が止まり、バランスが取れたところで全エンジンの出力を均等にする。こんな形で旋回は充分に可能でしょうし、また同じような要領で上方や下方に移動することだってできるでしょう。
 そもそも、仮にも3次元世界の宇宙空間で「前進と後退しかできない」などという1次元ないしは2次元の世界をうろついている移動要塞など、戦う以前に目的地にたどり着けるのかどうかさえも怪しいシロモノでしかないのではありませんか? 八木さんの仮説は極めて大きな無理があり過ぎるように思います。

 それと八木さんにひとつ質問があるのですけど、八木さんは「移動要塞に改造しても、小惑星特攻を避けることはできない」という論説を展開しておられる割には、静止要塞の危険性について全く触れておらず、また小惑星特攻の危険性を承知していながら「イゼルローン回廊の拠点防衛」については何故か執拗に固執しておられます。では八木さんはイゼルローン「静止要塞」を一体どのように運用していけば良いと考えておられるのでしょうか?
 もし八木さんの仰る説が仮に正しいとするのであれば、イゼルローン要塞は静止要塞だろうが移動要塞に改造しようが、拠点防衛に関してはどちらも危険であることには変わりがないということになります。ならば小惑星特攻の前には「的」にしかなりえないイゼルローン要塞に依存した防衛に固執することは、自軍の将兵や要塞内の民間人を無用の危険に晒すことになってしまう愚策であると言っても過言ではないでしょう。にもかかわらず、あくまでイゼルローン「静止要塞」に拠った回廊防衛にこだわる八木さんの主張はどうもよく理解できないのですよ。小惑星特攻に晒されるイゼルローン「静止要塞」は全くなす術もなく、軍民500万人と共に相当悲惨な最期を迎えるのではないかと私は考えているのですけど、それは一向にかまわないという意見なのですか?
 むしろ、そのような「的」になる危険性を避けるためにも、イゼルローン要塞を移動要塞に改造することによって、防衛方法を抜本的に変革したほうが良いのではないでしょうか。すなわち、拠点防衛ではなく、敵の侵攻に応じて臨機応変に移動&戦闘配備を可能とする艦隊と同じような運用システムに切り替え、味方艦隊の支援・援護を目的とした兵器として機能させるのです。これならばイゼルローン回廊だけでなく、敵の侵攻に応じていつでも好きな場所に要塞を自由に展開させることができ、要塞を同盟の国防に大きく寄与させることができますし、もちろん小惑星特攻の標的になる愚を避けることもできます。
 こういったメリットを全て捨て去り、小惑星特攻の標的になる危険性を考慮しても、あくまでイゼルローン回廊の拠点防衛を何が何でも行わなければならない理由があるとでも言うのであれば、是非ともその理由と要塞の具体的な運用方法を教えて頂きたく思います。

親記事No.3581スレッドの返信投稿
board4 - No.3657

取り急ぎ返答を

投稿者:八木あつし
2003年02月14日(金) 16時53分

<原作における戦闘艇の少なさについて>
え~戦闘艇の数に関しては、改めてレスをたてます。まぁ移動要塞論が集結してからですね。

<移動要塞の速度>
ゲーム版の移動要塞はとりあえず横にどかします。ちなみに私が参考にしたのは、セガサターンとプレイステーション用に製作されたシミュレーションゲーム「銀河英雄伝説」でした。
個人的には貴族連合軍を使ってラインハルト軍を打ち破るシナリオを用意して欲しいです。

<小惑星(氷塊)攻撃>
通常航行の無人戦艦特攻と光速に近い速度で突っ込む小惑星(氷塊)では、同じように論じられません。トゥールハンマーの発射後、200秒の充電中に第2撃がやって来ますよ。それに衝突時の衝撃が全く違いますし。
またイゼルローンの要塞主砲以外の砲塔からの攻撃が、アルテミスの首飾りの高出力レーザー砲よりも高いとは思えません。削れても破壊はできないでしょう。それに1万以上の砲塔があるといっても、球体の全周囲に1万です。まぁアニメ版の流体金属に浮かんでいる浮遊砲台システムならば砲塔の集中ができますが、原作版では無理でしょう。

<ガイエスブルク移動要塞の移動>
これはアニメを見たときの感想にも近いので、取り下げてもいいのですが……。しかし捨てきれないなぁ。

<要塞の役割・運用について>
私はイゼルローン要塞を自衛も可能な巨大補給基地だと考えています。あくまでも要塞主砲や防御外壁は二次的なものにすぎないと。
第3巻でのシャフトの台詞やイゼルローン要塞建造の理由などから、帝国軍宇宙艦隊の活動限界点は、オーディンからイゼルローン回廊同盟側出口だと推測できます。その艦隊の補給問題を解消するために、中継補給基地としてイゼルローンが建造されました。
これまで同盟軍がそれこそ小惑星攻撃の波状攻撃を掛けて要塞を破壊しなかったのも、将来の帝国領侵攻における補給拠点が必要だからこそ無差別破壊攻撃をしなかったのでしょう。あと同盟には要塞建造のノウハウがまるでなかったのも理由かもしれませんが。

冒険風ライダーさんがこうすればよりベターに、よりベストになったと主張されるのに対して、私は移動要塞にしたくとも様々な条件で出来なかったので原作の流れが一番のベターになってしまったと考えています。
3645の追記で書いたのは、同盟側ではイゼルローン共和政府時代でしか移動要塞に出来ないと言いたかったのです。笑い話みたいですが(笑)。

それにしても何か勝手が違っています。ここ半年のタナ撃つBBSに出てきた銀英伝IFシミュレーションにほぼ常に参加してきた身としては、今の自分の進め方に???なところもあるのも確かです。
普通ならば移動要塞の可能性のIFに挑戦しているのが私なのですけどねぇ。(;´ー`)y-~~~

とここで論戦の途中ですが……スミマセン。m(_ _)m
私の諸事情(自サイトの更新・文芸部への作品提出・引っ越しの準備)で、少しばかり時間が取れない状態になってしまいました。(それにここに書き込みばかりしているのを同志や部員にバレたのもあります(汗))
次のレスが何時になるかは神のみぞ知ります。

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board4 - No.3658

Re:またか・・・

投稿者:ニダ
2003年02月14日(金) 19時15分

あー、そりゃ悪かったよー。やってることは2chと本質的に変わらないから、同じツッコミが成立するかと思ったよ。

じゃあ、一番の疑問。
無限無補給の魔法生産力があるならさ、要塞以前にアムリッツァの損害ぐらい余裕で回復しちゃえば良いじゃん。そうすりゃ、帝国はまた攻めあぐねるんじゃない?いっそのこと帝国の10倍ぐらいの大艦隊をドカンと作って、ついでに無限補給プラント艦(移動要塞より小さくて済むヨ!)を引き連れて帝国領に侵攻すれば焦土作戦も平気でしょ(藁。マテ!無限生産力で無限に移動要塞を作り続ければ勝利は疑いなしだ!(ヤッタネ!。んむ、ヤンがどうこう言う以前に無限生産技術がありながらそれを活用しなかった銀英世界の皆さんが・・・(爆。
全然関係ないけど、イゼルローン回廊近辺ってデブリが凄そうだねー。
それと個人的に野郎比率が異常に高いイゼルローン逃避行には参加したくないでーす。

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board4 - No.3659

Re:またか・・・

投稿者:八木あつし
2003年02月15日(土) 02時44分

> あー、そりゃ悪かったよー。やってることは2chと本質的に変わらないから、同じツッコミが成立するかと思ったよ。

まーAAキャラや2ちゃん用語が出てこない、まともな2ちゃんのスレに近いかもしれません。

> じゃあ、一番の疑問。
> 無限無補給の魔法生産力があるならさ、要塞以前にアムリッツァの損害ぐらい余裕で回復しちゃえば良いじゃん。そうすりゃ、帝国はまた攻めあぐねるんじゃない?いっそのこと帝国の10倍ぐらいの大艦隊をドカンと作って、ついでに無限補給プラント艦(移動要塞より小さくて済むヨ!)を引き連れて帝国領に侵攻すれば焦土作戦も平気でしょ(藁。マテ!無限生産力で無限に移動要塞を作り続ければ勝利は疑いなしだ!(ヤッタネ!。んむ、ヤンがどうこう言う以前に無限生産技術がありながらそれを活用しなかった銀英世界の皆さんが・・・(爆。

要塞の無限生産力といっても、せいぜい食料の自給自足ぐらいでしょう。要塞や艦艇の武器弾薬の生産や補修に付いては、要塞内にストックしている鉱物資源が無くなれば、出来なくなるでしょうね。
食料プラントから生産された有り余る食料と核融合炉から生み出されたこれまた有り余るエネルギー。こんなところですか。もっとも50年後はどうか?と言われれば確証は持てませんけど。

> 全然関係ないけど、イゼルローン回廊近辺ってデブリが凄そうだねー。

回廊の同盟側近辺で100年以上行われた戦闘で、帝国・同盟双方の艦艇の残骸だけを集めれば、10万隻ぐらいの艦艇を造るだけの資源になりそうですね。
ハッ!まさかイゼルローン要塞の武器弾薬や補修用の装甲などの元になっているのは、回廊周辺に漂っている艦艇の残骸だったりして……。

> それと個人的に野郎比率が異常に高いイゼルローン逃避行には参加したくないでーす。

移動要塞逃避行が何年も続けば、要塞内の男の不満を抑える為に、将来女性狩りを行うかもといった可能性は、残念ながら捨てきれませんね。

P.S 普通に会話できたことを喜ばしく思っています。

board4 - No.3660

亜光速ミサイルシステム

投稿者:SAI
2003年02月15日(土) 12時49分

 今、銀英伝を読み返して思ったんですが、ヤンが移動要塞を
考え付くよりも、むしろ自分でアルテミスの首飾り攻撃時に使い、実証
した亜光速ミサイルを使ったシステムをどうして思いつかなかったか
不思議に思いました。

どういうものかというと、ヤンが間に合わせで作ったものよりはもう
少し上等に製造した亜光速ミサイルと、FTLデータリンクとセンサー
を積んだ小型軽量で高起動な機体、まあ、新開発しないならスパルタ
ニアン改造型をたくさん、これだけです。

どれも安く簡単につくれる物だけですが、艦隊も移動要塞も撃破でき
る。なぜかといえば、亜光速ミサイルを、目標自体は探知できません。
正確には可能ですが、回避も迎撃もする時間は無い。銀英世界において
超光速の探査手段はないため、光の速さとほぼ同じ速度で進む亜光速
ミサイルを目標自体のセンサーで発見したときにはもう命中寸前で
あるからです。
 同時にこれは亜光速ミサイル自体にセンサーをつけても何も見えない
ということを意味します。

そのままならまっすぐ飛ぶしか能の無いミサイルにすぎませんが、
FTLデータリンクを積んだセンサーがあれば違います。
目標の位置を観測し、その情報をFTLでミサイルに伝達、同時に
センサーそのものの位置をも伝達します。FTLはもろもろの記述から
超光速ではあれど有限の速さなので、センサーから送信された時刻と
ミサイルで受信した時刻の差から距離が出ます。それを最低三つの
センサーからの情報があればミサイルの現時点の位置がわかります。
ミサイルをある程度軌道変更が可能なようにつくれば、目標への誘導
ができます。
回避も迎撃もできない、理論上の射程は無限大の必殺の魔弾の出来上がりです。
艦隊も移動要塞も発見され次第、破壊されてしまう、それを避けるためには、ワープ不可能な星系内(星系入り口にワープアウトしてから
通常航行で星系内に侵入してくる。それから星系内でワープで逃げ出したとかワープを使った戦闘機動というのはない)には侵入できません。

移動要塞破壊シミュレーション

移動要塞が星系入り口にワープアウト、星系内部に侵攻を開始する。
要塞から艦隊が出撃し、索敵機を放つ。
それを発見した星系側は、多数の戦闘艇を発進させ、要塞側の索敵機を
撃破もしくは追い払うことで、要塞側の索敵ラインを下げさせる。
十分に下がったところで、艦隊攻撃用多弾頭型亜光速ミサイルを発射、
戦闘艇は艦隊の至近で測定およびミサイルの誘導を開始する。艦隊や要塞では小型戦闘艇の効果的な迎撃はできない。できるなら、ワルキューレの迎撃にスパルタニアンは使わない。小型戦闘艇で艦艇はおろか、
要塞に傷をつけることはできないが、それはこの場合問題ではない。
亜光速ミサイルは最終段階で、多数の弾頭を放射、慣性の法則により
亜光速で飛んでくる弾頭により戦艦は次々に爆散し、要塞以外に配置
されたセンサーは無くなる。亜光速ミサイルにとっては要塞に配置さ
れたせンサーは無いに等しい。その時点で要塞破壊用の亜光速ミサイル
が飛来する。要塞がどれだけの速度を出そうとも亜光速ミサイルに
とっては止まっているに等しい。もし、亜光速ミサイルを回避
できるというなら、ほぼ同じ速度のトゥールハンマーも回避できる
はずだが、そのような記述はない。さらにいえば回避しようにも
見えたときにはもう遅い。
さて着弾するが威力については、要塞対決の時に、工作艦で運べる
程度の兵器でイゼルローンの装甲に直径3キロメートルの巨大な
すり鉢上の穴が開いたとあるので、装甲も無敵ではない。破壊も可能
である。少なくとも、工作艦で運んだ兵器を亜光速ミサイルにつめば
それ以上の損害を与えることは可能である。回避も迎撃もできない
兵器に一方的にやられるのだから破壊は時間の問題でしかない。
 何発目かの着弾したときついに、核融合爆発を起こし、移動要塞は
歴史の一ページとなった。

 これはイゼルローン要塞破壊のシミュレーションでもあります。
ヤンは自分でイゼルローンは難攻不落の鉄壁の要塞ではないという
事を実証したにもかかわらず、そのことをクーデター後に同盟政府に
具申した形跡も無いし、あまつさえ、そこにこもるんですから、
不思議だとしかいいようがないです。だれか、ヤンがどうしてそうした
のか説明してほしいです。

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board4 - No.3661

「回廊の戦い」の意義と勝算

投稿者:Night
2003年02月15日(土) 15時31分

>  繰り返し言いますが、「回廊の戦い」でヤンが勝てる可能性も、民主主義が生き残れる可能性も、どちらも一片たりとも存在する余地すらありません。可能性が全く存在しない「回廊の戦い」と、とにもかくにも可能性が存在する移動要塞戦略のどちらを取るべきだったか、答えは一目瞭然なのではありませんか?

(A) 「回廊の戦い」の勝算=0%
(B) 「移動要塞化」の勝算>0%

であるから、B>Aであることは明らかと冒険風ライダーさんは上の文章で主張されているようですが、本当に勝算が0%であるなら、何故、ヤンは降伏でも逃亡でもなく、「回廊の戦い」を選択したのでしょうか。それこそ、「滅びの美学」でも堪能したかったのでしょうか。
 それは明らかにヤンの人物像とかけはなれています。彼は彼なりに「回廊の戦い」において勝利と民主主義の生き残る可能性を見出したからこそ、戦ったのです。それについてやや長くなりますが、思うところを述べたいと思います。

(1) 「回廊の戦い」の意義と勝利条件
 「勝算」を計算するためには、まず「勝利」とは何であるか定義する必要があります。
 ラインハルト、ヤンの双方において「回廊の戦い」の目的と勝利条件について銀英伝8巻を元に簡単にまとめてみましょう。

【ラインハルト】
 目的  :宇宙統一の画竜点睛。バーミリオンの雪辱を果たし矜持を守る。戦争欲。
 勝利条件:用兵の妙を以って、艦隊戦により正面からヤンを打ち負かす。

 ラインハルト側についてすぐに分かる事は、その目的も勝利条件も非常に個人的なものだということです。「回廊の戦い」の目的は彼の自己満足以外になく、彼がもう少し戦意を抑え、深い度量を持って事に臨んでいたなら、戦う前にヤンと会談の場を持ち、その(ささやかな)要求を呑んだやもしれません。つまり、帝国側にとっての「回廊の戦い」の意義は、それこそ『専制君主のわがままをかなえるため』でしかないということになります。
 それが分かっていたからこそ、ヒルダも双璧もマリーンドルフ伯さえも親征に対しては批判的であったわけです。

 では、それに対抗する立場のヤンの目的と目指した勝利条件は何だったでしょうか。

【ヤン】
 目的  :来るべき専制の冬に備えて民主主義の芽を残す。
 勝利条件:戦術的勝利を重ねる事によりラインハルトを講和の場に引きずり出す。

 ヤンの目的はラインハルトや帝国の打倒ではなく、内政自治権を有する民主共和制の一惑星の存在を認めさせるというささやかなものです。そのために、ラインハルトを講和の場に引きずり出すことが彼が目指した勝利条件です。
 では、どのようにすればラインハルトを交渉のテーブルにつかせることができるのでしょうか。ラインハルトの為人、および昨今の情勢をよく理解していたヤンにとって、それは明白でした。つまり窮鼠猫を噛むの例え通り、少数の戦力であっても、回廊の地形を活かし、戦術上の計略をめぐらして帝国軍を迎え撃ち、多大な損害を与えた上で、上に書いた『この戦いをこれ以上進めたとしても、失うもの/失ったものは多く、それに比べて得られるものはあまりに少ない』という事実をラインハルトを含めた帝国軍(これには幕僚から一般兵士まで全てを含みます)に再認識させ、この戦いの意義について考え直させれば良いのです。ラインハルトも暗愚な君主ではないのですから、そうなれば、不毛な泥仕合の事態を解決するために話し合いと講和という流れになる可能性は高いといえるでしょう。

>  第一、ヤン側にはラインハルトを交渉のテーブルにつかせることのできる外交カードが何ひとつ存在しない状態であったというのに、一体どうやってラインハルトと「民主主義を残すのが目的」の交渉を行うように話をもっていくことができるのでしょうか? ラインハルトと戦い続ける「だけ」では圧倒的物量作戦で圧殺される可能性が濃厚ですし、事実そうなりかけたではありませんか。もしあの時にラインハルトが突然病に倒れ、ラインハルトの側から停戦を申し出るなどという「類まれなる僥倖」に恵まれなかったら、そのままヤンは敗北の道を転がり落ち、民主主義(とヤンが呼んでいるシロモノが本当に「民主主義」という名に値するものなのかどうかは知りませんが)もまた抹殺されていたはずなのですけど、それでも「ベター」な選択だといえる根拠は何なのですか?

 まず、ラインハルトが停戦を申し出たのは、単に病に倒れたからではありません。8巻P108の記述にある通り、その時に夢に出てきたキルヒアイスに無用な戦について諌められたからです。そのような夢を見た理由については、ヒルダが親切に分析してくれています。

> 科学的に説明しえることである。意識の氷面化に混在する思惟と感情のうちから、複数の水流がからみあって上昇する。永遠に失われた友人に対する哀惜の念、それにともなう自己の過失への、増殖してやまない悔い。ヤン・ウェンリーという敵手に対する敬愛の思い。ファーレンハイト、シュタインメッツ両上級大将をはじめとする数百万の戦死者に対する自責の念。戦闘の推移の、いつにない鈍重さに対するいらだち。戦闘以外に事態を解決する有効な手段がないか、と思案する戦略家としての識見。
> それらの混沌のうち、もっとも明澄な部分が、ジークフリード・キルヒアイスという人格の中に統一され、結晶化される。ラインハルトは無意識のうちに、彼自身のかたくなさを説破して態度を変更させるための、もっともすぐれた方法を擬人化させたのだ……。

 病気も夢も、単にきっかけに過ぎません。この時点で、ラインハルトには停戦と会談を申し出るだけの充分な理由はあったわけです。そしてそれは、紛れもなく、ヤンが諦めることなく戦い抜いた結果なのです。
 もちろん、ラインハルトが停戦を申し出なかった可能性も充分考えられる以上、ヤンにとって「回廊の戦い」は賭けでもありました。しかし、紛れもなくその「勝算」は0%ではありませんでした。(実際、停戦と会談は申し込まれたのですから)

 勿論、彼我の戦力差は明らかであり、ラインハルトが何が何でもヤン達を倒すつもりだったら、ヤンがそれに抗することは不可能だったでしょう。その意味で、冒険風ライダーさんが、『敵側のラインハルトの胸先三寸に全てを依存しているだけでしかないヤンの方針』と言うのは全くその通りと申し上げるしかありません。
 しかし、そんな事はヤン自身が一番よく分かっていた事です。その上で、彼はその『ラインハルトの胸先三寸』を動かす方法こそを構想し、かつ、実現させたわけです。

 私は、これは『勝利』と呼んで恥じる事のない業績と思います。

(2) 移動要塞化の勝算はどれくらいのものなのか?

>  そして、移動要塞を使って「帝国領内のゲリラ戦」を展開し、要所要所を徹底的に破壊する、もしくはそれを辞さない強硬な態度を内外に示せば、それこそがラインハルトを本当の意味で屈服させ、交渉に応じさせる強力な外交カードとなりえるのです。最悪、「交渉に応じなければ、我々は未来永劫戦い続け、帝国および帝国250億の民全てを文字通り『消滅』させる所存である」というくらいの強烈な脅しの類でも行わなければ、あの「戦争狂」のラインハルトを「実力で」交渉のテーブルにつかせるなど、できるわけがないのです。

 上記のような焦土戦には私は全く賛成できません。それは「そんなことを行うのは情において忍びがたい」というような感情レベルの話だけでなく、もっと実利的な面からもそう言えます。
 まず、例え脅しであっても、民主主義の基盤である無辜の人民を虐殺するという宣言など、ヤン達の因って立つ理想、大義名分を自ら放棄するに等しい所業です。このような脅しをしたが最後、イゼルローンは『民主主義の最後の砦』どころか『邪悪な政治テロリスト達の巣窟』として認識され、ヤン達は全宇宙の人民達からの支持をほとんど全て失うでしょう。それどころか、内部にも多くの離反者を生み出すことになりかねません。
 次に、そのような卑劣な脅しをかけられたら、なおのことラインハルトは交渉のテーブルにつくわけにはいかなくなります。それは、政治テロリストの要求に帝国が屈するということを意味するからです。
 ラインハルトの認識の中で、イゼルローンは「単に目障りなだけの虻」から、「帝国臣民に仇なす毒蛇」になるでしょう。そうなったら、もう彼は「正面から艦隊戦で勝負」などという甘さは捨て、圧倒的な物量を活かしてイゼルローン包囲網を完成させ、今度こそ小惑星特攻だろうと何だろうと手段を選ばずにイゼルローンを抹殺しようとするでしょう。例え神出鬼没の移動要塞だろうと、全宇宙から御尋ね者の身、いずれ疲れ果てたところを捕捉され、沈められるというのがこのシナリオの結末のように思えます。

 いうなれば、それが帝国本土から遠く離れた「回廊の戦い」に限定される限り、ラインハルトの自己満足のために始めたものなのですから、やめるのも妥協するのも『ラインハルトの胸先三寸次第』です。
 ですが、舞台を帝国本土に移し、無関係の人民を巻き込み始めたら、ラインハルトには自らの臣民を守る義務がある以上、簡単にやめることも妥協する事もできなくなります。
 そうなると、彼我の物量差が効いてきます。移動要塞にどれだけの可能性があろうと、一機のハードウェアで宇宙情勢全てをひっくり返す事は不可能です。

(3) まとめ
 繰り返しになりますが、銀英伝8巻の時点で、既に宇宙の趨勢は決まっています。彼我の物量差は明らかで、弱小勢力が独自路線を貫こうと思ったら、昔から言われる『侮られるほど弱からず、恐れられるほど強からず』という方針を慎重に実践して行くしかないと思います。
 ですから、移動要塞が、冒険風ライダーさんが言う程にそんなにも強力であるというなら、それが強力であればあるほど『恐れられるほど強からず』に引っかかる危険性も強くなるわけです。(焦土作戦のようなひどい作戦をするならなおさらです)
 そのような要素も考えると、最初に書いた(B)「移動要塞化」の勝算(>0%)が、(A)「回廊の戦い」の勝算(>0%)よりも、本当に上であるか否かは、分からないと申し上げるしかない。それを一刀両断にB>Aと断定するには、Aの具体的な勝算の程は勿論のこと、Bにおけるイゼルローン移動要塞化の実現の不確実さ、かかる人手・時間・資金のコスト、(2)に書いたような作戦上の危険性も含め、あまりに不確定要素のパラメータが多すぎると思うからです。

 なればこそ、私は「回廊の戦い」を選択したヤンを一方的に無能、愚劣と嘲笑する気にはなれません。それは、歴史上の人物を、当時の事をよく知らない後世の人間が、後知恵を巡らせて断罪しているようにも思えるからです。

親記事No.3660スレッドの返信投稿
board4 - No.3662

Re:亜光速ミサイルシステム

投稿者:古典SFファン
2003年02月15日(土) 19時48分

>
> どういうものかというと、ヤンが間に合わせで作ったものよりはもう
> 少し上等に製造した亜光速ミサイルと、FTLデータリンクとセンサー
> を積んだ小型軽量で高起動な機体、まあ、新開発しないならスパルタ
> ニアン改造型をたくさん、これだけです。
>
えーと・・・
これも、実を言うと議論しようとすると前提の調整が要ると思いますが(笑)、
まず、われわれの知る物理では、光速近くになると二つの破壊的要素が効き始めます。
一つは星間物質です。
薄くはありますが、光速付近ではウラシマ効果により航行する物体の時間が遅くなるのと相俟って、相対的に、
「一定の時間内に物体前面からぶつかってくる星間物質の量と相対速度は莫大になる」
事になります。
バサード・ラムの場合、機体前方に展開されるラムスクープ場(銀英伝の表現では「バスケット状の磁場」)が星間物質をキャッチし、
言わば真空地帯を作ってくれるのでいいのですが、それなしだと、
光速近くでぶつかってくる星間物質の抵抗で、物体は簡単に破壊されます(実際、プラズマ化するほどの相対速度です)。
もう一つは電磁波です。
星虹と呼ばれる現象ですが、亜光速航行する物体は、次第に波長が短くなる前方からの電磁波にさらされます。
これは探知障害になり得ます。
(いずれも本当に光速に近づいてから顕著になる現象ですが。)

ヤンが使った氷塊は巨大なので、前方からぶつかって来る星間物質を、言わばラムスクープ場で衝角のようにかきわけながら直進できるかも知れませんが、
スクープ場を係留する物体の質量が小さいと、ちょっとした乱流(こんな速度では、星間物質は凄まじく濃い流体も同然です)が生じても、進路は途方もない勢いで跳ね出してしまうはずです。
要するに、小さいミサイルだと進路が予測不能なぶれ方をする可能性が大です。

「誘導が効きづらい」と言う現象については、理由は違うけれどSAIさんも考慮しておられるようですが、
要するにこの種のミサイルは、
・助走距離が要る=いきなり亜光速では撃ち出せない。
 (作中でヤンが使った氷塊もかなりの加速距離を取っている)。
・ミサイルも弾頭も、一瞬でもスクープ場が消えたら、星間物質の抵抗で跡形もなくプラズマと化して消滅する=SAIさんが仰るような使い方は難しい。
・誘導が難しい=星間物質の抵抗で、予測困難な進路のブレが生じる。
ブレを補正しようにも、星虹による探知障害でセンサーは使用不能、
ウラシマ効果によりミサイル自身の時間がのろくなっているので
反応も遅くなる。

ましてイゼルローン回廊のように星間物質が航行障害になりかねないほど濃い(とされている)領域があちこちにあるようなところだと、
小型のミサイルが何かにぶつかって爆発する可能性も大です。
(何しろ相対速度が光速ですから・・・(--;;;)
あるいは、近接信管を持つ機雷でスペースデブリをばら撒く手もあります。
ラムスクープ場はミサイル前面に展開しているので、普通の金属探知と
同じく、センサーに引っかかります。
何しろ光速ですから、ミサイルとの衝突速度も凄まじいものです。
ラムスクープ場による遮蔽を失ったミサイルの破片は、星間物質が片付けてくれる・・・と想定する事も可能です。

実を言うと、防衛手段の要件は考えられるものの、
「それで防げるか、防げないか?」
となると、私には答えを出す決定打がありません。
なにぶん、作中ではおそらく、そういう細かいことは考えていないと思われるので・・・。

ヤンが使った氷塊は(偶然かも知れませんが)幾つかの要件をクリアーしています。
まず、かなり大きいという事。
ラムスクープ場を失ったら崩壊蒸発が始まるとは言え、崩壊しながら速度が落ちていくので、
蒸発しきる前に目標をヒットする確率が高いという事です。

それに、細かく砕けると蒸発してしまう氷なので、ある程度距離があるところで迎撃されたら、ハイネセンにぶつかる前に蒸発してしまう可能性が高いこと。

あれが引き起こせる最悪の事態は、「適当な」大きさに砕かれて
誘導不能の状態でハイネセンを襲う事だったと思われますが、
ヤン艦隊が制宙権を奪取していたあの状況では、ほぼその心配はないと
いう事で・・・。

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