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投稿ログ214 (No.3643 - No.3648)

親記事No.3581スレッドの返信投稿
board4 - No.3643

同盟側私的返答

投稿者:八木あつし
2003年02月12日(水) 16時42分

 どうもこんばんは。久々に長いレスです。
 実は実家に帰っていました。実家ではPCとゲームは1日1時間(笑)と決められていまして、ロクに文章を書くだけの時間が取れず、長文が書けずに短くレスをするだけでした。また全てのレスをPCで読む時間もそんなに取れないので、携帯のIモードで読んでいました。いや~、読みづらいことこの上ない(笑)。PCが使えないので、余った時間は実家に置いていた銀英伝のアニメをたっぷり見てきました。やっぱアニメは良いです。
 それにしても各ツリーで論戦が起きていますね。局地戦の嵐です(笑)。現在の主戦場はKenさんがいるところですか。私も対冒険風ライダー戦だけでなく、戦線を拡大しようかな。(^^;)
 それにしてもこの移動要塞ネタが復活するまで、皆さんずっとROMをしていたのですね。これだけの人が参加してくるとは、思いもしませんでした。タナ撃つBBSを見つつ、虎視眈々と自分が得意とするネタを待つ論客の方々。まぁ私も人のことは言えませんが(笑)。

 色々とレスがありますが、一部の方が勘違いをしている部分を見つけたので書いておきます。ガイエスブルク要塞の改造工事の期間です。3ヶ月と誰かが書いていましたが、そんなに掛っていません。
 原作とアニメ版を参考にすると
1月18日 同盟軍アッテンボロー分艦隊と帝国軍アイヘンドルフ分艦隊の遭遇戦
3月上旬?  通常エンジン試験成功。ガイエスブルク移動要塞、ワープ実験宙域に通常航行にて移動開始。
3月17日(アニメは18日) ワープ実験成功。ガイエスブルク派遣軍によるイゼルローン要塞攻略作戦が決定。
 このスケジュールからガイエスブルク要塞の改造工事完了は、ガイエスブルクへの移動時間を考えて1ヶ月半というところですね。どんなに掛っても時間的に2ヶ月は掛っていませんね。

< 私の論に対して「そんなことはヤンの性格ではできないだろう」とか「ヤンの民主主義思想に反する」とかいった類の「ヤンの性格的要素」のみをベースとした反論については、「たかがその程度の理由で実行に移せなかったヤンの方が愚かである」「ヤンはすでに民主主義の擁護者ではなく破壊者なのであり、そんな思想を信奉する意味はない」という批判へと自動的に変換させて頂きますので、その辺はご了承を。>

 ここを読んで思ったのは、最初から「IFネタにすべきだったのでは」でした。この冒険風ライダーさんの言葉は、あきらかに批判を超えて架空戦記的な事象(反銀英伝)にまでなってしまいますね。
 ライダーさんがこのようにいきなり宣言されると、私としても困ってしまいます。私がライダーさんに論戦で勝とうとしても、かなり攻め方が限られてしまいますので。こうなると私としては、軍事の天才であるヤンはとっくにライダーさんの主張を思考しており、その上で全て実現不可能・ないし無意味だと判断して実行をしなかった。つまりライダーさんは今回ヤンを無能・愚劣だと主張していますが、無理難題ばかりを言うライダーさんこそ無能・愚劣だと持っていくしかないのですが……。

> >第8次イゼルローン要塞攻防戦以降
<>  まず言うまでもなく、ヤンの場合も件の移動要塞を見た瞬間に「移動要塞が持つ強大な潜在的脅威と無限の可能性」に気づいた、という前提から始めます。
>  この可能性に気づいたヤンが最初にやるべきだったことは、移動要塞ができようができなかろうが、まずは「移動要塞が持つ強大な潜在的脅威と無限の可能性」を政府ないしは軍上層部に報告することです。これはヤンの立場にいる者であれば絶対に行わなければならない義務ですらありますし、ヤンの「あの」性格でさえ、実行の障害になることはありえないでしょう。
>  そもそも、「移動要塞が持つ強大な潜在的脅威と無限の可能性」というのは、私が「最強の武器」と定義する「無限の自給自足システム」だけが全てではありません。単に戦術的な観点のみを見ても、移動要塞の強力な主砲と外壁は大艦巨砲主義の可能性を示唆していますし、何よりも第8次イゼルローン要塞攻防戦終盤で発生した「要塞特攻」の改良戦術「小惑星特攻による要塞破壊」があります。特に後者は、イゼルローン要塞の防衛が国の命運をも左右する同盟にとっては、ほとんど最悪の脅威といっても過言ではない戦術です。ラインハルトがこの戦術を用い、再び要塞を攻撃にかかる可能性は、いくら検討してもし過ぎるということはないでしょう。
>  もちろん実際には、せっかく移動要塞を提唱されたラインハルトが「移動要塞が持つ強大な潜在的脅威と無限の可能性」に全く気づかなかったばかりか、かつて自分自身で述べていたはずの「要塞特攻」をすらもすっかり忘れ去ってしまうという「重度の健忘症」を患ってしまっていたため、「小惑星特攻による要塞破壊」が実行に移されることはありませんでしたが、それはあくまでも「僥倖」とでも言うべき結果論の話なのであって、それとは別に、移動要塞技術がもたらす様々な可能性を、ヤンも同盟政府&軍首脳部も「将来的にありえる脅威」として、ありとあらゆる角度から検討しなければならなかったはずでしょう。
>  同盟政府&軍首脳部に対して「移動要塞が持つ強大な潜在的脅威と無限の可能性」を報告し、その対策を考えると共に、移動要塞実現のための研究・開発チームを設けさせること。こんな簡単なことすらも行わなかった時点で、ヤンの識見のなさと怠慢さは充分に批判されて然るべきなのです。>

まずこの小惑星攻撃に移動要塞が避けることが出来るか? これが最大の問題点になります。
この小惑星攻撃に近い事例として、アルテミスの首飾りへの氷塊による攻撃が当たります。この作戦でヤンはバーラト星系第4惑星ハイネセンの衛星軌道に展開する12個軍事衛星に対して、バーラト星系第6惑星の氷をくり抜いてエンジンを装着し光速に近い速度まで加速させ、この氷塊を軍事衛星にぶつけることで破壊しました。
バーラト星系外縁部からハイネセンまでの距離は約65億キロ。艦隊にとっては指呼の距離とあります。ハイネセンの救国軍事会議は、アルテミスの首飾りへの攻撃の直前になって初めて氷塊に気付きました。結果はなすすべもなく、軍事衛星は全て破壊されました。
これから判る通り、意外に近距離であっても動く氷塊に気付かなかったのです。そして軍事衛星よりも圧倒的に巨大であり、戦艦よりも速度が遅い(アニメは同速度に見えますが、ゲームは艦隊のほうが速いです)移動要塞が、至近距離でやっと探知して、それから避けられるはずもありません。氷塊ないし小惑星は、艦隊のスピードの何十・何百・何千倍の速度です。遠距離で探知したとしても光速に近い速度で迫ってくる物体を果たして直径60キロのイゼルローンが避けることができますか?
ヤン艦隊がアルテミスの首飾りへの攻撃時に、ハイネセン本星への被害を与えない攻撃軌道を計算しました。常に移動要塞が航行エンジンを使い中途半端に移動していたとしても、すぐに見破られるでしょう。仮に緊急移動で1~2個ぐらいなら避けることが出来ても、10個も同時に撃たれれば無理ですね。
ヤンはアルテミスの首飾りを破壊しました。そしてガイエスブルク移動要塞も粉砕しました。そのヤンが、私の考えるようなことに気付かないはずがありません。その上で、ハードウェアの限界を知るヤンだからこそ、イゼルローンはそのままにしていたのではないでしょうか? 第一狭い回廊内では、少々動いたところで意味はさしてないでしょう。それに、4~5巻の時点では要塞が動いても意味がありません。帝国軍の来襲を防ぐためにもイゼルローン回廊から出るわけにはいかないからです。ラグナロック作戦で帝国軍はフェザーンを占領しました。この時点でイゼルローンの戦略的価値は激減しました。しかも3倍のロイエンタール軍に囲まれている状況では、移動要塞が動けるわけはありません。かといってロイエンタール軍が迫る前に同盟領に要塞が引けば、易々と回廊突破、同盟領侵入を招きます。結局、移動要塞にしようがしまいがさしたる意味はありません。改造した分だけ資金と労力の無駄です。
4~5巻でヤンの行動を非難できるのは、バーミリオン会戦で政府の停戦命令に従ったこと。そしてその後メルカッツ達を逃がしたことだけです。
私はむしろ「アルテミスの首飾り破壊作戦から見る軍事要塞破壊論」を唱える方が良いのでは。

< ではこの時点で移動要塞が建造できる可能性はあったのか? これについては、「ヤン自身に積極的なやる気と意志さえあれば決してできないことではなかった」というのが私の意見ですね。
 これにはまず、2つの方法が考えられます。まずひとつは、件の「小惑星特攻による要塞破壊」の脅威に備える対策として移動要塞改造を提起すること。ラインハルトが愚鈍でさえなければ、「小惑星特攻による要塞破壊」は実際に起こりえる可能性があったのですから全くのウソではありませんし、「小惑星特攻」に対する防衛は、むしろ移動要塞よりも静止要塞の方が「事前に察知しても、要塞自体が動いてかわすことができない」という点ではるかに不利です。当然「小惑星特攻」が成功した場合は、イゼルローン要塞が完全破壊されて同盟の防衛線そのものが瓦解してしまうのですから、むしろ同盟側は自らの保身のためにもイゼルローンを移動要塞に改造する必要性があるのです。
 もちろん、同盟も予算不足は深刻でしょうし、政治家の面々もヤンに対して隔意を抱いてはいるでしょうが、だからといってイゼルローン要塞が「小惑星特攻」によって破壊されるという事態まで望んではいないはずです。3巻の査問会でヤンに対して精神的リンチを浴びせていた連中が、「移動要塞襲撃」の報を受けて面食らっていた様子を思い出してみてください。むしろ、自分達の保身のためにも、かなりの無理をしてでも予算を出し、イゼルローン要塞を移動要塞に改造することに賛同してくれることでしょう。>

 ケンプ提督の要塞特攻は、追い詰められた結果のことです。本当は要塞特攻というのは、もっともしてはならない愚作なのです。
 話は変わりますが、帝国軍艦隊の作戦可能距離は帝都オーディンからイゼルローン要塞周辺まででしょう。新書3巻44Pのシャフトの説明やイゼルローン要塞の建設理由から、イゼルローン回廊を通り抜ける当たりで補給が切れるのでしょう。もし要塞という補給基地がなければ、回廊を突破したあとに補給切れになってしまいます。イゼルローンもなく、ガイエスブルクもなければ回廊を突破したあとの補給が持たず、同盟首都ハイネセンまで行けません。
 ヤンはその補給拠点としてのイゼルローンの有意性から要塞を破壊されないという可能性。もしくはその時にならねば考えても仕方ないと思ったのでしょう。何にしろ小手先で、移動要塞化してもどうせ回廊内ではまず避け切れません。それならば、資金と労力を使わない方がマシです。

< それでも動かない、というのであれば、いっそということでヤンが「敵軍襲来の際に首都に呼びつけられ、不当な査問会で精神的リンチを受けていた話」をネタに政治家達を脅迫するという手もあります。「国防のために必要な移動要塞改造を受け入れないのであれば、この事実を同盟市民の前で告発する」とでも言って。ヤンを熱狂的に支持している同盟市民達は当然ヤンの言うことを信じるでしょうし、そんなことをされたら政治家達の政治生命も絶たれてしまいますから、いくら個人的にヤンを憎もうが、彼らはヤンの要求に応じざるをえません。
 「トリューニヒト政権は同盟における主要報道機関を押さえているからその手の脅迫は無駄」という反論があるかもしれませんが、イゼルローン要塞にはヤンが自由に動かすことのできる報道システムが存在します。これは銀英伝8巻でヤンが死亡した時、それを全宇宙に発表する際に使われていますので、これを使えば件の話を全宇宙に対して大々的に報道することができるでしょう。ヤンの脅迫を妨げる政治的・物理的要素はどこにも存在しないのです。
 これで移動要塞は余裕で完成させることができるでしょう。後の運用はヤン次第、といったところですね。>

 積極的にヤンを民主主義の破壊者にしてどうするのですか(笑)。ヤンがあの査問会に耐えたのも、あくまでも制服軍人の上司である国防委員長、それも選挙によって選ばれた代議士であったからです。確かにあれはあまりに不当でした。だからといって、軍人が政治家を脅迫して良いわけではありません。
 せめてヤンの権限内で出来る策を考えてください。これでは一方的に私が不利ですよ。

> >バーラトの和約後の同盟
< これに関しては今回が初出となるのですが、ヤンがレベロと手を組み、将来に備えた移動要塞改造のための研究やエンジン製造を秘密裏に行わせるといった手段も考えられますね。「バーラトの和約」には、戦艦や宇宙空母の製造禁止は明記されていても、「巨大エンジン自体を製造してはいけない」などという規則はどこにも存在しませんし、実際には大量の戦闘艦艇をチュン・ウー・チェン辺りが大量に隠蔽できていたことなどを考えても、隠蔽工作などは比較的容易に行えそうですしね。将来イゼルローン要塞を「例のトリック」で奪取した時、すぐさま移動要塞を改造することができるように準備しておけば、未来の可能性がより大きく開かれたであろうことはまず間違いありません。
 バーミリオン会戦時に、わざわざ「政府の命令と同盟の国内法に違反してまで」メルカッツらを逃亡させた挙句、不要不急の戦艦奪取などを行わせて同盟を滅亡させるきっかけを自ら積極的に作ってしまうような「民主主義を破滅させる愚策」などよりも、こちらの方がはるかに懸命で賢い選択だったのではないかとすら思えるのですが。>

 ヤンが2ヶ月でハイネセンを脱出する羽目になったのを忘れたのですか。レベロとヤンが手を組むことはありませんよ。手を組むためには、帝国高等弁務官のレンネンカンプが何も行動しないというのが最低条件です。しかしそれはレンネンカンプの性格上無理でしょう。ヤンはハイネセンから逃げるしかありません。
 もしメルカッツ提督達を逃がしていなかった場合、ヤンは巡航艦レダ2号しか手元にありません。イゼルローン再攻略を担った600隻の艦艇と兵員1万6000人はいなくなるのです。レダ2号1隻でイゼルローン再攻略はさすがに無理でしょう。
 ヤンと同盟との和解が不可能になった時点で、同盟も民主主義も滅んで終わりです。

> >エル・ファシル時代
< 八木さんは何か重大なことを忘れ去ってはいませんか? 同盟建国の礎となった偉大なる先人達が、これ以上ないほどに劣悪な環境の中、長さ122㎞、幅40㎞、高さ30㎞、推定質量234兆2400億トンの超巨大ドライアイス船を、たった3ヶ月程度の時間で完成させ、無事に航行させることに成功した「作中事実」を。これには言うまでもなくエンジンの開発・製造・設置作業だって当然含まれているのですよ? あの酷寒の惑星の奴隷階級にすら簡単にできたことが、エル・ファシルの生産力をもってしてできないはずがないではありませんか。
 しかも八木さんは「巨大なエンジンを30個以上『も』製造するのです」とさかんに強調されておられますが、そもそも最低でも数千~数万隻単位で艦艇が運用される銀英伝世界で、いくら巨大とはいえ、32個のエンジンというのはむしろ圧倒的に少ない方なのではありませんか? 巨大エンジンひとつに戦艦1隻分の費用と資材が必要だったとしてもたかだか32隻ほど、イオン・ファゼカス号のエピソードとも併せて考えるともっと少ない負担で完成する可能性も高いので、大した負担であるとは私には全く考えられないのですけど。
 工員に関しても、民間から技術者達をアウトソーシングしてこき使うといった手もあるでしょうし、最悪、全ての艦艇補修を一時的に中止してでも、工員達を移動要塞の方に集中させる方法だってあるでしょう。移動要塞が完成した後に改めてゆっくりと艦艇補修を「移動要塞の中で」行えば良いのですし、移動要塞にはそれだけの価値が充分にあります。>

●250年以上前に鉱山奴隷40万人が3ヶ月掛けてドライアイスの宇宙船を造った → ならば、イゼルローンは3ヶ月で移動要塞になるだろう。
● 2年前に約9万人の工兵が1ヶ月半を掛けてガイエスブルクを移動要塞に改造した → ならば、イゼルローンは3ヶ月で移動要塞になるだろう。

この二つ。どちらの主張が信じられると思いますか? まず下の例でしょう。
 250年前のイオンファゼカス号のことは、今回は全然関係ありませんよ。第一、エンジンを何機か造ったかも記述はありません。ものすごく燃費の悪い巨大エンジンを一つ取り付けただけかもしれませんよ。エンジンの同調問題も何もなし。とにかく脱出できれば良い。
 もう一つ言えば、鉱山奴隷ということで40万人のほとんどが何らかの工学知識を持っていた可能性が高いことです。(氷に10M穴を掘ってそれをまた埋めろ、という命令を与えられていたのではないかぎり) それに対して、エル・ファシルの300万人は一般市民です。しかも農業従事が多いでしょう。一般市民に、鉱山奴隷ほどの工学知識はまずないですよ。
 また確かにイゼルローンの設備でエンジンぐらいは、時間こそ掛かるものの完成するかもしれません。しかし問題はエンジンの取り付けであり、同調させる問題です。ヤン艦隊の200万将兵は、あくまでも艦艇の乗組員であり専門工兵ではありません。しかもそのうちの2割は新兵です。また五月雨式に数が増えていった訳であり、イゼルローン奪還直後の兵員は1万6000人というところです。エル・ファシルの市民もせいぜい徴兵された経験がある市民がいる程度です。艦艇を造る設備がエル・ファシルに無い以上、エル・ファシルの市民はそんなに役に立ちません。
 イゼルローンの改造では、ガイエスブルクの例を最大限参考にすべきです。イゼルローンの改造に、イオンファゼカスの例を参考にされても私は相手にしません。
 ガイエスブルクは、専門工兵約9万人が1ヶ月半取り組み改造できました。ガイエスブルクよりも一回り大きいイゼルローンが、専門工兵も技術者の民間人もロクにいない状態でありながら、たったの3ヶ月で改造できるでしょうか? 私は無理だと言わざるしかありません。

< まあこれに関してはさすがに可能性100%とまでは言いませんけど、事前の準備とやる気さえあれば、この時期でも移動要塞が実現する可能性は充分に存在しえたとは言えますし、すくなくとも銀英伝本編で行われた、100%必敗確実だった「回廊の戦い」の準備などを行うよりは、はるかに勝算の見通しは立ったのではないでしょうか。>

 ここでライダーさんは可能性100%ではないと書かれています。確かに移動要塞完成の可能性はあるかも知れません。しかし失敗の方が確実に高いですよ。中途半端な改造で動きもしないイゼルローン、修理の全く終わっていない艦艇群。これではどうしようもないです。移動要塞という失敗必至の賭けより、ベターを選ぶのは指揮官として当然ですよ。
 よく必敗だと言われますが、ヤンは勝つのが目的ではなく民主主義を残すのが目的なのです。なので回廊の戦いはあれで良かったと思っています。
 むしろ移動要塞となったイゼルローンで帝国領に侵入してどうするのですか?(同盟領は帝国軍が迫っているので無理) 艦艇は2万隻しか収容できず、その艦艇の補充の当てもない。帝国領内を破壊しながら逃げ回るのでは、民主主義を残せもしません。イゼルローン回廊とフェザーン回廊を固められたら、同盟領に行くことも適いません。
 あと移動要塞は補給拠点として以外ではそんなに強くありません。アッテンボロー分艦隊とアイヘンドルフ分艦隊の遭遇戦では、相手を発見したのは時間的距離で50分でした。50分の距離がありながら、新兵中心のアッテンボローは逃げませんでした。つまりこの程度の時間的距離では逃げられないのです。艦艇よりも遅い要塞では、最後には追いつかれるでしょう。一個艦隊がイゼルローン移動要塞に接触できれば、それでほぼ終わりです。要塞の移動を中止して敵艦隊を排除しなければなりません。一個艦隊は例え全滅してでも足止めをして増援が来るのを待てば、最後にヤン艦隊は動けなくなり要塞に籠もって、戦うしかありません。待つのは敗北です。ラインハルトもここまでくれば、容赦はしないでしょう。

>  やはりヤンの方もまた、「移動要塞が持つ強大な潜在的脅威と無限の可能性」を無視した挙句、民主主義を守るために自分がなすべきこともやらなかったばかりか、むしろ民主主義を破滅に導いた愚か者であったと言えそうです。

 今回と過去の論戦を読んでみて思ったのは、ライダーさんの提唱した「移動要塞説」は、複合的な要素が絡み合っているので難しくなったのかな、でした。ライダーさんの説には、「軍事設定面的要素」「登場人物への批判的要素」「反銀英伝的要素」の3つが絡み合っているので、話を複雑にして同時に論戦も荒れるのでしょう。まぁ確信はありませんけど。(^^;)
 各要素の1つだけ捉えて論を展開しても、どこかの要素が致命的に欠けるので、ライダーさんや不沈戦艦さんあたりの「斉射三連」で無理やり撃沈させられるのかもと考えてみたりします。
 もしこの移動要塞ネタをヤン側でのみ、しかも思いっきりIFシナリオバリバリで行けばここまで荒れなかったかもしれません。例えばムライ中将が「こんなこともあろうかと思って用意していたエンジンが役に立ちそうですな」ってね。これならばヤンを無能扱いにするとか一切関係がなくなるので、荒れることはないですね。その分レスは半分以下になりそうですが(笑)。

 ただ冒険風ライダーさんは、銀英伝の設定上の可能性と同時に反銀英伝的なIFも話されているので、少し混乱してしまいます。ここは私も人のことを言えませんけど。
 出来が悪い返答になってしまったかも知れません。その点はご容赦下さい。

親記事No.3625スレッドの返信投稿
board4 - No.3644

Re:議論の前提条件に対する理解

投稿者:Ken
2003年02月12日(水) 16時50分

パンツァーさん、

あなたは誤解をされています。私の論旨ではなく、この議論に参加している私の意図をです。

冒険風ライダーさんが展開した論旨--恒久的移動要塞が可能であることが、作中事実から立証されたとする論旨--に、正確にはその論旨を立証する方法に、私が強い不満をもっているのは、まぎれもない事実です。ライダーさんの立証方法は、私が正しいと信じる立証方法とは、あまりにも乖離しております。

しかし、だからといって、私が恒久移動要塞の可能性を、なにがなんでも否定しようとしていると思われているなら、それは誤解です。

また、私が挙げた3つの立証方法

> 1.恒久移動要塞が可能であると、演繹的に証明する
> 2.恒久移動要塞が可能であると、私たちが知っている物理法則を使って判断する
> 3.恒久移動要塞が可能であると、現実世界の科学的手法で、判断する

に続く、パンツァーさんの書き込みは、まるで私が、できるはずのないことを要求し、あなたをトラップにかけようとしていると、あなたが考えている--そのように読めます。

もし、あなたがそう考えているなら、それも誤解です。

私の意図が、恒久移動要塞の可能性を否定する、そのことだけにあるなら、なにがなんでも「演繹的証明」に固執したはずです。パンツァーさんが言うとおり、銀英伝の記述だけで、恒久移動要塞が可能であると演繹的に証明するなど、不可能に決まっているからです。

でも、私はそこで議論を終わりにしたくなかったのです。移動要塞について、その原理、性能、生産性、安定性・・・そんなことを、この掲示板で議論するのは、すごく楽しい作業だと思ったからです。

そして、「現実世界の科学的手法」を持ち出したのは、それによって議論が発展する、少なくとも継続するのでは、と思ったからです。「まとめ」とタイトルをつけた#3625の投稿の末尾に、

>私が、物理法則の復権を提案したのは、銀英伝の記述に基づいての演繹証明などできるわけがないから、次善策として、現実世界の科学手法を取り入れてみてはどうか、と考えたからです。

と書いた意図はそこにありました。

パンツァーさんが述べたように、現実世界の科学者は、観察結果から仮説を「帰納」することで、いろいろなことを「立証」しています。そしてそのような仮説は、パンツァーさんの言葉を借りれば、往々にして「ブラックボックス」の形をとります。

分かりやすい例に、ニュートン力学の成立過程があると思います。ニュートン力学は、有名無名の多くの人の努力と業績の集大成ですが、ニュートン自身を含む最も重要な貢献者は、おそらく次の3名でしょう。

*一生を捧げて、天体観測を行った、デンマークのブラーエ
*ブラーエの観測結果を使って、「惑星運動の3法則」を帰納した、ドイツのケプラー
*ケプラーの法則を、きれいに説明できる理論を立てた、イギリスのニュートン

そして、ケプラーが彼の法則を帰納した段階では、まだ「ブラックボックス」でした。それでも当時の多くの人に「事実」として受け入れられていたでしょう。ちょうど、ピタゴラス以前の人にとって、彼の定理が、既知の事実だったように。この点からいえば、銀英伝の記述に基づいてある仮説を帰納する、というパンツァーさんの論旨には何の異存もありません。

ただ、問題は、ケプラーがやったような帰納を、移動要塞についてできるのか、という点なのです。ケプラーの帰納の背後には、ブラーエを含む多くの人の観測結果がありました。ところが、銀英伝の移動要塞となると、ガイエスブルグの一例があるのみです。これでいったいどんな帰納ができるのでしょうか?

私は、銀英伝の記述は、帰納的に仮説を導くには、証拠として貧弱すぎると思うのです。一方に、「貧弱ではない」という冒険風ライダーさんたちの主張があり、そこに論争を生じたわけですが。

冒険風ライダーさんたちと論争する一方で、私は、弱すぎる帰納の根拠を補強できる方法を考えました。そして、結局それをやるには現実世界の科学者たちがやっていること、つまり少ない観察結果の「すきま」を物理理論で埋めるしかない、と考えました。だからこそ、一度は捨てることに同意した物理法則(私たちが知っている物理法則)を復権させようと、冒険風ライダーさんに提案したのです。拒絶されましたが。

パンツァーさんに理解していただきたいのは、私が物理法則を使おうと提案したのは、帰納を補強するためだということです。破壊するためではありません。

私は、パンツァーさんのこれまでの書き込みを見て、私と思考過程の似ている部分が多く、非常に「話が通じやすい」人ではないかと思っていました。とくに、パンツァーさんが、

<数式化された法則が導かれ、その理論的裏づけとして、>という記載があるので、「普遍化(数式化)」の後に、「考察」が書かれたものと判断します。

と、書いたのを読んで、思わず膝をうちました。「なるほどそのとおりだ」と思ったからです。私は「観察→考察→普遍化→予測」と書きましたが、ブラーエ、ケプラー、ニュートンの業績の順序を考えても、たしかにパンツァーさんの方が正しいのです。

ですから、パンツァーさんとなら、上に書いたような、移動要塞の原理の考察など、「楽しい作業」をいっしょにやれるのでは、と期待したのです。例えば、観察中さんが挙げられた「木星型のガス状巨星からのエネルギー補給」などには、大きな関心をもっています。

パンツァーさんの書き込みに対して、私が回答できるのは以上です。なお、パンツァーさんが提示された私への質問は、上記のように私の意図への誤解に基づくものと思われますので、回答はひかえさせていただきます。

できれば、私の提案を容れていただき、これからも議論を続けてゆきたいと思います。

しかし、上に書いた内容も所詮は「詭弁」と言われるのであれば、私たちの議論もここまでです。

親記事No.3581スレッドの返信投稿
board4 - No.3645

追記

投稿者:八木あつし
2003年02月13日(木) 11時15分

同盟側(またはヤン側)でイゼルローン要塞を移動要塞化するのは、政治的・設備的・軍事的に考えて大変に厳しい状況だと思います。
ただ私もイゼルローン要塞の移動要塞への改造は、状況さえ変われば可能だと思います。また移動要塞になったときの戦略性、未来への可能性もあるでしょう。
では、いつだったら一番状況が良かったのか?
私はヤン亡き後のユリアン率いるイゼルローン共和政府こそ、移動要塞の無限の可能性を活かせたのだと思います。
政治的には、惑星エル・ファシルというお荷物にエル・ファシル政権という目の上のこぶが消えています。またヤン亡き後、イゼルローンからの離脱希望者を全てハイネセンに送り出したことで、ある程度の覚悟を決めたものが残り、組織的に純化されています。
組織体制も政治面でフレデリカ、軍事面でユリアン、その補佐に旧ヤン艦隊幕僚が加わり、一般将兵や住民が選んだ代表者が一人もいないという、まさしく理想的な「民主集中制」です(笑)。イゼルローン共産党とも言えますね。
設備的には、とにかくイゼルローンのミサイル工場や艦艇補修設備を改造して、エンジン開発工場に作り替えます。時間を掛ければ改造も可能でしょうし、エンジンも造れるでしょう。
軍事的には、ラインハルトがヤン亡き後のイゼルロ-ンに興味を失っており、回廊出口には半個艦隊程度が警備を行っているだけです。とにかく要塞に閉じ籠もっていれば、帝国軍が攻撃してくることもありません。少なすぎる人員でも、ゆっくりと時間を掛けて改造をやり遂げることが出来るでしょう。
10巻でユリアン指揮のイゼルローン革命軍が最初の戦いで帝国軍に勝ちましたが、移動要塞を使えばさらに楽に回廊突破を出来るでしょう。そのあとはヤンの考えた「人民の海」作戦でも、第2の長征一万光年でも思うがままです。
ということで、移動要塞を思いつかなかったユリアン。そして移動要塞構想をユリアンに語らなかったヤンを責めてみてはどうでしょう。

親記事No.3625スレッドの返信投稿
board4 - No.3647

結局、何が言いたいの?

投稿者:パンツァー
2003年02月13日(木) 12時09分

Kenさんの記載(No3644)
> あなたは誤解をされています。私の論旨ではなく、この議論に参加している私の意図をです。

何を言っているのですか?
問題なのは、「論旨」であって、「意図」なんかじゃないでしょう。

Kenさんの記載(No3644)
> パンツァーさんの書き込みに対して、私が回答できるのは以上です。なお、パンツァーさんが提示された私への質問は、上記のように私の意図への誤解に基づくものと思われますので、回答はひかえさせていただきます。

私は、他の人(冒険風ライダーさんや不沈戦艦さん)が放擲したような、Kenの質問にも、まともに回答してきたのですよ。
それが、私の質問には答えられないというわけですか?
私の問いには、基本的にまともに答えてないでしょう、Kenさんは。
次から次へ、新しい質問を提示するだけで。
フェアでない、とは思いませんか?

Kenさんの記載(No3625)
<私たちの議論が紛糾した理由は一つ、恒久的移動要塞が可能であることが「証明された」という論が横行し、そこから「ヤンやラインハルトが愚かである」と展開したことに、私が承服できないからです。ただし、二人の英雄のことは今は論じません。その前提となった「既に証明できた」とする論に対する反論です。

以前に書いたように、冒険風ライダーさんも、ライダーさんと論拠を同じくする人たちも、何かを「証明する」とはどういうことかを誤解しておられます。「ピタゴラスの定理」を持ち出したのは、そのことを分かりやすく解説するためでしたが、あまり役に立たなかったようです。>

新規スレッドを立ててまで、このようなことを述べる意図は、いったい何なのでしょうか?

私は、ここで「証明」の対象となっているのは、「移動要塞」だけかと思いましたが、
(銀英伝を含めて)作品を元にした「仮定」の話はできないと、言いたいのですか?
それだったらですね、別に「移動要塞」だけが「論じられない」のではなく、艦隊の移動自体も仮定することができないのですよ。

「艦隊の移動」についても、
「銀英伝の記述だけでは、可能であると証明するにも、不可能と証明するにも、不十分である」<Kenさんの記載(No3599)>
でよいのですか?

銀英伝に登場するテクノロジー一般が、仮定の対象にはできない、という結論には、さすがに満足していないと思ったのですがね、私は。

だから、
同じ論理で、「艦隊の移動」についても証明ができますか、といった趣旨の話を、何度も何度も繰り返ししていますよね。
(No3598)、(No3630)、(N03641)等で。
まったく、この問いに対する回答がありませんが。

新規スレッドの題名である「まとめ」を、
Kenさん自身で果たしてください。

A銀英伝に登場するテクノロジー一般が、
「可能であると証明するにも、不可能と証明するにも、不十分である」
なのか、
B「移動要塞」だけが、
「可能であると証明するにも、不可能と証明するにも、不十分である」
(銀英伝に登場するテクノロジー一般は問題なし)
なのか、
是非ともお聞かせ願いたい。

この問いに答えてもらえば、Kenさんの考える「議論の前提条件」についても、私が推測することができます。

回答がAの場合は、
そもそも銀英伝世界そのものの仮定を許さない態度なのですから、「移動要塞」論にだけ意義を提示する意図が不明です。

パンツァーの記載(No3613)
<つまり、この態度を推し進めれば、銀英伝作中の記載事実以外の選択肢は無かった、ということになるでしょう。唯一信頼に値する検証をクリアしたといえるのが、実際に行われたこととされる作中事実のみに限定されるのですから。

この場合は、作中人物も、決められた台本通りに行動する舞台役者のようなものであって、彼らの天才だとか愚劣だとかを論じることすら、無意味ですね。そのように行動するように決定されていたということでしょうから。>

まったく、面白くない結論ですね。

回答がBの場合は、
手始めに、「艦隊の移動」に関する証明から、はじめてください。
「艦隊の移動」が「作中事実」の航路の移動以外は、「可能であると証明するにも、不可能と証明するにも、不十分である」となったら、お話にならないでしょうから。

> できれば、私の提案を容れていただき、これからも議論を続けてゆきたいと思います。

まず、ここ一連の投稿で何が言いたかったのか、明らかにしてください。
上のAかBの択一の問い、簡単でしょう。とりあえず、この問いにだけでも答えてもらえなければ、Kenさんが何を言っているのか、さっぱり分かりません。

> しかし、上に書いた内容も所詮は「詭弁」と言われるのであれば、私たちの議論もここまでです。

私が「詭弁」といったのは、「ピタゴラスの定理の証明」を用いて、「移動要塞」論に、Kenさんが意義を唱えた点です。
前回「言いがかり」といったのは、銀英伝に登場するテクノロジー一般には批判を加えないのに、「移動要塞」論にだけは批判を加えていながら、銀英伝に登場するテクノロジー一般が成立する根拠を示してない点です。

特に、今回の回答がAであるならば、私がKenさんに対して、「詭弁」および「言いがかり」と断じたことを、謝罪いたしましょう。

今回の内容に関しては、本論に関わることが論じられているとは言えず、「詭弁」だと言うべき点は見当たりませんね。

親記事No.3642スレッドの返信投稿
board4 - No.3648

Re:作品設定とは?

投稿者:IK
2003年02月13日(木) 13時25分

コウモリさん、はじめまして。IKと申します。今後ともよろしくお願いします。レベル云々を言えば、私などは到底ここで発言することなどかなわぬ無知、かつ粗忽者ですが、楽しさに負けて、こうして書き込んでおります(^^)
どうぞコウモリさんも遠慮なく参加して下さい(^^)

私は概ね貴殿のご意見に賛成ですが、違う部分ももちろんありますね。そこを書きます。
その前にひとつ。現在、移動要塞論は論旨よりは方法論を巡って紛糾しているようですが、科学設定を言えば、「ザ・ベスト」にもいくつか収録されていますが、そもそも作品の世界そのものが成立しなくなるのであり、そこは一度、「棚上げ」しておいた方がいいように思われます。「棚上げ」の意味の哲学用語があったはずですけど、何でしたっけ? ここはバシっと決めたいとこですが(笑)
これは該当スレに書くべきことかも知れませんが、この点、論争する気がないので、「傍観者」の意見としてここに書き込みます。

> では作品世界に戻って
> ①、②
> と
> ③、④
> は別物なのですか?
>
> ①、②は作品中において動かし難い事実ですが
> ③、④もまた作品中においては動かし難い設定
> ではないのですか?
> 作品中における③、④を相対的な事として認めるならこれ以上の
> 銀英伝と言う作品世界の破壊があるのでしょうか?

これは天才の定義にも拠ります。また、評価の問題もあります。またしてもローマ史を持ち出して手前みそになるのですが、例えばハンニバルをして「救国(を少なくとも志した)の英雄」と見るか「亡国の将軍」と見るか、評価が難しいところです。これは別々の人間の間で評価が分かれるというよりは、ひとりの人間においてもどの側面に着目するかで評価が分かれる例だと思います。私としては彼はそのどちらでもあったと思っていますが。
それと同じくラインハルトは天才でもあり、愚者でもあった、ということは可能ではないでしょうか。オーベルシュタインの犬やラングを見るにつけ、一人の人間の「矛盾」を容認することが銀英伝の特質でもあるのですから。
演歌に「子犬の神様」(でしたっけ)という歌がありますね。私も一度聞いたきりなので詳しくは知らないのですが、確か犯罪者が子犬には優しかった、子犬にとってはその犯罪者こそが神様だったという内容だったと思います。犯罪者であるのも事実、神様だったのも事実ですね。

それとは別に読者としての評価というものがあります。
ホームズでも実は「移動要塞論」のような紛糾ネタがあるのですよ。「まだらのひも」がそうですが、えー、一応推理小説なのでここからはネタばれになります。気になる人は読まないでください。段落をあけますので(一段落飛ばしてください)。

「まだらのひも」というのは実は蛇のことであり、いかにも黎明期らしい牧歌的なトリックなのですが、犯人が笛によって蛇を操るのがトリックの鍵になっています。しかし蛇は実は聴力が弱い。音で操るというのは不可能らしいです。
ここから演繹されるのはホームズは冤罪事件をひとつこしらえた(笑)ということですが、犯人が事実、笛で蛇を操っているので作品論的には「まだらのひも」のトリックも成立している訳です。科学と作品論の攻守が「移動要塞論」とはちょうど逆になっていますね(^^)

もちろん以上の記述をもってホームズを愚者ということも読者としては可能なんです。ここは「科学的」をもってよしとするシャーロッキアンの間でも頭痛の種らしいですが(笑)

愚者とか天才というのは評価ですから、作品の設定とずれていても読者の評価としては成立し得るものです。同時に作品内での天才という評価もそれと等価のものとして成立し得るので、ここはそれぞれの考え方くらいですむ話ではないでしょうか。
私はラインハルトは状況証拠的に移動要塞の評価を誤ったと思っていますが、ヤンについてはその立場ではなかったと考えています。
作中事実と言っても、物理的な事実である移動要塞と、主観的な事実である天才・凡才論は明らかにカテゴリーが違う訳です。主観的な事実は複数存在し得る、私はそう考えます。

なんだかまとまらないですけど(笑)

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