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投稿ログ372 (No.6394 - No.6399)

親記事No.6105スレッドの返信投稿
board4 - No.6394

回廊の狭さの程度について、他

投稿者:パンツァー
2005年04月07日(木) 14時32分

一部、加筆および削除して再投稿しています。

>  自分が議論の終了を仄めかしたのは、議論が煮詰まり始めていた事と、年度の節目で各々忙しいであろうといった点を考慮しての事です。それに、場外乱闘掲示板の方でスレッドの巨大化も指摘されてもおりますし、そろそろ潮時ではないかと思います。「意見が平行線で結論が出ない」というのも議論の終わり方の一つで、これまでの議論でもよくあった事です。場をお借りして議論をさせて頂いている以上、議論の落とし所も見極めないといけないと思いますしね。
>  ですので、ある程度の問題提起はできたと思いますし、これ以上議論を行っても合意は得られないと判断し、こちらからの意見や反論はここまでにさせて頂こうと思います。一連の議論が、後の議論の叩き台になれば幸いです。
>  お付き合い頂き、ありがとうございました。

私としては、反論したい点があるのに、反論しないでいるのは面白くありませんので、反論は行わせていただきます。これに対して反論されて、私が納得できない点があれば、それに対しても反論を行う次第です。

今回の議論に関して、少なくとも私は、「意見が平行線で結論が出ない」部分を避けるように努めているつもりです。
例えば、実は「アルテミスの首飾り」を構成する衛星群には、質量弾の回避能力があったのではないか、といった平松さんの仮説に対しては、私も明確な反証を咄嗟に挙げ得ないので、この部分についてはグレーゾーンの状態として一時保留しております。作品の展開は、質量弾攻撃なるものが予測されていなかった状態のことであり、質量弾攻撃を当初から予測している場合には、対応能力があったのではないか、とする仮設には、一応の説得力を認めているのです。
だから、「意見が平行線で結論が出ない」部分を避けるべく、平松さんの反論のない部分(「有人誘導式」や「質量弾の個数を多数にする場合」)のみを利用して、質量弾攻撃のメリットを説明してみたのです。「質量弾の個数を多数にする場合」については、「回廊の狭さ」が問題であるとの反論を受けたので、「回廊の狭さ」は問題にならない、という反論を展開しているのです。「回廊の狭さ」の程度については、それを示す根拠が作品中に多々あり、これらの記載に関する検討が終了したとは言いがたいので、「意見が平行線で結論が出ない」などという状況には到達していないでしょう。

「合意は得られない」というのは、最初から予測がついているでしょう。平松さんの方でも、質量弾攻撃の優位性を根本的に破綻させるような事柄を提示できてないのですから、これは無理ではありませんか。

「各々忙しいであろうといった点を考慮して」という点はうれしくおもいますが、これは投稿のペースが落ちると言う点であって、議論を中断すべき理由には該当しないものです。

以下、私の投稿に関連する部分について

(1)
>  下の文章は読んで頂けていないのでしょうか?
>
> No.6377
> <上でも申し上げた通り、アルテナ星系内という「近距離」であれば、自分としても上記のようなご意見には異論はありません。
>  ただ、アルテナ星系から遠い、回廊内からなどの「遠距離」の場合は、「有人制御航行」や「無人艦の遠隔コントロール」などで回廊を抜けようとしても、イゼルローン要塞へ慣性航行のみで辿り着ける衝突コースのはるか手前で、接近を察知して要塞から出撃してきた艦隊にエンジンを破壊されてしまうのではないか?という事なのです。あるいは姿勢制御システムで公転速度を調節して恒星アルテナの反対側に隠れ、衝突コースの選択肢をを著しく狭めた上で迎撃するといった手も考えられます。>

> <質量兵器の数量についてですが、近距離からの発射が実施出来れば有効でしょう(近距離まで近付けるかどうかは、また別問題です)。ですが、遠距離からの場合、100や200の質量兵器を、狭隘な回廊内で一斉に発射は出来ないでしょう。狭い回廊内で質量兵器がひしめき合っては、いかに誘導システムがあっても、質量兵器同士が邪魔しあってコースを制限してしまうか、下手をすれば質量兵器同士が衝突する可能性も生じますしね。その場合、いち早く先行してきた高速艦隊で質量兵器群を迎撃して停止する前のエンジンを各個撃破する余裕もあるでしょう。>
>
>
> <しかも、有人誘導式や質量弾の個数を多数にするのは、平松さんが指摘する「イゼルローン要塞の回避能力」等を最大限過大に考慮した場合の話であって、このような配慮(有人誘導等)をすることなく、アルテミスの首飾りなどと同様に簡単に撃破できる、ものかもしれないのです。むしろ、作品の展開からすれば、こちらの方が妥当でしょう。>
>
> 「バーラト星系内という近距離からから惑星ハイネセンを守る軍事衛星に対し行われた質量兵器攻撃」と「イゼルローン回廊内という遠距離からイゼルローン要塞に対し行われる質量兵器攻撃」を単純に引き比べることが出来るのか?という事は前にも申し上げたと思います。

***
別に、私は、イゼルローン要塞に対する攻撃において、亜高速を利用した質量弾(アルテミスの首飾り時)に限定した話など、しておりません。ガイエスブルグ要塞による要塞特攻との類似でも一向に構わないのです。その観点から、有人誘導式、などの話も出てきているわけです。

前回(No6387)以下のように書きましたが、
「しかも、有人誘導式や質量弾の個数を多数にするのは、平松さんが指摘する「イゼルローン要塞の回避能力」等を最大限過大に考慮した場合の話であって、このような配慮(有人誘導等)をすることなく、アルテミスの首飾りなどと同様に簡単に撃破できる、ものかもしれないのです。むしろ、作品の展開からすれば、こちらの方が妥当でしょう。」

結局、平松さんの方では、「回廊の狭さ」以外の反論ポイントは、ありませんよね。

(2)
> <ビッテンフェルトとファーレンハイトの敗退は、ヤンの艦隊によって、両翼より側面攻撃を受け続けたことによるものです。>
> <「せまい回廊のなかで行動が制約さ」れてしまう(P66上段)というのは、あくまで、包囲攻撃を掛けるには「狭い」ということに過ぎません。回廊の断面を面で押していく分には、つまり大兵力で「右翼」「中央」「左翼」の全領域に十分な兵力を配置して攻撃することは可能であるのです。このような攻撃方法を取れば、数的に劣勢なヤン艦隊では、当然、防御することはできないでしょう。
> それゆえに、こういう奇策が成功しない限りは、ヤンは、回廊に機雷原を敷設して、ラインハルトの大艦隊に対抗する必要があったわけです。>

>
>
>  乱離篇第三章Ⅲ(ノベルズ版八巻P66上段)
> <一方、ビッテンフェルトも不満である。第二陣として後方にひかえていればよいものを、むりに並行して布陣するから、せまい回廊のなかで行動が制約されてしまうではないか。>
>
>  この文章では、ヤン艦隊の陣形については言及されておりません。これを見る限りでは、帝国軍の兵力展開が制約されてしまったのは回廊自体の狭さが主要因であって、ヤン艦隊の凹型陣はそれを利用した副次的な要因に過ぎないと解釈すべきではないでしょうか。また、前に引用した乱離篇第三章Ⅲ(ノベルズ版第八巻P64上段)のヤンの台詞や、乱離篇第四章Ⅰ(ノベルズ版第八巻P79下段)の文章について何のご回答がないのはいかがなものかと。
>  それに実の所、機雷原はあくまで回廊入口に敷設されたのであり(乱離篇第四章Ⅰ、ノベルズ版八巻P78下段およびP80上段)、それを突破し、激闘の末に橋頭堡ともいうべきポイントを確保しています。この時点ですでに帝国軍の大部分の部隊が回廊内に進入を果たしているのは、下の文章からも明らかでしょう。
>
>  乱離篇第四章Ⅱ(ノベルズ版八巻P84上段)
> <帝国軍の主力はブラウヒッチが苦労して切りひらいた通路から、回廊内へ侵入をはたしている。>
>
>  また、
>
>  乱離篇第四章Ⅲ(ノベルズ版八巻P87下段)
> <帝国軍は敵よりはるかに兵力においてすぐれているのに、狭隘な戦場にひしめきあって行動の自由を失い、後方の兵力は戦闘に参加することもできず、遠くから、味方の壁にさえぎられつつ情勢を見守るだけである。>
>
>  という記載を見ても、後方の兵力を遮っているのは「味方の壁」と書かれているのみで、機雷原についてはまったく言及されておりません。機雷原が兵力展開の障害になっているのなら、記載がないのはかなり不自然ではないでしょうか?また、機雷原が壁になっているのならば、当然「後方の兵力」は、「情勢を見守るだけ」の境遇に甘んじているはずはなく、機雷原の掃宙作業を行っているはずでしょう。これから考えても、帝国軍のほぼ全兵力が、回廊に栓をしていた機雷原を抜けている事は明らかではないでしょうか。
>  よって、機雷原を「帝国軍の主力」が突破した以上、機雷原は帝国軍の後方に存在するわけで、前進や上下左右への兵力展開の障害になる事は有り得ず、「『数的優位を十二分に生かすことが」出来なかった』のは、機雷原のせい」というパンツァーさんのご意見には無理があるように思われます。
>  唯一、乱離篇第四章Ⅴ(ノベルズ版八巻P95下段)には「機雷原や集中火力によって敵を分断し」という記述がありますが、これにした所で「集中火力」と一緒に併記されている以上、戦闘中に艦から射出されるごく小規模のものでしかないでしょうしね(外伝「黄金の翼」(徳間ノベルズ「夜への旅立ち」P201下段~P202上段)では、第五次イゼルローン攻防戦時に駆逐艦エルムラントⅡ号の艦長であったラインハルトが、敵巡航艦を事前に射出した四個の機雷に追い込んで撃沈しています)。

***
雌伏篇第8章帰還Ⅳ(ノベルズ版P209上段)
「それは円筒陣の一種だが、より極端な形で、ほとんど輪状に敵を包囲するものであった。そして同盟軍は、かがやく光点の輪のなかをくぐりぬけようとする帝国軍に、上下左右から砲火を浴びせた。砲火は、おのずと、円の周囲から中心に向けて一点集中する形になり、破壊の効率をいちじるしく増大した。突進する帝国軍の艦艇は、ときとして別方から同時に襲いかかる複数のエネルギービームにつらぬかれ、輪状に切り刻まれたとみると、爆発して火球となった。このフォーメーションを広大無辺の宇宙空間で使用すれば、輪を突破した敵は、そこで隊形を拡散し、反転してさらに外側から輪を包囲することができる。しかし、この狭い回廊では、それは不可能であった。」

前回(No6387)でも書きましたが、
「せまい回廊のなかで行動が制約さ」れてしまう(P66上段)というのは、あくまで、包囲攻撃を掛けるには「狭い」ということに過ぎません。

「狭い回廊内で質量兵器がひしめき合っては、いかに誘導システムがあっても、質量兵器同士が邪魔しあってコースを制限してしまうか、下手をすれば質量兵器同士が衝突する可能性」、といった可能性が発生するとしたら、それは、既に輪形陣を形成されていて、その輪形陣に飛び込まざるを得なかった場合です。

では、既に形成されている輪形陣に飛び込まざるを得なかった場合とは、どういう場合かといえば、これが「回廊の戦い」の前哨戦(ビッテンフェルトとファーレンハイトの艦隊の回廊突入時)や、「回廊の戦い」の本番における「帝国軍は敵よりはるかに兵力においてすぐれているのに、狭隘な戦場にひしめきあって行動の自由を失い、後方の兵力は戦闘に参加することもできず」乱離篇第四章Ⅲ(ノベルズ版八巻P87下段)といった状況なのです。

この場合、敵の輪形陣からの火力が強力で、味方の艦艇があまり前進できず、(例えば回廊中央に)集中した状態となり、味方の艦艇同士の衝突といった不具合も引き起こされてしまうわけです。けっして、敵の妨害が無くても、「艦艇同士の衝突といった不具合」が発生するほど、回廊が狭いわけではありません。

もし、そこまで回廊が狭いのであれば、輪形陣を形成している同盟軍の艦艇と、回廊の中央に突入している帝国軍の艦艇との間で、衝突が発生する状況がもたらされていなければ、可笑しいはずです。艦艇の衝突に関して、敵の艦艇か味方の艦艇かを問うものではないでしょう。

乱離篇第四章Ⅲ(ノベルズ版八巻P83下段)
「ブラウヒッチ艦隊は、たちまち、集中する火力の前にさらされた。しかも後方には機雷源があり、後退は不可能に等しい。覚悟の上であり、これも作戦の一環である。ブラウヒッチは、麾下の艦隊6400隻を100隻単位の小集団に分けて敵火力の集中を回避する作戦を皇帝からさずけられていたが、それを実行する段階で、すくなからぬ損害をこうむった。前後を火と光の壁に挟まれ、帝国軍先鋒部隊は危地に追い込まれる」

上のような状況は、敵の砲火が「火と光の壁」という実質的な壁として機能することを説明しています。

「機雷原を「帝国軍の主力」が突破した以上、機雷原は帝国軍の後方に存在するわけで、前進や上下左右への兵力展開の障害になる事は有り得ず、「『数的優位を十二分に生かすことが」出来なかった』のは、機雷原のせい」というパンツァーさんのご意見には無理があるように思われます。」

この状況にしても、ビッテンフェルトとファーレンハイトの艦隊が敗退した場合と類似の状況なのです。機雷源を突破してみたところが、結局は輪形陣に飛び込むことになった、と言うことに過ぎません。
上に示したように、敵の砲火が「火と光の壁」という実質的な壁として機能するので、「機雷原は帝国軍の後方に存在する」が、「火と光の壁」によって、「前進や上下左右への兵力展開の障害になる事は有り得」てしまうのです。

なお、上では、同盟軍の配置を一まとめに、円筒陣の一形態である輪形陣としましたが、実際には必ずしも、回廊の周縁に沿って配置された輪形陣に限定されるものではなく、状況に応じて異なる隊形を取っているものと推察されます。
ただ、敵の進入ポイント(例えば機雷源に穿たれた穴の出口)が特定されていれば、その進入ポイントの周辺で敵を封じ込めるように、その進入ポイントの周囲に円筒陣や輪形陣、凹形陣などの有利な陣を敷くことが可能でしょう。そうすれば、進入ポイントの周辺から敵(帝国軍)は、進入ポイントに集中する火力に阻まれて、前進できないか前進速度が鈍る羽目に陥るわけです。

>  従って、
> <回廊に機雷原がないのであれば、ラインハルトの大艦隊は、ヤン艦隊の迎撃を受けていくらかは消耗するにしても、作品の展開のような大損害を受けることはないでしょうし、>
>
>  というご推測にも疑問符が付くのではないかと。

***
平松さんは、ヤンが一体なんのために機雷源を形成した、とお考えなのでしょうか。
機雷源が無くても、ラインハルト率いる帝国艦隊が「作品の展開のような大損害」を受けたのは間違いの無いことである、とでもお考えなのでしょうか?
というか、機雷源なんか、そもそも必要なかったのでしょうか?

機雷源は、ビッテンフェルトとファーレンハイトを回廊の中央に誘い込んだ場合と同様に、敵の艦隊を回廊の一部(機雷源に穿たれた穴の出口周辺)に集中させてしまう効果があるのです。もちろん、機雷源という遅滞地形を設けることで、敵の大兵力と一度に戦わなくて良い、という効果も存在します。

(3)
> <機雷原があるとしても、質量弾攻撃を用いることで、その機雷原の突破を図ることも可能なわけです。>
> <また、移動化要塞の要塞主砲を、機雷原破壊の一手段にする点についても、ガイエスブルグ要塞より質量の小さな要塞であって、同じ帝国軍が改造するものであれば、まったく問題にならないでしょう。>
>
>  これらについても、、「『数的優位を十二分に生かすことが」出来なかった』のは、機雷原のせい」という前提に疑問符が付けば、何ら意味がないものになってしまいます。
***
これについても、上で回答したとおりです。

(4)
> <作品の展開に沿うならば、一旦、回廊外へと逃れたメックリンガーの艦隊を、ラインハルトの突入時には、再び回廊内へと突入させれば、それだけで事はすんでいたようにも思えますね。如何に通信に時間が掛かると言っても、ビッテンフェルトとファーレンハイトの艦隊の敗退から、ラインハルトの突入時までには、十分な時間がありますし。特に、このとき、メックリンガーの艦隊にも、質量弾をもたせておけば、艦隊の守備のないイゼルローン要塞を、何の妨害もなく質量弾で攻撃できたでしょう。>
>
>  イゼルローン回廊の帝国側方面から進軍していたメックリンガーが回廊外へ出たのは、ヤンの虚喝に引っかかってヤン艦隊の兵力を過大評価し、ヤン艦隊の別働隊が帝国領に侵攻するのを恐れたためでしょう(乱離篇第三章Ⅱ、ノベルズ版八巻P59~P60)。無論メックリンガーは自分の見解をラインハルトに伝えているでしょうから、ラインハルトとしてもメックリンガーに回廊入口を固める事を命じる以外になかったのでのではないでしょうか?万一帝国領に乱入されれば、「あとは無人境、帝国首都オーディンまでさえぎるものは」いないわけですから(乱離篇第一章Ⅱ、ノベルズ版八巻P23下段)、下手をすれば最愛の姉アンネローゼが囚われの身になってしまう可能性も否定は出来ないわけですし(冒険風ライダーさんもNo.1814 で似たようなシナリオを考案されています)。
> 「こと姉であるグリューネワルト伯爵夫人アンネローゼに関しては、ラインハルトの感情はつねに理性に対する勝者となるのだった」(策謀篇第一章Ⅰ、ノベルズ版4巻P19下段(策謀篇第一章Ⅰ)
>  こういった事情に全く言及せずに「一旦、回廊外へと逃れたメックリンガーの艦隊を、ラインハルトの突入時には、再び回廊内へと突入させれば」とおっしゃられましても、説得力は持ちえないと思います。

***
これに関しては、機雷源の話とは直接関係がないので、どちらでもよいのですが、一応回答しておきます。
(イゼルローン回廊の曲がりくねり等についても、いまのところ議論に直接関連がないと判断しているので放棄しているだけです。)

これは、何も壊滅を覚悟で突入せよ、ということではありません。
十分な偵察を行いながら、回廊への突入を図るべきだ、ということです。
帝国側の回廊に、ヤンが、予備兵力をもし配置しているならば、それが同盟側の回廊に支援に行くことを阻止する必要があります。同盟側の回廊での戦闘で、ただでさえ、苦戦が予想されるわけですから、予備兵力の支援を阻止するのは非常に重要です。つまり、メックリンガーの艦隊が帝国側の回廊への突入姿勢を見せるだけでも、ヤンの予備兵力は牽制されることになるのです。逆に、メックリンガーの艦隊の突入姿勢をヤンが発見したならば、実際にはこちら側には兵力を配置していないのですから、同盟側の回廊から兵力を一部割いて、帝国側の回廊に派遣する必要が発生するでしょう。もし、メックリンガーの艦隊の侵入を阻止できなかったら、ヤン艦隊は挟撃されてしまう、わけですから。そして、同盟側の回廊から兵力を引き抜くならば、同盟側の回廊での戦闘がより一層、ヤンにとって不利になるのは明らかです。機雷源を帝国軍が突破してきているのに、まさか、ビッテンフェルトを誘い込んだときのように、一旦帝国側の回廊に全兵力を派遣する、なんて荒業は、もはや使えないでしょうから。
(作品中での記載個所わすれましたが、回廊の艦隊の通過を要塞だけでは阻止できないみたいですからね。)

ラインハルトの突入時にメックリンガーの艦隊を再び回廊内へと突入させるのは、明らかに、有効なんですけどね。

親記事No.6105スレッドの返信投稿
board4 - No.6395

アルテミスの首飾りについて

投稿者:ぴぃ
2005年04月07日(木) 15時31分

 初めまして、パンツァーさん。

 アルテミスの首飾りの破壊が成功した理由について考察してみました。

 まず、議論の前提として、原作からアルテミスの首飾りに関する事実をいくつか引用します。

// 以下原作より引用する事実
1.ハイネセンを守る一二個の軍事衛星。

2.軌道上を自由に動く一二個の衛星は、たがいを防御、支援するよう機能する。

3.氷塊が、ハイネセン本星に突入したりすることのないよう、発進角度は慎重に定めた。

4.氷塊の質量およびスピードを、衛星のコンピュータは危険因子とみなした。

5.衛星に搭載されていた兵器は氷塊に対して実効性がなかった。
// 引用終わり

 事実1と4からは、アルテミスの首飾りという防衛システムの究極の目的はハイネセンを危険因子から守ることであることがわかります。おそらく、氷塊に反応した原因は、隕石の飛来などにも対応するためであったのではと推測できます。

 次に、事実2から軍事衛星は軌道上を自由に動けることがわかります。
 ここで、氷塊の回避が可能な場合、事実3からハイネセンに危険が及ばないならば、衛星は氷塊を回避するのが合理的です。しかし、衛星は回避していません。よって、衛星は氷塊を回避できるだけの機動が不可能であるか、回避した場合ハイネセンに氷塊が突入してしまうかのいずれかだと考えられます。

 ヤンは同盟軍のNo3であり、アルテミスの首飾りシステムの機密情報に触れられたと思います。事実5は、そうした情報を知っていれば予測がつく事でしょう。システムの作動アルゴリズム及びそれらから導かれる推測や入念なシミュレーションなどから、ヤンは、衛星のコンピュータが、ハイネセンへの氷塊の突入を防ぐためには衛星が自ら氷塊に当たることで阻止する以外、ハイネセンを守るという目的を果たせないと判断する、つまり全ての衛星が氷塊を回避しない氷塊突入コースを算定して作戦を決行したとも考えられます。
 要するに、アルテミスの首飾りの軍事衛星が、質量兵器を回避できるのだとしても、衛星があえて質量兵器を回避しないことで、システムの目的である危険因子の除去(この場合は、ハイネセンへの氷塊の突入阻止)を達成したとも考えられます。

 この推測が正しいならば、ヤンの作戦が軍事衛星の自由な移動を制限したため、衛星は移動目標ではなく事実上の固定目標であったとみなせます。
 それゆえ、軍事衛星が回避不能であったと必ずしも言うことはできないので、亜光速質量弾が要塞に必ず命中して、要塞を破壊できるとは限らないと思います。

 なお、軍事衛星が回避不可能な機動力しか持たないのであるならば、軍事衛星より大質量かつ巨大な要塞に対する攻撃成功率は、軍事衛星攻撃の場合よりも確率は高いと直感的には思います。

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board4 - No.6398

Re6377/6384:移動要塞関連の遅レス

投稿者:冒険風ライダー
2005年04月09日(土) 12時46分

 ここ2~3週間ほど、仕事が多忙につき、投稿が遅れてしまって申し訳ありません。
 今更ながら私からのレスです。

>平松さん
<ラインハルトが「戦争の天才」と呼ばれ、それに相応しい能力と業績を示したのは紛れもない作中事実ですが、
「ラインハルトは事前に移動要塞のエンジンの脆弱性を見抜けなかった。あるいは見抜いていたとしても、その点をシャフトやケンプ、ミュラーらに対し指摘しなかった」
「ラインハルトはケンプやミュラーに対し、移動要塞を質量兵器として用いる事を当初から指示しなかった」
という移動要塞作戦時におけるラインハルトの不手際もまた、歴然たる作中事実です。
 この二つの作中事実を矛盾なく並存させるため、
「ラインハルトという天才もまた、正統派の用兵家が移動要塞に対して抱く先入観から完全には逃れ得ていなかったが、それはラインハルトの天才性を全否定するものではないと、銀英伝世界では認識されている」と自分は結論付けたわけです。現実世界でも、歴史上「名将」「名政治家」「天才」と呼ばれる人間たちが、とんでもない失敗、誤断、見落としをしでかした事例など、探せばいくらでもありますしね。
 それゆえ、「正統派の用兵家が移動要塞に対して抱く先入観」から完全には逃れられなかったラインハルトが「移動要塞の火力と装甲」を持ってすれば、要塞には簡単に接近出来るだろう」と考えてしまったとしても、それはラインハルトに対する批判材料にはなり得ても、彼の作中における天才性やキャラクター(および作品)設定を否定する要素にはなり得ない、というのが自分の見解です。>

 だからですね、その結論では結局「(ヤンやラインハルトは愚か者であるという)私の主張を全面的に受け入れた上での『開き直り』の類にしかなっていない」というのですよ。第一、銀英伝の作中で行われたような「移動要塞の火力と装甲をもって要塞に対抗する」にせよ、小惑星特攻や質量弾攻撃を行うにせよ、どちらも「静止要塞に近づかなければならない」という命題は変わることがないのですし、何度も言うように、もしその段階で平松さんが仰るような懸念材料があるのであれば、それは「エンジン同期の問題」と同じかそれ以上に対策が検討されていなければならない問題なのです。それすらも全く行っていなかった時点で、ラインハルトは軍事的天才としてあるまじき失態を犯していると言わざるをえません。
 しかも、「エンジン同期の問題」に関しては、すくなくともラインハルトにとってはある意味専門外な問題だと言い訳することもできますが、「静止要塞に近づけるか否か」の問題はラインハルトが専門かつ得意分野とする「用兵」のカテゴリーに属するものです。これってむしろ「正統派の用兵家」とやらの方が真っ先に気づきそうなものですし、仮にも「戦争の天才」と呼ばれているラインハルトであれば【なおのこと】、「正統派の用兵家」以上に早く気づき、かつ対策を練らなければならない事項であるはずでしょう。
 そんな懸念材料について何も考えることなく、「先入観」だの「固定観念」だので「移動要塞は静止要塞に簡単に接近できるだろう」と何の根拠もなしに楽観的かつ大甘な皮算用でもって作戦を立てるような行為は、かつて救国軍事会議の面々が「アルテミスの首飾り」に対して抱いていたような「ハードウェア信仰」と似たり寄ったりなシロモノでしかないではありませんか。銀英伝という作品でほとんど全否定的に扱われているそんな発想法が「彼の作中における天才性やキャラクター(および作品)設定を否定する要素にはなり得ない」などというのは、相当なまでに作品の世界観およびキャラクター設定を侮辱かつ蹂躙する行為であるとは言えませんかね?
 第一、ラインハルトはイゼルローン要塞に対して、平松さんが仰っているような「正統派の用兵家が移動要塞に対して抱く先入観」など抱いていないことは作中でも明記されているのですけどね↓

銀英伝外伝3巻 P217下段~P218上段
<ラインハルトは部隊をひきいて、イゼルローンへ帰投しつつあった。出撃した全帝国軍が収容をすませるまで、彼と部下たちは、四日半を要塞外で待機させられた。勇戦の、これが報酬であり、彼に対する総司令官の評価のほどがうかがえた。
「雷神のハンマーという、巨人的なハードウェアに頼っただけのことではないか。そんな安っぽい勝利の、どこが嬉しい」
 自分がイゼルローン要塞駐留艦隊司令官であったら、「雷神のハンマー」など使用することなく、同盟軍と誇称する叛乱軍を蹴散らしていたのに、と思う。>

 つまり、イゼルローン要塞の「巨人的なハードウェア」要素に関しては、ラインハルトもまたヤンと似たり拠ったりな考えを有していたわけです。この作中記述およびキャラクター設定を無視して「ラインハルトが『正統派の用兵家が移動要塞に対して抱く先入観』を抱いていた」などと規定するのは、銀英伝という作品およびラインハルトというキャラクターに対する侮辱であるとは思わないのでしょうか?
 しかもラインハルトには、かつて門閥貴族出身の軍人や同盟軍に対して、以下のごとき酷評を開陳していた前科すら存在するのです↓

銀英伝外伝1巻 P14上段~下段
<「同盟軍、いや、叛乱軍の奴らは戦略を知らんのだ。流血を見ずしてイゼルローン要塞を無力化する方法があるものを」
 奴らに教えてやりたいくらいだ、と、ラインハルトは思う。本気で「専制王朝を打倒する」意思があるなら、とるべき手段はいくつでもある。自らの平和と安全だけが願いなら、逆の方向にも複数の選択がある。にもかかわらず、これが唯一の途だとばかり、イゼルローン回廊に攻めこんでは敗退をくりかえす同盟軍だった。ラインハルトとしては、あきれずにいられない。
「なぜ愚劣にもイゼルローンに拘泥する。要塞があれば正面から戦って陥さねばならぬと信じこんでいる。硬直のきわみだ」
「だからこそ帝国にとっては要塞を建設した意義がありましょう」
「ちがいないな」
 苦笑してラインハルトは赤毛の友の見解をうけいれた。>

銀英伝外伝1巻 P15上段~下段
<ラインハルトは心から問いたかった。この会戦の目的は何なのか。どのような戦略上の課題を満足させるために、数万隻の艦隊を動かし、数百万の兵士を死地に立たせ、膨大な物資とエネルギーを消費するのか。その根本から目をそらし、課題を戦術レベルに限定してもっともらしく討議したところで、何の益があろう。かわされる会話のひとつとして、彼の感銘を呼ぶものはない。
 こいつらは戦争ごっこをやっているだけなのだ、と、ラインハルトは思わずにいられない。「自由惑星同盟」などと称する叛乱軍の輩と、似合いの好敵手と言うべきだ。帝国内での抗争に敗れて同盟に亡命した人々の数を思うと、同席の提督たちは、将来の亡命地を失うことがないよう配慮しているのではないか、とさえ思われる。いや、これは過大評価だろう。貧しい能力のすべてをあげて、この程度なのだ……。>

 さらには、あの移動要塞に関しても、ラインハルトは他ならぬ自分自身が命じた「移動要塞を持ってイゼルローン要塞を攻略せよ」という命令の内容も忘却し去った挙句、ケンプの移動要塞運用に見られる固定観念」を嘲笑するような発言まで行っています。
 これほどまでに「硬直しきった固定観念を抱く自分以外の人間」を酷評するラインハルトが、平松さんの仰るような「固定観念」だの「先入観」だのといったものを抱いているとしたら、それは他ならぬラインハルト自身の論法でもって「愚かである」と評されるべきですし、そうでなければならないのではありませんかね? それを「彼の作中における天才性やキャラクター(および作品)設定を否定する要素にはなり得ない」などとするのは、銀英伝という作品およびラインハルトというキャラクターに対して、むしろ大変失礼かつ無礼というものでしょう。
 銀英伝という作品およびラインハルト自身が結果的に否定している論法でもってラインハルトを擁護しようとするのは止めるべきです。それは最大限贔屓目に見ても、非常にタチの悪い「褒め殺し」以上のものにはなりえないのですから。まあ、「ラインハルトは天才などではない、とてつもない愚か者なのだ」が結論で良いのであればそれでもかまわないかもしれませんが。

<「だとしたらラインハルトやヤンが移動要塞戦略やイゼルローン質量兵器攻撃について検討しなかった事はどうか。これらも、実施出来るのに気付かなかったとしてもラインハルトやヤンの天才性を否定する要素にはなり得ないと思うか」
というご意見もあるかもしれませんが、これらについては「補給の重要性は作中でしばしば語られている」「ヤン自身も質量兵器攻撃を行った実績がある」といった作中事実から考えれば、気付かなければ作中記述に確実に矛盾すると思いますので、自分としては「移動要塞戦略やイゼルローン質量兵器攻撃には実施出来ない理由があったのでは?」という前提の元、懐疑的なスタンスに立ってみたわけです。>

 上でも説明したように、ラインハルトが「正統派の用兵家が移動要塞に対して抱く先入観」を抱いているか否かの問題も、「補給の重要性は作中でしばしば語られている」「ヤン自身も質量兵器攻撃を行った実績がある」と同じくらいに作中で明確に語られていることですので、「気付かなければ作中記述に確実に矛盾すると思います」。だからこそ、質量弾攻撃云々についても、ヤンやラインハルトを擁護したいのであれば、「ヤンやラインハルトはバカだった」的な結論に到達する可能性がない上での合理的な理由でもって説明するべきなのです。

<ただ、アルテナ星系から遠い、回廊内からなどの「遠距離」の場合は、「有人制御航行」や「無人艦の遠隔コントロール」などで回廊を抜けようとしても、イゼルローン要塞へ慣性航行のみで辿り着ける衝突コースのはるか手前で、接近を察知して要塞から出撃してきた艦隊にエンジンを破壊されてしまうのではないか?という事なのです。あるいは姿勢制御システムで公転速度を調節して恒星アルテナの反対側に隠れ、衝突コースの選択肢をを著しく狭めた上で迎撃するといった手も考えられます。>

 以前からずっと疑問に思っていたことなのですけど、平松さんは一貫して「接近を察知して要塞から出撃してきた艦隊にエンジンを破壊されてしまうのではないか」という主張を「質量弾攻撃無効」の根拠にしているわけですけど、その一方でラインハルトがその可能性に事前に気づいて対処法を練るべきだったという私の主張を「固定観念で気づけなかったから」という反論で応えておられますよね。この平松さんの主張って、結果的には「俺でも気づけるような懸念材料をラインハルトは結果的に気づけなかった」と言っているも同然なわけで、ある意味上で私が述べた以上にラインハルトをバカにしているようにも取れるのですけど、その自覚ありますか?
 それから、平松さんがしきりに出してくる「姿勢制御システムを使った要塞の回避能力」ですが、もし平松さんが述べているようなレベルの行動がこれで取れるのであれば、それが銀英伝の作中で一切使われなかったことと矛盾が生じるのではありませんか? 「姿勢制御システムで公転速度を調節して恒星アルテナの反対側に隠れ」などということができるのであれば、それは限定付きながらも立派な「自力で制御できる【宇宙航行能力】」と呼べるシロモノですし、これを応用すれば、状況に応じて敵艦隊に接近したり遠ざかったりすることだってできるはずでしょう。
 それがどんなに速度の遅いものであるにせよ「自力では全く動けない」とは雲泥の格差が存在するわけですし、そんなものがあるのならば敵を要塞主砲の射程圏内に引きずり込んだり、敵の攻撃を回避したりといった用途で大いに役立つことは明白なわけですから、作中の要塞攻防戦などで全く使われない方が不自然です。しかも、この「宇宙航行能力」には、移動要塞が抱える「エンジンの弱点」の問題すらも存在しないときているわけですから、要塞の火力と装甲を武器に敵陣に単体で突っ込むという戦法すら可能となるわけで、ある意味戦術的に無敵のシステムとすら言えます。ますますもって、作中で一切使われも言及すらもされなかったのはおかしな話であると言わざるをえないでしょう。
 しかも、イゼルローン要塞に「自力で制御できる【宇宙航行能力】」がないということは、他ならぬ銀英伝の作中描写でも示されていることなのです↓

銀英伝1巻 P128下段
<「シュトックハウゼンだ。事情を説明しろ、どういうことだ」
 大股に歩み寄りながら、要塞司令官は必要以上に高い声を出した。あらかじめ連絡があったように、叛乱軍が回廊を通過する方法を考案したとすれば、イゼルローン要塞の存在意義そのものが問われることとなろうし、現実に、叛乱軍の行動に対処する方策も必要になる。
 イゼルローンそのものは動けないのだから、このようなときにこそ駐留艦隊が必要なのだ。それをあのゼークトの猪突家が! シュトックハウゼンは平静ではいられなかった。>

 ここでシュトックハウゼンが主張している「イゼルローンそのものは動けない」というのは、恒星アルテナの周囲を「自動システム的なもので」公転させることはできても、それを「人為的に制御・調節」することはできないことをも示すものでしょう。それができるのであれば、この箇所における「イゼルローンそのものは動けない」という作中記述自体がおかしいことになります。
 以上のことから、平松さんの主張は銀英伝という世界観およびキャラクター設定とはあまり合致しないものであるように思われるのですが、どうでしょうか。

>不沈戦艦さん
<それで、「限りなき報復合戦になってもやむなし」ということですが、「住民殺戮」は戦力的に充実している帝国軍の方が、規模が大きくかつ素早くやれるのではないですか?イゼルローンしか戦力がないヤン一党とは違うんですから。戦力が違うのですから、帝国軍側から先制して「これ以上暴れるのなら、旧同盟領住民を全員抹殺する」との脅迫をヤン一党に突きつけることは可能です。そして、イゼルローン移動要塞がそれに従わないのなら、例えばですが「十分ごと」にでも、一つ一つ「皆殺し星系」を増やして行けばいいんですよ。>

 「限りなき報復合戦」という状況下で、「規模が大きくかつ素早くやれる」ということに意味があるのでしょうか? 移動要塞の場合、帝国領および250億の国民を完全に殲滅できる「能力」自体は立派に有しているのですし、その能力を駆使すれば帝国が壊滅的な大打撃を受けることも「事前に」分かりきっているわけですから、殲滅される時期が相手よりも早いか遅いかは、この際あまり問題にならないかと。
 この「限りなき報復合戦」で「規模が大きくかつ素早くやれる」ということが問題になることがあるとすれば、それは移動要塞が無差別戦略爆撃を行っている間に、帝国側が移動要塞を100%確実に捕捉および攻略し、自陣営が殲滅される前に「限りなき報復合戦」に終止符が打てるという絶対的な保証がある場合だけです。そして、それがいかに困難を極めるかは、銀英伝5巻でヤンが行った「正規軍によるゲリラ戦」の事例だけでも明白ですし、「無限の自給自足能力」を有するが故に無制限かつ無期限のゲリラ戦が可能な移動要塞が相手であれば、ほとんど不可能とすら言えるほどに絶望的な命題となりうることは誰でも容易に察することができるでしょう。
 かつての米ソ冷戦時における「核の報復戦略」でも、それが実行されれば「両陣営共に共倒れ」になることが容易に想定されたからこそ脅威となりえたのであって、その脅威の前では「規模が大きくかつ素早くやれる」というのは、それで自陣営の生存の可能性が模索できるのでない限りはあまり意味がなかったのではないかと思うのですけどね。

<いくら「旧同盟領住民」はもう「新帝国領住民」であって、帝国からすれば自領土だしヤン一党にとっては責任を負うべき相手ではないとは言っても、ヤン一党が求めていることは「帝国と取引して、旧同盟領の一部でいいから民主主義体制を保存すること」なんですから、その為には「旧同盟領の一部星系とその住民たち」が絶対に必要になる訳です。その旧同盟領全てを「人質」にされた場合は、屈伏せざるを得ないでしょうよ。旧同盟領の全住民を抹殺されてしまった場合は、武力抵抗を続ける意味がないんですから。「そんなものはどうでもいい。旧同盟領の住民の安全についての責任まで負えない」と彼らが考えているのなら、暴れる意味が全くありません。だったらそんなものは放っておいて、さっさと逃げ出して「第二次長征一万光年」に入ればいいだけですからね。「旧同盟領の一部領有を目指している」のに「旧同盟領の住民の安全について、責任は一切負う必要はない」と主張するのには、論理的に無理がないですかね?>
<「もし帝国に旧同盟領住民を全員抹殺されてしまったとしても、イゼルローン移動要塞も時間をかければ同じことが可能だから報復できるので、それが抑止力になる」ってのは、なんぼなんでも無理でしょう。「住民抹殺に要する時間の桁が全然違う」ことは、この「チキン・ラン」における帝国軍の絶対的優位を保障するものです。旧同盟領住民が全て抹殺されてしまった後、イゼルローン移動要塞が「報復」だけを目的として、帝国領攻撃を繰り返したところで、そんな行動に意味はないですよ。もう、「目的」は果たせないことが、分かり切っているんですから。また、仮に旧同盟領住民を全て抹殺したところで、帝国軍にとっては「征服の労力が無駄だった」だけで、「目的」が消滅する訳じゃないです。「人類社会の統一」は適いますからね。「逆らうものは皆殺し」になったというだけで。帝国側はヤン一党の「目的」を圧殺できるのに、ヤンには帝国の「目的」を潰すことはできない。これでは、やる前から勝負はついています。いくら何でも、「ヤン一党が手に入れて民主主義を保存する惑星は、帝国領でもかまわない」と言うのは無理がありますし。>

 いや、ヤンの構想では、そもそも「旧同盟領の一部領有を目指している」などという項目自体が全く入ってはいないのですよ。何度も引用していますが、ヤンの構想というのは元々こういうものですし↓

銀英伝7巻 P190上段
<「全宇宙に皇帝ラインハルトとローエングラム王朝の宗主権を認める。そのもとで一恒星系の内政自治権を確保し、民主共和政体を存続させ、将来の復活を準備する」
 その基本的な構想を説明したとき、エル・ファシル独立政府の首班ロムスキー医師は瞳をかがやかせたりはしなかった。
「皇帝の専制権力と妥協するのですか。民主主義の闘将たるヤン元帥のおことばとも思えませんな」
「多様な政治的価値観の共存こそが、民主主義の精髄ですよ。そうではありませんか?」>

銀英伝8巻 P36下段
<ヤンの構想は、およそ大それたものである。戦術レベルの勝利によってラインハルトを講和に引きずりこみ、内政自治権を有する民主共和政の一惑星の存在を認めさせようというのだ。それはエル・ファシルでもよい、もっと辺境の未開の惑星でもよい。その惑星を除いた全宇宙を専制の冬が支配するとき、ひ弱な民主政の芽を育てる小さな温室が必要なのだ。芽が成長し、試練にたえる力がたくわえられるまで。>

 この当時のヤンは「エル・ファシル独立政府」に身を投じていたのですから、本来ならばヤンには「エル・ファシル独立政府」が領有するエル・ファシル星系を死守する義務も存在したはずなのですけど、その首班に対して今後の戦略方針を話す時でさえ、ヤンは「エル・ファシル星系という【旧同盟領にして現行唯一の民主共和政体の領土】」にこだわっている様子が微塵もありません。また、「回廊の戦い」を行う際も、ヤン一派は戦術上の必要性があったとはいえ、本来何が何でも死守しなければならないはずのエル・ファシル星系の無防備宣言を行い、その守りを放棄しています。つまり、作中のヤンの構想でも「旧同盟領の一部領有」などよりもはるかに「民主共和政体の確立」の方が最優先事項なのであり、それが実現されるならば場所はどこでもかまわない、と考えられているわけです。
 もちろん、この構想から言えば、たとえその「内政自治権を有する民主共和政の一惑星」が帝国領内にあったとしても何ら問題にはなりません。重要なのは「民主共和政体を有する惑星の存在」それ自体にあるのであって、場所など全く問うてはいないのですから。第一、場所の問題など、移動要塞の人間をその惑星に居住させればそれで済む問題でしかありませんし、「回廊の戦い」当時であれば、エル・ファシルの人間300万人全てを一時的にイゼルローン要塞に退避させた後で他の惑星に移住させる、という手で補えないこともないでしょう。だからこそ私は、ヤンの民主主義存続構想を語るに当たっては、「限りなき報復戦争になって移動要塞に居住する以外の全人類が死に絶えてもかまわない。その後で誰もいなくなった荒野に民主主義を復興しても、それで充分に目的は達成される」と主張できるわけです。銀英伝の作中でも、それこそ「長征一万光年」を遂行した結果、人口たった16万から立ち上げて大国にまでのし上がった自由惑星同盟の事例があるわけですしね。
 せめてヤンがほんの少しでも愛国主義的、そこまでいかなくても郷土愛的な執着を旧同盟領に対して抱いており、その奪還を本気で目指している、とでも言うのならば、私もこんなことは言えなくなるのですけどね~。

<繰り返しになりますが、「旧同盟領の住民の安全などどうでもよく、イゼルローンさえ健在ならOK」だというのなら、何でさっさと逃げ出さないのか、全く意味不明で訳が分からない行動でしかないと思いますがどうですか。イゼルローンが健在ならOKであるのに、時間と労力と人命を無意味に費やして、帝国領攻撃をせにゃならんというのでは、帝国に対する嫌がらせか八つ当たりにしかならんでしょうよ。>

 旧同盟領云々の件については上で述べたとおりですが、「旧同盟領の住民の安全などどうでもよく、イゼルローンさえ健在ならOK」という考えていてもなお、ヤン陣営が帝国を攻撃しなければならない理由は2つあります。ひとつは、帝国側が第二の長征一万光年を敢行するヤン陣営に徹底的な追撃をかけてくる可能性であり、もうひとつは将来的な脅威です。
 要塞を使って第二の長征一万光年を行う場合、帝国がそれを黙認せずに徹底的な追撃を行ってくる可能性は充分に存在します。これは銀英伝作中のアーレ・ハイネセンの長征一万光年でも同じことが発生していますし、またアーレ・ハイネセンの時代と異なり、銀英伝の作中人物達は、長征一万光年の成功によって自由惑星同盟が建国され、帝国と拮抗するだけの実力をつけた「史実」を知っているわけです。第二の長征一万光年の成功によって第二の自由惑星同盟が誕生されたのではたまったものではない。その可能性を憂慮する帝国側が、第二の長征一万光年を阻止することを目的に、移動要塞に対して徹底追撃を行ってくる可能性は決して無視しえるものではないのです。
 また、たかだかアーレ・ハイネセンと奴隷階級の集団で長征一万光年が成功するような作中事実から考えれば、ヤン陣営はむろんのこと、帝国側もまた長征一万光年を実行することは可能なわけですし、何よりも「無限の自給自足能力」を持つ移動要塞という存在もあります。これを利用して、第二の長征一万光年を敢行するヤンに対して、帝国側もまた同じことを行って「永久に」追撃をかけてくる可能性も否定できないわけです。もしこれが実行されれば、ヤン陣営はいつまで経っても新天地を見つけることができず(見つかった瞬間にそこは帝国領となってしまいます)、当然のことながら「内政自治権を有する民主共和政の一惑星の存在」を確立することもできなくなります。だからこそ、第二の長征一万光年を敢行するにしても、「もし自分達に攻撃を仕掛けてきた場合は相応の教訓を叩き込んでやる」といった類の「脅しを含めた抑止力」が最低限必要不可欠となるわけです。
 もうひとつの「将来的な脅威」というのは、作中における銀河帝国と自由惑星同盟がそうであったように、第二の長征一万光年を敢行・成功した後に発生するであろう、遠い未来に両者が邂逅する可能性です。その際、これまた銀河帝国と自由惑星同盟の関係と同じように「第二の戦争の時代」が始まることもありうるわけです。それを未然に防止するために、あえて帝国に攻撃を行って可能な限りの打撃、場合によって移動要塞に居住する人間以外の人類滅亡をも視野に入れた戦略を打ち出しておくことは、この「将来的な脅威」をも事前に消滅させることに繋がるわけで、ヤンが考えるであろう「民主共和政体の存続」という観点から言えばやっておいて損はないものです。
 ここで問題となるのは、ヤン陣営が第二の長征一万光年を敢行する際に帝国側がどのような対応を取ることになるか、これに尽きます。もし「逃げるならば好きにするが良い、未来のことは未来の人間が考えれば良いことだ。そこまでの犠牲を払ってまで追撃を行わなければならない価値はない」と帝国側が早々に折れてくれるのであれば、それこそ不沈戦艦さんが仰るように、帝国領など放っておいてとっとと第二の長征一万光年を敢行するのが懸命ですが、もし「如何なる犠牲を出そうとも、第二の自由惑星同盟を生み出しかねない第二の長征一万光年など絶対に認めない」と考えるのであれば(そして私はこちらの可能性の方が圧倒的に高いと思いますが)、たとえ最終的に第二の長征一万光年を敢行するにしても、私が考えるような戦略構想でもって帝国側に追撃を諦めさせる必要があるわけです。
 国家としての矜持から言っても、「人類社会の統一」という帝国およびラインハルトの目的から考えても、「第二の長征一万光年」などを無条件で認めるほど、帝国も「お人好し」ではないと私は考えるのですが、いかがでしょうか。

親記事No.6105スレッドの返信投稿
board4 - No.6399

氷塊衝突を衛星等が回避する可能性について

投稿者:パンツァー
2005年04月09日(土) 15時05分

ぴぃさん、はじめまして

> 2.軌道上を自由に動く一二個の衛星は、たがいを防御、支援するよう機能する。

確かにこのように書かれているので、アルテミスの首飾りを構成する各衛星は、一応の移動能力を持っているのではないか、と推測されます。
しかし、普通に考えると、こういった衛星が、亜光速の質量弾を回避できるはずがないのです。

というのは、これらの氷塊である質量弾は、亜光速、つまりほとんど光速で飛んできているわけですから、戦艦の主砲のような光線兵器からの光線と、ほぼ同じ速度なのです。例えば、戦艦同士の光線の撃ち合いで、戦艦の移動能力を駆使して、光線の命中を避けることができる、と言っているのに等しいのですから。

ここで、氷塊を切り出した惑星からハイネセンまでの距離がどの程度はなれているのかわかりませんが、例えば太陽から地球までの距離が光速で8分程度ですから、発射時点からハイネセンへの到達までに5分や10分の時間が掛かることはありえるでしょう。
また、野望篇第7章ⅢやⅣ、Ⅴ(ノベルズ版2巻P186、189、190)の記載からは、P186には敵の攻撃が始まった旨をクーデタ軍のオペレータがグリーンヒル大将に報告し、P190ではクーデタ軍が12個全部の衛星が破壊されたことを知っている旨の内容が記載されています。つまり、氷塊による衛星の破壊の少なくとも2、3分以上前には、その接近が探知されているように見受けられます。
つまり、ハイネセンの属する星系内の各所に、監視衛星等が配置されていて、数分あるいはそれ以上前に、氷塊の接近を探知し、その探知情報を亜空間通信(普通の電波通信だとこの情報が届くのにも数分掛かってしまう)等の通信手段で、その情報を衛星にもたらされた、と考えられます。

このように、数分間の時間的余裕があれば、あるいは、5分、10分の時間的余裕があれば、衛星に備える「相互に防御・支援するための移動能力」を駆使して、質量弾の衝突コースから、自らの衛星を外すくらいの回避運動くらいはできたいのではないか、とも思えるのです。

作中の場合は、衛星に備える兵器で破壊不能な質量弾による攻撃を受けた場合、などの対処が事前に考えられてなかったため、通常の対処、つまり、自らに接近する危険物(氷塊)に単に攻撃を仕掛ける、という対処しか行わず、数分あるいはそれ以上の時間的余裕を利用して、回避運動を行う、といった対処が行われなかったのではないか。当初から、破壊不能な質量弾による攻撃を受けた場合、というものが分かっていれば、衝突を回避することもできたのではないか。
少なくとも、アルテミスの首飾りの実例やケンプの要塞特攻の実例が示された後の世界では、質量弾攻撃に対する対処というものも考慮され、同じ手(亜光速の質量弾)で遠距離「光速で5分や10分はかかる距離」からの攻撃なら、衛星や要塞なら、その姿勢制御システム等を利用して、回避することができたのではないか!
平松さんの指摘も、恐らくこういうことだと思うのですが、これ自体に関しては、平松さんの指摘を全否定する根拠は今のところ、私には上げられません。

>  要するに、アルテミスの首飾りの軍事衛星が、質量兵器を回避できるのだとしても、衛星があえて質量兵器を回避しないことで、システムの目的である危険因子の除去(この場合は、ハイネセンへの氷塊の突入阻止)を達成したとも考えられます。

これはないと思います。
氷塊がハイネセンへの衝突コースにあれば、「衛星があえて質量兵器を回避しない」行動を取ったところで、氷塊のハイネセンへの突入を阻止することはできないでしょう。第一、作品にも、>「3.氷塊が、ハイネセン本星に突入したりすることのないよう、発進角度は慎重に定めた。」という旨の記載があるのですから。

ともかく、要塞が回避するかもしれない問題は、
質量弾を無人の自動誘導式もしくは有人誘導式(操縦者が直前まで操作)としたり、回避運動を行うであろう要塞の未来位置を予測して、多数の質量弾を同時に発射する、などすれば、ぜんぜん解決する問題であろうかと思います。
無人の自動誘導式を明らかに可能とする例が作中にないという反論を考慮して、ケンプの要塞特攻に見られる有人誘導式を提示しているわけでもあります。

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