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投稿ログ16 (No.366 - No.389)

board1 - No.366

そりゃ銀英と創竜を同じには扱えん

投稿者:新Q太郎
1998年12月09日(水) 18時28分

>皆さんの書き込みを拝見してると、創龍伝は許さないが、
>銀英伝は認めてる、と見受けられるのです

少なくとも私はそうですよ。例えば本好きで、何か面白いのないですかねえと、高校生が聞いたら銀英伝をどんと貸してやリます。
少し早熟な中学生だったら、「アップフェルラント物語」を読ませて継ぎに「アルスラーン戦記」を貸します・・・そんで「面白かった!!続きを貸して!」と言ってきたら冷たい声で「ない」と宣告してやるのです(実験済み(^^;)。)。
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>SF作品で、「こんなの無理だろう」とか、「こんなの
>有り得ないよ」とかってゆうのは、非難対象にしては
>いけないと思うのですが

はい、分かっております(笑)。私も332で
>まァこれは、本質的な田中批判とは別の話だから

>「その矛盾を、奇麗に説明する裏設定」を考える

>「オリジナルと同じ設定、同じ登場人物のみを使って、
>同盟の勝利(または和平・停戦)を自然に書けるか」
>というゲーム
と宣言したように、まあ洒落が分かる人が多いんですね。(ただ銀英伝その他田中作品の「軍事的リアリズム」を作者の見識の高さに直結させる風潮なきにしもあらず、ですのでそんな点での相対化はあるやも)。
他の皆さんが精緻に論じた「反銀英伝」(フェザーンからの「防御的攻勢」というコンセプトは膝を打った)もああいう作品だからこそやれるんで、創竜伝ならせいぜい「モテモテ王国」のネタくらいじゃ(笑)。

ところで「極楽とんぼ」氏が書いたような
>銀英伝のSF小物は大体が過去のSFアニメが元ネタ

というのは気付かなかった。結構印象に残ってる小物、設定があるんですね。ヤケドを一晩で直すゼリー軟膏とか、街頭の自動掃除ロボットとか「妊婦はワープ艦に乗込めない」という制限とか。と同時に、皇后の父が儀典関係の要職に就くとか、捕虜交換の場面とか、そういう歴史の前例を踏まえたデティールを上手く散りばめていたゆえに「銀英伝」は評価できるのです。

・・・と褒めると、また田中ファンの攻撃を管理人氏に集中させて自分だけ逃げようとしているのかと思われそうだが、まあ3割2分ぐらいはそうである(笑)。ちょっとトリューニヒトみたいでアレだが。
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ところでアニメでは、イゼルローンは液体金属に包まれて敵の攻撃を防ぐという設定になっていた。
私は幼い時を過ごした「SF町」を離れて何年にもなるのでこれも客観的評価はできないが、「あっ、これぞセンス・オブ・ワンダーだ」と感動したものです。

board1 - No.367

政治家の進退を問うのならSF作家の進退は?

投稿者:本ページ管理人
1998年12月09日(水) 20時10分

>SF作家の耐用期限なんてものがあるのでしょうか。

 360番の書き込みについては、「SF作家の耐用期限」なんてものを計測するのがほぼ不可能なのを承知の上で「敢えて」書きました(何割かは本音だけど)。石橋湛山(今のATOKってちゃんと変換するのだね)を挙げているとおり、「節度としての耐用期限」というものを田中氏が問うているからです。

>なんだか、田中ファンからの書き込みがずいぶん減ってるんですね。さみしい限りですね。

 この掲示板はROMっている方が多いので、見ている方には結構ファンの方も多いのではないかと思うのですが、確かにファンの方の書き込みは減っていますね。確かに、ファンの方が書き込みのには勇気がいると思うのですが、ファンの方の意見ももっと聞いてみたいと勝手ながら思っています。

>皆さんの書き込みを拝見してると、創龍伝は許さないが、銀英伝は認めてる、と見受けられるのですが、田中作品ファンの勝手な解釈でしょうか。銀英伝に対する非難は、創龍伝に対するそれとは、あきらかに矛先が違っているようですしね

 それは銀英伝と創竜伝の「質」の差でしょうね。濃度、密度、作者の気迫といったような。
 銀英伝が、些末な問題はあったにせよ横綱だったとすると、創竜伝は引退した横綱が片手間に経営しているちゃんこ鍋屋みたいな(訳わからん喩えだ(^~^;))、それくらい作者の取り組む姿勢に差があるように思います。

board1 - No.368

銀英伝はよんでない

投稿者:わたしはROM
1998年12月10日(木) 03時03分

>私は、SF小説も読むんですが、他に、リアルな宇宙空間戦闘を描写しているような作品にで
あったことが有りません。

谷甲州「航空宇宙軍史」はどうでしょう。

board1 - No.372

回廊の戦い

投稿者:不沈戦艦
1998年12月10日(木) 07時49分

田中芳樹がフェザーン回廊とイゼルローン回廊の広さをどのくらいとしているか知りませんが、銀英伝自体が参考になりそうです。先ずはラグナロック作戦実行時。先鋒のミッターマイヤー艦隊がフェザーン回廊航行に難儀した、という記述はありませんので、少なくとも1万~2万隻くらいの艦隊が通行するには支障がなさそうです。通行できるからといって戦闘可能かどうかはまた別かもしれませんが。また、同盟消滅後にイゼルローンに籠もったヤン艦隊と全帝国軍との戦闘もありましたが、ヤンの戦術の冴えもあって、1個艦隊強程度の戦力で(要塞砲に頼っていない)も、帝国軍をキリキリ舞いさせています。これらから回廊に籠もった穴熊戦術なら、防御側の方が断然有利と考えます。俗に「攻撃は防御側の3倍の兵力がいる」と言われていますから、同盟軍がフェザーン回廊に籠もって、前面に立つ艦隊を交代させながら戦えば、同盟軍の7割程度の戦力しか与えられなかったラインハルト軍の勝利はあり得ません。しかも、補給地はフェザーンを使える同盟の方が、辺境域になるであろう帝国より有利。よって、同盟の勝ちと見ました。そうですね、日米戦のガダルカナルの戦いのようなものです。もちろん同盟がアメリカで、帝国が日本ですよ。面子から攻勢を繰り返さざるを得ないところも帝国は当時の日本そのものです。動員できる戦力が相手より少ないのも。米軍にとってのガダルカナルもまさに「防御攻勢」であり、後の段階のリップシュタット戦役に介入してラインハルトを戦死させるあたりがマリアナ沖海戦ってとこですか。

board1 - No.374

No. 369修正のお知らせ

投稿者:本ページ管理人
1998年12月10日(木) 07時55分

No. 369の不沈戦艦さんの書き込みが、タイトルと投稿者名が逆になっていたので、修正して再アップしました。NO.372番です。

board1 - No.375

コメントありがとうございます

投稿者:極楽とんぼ
1998年12月10日(木) 10時22分

 2度目の書き込みをさせていただきます。
 管理人さん他コメントを頂戴した皆様ありがとうございます。

 さて、浅識/たうら さんへ

>>そもそも慣性と重力が制御可能+ワープできる条件であんな宇宙戦ができるとは思えない

> これなんですけど、SFアドベンチャーの「銀河英雄伝説特集号」(だったはず)に収録されている田中氏の対談の中に収録されていました。田中氏が『銀英伝』執筆にあたり、各種文献を調べたところ、宇宙での戦闘は「一瞬で勝負がつく」としている説と「緩慢なものになる」としている説があったそうなのです。で、どうせ誰も見たことはないわけですから、話にして面白い後者に設定したそうです。でも、たしかにワープができる条件であの戦闘になるかは非常に疑問ですけどね。

 ですが、ご指摘の文章は私も以前にみたことがあります(確か野田昌宏氏の本で読んだ)。まあ、銀英伝の宇宙戦の「科学力」はもう一息がんばってほしかったですが、個人的にはストーリー、世界構築、歴史・政治観、人物の書き込み等は少なくとも同系列の作品では群を抜いて上手ですから、その辺は目をつぶれると思います。実際読み始めた中学・高校の頃は本当に次の巻が出るのが待ちどおしかったです。
 これが創竜伝あたりだとどの辺で目を開けて良いのか分かりませんが・・・

 新Q太郎さんへ
 ゼリーパーム(だっけ?)やタンクベッド等はどちらかというと、当時の科学雑誌からだと思います。上記の2つはいずれも一部実用化されていますが、小説の中ほどの効果は今のところ無いです。
 イゼルローンの流体金属については、全く同じアイデアは知りませんので、田中氏のオリジナルかも知れません(流体金属を射出武器にするのは知ってますが)。まあ、私も大してSF読んでませんし、特にスペオペは数えるほどなので、あまり参考にはなりませんが。

 最後に管理人さんへ。迅速なコメントありがとうございます。
 この手のアンチ系のサイトにしては非常に知的かつ落ち着いた雰囲気で好感が持てます。これも管理人さんの人徳だと思います。
 その上で注文を2つ。
 1つは一部の発言中(特に初期)、気負いすぎたせいか過度に乱暴な言動が見られます。正直なところ現在のこの場所の雰囲気にはそぐわないと思いますし、反対の立場の人間の目を背けさせる理由にもなると思います(ヴォネガットの受けうりですが)。適当な時期に汚い意味の語句の修正程度でもやった方がよいと思います。
 もう一つ掲示板書き込みフォームの本文の枠をもう少し大きくしてほしいです。

 では、今後ともよろしくお願いします。

board1 - No.376

リアルな宇宙空間

投稿者:小走 洋文
1998年12月10日(木) 15時20分

わたしはROMさん。
谷甲州「航空宇宙軍史」ですね。
さがしてみます。
宇宙空間での戦闘ですが、宝島社刊「空想科学読本2」で、宇宙戦艦ヤマトのコスモゼロでの戦闘について考察されています。まあ、マジメな本ではないので、真剣にとられるとこまるのですが。それによれば、コスモゼロのスピードを考えれば、3000Kmの距離で敵を確認してから、すれ違うまでの時間は約10秒と計算されるようです。すごいスピードですね。「空想科学読本」は、作品中の設定を現実化するとどうなるか、ということをかいてるので、結構面白いですよ。余談になってしまいました。すみません。
ROMしている田中芳樹ファンがいるのなら、ぜひ、発言して欲しいですね。みんなで、管理者及びその他の方を論破してみましょう。

board1 - No.377

プロ意識>Re:360.365

投稿者:くますけ
1998年12月10日(木) 17時16分

石井さん、僕の初めての書き込みにお返事下さりありがとうございます。

ところで、石井さんがおっしゃってた「打ち切り宣言をすべき」という意見には賛成です。
田中氏に作家としてのプロ意識があれば、少なくともシリーズの続きを書くべきですし、書けないのならはっきりとそう言うべきです。

僕の考える「プロ意識」とは、「自分がこれで飯を食っている」というプライドを持っているか、ということです。
作家は歌手やプロスポーツ選手などと同じくエンターテイナーであると僕は考えています。(読者が本を購入してはじめて作家の収入がある以上、この際純文学作家であろうとエンターテイナーでしょう。)
そうである以上、少なくとも作家は読者を意識して本を書くべきなのです。これはもちろん読者に媚びるということではありません。
つまり、「この本は人様に金を払わせる価値がある」という自信がある本を書くべきである、ということです。(これはエンターテイナーであれば最低限必要な意識でしょう。)

こう考えると、このページにおいて「銀英伝」が「創竜伝」より高く評価されている、という理由が見えてくるでしょう。(>小走さん)
銀英伝は新進気鋭の作家のアイデアや上昇志向(悪い意味ではないです。いい言葉が浮かばなくて・・・すみません)があふれていました。
その後、田中氏は銀英伝で作家としての地位をある程度固めたため、その後の本は徐々に読者を意識しない、自分の好きな事を書いた本を書くようになったといえるでしょう。これが「銀英伝」が「創竜伝」より高い評価を得ている1つの理由であると僕は考えます。

そういった意味で、僕は田中氏がもはや「銀英伝」を書いた当時とは全く別の作家であると諦めています。これが、前回僕が言わせていただいた「田中芳樹は過去の作家」、「作家として終わった人」という言葉の真意です。

board1 - No.378

みなさんのご意見ありがとうございます

投稿者:本ページ管理人
1998年12月10日(木) 19時01分

>回廊の戦い

 帝国をWWⅡの日本軍と比較する説を拝見したのはこれが初めてです。なるほど。冴えてますね。
 で、ちゃちゃになりますが、攻略戦ともなれば、>同盟軍の7割程度の戦力しか与えられなかった あたりは変わってくる可能性があるのではないですか? もともと、総合国力では帝国の方が上ですし(ただ占領されたフェザーンの国力がどう移るか次第ではある)
 それと、他の提督ならともかく、ラインハルトが玉砕や消耗戦になりかねない攻撃を行うでしょうか? ましてや、ヤンがイゼルローンにいる状態で、同盟がラインハルトに抗せるでしょうか?(でも、ビュコッククラスの提督が当たれば大丈夫か?)

>マジメな本ではないので、真剣にとられるとこまるのですが。

 あの本は、命題の前提は冗談ですけど、証明内容は間違いないので信用して大丈夫だと思います。

>ROMしている田中芳樹ファンがいるのなら、ぜひ、発言して欲しいですね。みんなで、管理者及びその他の方を論破してみましょう。

 挑戦お待ちしています。論争は、論点のありかや真偽を明らかにするきっかけにもなりますので。

>つまり、「この本は人様に金を払わせる価値がある」という自信がある本を書くべきである、ということです。

 まったく同感です。が、売れているんですよねぇ。しっかりとベストセラーになるくらいに……

>この手のアンチ系のサイトにしては非常に知的かつ落ち着いた雰囲気で好感が持てます。これも管理人さんの人徳だと思います。

 ありがとうございます。

>1つは一部の発言中(特に初期)、気負いすぎたせいか過度に乱暴な言動が見られます。正直なところ現在のこの場所の雰囲気にはそぐわないと思いますし、反対の立場の人間の目を背けさせる理由にもなると思います(ヴォネガットの受けうりですが)。適当な時期に汚い意味の語句の修正程度でもやった方がよいと思います。

 そのうち冷静になった時に、改めて考えたいと思います。

>もう一つ掲示板書き込みフォームの本文の枠をもう少し大きくしてほしいです。

 掲示板の方は借り物でCGIがいじれないので、申し訳ありませんがご了承ください(メインページを置いてあるサーバでは、自前のCGIが使えないのです(T^T)))

board1 - No.379

あれこれ

投稿者:やぶにらみ
1998年12月11日(金) 03時56分

>谷甲州
 ハヤカワ文庫SFから出ていますね。主砲を撃っても届くまで時間がかかり、さらにそれを確認するまで、時間がかかるという。

>液体金属
 初めてアニメを観たときは、『ターミネーター2』を連想したのですが、どちらが早かったのでしょうか。

board1 - No.380

回廊の戦い・続

投稿者:不沈戦艦
1998年12月11日(金) 03時58分

 おおっと!管理人さんに突っ込まれるとは思いませんでしたな。まあ、そう言った疑問を持つのも当然ですか。一応お答えしましょう。あ、それからHNとタイトルの間違いの修正、ありがとうございます。

①ラインハルトに与えられる戦力
 これは、先ず増えませんね。と、言うのは、ラインハルトが大貴族たちには信用されていない事と、彼らが軍事的に無知であることからです。一時的とはいえ、ラインハルトに帝国軍の半分以上の指揮権を与えて、心穏やかでいられる貴族がいるでしょうか?先ずいませんね。「奴が身の程知らずにも我らに刃向かって来たら・・・あるいは突然野心を起こして、叛乱軍どもに同調したりしないか・・・」って不安を必ず持っていると思いますよ。それが、実際のアムリッツアでのラインハルトの兵力の実数となったのだと思います。貴族たちの猛反対で、ラインハルトの兵力が上積みされる事はないでしょう。「金髪の孺子の得意の戦争なのだから、それぐらいあれば充分だ」とでも言って。おそらく、負けたっていいと思っている筈です。「やはり孺子は運だけだった」と言えますからね。極めて冷ややかにラインハルトに与える兵力が決められたと思いますよ。また、彼らが軍事音痴であることは、これからも簡単に解ります。兵力比が7割ということは、ランチェスターの二次法則(自乗均等の法則)から言って、10×10:7×7、100:49ですから、実戦力は半分。侵攻を断念させることが可能かどうか解らない程度ではありませんか。こんな程度で叛乱軍を撃退しろ、ってのもそもそも無茶な話です。それも、大規模侵攻の危機にあるのに、国内の勢力争いでこんな寝惚けた対処をやらせているんですから、大貴族たちも「軍事音痴」は明らかです。以上をもって、例えフェザーン奪還の為でも、ラインハルトの兵力が上積みされる事はないと思います。

②ラインハルトが消耗戦や玉砕戦をするか?
 これは、もちろんラインハルトとしてはそんな戦いは愚劣だと解っている事は間違いありません。フェザーンに赴いたラインハルトは、何とかして同盟軍を穴蔵から引きずり出して決戦を強いるよう戦術を巡らすでしょう。でも、同盟軍はそれに乗らない。あくまで有利な回廊内に籠もり続ける事となります。「防御攻勢」であって、決戦を求めている訳じゃないんですから。味方の消耗を押さえるように堅実に戦う訳です。別に同盟軍の将帥たちが、ラインハルト旗下の将帥たちに比べて、戦術的に問題にならない程劣っている訳じゃありませんから、回廊の中と出口付近で、小競り合いが続く事になるでしょう。その場合、「何だ、あの孺子は。でかい口ばかり叩きおるくせに叛乱軍如きに手も足も出ないとは。もっと勇敢に戦えないのか!」と帝都で大貴族の不満が高まること間違いありません。おそらく、皇帝に働きかけてでも、決戦を行えと要求するようになるでしょう。ある日、ラインハルトは愕然とする筈です「勅命である。ローエングラム元帥は、直ちに全兵力を率いてフェザーン回廊に突入、叛乱軍からフェザーンを解放せよ!」という皇帝からの勅命が来ることになるからです。「愚か者どもめ!我が軍を全滅させたいのか!無知蒙昧なる大貴族どもめ!」と激しく怒りにかられるラインハルトですが、勅命ではどうしようもありません。逆らって撤退などしたら、敵前逃亡で銃殺です。愚行であることを承知で、フェザーン回廊内へ突入し、全力攻撃に移るしかなくなるでしょう。元々一個艦隊同士が戦うのがやっとな程度のフェザーン回廊ですから、派手な戦闘は起こらないでしょうが、回廊内に突入して消耗戦を始めるしかありますまい。この状況なら、圧倒的に同盟軍有利ですね。いくらラインハルトが戦争の天才でも、狭い回廊内で、しかも一度に一個艦隊しか戦えない条件で、圧勝できる筈もないですから。それも、実際は部下たちが艦隊を率いて戦うのですから、ラインハルトの優れた部分、「戦争のデザイン」能力をふるうことが出来ません。前にも言った通り、同盟軍の方が補給地は近く、兵力も多いのですから、この条件ではラインハルトの勝利はあり得ないと思います。そう、ラインハルトは玉砕や消耗戦をやりたくなくても、後方の無知な貴族たちに強要される、という形です。こんなところでどうですかな。

 それにしても、こういった思考実験が可能さということは、銀英伝は容量の大きい作品だと思いますよ。創竜伝ではこうはいかないもの。

board1 - No.382

なるほど

投稿者:本ページ管理人
1998年12月11日(金) 05時43分

>回廊の戦い・続

 いま、ちょっとばかり感動しています。
 これぞ「反銀英伝」という感じですね。
 私の解釈ですが、この論の珠玉は、「ラインハルトvs門閥貴族」という政治的力学を焦点に入れているところだと思います。
 政治が戦略や戦術の上位に位置する次元にあるとつくづく感じます。ヤンは、「ヤンvsトリューニヒト(同盟政府)」という政治での戦いの敗北によって、帝国軍(ラインハルト)と戦う前から、既に負けが決まっていたことになりますから。ヤンが、ラインハルト並の上昇志向というか与党精神というか、そういうものを持っていたなら、または、前にも述べたようにいわゆる「オーベルシュタイン」が居たなら、同盟の政治に入り込んで(既にエル・ファシルの英雄だから、充分可能性はある)不沈戦艦さんの論のようになっていた可能性は充分にあります。
 逆に、ラインハルトがこうならなかったのは、戦略戦術の才は当然として、政権奪取を前提とした現実主義的な上昇志向と、オーベルシュタインの権謀術数の成果が大きいと思います。
 前に、小村損三郎さんが、「銀英伝全編の展開は1巻で決まっていた」とおっしゃられていましたが、確かにその通りだと思います。というより、1巻以前で決まっていたと言えるかも知れません。

>>液体金属
> 初めてアニメを観たときは、『ターミネーター2』を連想したのですが、どちらが早かったのでしょうか。

 ハンダを溶かした時に「てぃ~せ~ん」とほざくヤツはよくいるけど、「いぜるろ~ん」と言う人はほとんど居ませんね。単に知名度とインパクトの差だとは思うけど(;^_^

board1 - No.383

田中か…

投稿者:伏待 充
1998年12月12日(土) 05時25分

なにもかも懐かしい(爆)

はじめまして、中学・高校と、田中と菊地を
食して育った人間です(笑)

最近菊地ももうだめだ(T_T)

たしかに田中芳樹は…もう…いいの(T_T)

と、今回は挨拶までとしまする。

board1 - No.384

私がヤン・ウェンリーを好きだった訳

投稿者:北村 賢志
1998年12月12日(土) 06時23分

 実は私も銀英伝は大好きで、「どこそこで誰が言った台詞」まで覚えるぐらい読み込んでいた時期がありました。
 で、私はなんと言ってもヤン・ウェンリーを一番高く評価していました。
 その理由は「田中氏一流の現代日本人の国家観に対する皮肉」だと思っていたからです。

 ヤンは二巻で救国軍事委員会側の第11艦隊と戦う前に

「かかっているのは国家の存亡だ、個人の自由・人権に比べれば大したことはない」

 これを読んだときは「何て戦後日本人的な発想だ」と思いました。
 このヤンの発言は明らかに間違いです。救国軍事委員会そのものとの戦いはあくまでも内戦であり、かかっていたのは「同盟の自由・民主主義」だったはずです。
 それは3巻以降のヤン自身の発言からも明白であり、もしこのような言い方をするなら

「かかっているのは個人の自由・人権だ、国家の存亡に比べれば大したことはない」

と言わねばならないはずです(勿論、そう書くべきだったと言うのではなく、正しい言い方をすればこうなるという意味ですが)。
 ここでのヤンの発想には前提の間違いはおくとしても、「同盟が滅びれば、個人の人権や自由はどうなるのだ」という視点がすっぱり抜けています(3巻の査問会でこの発言を追求する側の間抜けぶりも酷かったです。「同盟以外に、誰が人権を守るのだ」と何で聞かないのか不思議でしょうがなかったです)。
 そしてそれまで空洞化しつつあった同盟の民主主義が急速に破綻し始めるのも、3巻以降の話であり即ち同盟の国力が低下し、国の屋台骨がぐらつき始めてからです。つまり作中でも明確に「国が動揺すれば、民主主義は危機に陥る」ことが描かれているのです。
 にもかかわらずヤンは相変わらず、国家の行く末と自由・民主主義は無縁であるかのような発言ばかり繰り返しているのはご存じでしょう。確かに両者はイコールではないですが、密接な関わりがあるのは間違いないのに、その部分を頭から排除しているヤンの思考回路は随分不可解です。
 私はここに「国に依存していながら、国の存在を意図的にか、無意識にか無視する」戦後日本人の悪いところをズバリついていると思ったモノです。

 その後、それが田中氏の本音だと知ったときは、もうあっけにとられました。そんなわけで最近の氏の著作は全く読んでません。

board1 - No.385

「個人の自由と権利に比べれば・・・」「それなら、私帰っていいですか?」

投稿者:新Q太郎
1998年12月12日(土) 19時30分

 ついに掲示板に出ましたねえ、ヤン閣下のあの科白。

「かかっているものは、たかだか国家の存亡だ。個人の自由と権利に比べればたいした価値のあるものじゃない・・・」

この迷言を聞くたびに、ヤン閣下は軍人の道を進まれて本当に良かったと胸をなで下ろす。彼に歴史学者となられたら、ごく2流の存在でしかない。ゼミの学生が気の毒じゃないか(笑)。

この思想は6巻p79に於いて、ヤンが考えていたという敗戦後の自由惑星同盟再建構想により鮮明に表れていると思うのでそちらも引用しよう。

「この計画の目的は、民主共和生態の再建にある。(中略・必ずしも独立は必要ない云々)、国家は市民の福祉と民主共和制の理念を実現する手段の具象化であって、それ自体の存立は何ら目的たりえないことを銘記せよ」
---------------------------
>「同盟が滅びれば、個人の人権や自由はどうなるのだ」
>という視点がすっぱり抜けています

という言葉にまず尽きると思うのですが、そもそもヤン閣下は、その生涯全10巻中8巻(笑)、を通じてエル・ファシル政府やイゼルローン共和「国!」を戦いの中で守ろうとしたではないか。
この時点で閣下の行動は、思想を裏切っている。まあこの素晴らしい「言行不一致」のお陰で自由惑星同盟の伝統は生き長らえたのだから文句をつける筋合いでもない。

しかし思想家ヤン氏に自省して貰いたいのは、貴方がエル・ファシル政府やイゼルローン共和国を「市民の福祉と民主共和制の理念」のために必要としたなら、それは必然的に「存立」が必須条件ではなかったか?ということだ。
屋根がぶち壊れたとき「屋根は、人が雨露をしのいで安眠する目的で存在するもので、屋根の存続それ自体が目的ではない」という奴は阿呆であろう。その「安眠」のためには否応なく屋根を直さなきゃいけないのだ。
つまり。ヤン閣下が、オゴソカな国歌やトリューニヒト氏が演説の中に登場させる美辞麗句としての国家を嫌うのは、まあ趣味の問題。
しかし「民主政体、個人の人権・自由」を守るための、貴方の「政体」防衛戦争も結果として「国家」防衛だった。
いかなる自由共和政府でも、彼らが『統治』している以上、腐敗や清廉に係わりなく必然的に、一般の名もなき人々に犠牲を強いて存在し、その上にのみ成り立っていた、という事実から目をそらすなと言いたいのだ。
この点に関してヤン閣下を見ているとなんか、酒を「これは『般若湯』だから」と言い訳して飲んでいる坊さんの様なセコさを感じるのだ。

>「たかだか国家の存亡だ。個人の自由と権利に比べれば
>たいした価値のあるものじゃない・・・」

これが支離滅裂な偽善であることは、艦隊のジョン君(仮)に聞いてみれば話が早い。彼が徴兵の結果か、愛国心に燃えて志願したのかは知らないが、ジョン君(仮)にとっては、「個人の自由と権利」に従えば宇宙空間で反乱軍とドンパチやるのより故郷に帰って恋人キャサリン(仮)と森の中で語らうほうがいいに決まっている。
小林よしのり的「公と私」というのでは必ずしもない。ジョン君がヤン閣下の下で叛乱軍と闘うのは、国家の「抑圧」の結果であり、またその抑圧によって2巻の時点では同盟の民主政体が守られた、というしんどい逆説を言っているのだ。

そしてヤン演説的発想の一番イヤなところは、「個人の自由と権利」を一番重んじているというタテマエを母体とすると、戦闘員一人一人がすべて喜んで、自発的に闘っている、というフィクションが生まれるということだ。このおぞましいカラクリは中国の「大躍進」政策や北朝鮮の「千里馬運動」と兄弟でもあるのだ。

ヤンというか田中氏はこの矛盾を軽減するため、イゼルローン共和国政府や提督の「不正規隊」は自ら希望した志願者がほとんどであるような設定をしている。
しかし、志願兵であろうがなかろうが軍が直接的な「戦闘」の場面において(消防士や警官と同じように)「個人の自由や権利」を無視・軽視して成り立っていることは、断じて間違いがない。

そこを考えずにこんな演説をしてしまうヤン閣下に、歴史学者になられても困るなあ、と思うのである。彼の2流の国家論が3巻のディベートで勝利を収めるのは、査問委員会の出席者が5流くらいの人物設定だっただけにすぎない(これが創竜伝のルーツか!)。

・・・・さて、ワタシ的には「田中思想批判」はこれで大体、核の部分を書ききれたと思う。後はこれらを展開するか、小ネタになる予定。

board1 - No.386

書ききったというのは違うな

投稿者:新Q太郎
1998年12月12日(土) 19時39分

>ワタシ的には「田中思想批判」はこれで
>大体、核の部分を書ききれた

つうより、「創竜伝」を最初から読み返せばもっとネタが出てくるんだろうけど、さすがにそーゆー苦行はやりたくないので、銀英伝のほうだけ読み直したのです。それに創竜伝持ってないし(笑)

board1 - No.387

ザ・ベスト追加のお知らせ

投稿者:本ページ管理人
1998年12月12日(土) 22時24分

過去ログ選集ザ・ベストを追加しました。
リクエストをお待ちしています。

ちなみに、過去ログ自体に対するレスは、こちらの掲示板に書き込んでください。

board1 - No.388

>No. 385 うーむ、鋭い。

投稿者:石井由助
1998年12月12日(土) 23時33分

 いわゆる民主主義と絶対王政への二極分化。
 この設定は、「個人の自由と権利(要は人権)」というフィクション(そう、フィクションなのだ!)が何によって保証されているのか? という原理を考えるのに絶好の舞台である。しかし、このような舞台を作り上げたことと、そこまで行きながら、そうはならなかったところに、作家田中芳樹の才能のすばらしさとその限界を私は感じる。

>「同盟以外に、誰が人権を守るのだ」という北村さんの問いかけはそのものズバリを突いている。この現代社会の地球上に於いても、フィクションが通じないところがいくらでもある。田中氏も、例えば、アンゴラでもタンザニアでもどこでもいいが無政府状態の内戦地帯に行ってみるといいかもしれない。たぶん殺されかけるだろうから「私の命を奪うことは人権侵害だ」と言ってみるといい(創竜伝の5巻で、レイプされそうになった鳥羽茉理に、「…あんたたちみたいな連中がいるから、まじめに人権擁護運動をやっている人たちが迷惑するんだからね。他人に迷惑をかけて、責任をとらずにすませようなんて、考えが甘いわよ。そこをおどき、恥知らず」と言わせているので、私は田中氏がこう言うと信じるし、是非言って欲しい)。もちろん、それがなんの役にも立たないことは、明らかである。まだ念仏でも唱えた方がマシだ。そして、もし、それで命が助かったのなら、それは人権侵害をすると、人権の守護者である国連軍さまや日本政府さまの印象が悪くなるという単純な(政治的・経済的etc)力学からであって、別に人権が天賦された普遍なものであるというフィクションを信じたからではない。
 人権でもなんでもいいが、「天賦された普遍なものがある」と無批判に信じていると言う点に於いては、田中氏もヤンも宗教家と実はたいして変わらないのだ。

 前にほつまさんが憲法解釈で言葉遊びをされていたが、いまさらながら、その尻馬に乗ってみたい。
 日本国憲法の第22条の2項には、こうある。
「何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を有さない」
 つまりは、国籍離脱の自由である。田中氏は大嫌いであろう日本の国家の庇護を棄てて外国人になることもできるし、それどころか、国籍を有しない、単純純粋な「個人」となることも出来うる。
>「かかっているのは国家の存亡だ、個人の自由・人権に比べれば大したことはない」
 そう! 実は、これは実際に実行できうるのだ。
 是非とも、田中氏には、権力者が必然的に発生する(共産主義の崩壊でそれは明らかになった!)国家などに頼らず、「個人の自由・人権」だけを頼りに無国籍状態で生き抜いて欲しい(というと、「批判と否定の区別が付かないヤツ」とか言われるのかな? しかし、日本国籍を棄てずに維持している以上は、その理由を明らかにして欲しいものだ。考えるに、氏が日本国籍を棄てない理由は、日本は徴兵制もなく戦争をしない国だし、日本語が通用しないと日本語作家の氏の場合は手に職がないし(たぶん、だけど)、氏の小説がこれだけ売れるのは日本の消費社会が問題を孕みつつも情報とモノに関してはユートピアだからだろう。つまりは、親のスネを囓りながら何かと親に反抗するガキんちょと同じで、日本の国家に甘えているだけなのだ)。

 おそらく、いかなる国家の庇護を受けない無国籍状態に耐えられるのは、ずば抜けた戦闘力と行動力と情報力を併せ持つゴルゴ13でもない限り無理だろう。それでも、いつのたれ死ぬか判らない、不安定なものだ。
 しかし、仮に無国籍状態の田中氏が新宿あたりでのたれたら、寛大な日本政府は国民の税金を使って日本国民ではない田中氏を助けるだろう。素晴らしきかな人権福祉国家ニッポン!ではないのかな? ここまで、民主的な国は西欧の一部と北米くらいしかないと思うけどなぁ……

 それと、これは皮肉とかではなしに、単純素朴な疑問なのだけど、田中氏はあんなに中国大好きなのに、どうして移住しないのだろう?

board1 - No.389

そこらへんが…

投稿者:伏待 充
1998年12月13日(日) 03時05分

>田中氏はあんなに中国大好きなのに、どうして移住しないのだろう?

塩野七生氏との作家としての姿勢の違いでしょう、きっと(笑)

不沈戦艦さんへ
>回廊の戦い・続
に、アンネローゼの因子をいれると、そうはならないと思いますが、如何でしょーか。
アンネローゼの皇帝への干渉によって、勅命は、メルカッツが艦隊とともにもってくる、という。
リヒテンラーデ公も、ラインハルトを葬るために援軍を送らず、ラインハルトを、ぜったい勝てない、戦死確実、という状態にする、というのなら別ですが。
ただ単に援軍を送り、勝利しうる条件をあたえると、勝利してラインハルトの名声を高めることになり、それでは門閥貴族の不満をあおる、だが、負けは不味い、となると、実力のあるメルカッツを、ラインハルトの上官として送り、勝利はメルカッツ提督の手によってえられたという、言い訳がたつようにしておくのです。
門閥貴族もラインハルトがもたらした勝利に酔うことはなくても、信頼と実績(笑)のメルカッツがもたらした勝利ならば歓迎すると思いますが。
そして、ラインハルトもメルカッツの指示ならは、受け入れざるおえないと思いますし。

では。

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