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投稿ログ92 (No.1597 - No.1604)

board1 - No.1597

久々のアルスラーン戦記ネタ

投稿者:冒険風ライダー
1999年07月19日(月) 09時17分

 なんか掲示板がずいぶん荒れてしまっていますね。小村さんの仰るように田中芳樹関連の話があまりでてこないし。これでは面白くないので、そろそろ中断されていたアルスラーン戦記ネタを再開する事にいたしますか。アレ関連の投稿だけでこの掲示板が埋められてはたまりませんからね。新規参入しようとする人がためらいを覚えるでしょうし。
 今回は投稿番号もいっしょに付加して引用します。

No.1526 管理人さん
<ところで、実際の中近東では、現在でもゾロアスター教徒がイスラム教徒に混ざって居住しているのですが、この扱いが「迫害しつつも敬意を払う」というアジール的共同体に対する典型的な態度で面白いんですね。で、アルスラーンでどうにも不明瞭なのが宗教だと思います。イアルダボートは分かり易いんですけど(笑)、パルスの宗教が今一つ不明ですね。神官のファランギースや魔物のザッハークを見ても今一つはっきりしないと言うか。>

 それでは今回はパルス国における神々についての記述を引用してみましょうか。

アルスラーン戦記1 P142~143
<パルス神話に登場する神々の象が、彼らの左右にならんでいる。
 黄金の冠をかぶり海狸の毛皮の衣をまとった水の女神アナーヒター。出産の女神でもある。
 黄金のたてがみを持つ白馬は、雨の神ティシュトリヤの化身した姿である。
 巨大な鴉の羽を手にする勝利の神ウルスラグナ。
 美と幸運の女神、処女の守護神である、光かがやくアシ。
 千の耳と万の目を持ち、天上界と人界の全てを知るといわれる、契約と信義の神ミスラ。軍神としても崇拝される。>

 これらからの記述を参考にすると、パルス国は様々な神々が存在している多神教国であるようです。またパルスはどうも多民族国家であるようなので、これら以外にも土着の神や民族信仰の神が存在している事でしょう。気候が違う南部と北部とでは、信仰している神々も違うでしょうし、そのなかには蛇王ザッハークのような暗黒の神の信仰もあったものと思われます。
 ちなみにファランギースが信仰してのはミスラ神であり、パルスではどうもこの神が一番信仰されているようです。ファランギースが仕えていた神殿はアルスラーンが生まれた際に建立されたもの(アルスラーン戦記1 P184 及び アルスラーン戦記9 P224)とあり、またミスラ神の神官は葬儀までつかさどっていたようです(アルスラーン戦記3 P166)。商業国家という一面を持つパルスでは契約と信義は当然重んじられたでしょうし、隣国との絶え間ない戦争状態に常に置かれていた状態では軍神という面も重要視されたでしょう。
 ただしパルス国は多神教国ですから、ある特定の宗教のみに対して国が肩入れする事はなかったことでしょう。国教も定められていないようですし。特定の儀式を行う時に神官を招聘する事はあるかもしれませんけど。パルスにおける宗教の地位は「強すぎず弱すぎず」というところでしょうか。もちろんルシタニアは「強すぎる」のでしょうけど。
 その神官がどういうものであったかを示す記述がありますので、それを引用してみましょう。

アルスラーン戦記9 P225~P226
<ファランギースは成長した。神学を修め、女神官としての修行をつんだ。神殿を守るため武芸をまなび、弓でも剣でも乗馬でもすぐれた成績をあげた。神官は知識人であり、辺境の村などでは教師や医師や農業技術指導者を兼ねることが多い。地方の役人の顧問をつとめることもある。ファランギースは、医術を教えられ、毒草について学んだ。歴史、地理、算術、詩文から、針仕事、牛や羊の世話、陶器づくり。あらゆることを学んだのだ。
 女神官は結婚や出産を禁じられている。神殿では当然のことで、女神官の資格を放棄して俗化すれば、恋も結婚も自由である。むろん俗社会に出れば、貴族とか自由民とかいった身分制度がある。だがそれも鉄の壁というようなものではない。自由民の娘が国王に見そめられ、世継ぎの王子を産んで王妃となった例がある。王妃の兄弟たちは、こういう場合、当然、貴族に列せられるのだ。
 男の場合だと、自由民の兵士が戦場で武勲をたてて騎士階級に、という例がもっとも多い。神官になって学問で身をたてるという方法もある。したがって、神殿につかえる若い神官たちは、聖職者といってもさとりすました者ばかりでなく、野心的な者も多かった。>

 なお、神官は免税特権や不逮捕特権などを持っていたようですし、学問を極めれば宮廷書記官などにも出世できたようです。
 余談ですが、トゥラーンではダヤンという太陽の神が信仰されており(アルスラーン戦記5 P26)、シンドゥラではシヴァ・インドラ・アグニ・ヴァルナといった神々が信仰されているようです(アルスラーン戦記3 P153)。

No.1526 管理人さん
<イランとパルスの大きな違いに宗教があります。イスラム教では豚肉の禁忌が有名ですが、狩猟して得た動物の肉も同様に禁忌なのですね。パルスではこの狩猟の禁忌がないわけですから、なるほど、軍の補給物資もむべなるかな、と思います(羊肉にこだわる必要性もないですね)。>

 そういえばパルスには「狩猟祭(ハルナーク)」というものがありましたね。アルスラーン戦記4巻では遠征途上で、8巻ではシンドゥラとの外交のために行なわれています。当然、狩猟の獲物は食糧にまわったものと思われます。
 しかし軍の補給物資の肉を狩猟だけでまかなうのはちょっと無理ではないでしょうか? 狩猟ができる地帯は限られているでしょうし、10万もの軍勢による遠征が終わるまでの食糧となるとかなりの物量になります。どのくらいの獲物が獲れるかも不安定ですし。やはりここはパルスの畜産業による肉の調達が一番妥当ではないかと思われますが。
 ただ、「羊肉にこだわる必要性もないですね」で思ったのですが、パルスの畜産業ではひょっとすると牛肉や鶏肉なども生産されていたのかもしれません。はむぞうさんのNo.1485の投稿から「羊肉が主食」というのは間違いなさそうなので、「羊肉が主流である」という条件つきでですが。馬もかなりいたでしょうから、馬肉も結構生産されていたのかもしれません。

No.1495 はむぞうさん
<これは多分パルス南部になるのではないでしょうか。実際にイラン南部は紀元前からワインと葡萄の産地として有名だったようです。まあイランとパルスが同じ気候だと仮定した場合の話ですが。>
No.1511 仕立て屋さん
<それから、以前の冒険風ライダーさんのパルスにおける地形様相<パルス中央部のやや南よりにはニームルーズ山脈があり、この山脈より南は砂漠と岩場と草原が多い>との記述と、アルスラ1巻のパルス王土図を見ると、南海のペルシア湾に面する海岸線が湾の南岸に回りこまず、そのまま左右に切れている様子から考え合わせると、ひょっとしたら、「豊穣の三日月地帯」はその王領に含まれていないかもしれません。とても微妙なラインなんですが、とりあえず、悪足掻いてみました。>

 これについてもう一度考え直してみました。以前引用したパルスの気候についての記述で、不要と思って引用しなかった部分(主題が「パルスの気候」だったので)のなかに手がかりになりそうな文章がありましたので、今回はあの部分を全部引用してみましょう。

アルスラーン戦記2 P15~16
<ニームルーズの山嶺は、パルス王国のほぼ中央、やや南よりの地域を、東西二百ファルザング(約千キロ)の長さにわたってつらぬいている。
 それほど高い山々ではないが、パルスの気候と風土は、この山地によって完全に二分される。ニームルーズの北は、適度の雨量にめぐまれ、冬には雪もふる。針葉樹の森と草原がひろがり、穀物と果実が豊かにみのる。いっぽう、分水嶺をこえて南にでると、太陽は灼熱し、空気と大地はかわき、点在するオアシスのほかには砂漠と岩場と草原が多く、森はない。
 それでも、山地から南方へ流れて海へそそぐオクサス川の水量は、雪どけ水と地下水を集めて豊かである。この川の水を利用して、水路が走り、周囲の畑や牧草地をうるおす。そしてオクサス川の河口には、名だかい港町ギランがあり、海路をへて遠く絹の国まで通じている。
 山には雪豹が棲み、山の南には獅子や、ときとして象もいる。山の北には熊や狼の姿が見られる。また、山にはいくつかの峠ごえ道があって、パルスの広大な国土を南北につないでいるが、隊商の鈴の音がないかぎり、それらの道はごく静かにひそまりかえっている。>

 パルス南部で葡萄が生産されているとすれば、この「オクサス川流域」であったろうと推測されます。水量が豊富なのですから、葡萄生産だけでなく他の農業生産にも適していることでしょう。問題は葡萄が南部のような亜熱帯地方で育つのかどうかですが。
 パルスでは用水路や上下水道がかなり発達していたようですし、外国の川というのは日本とは桁違いの広さですから、「オクサス川流域」というのはかなり広かったのかもしれません。広さについてはチグリス・ユーフラテス川流域の広さがどのくらいだったのかが参考になると思うのですが。

board1 - No.1599

いやはや、いつもながら、素晴らしい

投稿者:仕立て屋
1999年07月20日(火) 17時36分

毎度、仕立て屋です

いや~~、毎度ながら綿密な読み出し、お見事です。短気なわたしには、なか
なか出来ないことです。

> 黄金の冠をかぶり海狸の毛皮の衣をまとった水の女神アナーヒター。出産
>の女神でもある。

 ゾロアスターにもアナーヒター女神はありますが、水と水流の女神ですね。
作中では、出産の女神なんですね。おそらく、出産ー>子宝、繁殖、繁栄の象
徴なのでしょう。アナーヒターと、雨の神ティシュトリヤが結びついて、農耕
従事者の信仰を一身に集めていたのかもしれませんね。

> 千の耳と万の目を持ち、天上界と人界の全てを知るといわれる、契約と信
>義の神ミスラ。軍神としても崇拝される。

 よくファンタジーにも契約の神って出てきますよね。盗賊ギルドの崇める神
として。うむうむ、確かに、契約の神ってリアルな感じします。田中氏も結構、
設定凝ってますね。冒険風ライダーさんが指摘されているように、商業国家パ
ルスでは、主要な柱神なんでしょうね。

>そのなかには蛇王ザッハークのような暗黒の神の信仰もあったものと思われ
>ます。

 これも、ファンタジーのお約束ですよね。暗黒崇拝ってのは、終末思想と密
接に結びついていて、終末の滅びから救われるために、終末をもたらす暗黒神
に信仰、生贄を捧げることで、信者は滅びから救われるって信仰ですね。ザッ
ハーク信仰がそのような形態なのか不明ですが。

>商業国家という一面を持つパルスでは契約と信義は当然重んじられたでしょ
>うし、隣国との絶え間ない戦争状態に常に置かれていた状態では軍神という
>面も重要視されたでしょう。

 道理なり。隊商は傭兵が警備する武装商人であることが多いでしょうし、ま
た、通商で対外戦争が起こることもあるでしょう(関係ないが SWエピソー
ド1の戦争も通商連合が起こしたものだし)。騎馬遊牧民や盗賊から身を守る
ために、契約の神が戦争の神を兼ねるというのは、自然なのかもしれません。

> ただしパルス国は多神教国ですから、ある特定の宗教のみに対して国が肩
>入れする事はなかったことでしょう。国教も定められていないようですし。
>特定の儀式を行う時に神官を招聘する事はあるかもしれませんけど。パルス
>における宗教の地位は「強すぎず弱すぎず」というところでしょうか。

 ササン朝ではローマ神話やギリシャ神話のように主柱神アフラ・マズダを中
心としてその他の神々を集約していったために、擬似一神教となり神官勢力が
幅を利かせる羽目になってしまったのですが、初期ゾロアスターのように多神
教信仰ならば、神官勢力も力を持つことは、それほど顕著でもなかったようで
す。したがって、多神教国家パルスでは宗教の力が世俗勢力(王侯貴族)を凌
駕するようなことはなかったという指摘は、まさにそのとおりかもしれません。

> なお、神官は免税特権や不逮捕特権などを持っていたようですし、学問を
>極めれば宮廷書記官などにも出世できたようです。

 ササン朝でも、階級として、神官、軍人(王侯貴族)、書記(官僚)、平民、
奴隷?があり、神官、軍人、書記の三つの階級は免税特権があったそうです。

>いっぽう、分水嶺をこえて南にでると、太陽は灼熱し、空気と大地はかわき、
>点在するオアシスのほかには砂漠と岩場と草原が多く、森はない。
> それでも、山地から南方へ流れて海へそそぐオクサス川の水量は、雪どけ
>水と地下水を集めて豊かである。この川の水を利用して、水路が走り、周囲
>の畑や牧草地をうるおす。そしてオクサス川の河口には、名だかい港町ギラ
>ンがあり、海路をへて遠く絹の国まで通じている。

> パルス南部で葡萄が生産されているとすれば、この「オクサス川流域」で
>あったろうと推測されます。水量が豊富なのですから、葡萄生産だけでなく
>他の農業生産にも適していることでしょう。問題は葡萄が南部のような亜熱
>帯地方で育つのかどうかですが。
> パルスでは用水路や上下水道がかなり発達していたようですし、外国の川
>というのは日本とは桁違いの広さですから、「オクサス川流域」というのは
>かなり広かったのかもしれません。広さについてはチグリス・ユーフラテス
>川流域の広さがどのくらいだったのかが参考になると思うのですが。

 なるほど、ニームルーズ山脈がエルブールズ山脈とザグロス山脈を合わせた
もので、オクサス川がチグリス=ユーフラテス川に相当するということですな。
オクサス川流域は乾燥帯なので、灌漑農業が盛んだったのでしょう。
 ちなみに、チグリス=ユーフラテスの水源はトルコ西部で、場所的に合いま
せんが、作中の世界設定として、上記のような感じになっているのでしょうね。
 しかしほんとに、軍事設定が三国志的なのを除けば、アルスラ戦記の世界設
定はよく練られてますね。

board1 - No.1600

アルスラーンネタです

投稿者:はむぞう
1999年07月21日(水) 03時05分

身体的な理由で10日ばかり見ないでいるうちに随分と雰囲気が変わってしまって、ちょっと驚いてしまいました。それまでの話題などすっかり影が薄くなってしまっているし…。それらの議論については一気に読んだので、自分なりの意見がまとまっておらずコメントは差し控えたいと思います。

冒険風ライダーさん、パルスの宗教についての考察はお見事と言いたいです。私ではそこまで読み取ることが出来ません。さすがですね。それに関連して蛇足とは思いますが以前にも少し紹介させてもらったシルクロードの本にあった古代ペルシアの信仰について紹介します。

最も信仰されていたのは正義と贖罪と太陽の神ミトラ。これがアルスラーンの世界のミスラのモデルかと思われます。

次ぎは清純にして高貴な処女の姿の豊穣の女神アナーヒターだそうです。アナーヒターは天空の泉の女神でもあり、その泉に咲く「ハマオ」という生命の樹とセットにして崇められていたそうです。そこから多産のシンボルともされたようです。これはアルスラーンで登場するアナーヒターのモデルかと思われます。

>パルス南部で葡萄が生産されているとすれば、この「オクサス川流域」であったろうと推測されます。水量が豊富なのですから、葡萄生産だけでなく他の農業生産にも適していることでしょう。問題は葡萄が南部のような亜熱帯地方で育つのかどうかですが。

これについては葡萄というものについて誤解があるようです。たしかにワインのイメージからフランスが原産国と思われがちですが、フランスで栽培されている葡萄の原産地は西アジアなのです。育成条件としては多湿は不適当で、その理由は実が腐ってしまうからです。水分が多いと皮より果肉が育ってしまい裂果します。その剥き出しになった果肉から腐ったりカビがついたりします。それに裂果までいかなくとも一粒ずつが密着しているので蒸れて腐ります。しかも水分が少ないほど甘味が凝縮されます。だから花が咲いてから収穫時期まで雨が少ないほど良いのです。水量が多くてはまずいのです。
また土壌についても肥沃だと樹の勢いが良くなりすぎて花付が悪くなります。これは果樹全般にいえるのですが、厳しい条件下では子孫を残す為に花をつけて実をつけます。しかし肥沃であるほど子孫を残す必要はなくなり、葉ばかり茂らせて巨大化するだけです。日本でも果樹園は、農耕に不向きなやせた土地に多いはずです。
この両方の点から葡萄の栽培は、乾燥気味の岩や砂を多量に含むやせて排水のよい土地で作られているのです。農耕地帯というよりオアシス向きの作物とは思いませんか? 確かにフランスではさかんに作られていますが、本来の気候とは合わないためか時々霜で全滅などということが起こっているようです。また貴腐ワインのように、わざと葡萄をカビさせてから収穫するという特殊なものもありますが、17世紀以降のことですから参考から外したいと思います。

それと1970年頃の百科事典を見ておりましたところ、先入観とは異なる意外なことが書かれていましたので一部ご紹介します。

イラン帝国。人口約3000万人。遊牧民は約300万人。カスピ海沿岸は年間1000mm以上の降水があり、東は地中海式気候、西は温暖湿潤気候。エルブールズ山脈を越えると草原と砂漠がひろがりオアシス都市が点在する。四季があり平均的に夏は30度、冬は3度になる。南では夏に45度になることもめずらしくない。人口の約半分が農牧業に従事するが、農地は地形や気候の制約から国土の10%のみ。主要農産物は小麦、大麦、テンサイ、綿花、ブドウ、メロン、ザクロ、イチジク。カスピ海沿岸では米、茶、オレンジ。南はナツメヤシ。

何が驚いたかというと温暖湿潤気候があるということですね。日本と同じ気候じゃないですか。しかも四季もあるということで。山脈とカスピ海の間はだいたい2~3km、最大で10kmほどということだから猫の額ほどの面積かもしれませんが。しかも地中海式気候のあたりの地下水路はモンゴル軍の遠征の折に破壊されて以来、農耕が廃れてしまったとありました。ということはアルスラーンの世界の記述から推測すると仕立て屋さんの書き込みにもあるように

>なるほど、ニームルーズ山脈がエルブールズ山脈とザグロス山脈を合わせた
もので、オクサス川がチグリス=ユーフラテス川に相当するということですな。

となって山脈の位置がイランよりかなり南に位置すると思われますし、水路もルシタニア軍が破壊するまで健在だったのですから、かなり肥沃で広大な農地が広がっていたということになるのではないでしょうか。以前の仕立て屋さんの書き込みと合わせて読んで私としては随分とパルスのイメージが変わりました。ただしそれと合わせて騎馬民族というイメージが薄れてしまったのですが…。少なくとも歩くより早く乗馬を覚えるというイメージは沸かないのです。

また山川出版社の民族の世界史という本にイラン系民族という項目を発見し、そこにパルティアをメインにした古代ペルシアの奴隷制と騎兵の鎧に関する記述が少しだけありました。

まず奴隷についてですが、奴隷の数は多く経済の重要な役割を果たしており、鉱山、農耕、家事などに用いられたそうです。奴隷の子は奴隷であり、一家の奴隷数が500人に達することもしばしばあったようです。ただ、農耕では主人が奴隷を所有地に住まわせて耕作させ収穫の一部を奴隷に与えるというように、採算性を取り入れた使い方をしていたといいます。ただし国にも税を払い、開墾の土地も制限されており、あまり楽とばかりも言えなかったのが現実だそうです。しかし全体の印象としては、一般的な奴隷のイメージより自由があったように思えます。

騎兵については、弓射の軽騎兵と重い鎧をつけた重装騎兵からなる騎兵軍団により、国が栄えたとありました。重装騎兵の鎧については具体的な記述がなかったので詳細は不明ですが、3世紀頃のコインの絵を参考にすると、うろこ状の鉄板を繋いだもので全身を覆っているような感じです。ヨーロッパの重装騎兵とどれくらい違うかよく判らないのですが、重い言うからには重量に耐えうるそれなりの馬も必要になってくるでしょうね。しかしいっそのこと輓馬のような巨体の馬(体高180cmくらいで体重が1tをこえるような)だったりすると、それはそれで楽しいかもしれません。でも馬はでかいし人は重いでは乗るのが一大事だろうな。

蛇足ですが食事について補足です。イラン人の友人に聞いたところ、現在のイランの主食は羊や鶏肉のケバブ(串焼き)にライスを添えたものだそうです。革命後アメリカの経済封鎖のおかげで自給自足目指した結果、米の収穫量が10倍近く増えナンよりライスが主食になりつつあるということです。まあ地域差はあるようですが。また羊肉は昔も今も重要な存在で、今でも客人をもてなすときには必ず1頭丸焼きにして出すという習慣があるそうです。また収穫時期になると市場も食卓もザクロであふれ、主食かと勘違いするほどよく食べるそうです。飲み物はイスラムの関係でアルコールはご法度。お茶とヨーグルトの水割り、ノンアルコールビールかコーラが主体のようです。酒については南部ではワインを作っているらしいと、古代には牛乳にナツメヤシの実を入れて発酵させた酒があったらしいというだけでした。ナツメヤシの実は暗紅色で軟らかくてとても甘味の強いものだそうです。

長々と書いて失礼しました。

board1 - No.1601

はじめまして、

投稿者:モルボル
1999年07月21日(水) 12時13分

はじめまして、モルボルと申します。

いきなり本題ですが
私の田中芳樹氏に対する疑問は、
小説という形式の持つ 間 に狂言回しを詰め込んで、
且つその膨大な書きこみが、出版本の構造自体を支えているという点です。

要するに、
さして面白くも無い小説を
八方手を尽くした、膨大な狂言回しによって面白くさせている。
という事です。

氏の論法の無原則や情報の偏り及び嘘は、大いに批判され訂正されるべきです。

氏が、トリューニヒトの演説と似た文脈で本を出すのは悲しいです。
フィクションかもしれませんが、影響の大であることは、
トの演説と同じであると思います。

このような状況に対して
インターネットという形式の批判は、まことに適していると…あれ?。

で、私の方からは、バブル時代についての知識は、
「マネー敗戦」吉川元忠 文春新書
から得る事を推奨できるらしいです(弱気)。

 氏のある種の病の例示をしてみましょうか。
(上の文に続いて)
「私は別に、文芸春秋の回し者じゃあないですよ(笑)」

と、いった所でしょうか、私もよくやる人間です。
文芸春秋社に何の造詣もないにもかかわらず、諧謔ぶつのは、最早救いがたい。

て、何仮定で起こってんだか…。

最後に質問を一つ
9巻のラストにおいて、
終(白竜王)が未来の地球に降り立っていると思うのですが?
あれは複線になっているのでしょうか?

ありがとうございました。ではまた。

board1 - No.1602

パルスの宗教とその他について

投稿者:冒険風ライダー
1999年07月21日(水) 16時49分

<いや~~、毎度ながら綿密な読み出し、お見事です。短気なわたしには、なかなか出来ないことです。>
<冒険風ライダーさん、パルスの宗教についての考察はお見事と言いたいです。私ではそこまで読み取ることが出来ません。さすがですね。>

 いえいえ、私はただストーリー設定の矛盾を「小説だったら許される」って言いたくないがためだけに、アルスラーン戦記の記述を利用して都合の良い解釈をひねり出しているだけですから大したことはありませんよ。私のほうこそ御二人のイランの歴史や風土の知識の深さにはいつも頭が下がります。私はイランの知識は高校世界史教科書の見開き1ページ分と世界史資料集1ページ分ほどしか知らないもので。しかもうろ覚えだし(^^;;)。
 それに私がここまで屁理屈をこねらねるのも、アルスラーン戦記の世界設定がかなり詳細に練られているがゆえですからね。つくづくアルスラーン戦記は名作であると思います。
 創竜伝ももう少しストーリーと世界設定が充実していれば弁護するのですけど、充実しているのが偏向社会評論の偏向度と数の多さというのではねえ……(-_-;;)。

<よくファンタジーにも契約の神って出てきますよね。盗賊ギルドの崇める神として。うむうむ、確かに、契約の神ってリアルな感じします。田中氏も結構、設定凝ってますね。冒険風ライダーさんが指摘されているように、商業国家パルスでは、主要な柱神なんでしょうね。>

 私はあの神々を見ると、ロードス島戦記の6大神(至高神ファリス・大地母神マーファ・幸福神チャザ・戦神マイリー・知識神ラーダ・暗黒神ファラリス)を想起しますね。ミスラがファリス、アナーヒターがマーファ、ウルスラグナがマイリー、アシがチャザといったところでしょうか、あとは該当しないし、かなり無理矢理に当てはめていますけど(^^;;)。ザッハークはファラリスというよりも邪神カーディスのイメージですね。「盗賊ギルドの崇める神」というのは確か「ガネード」といっていました。ロードス島戦記の話ならばですけど。
 ……いかんいかん、いきなり脱線して変な話をしてしまった(^^;;)。次いきましょう。

<暗黒崇拝ってのは、終末思想と密接に結びついていて、終末の滅びから救われるために、終末をもたらす暗黒神に信仰、生贄を捧げることで、信者は滅びから救われるって信仰ですね。ザッハーク信仰がそのような形態なのか不明ですが。>

 蛇王ザッハークは、一般の神々の信仰と違ってアルスラーン世界に実在が確認されていますし、パルスの歴史上でも「圧政者」として名を馳せています。それにストーリーが始まった時点では「封印」されているだけですから、ザッハーク信仰の目的は必然的に「蛇王ザッハークの封印解放」とならざるを得ません。その点では一般の暗黒崇拝とは少し違うものになるのではないでしょうか。
 そのザッハーク信仰の教義もアルスラーン戦記の記述の中にありますので、それを引用してみましょう。

アルスラーン戦記6 P19
<もともと蛇王ザッハークを信仰する教義においては、悪こそが世界の根源である。正義とは、「悪を否定する存在」でしかない。自分以外の者を悪として否定し、武力をもって撃ち滅ぼすというのが正義である。そして正義が大量に血を流せば、それは蛇王ザッハークの再臨を招きよせる悪の最終的勝利にむすびつくのだ。>

 上記の記述からも、ザッハーク信仰の目的は「蛇王ザッハークの封印解放」というのがうかがえます。ザッハークを復活させた後、この教義がどうなるのか分かりませんけどね。
 しかしいくら暗黒崇拝でも、自分を「悪」としている宗教は珍しいと思いますが。

<隊商は傭兵が警備する武装商人であることが多いでしょうし、また、通商で対外戦争が起こることもあるでしょう(関係ないが SWエピソード1の戦争も通商連合が起こしたものだし)。騎馬遊牧民や盗賊から身を守るために、契約の神が戦争の神を兼ねるというのは、自然なのかもしれません。>

 パルスは大陸公路の中継拠点と海上貿易の拠点とを兼ねていますし、パルスは大陸公路の交易権と徴税権を持っています。パルス歴315年の三カ国同盟軍のひとつであるチュルクはこの2つの権益を狙っていましたし(アルスラーン戦記1 P62)、ミスルはアルスラーンの奴隷解放によって奴隷貿易が干上がった上、パルス海上貿易が発展したために自己の権益が妨害された事によってパルス侵攻を開始しています(アルスラーン戦記8 P9)。また、ミスルがシンドゥラに対して同盟を組もうと画策したときも「大陸公路の支配権が奪える」などとラジェンドラをけしかけています。
 以上のように、パルスの戦争原因には通商という要素もかなり絡んでいるようです。パルスでミスラ信仰がさかんになるのもうなづけますね。

<これについては葡萄というものについて誤解があるようです。たしかにワインのイメージからフランスが原産国と思われがちですが、フランスで栽培されている葡萄の原産地は西アジアなのです。育成条件としては多湿は不適当で、その理由は実が腐ってしまうからです。水分が多いと皮より果肉が育ってしまい裂果します。その剥き出しになった果肉から腐ったりカビがついたりします。それに裂果までいかなくとも一粒ずつが密着しているので蒸れて腐ります。しかも水分が少ないほど甘味が凝縮されます。だから花が咲いてから収穫時期まで雨が少ないほど良いのです。水量が多くてはまずいのです。
また土壌についても肥沃だと樹の勢いが良くなりすぎて花付が悪くなります。これは果樹全般にいえるのですが、厳しい条件下では子孫を残す為に花をつけて実をつけます。しかし肥沃であるほど子孫を残す必要はなくなり、葉ばかり茂らせて巨大化するだけです。日本でも果樹園は、農耕に不向きなやせた土地に多いはずです。
この両方の点から葡萄の栽培は、乾燥気味の岩や砂を多量に含むやせて排水のよい土地で作られているのです。農耕地帯というよりオアシス向きの作物とは思いませんか? 確かにフランスではさかんに作られていますが、本来の気候とは合わないためか時々霜で全滅などということが起こっているようです。>

 これは知りませんでした。葡萄というとフランスのイメージがあったし、パルス北東に位置するマルヤムから葡萄酒を輸入しているという設定がありましたから、てっきり「北方の果物」とばかり思っていました。思いこみって滑稽なものですね。勉強になります。
 そうなると、葡萄はパルス南部のオアシス地帯で生産されていると解釈した方が良いでしょうね。特に旧バタフシャーン領土は、点在するオアシスと紅玉を中心とする豊かな好物資源で成り立っているようですから(アルスラーン戦記2 P46)、ここでは特に葡萄の生産がさかんだったのかもしれません。

<何が驚いたかというと温暖湿潤気候があるということですね。日本と同じ気候じゃないですか。しかも四季もあるということで。山脈とカスピ海の間はだいたい2~3km、最大で10kmほどということだから猫の額ほどの面積かもしれませんが。しかも地中海式気候のあたりの地下水路はモンゴル軍の遠征の折に破壊されて以来、農耕が廃れてしまったとありました。ということはアルスラーンの世界の記述から推測すると仕立て屋さんの書き込みにもあるように>
<なるほど、ニームルーズ山脈がエルブールズ山脈とザグロス山脈を合わせたもので、オクサス川がチグリス=ユーフラテス川に相当するということですな。>
<となって山脈の位置がイランよりかなり南に位置すると思われますし、水路もルシタニア軍が破壊するまで健在だったのですから、かなり肥沃で広大な農地が広がっていたということになるのではないでしょうか。以前の仕立て屋さんの書き込みと合わせて読んで私としては随分とパルスのイメージが変わりました。ただしそれと合わせて騎馬民族というイメージが薄れてしまったのですが…。少なくとも歩くより早く乗馬を覚えるというイメージは沸かないのです。>

 実際のイランとパルスとでは、この辺りで違いがでてきているようですね。イランでは猫の額程度の面積を、パルスでは山脈を南方に大きく移動させる事で拡大したのでしょう。パルス北方の気候が温暖湿潤気候と地中海式気候で成り立っていたのだとすれば、土地が肥沃なのと合わせてかなり高い農業生産力が期待できます。
 パルス人の「歩くより早く乗馬を覚える」というのはどうなんでしょうね。パルスの一般人がそこまで乗馬する機会があるのかどうか……。特に大都市では馬に触れる機会さえあまりないような気がしますし。まあこれは仕立て屋さんのNo.1511「騎馬遊牧民だった頃からの伝統的形容」と解釈するしかないでしょうね。あるいは国法で一定年齢に達した後、定期的に乗馬する義務があり、そのための施設があるという裏設定があるのかもしれませんが。
 それとルシタニア軍に破壊された水路と貯水池は、アルスラーン戦記8巻で修復されています。

<騎兵については、弓射の軽騎兵と重い鎧をつけた重装騎兵からなる騎兵軍団により、国が栄えたとありました。重装騎兵の鎧については具体的な記述がなかったので詳細は不明ですが、3世紀頃のコインの絵を参考にすると、うろこ状の鉄板を繋いだもので全身を覆っているような感じです。ヨーロッパの重装騎兵とどれくらい違うかよく判らないのですが、重い言うからには重量に耐えうるそれなりの馬も必要になってくるでしょうね。しかしいっそのこと輓馬のような巨体の馬(体高180cmくらいで体重が1tをこえるような)だったりすると、それはそれで楽しいかもしれません。でも馬はでかいし人は重いでは乗るのが一大事だろうな。>

 私はパルスの騎兵は軽装騎兵で成り立っているとばかり思っていました。機動力がやたらと重要視されていたし、ルシタニアの甲冑の方が重いという記述もありましたからね。重装騎兵で速く移動できるものなのでしょうか? まあ徒歩よりは速いと思いますけど。
 鎧はおそらくアルスラーン戦記のビデオに詳しい絵があると思うのですけど、あれを見たのはずいぶん昔ですしね~(-_-;;)。

PS.それにしてもまもなく7月25日か……。あとがきが楽しみな事ですな。「予定通り」に出ればだけど。

board1 - No.1604

名作であるがゆえに・・・

投稿者:ひよちゃん
1999年07月23日(金) 07時54分

>つくづくアルスラーン戦記は名作であると思います。

・・・名作であるがゆえに、今の氏には続きが書けないのでしょうか(邪推)

そうそう、「歩くよりも速く馬に乗る」を見て、通勤・通学にも馬に乗ってるところを想
像した挙げ句に、北京の自転車みたいなもんか?と、妄想して、笑ってしまいました。

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