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投稿ログ59 (No.1125 - No.1138)

board1 - No.1125

三侠五義と水滸伝

投稿者:小村損三郎
1999年04月19日(月) 14時59分

>>ここに書いてある人物達を、まるで知ってて当然みたいな書き方を田中芳樹はしていますが、これらの人物を知らない私にはどんな比喩的表現をしているのかさっぱり分かりません

>う~む、田中芳樹の文章も相当アレですが、知らないことをあえて誇示するのはどうでしょうか。

「三侠五義」については私も全然詳しくは知らないのですが、岳飛と並び称される文人の英雄・包拯(大岡越前の話なんかは彼のエピソードのパクリが多いらしい)と、彼を取り巻く武勇の士が活躍する、やはり語り物を原形にした娯楽小説だそうです。もっとも成立したのは清末だそうなので、割と新しめの作品でしょうか。
完訳が出たのは結構最近みたいです。

水滸伝の武松は有名ですね。実は私の一番好きなキャラでして(^^)。
酒に酔った勢いで虎を素手で殴り殺した人です。黒旋風李キも親子計3匹の虎を倒してますが、さすがの彼もこの時は山刀を使ってたはず。
でも凄いのはこの後、兄の仇討ちの「ついで」に罪もない女子供を十数人も虐殺してけろりとしてる所でして(笑)。
横山光輝氏もコミック化の際に「日本人には行動が理解しがたいキャラ」であるとして一旦はカットしたんですが、やはり最大の人気キャラの1人だけに無視したまんまにも出来ず、その後「外伝」として虎退治と兄の仇討ちの件だけ描いています。

>私が盗泉の水で指摘したことと同様で、問題は知識の有無じゃないですよね。態度と精神性の問題です。
>こんな風に一知半解のことを自慢げに書き捨てることが許されるなら、「性悪説」を誤用した鳥羽靖一郎だって許されるはずです。

この人の信じられない所は、最低限(①素人でも本屋で売ってる資料を調べれば分る程度のこと)の資料調査もせず、自分が「メカ音痴」であること(②決して「軍事音痴」ではないと思ふ。むしろ戦史マニア)については完全に開き直ったような書き方をしてる癖に、現実に配備されているであろう「日本の戦車の欠陥」に対する批判(③どうせ七都市物語で言及されている「専門知識を有する知人」からの受け売りでしょうけど)を偉そうに開陳したり、中国の人名表記や時代考証の事になると一転して他人のミスをねちねちとあげつらっては、得意げにウンチクとお説教を垂れまくる所でして・・・。

>>それにしても、ここの部分が出たら言ってやろうと思っていたのですが、「日本のサラリーマンは、賃金が世界一高いといわれている。嘘である」とか購買力平価とか物価の違いを指摘しているクセに、自衛隊に関しては「軍事費の金額は世界一高い」と書く神経がどーしても理解できません。

>お見事。
>ここでの様々な指摘とは別に、ふたつの本文自体が矛盾していることがはっきり読む人にはわかるから田中氏もいいのがれできないでしょう。

本当にその通りですね。
防衛費の件については恐らく読者からは指摘や抗議が山ほど来てると思われますが、釈明するつもりは全く無いようです。
 ただ、装備品の価格等の不透明さについてはやはりもっともっとメスを入れていかないと、田中氏や「もず」氏の非難にも全面的には反論できないような・・・。
ただでさえ左翼の攻撃対象になり易いんだから厳しい上にも厳しく律してもらわねば。後方の施設への影響等実際にワリを食ってるのは一般の隊員なんだし・・・。

>あ、最後に210ページ「お前をたっぷり(以下、青少年健全化委員会の意向により検閲削除)してやらあ!」
>おお、あれだけ権力を批判する人が、「青少年健全化委員会」なる右翼権力の手先に屈服してるわ(笑)。

これは只のギャグだと思いますが・・・。

>石原慎太郎
早速中共が牽制球を投げてきたらしい。
また内政干渉まがいのキャンペーンを張って来るのでしょうか。
本人も政府も断じて屈せず、且つ不用意な発言はせずに、上手く対応してほしいですがね。
Nステに出演した時は「支那発言」については大分トーンダウンしてましたが・・・。

>1巻のアトロパテネの会戦に騎兵が85,000とあるのは多すぎではないか?

アル戦は手許に無いので確認できませんが、騎兵だけだとしたらたしかに多すぎますね。
輜重の隊列だけで一体何kmになるんだろう。
誤記ということで、総兵力と解釈して良いのでは?

>私は公立中学だったのですが、生徒指導の先生の意見により図書館から小説が全部消えました。
>理由は「すべての小説は低俗かつ俗悪なものであり成長過程の中学生に多大な悪影響を与える」というものでした。
>具体的な内容は少年少女向けと銘打ったものでも、露骨な性描写があったり暴力的なシーンが目立つなど、現実と架空世界を混同しやすい中学生には不適切というものでした。
>図書館から排除されたあとは小説を個人で所有することも校則で禁止されました。

うげげ~!!本当にこんな学校が実在するんですねー。はむぞうさんには申訳ないけどこりゃキてるな~(^^;;)。
田中芳樹が泣いて喜んでネタにしそうだ(笑)。
「全ての小説」というからには当然夏目漱石も森鴎外も芥川龍之介も源氏物語も含まれるんでせうか(汗)。
だとしたらこの白楊学院の教師よりキてる・・・。

board1 - No.1126

Merkatzさんへ

投稿者:不沈戦艦
1999年04月19日(月) 15時21分

>またまたやってますね。3巻に引き続き妙な兵器描写が出てきます。4巻182ページ、「四〇機のF18E戦闘機・・・空軍のエリートたちだった」という個所。
F-18、厳密にはF/A-18ホーネットですが、あれって海軍所属なんですよね。だから空軍のパイロットが乗るはずがないんです。だいたい防空任務は空軍の仕事ですから、海軍の戦闘機ではなく空軍の戦闘機、F-15やF-16が飛んでこないとおかしいんですよね。

 はははは、確かに変ですね。アメリカ以外だったら、F18ホーネットが空軍所属なのはあると思いますが、これは変です。

>おまけにF-18の武装記述も間違えてるし。32mmバルカン×3門ではなく20mmバルカン×1門です。
「さらに対空ミサイルを保有する」というのも「???」です。戦闘機の兵装に対空ミサイルは当たり前です。「さらに」と強調して、さも特別であるかのように見せる意図が分かりません。
183ページ「バルカン砲が火箭を吐く。一分間に六六〇発の連射能力・・・」。いまどき単身砲でもそのくらいの性能ありますよ。バルカン砲なら毎分700~1000発です。

 「バルカン砲」がどういうものなのか知らないのでしょう。ノストラダムス屋の五島勉が昔書いた「超兵器戦争」という小説でも、「バルカン砲3門」とか平気で書いていました。中途半端に軍事知識がある人の悪癖でしょうかね。それと、20mmバルカン砲なら、毎分6600発射可能です。田中芳樹は一桁間違えたのかも。
 回転する6銃身(A10用の30mm対戦車バルカンは7銃身)から、多数の20mmなり30mmの砲弾を打ち出すのがバルカン砲です。それを3門、戦闘機に搭載するのは現実的には無理ですね。

 それから、旧ソ連の対空ミサイル・機関砲車両は「ツングースカ」だったと思いましたが、違いましたっけ?

board1 - No.1127

艦隊の数勘定

投稿者:北村 賢志
1999年04月19日(月) 15時30分

不沈戦艦さんへ
>アムリッツァ会戦に関してですけど、特にアニメではラインハルトの兵力が大きすぎるような気
>がしますけどどうなのでしょうね。同盟軍が10万隻から動員したのはともかく、帝国軍もそれく
>らいってませんか。一応、補給を絶たれた同盟軍を、片っ端から攻撃したのでしょう?せめて同
>数程度はなければ、数が足らないんじゃないかと思いましたけど。

 このあたりはかなりいい加減な部分です。
 第13艦隊はこの時点でアスターテの生き残り第2、4、6艦隊の残存戦力全てに新規戦力を加えた完全1個艦隊だったはずで、実際アニメでもケンプ艦隊とはほぼ同数のように描かれていました。
 しかし、その直後のキルヒアイス艦隊は第13艦隊の4倍との記述があり(ここは恐らく半個艦隊のままだとの勘違い)、しかもアニメではキルヒアイス艦隊にワーレン、ルッツの両艦隊を加えて3万隻との表現があって「田中氏の勘違いはしょうがないけど、それをアニメにそのまま引きずることはないだろ」と思いました。
 それにラインハルトは「同盟軍の兵力分散の愚」を非難してますが、わざわざ帝国軍は同盟軍の分散に合わせるかのように、その全艦隊に同時に攻撃をかけており、この辺りはどう見ても同盟軍を遙かに凌ぐ戦力が無ければおかしいはずです。
 その後のバーミリオンでもモートン・カールセンが合わせて7千隻程度の艦隊を率いてヤン艦隊に合流しているはずなのに、それが忘れられていたり、8巻のイゼルローン回廊にてヤン艦隊は最初2万9千隻近かったのが、ファーレンハイト・ビッテンフェルト艦隊との交戦後に「2万隻を割り込んで」しまっていたりと、どうも数勘定のいい加減さが付きまとっています。
 まあこの辺りは銀英伝全体としてみれば僅かな瑕疵ですが、同じ様な間違いを肝心な場面で何度も繰り返すところは随分不可解に思ったものです。

board1 - No.1128

RE.1122

投稿者:本ページ管理人
1999年04月19日(月) 18時11分

>お見事。
>ここでの様々な指摘とは別に、ふたつの本文自体が矛盾していることがはっきり読む人にはわかるから田中氏もいいのがれできないでしょう。
>
>このくだりはザ・ベストに収録する
>か、展開して論文としてまとめても
>いいのでは?

 本当は本論10はこれにしようと思ったのですが、言質を取られないよう完璧なものを目指そうと思ったら資料などを調べるのがちょっと大変でして。
 小村さんが指摘しているように、防衛庁の側にもスネに傷があるのが結構痛いですね。
 ただ、機会を見てまとめたいとは思っています。

 ザ・ベストの更新が送れていますが、メインマシンの復旧まで時間がかかります。

board1 - No.1129

小村損三郎 さんへ

投稿者:はむぞう
1999年04月19日(月) 23時35分

>アル戦は手許に無いので確認できませんが、騎兵だけだとしたらたしかに多すぎますね。
>輜重の隊列だけで一体何kmになるんだろう。
>誤記ということで、総兵力と解釈して良いのでは?

誤記ではないと思います。
1巻のP18に「この八名がそれぞれ一万騎を指揮し、「不死隊」と名づけられた国王親衛隊が五千騎、合計八万五千騎の騎兵が歩兵とともにアトロパテネの野に展開したのであった。」とある上に、出陣した万騎長の名前が列記されてますから。

>>私は公立中学だったのですが、生徒指導の先生の意見により図書館から小説が全部消えました。
>>理由は「すべての小説は低俗かつ俗悪なものであり成長過程の中学生に多大な悪影響を与える」というものでした。
>>具体的な内容は少年少女向けと銘打ったものでも、露骨な性描写があったり暴力的なシーンが目立つなど、現実と架空世界を混同しやすい中学生には不適切というものでした。
>>図書館から排除されたあとは小説を個人で所有することも校則で禁止されました。

>うげげ~!!本当にこんな学校が実在するんですねー。はむぞうさんには申訳ないけどこりゃキてるな~(^^;;)。
>田中芳樹が泣いて喜んでネタにしそうだ(笑)。
>「全ての小説」というからには当然夏目漱石も森鴎外も芥川龍之介も源氏物語も含まれるんでせうか(汗)。
>だとしたらこの白楊学院の教師よりキてる・・・。

実在したんです。今では笑い話にできますけどね。(^_^;)
娯楽的な読み物はきれいに消えてしまったのです。ただし原文と意訳が併記されているような源氏物語など古典文学は残ってました。あとは図鑑や百科事典や世界各地の地図などの授業の資料になるようなものしかありませんでした。
しかも、その図書館の狭さといったら・・・。生徒数2000人超なのに、教室の半分の面積しかなかったのです。そこにスチール製の本棚を5列並べたものだから人間は斜めにならないと歩けませんでした。当然すれ違うことは不可能です。
それでいて「最近の生徒は本を読まない。嘆かわしいことだ」と全校集会などで、当の教師はほざいておりました。しかもこの教師は現在、別の公立中学で校長になっている。笑止。(-_-;)

board1 - No.1130

まとめてレス

投稿者:Merkatz
1999年04月20日(火) 21時33分

>ドロ改さんへ

私は最初に「どうして戦記ものでもないのにここまで詳しく書くのだろうか」と思いました。
ドロ改さんのおっしゃるとおり、ある程度は詳しく書かねばならないでしょうが、創竜伝はその必然性を越えて記述されているように感じられました。
その動機として、「自慢しい」と言ったのですが、これはまあ個人的感想ですね。
問題は「動機」よりも「態度」です。詳しい兵器描写が正しければ、私も文句は言いません。それがことごとく間違えていることが問題なのです。
管理人さんもおっしゃったように「態度と精神性の問題」を、私は兵器描写から感じ取ったわけです。
現代ものですから、実機を登場させてリアリティを与えようという意図はわかります。しかしそれなら資料を調べるのが普通ではありませんか?しかもこれらは小村さんのおっしゃるとおり「素人でも本屋で売ってる資料を調べれば分る程度のこと」です。
それすらせずにいたずらに間違ったことを書き続ける(出てくる兵器描写すべて間違っていると言切ってもよいほど)のは、つまるところ小説家としての誠実な態度が、創竜伝に関しては欠けているのではないかと思ったのです。
ちと混乱させる書き方になってしまいましたが、私が批判したかったのは「動機としての自慢しい」ではなく「態度としての間違った兵器描写」なのです。

それにしても自衛隊がドタバタコメディーの3枚目なんてかわいそー。現実では左翼に叩かれ、小説ではコケにされ、自衛隊って割に合わない職業だなあ(笑)。

>不沈戦艦さんへ

あう、バルカン砲の連射能力は私も勘違いしてました。最小4000から最大7000ですね。うろ覚えはいかんなあ・・・。
ちなみに「バルカン」は固有名詞なんですよね。ジェネラル・エレクトリック社の20mmモーターガトリングの系列のみ「バルカン」と呼称されています。面倒なんで私も使い分けしてませんけど。
A10用は同社の30mmモーターガトリング砲「アベンジャー」。俗に30mmガトリング砲と呼ばれてます。
こいつの大きさって乗用車よりでかいんですよね。フォルクスワーゲン・ビートルと比べた図を見たことがあるんですが、弾倉部分だけで同じくらいの大きさ!!こんなもの3つも積めるわけないですよね。
あと同社には7.62mm弾使用のM134「ミニガン」があります。これは「ターミネーター2」で使われており有名です。
ところでこの「ジェネラル・エレクトリック社」って、家電メーカーの「ジェネラル・エレクトリック社」ことなんですかね?だとしたらまさに「四人姉妹」だな。ゆりかごから兵器までってか。

「ツングースカ」はちょっとわかりません。なんせ私の手元の資料が古いもんで。
かつて旧ソ連の兵器名はNATOコードネームで呼ばれていました。フランカーとかハインドとか。たぶんボルガーもコードネームでしょう。
ロシアになって彼ら自身の呼び名「ツングースカ」になった可能性もあります。
「ボルガー」とはZSU-23-4「シルカ」の後継として作られ、対空ミサイル「SA-19」と30mm対空機関砲を装備するものです。たぶん「ボルガー」=「ツングースカ」でしょうね。
私が兵器のことをかじったのは「大戦略Ⅲ'90」というゲームが出たときだからなあ。そのときは「ボルガー」はまだ公式には出ていない状態でした。

しっかしこういう軍事マニアの会話と中国マニアの田中芳樹の語る蘊蓄って同じだなあ。一般人から「どうでもいいこと」と言われても仕方ないよな。でも分かっていてもやりたくなるのが、マニアの悲しい性(笑)。

board1 - No.1131

中国史もからきしダメ

投稿者:宣和堂
1999年04月21日(水) 11時02分

小村様曰く

>中国の人名表記や時代考証の事になると一転して他人のミスをねちねちとあげつらっては、得意げにウンチクとお説教を垂れまくる所でして・・・。

ハッキリ言って、中国史と中国文学の知識も相当いい加減です。
どちらの世界でもミスターいい加減として知られてます。
評判としては、資料見りゃわかる事を調べない、誤読・誤解が多い、作家としての態度を疑う、と散々です。
皆さんもこの人の中国ネタを頭から信用しないように!

board1 - No.1132

あれ、やっぱりそうですか

投稿者:不沈戦艦
1999年04月21日(水) 12時23分

>このあたりはかなりいい加減な部分です。
 第13艦隊はこの時点でアスターテの生き残り第2、4、6艦隊の残存戦力全てに新規戦力を加えた完全1個艦隊だったはずで、実際アニメでもケンプ艦隊とはほぼ同数のように描かれていました。
 しかし、その直後のキルヒアイス艦隊は第13艦隊の4倍との記述があり(ここは恐らく半個艦隊のままだとの勘違い)、しかもアニメではキルヒアイス艦隊にワーレン、ルッツの両艦隊を加えて3万隻との表現があって「田中氏の勘違いはしょうがないけど、それをアニメにそのまま引きずることはないだろ」と思いました。
 それにラインハルトは「同盟軍の兵力分散の愚」を非難してますが、わざわざ帝国軍は同盟軍の分散に合わせるかのように、その全艦隊に同時に攻撃をかけており、この辺りはどう見ても同盟軍を遙かに凌ぐ戦力が無ければおかしいはずです。

 確か小説ではラインハルト艦隊は同盟軍の7割程度、って設定だった筈です。7割ってことは実戦力比は1/2ですけど。そんな程度の戦力で、アムリッツァの同盟全軍を攻撃できる、って何じゃい!と前から疑問でした。それと、「補給線を絶たれ」に関してですけど、実際足りなくなった補給物資って、食料以外あるんですかね?ラインハルトが全軍で攻勢を掛けるまで、戦闘はやっていない訳ですから弾薬やレーザーやビーム用のエネルギーは足りているだろうし、艦艇の航行用のエネルギーなり燃料も不足はしていないでしょう。一回戦った後、アムリッツァに集結して最後の決戦を行えるくらいですから。艦隊の行動力が低下しているとも思えません。と、すると食料だけなんですよね。極端な話、水さえあればそう簡単に人間は死ぬもんじゃないですから、食料は切れてもイゼルローンに逃げ込むくらいのことは可能でしょう。その程度のことで、戦力が異常に低下して全く抗戦できず、同盟軍は散々打ち破られました、ってのも妙ですね。歩兵同士の戦いと勘違いしていないかな、と思いました。歩兵戦に見立てているのは解りますけど、こういう点には注意してもらいたかったと思います。まあ、作品としての完成度の高い銀英伝だからこそ、の指摘ですけど。だから銀英伝は下らない、などと言うつもりは全くありませんが。

>その後のバーミリオンでもモートン・カールセンが合わせて7千隻程度の艦隊を率いてヤン艦隊に合流しているはずなのに、それが忘れられていたり、8巻のイゼルローン回廊にてヤン艦隊は最初2万9千隻近かったのが、ファーレンハイト・ビッテンフェルト艦隊との交戦後に「2万隻を割り込んで」しまっていたりと、どうも数勘定のいい加減さが付きまとっています。
 まあこの辺りは銀英伝全体としてみれば僅かな瑕疵ですが、同じ様な間違いを肝心な場面で何度も繰り返すところは随分不可解に思ったものです。

 うーん、ヤンが「敵戦力の6倍で、完璧な補給が行われ、司令官の指示が末端まで守られれば絶対に勝てる」と言ったようなセリフがあったので、数にはこだわった作りになっていると思っていたんですが、結構いい加減だったんですね。これには気づきませんでした。

board1 - No.1133

誤りについて 文庫版は?

投稿者:小村損三郎
1999年04月22日(木) 12時51分

誤りについて 文庫版は?
北村さんが艦隊の数に関する誤りを指摘されてますが、田中氏はたしか10巻のあとがきで
「文庫化等する時は明らかな誤りは訂正します」
と言ってたはずですが、結局10年以上たってやっと出た文庫版の方ではこれらの誤りは訂正されてるんでしょうか。
文庫版が出ると聞いたときは買ってもいいかな、と思ったんですが、書店で“あの”表紙を見て1ミリ秒後に購買意欲が雲散霧消したもので(笑)未読なんです。

>宣和堂さん
>皆さんもこの人の中国ネタを頭から信用しないように!

しかし、他にあまり紹介されてないことは確かなので、やっぱり最初に触れたものはどうしても真に受けちゃったり影響されちゃうことはありますよね(笑)。
一昔前には三国志演義を真に受けてる人も多かったわけだし。
そこにつけこんで、好きなようにキャラクターを造形しちゃってる所はあるかも。
大体、沈光だの張須陀だのといった人達は実は中国でもマイナーらしいですね。

board1 - No.1134

それだから問題

投稿者:宣和堂
1999年04月22日(木) 13時53分

小村様曰く
>しかし、他にあまり紹介されてないことは確かなので、やっぱり最初に触れたものはどうしても真に受けちゃったり影響されちゃうことはありますよね(笑)。
 正にそれこそが、彼の問題点です。
書かれていない所は御勝手にと言うところですが、明らかに間違えてるところは…。
ま、大したこと無いんですよ、私が突っ込み出来るくらいなら…。

>大体、沈光だの張須陀だのといった人達は実は中国でもマイナーらしいですね。
 ま、コレは面白かったので、彼の功績でしょう。知られてない人はある程度自分で肉付けすることは許されるでしょう。
 それに比べて悪く書かれてる人もいるんですよね、実際。

board1 - No.1135

自衛隊は世界第三位の軍隊か?

投稿者:本ページ管理人
1999年04月22日(木) 15時06分

参考ページ。

ttp://members.tripod.com/%7Eangriff/military/gunjihi96.html

購買力平価云々以前に怪しいみたいですね。やっぱり。

board1 - No.1136

自衛隊の戦力

投稿者:カエルサル
1999年04月23日(金) 07時46分

前に日本国首相を
「金で実力を評価するのが
この男らしい」
って書いておきながら
自分は金で自衛隊を強大な軍隊に
するのか。
羞恥心欠乏症等の鋭い批判で知られる
作家のやることか?

ところで、河上さんとこのページ
リンクに使ってますね。
あそこは勉強になります。

board1 - No.1137

私の創竜伝考察15

投稿者:冒険風ライダー
1999年04月24日(土) 04時22分

 今回より、創竜伝6の批評に入ります。創竜伝6では、四人姉妹による50億人抹殺計画「染血の夢」なるプロジェクトが発動するのですが、竜堂兄弟が感情とヒューマニズムだけで反発しているのが、ストーリーを盛り下げているような気がするのは私だけでしょうか?
 それでは批評に入りましょう。

創竜伝6 「染血の夢」
1990年6月15日 初版発行

P18下段~P19上段
<文部省が「教育正常化モデル県」と胸を張った四国のある県では、小学校の給食のとき、「三角食」という食べかたが指導された。給食が配られると、まず子供たちは牛乳をひと口飲み、つぎにパンをちぎって食べ、つぎにおかずをひと口食べる。つぎにまた牛乳をひと口飲み、パンをちぎり、おかずを食べる。この順番がひとつでも狂うと、教師の怒声がとび、子供は平手打ちをくらうことになる。
「パンを食べてから牛乳を飲むとは、何というけしからん奴だ、赦せん!」
 さらに、「授業中には顔を正面に向けたままでいること。けっして動かしてはいけない」とも定められた。授業中、校長が教室の後方のドアをこっそり開けて室内に忍びこむ。そしていきなり教室の壁を蹴りつける。その音におどろいて振りむいた生徒は、校長と担任教師の両者から平手打ちをあびせられることになる。
 このように、学校と刑務所の区別もつかない狂信的で愚劣な支配体制が、どうやら文部省の理想であるらしい。むろん、竜堂司は、そのような愚劣な管理法を教育だなどとは思わなかった。彼は教育界の大物だったので、晩年に、国から勲章をもらうという話もあったが、あっさりことわっている。「教育と勲章とは、まったく無縁のものだ。勲章なんてものをもらって喜ぶのは軍人と幼児だけだ、と、芥川竜之介もいっている」と司はいい、その発言でますます文部省から憎まれることになったのである。>

 いつも思うのですが、田中芳樹は、中高生向けの小説で学校問題の社会評論を展開することで、中高生の読者に「これはウソだ」と見破られる可能性を考えた事はないのでしょうか。学校に通っている中高生は、少なくとも田中芳樹よりは学校の実情を知っているでしょうに。
 「三角食」というのは聞いた事がありますね。四国ではありませんが、私が小学生の頃に通っていた学校でもそんな教育をしていました。私の場合、ここに書いてあるような暴力的行為は全くありませんでしたし、ごく自然に受けいれていましたけど。それに「授業中には顔を正面に向けたままでいること。けっして動かしてはいけない」と教える事がそんなに悪い事なのでしょうか。今の学級崩壊の実情を見れば、この教育はむしろ推進すべき事だと思いますけどね。「教師の暴力」などの記述は、読者に悪しきイメージを植えつけるいつもの反日評論のやり口ですから無視してかまわないでしょう。学校がしつけをする事がそんなにいけない事なのでしょうかね。
 で、ごく当たり前の教育をしている学校を指して「学校と刑務所の区別もつかない狂信的で愚劣な支配体制」などと一方的な断定をしている神経もスバラシイものがあります。自分が絶対の正義であると思わなければ、こんな断定はできませんものね。しかもご丁寧に「教育と勲章とは、まったく無縁のものだ。勲章なんてものをもらって喜ぶのは軍人と幼児だけだ、と、芥川竜之介もいっている」などと芥川竜之介まで引き合いにだして主張していますが、だとすると教育関係者で勲章をもらっている人は「幼児」なみの思考しか持っていないということでしょうか。教育に携わる人で勲章をもらっている人は結構多いですし、勲章が名誉と思っている教育関係者もいるでしょう。そういった人達を、「ついでに」貶めている軍人といっしょに「幼児」レベルの人間とまで言って恥ずかしくないのでしょうか。「人を思いやる想像力」が欠如していませんか?
 田中芳樹よ、世の中はあなたの考えをしている人間ばかりであふれかえっているのではなく、自分の考えが絶対的に正しいなんて事はないという事実を、早く悟っていただきたい、と申し上げておきます。これは私があなたから教わった事なんですけどね。

P30下段
<誰もが目を閉じ、耳をふさぎ、口をつぐみ、記憶を冷凍させることになっていた。「国家級の軍事機密」といういかがわしい一語で、民主主義の総本山でも言論を封じこめることができるというのは、奇怪な事実であろう。>

 私に言わせれば、「民主主義の総本山」という理由だけで、何でもかんでも情報公開しなければならないなどと現実無視な主張をする人がベストセラー小説家であるというのは、非常に奇怪な事実なんですけどね~(^_^)。
 民主主義の国だからといって何でもかんでも情報公開していたら国が成り立たない事くらい、素人でも分かりそうなことなんですけどね。まあだからといって「何でもかんでも国家級の軍事機密」というのもおかしい事なのでしょうけど。公開すべき情報と公開すべきでない情報を国民によって選別できるのが、本当の民主主義(なんか田中芳樹的な言い方でいやなのですけど)というものなのではないでしょうか? 情報公開と情報秘匿、どっちにしても、行き過ぎは良くないという事です。

P41下段~P42上段
<「そう、私はホイスラーだ。人類に愛と夢をもたらす異次元からの使者だよ。日本にも何度か行ったことがある。ほれ、TVに出演してスプーンを曲げてみせたじゃないか」
「あいにくと、ぼくたちは、食物と食器をたいせつにしよう、という伝統的文化で育ちましたのでね。スプーンが曲がったからといって、愛や夢を感じはしませんね。あなたが念動力とやらでスプーンを曲げたら、アフリカの飢えた子が救われるとでもいうんですか」
 日本語が英語になっても、続の毒舌には容赦がない。
(中略)
 ようやくホイスラーは反論した。
「小説家だって画家だって、自分の才能を売って金をかせいでいるじゃないか。私が自分の特技を生かして、どこが悪い」
 続は冷笑した
「すこしも悪くはありませんよ。あまり権力者にむかって尻尾を振りすぎると、尻尾が痛むんじゃないか、そう思うだけです」>

 前半部分だけを取り上げて批判するのは不公平かな、と思って後半部分も取り上げました。
 さて、「スプーンが曲がったからといって、愛や夢を感じはしませんね」というのは竜堂続の勝手ですけど、「あなたが念動力とやらでスプーンを曲げたら、アフリカの飢えた子が救われるとでもいうんですか」はいくらなんでも言い過ぎなんじゃないですか? 芸能人などに対する田中芳樹の考えが凝集していますね。この論理を使うと、「田中芳樹よ、あなたが偏向した社会評論を使って小説を書いたら、ユーゴの紛争で苦しんでいるアルバニア難民が救われるとでもいうんですか」って主張できるんですけど。ホイスラー氏も、別にやりたくてスプーン曲げをしているわけではなく、職業上の必要と自分の生活に迫られてやむをえず仕事としてやっているのでしょう。それとも芸能人が仕事をして得た金は、すべて弱者に恵まなければならないのですか? 少なくとも苦労知らずの竜堂続に比べれば、よほどホイスラー氏の方が現実的な正論を主張していると思いますけど。
 それと竜堂続よ、あんたの毒舌は結構好きですけど、自分が「創竜伝の権力者」とは全く別の意味での権力者であるという自覚がありますか?

P54下段~P55上段
<フェリーの発着所で新聞を買って、一同は見出しだけでも何か竜堂兄弟に関する手がかりがないかと探した。収穫は無であった。いまさらのことではないが、失望を禁じえず、やつあたりぎみの発言が出る。
「情報過剰の時代だなんていわれるが、そんなことはないな。どうでもいいニュース、たとえば芸能人の離婚とか浮気とかはしつこく報道されても、重要な情報は無視されるものなのさ」
「そういえば、アメリカ航空宇宙局が宇宙探査に関して公表する情報は、全体の四パーセント以下にすぎないそうだな。残りの九六パーセント以上は秘密にされている。まったく、裏で何をやってるんだか、わかったものじゃないな」
 虹川が首をふった。
「日本だってそうさ」
 蜃海三郎が眉をひそめた。
「日本には記者クラブという世界ただひとつの奇怪な機構があってな。これに参加していないと、大臣の共同記者会見などから締めだしをくらってしまう」
 図書館でとってきたコピー用紙をファイルにおさめながら、蜃海の声は吐きすてるようだった。TV記者や外国新聞の記者が記者クラブに参加しようとすると、大新聞がそれを妨害する。そのような信じがたい実例がいくらでもあるのだ。首相の記者会見のときなど、あらかじめ記者クラブのほうから質問予告表を首相の秘書官に手渡す。もし予告表にない質問をした場合、その記者は他の記者によって排除されてしまうのである。
「新聞記者が自分たちの手で言論を統制してやがるんだ。こんな民主主義先進国が、地球上のどこにあるかよ」>

 新聞で竜堂兄弟の事が載っていないだけで、何で日本の新聞記者達がここまで罵られなければならないのでしょうかね~(-_-)。本当にやつあたりな発言ですね。
 「情報過剰の時代だなんていわれるが、そんなことはないな」って、このあふれかえった情報のどこをみてそんな断定ができるのでしょうか? あなたたちの大好きな「政治家の汚職」や「政治批判」の情報だって腐るほどありますよ。私もこのところそんな情報ばかり見ているので少し食傷気味なくらいです(^^;)。
 それと記者クラブの批判は私も同意しますけどね、それをもって「新聞記者が自分たちの手で言論を統制してやがるんだ。こんな民主主義先進国が、地球上のどこにあるかよ」って評するのは、めちゃくちゃに論理が飛躍していませんか? 朝日や毎日の反日ぶりは何なのです? 産経や読売の政治批判は? 言論統制されているならば、これらが大量にあふれかえっているはずがないのですけどね~(^_^)。それから「新聞記者が自分たちの手で言論を統制してやがる」「民主主義先進国」とやらは、本当に地球上のどこにもないのですね? ほかでもない、創竜伝のアメリカの新聞が、四人姉妹のいいなりになって「自分たちの手で」言論統制をしているように見えるのは、私の気のせいでしょうか?(-_-)

P56上段~下段
<「いやねえ、金銭にあかせて土地やビルを買いあさってる日本人が、こんなところまでやってきたわよ。ミシシッピの河岸まで買いしめる気かしら」
 そういうささやきが聞こえるような気がするが、これは茉理の意識過剰であるかもしれない。主婦や学生までもが株や不動産の投機に狂奔するような、異常な拝金主義の国からやってくると、ついつい、とがめられているような気分になる。>

 「かもしれない」ではなく、本当に「意識過剰」ですよ。「主婦や学生までもが株や不動産の投機に狂奔するような、異常な拝金主義の国」って、それはアメリカの事でしょう。少なくとも日本では、株や不動産に対する投機は少なくともアメリカに比べたら一般化してないのですよ。アメリカと違って、日本では株なんて一般市民にとって遠い世界の出来事でしか、今のところないのですから。平均株価がいくら上がろうが下がろうが、大半の人にとっては景気判断の材料にしかならないのですよ。土地の値段の方も「マイホームを買おうかな」という時ぐらいしか普通は関心がないでしょう。当時だって、主婦や学生が「株や不動産の投機に狂奔する」なんて話を私は聞いた事がないのですけど。

P66上段~下段
<「支配者にとって、民衆は無知であるほうが望ましい。北朝鮮でもアルバニアでも、徹底した情報統制によって、民衆は外の世界を知らされずにいる。徳川幕府二六〇年の平和だって、鎖国によって始めて成立したようなものだ」
 そのような話をクラークが持ち出してきたのには、何か理由があるはずだった。相手になったのは蜃海である。
「まさにそのとおりだ。日本人の大半は、自分たちが言論の自由な社会に住んでいると思いこんでいる。知りたいことは何でも知らせてもらえると信じている。あるていどまでは真実さ。日本人の知りたいことといえば、芸能人のスキャンダル、犯罪の被害者のプライバシー、そういったことで、権力者にとっては痛くもかゆくもないからな」>

 この会話を聞いている限りでは、両者の日本人に対しての認識にほとんど差がありませんね。いつものことながら、なぜ対立しているのか理解に苦しみます。
 それにしても北朝鮮の情報統制と「鎖国」とを同一視されるとは、徳川幕府も気の毒に……(T_T)。そもそも「鎖国」という言い方自体も後世に造られた造語なのだそうで(1810年頃に最初に言われはじめ、言葉として定着したのは明治維新後)、別に徳川幕府が外から来る情報を閉ざしていたわけではないんですよ。中国やオランダから情報を集めていましたし、琉球などからも外国の情報が入ってきたようです。それに北朝鮮と徳川幕府とでは時代背景も政治体制も違うでしょう。全く違うものを、見た目だけで同一視しないでくださいよ。
 それともう何回同じようなツッコミをしたかも忘れましたが、「日本人の知りたいことといえば、芸能人のスキャンダル、犯罪の被害者のプライバシー、そういったことで、権力者にとっては痛くもかゆくもないからな」って、日本人がそこまでゴシップ記事ばかり追っているとでも思っているのでしょうか。「権力者」とやらがいつも汚職追及されている光景を見たことが無いんですかねえ。

P69上段~下段
<「心配は無用だよ、ミス・トバ。日本人はほぼ全員、救われることになっているからね」
「信じていいのかしら」
「むろんだとも。日本人は役に立つからね。このごろは欲に目がくらんだ連中が増えて、株は値下がりしないものだ、なんて愚かなことを信じこんでいるらしいけど」
 クラークは何十度めかの笑いを波だて、その悪意ある表現に、茉理は反論できなかった。それにしても、クラークは、ミシシッピの河上では単純明快そうな青年に見えたのに、一秒ごとに影が濃く、しかも濁ってくる感じであった。
「だが、それでもまだ日本人は役に立つからね。権力を持った人間にはけっしてさからわないし、大きな矛盾や不正には目をつぶって、与えられた枠のなかで自分の地位を高めようとする。そして確かに勤勉で処理能力はあるしね」
「全くその通りだとは思うが、四人姉妹の一員にいわれると腹がたつよな」>

 ますます対立の接点が分からなくなりました。そこで同意してどうするのですか。話が進めば進むほど、四人姉妹と竜堂兄弟たちがなぜ対立しているのかが不明になっていくのでは、小説のストーリー展開そのものに問題があると言わざるをえませんね。そもそも竜堂兄弟一党は、四人姉妹の何がそんなに不満なのでしょうか。反日主義という点では全く同じな上に、四人姉妹の主張や正義に対して、何か論理的な反論を展開している光景がこの先にも全くないので(安っぽいヒューマニズムを唱えて「対抗しているつもり」になっている個所ならありますけど)、単に権力=悪という思いこみと感情だけで対立しているのではないかと考えているのは私だけでしょうか。
 ここの記述でも、ランバート・クラークのめちゃくちゃに的外れな日本人論に全面的に同意していますし、日本人を弁護しようとは全く考えていないようです。あまりにも両者の対立の接点がわからないので、四人姉妹の陰謀である「染血の夢」なんてシロモノを設定したのでしょうけど、竜堂兄弟一党がそれに対して論理的な反論ができていないのが、創竜伝のストーリー展開をつまらないものにしていますね。しかも結局、この「染血の夢」の真の目的は何だったのかも分からずじまいです。何がやりたかったのでしょうね、この計画は。

P99下段~P100上段
<かつて日本で遊園地を舞台に、竜堂兄弟は悪漢どもと渡りあい、遊園地の半分ぐらいは営業停止に追いこんでしまった前科がある。あくまでも敵の攻撃に対応してそうなってしまったのだが、はっきりいって竜堂兄弟にとっては、巨大資本が経営する料金すいあげ装置の営業などより、自分たちの自由と生存権のほうがよほどたいせつであった。
 だが、病院や老人ホームとなると、話は別である。これは正義の論理とか人道主義思想としてそうなるのではなく、感情としてそうなってしまうのだ。>

 語るに落ちた、とはまさにこのことですね。竜堂兄弟の行動原理は感情の所産である、と自ら語ってくれたのですから。病院や老人ホームだと攻撃をためらうのに、「巨大資本が経営する料金すいあげ装置の営業」に携わる人のことは何も考えていないのですね。「巨大資本が経営する料金すいあげ装置」が営業停止になれば、彼らはたいへんな迷惑をこうむるのですよ。それは何も社長やその重役だけでなく、その下で働いている平の従業員や社員も、被害をこうむるという点では全く同じです。彼らだって自分たちの生活の為に「巨大資本が経営する料金すいあげ装置」で働いているということが分かっていないようですね。彼らに対して何も考えない竜堂兄弟の想像力の貧困ぶりには本当に恐れ入りますよ。どうせ彼らを全てひっくるめて「巨大資本の下僕」とでもみなしているのでしょうけど。
 まあ私は「正義の論理」も「人道主義思想」も嫌いなんですけどね。内容ではなく、これらの主張が「イデオロギー絶対主義」となっている所が、ですけど。

P111上段~下段
<インサイダー取引の罰は、アメリカでは重く、日本では軽い。日本では、六ヶ月以下の懲役と五〇万円以下の罰金でしかない。アメリカでは一〇年以上の懲役、一〇〇万ドル以下の罰金、さらに民事制裁金として「不当にえた金額の四倍までの金額」を支払わなくてはならない。たとえば、不正なインサイダー取引によって一〇〇億円の利益をえた場合、日本ではたった五〇万の罰金を支払えば、残る九九億九九五〇万円は丸もうけである。だがアメリカでは、最高四〇〇億円の罰金を支払わなくてはならない。不正を防ぐ上で、実効力に大きな差が出てくるのは当然である。>

 私は銀英伝の救国軍事会議のお歴々の演説でも聞いているのでしょうか? 「汚職には厳罰を」って、あの連中の主張そのままではないですか。汚職をしたら厳罰を与えさえすれば良いのですか? 厳罰だけで汚職が抑止されるのですか? そして日本とアメリカの違いを、もっと詳しく検証しているのですか? 政治家の大半が裕福な金持ち(資産50~100億が平均でしょうね。ひょっとするとまだあるかも)であるアメリカと、そうではない日本との違いを、少しは考えているのですか? 田中芳樹はいつから戦前の右翼の青年将校のような考えにとりつかれたのでしょうか。

P128上段~下段
<イギリスの探偵小説に、つぎのような皮肉な会話が描かれたことがある。
「どうして、あなたがた政治家は、私たち国民をばかにするんですか」
「君らが私に投票したからさ」
 ……日本国首相は、「札束や票や株の数字は読めても、文字は読めないんじゃないか」と酷評されるような人で、探偵小説など読んだことがない。だが、イギリスでは小説のなかでのできごととしても、日本ではどうやら違うようであった。>

 ちょっとちょっと、日本の有権者をなめるのもいいかげんにしなさいよ。「こんな政治家を採用しやがって。俺なら絶対に落選させるね」という、何とも傲慢な姿勢を感じますよ。田中芳樹には民意というものがよほど愚劣なものとでも思っているのでしょうか。こんな人が民主主義を崇拝していてもねえ……。

P131上段~下段
<「そうそう、福祉といえば……。消費税は社会福祉に使う、したがって消費税に反対する奴は福祉の敵だ。そういう論法を持ち出したら、たちまち反対の声が低くなってしまった。あんなお粗末な論法が通用するとは、正直思わなかったが、いや、たいした効目だったわな」
「何しろ、消費税が福祉に費われるという証拠を見せろ、という者すら、めったにいなかった。福祉というだけで思考停止してしまうんですからな」
「いや、私がひそかに恐れておったのはね。福祉予算は優先的に一般財源から出すようにして、消費税は軍事予算にまわしたらどうだ、という皮肉な意見が出ることだった。そこを衝かれると、たしかに痛いわな。消費税が軍事予算にまわる、なんてことになったら、ま、たいていの人間は、やっぱり反対するわなあ。しかし誰ひとり、そんなことは、いってこなかった。あんまり敵が無能でも、つまらないもんだわな」>

 いや~、私もあなたがたの意見に全面的に賛成ですよ。全く朝日の愚か者は「軍隊=悪」で思考停止しているものだから、うまい反論も思いつかずに消費税反対運動が挫折するのですよ。
 全くこんな策士な田中芳樹が朝日新聞に入社しなくてよかったですよ。入社していたら、その害悪は創竜伝の比ではなかったでしょうからね。

P132下段~P133上段
<「大統領が債務不履行宣言を出しました!」
 部屋に空白が満ちた。それがしりぞくにしたがって、衝撃と恐怖が沁みだしてきた。債務不履行とは、つまり「借金を返さない」ということである。アメリカは外国から借りた金銭をいっさい返さないというのだ。そしてアメリカは日本に対して二兆ドルの債務、つまり借金がある。
「に、二兆ドルの債務が帳消しになる……」
 首相はあえいだ。具体的な金額を出されると、想像力がはたらくのである。彼は逆上し、あわててワシントンDCに国際電話をかけたが通じなかった。何度かけてもだめだった。
「やられた。日本は全滅ですよ。海外に投資した資金は全て回収不可能になってしまう」
 まだ四〇代の建設大臣がうめいた。>

 この債務不履行宣言で一番損をするのは、この宣言を出したアメリカ自身なのではないかと思いますね。信用ががた落ちし、アメリカのダウ平均株価が大暴落するのではないでしょうか。アメリカでは大半の人が株を所有しているので、株が下落すればたちまち不景気になりますし、債務を返さないなんて態度に出たら資金が入ってこなくなるので、あっというまにジリ貧に陥る可能性が高いでしょう。四人姉妹もアメリカの大企業という設定ですから、大打撃を受けて自滅するかもしれません。それに日本経済が「二兆ドルの債務が帳消しになる」程度で、「日本は全滅ですよ」とまでいうほどの大打撃を受けるのでしょうか? 「総量規制」では、日本の土地価格が約660兆円以上も下落し、しかも大量の不良債権が発生したのに、バブルが崩壊して不景気になっただけです(^^;)。債務不履行宣言くらいの損害でそこまで慌てふためく事もないでしょうに。
 仮にここの記述が正しいとしても、この宣言で日本だけが苦しんでいるのも理解に苦しみますね。アメリカに金を貸しているのは日本だけではないのですよ。アメリカに金を貸している全ての国が大打撃を受けるという記述が抜けているのでは?

P138上段
<面積一〇〇〇坪をこす七階の全フロアを知事が独占し、そこには総大理石づくりの豪華な浴室があること。発ガン性物質であるアスペストが建築材料に使われていること。その他、知られてはまずいことがいくつも露見してしまった。それまで知事の評判はけっして悪くはなかったのだが、都庁舎のライトアップに毎年二三億円かかるとわかって、ついに皆、怒りだしたのだ。
「エネルギー節約が重要なこの時期に、なにがライトアップだ。そんなに金銭があり余っているなら、都営地下鉄の高すぎる運賃を値下げしたらどうだ。ライトアップに二三億円もかけるくらいなら、日本一高い住民税をさげろ!」>

 この国には「贅沢は敵だ」というスローガンがまだ生きているのでしょうか? そりゃ行政の無駄遣いは私も好きではありませんけど、「そんな無駄金があるなら税金を下げろ、値段を下げろ」と露骨に絶叫するのは、はっきり言って自分のことしか考えていないエゴ丸出しな行為です。金持ちの贅沢を見て、「そんな事をする金があるなら福祉に寄付しろ」とか「あんたが贅沢をしている影で、どれくらいの人が貧困で苦しんでいるのか分かっているのか」などといって金持ちを脅すのと全く同次元の発言です。せめて「もっと有効な資金運用ができないのか?」って言えないのですか? 要するに、この連中はせいぜい「弱者」や「貧乏人」の立場にある自分の事しか頭にないのです。「文化は贅沢から生まれる」なんて視点は全くないのでしょう。日本でメディチ家のような資産家が生まれない理由も、これが原因のひとつなのではないか、と最近考えています。
 まあ私も料金や税金が下がってくれたら嬉しいのですけどね(^^;)。

 今回はこんなものですね。あ~長かった。
次で一気に創竜伝6を終わらせましょう。

board1 - No.1138

妬み嫉み蔑み…

投稿者:M野
1999年04月24日(土) 17時30分

お待ちしておりました。

>P18下段~P19上段
<文部省が「教育正常化モデル県」と胸を張った四国のある県では、小学校の給食のとき、「三角食」という食べかたが指導された。給食が配られると、まず子供たちは牛乳をひと口飲み、つぎにパンをちぎって食べ、つぎにおかずをひと口食べる。つぎにまた牛乳をひと口飲み、パンをちぎり、おかずを食べる。この順番がひとつでも狂うと、教師の怒声がとび、子供は平手打ちをくらうことになる。
「パンを食べてから牛乳を飲むとは、何というけしからん奴だ、赦せん!」
 さらに、「授業中には顔を正面に向けたままでいること。けっして動かしてはいけない」とも定められた。授業中、校長が教室の後方のドアをこっそり開けて室内に忍びこむ。そしていきなり教室の壁を蹴りつける。その音におどろいて振りむいた生徒は、校長と担任教師の両者から平手打ちをあびせられることになる。
 このように、学校と刑務所の区別もつかない狂信的で愚劣な支配体制が、どうやら文部省の理想であるらしい。むろん、竜堂司は、そのような愚劣な管理法を教育だなどとは思わなかった。彼は教育界の大物だったので、晩年に、国から勲章をもらうという話もあったが、あっさりことわっている。「教育と勲章とは、まったく無縁のものだ。勲章なんてものをもらって喜ぶのは軍人と幼児だけだ、と、芥川竜之介もいっている」と司はいい、その発言でますます文部省から憎まれることになったのである。>

また「ある県」ですか。
「ある学校」「ある教師」「ある識者」あるあるある、あるばっかり。
発信源を明らかにしないで「ある学者」「ある記者」「ある識者」では、
信憑性もへったくれもありません。

「ある学者がこう言った」という言い回しを聞いたら、十中八九それは
その人が勝手に作った創作だ、という話を、田中作品で読んだ記憶が
あるのですが、その田中先生ご自身が「ある県」「ある学校」「ある教師」
では、もはや苦笑するしかありません。

> いつも思うのですが、田中芳樹は、中高生向けの小説で学校問題の社会評論を展開することで、中高生の読者に「これはウソだ」と見破られる可能性を考えた事はないのでしょうか。学校に通っている中高生は、少なくとも田中芳樹よりは学校の実情を知っているでしょうに。

そうでもないです。中高生は、それが誇張または虚構であるとわかっていても、
何となく「教師」「学校」「権力」を非難する話には魅せられてしまうものです。
自分もかつてそうでした。
こんな「もず」か「百面相」レベルの文章でも、です。
管理人様が「はしかのようなもの」と表現されていますが、そのとおりだと思います。

> で、ごく当たり前の教育をしている学校を指して「学校と刑務所の区別もつかない狂信的で愚劣な支配体制」などと一方的な断定をしている神経もスバラシイものがあります。自分が絶対の正義であると思わなければ、こんな断定はできませんものね。しかもご丁寧に「教育と勲章とは、まったく無縁のものだ。勲章なんてものをもらって喜ぶのは軍人と幼児だけだ、と、芥川竜之介もいっている」などと芥川竜之介まで引き合いにだして主張していますが、だとすると教育関係者で勲章をもらっている人は「幼児」なみの思考しか持っていないということでしょうか。教育に携わる人で勲章をもらっている人は結構多いですし、勲章が名誉と思っている教育関係者もいるでしょう。そういった人達を、「ついでに」貶めている軍人といっしょに「幼児」レベルの人間とまで言って恥ずかしくないのでしょうか。「人を思いやる想像力」が欠如していませんか?

他人の価値観に一方的にケチをつけると同時に、軍人を蔑んでいます。
これはひどいですね。どうしてそこまで軍人を貶める必要があるのでしょうか。
「○○なんかで喜ぶのは、田中芳樹とサルぐらいだ」と書かれたら、ご本人は
どう感じるでしょうか。少なくとも、無礼極まりない書き方だということは
わかると思います。

>P41下段~P42上段
<「そう、私はホイスラーだ。人類に愛と夢をもたらす異次元からの使者だよ。日本にも何度か行ったことがある。ほれ、TVに出演してスプーンを曲げてみせたじゃないか」
「あいにくと、ぼくたちは、食物と食器をたいせつにしよう、という伝統的文化で育ちましたのでね。スプーンが曲がったからといって、愛や夢を感じはしませんね。あなたが念動力とやらでスプーンを曲げたら、アフリカの飢えた子が救われるとでもいうんですか」
 日本語が英語になっても、続の毒舌には容赦がない。

絶句。こいつはいったい何様なんでしょうか。
どうも、田中先生の描く「敵役」は、ワンパターンですね。
自分の立場や名誉を自慢げに話して、それを下品で幼稚な毒舌で罵倒されて、
必死に反論しようとして果たせず、しどろもどろになる。
「創竜伝」という作品の、最も嫌な部分がこれです。

敵役も情けないですよ。反論の価値も無い幼稚な毒舌に対しては、
アッテンボロー氏直伝、「それがどうした」で返してやればいいのに。

この論理を使うと、「田中芳樹よ、あなたが偏向した社会評論を使って小説を書いたら、ユーゴの紛争で苦しんでいるアルバニア難民が救われるとでもいうんですか」って主張できるんですけど。

あいにくと、ぼくたちは、紙を大切にしよう、という伝統的文化で育ちましたのでね。
他人が名誉に思っていることを蔑み嘲笑する小説を読んだからといって、愛や夢を
感じはしませんね。あなたが、偏向した社会評論を使って小説を書いたら、
アフリカの飢えた子が救われるとでもいうんですか

…と書いてみて、確かに、創竜伝を読んでも愛や夢は感じません。
ただ、他人を妬み蔑み嘲笑するいやらしさしか感じません。

> それにしても北朝鮮の情報統制と「鎖国」とを同一視されるとは、徳川幕府も気の毒に……(T_T)。そもそも「鎖国」という言い方自体も後世に造られた造語なのだそうで(1810年頃に最初に言われはじめ、言葉として定着したのは明治維新後)、別に徳川幕府が外から来る情報を閉ざしていたわけではないんですよ。中国やオランダから情報を集めていましたし、琉球などからも外国の情報が入ってきたようです。それに北朝鮮と徳川幕府とでは時代背景も政治体制も違うでしょう。全く違うものを、見た目だけで同一視しないでくださいよ。

見た目も全然違いますけどね…。
国家が何かを統制することは絶対悪!両者は絶対悪という共通点がある!
…こんなところでしょうか。

しかし、どうして日本の歴史になると、突然、歴史オンチになるのでしょうか。

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