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投稿ログ64 (No.1185 - No.1194)

board1 - No.1185

長文失礼

投稿者:仕立て屋
1999年05月06日(木) 08時47分

 ルシタニアにパルスが侵略された次期のパルスの国家規模をちょっと考えてみたいと思います。さすれば、パルスの軍事規模も想像しやすいでしょう。以下はファンサイトにてさんざん論議された当たり前のことかもしれませんが、わたしのオリジナルな邪推ってことで、勘弁をば。

 まず、ペルシアというとペルシア帝国が頭に浮かびますが、その最大版図は東はインダス川、アラル海あたりから西はアフリカ北端部、バルカンのトラキアあたりまでの広大なものです(ちょうど、俺様ランチさんのイメージでしょうか)。軍事国家ペルシアの最大動員兵力は30万といわれています(内、騎馬兵は2万)。戦場での騎馬兵と歩兵の構成比が騎馬兵1に対して歩兵が15から20です。その強力さで有名なペルシア騎兵ですらこんなものです。歴史上ペルシア帝国にて騎馬兵の運用法は完成の域に達したといわわれます。実際、馬は元来臆病な生き物で、よく訓練された軍馬ですら、密集陣形の横列槍歩兵にはびびって突っ込めません。突撃するにしても敵陣形の動揺による、その隙間や、側面にまわって行われないと、手痛い目にあってしまいます。騎馬兵の主な任務は、その機動力を活かした偵察や戦場での敵弱体部への突撃ぐらいのものでした(これがめっちゃ有効だったらしいです)。ですから騎馬兵による突撃とは、適度な部隊規模にてよく統率され、絶妙なタイミングで行われるべきものなのです。モンゴル人たちの戦法は機動力によって相手を翻弄させ突撃を成功させたものではないでしょうか(それには,騎馬が自由に展開できる広い平原が必要か。よく統率された歩兵横隊に正面からぶつかる愚はおかさんでしょう)。ペルシア軍の構成比をみれば、なるほどという感じです。

 いっぽうアルスラーン戦記の舞台となったササン朝ペルシアは紀元前224年あたりからアルケサス朝パルティアの後をうけた形で成立します。このころすでに東ローマ帝国の勢力がおしせまっていました。しかし、ササン朝のホスロー1世、2世(英雄王カイ・ホスローのモデルか)のころには領土を拡張し、シリア、パレスティナ、ヘジプトまで攻め入り、かつてのペルシア帝国には及ばないものの、往年の輝きは取り戻しまた。その後、東ローマに圧迫され、次々に領土を切り取られ、東に追い込まれていきます。弱体化していく一方で王朝内部では次々に王が交代し、いわゆる宮内闘争の類もありました。王位継承の混乱をおさめたのがヤズダギルド3世で紀元後632年です(シリア王国にはアンドラゴラスって人がいますがかれに3世をつけただけか)。混乱のつづくササン朝ペルシアに対してこのころからイスラム勢力がおしよせ(東ローマをも排除し)、国家的危機がおとずれます。637年のカーディシーヤの戦い(アトロパテネ会戦のモデルか)でペルシア軍は敗北し王都クテシフォン(じっさい、エクバターナという地名もあるが別物)も奪われます。ヤズダギルドはメディアにうつり再起をはかるが、642年のニハーワンドの戦いで敗れ、651年、メルブで暗殺されます。このあたりって小異はありますが、なんだかそのまんまという感じがします。で、王子アルスラーンですが、実はヤズダギルドにも王子がいてその名はペーローズ。彼には漢字読みもあり卑路斯です。なぜ漢字があるかというとかれはその後、中国(唐)に逃れて(田中さんほんま,中国好きでんなぁ。物語の題材として採用したのもこのあたりの知識からか)その支援にてササン朝の回復をはかったのです。現実には夢やぶれ、672年、死んでしまうのですが。
 アルスラーンのころのササン朝はいわば、国家の黄昏にさしかかった次期でペルシア帝国とくらぶべきもありません。騎馬兵でその名をとどろかすペルシア帝国軍ですら最大動員30万、内、騎馬2万ですから、黄昏のパルス軍の騎馬12万(アトロパテネ会戦では8万5千)全軍42万がいかに現実離れしているか想像できるでしょう。ます国家財政がもちません。騎馬は非常に維持費のかかる高価な兵種です。ペルシア帝国時期で、すでに兵器類を別とした前近代的な戦争理論、軍事運用論(兵站の重要性はかなり認識されていた)はある程度確立されていたのを考えると、アトロパテネ会戦における騎馬兵8万5千は、実際、ぎゅうぎゅう詰めで、その最大にして唯一の利点、機動力を発揮できないうちに密集歩兵に槍で串刺しってことになりかねません。統率して動かせる騎兵数は数百単位ではないでしょうか。隊長なら百人長(ペルシア帝国の呼称/パルスなら百騎長ってとこか。実際、ペルシア帝国には万人長はいても万騎長はいません)てとこですか。そこで仮に8万5千を部隊別に分けた場合、多めに見て千人隊としても85部隊。各部隊を有効に機動させるとすると天文学的に広大な戦場が必要となります。だいたい、85の騎馬部隊を”使い分ける”ことにいったいどんな戦略的意味があるというのでしょうか。小説では一応、パルスの軍隊は歩兵を軽視した騎馬兵中心の構成ということわりがいれられていますが、このような設定をした時点でパルスの英雄王カイ・ホスローは軍事力的に存在しえなかったでしょう。また、パルス騎馬部隊が古代中国歴史物的?計略でわざわざ全滅させられていますが、ルシタニアにしても、これでは、ウサギを狩るのに大砲を苦労して運んでくるようなものです。しっかし、天才ナルサスっていったい(トホホ)。ナルサス=田中芳樹か?。

 馬の件はこれくらいにして、アルスラーン戦記の舞台設定のつづき。
 まず,ルシタニア。ササン朝ペルシアがイスラム勢力に滅ぼされたことをかんがえると、アラブの民ってことになりますが、文化風習的に見て、東ローマともみれます。キリスト教が国教であるし、キリストの再臨までに世界を統一すべき唯一の帝国を標榜していたからです。しかし、彼らは軍事的な解決は二の次で政治解決を好んだため、ルシタニアのイメージとのずれがあります。おそらく、イスラムと東ローマ帝国に異端裁判や十字軍のテイストを加えたものでしょう。しっかし、イスラムとしなかったのはイスラム原理主義の報復を恐れたためか。じっさい、賞金首にされて殺害された人もいますしねぇ(<-----おもいっきり邪推してますねぇ、スマン)。シンドゥラはインドってことで。絹の国はもちろん中国(唐)。ミスルは思い付きません。俺様ランチさんのいうとおりエジプトあたりかも。トゥラーンは北方の遊牧集団か。

 最後に、アルスラーン戦記の今後の展開ですが、王子パーローズの運命から予想すると、死んじゃうことになりますが、これではおもしろくないので(あとがきにも16翼将だっけか?かれらはどんどん死なされるとありましたので何人かはいなくなるかも)、絹の国(唐)のとってもイカしたナイスな漢(おとこと読め。ナハハ)とお友達になって一緒にルシタニアを追い払って国土を回復した後、名君となりて、友邦国の絹の国などとなかよく暮らしたとさ、なんてのはどうでしょうか。ひょっとしたら、ザーハックの件なんかは絹の国のお友達も力合わせて中国神話的妖怪退治を演じるかもしれません。

 長文失礼いたしました。

board1 - No.1186

もう一度、「紅塵」について

投稿者:冒険風ライダー
1999年05月06日(木) 09時21分

 ようやく帰ってきました。
 それでは、論争の続きをはじめましょうか。しかしその前に少しこの発言について一言。

<それと一般論ですが、批判する内容の文章に(笑)をつけてもいやみったらしいだけで読んでて笑えないです。そういうのが付いてると個人的には文章の説得力が落ちる気がするんですがどうでしょうか。>

 これは人によって感じ方も違いますし、書き方も違いますから一概には何とも言えません。私の文章はいつも長い上に全体的に弾劾みたいな文章になっていますので、少しは雰囲気をやわらげようと、時々入れています。それでも本格的な批判の時はあまり入っていないと思いますけど。
 私のNo1167の投稿は、いつも日本の政治家や権力者たちを「右翼」呼ばわりしている田中芳樹と、田中芳樹が尊敬する岳飛に対して「お前も右翼だろ」というレッテルの貼り返しをするものでしたから、あえて左翼論調を展開しましたし、あの左翼論調は私の本心ではないので、笑うしかないという意味で(笑)を入れたんです。
 実はかつて私も、同じように他人の文章の書き方について「見づらい」と苦情を述べた事がありましたが、逆に「あんたの文章の方が見づらい」とはねかえされ、あっさりと自説を撤回した事があります。この手の問題は堂々巡りになりますから、あまり言わない方が良いかと思います。

<岳飛が褒めちぎられてるから秦檜の弁護をしたくなる、ってのもわからなくはないですが「秦檜の像に観光客が唾を吐きかける」なんてのは田中芳樹の創作ではなく実際にあった話ですし。田中芳樹の思いこみではなく岳飛ってやっぱ中国ではヒーローなわけですし。
 「作家の思い入れの度が過ぎる」なんてのは田中芳樹に限らず日本の戦国時代ものを書く人には少なからず当てはまりますし、塩野七生だってそうですし。「徳川家康」では秀吉は悪役だし、「太閤記」では家康は悪役なわけで。>

 これは少し私の書き方が悪かったですね。私は別に「紅塵」の内容が間違っていると言いたいのではなく、小説としての必要以上に岳飛が礼賛され、秦檜が罵倒されていると言いたかったのです。小説なのですから、岳飛が善で秦檜が悪とみなされるのは仕方がないでしょうけど、銀英伝でオーベルシュタインを「冷血な正論家で憎まれ役」と善悪両面を評し、道徳論などで一方的に「悪」呼ばわりしなかった田中芳樹とは思えないような記述でしたからね。秦檜にだって秦檜の立場や考え方があり、岳飛を「悪」と呼べるだけの「正義」があったはずですし、国のために必死になって和平を結んだのでしょうに、一方的に「売国奴」「絶対悪」と決めつけています。小説の中で秦檜が悪く言われるのは仕方がないとは思いますけど、せめてもう少し善悪両面の観点から評価できないのか、と私は言いたかったわけです。銀英伝やアルスラーン戦記ではちゃんとやっているのに、ですよ。
 そればかりか、秦檜を弁護する人まで「悪」呼ばわりするありさまです。秦檜を弁護する人に何の罪があるのですか。自分の歴史観が絶対のものだとでも考えていない限り、あのP199~P200の記述はできないでしょう。歴史観なんて国や時代・個人によって変わるものですし、永久不変のものでもありません。私の歴史観が絶対的に正しいわけではないように、田中芳樹の歴史観が絶対的に正しいという保証はありません。その歴史観を小説の中に書くことで絶対性を誇示して異論を封殺し、読者を自分の歴史観で洗脳するような記述を、私は田中芳樹にだけはやってもらいたくはなかったのですよ。銀英伝やアルスラーン戦記・マヴァール年代記を「多面的な視点」で書いていた田中芳樹だけには。

<権力闘争は確かにどこにでもある話だし、追い落とす為になんでもする、ってのも確かにありふれた話です。が、変な話ですが「無実の罪を着せて拷問で殺すよりも、私兵を率いてクーデターを起こして政敵皆殺し、の方がカッコイイ」って思う心は誰にでもあるんじゃないでしょうか。「卑怯よりは粗暴を良しとする」という雰囲気もあるでしょう。
 「秦檜の自己防衛」もわからんでは無いですが、それでもやっぱ「冤罪被せて拷問で殺す」ってのは一般ウケしませんよ。岳飛が実際にクーデターを起こそうとした、って証拠でも出てこない限り。普通に話の展開を聞けばやっぱり岳飛は「強かったけど可哀想な人」で、秦檜は「やな奴」ですよ。>

 「無実の罪を着せて拷問で殺すよりも、私兵を率いてクーデターを起こして政敵皆殺し、の方がカッコイイ」という論理で岳飛を賞賛するのは、文官蔑視でずいぶん不公平ですし、それこそ「右翼の軍国主義者」呼ばわりされても仕方がないでしょう。「私兵を率いてクーデターを起こして政敵皆殺し」が素晴らしいというのならば、日本の5・15事件や2・26事件を絶賛しなければならないし、文化大革命も賞賛されるべきものになってしまいます。前にも言いましたが、政治闘争に善悪などないし、ましてや軍人と文官の区別などないのです。
 それに銀英伝2巻で、オーベルシュタインとミッターマイヤーとロイエンタールの3者が手を組んで、帝国宰相であったリヒテンラーデ公爵を「無実の罪」で逮捕し、処刑しています。これも政治闘争です。さらに銀英伝6巻205ページで、ロイエンタールは次のように主張しています。
「リヒテンラーデ公の粛清は互角の闘争だった。一歩遅れていれば、処刑場の羊となっていたのは吾々のほうだ。先手を打っただけのこと。恥じる必要はない」と。
このとき、リヒテンラーデ公がラインハルト一派を粛清しようとしたという証拠は全くありません。状況判断だけで彼らは「リヒテンラーデ公の粛清」に踏み切ったわけです。しかしそれが間違っていたかといえば全然違います。先手を打たなければ、いつリヒテンラーデ公が牙を剥くか分からなかったし、彼は皇帝を押さえている帝国宰相ですから何とでも言い訳できます。もし、リヒテンラーデ公がラインハルトを粛清していれば、リヒテンラーデ公もロイエンタールと同じことを言ったでしょう。政治闘争では、政敵を陥れるための証拠など必要ないのです。そんなもの、後ででっちあげれば良いのですから。
 政治闘争というものはこれほどまでに非道徳的なものなのであって、その勝者を「無実の人を殺すなんて」などという道徳的感情で裁くというのがそもそも間違っています。それを教えてくれたのが他でもない田中芳樹でしたから、こんな岳飛礼賛を読んでびっくりした事は確かです。それをいうなら、唐の太宗李世民の「粛清」もまた、同じように道徳的に裁かれなければならないでしょう。彼が兄弟を殺して帝位についたというのは有名な話ですからね。
 結果論をもって過去の罪を問わない、というのならば、秦檜は岳飛を処刑した事によって金と和平を結び、宋の経済的繁栄をもたらしたのですから、秦檜の功績も否定すべきではないでしょう。田中芳樹は秦檜について、「無実の罪」というシロモノばかり強調せずに、もう少し両論併記に論じてほしかったものです。こう考えるのは間違っているのでしょうか?

board1 - No.1187

パルス国の領土面積とアトロパテネにおける総戦力

投稿者:冒険風ライダー
1999年05月06日(木) 09時24分

<パルスが実際にムチャクチャ広い領土だった、としたらどうでしょう。パルスが中心はイランのあたりだったとして、東はインド、カスピ海の辺りのトルコ系、北西はルシタニアだからバルカン半島のあたりまで、南西のミスルは人名とかからなんかアフリカっぽい国、とすればパルスの領土ってかなり広く見積もっていいと思いますよ。これくらいあれば10万の騎兵は国難時の最大動員って事で無理してでも揃える!
 って解釈すればどんなもんでしょうか?>

 その解釈は不可能です。アルスラーン戦記1巻と5巻に、パルス国の簡単な地図があり、それからだいたいの領土面積が計算できるからです。200ファルザングを基準とした棒線がありますから、それをもとにパルス国の領土面積を計算してみましょう。かなり大雑把ですけど(^^;)。

 それによると、パルス国の領土は縦が約220ファルザング、横が約220~260ファルザングの平行四辺形の形になっています。アルスラーン戦記によると1ファルザング=約5kmですから、仮に最大面積を計算しても、
   (220×5)×(260×5)=1430000k㎡
にしかなりません。日本の土地面積が約38万k㎡ですから、約3.7倍の領土にしかなりません。しかもパルス北部にはダルヴァント内海があって、かなり平行四辺形の形を削っています。さらにパルス中央部のやや南よりにはニームルーズ山脈があり、この山脈より南は砂漠と岩場と草原が多いとのこと。パルス南東部の旧バタフシャーン公国領は砂漠と半砂漠の土地だそうですし、さらにかつてナルサスが領主をしていたダイラム地方は、南と東に山地があり、ぺシャワールの道(おそらく大陸公路)に出るには山脈ふたつ分も超えなければならないという記述もあることから、パルス国はかなり地形が複雑である事が想像できます。少なくとも、草原だけが無尽蔵に広がっているだけの国ではないでしょうね。
 さらにいえば、アルスラーン戦記初期のパルス国の騎兵総数は12万5千、歩兵が30万で、しかも「全軍」と記されていますから、徴兵ではなくて常備軍なわけです。現にアルスラーン戦記で徴兵に関する記述はありません。これらの兵力の維持だけでも、パルス国は相当な国力を消耗することでしょう。

 ちなみにアトロパテネに展開した戦力は、敵味方、騎兵と歩兵全てを合わせると
       パルス軍     騎兵  8万5千
                歩兵 13万8千    =合計 22万3千
     ルシタニア軍     騎兵  5万8千
                歩兵 30万7千
                水兵  3万5千
    ルシタニア軍が
    マルヤム王国侵略で失った兵数  3万2千    =合計 36万8千
                           =総合計 59万1千
が、アトロパテネの野に展開していたという事になりますね。やはりこれは多すぎます。一平野にこれだけの兵力が入りきれるのでしょうか?

 とまあ、皆さんに習ってこんな矛盾点を指摘してみましたが、こんな矛盾があるからといって、別にアルスラーン戦記の面白さが損なわれるわけではありません。むしろ、こういった矛盾点を指摘できる小説だからこそ、面白いといえるのではないのですか? それを「面白い小説なのだから余計なツッコミをいれるな」というのでは、いかにも狭量に思えるのですが、どうでしょうか。

board1 - No.1188

読みました

投稿者:たまきち
1999年05月06日(木) 12時04分

ゴールデンウィークを利用してアルスラーン戦記とウェディングドレスに紅いバラと西風の戦記と風よ万里を翔けよを読みました。

アルスラーン戦記は文句なくおもしろかったです。ちょうどこの掲示板でも話題になってますね。知識のすくない私としては、どなたの意見も「なるほど」と感心するばかりです。同じようなことでも人によって若干違いのあるところが興味深いです。

ウェディングドレスに紅いバラは、評判の悪い現代物だったけど結構おもしろかったです。でも何度も読み返そうという気にはあんまりならなかったです。そういえばこれも特別な力を持つけど社会的立場の弱いという主人公でしたね。

この掲示板で賛否両論あった西風の戦記は、私はイマイチでした。
このページを読んでいた影響もあるのかもしれませんが、現代の場面では少々偏りぎみの視点から現代社会を皮肉っているようであり、また先生のみならず主人公の言動からも高校生を馬鹿にしているのかと感じるところが多々ありました。結末もものたりないです。あれでは無事に向こうの世界に行ったのかどうかわからないし、どうやって定住するのかもわかりません。そもそもエピローグは無理やりこじつけたようで、いきなり主人公が養子や養女だったといわれても「だから?」としか思えませんでした。
異世界での場面でも、主人公の二人が出てくるたびに雰囲気が壊れるというか魅力が削がれるような気がしました。分りやすくする為の狂言回しだとは思うのですが、主人公をすべて消したほうが魅力的なような気がしました。
それと「公主」という敬称が目障りでした。そもそも見なれない言葉で意味がわからず辞書まで調べてしまいました。辞書には「中国の天子や君主の娘」とありました。中世ギリシア風の言葉や文化の世界でどうして使うのでしょうか?王女や姫ではいけないのでしょうか?どうせなら中世ギリシア風と限定せずに、または「この国では王の娘を公主と呼ぶ」等の説明文をつけるかして欲しかったです。それならこういう世界なんだと納得できます。

風よ万里を翔けよは大変おもしろかったです。今までは中国の歴史にはたいした興味はなかったけれど、いろいろ読んでみたくなりました。隋唐演義なんかも面白そうと思いました。本屋に走ったけど売ってませんでした。評判はいまいちのようだけど、とにかく自分の目で1回見てみたいと思いました。これからほかの中国作品を読んでみたいです。

俺様ランチさんへ
全部とは言いませんし、なるほどと思う意見もあるのですが、ときどき強引に田中芳樹氏を弁護しようとしているように感じる部分があります。私が今まで田中作品を読まなかったのは、私の周囲にいた田中ファンの押し付けがましさというか、無理やりに田中氏を神格化しているかのような言動に嫌気がさしたためです。やりすぎると、かえって田中氏の作品の魅力を半減させてしまうと思います。「そういう欠点はあるかもしれないけど、それ以上にこんな素晴らしいところがある」というような論調のほうが、私のような田中作品の初心者には効果があるように思います。
もし勝手な言い分に気を悪くされたのなら謝罪します。ごめんなさい。ほとんど一人で大勢に立ち向かっているようで、その態度は尊敬しています。

ほかの方々とは論点がずれまくったことばかり長々と書いてしまって申し訳ありませんでした。これから1回は挫折した銀英伝を読もうと思っています。

board1 - No.1189

右傾化したのか?

投稿者:小村損三郎
1999年05月06日(木) 14時18分

GW明けに覗いてみると、ちょっと下の書き込みになりますが、結構現状に厳しい批判が出ていますね。
言われてみればたしかに最近は万人に納得してもらえる批判になり得ていなかったかもしれませんね。
こういう場はついつい内輪だけでのやりとりに終始してしまいがちですが、実は不特定多数の人に見られてるわけだからどんな立場の人に対しても説得力のある批判をしていかないと・・・。
管理人さんがこのサイトを立ちあげた目的は
“田中芳樹を信じている人に楔を打ち込む”
為でもありますので、現状がエスカレートすると
「低劣な右翼が田中先生に対してつまらん中傷をしている」
としか思ってもらえなくなる可能性もあり、私自身ちょっと反省しなきゃならんと思ってますm(__)m。
レッテル貼りや価値観の押し付けというのは基本的に田中芳樹も同じだとは思いますが、彼には作家としての卓越したストーリーテリング力という強力な武器があるわけですから、同じことをやってても敵いませんしね。

まあ、各自が田中作品に対してもやもや感じていたことは過去ログであらかた言ってしまったし、素材の供給も断たれてるので(編訳の『運命』を除けば、昨年刊行の『奔流』が最新作(^^;;))ネタ切れをきたしつつあるというのもありますが。

>たまきちさんへ
>隋唐演義なんかも面白そうと思いました。

うーん、アレはちょっと・・・かもしれない(^^;;)。
そもそも、これも編訳物で、田中氏の完全オリジナル作品ではありませんので。
中国物では個人的には『海嘯』が好きなんですけど。
南宋の滅亡を描いた作品です。まあ、これも作品の出来が良いというよりは、テーマが好きなんですがね。

board1 - No.1190

>ウェディングドレスに紅いバラ

投稿者:本ページ管理人
1999年05月06日(木) 14時38分

>ウェディングドレスに紅いバラは、評判の悪い現代物だったけど結構おもしろかったです。でも何度も読み返そうという気にはあんまりならなかったです。そういえばこれも特別な力を持つけど社会的立場の弱いという主人公でしたね。

 私個人としては、この作品は田中芳樹の現代物では、数少ない「まともな小説」であると思います(あとは「晴れた空から突然に」と初期の短編のいくつか)。
 社会評論がなくても現代物が書けているし、「特別な力」といっても創竜伝みたいに物語の緊張感を崩壊させるほど一方的ではありませんから。
 「あくまでも『田中芳樹』の現代物として優れているのであって、現代物としては並」という辛口の批評もできますが、それでも自分の特別な力にこだわらずとらわれない主人公達の陽性な態度は、結構好きですね(竜堂兄弟と同じだと思われるかも知れませんけど、似て非なるものです。竜堂兄弟は口ではそういっているけど、逆説的にものすごく「一般人」との違いにこだわっているでしょう?)。

board1 - No.1191

現代物+ ~推薦文

投稿者:ドロ改
1999年05月06日(木) 15時17分

>たまきち様
創竜伝はじめ、この掲示板では評判が悪いですが、私は田中芳樹の現代物はかなり粒ぞろいだと思います。ただ、「クラン」、「創竜伝(個人的には6巻以降)」、(「摩天楼(未読のためカッコ付き)」)と言う、どうしようもなくつまらないものが、最近立て続けに刊行されているのが祟っているのだと思います。「夏の魔術」の幻想的な描写や(ふくやまけいこの存在を教えてくれたと言う意味でも、好きですが)「晴れた空から突然に」の冒険物(ちょっと違いますが)らしい面白さは出色ですし、ゼピュロシアサーガも詰めの甘さは目立つものの、凡百の小説を軽く引き離す良作だと思います。「夢幻都市」は平均点と言うか、図書館で読むか古本屋で買うならば損では無いかと思います。「戦場の夜想曲(ノクターン)」や「流星航路」収録の短編も、星新一などとはまた違った面白さがあります。なんか、今読むと「若い」と言うか、「すれてない」と言うか…「ホッとする」が正しいかもしれません。
ちなみに、中国物始めここでは現実世界を舞台にした話は余り評判が良くありませんが、私は「紅塵」と「風よ万里を…」は大好きですし、(最近のはやっぱり余り薦めませんが)「アップフェルラント物語」は銀英伝と並んで大好きな作品です。方向性は全く違いますが、読んだ時は田中芳樹の多方面に渡る才能に敬服したものです。
まあ、この掲示板ではぼろくそにけなされたものの方が、新規読者を獲得するようなので「創竜伝」や「ゼピュロシア…」ばかりが読まれて、「田中芳樹≦今一つ」と言う印象を持たれてはたまらないので、ファンの一人として推薦しておきます。ただし、全体的傾向として'93年(レッドホットドラグーン3巻、紅塵、発刊)までと'94年(白い迷宮、創竜伝9巻)以降ですさまじい落差があるので注意が必要です。白い迷宮も後1年早く書かれてたら、夏の魔術シリーズの名を落とす事も無かったでしょうに…(それは違う何か違うでしょうが)

board1 - No.1192

パルス馬ネタ続き

投稿者:俺様ランチ
1999年05月06日(木) 16時02分

 主に冒険風ライダーさんと仕立屋さんへ。

 まず初めに、お二人の軍事や歴史知識の深さに脱帽です。で、仕立屋さん、ペルシア帝国についての知識とかの参考文献なんかあったら教えて下さい。元ネタ探し、自分でもやってみたくなりました。

 で、馬ネタの続き。
 負けました。冒険風ライダーさんの言うようにパルスの領土が具体的な数字付きで設定されていたなんてすっかり忘れてました。確かにその数値で考えると、騎兵12万は揃えられないですね。
 ところで、実際には騎兵10万が展開できるだけの広さってどれくらいなんでしょう?イメージが全然わかないのでピンときません。

 仕立屋さんへ。
 ルシタニアのモデルにイスラム、ってのすっかり頭から抜け落ちてました。「ルシタニア」って語感と人名などからずーっと十字軍とキリスト教をイメージしてました。そういえばイスラムも一神教だって事を改めて思い出しました。

 誰かが「真のシャーロッキアンは矛盾を解決する都合のいい解釈を作るもんだ」って言ってたのに影響されて頑張ってみたんですが、なんか旗色が悪くなってきました。って事で、なんとか矛盾を解決するようないい新解釈、無いですかね。「そういう世界の話なの!」って以外のうまい方法。

board1 - No.1193

レスなど

投稿者:仕立て屋
1999年05月06日(木) 21時43分

>さらにいえば、アルスラーン戦記初期のパルス国の騎兵総数は12万5千、歩兵が30万で、しかも「全軍」と記されていますから、徴兵ではなくて常備軍なわけです。現にアルスラーン戦記で徴兵に関する記述はありません
---以上、1187 冒険風ライダーさんより---

 全軍という記述だけから常備軍とはいえないのでは?そこで、パルス軍の構成をその階級別に考えたいと思います。パルス軍の細かい組織構成はわかりませんが、万人隊、千人隊、百人隊、十人隊とおおざっぱに分けてみます。万騎長が12人、万人長が30人とします。
 まず、騎馬隊から。騎馬隊は、指揮官が貴族で騎馬兵が自由民ということなので、
 指揮官(貴族)の数が、万騎長を筆頭に
 (1+10+10x10+10x10x10)x12=13,332人
 よって、騎馬兵隊に占める自由民の数は残り
106,668人

次に、歩兵隊。その構成は指揮官が自由民で歩兵が奴隷ということなので
 指揮官(自由民)の数は万人長を筆頭に
 (1+10+10x10+10x10x10)x30=33,300人
 よって歩兵隊に占める奴隷の数は残り
266,700人

集計すると、パルス軍の階級別構成状況は
 貴族13,332、自由民139,968、奴隷266,700となります。貴族は戦闘専門として除外しますが、軍の質を考える上でこの自由民と奴隷がくせもんです。仮に、歩兵隊の指揮官(自由民)を常備兵とした場合、では騎馬隊の自由民はどうなん?常備兵?それとも徴兵?と判断が難しいです。そこで自由民を江戸時代でいうところの町人、農民とした場合を考えたいと思います。騎馬兵がある程度、馬に慣れ、定期的な訓練を要するものだと考えれば、農耕馬を所有している農民と荷役馬を所有する一部の町人を戦時のみ臨時徴兵するというのはどうでしょうか。これならば、週一回くらいの軍事訓練を義務化してそれ以外の日は農業や商工業に励ませるという形で維持費が浮きますし、馬慣れもしているからある程度志気は保てるでしょう(自由民というからには義務もあるはずです。また、農耕馬の類が軍馬になるのか?については旧日本軍が農村から軍馬を徴収したという話を聞きますし不可能ではないでしょう)。奴隷については戦闘奴隷も考えられますが、生産的ではないので一部が貴族の下男、下女、大多数が農村部の使役や町での荷役などでこき使われていたのではないでしょうか(同じく徴兵です)。
 まとめると、職業軍人が44,632人、定期的に訓練された半軍人が106,668人(奴隷も訓練を受けさせられたとすれば、313,332人)となり,なんとか小説通りの規模と騎馬兵数をそろえられますが(俺様ランチさん論の一応の答えになるのでは?)、このような国家総動員ともいうべき戦時体制を常時とるとなると、国家の経済活動に支障が生じるのではないでしょうか。ましてや、ルシタニアの侵攻以前にもいつも他国から侵略を受けてきた歴史を考えると、パルスの繁栄には疑問符をつけざるを得ません。また、上記のような軍構成をながめてみると職業軍人はごく一部で、歩兵に至ってはほとんどが奴隷によって構成されています。歩兵部隊の志気はかなり低かったのではないでしょうか。パルスが歩兵を軽視したというのもあながち嘘ではなさそうです(苦笑)。弱小なり、パルス軍。アトロパテネ会戦の敗北も必定なりかな。まあ、ローマ軍にも奴隷はいましたし、実際にはこのような体制の国が強国たり得たかははっきり申し上げられませんが、、、

 それから
>まず初めに、お二人の軍事や歴史知識の深さに脱帽です。で、仕立屋さん、ペルシア帝国についての知識とかの参考文献なんかあったら教えて下さい。元ネタ探し、自分でもやってみたくなりました
(中略)
> ルシタニアのモデルにイスラム、ってのすっかり頭から抜け落ちてました。「ルシタニア」って語感と人名などからずーっと十字軍とキリスト教をイメージしてました。そういえばイスラムも一神教だって事を改めて思い出しました。
---以上、1192 俺様ランチさんより---

 いえいえ、私に限っては大したことはありません。事実、私など、調べてみるまで、中東の歴史など知らなかったことだし、それ以前に地理選択だったため、特定分野以外は歴史にくわしくありません。買いかぶりですよ(笑)
 参考文献についてはご自分で探されたほうが楽しみ百倍だと存じます。が、わたしの調べ方を申せば、電子百科事典である分野を調べ、その関連事項にひたすらジャンプしていくという手法をとりました。これは非常に便利です。その後、それらについて図書館で探すという感じです。これ、結構、楽しかったですよ。似たような名前やそのまんまやんけ!ってなとこが見つかるたびに顔がニヤケてしまいました。また、小説のあとがきにも参考文献が載せられてませんでしたでしょうか?手元にないのでわかりませんが。
 イスラムの件は正直いうとわたしも、調べる前まで思いつきませんでした。古代マケドニア王国のイメージがあり、ギリシャ世界かなとも考えましたが。まあ、わたしもこんなもんなので、間違いも多々あるものと思いますので、そのときはご指摘ねがいます。
 最後に1185で私が述べた中でのナルサスに対する言及について。よくかんがえたらって考えなくてもアトロパテネの時点でナルサスはまだ作戦指揮官ではなかったですね。ナルサス殿には悪いことしました。ちょっと調子に乗りすぎましたか。スマン。

board1 - No.1194

修正

投稿者:仕立て屋
1999年05月06日(木) 22時26分

 歩兵隊に占める指揮官の数は、33330人の誤りでした。

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