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投稿ログ96 (No.1756 - No.1770)

board4 - No.1756

バーラト自治区の政治

投稿者:イッチー
2002年04月18日(木) 17時47分

 私は銀英伝は好きな小説の一つでことあるごとに読み返すのですが、ヤン・ウェンリーの考え方にはどうしても賛同できないところが多すぎます。
 で、ヤンの思想について最近考えていることなのですが、ヤンの民主主義に対する考え方というのは、民主共和制を守る気概を同盟国民および政治家が持たない以上、同盟は滅びても仕方がない→ただし、民主主義の考え方が根絶されてしまうと民主主義の考え方が再び復活するのが困難なので民主主義の苗床だけは残しておこう→もしもラインハルトの子孫が暗愚な政治をおこなったときはそこを拠点にして民主主義勢力を拡大すれば良いという考え方だったと思われます。
 しかし、ヤンの考え方に従うならば、民主主義の苗床は強烈な民主共和主義者の集団である必要があります。でないと、強大な銀河帝国に対抗しながら、民主共和主義の灯火を守り抜くという容易ならざる事業を何世代にもわたって継承していくというのは困難だからです。このヤンの意志に従って、ヤンファミリーたちは民主主義の苗床としてのイゼルローン共和政府(実態はフレデリカが平服になっただけの軍人独裁政権でしたが)を守り抜き、ついにはバーラト星系に自治権を勝ち得ました。ここで物語はめでたしめでたしと終わるのですが、もしもバーラト自治区で選挙をやった結果、トリューニヒトの亜流みたいな人物が政権を握り、政治が腐敗したら結局、同盟の規模を小さくしただけで、政治は何も変わらないという結果に終わるのではないでしょうか?バーラト星系は消費性向が強くて、経済を成り立たせるのは大変だみたいなことが10巻の最後で書かれていましたが、それでは経済の苦境に見切りをつけた自治区の住民が自治権の返上と銀河帝国への完全編入を決議したらどうするつもりなのでしょうか?それとも、自治区住民の意識が高まるまでヤンファミリー(ユリアンは自治区政府の指導者にならないと表明しているが)が独裁政治をおこなうつもりなのでしょうか?そうだとしたら、帝国を打倒するまで独裁権を握るとした救国軍事会議とどこが違うのでしょうか?(そもそも救国軍事会議の軍事力を粉砕したら、同盟の防衛力が弱まり、ラインハルトの思うつぼであることは目に見えていたわけだから、救国軍事会議と話し合って、時限(例えば、3年とか)を決めて文民政権に戻すとか、政府・軍の高官の身柄を解放するとかの条件をつけて平和裏に解決する方法をヤンはクーデターの際にとったほうが良いのではなかったかとも思うのですが・・・)

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board4 - No.1757

これだよ

投稿者:新Q太郎
2002年04月18日(木) 21時27分

これが私がかつて言った

「シャーロック・ホームズ物語のファンである「シャーロキアン」達のうち、初級のシャーロキアン達は矛盾の多いホームズ物語にツッコミを入れまくりますが、上級になると「その矛盾を、奇麗に説明する裏設定」を考える」というやつだよ。

すばらしい

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board4 - No.1758

やっぱりレスのつもりが新規ツリー、の事態はなくなりませんね

投稿者:新Q太郎
2002年04月18日(木) 21時42分

しかし
「この話題について書き込むにはここをクリック!」
の後に
「上にある書き込み欄は”新規ツリー”用です」 と付け加えれば
多少減るのでは?

親記事No.1726スレッドの返信投稿
board4 - No.1759

Re:考察の考察(爆)

投稿者:倉本
2002年04月19日(金) 00時27分

> しかしそうするとイゼルローン要塞が誕生しなくなる(笑)。

イゼルローン要塞は完成に予定より多くの予算と長い期間がかかったはずです。
これは同盟軍による妨害があったからと考えてはどうでしょう。
予算と工期の算出に同盟軍が妨害するということを計算に入れてなかった。
だから予定より長引いて予算も膨らんでしまった。
銀英伝の帝国貴族ならありえそうなミスだと思いませんか。

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board4 - No.1761

Re:バーラト自治区の政治

投稿者:tina
2002年04月19日(金) 14時32分

<ここで物語はめでたしめでたしと終わるのですが、もしもバーラト自治区で選挙をやった結果、トリューニヒトの亜流みたいな人物が政権を握り、政治が腐敗したら結局、同盟の規模を小さくしただけで、政治は何も変わらないという結果に終わるのではないでしょうか?バーラト星系は消費性向が強くて、経済を成り立たせるのは大変だみたいなことが10巻の最後で書かれていましたが、それでは経済の苦境に見切りをつけた自治区の住民が自治権の返上と銀河帝国への完全編入を決議したらどうするつもりなのでしょうか?それとも、自治区住民の意識が高まるまでヤンファミリー(ユリアンは自治区政府の指導者にならないと表明しているが)が独裁政治をおこなうつもりなのでしょうか?そうだとしたら、帝国を打倒するまで独裁権を握るとした救国軍事会議とどこが違うのでしょうか?(そもそも救国軍事会議の軍事力を粉砕したら、同盟の防衛力が弱まり、ラインハルトの思うつぼであることは目に見えていたわけだから、救国軍事会議と話し合って、時限(例えば、3年とか)を決めて文民政権に戻すとか、政府・軍の高官の身柄を解放するとかの条件をつけて平和裏に解決する方法をヤンはクーデターの際にとったほうが良いのではなかったかとも思うのですが・・・)>

確か、銀英伝のヤンの台詞の中にこんなのがあったと思います。
「我々がすべてを解決できるなんて思っちゃいけない。我々は、『よりまし』な形で次の世代にバトンタッチするしかできない。それから先のことは、その世代の人たちが考える」
みたいな感じ。(詳細はかなり違うと思いますが)

この台詞が全てを表しているのではないでしょうか。
「民主主義の芽を残す」という観点から見たとき、確かにヤンは「よりまし」なものをユリアン達に残したと思います。
そしてユリアン達は、「降伏する」という選択肢を捨て、戦いつづけ、「よりまし」な環境を作り上げたと思います。
その後で、もしトリューニヒトの亜流のような人物が選ばれたとしたら、それはその人たちの責任においてなされているわけで、その人たちが「よりまし」な環境を作り上げる努力を怠った、と。
その時ヤンを責めるのは、おかと違いというものです。
アーレ・ハイネセンだって、「よりまし」な環境を次の世代に残して死んでいったわけでしょう?(「よりまし」の中でも最上級ですが)
でも同盟が滅びる時アーレ・ハイネセンを責めるのは、これは違う。
ヤン、そしてユリアンは、非常に選択肢が狭められている中で、彼らの能力のおよびうる「よりまし」な環境を後世に残しているわけで、これは賞賛されるべきものだと思います。
これらを歴史がどう評価するか、というのはまた別問題です。

「ヤン・ファミリーが権力を握る」というのは仮定の話ですね。
もし本当にそうなったとしたら、その時はまた歴史の評価は変わってくるでしょう。
ただ、あまり考えられない仮定ではありますが。

救国軍事会議の時も、ヤンの能力と哲学のおよぶ範囲での「よりまし」な選択だったのでは。
もちろんこの「よりまし」というのは、の言い訳に使える言葉でもあります。
「私は私の及ぶ範囲で、『よりまし』にがんばったんだ」
これもやっぱり、使う側、人間の側の問題ですね。
言い訳に使うようなことがあってはならないけれど、やはりこの考え方は重要だと。
「ベストをよりベターを選びたい」
というヤンの言葉は、やっぱり正しいものだと思います。
どうでしょうか?

親記事No.1726スレッドの返信投稿
board4 - No.1762

Re:Re1749/1751/1752:今回は短レス

投稿者:tina
2002年04月19日(金) 15時06分

>  それと、後半部分の「泣き言」に等しい書き込みに関しては、私は一切取り合うつもりはありません。私の主張に対する明確な理論を伴った反論となっていない単なる個人的な感情論でしかない以上、それはあなたが「個人的に」胸の中に抱いていれば良いだけの話でしかありませんので。

うわー、感じ悪・・・。(笑)
さて、「取り合うつもりは無い」と書かれたのでそうそう突っ込んだ議論は書きません。
ただ一つだけ。このレスだけの話ではなく、「考察シリーズ」とかも読んでみて総じて思ったことを書きますので、まぁ読んでみてください。

結局このラインハルトの問題って、「感情と理性」っていう問題を大きくはらんでるじゃないですか。
ラインハルトに限らず、歴史上の議論になってる問題って、突き詰めてゆけばこれですよね。
で、理論って言うのは「理性側」に依存していることでしょ?
例えば大きく分けて、「感情尊重側」と「理性尊重側」がいたとします。
いくら「感情側」が理論武装したとしたって、「感情」を「理性」で説明せよって言われても無理なように、やっぱりどこかで不整合ができてしまう。
結局、「明快な根拠にもとずく理論」という、完全に「理性側」の土俵で争っているわけで、これでは「感情側」の出る幕は無い。
反対に、「感情側」の土俵で争ったとして、「それは感情的に間違っているからおかしい」などといえば、すぐに「ただのワガママ」といわれてしまうわけです。

つまり何がいいたいのかというと、「理性」で「感情」を説明することも、「感情」で「理性」を感じることも、非常に難しいという事はみんなわかっている訳です。
だから、「理性」と「感情」の折り合いを見つけ、相対的に両方の立場を踏まえて議論をしていこう、という流れになるのが賢いありようというものであります。
それを冒険風ライダーさんは、「理論的に叩き潰した」だの、「全否定した」だのと勝ち誇り、感情側を「明快な理論を伴わない感情論」として一蹴する。
非常に滑稽だと思います。

人間は感情を抜きにしては生きられません。
逆に、理性を抜きにしても生きられません。
「そんなことはわかっている。」
そう、みんなわかっているのです。
それでもその折り合いが見つけられずに、我々の祖先たちは苦しみ、悩みつつ、その中で歴史を作ってきたのです。
「全否定」できるような問題だったら、答えは等に定まっている。
滑稽な態度は、自分だけでなく、これまで悩みぬいてきた全ての人類に失礼だと思いますよ。

突っ込んだことを書かない、とか言いながら長くなってしまいました。(笑)
駄文ですいません。
どうでしょう?

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board4 - No.1763

Re:移動要塞建設の問題点

投稿者:平松重之
2002年04月19日(金) 16時50分

<工事に必要な技術要員の調達に関しても、軍の工兵だけでなく民間人からもエンジン整備が可能な技術者を徴用するなりすれば、10万人ぐらいは問題なく揃えることができるでしょう。全く同じ条件ないしはそれ以上の人員を揃えて突貫工事を行っていけば、ガイエスブルクのときと同様ないしはそれ以下の工期で改造工事を終わらせることも可能です。>
<加えて、ガイエスブルク移動要塞改造の時は、それが技術的に可能であることがまだ「理論上証明されただけ」で、実行過程では様々な事態を想定して色々な回り道をしなければならなかったことにも留意する必要があるでしょう。それ以降はすでに実際的に実現可能であることが確認されているのですから、その分工期を短縮させることもできるのではないでしょうか。>

 あまり要塞の工事に技術者を振り向けると、一方で駐留艦隊の修理・整備がおろそかになってしまうのでは?要塞の工事と艦の修理・整備を並行して行なえば時間か仕事の質かどちらかを犠牲にしなければなりません。突貫工事で移動要塞が完成しても、それを守備する機動力の状態が著しく悪いままでは勝算は少ないでしょうし、そういった状態をいつまでもラインハルトが座視する訳はないと思うのですが。

<また、要塞にエンジンを設置する工事については、せっかくケンプがその身を犠牲にして実証してくれたガイエスブルク移動要塞の戦訓を生かさない手はないでしょう。すなわち、要塞移動時はエンジンを外部に出して推進させながら、停止時には要塞外壁の内部にエンジンを格納できるようにする工事も同時に行い、移動要塞の致命的な弱点となるであろうエンジンを要塞外壁で防御できるように要塞改造を行うのです。アニメ版の流体金属外壁であれば浮遊砲台が外壁の中から現れてくる描写があったくらいですから話は簡単でしょうし、四重複合装甲の外壁であっても似たようなシステムで砲台を守ってはいるでしょうから、それを応用した工事を行えば、エンジン格納工事もそれほど難しくはなさそうに思えるのですけどね。>

 それでも、やはり通常要塞との防御力への将兵の信頼の差は大きいのではないかと。例えエンジンを格納すれば防御的には問題なしと技術的に保証されたとしても、ガイエスブルクの悲劇的な最後と言う生々しい前例がある以上、将兵達の心理的抵抗は大きいでしょう。
 将兵達は義務ある軍人たる自分達だけならともかく、家族までも移動要塞に乗せるのは断固反対するのでは?

<それと情報漏洩に関しても、何年単位にも上る長期的な情報封鎖ならばともかく、せいぜい2~3ヶ月程度の間であれば、イゼルローン回廊全域を全面立入禁止宙域に指定したり、緘口令を布いたり、様々な情報操作などを行ったりしていけば、イゼルローン要塞内にスパイでもいない限りはイゼルローン回廊の内情を外部から隠蔽するなど容易なことでしょう(しかもこれらは戦時には常識的に行われていることです)。そもそも、敵が軍を率いてイゼルローン回廊に到達するだけで、宇宙航行の事情から約1ヶ月ほどは確実にかかるので、事前の防御も容易なものですよ。これもそれほど重大な脅威とまで言われるほどのものでもないかと。>

 Merkatzさんからもご指摘がありましたが、無人の強行偵察艦で遠距離から要塞外部を撮影されれば早い時期に露見してしまうのでは?要塞外部での工事はやはり隠蔽は難しいでしょう。

 ちなみに星間物質については、2巻のP187にも記載があり、バサード・ラム・ジェットエンジンは「前方に巨大なバスケット型の磁場を投射し、イオン化されて荷電した星間物質をからめとる」とあります。
星間物質は9割が水素原子ないし水素分子で、残り1割のほとんどはヘリウム原子と言われているとかいう話を何かの本で読んだ様な…。

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board4 - No.1764

Re1753:移動要塞の諸問題について

投稿者:冒険風ライダー
2002年04月19日(金) 17時12分

 今回は少し順不同で引用レスをつけていきます。
 まずは技術問題と工事の問題から始めましょうか。

>技術問題
<「実現可能であることが確認されているから、その分工期を短縮させることもできる」のは帝国のみ。
同盟はそれを見たというだけで、実際のノウハウを持っていない。
帝国から技術を盗みでもしない限り、工期は同じだけかかる。
それも技術レベルがまったく同等と仮定しての話であるから、
もし戦争による疲弊により技術レベルが下がっているなら、
帝国がやったより時間がかかる可能性すらある。
例えればフェラーリもトヨタも同じ自動車メーカーだからといって、
F1でいきなり参戦一年目のトヨタが、
ワールドチャンピオンをとることは不可能なのと同じ理屈である。>

 技術的な問題に関してはあまり考慮する必要性はないでしょう。銀英伝考察3本編でも述べた通り、移動要塞に必要な技術とは「要塞にワープエンジンと通常航行用エンジンをそれぞれ12個ずつ円状に設置し、全てを同時に稼動させる」だけのものでしかありませんし、銀英伝3巻でヤンがケンプの「要塞特攻」を、通常航行用エンジン一基を破壊することで止めたという描写は、ヤンが「移動要塞技術」の基本原理と弱点に気づいていたことを何よりも雄弁に証明するものです。しかも要塞に輪状に設置してあるワープエンジンと通常航行用エンジン自体も別に特殊な技術で開発された特注品というわけでもなく、それまでに存在した既存のエンジンを使用しただけのものでしかないのです。
 さらに、移動要塞改造工事に際して、工事の総指揮に当たっていたのはケンプとミュラーであり、ラインハルトやヒルダが「ケンプは良くやっている」などと述べている辺り(銀英伝3巻 P98~99)、軍事司令官の指揮が工事の精度を左右していることを伺わせます。ならば彼ら以上に移動要塞技術に理解と指揮官としての力量とを併せ持つヤンが工事の総指揮に当たれば、更なる工事の精度の向上と工期の短縮が容易に実現しえるはずでしょう。
 ついでに言うと、これは多分に銀英伝描写の矛盾ではないかと私は思うのですが、銀英伝3巻のガイエスブルク改造工事が2ヶ月かかったというのも、実際には工事が命令されてから、オーディンからガイエスブルク要塞のある星系まで技術者が移動しなければならず、さらに最終ワープ実験が行われた3月17日までに、今度はガイエスブルク要塞をヴァルハラ星系外縁部まで持ってこなければならないという宇宙航行事情が存在するため、実際にガイエスブルク要塞改造に費やした工期は2ヶ月よりも短くなければならないのです。そしてオーディンからガイエスブルクまで移動するのにかかる時間は片道で通常20日、いくら急いでも14~15日はかかってしまいますので、実際に要塞改造工事が行われた期間は、オーディン-ガイエスブルクの「往復航行時間」を差し引いた1ヶ月以下にまで下がってしまうのです。2月下旬頃から3月17日までの最後の20日ほどにはすでに工事自体は終了しており、ガイエスブルク要塞は最終確認テストを何度も行いながらヴァルハラ星系外縁部へと向かっていたというのが実情でしょう。
 以上のことから、移動要塞を改造するに際し、工期についても技術に関しても何ら問題は生じないと思われます。

>工事秘匿の問題
<そして最大の懸案は敵の目の前で悠長に工事ができるかということ。
イゼルローン回廊では常に哨戒任務が行われていた。
(同盟・帝国双方)
ガイエスブルグ作戦の呼び水となったのも、哨戒任務中の帝国軍と交戦したことだった。
すなわち、イゼルローン要塞がどちらの手にあろうとも、
通常の哨戒任務で様子を窺うことは常に行われており、
大規模な外装工事を始めれば確実にばれてしまうだろう。
窺うといっても別に艦隊が要塞に接近する必要は無い。
無人の強行偵察艦で遠距離から撮影すればよい。
現在のスパイ衛星すら、地表の一円玉を見つけられるというのだから、
この時代の偵察用カメラなら、要塞外装で工事が行われているかいないかくらいの判断はつくだろう。>

 失礼ながら、上記発言は宇宙空間におけるイゼルローン要塞の大きさと、銀英伝世界における索敵・哨戒事情に対する認識不足を露呈した意見であると私は考えます。
 まず前者ですが、イゼルローン要塞の直径は約60kmで、これは確かに銀英伝世界では一番大きな要塞となっているわけですが、宇宙空間における惑星として見ると、これがまたどうしようもないほどに小さな存在でしかないのです。
 その参考として太陽系内に存在する主な惑星の赤道直径を挙げてみますと、

太陽  ―→ 約140万km
水星  ―→ 4878km
金星  ―→ 1万2103km
地球  ―→ 1万2756km
月   ―→ 3476km
火星  ―→ 6786km
木星  ―→ 14万2984km
土星  ―→ 12万0536km
天王星 ―→ 5万1118km
海王星 ―→ 4万9528km
冥王星 ―→ 2284km

 となっており、どれもイゼルローン要塞の何十~何百倍もの大きさを誇っています。
 また、火星と木星の間には、太陽系誕生の際にできた小さな欠片と言われている「小惑星帯」と呼ばれるものがありますが、この小惑星帯にさえ、イゼルローン要塞以上の大きさを持つ小惑星はたくさん存在するのです(小惑星の赤道直径の平均はだいたい100km前後。大きいものになると1000km近くも存在するものがあります)。宇宙空間の広大さの前では、イゼルローン要塞といえども芥子粒並に小さな存在でしかありえないのです。
 さらにこれに追い討ちをかけるのが、後者の銀英伝世界における索敵・哨戒事情です。銀英伝世界の単位で言えば、哨戒部隊が敵を探知できる範囲はせいぜい500~1000光秒の間が限界で、それ以上遠方の敵を探知・目視できるような技術などそもそも最初から存在しないのです。もし仮にそんなものがあったならば、銀英伝3巻冒頭にあった帝国軍と同盟軍との接近遭遇戦はありえなかったでしょう。むしろ、宇宙空間の感覚で言えば、いくら哨戒部隊といえども、たかだか500~1000光秒程度の距離しか見ることができないからこそ、あのような接近遭遇戦が発生したと考えるのが自然です。
 これではイゼルローン要塞が存在するアルテナ星系にまで進出し、さらに奥深くまで近づかければ、敵側はイゼルローン要塞を目視することすら不可能でしょう。Merkatzさんが主張している「無人の強行偵察艦で遠距離から撮影すればよい」という構想は成立のしようがありませんし、逆に防御側は宇宙空間の広大さを利用することで、星系内の事情を隠蔽することが容易に行えるわけです。
 以上のことから、要塞内部にスパイでも存在するか、敵がよほど味方の本拠地に接近してこない限りは、星系内における要塞の大規模工事を外部から隠蔽することも極めて容易な話であると思われます。また、イゼルローン要塞の建造に関しても、そのような事情があったからこそ建造可能となったのではないでしょうか。

 上記の前提を踏まえて、要塞を建造する時期に関する話題に移りますが、

>同盟側(ガイエスブルグ要塞襲撃後)
>同盟占領後(ルッツ要塞司令官時)

↑の2つに関しては私も同意しますし、

>帝国側(シャフトによる提案時)

↑に関しては私も同じ考えを持っていましたので、特に議論すべきこともないでしょう。
 時期的に私が問題だと思うのは、

>同盟崩壊後(エル・ファシル政権時代)

↑これなんですよね。この時期こそ、ヤンは移動要塞の驚くべき戦術的・戦略的価値を徹底的に活用すべきだったし、またラインハルト側も、あくまで短期決戦を行いたいのであればこの技術を見直すべきだったのです。
 まずヤン側ですが、そもそもあの当時のヤンにとってイゼルローン要塞に立て籠もって戦うことは必ずしも最善の選択ではなかったと、銀英伝考察3で引用した「共和革命戦略」とやらを語るくだりでヤン自身が明言しています。そうであるなら、移動要塞技術を駆使して「共和革命戦略」を行うという「最善の選択」を捨ててまで「次善の策」に固執しなければならない理由などどこにも存在しないでしょう。前述した時間的・技術的・秘匿などの問題が解決できるのであればなおのことです。
 また経済的な問題に関しても、一時的に大量の国債を発行して当座を凌ぎ、大戦果を挙げた上でフェザーン商人達の協力を仰ぐといった方法も使えたはずでしょう。それどころか、あの当時におけるエル・ファシル独立政府の実力と可能性が未知数であったことを考えれば、ただひたすらイゼルローン要塞に立て籠もって逼塞しているよりも、こちらの方がはるかにフェザーン商人の損得勘定に訴えることができる理に適った方法です。
 そもそも単純に考えてみても、移動要塞技術を使えば、バーミリオンの前哨戦でヤンが駆使した「正規軍によるゲリラ戦」の戦術が、より完璧な形で実現させることが可能となるではありませんか。それをひたすら駆使して帝国軍を奔走させ、補給の負担に悲鳴を上げるまで戦い続ければ、ヤンが望んだであろう帝国との和平も自分達に極めて有利な形で締結することすらもできたかもしれないのです。すくなくとも「イゼルローン回廊にひたすら立て籠もってラインハルトの個人的感情に訴える」などという、あまりにも愚劣な希望的観測に頼るよりははるかにマシな選択ではありませんか。
 結局、ヤンには移動要塞を使わなければならなかった必要性と緊急性があったにもかかわらず、ヤンもまたラインハルトと同様に、「無限の自給自足能力と強大な戦闘能力を持つ要塞」が「移動できる」事実が持つ驚異的な潜在的能力に全く気づくことがなかったわけです。「回廊の戦い」のような極めて愚かしい「子供の戦争ごっこ」は、まさにそれゆえに生まれたと言っても過言ではなかったでしょう。
 これから考えると、移動要塞の潜在的脅威に気づかなかったヤンの責任は、極めて重大であったと言わざるをえません。

 そしてヤンによるイゼルローン再占領後の帝国ですが、もしあくまでヤンがイゼルローン要塞を動かすことなく籠城戦を行う構えを見せ続けるのであれば、その時こそラインハルトは、以前に自分で考案した「要塞特攻」を敢行するべきだったのではないのですか? まあ実際には同盟領内に要塞は存在しないので、銀英伝考察3で私が提唱した「要塞特攻」の応用戦術「小惑星特攻」を行うということになるわけですが。
 慣性航行による「小惑星特攻」でイゼルローン要塞を完全破壊し、ヤンが拠って立つ補給基地を消滅させてしまえば、放っておいてもヤンは自滅してしまったはずでしょう。「短期決戦による銀河統一」というラインハルトの夢も、これで完璧にかなえられることになりますし、「戦争キチガイ」よろしくヤンとの戦いを求め続けて将兵を無為に戦没させていくよりもはるかにまともな選択肢と言えるではありませんか。しかもこちらはヤン以上に条件は恵まれていたのですし、そもそもラインハルト自身が過去に「要塞を無力化させるためなら、要塞に要塞をぶつけて破壊しても良かったのだ」と明言していたはずなのですけどね。
 これでも、イゼルローンを再占領された立場に置かれて以降のラインハルトに、移動要塞の存在意義を顧みる必要性はなかったと言えるのですか?

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board4 - No.1765

Re:バーラト自治区の政治

投稿者:イッチー
2002年04月19日(金) 17時27分

tinaさま、レスありがとうございます。

> 確か、銀英伝のヤンの台詞の中にこんなのがあったと思います。
> 「我々がすべてを解決できるなんて思っちゃいけない。我々は、『よりまし』な形で次の世代にバトンタッチするしかできない。それから先のことは、その世代の人たちが考える」
> みたいな感じ。(詳細はかなり違うと思いますが)
>
民主主義を後世に残すという観点からすれば、バーラト自治区よりも同盟政府が残っていたほうがはるかに「まし」だと思うのですが・・・。最後にユリアンが銀河連邦や同盟の市民が政治に関心を持っていたら、こんなことにはならなかったのにみたいなセリフを言っていますが、同盟を存続させるための努力を怠ったヤンファミリーの一員のセリフだと思うと怒りさえわいてきます。

> その後で、もしトリューニヒトの亜流のような人物が選ばれたとしたら、それはその人たちの責任においてなされているわけで、その人たちが「よりまし」な環境を作り上げる努力を怠った、と。
> その時ヤンを責めるのは、おかと違いというものです。
> アーレ・ハイネセンだって、「よりまし」な環境を次の世代に残して死んでいったわけでしょう?(「よりまし」の中でも最上級ですが)
> でも同盟が滅びる時アーレ・ハイネセンを責めるのは、これは違う。

図体ばかりでかくて民主共和主義を守る気概のない同盟より小さくても気概に満ちた民主共和主義の苗床を作ろうというのがヤンの真意だったのではないですか?同盟の亜流を作るぐらいだったら、同盟をつぶさないほうがよほどよいではありませんか。

>> 「ベストをよりベターを選びたい」
> というヤンの言葉は、やっぱり正しいものだと思います。
> どうでしょうか?

「ベストよりベターを選びたい」というのは私の信条でもあります。この場合、私は実現不可能なベストより実現可能なベターを選ぶという意味で使っています。で、ヤンの場合、何を究極の理想としているかいまいちよくわからないのですが、民主主義の維持という観点から考えてみましょう。銀英伝の世界において、民主主義を標榜しているのは、同盟だけです。出来れば、同盟を存続させて、帝国との共存をはかり、同盟を政治経済的に再生させて民主主義を後世に伝えるというのが少なくとも初期のヤンの目標であったように思われます。この初期の目標を完遂するためにヤンは常にベターを選択し続けているでしょうか?
 同盟の帝国領侵攻まではヤンは自分の置かれた立場から必死に抵抗を試みており、ヤンは自己の信条に忠実であったと思われます。ここまでのヤンを私は否定しません。
 で、このあとのヤンの行動の検証はこちらの掲示板の以前の書き込みとも重複すると思うのですが・・・。
1、帝国領侵攻作戦の失敗以後、ヤンは国内でクーデターが起こる可能性を察知して、ビュコックにそのことを伝えます。しかし、ヤンが本当にクーデターを阻止したいと考えているのなら、ビュコックだけでなく、国家元首のトリューニヒトや国防委員長・統合作戦本部長などもっと影響力のある人々のところにもクーデターの可能性を示唆するべきです。ヤンはこういう人たちに言っても仕方がないと考えたのかもしれませんが、試すこともなく勝手に自分の判断で決めたのは一人よがりです。
2、クーデター勃発後、ヤンは救国軍事会議と話し合うこともいきなり、クーデター討伐に乗り出しています。クーデターがラインハルトの謀略とわかっていた以上、クーデターを鎮圧することは同盟軍の弱体化につながると予想できたはずです、それなら、グリーンヒル大将など良識派と話し合って、平和裏に(ついでに腐敗分子を一掃して)クーデターを収束させたほうが後の同盟のために良かったのではないでしょうか?
3、バーミリオン星域会戦のときにヤンはブリュンヒルトを攻撃しませんでした。ラインハルト亡き後の帝国のことを考えたのかもしれませんが、(ヤンはユリアンに敵国はどうなってもいいと考えてはいけないと諭している)ならば同盟国民はどうなっても良かったのでしょうか?同盟に進駐する帝国軍が同盟国民に対して略奪暴行の限りを働くかもわからないし、ビュコックらを軍事裁判にかけるかもしれません。あのとき、同盟国民を守る義務を負っていたヤンはビュンヒルトを攻撃するべきでした。それによって、私がこの掲示板のほかのところで考察したように帝国・同盟間に休戦の可能性が出てきたと思います。そうすれば、ヤンの初期の理想に近い状態に持ち込むことは可能でした。ところが、ヤンはシビリアンコントロールに従うという美名のもとに責任を放棄し、民主主義勢力をエル・ファシル、イゼルローン共和政府、バーラト自治区と困難な状況に追い込みました。このような人物が長く旧同盟領で英雄と祭り上げられた理由が私にはまったくわかりません。むしろ、民主主義を守るために絶望的な闘いを試みたビュコックの方がヤンよりも何倍も民主主義の英雄の名にふさわしい感じがします。

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board4 - No.1766

Re:やっぱりレスのつもりが新規ツリー、の事態はなくなりませんね

投稿者:本ページ管理人
2002年04月20日(土) 14時38分

改善してみました。
正直、あまり見た目は良くないですが、いやでも目立ちますね。

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board4 - No.1767

個人的見解

投稿者:本ページ管理人
2002年04月20日(土) 14時50分

>
> うわー、感じ悪・・・。(笑)
> さて、「取り合うつもりは無い」と書かれたのでそうそう突っ込んだ議論は書きません。
> ただ一つだけ。このレスだけの話ではなく、「考察シリーズ」とかも読んでみて総じて思ったことを書きますので、まぁ読んでみてください。
> で、理論って言うのは「理性側」に依存していることでしょ?
> 例えば大きく分けて、「感情尊重側」と「理性尊重側」がいたとします。
> いくら「感情側」が理論武装したとしたって、「感情」を「理性」で説明せよって言われても無理なように、やっぱりどこかで不整合ができてしまう。
> 結局、「明快な根拠にもとずく理論」という、完全に「理性側」の土俵で争っているわけで、これでは「感情側」の出る幕は無い。
> それを冒険風ライダーさんは、「理論的に叩き潰した」だの、「全否定した」だのと勝ち誇り、感情側を「明快な理論を伴わない感情論」として一蹴する。
> 非常に滑稽だと思います。

理論だけで推し量れない感情が社会ひいては歴史に与える影響は大きいものがあります。社会や歴史が人間の集合体である以上は当然のことでしょう。

ですが、論として語る場合には理論で語るのは当然でしょう。
でなければ、たとえば極端な話、tinaさんの論に対して「うわ、何このtinaって奴、キモ」という感情「論」もアリになってしまいますよ。
人間は不条理な感情で動くものですが、その不条理さが社会や歴史に与えた影響を「理性的に」考察し、位置づける事が論の役割だと私は思います。

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board4 - No.1768

Re:あずぎんが英雄伝説

投稿者:新Q太郎
2002年04月20日(土) 20時04分

ヤン「イゼルローンが放棄されてもた」
  「ハイネセンに帝国軍が迫ってるし」

ユリアン「もう、皇帝との決戦ですよー」

ヤン「でも イゼルローンがなくなったら」
  「わたしはどこに入ればええんやろう」

ユリアン「え?えーと・・・」

親記事No.1726スレッドの返信投稿
board4 - No.1769

ヤンには移動要塞化できない理由がある

投稿者:テム太郎
2002年04月21日(日) 01時28分

冒険風ライダーさんの考察でなるほどなと思ってたんですが、私としては1つ腑に落ちないところがあります。
私としてはたとえ移動要塞化についてヤンが思いついていたとしても実行できないと考えます。
なぜか?それはヤンが「国家の存続」より「個人の自由・権利・生命・財産」の方が大事と考えてるからです。
要塞を恒星間移動させるにはワープさせる必要があります。
まさにここが問題なのです。
イゼルローン要塞には民間人もいます。そして、その中に何十万という人口がいる以上妊婦がいない訳がありません。
ポプランとかシェーンコップみたいなやつがいるんですよ!妊婦がいない訳ないじゃないですか!
どういう訳かこの時代でも避妊についての完璧な防護策はないようです。(カリンの存在がそれを証明している)
銀英伝の中ではワープ航法は妊婦?かもしくは胎児?に悪影響があると書いてありましたよね。(この辺記憶があいまい)
ということはイゼルローン要塞に住んでいる妊婦さんは、イゼルローン要塞が移動することはもちろんイゼルローンから出ることもできません(正確には宇宙船での恒星間移動ができない)。
話のエピソードの中で子供を生んだ直後の女性ばかりを乗せた船のエピソードはあったような気がしますが、妊婦が移動したというエピソードってありませんでしたよね?(これも記憶があいまい)
「イゼルローン要塞がワープするので母体or胎児に影響があります。妊婦の方はすみやかに降ろしてください。」という命令はヤンの性格では絶対にできない。
個人の、しかも民間人の自由・生命を政治的に奪うことになるからです。
もしこういう命令をヤンがしたとすれば、そのときからヤンの名声にはキズがつき、将兵がヤンに対する信頼を失墜させ、戦闘において大切な士気を落とすことになりかねません。
妊婦だけをその宙域に残すという手もありますが、宇宙の只中に移動もできない宇宙船がぽつんと1つ置き去りにされるという状況を民間人が許すでしょうか?
安全にワープ航法をするためにはイゼルローンに住む人に対してワープを行う11ヶ月ぐらいまえから「性行為を行う場合は完全に避妊しなければならない。もし妊娠しても軍は一切の責任を負わない」という法律?(規則?)を作らないといけません。
多分この法案?は内部から瓦解して成立できないでしょう。
銀英伝本編で行われた選択肢もある以上、この方策は取らなかったとも考えられます。
ヤンが民間人を犠牲にしてもイゼルローン要塞ワープを実施すべきだったと主張はできると思いますが、それをやったらヤン=ウェンリーじゃありません。
この時点までにヤンについてオーベルシュタイン的一面を多少なりとも書いてあれば「あり」だったかもしれませんが、ヤンの性格をそういう人ではないと書いてしまっている以上、明らかに性格とは反する行動を取ることになってしまいます。
セルバンデスの時代からキャラクターには性格があるのですからその性格に基づく行動じゃないと変になっちゃいます。
読者のヤンに対する信頼も失墜して5巻以降の売上が激減してたかもしれません。
やっぱ何だかんだいってもいろんな人の生活もかかってる商売ですから、作者みずから読者を決定的に裏切る展開にはできないでしょう!
と、私は考えますがいかがでしょう。
自分自身ではこの意見に対するいい反論が思いつきませんので、冒険風ライダーさんをはじめ皆さんの知恵でこの意見を打ち負かしてください!

でも、自分で言ってて疑問に思うことが1つ。エルファシルに妊婦はいなかったのかな・・・?

board4 - No.1770

駄文

投稿者:ビンス・マクマホン三世
2002年04月21日(日) 04時34分

最近まじめな話題が続いたので、ちょっとアホなネタを。

中国礼賛の言葉を述べたあと
竜堂始「貴様らのいる場所など中国が2000年前に既に通過している!」

悪役の中国批判を聞いて
竜堂始「私はそれで一向に構わん!」

それらを叩きのめした後で
竜堂始「貴様は中国をなめた!」

これくらいのことを言ってくれれば
ファンになるのだが……

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