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- board4 - No.1945
Re:「長征一万光年」の裏事情の推察
- 投稿者:平松重之
- 2002年05月31日(金) 16時06分
冒険風ライダーさん
<そりゃ純粋に居住部と動力部のスペースのみを考慮すれば確かにイオン・ファゼカス号の大きさは無駄もいいところでしょうが、しかし「船体の維持」という観点から見ると、あの巨大さは決して無駄と呼べるようなものではありません。
そもそもドライアイスは二酸化炭素を圧縮して固体化したものであり、冷却材などによく使われる物質であるわけですが、そのドライアイスが固体から気化する際の「昇華温度」は何とマイナス78.9℃と非常に低いため、その維持には氷と比べても絶対的に低い温度を必要とするのです。
こんな絶望的な条件を満たすことが果たしてできますかね? 確かに作中でも言われている通り、常に絶対零度を維持している船体外側に関しては何の問題も生じないでしょうが、絶対的に熱を必要とする動力部と居住部でマイナス80℃以下などという「バナナで釘が打てる酷寒の世界」を維持できるはずもないでしょう。特に動力部などは周辺に放つ熱だけでも数千~数万度もの高い温度が存在することは疑いありません。また作中でも「『動力部や居住部からの熱を遮断させることさえできれば』、かなりの長期間にわたって飛行が可能である」という『』の条件付きで航行が可能と明記されており、「そしてその間に、星間物資や無人惑星に恒星間宇宙船の材料を求めればよいのだ」と述べている辺り、『』内の条件を永続させることは銀英伝世界でも不可能であることを逆に物語っています。単純に考えても、居住部の居住環境の維持と動力部から発生する熱だけでドライアイスの維持に必要な温度を簡単に上回ってしまうわけですから、短期的にはともかく、長期的には船体の維持が困難な話であることは想像に難くありません。>三〇〇〇年以上も未来の銀英伝世界ならば、優秀な断熱材も存在するでしょうから、それを用いて動力部や居住区からの熱を遮断してしまえばある程度の期間は問題ないのでは?酷寒のアルタイル第七惑星ならば、居住区などに用いる断熱材も怪しまれずに入手しやすいでしょうし、そうであれば船体維持の為にドライアイスの船体を巨大なものにしなければならない理由はありません。また、動力部(多分核融合炉)の冷却システムなどの性能も不明な以上、動力部の周辺に数千~数万度もの高い温度が発生しているとは断定出来ないのではないでしょうか。イオン・ファゼカス号の航行が期限付だったのは、温度よりもむしろ所詮ドライアイスである船体の強度に問題があったからなのではないかと思います。
<こんなことをするくらいならば、そもそも最初から件の巨大なドライアイスよりも体積&質量の小さなドライアイスなり氷なりの塊を船体に選んで宇宙船を建造する方がはるかに手っ取り早いですよ。その方が掘削の手間も大幅に省けますし、全体的な工期もはるかに短くて済みますから。第一、件のドライアイスに関しては「その中心部を刳貫いて動力部と居住部を設け、宇宙船として飛ばそうというのである」とはっきり書かれていますので、平松さんの仰るような拡張解釈は不可能なのではないかと。
それに惑星上なり衛星軌道上なりに敵の監視の目が光っており、その監視下の元で奴隷労働に従事しなければならない状態で、しかもたった3ヶ月ほどで、イオン・ファゼカス号ほどの巨大な宇宙船が建造できるわけがないでしょう。それにシェルターなどを使ったところで、ドライアイス以外の莫大な物資の搬入や人員の移動などは絶対に必要不可欠ですから、それが惑星上の監視員なり空からの監視なりに捕捉されたら一巻の終わりです。敵の監視下にある場所で巨大な宇宙船建造などという大規模工事を行っているのに、たかだかシェルターごときでそれを完全に隠蔽することができると考える方がどうかしているでしょう。>シェルター云々の件は確かに拡張解釈と言えるものですが、そうでも考えないと、どうやって40万人が乗れる巨大宇宙船の製作を3ヶ月もの間隠蔽し切れたのかという説明がつかないんですよね。まあ、リンチ少将が収監されていた辺境の矯正区の記述で「徴兵制をしいているといっても人的資源には限界があり、じつのところ辺境星区のすみずみまでは手が行き届かないのである」(2巻P37)とあるので、実際の所監視員の数もやる気も少なく、監視の目はかなり粗かったと考える事も出来ます(それでも全長120キロもの宇宙船製作を3ヶ月も隠蔽し切れるとは思えませんが)。
<そんな問題が存在するのであれば、そもそも「長征一万光年」が成功する事自体、全くもって奇怪な話と言わなければならないでしょう。いつ終わるとも知れない長征を行うというのに補給の問題が全く考慮されないなどということはありえないですし、補給も自給自足も満足にできない状態では、件の共和主義者達の間で同士討ちや内乱・敵との密通などが生じてもおかしくありません。補給問題ほど、人間の士気を下げてしまうものはないのですから。
人口減少の原因としては、平松さんが提言している「事故や老衰、連続してワープせざるを得ない環境下での出生率の低下」だけで充分に説明できるのではないのですか? 何しろ、彼らの恒星間宇宙船1隻につき単純計算で約5000人が搭乗しており、それが大事故に巻き込まれれば搭乗している人間のほとんどが死亡するわけですし、「宇宙の墓場(サルガッソ・スペース)」内の航行は事故率も相当高かったことでしょうしね。
こんな過酷な「長征一万光年」が成功するためには、最低でも「万全な自給自足体制の確立」くらいは必要不可欠ですし、またそうでなければ「長征一万光年」がとにもかくにも成功してしまうこと自体、疑問視せざるをえなくなるのではありませんか?>あるいは不安に駆られた一部の人間による叛乱なども人口減少の原因の一つだったかも知れません。そう言えば三代目掲示板の過去ログNo.373(ザ・ベストの「新Q太郎さんのパロディ小説集3」に収録)で管理人さんが、
<意図的にか、ハイネセンとその一派は理想的共和(民主)主義者として描かれていますね。だから、あたかも孔子が周公の時代を理想の引き合いに出すがごとく、先程のヤンのつぶやきが出てくるのです。
「恣意的な歪んだ歴史」というのなら、ヤンが拠り所にしていた歴史自体が恣意的に変更されていた可能性が高いと私は考えます。
ハイネセン一派が理想的共和主義だったというのが相当怪しい。
ロンゲストマーチのような非常にシビアな状態では、強烈な専制的なリーダーシップが無いと絶対に目標は達成できないこと、そのためにパルチザンはセクト的になること(もちろん粛正もつきもの)が必然的なのは、それこそ「歴史が証明」しているからです。
たぶん、ロンゲストマーチの最中に、ちょっと執行部に異論を挟んだために「貴様の思想は帝国主義的だ!」「この帝国シンパめ!」「総括しろ!」とか言われて粛正された人は多かったんじゃないでしょうか。逆にそうでなかったら帝国の策謀によって壊滅していたんじゃないでしょうか。>と書いておられましたね。食糧不足に悩まされつつも長征が成功したのは、ハイネセンやグエン・キム・ホアらが「強烈な専制的なリーダーシップ」で40万人を支配していたからかも知れません(^^;;;)。
まあ、いずれにせよ銀英伝内における科学技術の詳細が分からない以上は、これらに関して議論を続けても千日手にしかならないと思いますし、この辺りで終わりにしたいと思うのですが(他の人からの勧告もあった事ですし)。
-
- board4 - No.1946
有事法制について
- 投稿者:倉本
- 2002年06月01日(土) 03時31分
有事法制のことですが。
田原総一郎が週刊朝日にこんなことを書いてました。
日本には有事法制がないから自衛隊は有事の際は超法規的に行動していいんだそうです。
田原総一郎は有事法制について肯定的なんですがその理由がこれなんです。
きちんとした国家として超法規的な行動が許されるのは良くないからだそうです。
これって本当に正しいんでしょうか。
- 親記事No.1946スレッドの返信投稿
- board4 - No.1947
Re:有事法制について
- 投稿者:本ページ管理人
- 2002年06月01日(土) 06時02分
この掲示板は、「田中芳樹を撃つ!掲示板」です。
TPOをご理解の上、書き込みを行ってください。
この書き込み以降、この関連書き込みは予告無く削除することがあります。
- 親記事No.1946スレッドの返信投稿
- board4 - No.1948
Re:有事法制について
- 投稿者:倉本
- 2002年06月01日(土) 08時06分
すいません。
肝心の文章を書き忘れました。
田中芳樹が創竜伝の中で自衛隊に取らせてる行動は彼が同じように考えているからではないでしょうか。
- 親記事No.1726スレッドの返信投稿
- board4 - No.1949
感想
- 投稿者:ROMです
- 2002年06月01日(土) 08時51分
私から見ると寧ろ反対論の方が説得力がありましたね。
冒険風ライダーさんの論はこじ付けすぎるように感じました。
そもそも銀河英雄伝説のifを考えるとき、
いわゆる行間を埋める作業がほとんどになり、
本文記述が役に立たないという制約が存在します。
つまり、点と点を結んで線にする作業なのですが、
銀河英雄伝説においては点と点の間隔が広いうえ不規則・相互矛盾であり、
読者の解釈次第でどうとでも結べてしまうんですよね。
だから同じ記述を読みながらまったく正反対の結論が出てしまう。
Zeroさんが「オレ設定」と言ってましたが、
まさにそうで、結局のところどちらの「オレ設定」が説得力があるかという話に過ぎません。そこで両者の「オレ設定」を並べてみるとき、
冒険風ライダーさんはあまりに自説の無謬性を信じすぎて、
都合よく点と点を結びすぎだと感じます。
そもそも発端のあの解釈がいただけません。
「どのみち、急速に事態が変わるとは思っていません。
国父アーレ・ハイネセンの長征一万光年は五〇年がかりでした。
それぐらいの歳月は覚悟しておきましょうよ」
「五〇年後には、おれは九〇歳になってしまうな、生きていれば、だが」
この会話が無限補給の根拠の一つにされていますが、
これは世間話のレベルだと解釈するのが普通でしょう。
ハイネセンの故事を引き合いに出して、物事は困難を極めるから長い時間かかるだろう。ああ、そうだね、と。
もっともこういう解釈論を言い出せば、
この記述だって冒険風ライダーさんは、
補給の専門家が50年のお墨付きを与えたと根拠にされてしまうくらいですから、
他にもそのように読み取った人が居ないともかぎりません。それから、作中人物をバカにしたという話については、
これは一方的に冒険風ライダーさんに非があります。
どなたかがシャーロッキアンに喩えられていましたが、
シャーロッキアンがあのようなことをするのは作品を愛しているからです。
けっしてホームズはこの程度のことも分からなかったから馬鹿だとか、
俺の方が利口だとか、そんなことを自慢するためにやっているんじゃないですね。
ですから、「オレ設定」でもって作中人物を無能呼ばわりするなんてもってのほかです。
こういう行為は初級のシャーロッキアン以下ですね。まあ色々勝手なことをいいましたが、
全体的に反対派の人たちはよく頑張っていたなと思います。
賞賛だけのファンサイトなら、感情的な非難で終わっていたでしょうから。
全体としては非常に質の高い議論を楽しませてもらいました。
ありがとうございました。
-
- board4 - No.1950
トリューニヒト
- 投稿者:ドミニオン
- 2002年06月02日(日) 00時55分
田中芳樹はトリューニヒトが好き? それとも嫌い?
登場人物の大半からボロクソに言われているのに、何気に後半まで生きているし能力も凄く高いし。
どうなんだろう?
- 親記事No.1950スレッドの返信投稿
- board4 - No.1951
Re:トリューニヒト
- 投稿者:S.K
- 2002年06月02日(日) 06時30分
> 田中芳樹はトリューニヒトが好き? それとも嫌い?
> 登場人物の大半からボロクソに言われているのに、何気に後半まで生きているし能力も凄く高いし。
> どうなんだろう?「悪玉は最後まで引っ張ってからぶち殺す」という単なるセオリーではないでしょうか。
ただ作者の当初の予定以上に面白い人格になったのに扱いきれずに退場させてしまった雰囲気は残るあっけない幕引きでしたが。
正直一寸惜しいです。
- 親記事No.1950スレッドの返信投稿
- board4 - No.1952
Re:トリューニヒト
- 投稿者:ビンス・マクマホン三世
- 2002年06月02日(日) 09時15分
トリューニヒトって、同盟時代より帝国亡命後の方が魅力があるような気がします。
その卓越した政治的才能がより発揮されているような気がします。
しかし帝国の首脳の評価は同盟降服時にとった行動により低くなっています。そこで、少し考えてみました。
もしトリューニヒトが帝国に生まれていたら?
ローエングラム朝初代帝国宰相になった可能性が高いように思えます。
どうでしょうか?
- 親記事No.1950スレッドの返信投稿
- board4 - No.1953
Re:トリューニヒト
- 投稿者:せらぴす改
- 2002年06月02日(日) 12時11分
トリューニヒトが帝国出身だと、タレイラン・ペリゴールそのまんま、って感じでしょうか。機を見るに敏な方ですし、早い段階でラインハルト陣営に加わって、宮廷内での暗躍や、門閥貴族やフェザーンの切り崩しなんかに活躍しそうです。オーベルシュタインには、この辺のコネとかがなさそうですし。
ただ、中盤以降は粛清されるか、失脚するか、いずれにせよ急速に出番がなくなりそうな気がします。オーベルシュタインがいる状況で、内政のトップに就けるとは、正直考えられません。
ちなみに、帝国出身でも同僚には間違いなく嫌われそうですね、個人的にはオーベルシュタイン以上に。まあ、軽蔑まで行くかはわかりませんが。
- 親記事No.1950スレッドの返信投稿
- board4 - No.1954
Re:トリューニヒト
- 投稿者:イッチー
- 2002年06月02日(日) 15時50分
トリューニヒトが帝国に生まれていたら、宮廷工作や政界工作に暗躍して、ラインハルトのもとで内務尚書ぐらいにはなるでしょう。しかし、ラインハルトから信頼を寄せられるとは思われず、必要悪として使われるだけで、重大な失策を犯せば、すぐ切られるでしょう。おそらく、ルビンスキーあたりにそそのかされ、自分の策におぼれて、自滅するのではないでしょうか。つまり、ラングが演じた役回りを代わりに演じるという結果に終わりそうです。
- 親記事No.1950スレッドの返信投稿
- board4 - No.1955
Re:トリューニヒト
- 投稿者:むつのかみ
- 2002年06月02日(日) 18時59分
彼の生まれた家柄にもよるんじゃないですかね。
貴族に生まれたら、リップシュタット戦役でかなり面白い動きをすると思います。
同盟の政治業者を上手く操っていたから、これより単純な貴族を操るのは容易でしょうから。平民だったら優秀な官僚で終わりそう。
成り上がるのがラインハルトの元帥府しかないでしょうから、
オーベルシュタインの部下で、情実に長けた次官として名前を残すんじゃないかな。
なにせ同盟市民を誑しこんだくらいだから、オーベルシュタインの人当たりの悪さを完璧にフォローできそう。
- 親記事No.1946スレッドの返信投稿
- board4 - No.1956
Re:有事法制について
- 投稿者:山室
- 2002年06月03日(月) 04時04分
今の田中芳樹氏の作品である創竜伝と、クラウンという本を読みました。
そこで、私もその事について興味があります。
田中芳樹氏はこの有事法制について今どう考えていらっしゃるのでしょうか?
昔の作品を読んだだけでは、自衛隊が軍隊となることに反対しているように思えます。
しかし、今の作品を読むと、もっと陰湿な表現が使われており、私にはその真意は読み取ることはできませんでした。
戦前の日本が、若者の思想コントロールに教科書を使ったように、大量発行された本は、人の思想に深く影響を及ぼすと私は考えます。
三島由紀夫のように、自らの体を持って自分の信念を貫こうとするならまだ私は共感を覚えます。
しかしこのように、わけの分からなくなった本はどのように扱えばいいのか私は分かりません。
以前の私のように、無視をすればいいのでしょうか?
- 親記事No.1946スレッドの返信投稿
- board4 - No.1957
Re:有事法制について
- 投稿者:Zero
- 2002年06月03日(月) 14時15分
「銀英伝」で再三「軍隊はシビリアンコントロール下に置かれるべきだ」
とヤンに言わせてますから、軍隊を法制下に置くことには肯定的なのでは?
それを遵守しなかった「救国軍事会議」の扱いを以てもそう感じます。「自衛隊が軍隊となることに反対しているようにみえる昔の作品」や、
「もっと陰湿な表現が使われている今の作品」というのがどの部分を
指しているのかは分かりませんが、そんなにあからさまに変わりましたっけ?「自分に真意の読みとれない本」と、「人の思想に深く影響を及ぼす」というのは繋がってるのですか?
それとも、後者部分は「田中作品に限ってでなく」と言うことですか?三島由紀夫が自分の思想に忠実だったことは同意しますが、その後の
文の意味もよく分かりません。
「田中芳樹氏」が「どう考えている(と感じている)」のに「どう
行動している(と感じている)」と言われたいのでしょう?
この辺りは、氏がブルームハルトの祖父と同じ「不平屋」気質を
持っているだけなのでは、と僕は考えます。
何か、思想を矛盾した行動をとってると分かる部分があるのですか?僕は、田中芳樹作品を思想の教科書的に感じたことはないので、
そこまで気にしたことはありませんでした。只、戦前の教科書と違って「読まない自由」を行使できない出版物は
現代に於いては無いのでは?田中芳樹氏の作品内における「政治」の扱いに関しては、やはり意識的に
卑小化している様には感じます。トータルで政治の意義を考えるのでなく、
ピックアップされたマイナス面をよく取り上げてますしね。
#ムネオも創竜伝の次期標的になっているかもしれない(^^;
まぁ、これは単に作品に於いて主人公と反対側の陣営をそう見せる
ことで、主人公側を映えさせたいだけなのでしょう。
「天才」を際立たせるために、一般人を必要以上に愚かに表現する
等と同じですね。まぁ、昨今の田中芳樹作品が振るわないのは、「一作品に掛ける
時間が長すぎるところ」にもあるのではないでしょうか?
「創竜伝」や「アルスラーン」がその最たるところですが、
時間を掛けすぎて、作者自身の創作意欲に低下が起こったり、
構想に対する「自己内補完」に収集がつかなくなっている感が
あります。年を取っても日々入手する情報で細かいモノの考え方は
変化します。それを、「一定期間内」という作品時間で反映させる
と、変な矛盾が出たりするのかもしれません。脱線してきましたので、この辺で。
- 親記事No.1950スレッドの返信投稿
- board4 - No.1958
Re:トリューニヒト
- 投稿者:とっしー
- 2002年06月03日(月) 14時47分
田中芳樹的な物語作りではまずありえないですが。
何かの間違いでトリューニヒトとグリューネワルト伯爵夫人が深い仲とかになっちゃうと人間ドラマとしては凄く面白いでしょうなぁ。(^_^;)
たとえばキルヒアイス横死の後とか・・・
トリューニヒトとラインハルトという、政治手腕においてこの時代最大の実力者(性質において両極端だが)が公私共に陰湿に対立するわけです。ああ楽しそうだぞ。思わずSSを書きたくなってきました(w
- 親記事No.1726スレッドの返信投稿
- board4 - No.1959
Re:感謝と感想
- 投稿者:Zero
- 2002年06月03日(月) 15時07分
初めまして。少し説明させてください。
> とても高度な議論で、理解力が追いつかない部分も多々ありましたが、私は、移動要塞は技術的に可能だったという説の方が説得力がある、と感じてます。
冒険風ライダーさんの「移動要塞論」に反論している論の多くは
「技術的」というよりも、その「恒常運用」に重きを置いています。
「ガイエスブルグ」という事実がある以上、技術的に全く不可能とは
断じる事ができないからです。
只、「帝国で出来た事が同盟で全く問題なくできたか?」
「ガイエスブルグの一回の航海は、イゼルローンの半永久的航海
の根拠になり得るか?」辺りがメインだった訳です。あ、「冒険風ライダーさんの論の方が説得力がある」という考えに
掣肘を加えようと言う意図は全くありません。
念のため。
1/nのif論としては充分評価できうるものでしょう。
賛同できるかどうかが別、というだけですね。> ストーリーをストーリーとして楽しむのと、一歩話から離れた視点から変なところを突っ込んで「これじゃあみんなバカだぞ」と言うのは全く別の楽しみ方だと思いますので。
> だから矛盾点を突っ込んで楽しむ場面で、特にキャラクターたちがバカと呼ばれるのに抵抗も感じてませんでした。これが、「仲間内の会話」であれば、特に問題ないのでしょうが、
ある意味公共の場でのこういう意見は、投稿者の意図が完全に
分からない分、判断が難しいですよね。
特に今回の冒険風ライダーさんの投稿は「正史の代案」とした論を
根拠にしたキャラクタへの攻撃(と僕は感じた)ですから。> 特に、今まで気づかなかった変な点を指摘して、数々の反論に説得力ある説明を返されていた冒険風ライダーさんは凄いと思ってます。
確かに、着眼点はおもしろいとは僕も思いました。
普通のif論であれば、もっと建設的な議論が出来たと感じます。
只、以前にも書きましたが、彼の論の肯定イコール、キャラクタ
攻撃への追随と解釈され兼ねないので安易に賛成できませんでした。やはりifはifとして楽しむべきで、ifを根拠に作品を貶めるのは
どうかと思います。
- 親記事No.1726スレッドの返信投稿
- board4 - No.1960
Re1945/1949:作品擁護論の難しさ
- 投稿者:冒険風ライダー
- 2002年06月03日(月) 15時16分
>平松さん
<三〇〇〇年以上も未来の銀英伝世界ならば、優秀な断熱材も存在するでしょうから、それを用いて動力部や居住区からの熱を遮断してしまえばある程度の期間は問題ないのでは?酷寒のアルタイル第七惑星ならば、居住区などに用いる断熱材も怪しまれずに入手しやすいでしょうし、そうであれば船体維持の為にドライアイスの船体を巨大なものにしなければならない理由はありません。また、動力部(多分核融合炉)の冷却システムなどの性能も不明な以上、動力部の周辺に数千~数万度もの高い温度が発生しているとは断定出来ないのではないでしょうか。イオン・ファゼカス号の航行が期限付だったのは、温度よりもむしろ所詮ドライアイスである船体の強度に問題があったからなのではないかと思います。>確かに核融合炉が成立している銀英伝世界であれば「優秀な断熱材」なるシロモノは当然存在するでしょうが、問題なのは「それらの材料を奴隷階級の面々がどのようにして手に入れられるのか」ですよ。第一、自分達に反抗した奴隷階級など平民階級にも劣る虫けら以下の存在としか思っていないであろう帝国政府が、惑星外部からの物流の流れを自由化したり、自由に物資を獲得することが可能な経済的環境を保障したりしてやるほどに「お人好し」な組織だったとはとても考えられないのですがね。
奴隷階級の生活に関しては、「矯正区」に収容される同盟軍捕虜とほぼ同じないしはそれ以下というのが実態に近いのではないでしょうか。具体的に言うと、惑星内部では乏しい食糧しか自給できず、物資に関しては必要最低限な生活必需品(衣類や医薬品など)しか供給せず、少数の監視員が監視装置・監視衛星などを使って過酷な労働に従事させつつ、定期的に生存者と死亡者のチェックを行う、といったところでしょうか。前にも述べたように帝国政府にとっては奴隷階級など「死んでくれればありがたい」ゴミ以下の存在でしかないのですから、その生活環境が同盟軍捕虜以下であっても何の不思議もありますまい。
この環境では宇宙船の材料どころか、そもそも食糧や生活必需品の充分な確保にすら四苦八苦し、その獲得をめぐって奴隷階級同士互いに相争うほどの苛酷な惨状が予想されます。少量ならばともかく、巨大宇宙船の動力部や居住区を全て覆いつくせるだけの断熱材の確保はほぼ不可能に近かったことでしょう。
それと動力部の熱に関しては、あのドライアイスがエンジンや核融合炉の冷却材としての機能も担っていた可能性が高いと私は考えています。これならば、あのドライアイスの膨大な量が何故必要だったかの説明にもなりえますからね。<シェルター云々の件は確かに拡張解釈と言えるものですが、そうでも考えないと、どうやって40万人が乗れる巨大宇宙船の製作を3ヶ月もの間隠蔽し切れたのかという説明がつかないんですよね。まあ、リンチ少将が収監されていた辺境の矯正区の記述で「徴兵制をしいているといっても人的資源には限界があり、じつのところ辺境星区のすみずみまでは手が行き届かないのである」(2巻P37)とあるので、実際の所監視員の数もやる気も少なく、監視の目はかなり粗かったと考える事も出来ます(それでも全長120キロもの宇宙船製作を3ヶ月も隠蔽し切れるとは思えませんが)。>
これに関しては前にも言いましたが、やはり惑星内部の監視員達全てを武装蜂起なり懐柔工作なりで完全制圧してしまい、かつそのことを徹底した隠蔽工作によって一切外部に洩らさなかったというのが実情に近いのではないでしょうか。そもそも監視員を一時的にせよ制圧しておかないと、隠蔽問題もさることながら、奴隷階級全体が彼らによって奴隷労働(例の第七惑星ではモリブデンとアンチモニーの採掘)を強制させられてしまうため、宇宙船建造に専念することができなくなってしまうのですから。彼ら全てが竜堂兄弟レベルの超人でもない限り、奴隷労働に従事しながら、あれほどまでに巨大な宇宙船を、しかもたった3ヶ月で建造できるはずがないでしょう。
数年単位もの長期間ならばともかく、3ヶ月程度の間ならば、余程の不運にでも遭遇しない限り、惑星内の監視員を完全に制圧してしまい、情報統制を巧みに駆使することで、宇宙船の建造を外部の目から完全に隠蔽してしまうことは可能でしょう。それこそ帝国政府にだって「人的資源には限界があり、じつのところ辺境星区のすみずみまでは手が行き届かないのである」わけですし。
宇宙船建造が敵側の監視の目に晒される危険性があるのであれば、無理に隠蔽するよりも監視の目そのものを消してしまった方がはるかに効果的だと思うのですが、いかがでしょうか。<まあ、いずれにせよ銀英伝内における科学技術の詳細が分からない以上は、これらに関して議論を続けても千日手にしかならないと思いますし、この辺りで終わりにしたいと思うのですが(他の人からの勧告もあった事ですし)。>
とりあえず私としては、「長征一万光年」を取り上げることで「同盟側にも要塞クラスの体積&質量を移動させられるだけの技術は存在した」「無限の自給自足能力は実在し、かつ移動しながらの自給自足システムも技術的に可能である」ことを立証するという目的はある程度達成されたわけですから、そちらにそれ以上の意見がないのであれば、この件に関する議論は終了してもかまいません。
というか、私は平松さんのNo.1939の投稿があるまでは、「長征一万光年」関連の議論どころか、当スレッドにおける議論それ自体がその前の投稿で終結したとすら考えていたのですけどね。>No.1949
<そもそも銀河英雄伝説のifを考えるとき、
いわゆる行間を埋める作業がほとんどになり、
本文記述が役に立たないという制約が存在します。
つまり、点と点を結んで線にする作業なのですが、
銀河英雄伝説においては点と点の間隔が広いうえ不規則・相互矛盾であり、
読者の解釈次第でどうとでも結べてしまうんですよね。
だから同じ記述を読みながらまったく正反対の結論が出てしまう。
Zeroさんが「オレ設定」と言ってましたが、
まさにそうで、結局のところどちらの「オレ設定」が説得力があるかという話に過ぎません。>何を言っているのですか。私に対して反論してきた人達のすくなくとも半分ほどは、私の主張への反論を優先するあまり、銀英伝の作品設定との整合性に対する配慮どころか、そもそも銀英伝の作品設定そのものに対する知識すらもおざなりにしたまま、その場しのぎの裏設定をでっち上げていただけではありませんか。そのようなやり方では、たとえ私の主張をその場限りで覆したとしても、銀英伝の他の設定と確実に矛盾をきたすことになってしまい、作品擁護論としては絶対に成立しないと、私はこれまでの投稿で手を変え品を変え何度も繰り返し述べてきたはずですが。
そしてこれまた私は何度も述べてきたことですが、作品擁護論というものは作品批判論の何倍も難しく、そもそも作品設定すらもロクに掌握できていないような人が手軽に作成できるようなシロモノなどではないのです。作品擁護論では、その作品を構成する世界設定やキャラクター設定といったもの全てをことごとく知り尽くした上で、それらの設定のいかなる箇所にも一切抵触することのない、作品世界の世界観にも綺麗に合致した裏設定を、全く矛盾のない理論で完璧に説明する必要があるのです。これは作品設定の矛盾点を検証し、それを指摘すれば良いだけの作品批判論とは比べ物にならないほどに難易度が高いのです。
また、作品論を語る際には、作品のテーマやそれを書いた作者自身の意図および思想的背景、さらには他の作品の執筆姿勢などについても同時に考慮していく必要性があるでしょう。作品のテーマや創造主である作者の考え方といったものと全く相容れない裏設定で作品を擁護するような行為は、作品に対しても作者に対しても失礼極まりないことですし、他の作品と照らし合わせることによって、作者の考え方や作品の共通点・相違点などがおぼろげながら見えてくることもあります。そういったささやかなことが、意外と作品論を語る際に色々と役立つことが多いのです。
これまでに私に対して反論してきた人達の「作品擁護論」と称するもののすくなくとも半分以上は、ただ私の作品批判論をひっくり返すことのみに血道を上げているだけで、作品擁護論にとって最も重要な「作品設定の整合性」や「作者の意図や思想的背景」に対する配慮ないしは考察が根本から欠如してしまっています。そして作品批判論は、そういったものに対する考察はともかく、配慮に関しては一切必要がないわけですから、どちらが論を展開するに際して容易であるかなど、考えるまでもなく自明の理な話でしょう。
作品擁護論は作品批判論の何倍も難しく、その検証には作品批判論以上の設定踏襲と設定配慮に基づいた理論的説得力が必要である。今回私に反論してきた人の大半に欠如していた認識がこれなのでしょう。あまりにも作品設定に反した、安易かついいかげんに作成したとしか思えない破綻した「作品擁護論」モドキが次から次に出現し、そんなもので擁護されるのでは銀英伝も田中芳樹もたまったものではないだろうと考えたからこそ、今回私は孤軍奮闘で「作品擁護論」モドキに片っ端から反論していったのですよ。
下手な作品擁護論は、下手な作品批判論よりもはるかに作品と作者に対する深刻なダメージになりえるということをもう少し自覚した上で、作品設定に基づいたきちんとした作品擁護論を、私に反論した人達には是非とも展開してもらいたかったところなのですけどね、私としては。<そもそも発端のあの解釈がいただけません。
「どのみち、急速に事態が変わるとは思っていません。
国父アーレ・ハイネセンの長征一万光年は五〇年がかりでした。
それぐらいの歳月は覚悟しておきましょうよ」
「五〇年後には、おれは九〇歳になってしまうな、生きていれば、だが」
この会話が無限補給の根拠の一つにされていますが、
これは世間話のレベルだと解釈するのが普通でしょう。
ハイネセンの故事を引き合いに出して、物事は困難を極めるから長い時間かかるだろう。ああ、そうだね、と。
もっともこういう解釈論を言い出せば、
この記述だって冒険風ライダーさんは、
補給の専門家が50年のお墨付きを与えたと根拠にされてしまうくらいですから、
他にもそのように読み取った人が居ないともかぎりません。>今更こんな周回遅れな反論を展開されましてもね~。私はこれと全く同種の質問に対してNo.1896ですでに反論を書いていますよ。しかも銀英伝の記述付で。
そちらをもう一度読み直してみることですね。何度も同じ内容の反論を繰り返し書くのも疲れますし、ソースの無駄でしかないでしょう。<それから、作中人物をバカにしたという話については、
これは一方的に冒険風ライダーさんに非があります。
どなたかがシャーロッキアンに喩えられていましたが、
シャーロッキアンがあのようなことをするのは作品を愛しているからです。
けっしてホームズはこの程度のことも分からなかったから馬鹿だとか、
俺の方が利口だとか、そんなことを自慢するためにやっているんじゃないですね。
ですから、「オレ設定」でもって作中人物を無能呼ばわりするなんてもってのほかです。
こういう行為は初級のシャーロッキアン以下ですね。>私は銀英伝の記述に基づいた批判を行っているだけなのですけどね。私に言わせれば、作品検証に耐えられない、デタラメかつ作品設定に著しく反した裏設定に基づいて作品を擁護するような行為こそが「作品と作者に対する冒涜行為」とすら言えるものなのですが。
銀英伝を題材にしたヤオイ系同人誌を製作し、田中芳樹の怒りを買った同人作家達も、さぞかし銀英伝という作品を愛していたことでしょうね。それがどれほどまでに作品と作者を貶めることになるかも知らずに。下手な作品擁護論とは、本質的にはこれと同レベルな事を結果として行っているシロモノでしかありえないのですよ。だからこそ、作品擁護論というものは作品批判論以上に完璧なものである必要があるのです。
ちなみに「下手な作品批判論」で一番傷つくのは、下手な作品批判論を展開した人自身と、その論を信奉した人達だけであって、作品にも作家にも傷が及ぶことは全くありません。作品擁護論と作品批判論、どちらがより作者と作品に対して重大な責任を負うことになるのか、答えは歴然としているのではありませんか?
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- board4 - No.1961
Re:Re「:長征一万光年」関連
- 投稿者:Zero
- 2002年06月03日(月) 15時27分
>> <アルタイル星系が何処にあるかは分かりませんが辺境でしょう。
>> 想像するなら、イゼルローン回廊に比較的近い星系だと思われます。
> アルタイルは実在する恒星で、わし座の一等星で日本では彦星と呼ばれています。
※※以下略※※細かい補足ありがとうございます。
言われてみれば、そんな気もしますね。
地球自体が「辺境」と呼ばれてますから、充分納得できます。
#架空星域という変な先入観がありました。> それにしても「長征一万光年」についての記述は至って少ないですね。この少ない記述のみを元にして仮説を立てても、強い説得力を持たせるのは難しいのではないでしょうか(自分の説もそうですが)。
宇宙歴800年前後で、2~3ヶ月で移動できる区間に
50年から掛けた理由が、航行技術に限定しても「どれ位の迂回を
したのか」「どれ位の技術的差違があるのか」等々いくらでも解釈の
余地がありますしね。