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投稿ログ94 (No.1728 - No.1743)

board4 - No.1728

冒険風ライダーさまの考察を拝見して

投稿者:イッチー
2002年04月14日(日) 17時23分

ふと思ったのですが、「神々の黄昏」作戦の時に、ヤンはイゼルローン要塞を放棄して、同盟軍救援に向かいましたが、イゼルローン要塞ごとワープして、同盟軍に合流すれば良かったんじゃ・・・。そうすれば、帝国軍はトゥールハンマーで壊滅的な打撃をうけて、撤退せざるを得なくなるんじゃなかったのかと。
第8次イゼルローン要塞攻防戦のあと、要塞ワープの方法について研究を怠った同盟政府国防委員会とヤンは怠慢のそしりをまぬかれないと思います。

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board4 - No.1729

Re:反銀英伝ネタかな?

投稿者:イッチー
2002年04月14日(日) 17時41分

> ことの推移を整理してみましょう。トリューニヒトはバーラトの和約で自分と自分の家族の安泰と引き換えに同盟の降伏を申し出ました。仲間も一緒に帝国に逃げられるようとりはからうのならともかく、自分だけの安泰をトリューニヒトははかったのです。
> しかし、ラインハルトはヤンに殺され、和約は反故となります。双璧は無辜の市民を害することもなく整然と帝国に帰っていきます。ラインハルトが殺された以上、トリューニヒトはおいてけぼりです。そのトリュー二ヒトが今度はそしらぬ顔でヤン討伐を命じても、自分たちを見捨てようとしたトリューニヒトの命令を誰が聞くでしょうか?おそらく、トリューニヒト派の軍人たちも言うことをきかないでしょう。ハイネセンポリス市内は市民暴動で騒然となるでしょうし、機を見るに敏なロックウェルあたりがトリューニヒトを始末するかもしれません。仮に殺されなくてもトリューニヒトは外患誘致罪かなにかで裁かれる可能性もあります。
> >

考えてみたら、同盟軍の主力はヤンと共にあって、惑星ハイネセンはがらあきなんですよね。そのうえ、アルテミスの首飾りもないし・・・。仮にトリューニヒトがヤン討伐を命じても、彼にはヤンに対抗する武力はありませんから、ヤン艦隊がハイネセンに近づくにつれて、同盟政府は恐慌状態になり、内紛が始まるでしょう。ちょうど、レベロ政権末期と同じ状態になるわけです。おそらく、ヤン艦隊の報復を恐れたロックウェルあたりがトリュー二ヒトを始末して、自己の安泰をはかろうとするのではないでしょうか?
 そのあとはアイランズが後継首班に就任して・・・というシナリオですすむと思います。

ところで、私がビュコックだったら、ラインハルトを討ち取らないでおめおめ戻ってきたヤンに「なんであのとき、ブリュンヒルトを攻撃しなかった!この馬鹿もんが!我々は命などどうでもよかったんじゃ!」と叱り飛ばすと思うのですが・・・。

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board4 - No.1730

Re:反銀英伝ネタかな?

投稿者:赤の8番
2002年04月14日(日) 18時13分

イッチーさま、旅(?)に出ていたので手短に。

> 一・三は専制政治から民主制への揺籃期の出来事とおっしゃるかもしれませんが、二は明らかに近代民主国家で起こった出来事です。トリューニヒト政権が総辞職して、アイランズ政権が誕生するというのは、1960年の日本で岸内閣が総辞職して池田内閣が誕生したというレベルのことです。(政権与党は変わらない)それくらいのことは市民暴動で実行可能でしょう。同盟憲章には抵抗権も認められているそうですし・・・。(コミック版10巻でシャンゴ星市長が言っています)

この程度の政権移譲で「政府の停戦命令を無視してしまった軍司令官」が弾劾を免れえるかというところです。市民の反発が怖くてあからさまな弾劾ができなかったとしても、何らかのペナルティはあるでしょう。また新規に政権を握った側からしても、ヤン司令官は非常に怖い存在です。さて、どう扱うでしょうか。

#市民の力とかこの国の政治に夢も希望も持てない私見がだいぶはいっているかもしれません。トリューニヒトが失脚してももっと保身に走るヘタレ政治家が現れる程度にしかどうしても期待ができないので。岸内閣も池田内閣も結局たいしてかわらない、政権交代してみせただけ・・・うがちすぎですかね?

> あくまでも同盟領併合を目指すか、休戦を目指すかのどちらかだと思います。ラインハルトは全宇宙の統一という壮大な目標を持っていましたが、ラインハルトの幕僚たちはラインハルトに従っていただけで別に同盟を何がなんでも滅ぼそうという考えはないでしょう。それはロイエンタールが反乱を起こしたとき「おれが欲しいのは銀河帝国だ。同盟領は共和主義者にくれてやる」と言っていたことからもうかがえます。ただ、「ラインハルトさまの仇を討ってやる!」と幕僚たちが思い込んでしまったら、あくまでも同盟再侵攻を目指すでしょう。
>  ただ、同盟領侵攻のコストが高いと思えば無理に同盟には侵攻しないと思います。ですから、同盟としてはフェザーンで暴動を起こさせて、帝国軍をそっちにかかりきりにさせることとイゼルローン要塞を再奪取して帝国軍の戦意を喪失させることが必要でしょう。

なるほどです、そこで思いましたが帝国の動揺を鎮められたタイミングで、国威掲揚の目的もあって、「ラインハルトの志を達成するために」同盟侵攻は考えるかもしれないですね。(さすがにあだ討ちでは大艦隊を動かせないでしょうから。)
フェザーンへの帝国と同盟の策謀合戦、になるのでしょうか。以外とラインハルト以前の両国のバランスに立ち戻るのかもしれません。

(すみませんコミック版は存じませんのでご容赦を)
ではまた。

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board4 - No.1731

Re:反銀英伝ネタかな?

投稿者:赤の8番
2002年04月14日(日) 18時18分

> 考えてみたら、同盟軍の主力はヤンと共にあって、惑星ハイネセンはがらあきなんですよね。~中略~>  そのあとはアイランズが後継首班に就任して・・・というシナリオですすむと思います。

いえてますね、その筋が一番アリかと思います。
>
> ところで、私がビュコックだったら、ラインハルトを討ち取らないでおめおめ戻ってきたヤンに「なんであのとき、ブリュンヒルトを攻撃しなかった!この馬鹿もんが!我々は命などどうでもよかったんじゃ!」と叱り飛ばすと思うのですが・・・。

私も本を読んでいて「なんですとぉ!あんな戦争好きを生かしておいてはいかんじゃないか!!」と激怒しました(笑)。

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board4 - No.1732

Re:反銀英伝ネタかな?

投稿者:イッチー
2002年04月14日(日) 19時25分

> イッチーさま、旅(?)に出ていたので手短に。
赤の8番さま、おかえりなさい。
>
> この程度の政権移譲で「政府の停戦命令を無視してしまった軍司令官」が弾劾を免れえるかというところです。市民の反発が怖くてあからさまな弾劾ができなかったとしても、何らかのペナルティはあるでしょう。また新規に政権を握った側からしても、ヤン司令官は非常に怖い存在です。さて、どう扱うでしょうか。
>
機を見るに敏なトリュー二ヒトが自分の意のままになる政治家を後継に指名して、総辞職し、生き残りをはかる・・・ということはありそうですね。しかし、それでも、ことは国家の存亡ですから、ハイネセン市民はおさまらず市民暴動。さらに、トリューニヒト派に武力はないわけですから、ロックウェルあたりによるトリューニヒト派の政治家の粛清→アイランズ政権の樹立という方向に向くでしょう。

> #市民の力とかこの国の政治に夢も希望も持てない私見がだいぶはいっているかもしれません。トリューニヒトが失脚してももっと保身に走るヘタレ政治家が現れる程度にしかどうしても期待ができないので。岸内閣も池田内閣も結局たいしてかわらない、政権交代してみせただけ・・・うがちすぎですかね?
>
銀英伝とは話しがずれますが、私は池田内閣行以降、明白な憲法に対する挑戦を時の政府がおこなわなくなったというところに(それが言いか悪いかは別にして)岸から池田への政権交代の意義があったと思います。日本の政治(とマスコミ)がここまでだめだめになったのは良い政治家・良いマスコミ人を養成するのを怠ってきた有権者の責任でしょうね。

>> なるほどです、そこで思いましたが帝国の動揺を鎮められたタイミングで、国威掲揚の目的もあって、「ラインハルトの志を達成するために」同盟侵攻は考えるかもしれないですね。(さすがにあだ討ちでは大艦隊を動かせないでしょうから。)
> フェザーンへの帝国と同盟の策謀合戦、になるのでしょうか。以外とラインハルト以前の両国のバランスに立ち戻るのかもしれません。

おそらく、フェザーンに自治権が付与される以前のバランスに立ち戻るでは?仮にフェザーン暴動を鎮圧しても、同盟との貿易は途絶するは同盟内のフェザーン資本は同盟政府に接収されるではフェザーンはたちまち深刻な経済不況に陥るでしょう。銀河の経済の中心・フェザーン発の経済不況は帝国・同盟を直撃しかねません。ここでイゼルローンが再奪取されれば、帝国も休戦に向かうのでは?そうすれば、イゼルローン回廊も中継貿易の要地として栄えそうです。
もう一つの可能性はあくまでも帝国が弔い合戦に拘泥する場合です。イゼルローン要塞が再奪取されたあと帝国はフェザーンを軍事基地化して同盟再侵攻をうかがいますが、おそらく同盟もフェザーン回廊の出口に艦隊を配置するでしょうから、にらみ合いが続きそうです。その場合、両軍にらみ合った場合、事実上の休戦状態が続きそうです。
>
> (すみませんコミック版は存じませんのでご容赦を)

コミック版は小説で言うところの2巻で終わっています。コミック版10巻では小説ではないセリフをシャンゴ星の市長が次のように言っています。「同盟憲章の条文にある抵抗権『人民が権力の不正に対して実力で行使する権利』を行使しようというわれわれの意志を拒否しようというのですか?」
 どうでもいい話ですが、ラインハルト・キルヒアイス・ジェシカの描写はコミック版の方が好きです。(笑)

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board4 - No.1734

Re:銀英伝考察3-2 ~銀英伝の戦争概念を覆す「要塞」の脅威~

投稿者:せらぴす改
2002年04月14日(日) 21時27分

掲示板に書き込みするのは、初めてです。

ふと思ったのですが、本国から遠距離に有る上、絶大な戦闘能力持ち、更には完全な自給自足が可能な要塞なんてのは、政治的にはあまり有り難くないのでは?
特に末期の同盟のように、政府や軍のモラルが低下している状況では、容易に軍閥化への道を辿りそうですし、イゼルローン共和国なんて、まさにそのものですよね。その場合、将兵の家族が在住してることは、分離への追い風になりそうな気がします。
詳しい描写はありませんでしたが、要塞が帝国の手にあった時は、居住者は軍人のみって感じでした、これは反乱を警戒していたと考えられないでしょうか?ましてこれが移動可能だったりすると、とんでもないことになりそうです。にしても、移動要塞の独立国家で某18禁ゲームが浮かんだ俺って・・・

後、イゼルローンは在日米軍基地がイメージとしてありそうな気がします。

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board4 - No.1735

Re:銀英伝考察3-2 ~銀英伝の戦争概念を覆す「要塞」の脅威~

投稿者:tina
2002年04月15日(月) 11時55分

どうも。初レス失礼させていただきます。
いやぁ、なんというかすごいっすね。さすがというかなんというか。
精密な検証から非の打ち所のない論の運びまで、素晴らしいと思います。
なんかユーモアの量の差(悪意の差?)を除けば、空想科学読本みたい(笑)
ただ、ここだけは納得いかなかったので書かせて頂きます。
他は大方認めますが。

>これならまだガイエスブルク要塞を「イゼルローン占拠作戦の拠点としてしか活用していな」かったケンプの方が、ラインハルトやヤンよりも余程まともな用兵家であったとすら言えるではありませんか。「要塞特攻」に対して色々述べておきながら、結局あの2人は要塞対要塞の戦いから何も学んではいなかったことになるわけなのですから。
>  これではせっかく「移動要塞技術」という素晴らしい画期的なアイデアを提唱したシャフトも、それに殉じて戦死してしまったケンプも浮かばれないですね(T_T)。
>

これは明らかに違うと思います。
ヤンについては、もちろん帝国軍によるフェザーン占領までは自分の要塞を破壊する必要がありません。
フェザーン占領以降はラインハルトと戦っていたためそんな作戦はムリ。
ヤンがハイネセンを脱出してからは、要塞再奪取の勝算もあり、定住する場所もないということで、破壊するよりは占拠した方がよい。
それ以降は死に至るまでイゼルローン回廊を大きく離れて戦ってはいません。
ということで、ヤンには少なくとも要塞を破壊する機会がなかった、と。
というより、ヤンはケンプ以前にアルテミスの首飾りを氷の塊(だっけ?)で破壊しています。
どちらかというと、ケンプの方がヤンに学ばなかったのでは?

ラインハルトはといいますと、ケンプの作戦失敗以降は、内政と謀略を主に行っており、その上もうこのころにはフェザーン占領の作戦が胸中にあったはずです。
フェザーンを占領すれば、ヤンがイゼルローンを離れる事は推測していたはずで、無血占領、ないしは犠牲が極めて少なくイゼルローンを占領できると分かっているのに、破壊するのは得策ではありません。
だから、ラインハルトがイゼルローンに対し、再度手間と暇をかけて破壊するという行為を行わなかったのには正当性があります。
再奪取されるまでは帝国軍の手にあったわけですから置いておいて、問題はその後です。
これから後の戦争は、ラインハルトの矜持によって行われたものであり、「ヤンと艦隊戦において雌雄を決する」という目的があるわけです。
その目的の定め方の是非はともかくとして、目的達成のためにそういう戦術をとらなかったのには正当性があります。
「同盟への侵攻」が目的のケンプの時とは明らかに違うわけです。
ただ、ヤンがイゼルローンから出てきた隙にその戦法を使い、帰る家をなくすというのはつかえたかと。
まぁあくまでも艦隊戦にこだわったのでしょう。
ロイエンタールの時も要塞戦は出てきません。ただ共和政府が通過を断ったらこの戦法が取られたかもしれないですね。
その後のユリアン達との戦闘も偶発的なもので、この戦法を準備する時間がなかったのでしょう。
と、いうことでラインハルトにもこの戦法を取る機会がなかったかと。
矜持で目的を定めること自体が「限界」であるとおっしゃられるかもしれませんが、そうすればこの戦争自体が無意味です。
戦術的には間違っていないということで。

だからやっぱりケンプは限界だと思います。
ただ、これだけ色々と言ったところで、「移動要塞」の可能性に気付かなかったのは確かに大きなミスですね。

ここから書くのは結構今思いついたことなんですが。

ただ、一つ考えられるのは時間やお金がなかったからかも。
ケンプが死んでからフェザーン占領までどのくらいありましたっけ?
同盟の財政は大赤字の上に、あの権力者達がこれを理解するかどうか。
やっぱそこまで実際は時間的・経済的余裕もなかったんじゃないかなぁ。
ってか思ったんですけど、イゼルローンを移動式にするってかなり大規模な工事ですよね。
ガイエスブルグの時は国内だからいいとして、イゼルローンは国境でしょ?
そりゃばれますよ・・・。速攻で死に物狂いで攻撃してきますよ・・・。
でも、なぜラインハルト側がやらなかったか。
もしかしたら、他の要塞は皆そんな自給自足の機能を有していなかった、もしくは規模がとても小さかった、とか。
銀英伝のゲームとかやってもあの二つだけ機能突出してますよね。
特にイゼルローン。補給可能なのがハイネセンとオーディンとイゼルローンとフェザーンだけになってたような気が。
同盟占領以降は、ラインハルトはいつの日か同盟を完全に征服するとしても、確実に勝てたわけで。
わざわざイゼルローンを移動要塞にして後々の問題を作ることもない、と判断したとしても正当です。

再奪取した後が問題ですよね。
なぜヤンは移動要塞にしなかったか。
一、やっぱどうやったって工事はばれる。工事中のイゼルローンで戦闘・・・。そりゃあないっしょ・・・。
二、政治的にも経済的にもまだ始まったばかりであった。
三、やっぱ時間の問題。
それとも、移動要塞にするにはなにか足りない自給物資があるとか!まぁこれは推測ですが(笑)
ラインハルト側は、やっぱラインハルトの矜持の問題では。
ってか結局議論はここに行き着くんですけどね。
ヤン亡き後も、やっぱさっき書いたように後々問題になりますよ。移動要塞にすれば。
そこまで強大な敵がいないので、リスクを犯してまでやる必然性を感じなかったのでしょう。
よーするに、「工事」という概念が抜けている気がしました。

だから、やっぱり銀英伝のなかでそういうプランが行われなかったのには正当性があるのでは。
ヤンやラインハルトがもうちょっと長く生きれば、そういう展開になったかもしれませんね。

と、ここまで弁護しましたが、やっぱ作者的には盲点だったんだろうなぁ・・・。
でも、ヤンやラインハルトはそうやって正当性に基づいて行動していたんじゃないかなぁ。
もうすでに作者を超越しているってことで(笑)

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board4 - No.1736

Re1728/1734:要塞あれこれ

投稿者:冒険風ライダー
2002年04月15日(月) 13時50分

 レスする前に、まずはお二方とも、はじめまして。
 イッチーさんの投稿はスレッド違いですが、こちらで返答させて頂きます。

>イッチーさん
<ふと思ったのですが、「神々の黄昏」作戦の時に、ヤンはイゼルローン要塞を放棄して、同盟軍救援に向かいましたが、イゼルローン要塞ごとワープして、同盟軍に合流すれば良かったんじゃ・・・。そうすれば、帝国軍はトゥールハンマーで壊滅的な打撃をうけて、撤退せざるを得なくなるんじゃなかったのかと。>

 トゥールハンマーにそんな威力はないですよ。1回当たりのトゥールハンマー主砲斉射で敵艦隊に与えられるダメージはせいぜい1500~2000隻ほどしかなく、しかも1回の主砲斉射に時間がかかりすぎるため、エネルギー充填→主砲発射までの過程を2回ほど行った辺りの時間で、敵は完全に主砲の射程圏内から離脱できてしまいます。これでは件の同盟軍救援の際にイゼルローン要塞を持っていったところで、戦果は銀英伝本編と同様に敵に攻撃を止めさせ、後退させるのが関の山であまり意味がありません。
 そもそも銀英伝考察3で述べたように、銀英伝における要塞が持つ「最強の武器」は「無限の自給自足能力」を使って敵に無制限の持久戦を強いることにあるのであって、主砲や外壁も、その絶大な攻撃力と防御力で敵をひるませ、自軍に対する攻撃をためらわせるという戦法を駆使するのが一番有効な使用方法です。要塞の主砲や外壁というものはいわゆる「決戦兵器」なのですから、極端なことを言えば「使わないこと」にこそ意義があるのです。
 トゥールハンマーは「決戦兵器」ではあっても「万能の武器」などではありません。そのような兵器を前面に押し出して敵を積極的に攻撃するという戦法は、その隙を敵に乗じられてしまう恐れが高い極めて危険な手段であるように思えるのですが。

>せらぴす改さん
<ふと思ったのですが、本国から遠距離に有る上、絶大な戦闘能力持ち、更には完全な自給自足が可能な要塞なんてのは、政治的にはあまり有り難くないのでは?
特に末期の同盟のように、政府や軍のモラルが低下している状況では、容易に軍閥化への道を辿りそうですし、イゼルローン共和国なんて、まさにそのものですよね。その場合、将兵の家族が在住してることは、分離への追い風になりそうな気がします。
詳しい描写はありませんでしたが、要塞が帝国の手にあった時は、居住者は軍人のみって感じでした、これは反乱を警戒していたと考えられないでしょうか?ましてこれが移動可能だったりすると、とんでもないことになりそうです。>

 ヤンにイゼルローン要塞を奪取される前の帝国では、それなりに軍閥化を防ぐ方法を考えてはいたように見えますけどね。それはイゼルローン要塞が陥落する主要因となった「要塞司令官と駐留艦隊司令官の並立問題」です。
 軍事的には艦隊と要塞の相互連携を損ね、指揮系統に重大な支障をきたす事につながったこの同格司令官の並立問題は、しかし政治的に見ると、並立する司令官同士が互いにいがみ合い、相互に牽制し合うことによって、結果的に要塞の独占とそれに伴う軍閥化が防止されるという皮肉な側面を持っていました。ヤン以前のイゼルローン要塞が軍閥化しなかったのは、これが一番大きな原因と言っても良かったでしょう。
 それと、ヤンによる奪取前のイゼルローン要塞に民間人が全く居住していなかったということはないでしょう。イゼルローン要塞に存在する諸々の施設や社会資本は要塞奪取前から存在するものですし、それらの施設の運営を軍から委託されていた民間業者も存在したでしょう。そういった人達だけで最低でも50~100万人ほどは存在していなければ、大都市としての側面も併せ持つイゼルローン要塞の居住環境自体がそもそも維持できないはずなのですが。
 また、要塞内に家族を住まわせる手法に関しては、前線の兵士達の不平不満を抑え、司令官の管理下で家族を人質にすることによって、将兵の逃亡やサボタージュを事前に防止するというメリットもありますから、一概に悪いとは言い切れません。門閥貴族と平民階級の対立が激しい帝国では、むしろ貴族出身の司令官が平民出身の将兵に対する統制力を高めるために積極的に採用した可能性の方が高いのではないでしょうか? 特に前線のイゼルローン要塞では、目の前の同盟国境に前線の将兵達が亡命を企む可能性もありますしね。
 確かにイゼルローン要塞が帝国側の手中にある時には、民間人についての記述が全くと言っても良いほど存在しませんが(イゼルローン要塞がヤンによって2度陥落した時のいずれも、軍人よりも数が多いはずの民間人の退去に関する記述が存在しない)、イゼルローン要塞のそもそもの成り立ちが帝国側にあることを考えれば、要塞が帝国の手中にあった時も内情はほとんど同じであったと見て良いのではないでしょうか? そうでないと「ではなぜ無用の長物であるはずの生活・娯楽施設や社会資本がイゼルローン要塞内に存在するのか?」という新たな疑問が出てきてしまいますし。

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board4 - No.1737

Re:Re1728/1734:要塞あれこれ

投稿者:イッチー
2002年04月15日(月) 15時35分

冒険風ライダーさま、私の書き込みに対して、丁寧なお返事ありがとうございます。

>  トゥールハンマーにそんな威力はないですよ。1回当たりのトゥールハンマー主砲斉射で敵艦隊に与えられるダメージはせいぜい1500~2000隻ほどしかなく、しかも1回の主砲斉射に時間がかかりすぎるため、エネルギー充填→主砲発射までの過程を2回ほど行った辺りの時間で、敵は完全に主砲の射程圏内から離脱できてしまいます。これでは件の同盟軍救援の際にイゼルローン要塞を持っていったところで、戦果は銀英伝本編と同様に敵に攻撃を止めさせ、後退させるのが関の山であまり意味がありません。
>  そもそも銀英伝考察3で述べたように、銀英伝における要塞が持つ「最強の武器」は「無限の自給自足能力」を使って敵に無制限の持久戦を強いることにあるのであって、主砲や外壁も、その絶大な攻撃力と防御力で敵をひるませ、自軍に対する攻撃をためらわせるという戦法を駆使するのが一番有効な使用方法です。要塞の主砲や外壁というものはいわゆる「決戦兵器」なのですから、極端なことを言えば「使わないこと」にこそ意義があるのです。
>  トゥールハンマーは「決戦兵器」ではあっても「万能の武器」などではありません。そのような兵器を前面に押し出して敵を積極的に攻撃するという戦法は、その隙を敵に乗じられてしまう恐れが高い極めて危険な手段であるように思えるのですが。
>
アニメやコミックなどを見ると、トゥールハンマーが万能武器のように使われているような印象を受けたのですが、冒険風ライダーさまの書き込みを拝見して納得いたしました。それでも、「神々の黄昏」作戦のときにむざむざ敵に渡すくらいなら、要塞ごとワープして、同盟軍の補給にでも役立てたほうがよかったのではと思うのですが・・・。

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board4 - No.1738

Re:銀英伝考察3-2 ~銀英伝の戦争概念を覆す「要塞」の脅威~

投稿者:
2002年04月15日(月) 16時58分

どうもまた久しぶりにカキコします槍です。

冒険風ライダーさんの考察には脱帽ものです。

ただこの考察を読んである疑問が出来あがりました。
それはイゼルローン要塞は何処でて作ったのかという事です。
まさかイゼルローン回廊の場所は最前線であり、そこで一から作り始めたという事はないでしょう。
だからと言って要塞の完成品をイゼルローン回廊に運んできたとは考えにくいです。
(何しろガイエスブルグ要塞を動かすだけであの大騒ぎだっただから)
それにそれが可能ならば冒険風ライダーさんの作戦によって同盟領は帝国によって蹂躙されてるはずです。

となるといくつかのブロックを安全地帯で作ってプレハブ方式で作ったのかな?
だとしても同盟だってあそこで要塞が作られたたらどんな事態になるか解るだろうから絶対妨害するだろうし、それも必死で。

なんか書いていると秀吉の墨俣一夜城の時の状況みたいになってきたな(笑)
でも一夜城とは違い規模を考えると少なくとも一夜では出来ないな。
となると常に何万隻もの艦隊が常に守っていたのかな?
でも回廊に何万隻もの艦隊がいたらそれだけ同盟にとって十分な脅威だから絶対艦隊を派遣するだろうし、例え秘密裏に事を進めててたとしてもその時点でバレバレだな。

本当にどうやって作ったのでしょか?

あと田中さんはその作戦を思いついたとしてそれは多分とりあげ無かったおもいますよ。(当時の田中さんならですが)
だってその作戦ってあきらかにデス・スターになってしまうじゃないですか(爆笑)。

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board4 - No.1739

Re:銀英伝考察3-2 ~銀英伝の戦争概念を覆す「要塞」の脅威~

投稿者:ドミニオン
2002年04月16日(火) 05時26分

盲点でした。確かに突き詰めるとこうなりますよね。

もしも劇中の人物がそれに気付いたらどうなるんでしょうね。
双方とも大艦巨砲主義の塊のような要塞を量産して宇宙をボーグみたいに徘徊するんでしょうか?
その気になったら同盟も帝国も住むところを惑星から、要塞にかえるかもしれません。
こんなものに対抗できるのは秘密工作員か、隕石くらいのものでしょう。隕石に関しては、万一に備えて隕石対応版アルテミスの首飾りをつくるかもしれません。
なんだか、もし万が一にでも銀英伝世界で異星人との戦争が勃発してもなんだか勝てそうな気がしてきた。

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board4 - No.1740

Re:銀英伝考察3-2 ~銀英伝の戦争概念を覆す「要塞」の脅威~

投稿者:KUR
2002年04月16日(火) 09時00分

冒険風ライダーさんこんにちは。
ふと思ったんですが、

>  ところで「4.望郷の念に囚われることがない要塞の居住システム」で触れたイゼルローン要塞の居住システムにはさらに重大な問題点があります。それは「要塞内部における政治・行政機構は一体どうなっているのか?」という疑問です。
>  前述のようにイゼルローン要塞には、軍制上ヤンの直接指揮下に置かれることになる200万人の将兵以外に、主として将兵の家族で構成されている300万人もの民間人が居住しています。そして、この将兵と民間人とを合計した500万人という人口を擁するイゼルローン要塞は、前線の軍事要塞としての顔と同時に、そこらの有人惑星よりも規模が大きい大都市としての側面をも持ち合わせており、ヤンの地位は「この巨大な宇宙都市の最高責任者として将兵を指揮する」と定義されているのです。
>  これっておかしくありませんか? イゼルローン要塞の軍事面における最高責任者に過ぎないはずのヤンが、500万人もの人口を擁する「大都市イゼルローン」の最高責任者をも兼ねているのです。これは「大都市イゼルローン」の地方行政が、中央から派遣された一軍人によって、住民の自由意思とは無関係に運営されていることを意味します。つまり「大都市イゼルローン」は、たかだか一軍人に過ぎないヤンが都市行政の最高責任者として事実上の政治・行政権力を合法的に掌握しているため、民主主義の基礎である「地方自治の原則」が一切機能していないことになるのです。
>  銀英伝にもそのことを裏付ける記述が存在します↓

この辺、実際の軍隊ではどうなっているのでしょうね。
在日米軍の嘉手納や横須賀なんかには相当数の民間人が居住しているはずですが、
基地司令官が民間人に対して命令することは可能なのか、けっこう謎です。
というか、行政区としての扱いはどうなっているんでしょうね。
その辺が分かれば、イゼルローンのシステムも類推できそうな気がします。

……まあ、在日米軍とイゼルローン要塞では、人口が二桁ほど違いそうですが。

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board4 - No.1741

Re:銀英伝考察3-2 ~銀英伝の戦争概念を覆す「要塞」の脅威~

投稿者:tina
2002年04月16日(火) 12時28分

いやぁ、なんか眠かったので私のレスわけわかんないですね。
ちょっと要点をまとめなおします。

ようするに、「移動要塞の無限の可能性」について、
・作者がこのことに気付いていなかった。
・または、気付いていたがなんの記述もしなかった、あるいは無視した。
と、いう事についてなんら疑問は無いし、それを顕著にあばいた冒険風ライダーさんには、ただただ感心するばかりです。
しかし、ラインハルトとヤンの二人には、とても思い入れが深いので、彼らがアホと呼ばれるのは、どうしても合理的に弁護したくなったのです。
この際、作者の思惑なんて置いておいて、作中でこれらが出てこなかったことについて、合理的な説明をしたい、と。

要塞破壊について
ヤンは、すでにアルテミスの首飾りを壊すという作戦を敢行していた。
ヤンが要塞と戦ったのは、この時と、イゼルローンのみである。
イゼルローンのときは、二回とも勝算があったため、破壊する必要がなかった。
よって、ヤンはイゼルローン級のデカイ要塞破壊をする機会がなかった。
というより戦術としてはとっくに考えていた。
ラインハルトは、フェザーン占領によってヤンがイゼルローンを離れる事が分かっていたため、破壊よりは占拠を選んだ。
同盟滅亡後のイゼルローンに対しては、一撃で要塞を破壊して終わり、というのは目的が合わなかった。
よって、ラインハルトも機会がなかった。

移動要塞について
ヤンについては、ケンプが移動要塞の実現を示してから、ラインハルトのフェザーン侵攻まで、経済的にも、同盟政府を納得させる時間的にも、移動要塞に変える所まで行かなかった。
同盟滅亡後のイゼルローンも、ヤンが死ぬまで時間的・経済的な余裕がなかった。
多分、政府の側が移動要塞の可能性を恐れて許可しなかった、という可能性もあるかと。(誰かもかいていらゃっしゃいましたが)
さらにいえることは、イゼルローンを問題なく工事し終える、というのは回廊の両端を抑えていない限り不可能であり、それができるのはラインハルトが同盟を占領してからヤンに占拠されるまでだった。
ラインハルトは、結局ケンプの死から最後まで、戦略的には完全に勝てる戦いをしていたのであり、移動要塞などという問題の種を、リスク覚悟で残す必要がなかった。
よって、銀英伝の中で移動要塞が取り上げられなかったのは、片方は必要がなく、片方はそうできる状況にならなかったから、と。

と、いうことで、銀英伝の作者はどうか知りませんが、作中人物はアホではないのではないでしょうか。

ふぅ。やっと自分の中でもまとまりました。すいません。

さて、ここからが今日書きたかったことです。
上の内容と不整合がありますが、下の内容は過程の話の思いつきなので御寛恕を。

思ったんですが、イゼルローンって惑星なみのでかさなんですよね。
で、それを移動できるわけですよね。
ここから、「ということは、イゼルローンを破壊する大きさの惑星を動かす事も可能だから、それを使って破壊せいっちゅーねん」、と冒険風ライダーさんは論を運んでいます(?)。
もちろんこれには賛成です。
でもふと思ったんです。
これってすごくないですか?
惑星を移動できるんですよ?
もし惑星が移動できるとしたら・・・。

例えば住みにくくてどーしよーもないけど資源だけはある、みたいな星を、適度な位置に持って来て開発するとか。
その逆に住みやすい星を住みにくくしてみたりとか。
よーするに、人類の都合で宇宙をつくり変えられると。
おお。
なんか神って感じ。

ミッターマイヤー「ハイネセンを包囲せよ!」
バイエルライン「惑星ごと逃げられマシタ!」

みたいな。
すげー。
戦争なんてしてる場合じゃないんじゃない!?

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Re1735/1737/1738/1740:要塞関連レス

投稿者:冒険風ライダー
2002年04月16日(火) 14時29分

>tinaさん
≪これならまだガイエスブルク要塞を「イゼルローン占拠作戦の拠点としてしか活用していな」かったケンプの方が、ラインハルトやヤンよりも余程まともな用兵家であったとすら言えるではありませんか。「要塞特攻」に対して色々述べておきながら、結局あの2人は要塞対要塞の戦いから何も学んではいなかったことになるわけなのですから。
これではせっかく「移動要塞技術」という素晴らしい画期的なアイデアを提唱したシャフトも、それに殉じて戦死してしまったケンプも浮かばれないですね(T_T)。≫
<これは明らかに違うと思います。
ヤンについては、もちろん帝国軍によるフェザーン占領までは自分の要塞を破壊する必要がありません。
フェザーン占領以降はラインハルトと戦っていたためそんな作戦はムリ。
ヤンがハイネセンを脱出してからは、要塞再奪取の勝算もあり、定住する場所もないということで、破壊するよりは占拠した方がよい。
それ以降は死に至るまでイゼルローン回廊を大きく離れて戦ってはいません。
ということで、ヤンには少なくとも要塞を破壊する機会がなかった、と。
というより、ヤンはケンプ以前にアルテミスの首飾りを氷の塊(だっけ?)で破壊しています。
どちらかというと、ケンプの方がヤンに学ばなかったのでは?>

 何か根本的に勘違いされていませんか? 私が述べていた「結局あの2人は要塞対要塞の戦いから何も学んではいなかったことになる」というのは、何も「要塞特攻」についてのみ語っているわけではなく、一連の「移動要塞」についての戦術的・戦略的意義全般を指しているものなのですけど。あの文章はそこに至るまでに述べてきた「永久要塞」および「移動要塞技術」関連論評の総まとめみたいなものなのですから(最後の6番目の項目はそれらを前提としつつも基本的には一線を画すものですし)、その一部に過ぎない「要塞特攻」だけを取り上げてあれこれ反論されても困るのですけど。
 それになぜ「要塞対要塞の戦いから学ぶこと」から「要塞特攻を行わなければならない」という変な結論へと飛躍してしまうのですか? それまでの艦隊戦主流の戦いとは一線を画する要塞対要塞の戦いで学べるものは「要塞特攻」以外にもたくさん存在しますよ。そもそもあの銀英伝考察3を書いた私自身が、要塞対要塞の戦いから「永久要塞を稼動させる戦略的・政治的意義」や「小惑星特攻戦術」などを学んでいるのですから、私以上に要塞や航行技術に対する知識と基礎認識が存在したであろうヤンやラインハルトが、その意義に全く気づかなかったというのは充分すぎるほどにおかしな話でしょう。
 「要塞対要塞に関してはケンプの方がまともな用兵家」というのは、銀英伝考察3で述べてきたような要塞が持つ甚大な戦略的・政治的意義に思い至らず、「要塞特攻」のあまりにも悪すぎるコストパフォーマンスについて全く考慮しなかった挙句、学ぶべき戦訓が多かったはずのケンプの要塞特攻失敗後に、要塞関連の戦術を何もかも「なかったこと」にしてしまったヤンとラインハルトに比べれば、とにもかくにもガイエスブルク要塞を活用しながらイゼルローン要塞を攻略しようと考えたケンプの方が「コストパフォーマンスの観点から見れば」はるかにまともであったと言う意味で述べています。
 第一、ラインハルトがあくまでケンプに「要塞特攻」を期待していたと言うのであれば、最初からケンプに「要塞特攻」を行うように命令していればそれで済んだ話ではありませんか。にもかかわらず、ラインハルトがケンプに対して下した命令は、「『ガイエスブルク要塞の火力と装甲でイゼルローン要塞に対抗する』というシャフトの計画に基づいてイゼルローン要塞を攻略せよ」というものだったのですから(銀英伝3巻 P44~45)、そりゃケンプもその命令通りに行動せざるをえないはずでしょう。しかも、その命令を無視して下手に独断で「要塞特攻」を行ったりなどしたら、ケンプは命令違反と貴重な軍事要塞を無断で破壊した罪を問われて軍法会議にかけられてしまう可能性すらあったのです。ラインハルトにその意思がなかったとしても、ケンプの方がそう考えるというのは充分にありえる話でしょう。そのケンプの立場について配慮することなく、自分の責任を棚に上げてケンプを酷評したラインハルトはとんでもない愚か者でしかありません。
 「あの2人に比べればケンプの方が余程まともな用兵家である」という意味がお分かりいただけましたか?

<再奪取されるまでは帝国軍の手にあったわけですから置いておいて、問題はその後です。
これから後の戦争は、ラインハルトの矜持によって行われたものであり、「ヤンと艦隊戦において雌雄を決する」という目的があるわけです。
その目的の定め方の是非はともかくとして、目的達成のためにそういう戦術をとらなかったのには正当性があります。
「同盟への侵攻」が目的のケンプの時とは明らかに違うわけです。
ただ、ヤンがイゼルローンから出てきた隙にその戦法を使い、帰る家をなくすというのはつかえたかと。
まぁあくまでも艦隊戦にこだわったのでしょう。
ロイエンタールの時も要塞戦は出てきません。ただ共和政府が通過を断ったらこの戦法が取られたかもしれないですね。
その後のユリアン達との戦闘も偶発的なもので、この戦法を準備する時間がなかったのでしょう。
と、いうことでラインハルトにもこの戦法を取る機会がなかったかと。
矜持で目的を定めること自体が「限界」であるとおっしゃられるかもしれませんが、そうすればこの戦争自体が無意味です。
戦術的には間違っていないということで。>

 申し訳ありませんが、私に対してこの反論は全く無意味です。そもそも私は銀英伝7巻のマル・アデッタ会戦以降における「ラインハルトの個人的感情と病的なプライド意識に基づいた戦い」など、「銀英伝考察1」関連の過去ログでも散々述べたように全く評価しておりませんので。ラインハルト個人が抱くそんな下らないシロモノなどのために、イゼルローン回廊で死ななくても良かったはずの将兵が何百万人戦没したと思っているのですか?
 しかもラインハルトは、かつてキルヒアイスに対してこのような誓約を誓っていたはずなのですが↓

銀英伝外伝3巻 P218上段~P219上段
<「ご存知ですか? 来年早々にも、また叛乱軍に対する軍事行動がおこされるそうです。今度はイゼルローン回廊に叛乱軍の進攻を許さず、こちらから先制出撃するとか」
「えらく強気だな、ミュッケンベルガー元帥も。何か理由があるのか」
「今回の戦死者がすくなかった、と、そう言っておいでのようです」
「すくなかっただと!?」
「四〇万人に達しませんでしたから。三〇何万かの生命、それと同じ数の家庭です。門閥貴族にとっては、とるにたりぬものなのでしょう」
 キルヒアイスの声に、静かな、それだけに深い憤りが潜んでいた。ラインハルトは、キルヒアイスの精神に、氷山を感じることがある。表層にあらわれぬ存在の、静かで、巨大で、深く、厚く、充実していることを。
「キルヒアイス、おれはこんなばかげた戦いはしない。無益に兵士たちを殺すようなことはしない。おれたちの目的を達成するためには、まったく血を流さないわけにはいかないだろうけど、無益に血を捨てたりしないことは約束する」
 赤毛の若者は、はじめて微笑した。>

 件のラインハルト個人の矜持に基づいた戦いが、いかに「ばかげた戦い」で「無益に兵士たちを殺すようなこと」であったかは明白でしょう。「まさにそれこそがラインハルトの限界であった」と私はためらいなく断言しますけどね。

<ってか思ったんですけど、イゼルローンを移動式にするってかなり大規模な工事ですよね。
ガイエスブルグの時は国内だからいいとして、イゼルローンは国境でしょ?
そりゃばれますよ・・・。速攻で死に物狂いで攻撃してきますよ・・・。>

 移動要塞改造のための工期については問題が生じることはないでしょう。というのも、これに関しては、銀英伝の中に類推することができる記述が存在するからです。
 まず、銀英伝3巻でケンプがラインハルトにガイエスブルク要塞を使ったイゼルローン攻略を命じられたのが、3巻冒頭のアイヘンドルフ少将麾下の帝国軍艦隊とアッテンボロー率いる訓練中の同盟軍艦隊との遭遇戦が行われた1月22日より後のことであり、ガイエスブルク要塞の最終実験が成功してヴァルハラ星系外縁部にその姿を現したのが3月17日です。つまり、約2ヶ月ほど突貫工事を行えば、永久要塞を移動式に改造することが可能なのです。
 次に銀英伝7巻後のヤン・ファミリーの行動を追ってみますと、ヤンが2度目のイゼルローン要塞攻略に成功してイゼルローンに入城したのが1月22日、そして「回廊の戦い」の前哨戦となるヤン率いるイゼルローン軍によるメックリンガー艦隊との対面およびビッテンフェルト・ファーレンハイト両艦隊との戦いが勃発したのが4月下旬~5月1日の間となっています。こちらは約3ヶ月以上の開きがあるわけです。
 つまり、第9次イゼルローン要塞攻防戦の後、ヤンがイゼルローン要塞を移動要塞に改造することは時間的に見ても充分に可能だったわけです。それをしなかったのはヤンの知恵不足と怠慢以外の何物でもありません。
 そして、工事の隠蔽に関しても、ヤンはイゼルローン軍の総戦力を帝国軍に把握されないように情報操作することに成功していますし、銀英伝6巻では、当時の同盟軍の要職にあったチュン・ウー・チェンが、バーラトの和約に基づいて破棄しなければならなかったはずの軍用艦艇の隠蔽に成功しています。これから考えれば、緘口令を布いたり、情報操作等を行っていけば、3ヶ月の間、改造工事の存在そのものを隠蔽することも充分に可能です。
 以上のことから、要塞の改造工事についても全く問題はないと考えますが、いかがでしょうか。

>イッチーさん
<アニメやコミックなどを見ると、トゥールハンマーが万能武器のように使われているような印象を受けたのですが、冒険風ライダーさまの書き込みを拝見して納得いたしました。それでも、「神々の黄昏」作戦のときにむざむざ敵に渡すくらいなら、要塞ごとワープして、同盟軍の補給にでも役立てたほうがよかったのではと思うのですが・・・。>

 それもあまり役に立つ使用方法とは思えませんね。「神々の黄昏」作戦当時の同盟領内での補給ならば、別にイゼルローン要塞がなくても、銀英伝本編でヤンがゲリラ戦を行った時のように、国内84箇所の補給基地を駆使して補給をまかなうことが充分に可能です。
 しかも、いくら移動要塞が最強の力を持っているからと言って、それをむやみやたらと使いまくることは、そのような便利な戦法が存在すると敵にわざわざ教えてやるようなものです。せっかくラインハルトが移動要塞の利便性を忘却し去ってくれたというのに、それをわざわざ思い出させてしまうような行為はあまり良い結果をもたらさないかと思うのですが。
 あの当時にイゼルローン要塞を移動させることは、やはりあまり意味がなかったのではないでしょうか。

>槍さん
<ただこの考察を読んである疑問が出来あがりました。
それはイゼルローン要塞は何処でて作ったのかという事です。
まさかイゼルローン回廊の場所は最前線であり、そこで一から作り始めたという事はないでしょう。
だからと言って要塞の完成品をイゼルローン回廊に運んできたとは考えにくいです。
(何しろガイエスブルグ要塞を動かすだけであの大騒ぎだっただから)
それにそれが可能ならば冒険風ライダーさんの作戦によって同盟領は帝国によって蹂躙されてるはずです。
となるといくつかのブロックを安全地帯で作ってプレハブ方式で作ったのかな?
だとしても同盟だってあそこで要塞が作られたたらどんな事態になるか解るだろうから絶対妨害するだろうし、それも必死で。>

 イゼルローン要塞は宇宙暦763年~767年にかけて建造されています(銀英伝外伝2巻 P41)。約4年の歳月をかけて建造されているわけですね。ちなみに、帝国軍がイゼルローン要塞建造を決意する直接のきっかけとなった第2次ティアマト会戦が宇宙暦745年です。
 しかし、この状況でも帝国が同盟軍の抵抗を排してイゼルローン回廊に要塞を建造することは可能だと思いますけどね。元々帝国と同盟の戦争はイゼルローン回廊同盟側出口付近の星系を主戦場としていましたし、そこに帝国軍側が軍事基地を建造したことや、ヤンが台頭するきっかけとなったリンチ少将の敵前逃走によってエル・ファシルが失陥しかけたこともあります。つまり、150年以上にもわたる戦争全体でみると、帝国は常に同盟に対して優位に立っていたのです。
 このことを踏まえて考えれば、帝国は優位な立場を維持し続けながらイゼルローン要塞建造予定地であるアルテナ星系より前面を常に主戦場として戦い続けていれば、同盟軍に工事を邪魔されることなく要塞を建造することができるのではないでしょうか。元々同盟は帝国に比べれば劣勢なのですからそれも不可能なことではないかと。
 余談ですが、帝国がイゼルローン要塞を建造するまでは、同盟側にも要塞建造の構想があったのだそうです(銀英伝外伝4巻 P34)。

>KURさん
<この辺、実際の軍隊ではどうなっているのでしょうね。
在日米軍の嘉手納や横須賀なんかには相当数の民間人が居住しているはずですが、
基地司令官が民間人に対して命令することは可能なのか、けっこう謎です。
というか、行政区としての扱いはどうなっているんでしょうね。
その辺が分かれば、イゼルローンのシステムも類推できそうな気がします。>

 在日米軍だけでなく日本の自衛隊もそうですが、いくら何でも一軍事基地の司令官が、基地の内部はともかく、基地の存在する都市や町、さらにはそこに住んでいる住民を直接支配しているなどということはありえないでしょう。日米安保条約にも自衛隊法にも、そのような規定はどこにも存在しませんし、戦時や災害などの非常時ならばともかく、すくなくとも平時でそのようなことが許されることはありません。
 定期的に行われる選挙ではきちんと住民の自由投票によって政治家が選出されていますし、革新系の知事や自衛隊演習場などが存在している地域では、むしろ地方行政・住民と在日米軍・自衛隊との間で諍いが起こっているところもあるくらいです。
 これから考えても、イゼルローン要塞におけるヤンの権勢がいかに独裁権力者としての性格を濃厚に保有しているかがお分かりいただけるのではないでしょうか。何しろヤンは、イゼルローン要塞内における地方自治の原則すらも一切認めなかったのですから。

親記事No.1726スレッドの返信投稿
board4 - No.1743

Re:移動要塞は何故作られなかったか?

投稿者:平松重之
2002年04月16日(火) 15時49分

 冒険風ライダーさん

 それにしても、銀英伝に関しては設定擁護派を自認しておられた冒険風ライダーさんがこの様な問題提起をなさったのは少し意外でしたね。

<そもそも「移動要塞」の技術自体、実はそれほど難しいものではないのです。何しろ、シャフト自身が明言しているように、要塞の移動させる技術は「要塞にワープエンジンと通常航行用エンジンをそれぞれ12個ずつ円状に設置し、全てを同時に稼動させる」(銀英伝3巻 P45)という、ただそれだけの話でしかないのですから。「移動要塞」の提唱に際し、シャフトは別に何か特殊な技術を発明したわけではなく、ただ単に既存の宇宙航行用エンジンを少しばかり応用した使用方法を考案したに過ぎなかったわけです。これならばヤン側が「移動要塞」の技術を真似てしまうことはそれほど困難なことではないでしょう。>

 同盟に関しては、既に他の方々から指摘がありましたが、

1、イゼルローンを移動式に改造しようにも経済的に余裕がない。
2、艦隊を要しているだけでも恐ろしいヤンに、移動要塞を与えるような度量がトリューニヒト政権やエル・ファシル独立政権にあるとは思えない。
3、ワープエンジン(12基)・通常航行用エンジン(12基)の取り付け及び調整などには、史実のガイエスブルクの場合一月(三巻P35)から三月半ば(P98)と、6万4千人(途中で2万5千人が増員された)の工兵を動員して2ヶ月近くかかっている。何ヶ月もの工事の間に敵の波状攻撃があった場合、それを防ぎ切るのは難しいのではないか。また、工事を隠蔽しようにも要塞内部に隠し数量を情報操作出来る艦隊と違い、要塞にエンジンを取り付ける工事は要塞外部で行なわざるを得ないので、合計24基ものエンジンを取り付けている途中で発覚する恐れが高いのではないか。

 と、経済的・政治的・時間的に見て要塞の改造工事に着手するのは無理があったのだという事なのでは?
 また、ガイエスブルク移動要塞の例からも分かる通り、移動要塞には外部に取り付けたエンジン部の防御力が低いという弱点があります。航行用エンジンが一つでも破壊されればバランスを失って航行不能となり、惰性での回転で内部は大混乱に陥ってしまいますし、エンジンは要塞の核融合炉に連結していると思われますので、エンジンが爆発すれば他のエンジンや核融合炉が誘爆してしまう危険性もあり、そうなった場合、巨大な要塞から大爆発に巻き込まれない安全圏まで脱出出来る可能性は低いと思われます(現にガイエスブルクの爆発に巻き込まれたケンプ・ミュラー艦隊はそれまで残存していた兵力の8割を失っている)
 更に、12個のワープエンジンはワープの際に完全に連動させねばならず、失敗すれば亜空間に消えるか原子に還元してしまう(三巻P98)という通常の艦艇のワープに比べ高いリスクを移動要塞のワープは背負っているのです。
 将兵や市民はガイエスブルクの悲劇的な最期を知っているでしょうし、要塞主砲や駐留艦隊を駆使してもエンジンを守り切れると言う保証はありません。「通常要塞の防御力」と「移動要塞の防御力」の信頼の差や、ワープの度に複数のエンジンの完璧な連動を求められるという危険性を考えれば、義務としてある程度リスクを背負わざるを得ない将兵はともかく、移動要塞に一般市民である将兵の家族を長期的に居住させるのは、将兵や市民から強い抵抗があるのでは?それらの問題を何とかしない限り、「自給自足可能な移動要塞」という構想は実現困難なのでは?

<6.イゼルローン要塞の構造的な独裁権力者、ヤン・ウェンリー>

 外伝二巻P119でアッテンボローは「イゼルローンは軍用施設だから司法警察権はMP(憲兵)にある」と明言しており、同盟ではイゼルローンは少なくとも法的には都市ではなく単なる軍用施設という扱いだったようです。まあ、確かに500万もの軍人や市民が住んでいる以上は地方自治体として扱うべきだったという御意見は「なるほど」と思いました。

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