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投稿ログ3 (No.48 - No.74)

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board4 - No.48

恐縮です

投稿者:本ページ管理人
2001年04月26日(木) 17時29分

> > では何故タナウツにいるかというと、ここに書かれている文章の内容やスタイル、スタンスが非常に優れていると感じたためです。
>
> てんてん dance with penguinさん、さりげに、すごいことを書いてくださってますね。管理人さんへの、最高の賛辞なのでは?

 どうも、ありがとうございます。
 最近、忙しくて書き込みもロクにしていない有様なのですが(..;)

 ここの管理スタイルは、他人様の批判をするために当然なことを最低限のルールにしているだけなんですけれど、評価してくださる方が多くて幸いです。
 相当甘い管理にしているんですが、皆さん礼儀正しく節度ある態度を守っていただいて感謝しています。
 ここを訪れる人の思想傾向は結構幅広くて、普通の思想系掲示版だったらなかなか相容れないんじゃないかとも思えるんですが、ここは思想的傾向(批評自体が自分の思想開陳行為ですからね)があるにもかかわらず、そういう人たちがお互い敬意を払って議論しているのが、管理人としても面白く、また嬉しく思います。
 これは、田中氏の効用かもしれません。

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board4 - No.50

Re:墜ちた偶像

投稿者:モトラ
2001年04月26日(木) 18時55分

どうも、はじめまして。モトラです。
高校の頃に、目覚めることが出来たというのは、羨ましい限りです。私が田中芳樹というか進歩的価値観と訣別したのは20代後半に突入してからだというていたらく。その経緯に関しては、ザ・ベスト「管理人(さん)からのメッセージ34」に収録されている、455番の書き込みを参照願います。

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board4 - No.51

Re:悪役列伝(憧憬という名の偶像/アンネローゼ)

投稿者:
2001年04月27日(金) 03時13分

こんにちわ、恵です☆
アンネローゼが“悪役”かぁ…ビックリしました、すごい着眼点ですね、優馬さん(;_;)。

>いや「銀河転覆の美貌」です。
人類の歴史上最高最大の美女として、記録されるべき存在なのです。

「後世の歴史家」たちがそう記述したとしても、まったくおかしくありませんね。ここに至るまでの優馬さんの考察、わたしも賛成です。

>このように、「グリューネワルト夫人」を歴史的実在として考えていくと、銀英伝におけるキャラ造形が非常に薄っぺらなものであることに気がつかされます。要するに「ラインハルトに帝国打倒の動機を与える」というため「だけ」のキャラクターになっているわけで、キャラクターとしての深みに欠けます。

う~ん、わたしにはアンネローゼが深みの欠けるキャラだとは思えないんです。その理由は、

♯アンネローゼがラインハルトとキルヒアイスにとっての「偶像」だったのは事実ですが、自分のために「宇宙を手にする」野望を持った弟に、彼女は複雑な思いを持っていたと思います。作中でも、すでに寵姫となったアンネローゼと対面するラインハルトは、常に帝国打倒の野心を姉に隠そうとしていますが、彼の野心を察しているかのようなアンネローゼの言動があったような憶えがあります。そのシーンから「もともとの原因が自分にある限り弟を止めることができないし、止めても弟は引き下がらないのでは…」というアンネローゼの内なる葛藤を、わたしは読みとることができました。積極的に彼女が行動したことはなかったかもしれませんが、単なる「美しいだけのお人形さん」ならそんな葛藤とは無縁のはずではありませんか?

>さんざん苦労したあげくに将軍にまで出世させた可愛いい弟たちが、そんな夢想的冒険主義に走ろうとしていたら、身体を張ってでも止めるに決まっています。「私が誰のために苦労してきたと思うの!」と言って泣き崩れるかも。

弟たちが「出世した」のは結果であって、アンネローゼの目的ではなかったと思います。アンネローゼの配慮は、血気盛んに戦場に出たがる弟を、できるだけ守ってもらうように皇帝に要請することだったはずです。ただ、その結果として戦場から帰ってくるたびに彼が武勲を上げてしまうので、「寵姫の弟」という立場もあって、彼女の思惑とは別に急スピードでラインハルトが出世してしまった、というのが真実ではないでしょうか?「危ないことはしないで」という彼女の台詞に、ラインハルトが矛盾を感じていた描写もあったと記憶しています。「純粋に弟を見守る」のが彼女の基本スタイルであって、「寵姫の立場を利用して弟を出世させる」ではなかったと思います。

わたしの印象では、アンネローゼは「誰に対しても本当に言いたいことがどうしても言うことができなかった女性」というイメージが強いです。特に、ラインハルトとキルヒアイスには、立場や性格上、言えなかったことが余りにもありすぎて、後半ではその後悔からあえて日陰の存在になってしまったんじゃないでしょうか。後宮内での「苦労」は間違いなくあったと思いますから、「苦労人」だとはわたしも思いますけど(笑)。

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board4 - No.53

Re:悪役列伝(憧憬という名の偶像/アンネローゼ)

投稿者:KUR
2001年04月27日(金) 05時44分

こんにちは、KURと申します。
悪役列伝にアンネローゼを登場させるという着眼点は、さすがに
優馬さんですね。

非常に興味深く文章を読ませて頂きましたが、
考えようによっては、アンネローゼのあの性格のままで
後宮で生き抜くことも不可能ではないということを思い付きました。

それには、まず皇帝というキャラクターの見直しが必要なんですが…

銀英伝本編ではとかく無能扱いされる皇帝ですが、ところどころに
出てくる描写を見ると、単なる馬鹿ものとも思えないんです。
たとえば、ラインハルトの野心を知りながら、それを許容している
節があるし、外伝においては一対一で、精神的にラインハルトを圧倒するという
偉業を成し遂げています。

で、ときどき聡明になる皇帝の台詞の端々を見ますと、どうも
滅びというものをさほど恐れてはおらず、むしろ華麗なる死を
遂げたがっている様子があるような気がするんです。

で、思ったのが、実はラインハルト達の出世というのは
アンネローゼの嘆願によるものではなく、皇帝自身がそれを
望んでいたのではないかということです。
つまり
「皇帝はラインハルトの野心を知りつつ、自分(ゴールデンバウム王朝)を
華麗なる業火の中にうち倒すであろう若い覇者の誕生を願っていた」
という可能性です。

もし皇帝に主体的な意志と高いレベルの知性があるとすれば、
アンネローゼはさほど弟たちのことや自分の保身に気を使うことなく、
後宮で暮していけるんじゃないかという気もするんですが、
いかがなものでしょうか?

長文駄文失礼しました。

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board4 - No.54

Re:悪役列伝(憧憬という名の偶像/アンネローゼ)

投稿者:
2001年04月27日(金) 07時33分

> こんにちは、KURと申します。

はじめまして、KURさん。恵と言います☆

> もし皇帝に主体的な意志と高いレベルの知性があるとすれば、
> アンネローゼはさほど弟たちのことや自分の保身に気を使うことなく、
> 後宮で暮していけるんじゃないかという気もするんですが、
> いかがなものでしょうか?

鋭い意見ですね。その可能性、実はわたしも考えていました。ただ、仮に皇帝に「主体的な意志と高いレベルの知性」があったとしても、具体的にどんなアクションでアンネローゼたちを保護していたのか?という疑問があるんです。外伝だったと思いますが、アンネローゼが宮廷内の陰謀に巻きこまれて命を狙われたことがありますが、それを実質的に阻止したのはラインハルトとキルヒアイスであって、皇帝・フリードリヒ四世ではありませんでした。確かに、ただ暗愚なだけの人ではなかったかもしれませんけど、「主体的な意志と高いレベルの知性を備えていた」と判断できる材料はとても少ない気がするんですよね。実際、ラインハルトを武勲の度に昇進させたこと以外に、何か特別なことをしたというわけでもなさそうですから。
アンネローゼが戦場に赴くラインハルトを心配するのと同じくらい、宮廷内の陰謀に巻きこまれることを、ラインハルトも心配していたはずです。もしも、フリードリヒ四世が主体的・積極的な保護策を講じていれば、少なくともラインハルトとキルヒアイスはその点だけはそれなりに安心できたと思うんですけど(実際はもちろん違います)、いかがでしょうか?

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board4 - No.55

Re:悪役列伝(憧憬という名の偶像/アンネローゼ)

投稿者:KUR
2001年04月27日(金) 08時38分

はじめまして、恵さん

> 鋭い意見ですね。その可能性、実はわたしも考えていました。ただ、仮に皇帝に「主体的な意志と高いレベルの知性」があったとしても、具体的にどんなアクションでアンネローゼたちを保護していたのか?という疑問があるんです。外伝だったと思いますが、アンネローゼが宮廷内の陰謀に巻きこまれて命を狙われたことがありますが、それを実質的に阻止したのはラインハルトとキルヒアイスであって、皇帝・フリードリヒ四世ではありませんでした。確かに、ただ暗愚なだけの人ではなかったかもしれませんけど、「主体的な意志と高いレベルの知性を備えていた」と判断できる材料はとても少ない気がするんですよね。実際、ラインハルトを武勲の度に昇進させたこと以外に、何か特別なことをしたというわけでもなさそうですから。
> アンネローゼが戦場に赴くラインハルトを心配するのと同じくらい、宮廷内の陰謀に巻きこまれることを、ラインハルトも心配していたはずです。もしも、フリードリヒ四世が主体的・積極的な保護策を講じていれば、少なくともラインハルトとキルヒアイスはその点だけはそれなりに安心できたと思うんですけど(実際はもちろん違います)、いかがでしょうか?

そうですね。私もその点を整合できずに困っていたところなんです。
おもいっきりフリードリヒのおっちゃんをかいかぶってしまえば、
「すべて(ラインハルトの行動を含めて)は彼の手のひらの上」
ということになりますでしょうか。
しかし、いくらんでも皇帝をそこまで高く評価はできません。
(物語の主役が変わってしまいます(笑))
結局、あの件に関しては、フリードリヒは無力だったと言わざるをえないでしょう。

ただ、アンネローゼがあの性格で後宮でやっていけるはずがないという
優馬さんの指摘ももっともだと思うんで、その辺の落しどころを
どうさぐるかですね。

ただ、ラインハルトの栄達が皇帝自身の意志だとすれば、
少なくともアンネローゼが皇帝を説得する必要はなくなるんで、
負担はだいぶ減るでしょうね。

…うーん、何か一種の反銀英伝みたいになってきましたな。

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board4 - No.56

Re:悪役列伝(憧憬という名の偶像/アンネローゼ)

投稿者:てんてんdwp
2001年04月27日(金) 11時37分

>  皇帝の後宮で長年にわたって寵姫であり続けることがどういうことであるか考えてみましょう。例えば酒見賢一の「後宮小説」(新潮文庫)(<傑作です。読んで損はナシ。)、決して顔が綺麗なだけで「のほほん」としていられるような世界ではありません。嫉妬と策謀、「表」の政治の世界以上に陰湿な権謀術数が渦巻く世界です。
>  また可愛いだけの「お人形さん」に、移り気な皇帝がいつまでも寵愛を続けるはずがありません。皇帝にとってアンネローゼを後宮に入れたことは、道端で花一輪、摘んだほどのことでしかないのですから。

ちょっと女性が来ているかもしれない場所で書くのはなんですが・・・
そういう可能性もありますよ。
つまり、えーと、ようするに露骨に書くと物凄く具合がいいということもありえます。そしてそれだけで権力を持つ人も。
人間、快楽には弱いですから。それがある程度聡明ならいいですが、まったくの色好みという人間も中にはいます。ましてやそれが美人なら。
まあ、それでもいつかは飽きられるんでしょうが、飽きられる前にどうにかなってしまった、ということも考えられますし。
もし皇帝がサディスティックな性格だったら、弟の口添えに必死の女性を苛めることはかなり楽しいことでしょうし。

てんてん dance with penguin

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board4 - No.57

Re:恐縮です

投稿者:てんてんdwp
2001年04月27日(金) 13時33分

>  どうも、ありがとうございます。
>  最近、忙しくて書き込みもロクにしていない有様なのですが(..;)
>
>  ここの管理スタイルは、他人様の批判をするために当然なことを最低限のルールにしているだけなんですけれど、評価してくださる方が多くて幸いです。
>  相当甘い管理にしているんですが、皆さん礼儀正しく節度ある態度を守っていただいて感謝しています。
>  ここを訪れる人の思想傾向は結構幅広くて、普通の思想系掲示版だったらなかなか相容れないんじゃないかとも思えるんですが、ここは思想的傾向(批評自体が自分の思想開陳行為ですからね)があるにもかかわらず、そういう人たちがお互い敬意を払って議論しているのが、管理人としても面白く、また嬉しく思います。

私も同感です。以前にも同じような質問で同じような答えを返していますが、タナウツの凄いところはみんなきちんと理論武装しているんですよね。そしてそれぞれがタイプが違うんです。
それでもきちんと議論が成立しているのは管理人さんの手腕もさることながら・・・

>  これは、田中氏の効用かもしれません。

でしょうね(笑)。田中氏という共通キーワードがあるからこそできるのだと思います。やはり田中氏は偉大だ?

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board4 - No.58

Re:悪役列伝(憧憬という名の偶像/アンネローゼ)

投稿者:
2001年04月27日(金) 14時20分

恵です☆
またまた思ったことを少し書きますね。

> そうですね。私もその点を整合できずに困っていたところなんです。
> おもいっきりフリードリヒのおっちゃんをかいかぶってしまえば、
> 「すべて(ラインハルトの行動を含めて)は彼の手のひらの上」
> ということになりますでしょうか。
> しかし、いくらんでも皇帝をそこまで高く評価はできません。
> (物語の主役が変わってしまいます(笑))
> 結局、あの件に関しては、フリードリヒは無力だったと言わざるをえないでしょう。
>
> ただ、アンネローゼがあの性格で後宮でやっていけるはずがないという
> 優馬さんの指摘ももっともだと思うんで、その辺の落しどころを
> どうさぐるかですね。
>
> ただ、ラインハルトの栄達が皇帝自身の意志だとすれば、
> 少なくともアンネローゼが皇帝を説得する必要はなくなるんで、
> 負担はだいぶ減るでしょうね。
>
> …うーん、何か一種の反銀英伝みたいになってきましたな。

ちょっと思ったんですけど、銀英伝の歴史って、いろんな要素がかみ合った「結果」によって出来上がっていて、“アンネローゼの美貌”も“フリードリヒ四世の内なる願望”も“ラインハルトの天才的な戦争能力”もそれぞれ一つだけでは「ゴールデンバウム王朝の打倒」につながらなかったんじゃないでしょうか?そこが(わたし的には)「銀英伝」という物語の重厚さというか、奥の深さにも感じるんですけどね(^-^;)
あと、アンネローゼの性格では宮廷内でやっていけないのでは?という疑問ですが、現実としてアンネローゼに対して嫉妬に狂った何とか夫人(ごめんなさい、名前忘れました(^-^;;)の陰謀にも巻きこまれたりもしてましたし、常にそうした危険とアンネローゼは紙一重の状態であったと思います。だからこそ、ラインハルトも汚らわしい皇帝(笑)はもとより、ドロドロした宮廷の世界から姉を救い出そうと赤毛のキルくんと躍起になって頑張ってたんじゃないかなぁ、とも思ったりしますけど、どうでしょうか?

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board4 - No.59

Re:恐縮です

投稿者:ラーフラ
2001年04月27日(金) 19時28分

>やはり田中氏は偉大だ?

 元ファンとしてはいささか複雑な心境ではありますが、その通りだと認めます(笑)。
 田中芳樹の小説の皮肉なところは、理屈っぽいくせにエンターテイメントであるところでして。
 つまり理論的にいくら正しくても面白くなければ田中的世界では存在意義がないわけです。
 で、その世界にどっぷりとはまっておられる方たちがこのページにいらっしゃるのだと私は感じております。
 純粋マッスグ君は悩みなんか持たずに右なり左なりに走ってこのページなんか見向きもしていないと思うのですな。
 私が「ザ・ベスト」を見た限りにおいての感想ですけれども。

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board4 - No.60

Re:墜ちた偶像

投稿者:ラーフラ
2001年04月27日(金) 19時47分

>思ってみれば、銀英伝というのは、80年代のポストモダンという時代の子なんですなぁ。いや「脱構築」とかなんか小難しいことを言って、政治的なものから遠ざかることが格好良いという誤解が蔓延した時代でした。うん、創竜伝の「社会評論」は80年代には十分「正論」に聞こえていましたよ。

 なるほど、創竜伝が正論に聞こえていた時代がかつてあったというのは意外でした。
 私が読んだ時はもう1990年くらいでその時まだ中学生(最近では厨房というんですか?)だった私は、斬新というより今まで聞いたこともない思想にどう対処していいか分からないというのが実態でしたね。
 結局これは小説なんだから作者本人とは関係ないんだろうという考えと、小説でもここまで言ってるんだから田中芳樹自身の本音なんだろうという考えが、入り交じって混乱してしまいました。
 時間の無駄ですね。

 田中芳樹が嫌いでないというのは、それはそれでかつて氏に毒された経験がないという立派な証拠だと思います。

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board4 - No.61

Re:悪役列伝(憧憬という名の偶像/アンネローゼ)

投稿者:優馬
2001年04月28日(土) 00時51分

優馬です。
>
> ちょっと女性が来ているかもしれない場所で書くのはなんです・・・
> そういう可能性もありますよ。
> つまり、えーと、ようするに露骨に書くと物凄く具合がいいということもありえます。そしてそれだけで権力を持つ人も。
> 人間、快楽には弱いですから。それがある程度聡明ならいいですが、まったくの色好みという人間も中にはいます。ましてやそれが美人なら。
> まあ、それでもいつかは飽きられるんでしょうが、飽きられる前にどうにかなってしまった、ということも考えられますし。
> もし皇帝がサディスティックな性格だったら、弟の口添えに必死の女性を苛めることはかなり楽しいことでしょうし。
>
> てんてん dance with penguin

あっはっは。てんてんさんったら。
お若いですね~(笑)。
皇帝って、爺さんですもん。いくら美味しいビフテキだって、そんなに毎日食べられませんって(笑)。

もともと、閨房術というものは、物理的な刺激に終始するものではなく、男女間のあらゆるコミュニケーションにわたる洗練されたヒューマン・リレーション・アートであったと言われています。この点、バックのないアンネローゼは、后妃を輩出してきたた大貴族出身者に比べて不利。紫式部とか清少納言っていうのは、藤原家が総力を挙げて結集した「姫様に帝の寵愛ゲット!!」プロジェクトチームの「文化・教養担当」だったわけでしょ。そのチームの中には必ずや「ねやごと」担当の素敵なお姉さまがいらっしゃったに違いないと見ておるのですが、事柄の性質上、一時資料が伝わっていないのが残念。(ちなみに平安時代というのは妙な時代で、ねやごとは煩悩を滅却させると説いたトンデモ仏典「理趣経」が書かれたりしています。確か真言密教立川流の聖典。)

歴史上、身分低い出身で権力者の寵愛を長く保持した女性って、美貌プラス魅力的な人柄であるというケースが多いような気がします。(いちばん多いのは、身分の高い出身+美貌+勝ち気な性格というパターンで、でもこれってあんまり面白くない。)

さて、アンネローゼのキャラクターをできるだけ保持して、かつ皇帝の寵愛を得る方法がないものか、ちょっと考えてみますね。ではでは。

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board4 - No.62

Re:墜ちた偶像

投稿者:優馬
2001年04月28日(土) 00時56分

優馬です。

>  なるほど、創竜伝が正論に聞こえていた時代がかつてあったというのは意外でした。

そうおっしゃられると年を感じます・・・。

かつて、「非武装中立」が日本の知識人(良識ある人々)の「常識」であった時代が確かにあったのですよ。朝日新聞が、日本人の良識を代表していた時代が。だから今のアレは「思想のシーラカンス」というべきなんですけどね。

田中さん、デビューした時点で死そう固まっちゃってるんですよねー。
この手の全共闘世代のかちんこ頭が日本の変革を邪魔しているのですが。

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board4 - No.63

Re:悪役列伝(憧憬という名の偶像/アンネローゼ)

投稿者:てんてんdwp
2001年04月28日(土) 04時12分

> 皇帝って、爺さんですもん。いくら美味しいビフテキだって、そんなに毎日食べられませんって(笑)。

そうですか?年を取ってからなお・・・というのは怪物的人物にはつき物のエピソードです。

> もともと、閨房術というものは、物理的な刺激に終始するものではなく、男女間のあらゆるコミュニケーションにわたる洗練されたヒューマン・リレーション・アートであったと言われています。

いつ、どの時代の話をしていますか?私が知ってる限りだと江戸時代の遊郭というのはそういう意味合いが強かったらしいですね。

>紫式部とか清少納言っていうのは、藤原家が総力を挙げて結集した「姫様に帝の寵愛ゲット!!」プロジェクトチームの「文化・教養担当」だったわけでしょ。そのチームの中には必ずや「ねやごと」担当の素敵なお姉さまがいらっしゃったに違いないと見ておるのですが、事柄の性質上、一時資料が伝わっていないのが残念。

平安時代の後宮というのは確かに後宮の体系は取っていましたが、どちらかというとサロンです。文化的サロン要素が強く、教養担当というよりは遊び相手として女官が入りこんでいました。

> 歴史上、身分低い出身で権力者の寵愛を長く保持した女性って、美貌プラス魅力的な人柄であるというケースが多いような気がします。(いちばん多いのは、身分の高い出身+美貌+勝ち気な性格というパターンで、でもこれってあんまり面白くない。)

美貌でなくて、というのならわかります。例えばクレオパトラは実際はそれほど美人ではなかったというのが最近の説です。むしろ教養と英知でのしあがった、と。
逆の例をあげましょう。マリーアントワネットはどうですか?彼女は確かに政略結婚の一面も持ち合わせていましたが、教養と英知がそれほどあったとは思えません。でもルイ16世はおぼれましたよね。

歴史を紐解くと、美貌はないかわりに教養と英知で寵愛を受けるパターンと美貌だけで寵愛を受けるパターンがあります。両方を兼ね備えていた例なんてのはほとんどありません。

んで、ちょっと変な話になりますが、いわゆるサディズムというものを考えたときに、前にも書いたとおり、弟思いの姉を自由にするってのは最高のシチュエーションとなります。私はこちらの説を推したいですね。

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board4 - No.64

Re:墜ちた偶像

投稿者:優馬
2001年04月28日(土) 04時38分

優馬です。

> 田中さん、デビューした時点で死そう固まっちゃってるんですよねー。

すごい誤変換やらかしておりますですな。
「死そう」→「思想」です。なんの意味もありません。

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board4 - No.65

Re:悪役列伝(憧憬という名の偶像/アンネローゼ)

投稿者:優馬
2001年04月28日(土) 04時54分

優馬です。

> そうですか?年を取ってからなお・・・というのは怪物的人物にはつき物のエピソードです。

太祖・ルドルフ大帝ならそうでしょうけど、フリードリヒ四世は「消極と沈滞の人」と呼ばれていたところを見ると、あんまり脂ぎった感じではなかったのではと愚考する次第。

 脱線しますけど(しかも大昔のアニメ話で恐縮ですが)、私にとってルドルフのイメージって「新造人間キャシャーン」の敵ボス・ブラッキン総統なんですよ。キャシャーンの父ちゃんが開発したんですが、自らロボットの軍団「アンドロ軍団」を組織し人間に反乱を起こすロボットなんです。これがまた、ロボットのくせに筋骨隆々、えらの張った濃ゆい濃ゆい悪人ヅラでありまして、キャシャーンの父ちゃん、設計ミスったのはもちろん、デザインについても大間違いしでかしとります。

> 逆の例をあげましょう。マリーアントワネットはどうですか?彼女は確かに政略結婚の一面も持ち合わせていましたが、教養と英知がそれほどあったとは思えません。でもルイ16世はおぼれましたよね。

えーっと、ツヴァイクの伝記を読んだ感じですと、ルイ16世というのは今で言う「おたく」のはしりみたいな人で、錠前鍛冶としてはプロはだし、宮中に立派な仕事場をもっていたそうです。女性全般に興味が薄かったらしく、アントワネットとの夫婦生活についてまわりが色々苦労したようです。スペインのお医者さまに手術してもらったとか。(何を?)政治にも漁色にもあまり興味がなかったヒトで、それで革命運動に適切な対応することができなかったということのようです。

なんか話がバラバラですね・・・。すみません。

バラバラついでに某有名サイトからのパクリ。
小泉純一郎・・・Dr.マシリト
橋本龍太郎・・・スッパマン
亀井静香・・・・ニコチャン大王

失礼しました~。

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board4 - No.69

アンネローゼとローエングラム体制の関わりについて

投稿者:北村賢志
2001年04月28日(土) 04時59分

アンネローゼの政治的影響力を考える「アンネローゼの影響を排除することに腐心するオーベルシュタイン」の姿が見えてきます。
オーベルシュタインがほとんど合ったこともないであろうアンネローゼをよく理解していたとは考えられませんが、長らく後宮で寵姫の座を射止めていたアンネローゼの政治的能力を考慮しないとは思えません。
それに何と言っても政戦双方の天才であるラインハルトの姉でもあるのですから。
当然ながらオーベルシュタイン以外にも大勢の人間が「アンネローゼの口出し」の可能性を考えて、何とか彼女を政治から切り離そうとしたでしょう。
その結果生じたのが

・キルヒアイスへの処遇
オーベルシュタインがキルヒアイスをナンバー2から格下げするようにしつこく進言したのは、確かに「ナンバー2不要論」が主因でしょうが、もう一つの理由としてアンネローゼの影響排除が考えられます。
ラインハルトは仕方ないとしても、ナンバー2であるキルヒアイスまでアンネローゼの言うことを聞くのでは、アンネローゼが政治に口出ししてきた時にそれを止めるのが極めて難しくなります。それを避けるためにキルヒアイスを格下げする必要があったのではないでしょうか。

・アンネローゼのイメージ
銀英伝がローエングラム王朝正史として考えると、そこに描かれているアンネローゼ像はラインハルトの憧憬と、彼女を「美しい人形」としてしまいたい、オーベルシュタインらの意向の反映と解釈できます。

・銀英伝後半のアンネローゼの行動
ご存じのように銀英伝の後半、アンネローゼはほぼ世捨て人に近い行動ですが、これも本人の意思というよりも、彼女を政治の場から取り除きたいという思惑が働いていたと見ることが出来ます。
アンネローゼに配偶者がいないのも、仮に子供が出来たとき彼女が自分の子を帝位につけようとして内紛を引き起こすことを恐れたとも考えられます。

等々、アンネローゼとの政治の関わりという視点で眺めるとかなりおもしろいものが見えてきます。

親記事No.46スレッドの返信投稿
board4 - No.70

Re:アンネローゼとローエングラム体制の関わりについて

投稿者:
2001年04月28日(土) 07時01分

恵です☆
ホント、見方によってアンネローゼのいろんな解釈が生まれて面白いですよね。言い出しっぺで、きっかけを作ってくださった優馬さんに感謝♪(^-^)

> ・銀英伝後半のアンネローゼの行動
> ご存じのように銀英伝の後半、アンネローゼはほぼ世捨て人に近い行動ですが、これも本人の意思というよりも、彼女を政治の場から取り除きたいという思惑が働いていたと見ることが出来ます。
> アンネローゼに配偶者がいないのも、仮に子供が出来たとき彼女が自分の子を帝位につけようとして内紛を引き起こすことを恐れたとも考えられます。
>

オーベルシュタインの政治的な思惑は、北村さんのおっしゃる通りだと思います。ただ、一つだけつけ加えさせていただきたいのは、後半のアンネローゼの世捨て人的な行動は、「彼女自身がそうなることを望み、それが都合良くオーベルシュタインの思惑と一致した結果」なんじゃないでしょうか?
北村さんは本人の意思ではないとおっしゃいますが、彼女が引きこもったのはキルヒアイスの死の直後です。オーベルシュタインが未来のオーエングラム王朝運営のために手を打った、というには時期が早すぎる気がするんです。「後半の行動」といっても、キルヒアイスが死ぬのは2巻の最後で、この時点からオーベルシュタインはそこまで未来を見据えていたとは、わたしには思えません。”宮廷からの解放”、そして“キルヒアイスの死の衝撃”が彼女を世捨て人とさせたのであって、オーベルシュタインはそれを政治的に利用しただけのように思います。ラインハルトは、軍人になってからずっと姉と自由に会えない状況を強いられますが、最初は政治的な理由で、最後は精神的な理由からでした。ラインハルトには、「(キルヒアイスを死なせたことで)姉上は自分を許してくれるだろうか?」という怯えもあったと思います。
また、ラインハルトの性格を考えると、「いい機会です、閣下の姉君には隠棲していただきましょうか」などとオーベルシュタインの方から進言などしたら、烈火のごとく怒ったに違いありませんし、受け入れなかったと思います。アンネローゼの隠棲は本人の意思で、それが結果として後の政治的混乱の原因を未然にとりはらうことになったと解釈した方が自然じゃないでしょうか?

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board4 - No.72

「後世の歴史家」風に意図的にうがった見方をしてみました

投稿者:北村賢志
2001年04月28日(土) 08時44分

> オーベルシュタインの政治的な思惑は、北村さんのおっしゃる通りだ
>と思います。ただ、一つだけつけ加えさせていただきたいのは、後半
>のアンネローゼの世捨て人的な行動は、「彼女自身がそうなることを
>望み、それが都合良くオーベルシュタインの思惑と一致した結果」な
>んじゃないでしょうか?

これについては意図的にうがった見方をしてみました。
つまりアンネローゼが小説とは異なる「政治的なしたたかさ」というものを持った女性だったとすれば、その隠遁にも「小説に描かれていない裏の事情があったかもしれない」と考えたわけです。
アンネローゼが家族同然であったキルヒアイスの死に動揺して、隠遁したのは自分の意志でしょう。
(実際、歴史上でも大勢の政敵を武力や謀略で葬ってきた人間が、家族の死をきっかけに隠居することは結構あったことです)
しかし彼女は華やかな宮廷で何年も皇帝の寵姫というもっともスポットライトの当たる地位にいた人間です(あくまでも自分の意志で寵姫の座に居続けたとして)。
とすればやはり何年か後に、また表舞台に復帰しようとしてくることは考えられます(間違いなくオーベルシュタインはその可能性を考えたはずです)。ならばオーベルシュタインはアンネローゼの周りに息のかかった人間を多数送り込んで、政治の事に関心を持たせないよう誘導すると同時に「美しい人形」「皇帝の逆鱗」のイメージを一般に流布させて、担ぎ上げる人間が出ないようにはかるでしょう。
またアンネローゼの方にしても、自分が表に姿を見せることは政治的混乱を招き望ましくない、と表舞台に出ることを諦めたとも考えられます(「したたか」であっても「エゴイスト」ではないでしょうから)。
つまり言いたかったのは「意思に反してムリヤリ」ではなく「意思がどうあれそれ以外に選択肢は無かった」ということなのです。
あえて言えば「後世の歴史家にはそういう解釈をする者もいるだろう」というところでしょうか。

>アンネローゼの隠棲は本人の意思で、それが結果として後の政治的混
>乱の原因を未然にとりはらうことになったと解釈した方が自然じゃな
>いでしょうか?

勿論、小説の筋立てからはそれがもっとも合理的な解釈ですし特に異論はありません。

親記事No.46スレッドの返信投稿
board4 - No.73

ちょっと横道

投稿者:S.K
2001年04月28日(土) 14時23分

脱線へのレスで恐縮ですが、キャシャーン最終回にブライキングボスと
同型のアンドロイドが復興作業に従事していましたが、朴訥で割と愛嬌
のある感じでしたよ。
あれの問題は造型ではなく落雷で生じたバグによる心がけの悪さだと思います。
最も敵の目を欺くためとはいえ息子の鞭打ちを高笑いしながら見物した
事のある東博士は相当危ない人だとは思います。
本筋の話でアンネローゼとラインハルトとの離別には、ある一点でアン
ネローゼとオーベルシュタインの間に偶然の意見の一致も成立していた
のではないでしょうか。
統治者の過剰な私情が社会に莫大な悪影響を及ぼすというのがそれです。
例を言えば、キルヒアイスに対してラインハルトの思い入れがもう少し
穏当なものであれば、オーベルシュタインのナンバー2不要論は進言の
必要もなかったでしょうし、ヴェスターラント直後の2人の不和の主要
因はラインハルトの『甘え』でした。
キルヒアイスの死後、期せずしてあの2人はその事に気付いて偶然の協調を行ったとも思えます。

board4 - No.74

アンネローゼ後宮物語

投稿者:優馬
2001年04月29日(日) 06時00分

優馬です。

アンネローゼのキャラクターをこんなふうに考えてみました。

「皇帝フリードリッヒ四世日記」より
帝国歴○年○月○日
 本日は誠に愉快であった。
 何もないところで転ぶ人間というものを見る機会というのは、皇帝といえどそうあるものではない。まして、転ぶついでに、マイヤ夫人(校注:後宮女官長。皇帝の寝室への案内。)のスカートを引き裂き、彼女の下着を露出させるに至っては出来すぎというものである。あの謹直が凝り固まったような女官長が、赤面し狼狽えるのを見たのは欣快の至りであった。見かけによらぬ凝った色調(校注:真紅であったらしい。)の下着であったので誉めてとらせたところ、てっぺんまで赤くなって逃げるように出ていきおった。下々のものの心理は不可解である。
 騒ぎのもとはアンネローゼ・フォン・ミューゼルという下級貴族の娘である。このあいだの行幸の折り、目についたので召還したのだが、思いもかけず楽しませてくれた。当人は至って恐縮しておったから、気にせぬように申し渡す。皇帝の御前ということで緊張していたようであるが、徐々にくつろいで家族のことなど話す。珍しいので色々と聞く。弟を可愛がっていたらしい。気がつくと、寝入っていた。まことに娘々したことだ。あきれて手を出さなかったのは我ながら珍しいことであった。

帝国歴○年○月○日
 改めてアンネローゼを召す。若年により経験が少ないのは致し方ない。
(校注:帝国出版条例89-1により、以下5行削除)

帝国歴○年○月○日
 アンネローゼを召す。「お茶にお呼びしたい」という。「わたくし、不器用なドジっ子でございますが、お茶だけはおいしくいれる自信がごさますのよ」と言う。面白いので招待を受ける。

帝国歴○年○月○日
 アンネローゼからの「お茶」の招待が、思わぬ波紋を呼んでおるらしい。今日、シュザンナ(校注:ベーネミュンデ夫人。皇帝の先の寵姫。)から「私もご相伴を」と言ってよこした。断るのも面倒なので許可する。どうやら宮廷の古狐一行が、随伴することになるらしい。明らかに「いびり」が目的であろうが、アンネローゼには言わぬことにする。どのみち、宮廷で生き延びるためには通らねばならぬ道である。
 アンネローゼを召す。

帝国歴○年○月○日
 アンネローゼの「お茶会」から戻る。笑いすぎて腹が痛い。
 結局、シュザンナ以下5人の女たちが「随行」した。アンネローゼの居室まで行く。後宮のこのような深いところまで行ったのは初めてのことであった。何の屈託もなく、アンネローゼが出迎える。部屋は花やら人形やらいかにも少女趣味に飾ってある。「ふふん、安物。」と古狐の誰かが思いきり蔑みを込めて鼻で笑った。テーブルに就く。クレア夫人-シュザンナの忠実なる副官-が、アンネローゼの席のクッションの間に何かを滑り込ませたのが見えた。何やら面白い展開になった。アンネローゼが「お茶」をいれて甲斐甲斐しく給仕する。「あら、やはりこのようなお仕事はお得意でいらっしゃるのね。」と女狐の一人が露骨な嫌味を言う。が、「はい、母が早くに亡くなり、我が家の家事はわたくしがしておりましたので・・・」と、答える方はまったく邪気がないので、言った方が鼻白んでおる。興味深い。最後にクレア夫人へ茶を給仕しようとしたとき、どういうわけか何もないところでアンネローゼが躓く。不思議な才能である。クレア夫人のクッションに茶がこぼれた。「ああ、申し訳ありません!!」恐縮してアンネローゼが自分のクッションと交換する。クレア夫人、怒るよりも慌ててそのクッションを取りのけようとする。そこで、言ってやる。「そろそろ茶会を始めようではないか。みな、着席せよ。」勅命である。座らざるをえない。古狐の顔面が蒼白である。座ったふりをして、クッションに体重をかけぬよう不自然な姿勢に耐えているのだ。だが、しょせん無為の生活に緩んだ筋肉では体重を支えきれぬ。異様な音が響いた。排泄時の音響にもっとも近いか。(のちに聞けば下々では「ブーブークッション」と呼ぶものであったとのこと。)蒼白だった顔が真っ赤になっていた。声をかける。「・・・体調悪しきものがいるのではないか。大丈夫か。」それに反応してシュザンナが立ち上がる。「ドリー(校注:クレア夫人)の気がすぐれぬ様子。今日はこれにて。」と一斉に引き上げる。さすが、引け際の判断は見事である。アンネローゼと二人きりになって、腹を抱えて笑う。まったく、皇帝などという退屈な代物になってこのかた、こんなに笑ったことはなかった! アンネローゼはただオロオロしているので「心配するな」と言う。

帝国歴○年○月○日
 アンネローゼのまわりに諜報部の密偵を配置する。日々、彼女の周りで起こることを報告させる。あまり「いびり」がひどいようであれば、それとわからぬように助けよ、とも申しつけておく。

帝国歴○年○月○日
 アンネローゼの身辺報告を聞く。これがとんでもなく面白い。アンネローゼは当然というべきか、後宮を上げての「いびり」の嵐にさらされている。ところが、不思議なことにどのような悪意も彼女に届かないのだ。下剤を一服盛ろうとした女官は、自分がそれを飲むはめになった。花束にスズメバチを忍ばせておいたらなぜか本人の部屋に間違って届けられる。部屋の前に動物の死骸を置いておこうとすると、その日に限って予定外の時間に巡回してきた警吏に見つかってしまう。彼女を狙って鉢植えを落とした者もいた。もちろん、当たりはしない。それどころか、そういう場合の十中八・九は同士討ちになるのである。面白すぎる。さらに監視を続けるように指示する。

帝国歴○年○月○日
 アンネローゼを召す。「困ったことはないか」と尋ねると、「みなさん良い方ばかりで・・」と天使の笑顔をする。こやつ、自分に向けられた「いびり」の嵐を知らぬのだ! 笑いの発作に襲われる。アンネローゼが真剣に心配するので「心配無用」と言う。

帝国歴○年○月○日
 ここのところ体調が良い。笑うことが増えたせいか。
 アンネローゼを召す。

帝国歴○年○月○日
 アンネローゼを召す。
 アンネローゼの弟が、士官学校に合格したという。軍務尚書に声をかけておくことにする。

・・・・・・・・・・・・・・・・
帝国歴×年○月○日
 アンネローゼの弟、ラインハルトが外征から凱旋。ブラウンシュバイクらが赤くなったり青くなったりしているのを見るのは誠におかしい。この金髪の孺子、ことごとく肥満体の大貴族どもの鼻をあかせてくれおる。
 姉といい弟といい、朕をかくまで楽しませてくれるのであれば、元帥府のひとつやふたつ、安いものである・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・

 というわけで、典型的少女漫画キャラ「ドジっ娘」アンネローゼでした。歴史的リアリティはないけど、物語的リアリティはあるのでワタシ的にはOK!
 できれば「メガネっ娘」にしたかったんですが(笑)。←冗談です。

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