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「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズの続編製作が公式に否定

今年で1作目の製作から25周年目を迎えた名作映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズ。
その続編製作の可能性を、シリーズ製作ロバート・ゼメキス監督が完全に否定したとのことです↓

http://www.cinematoday.jp/page/N0027869
<「3というのは、終わりにはちょうどいい数字だよ、3で十分だ」とゼメキスはキッパリと断言。また、シリーズ脚本を共同執筆したボブ・ゲイル氏も「ストーリーはあれで完結しているし、何よりマイケル・J・フォックスのいない続編なんて、誰が観たいんだ?」と語った。>

ちなみに、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズで主人公のマーティ・マクフライ役を演じたマイケル・J・フォックスは今年49歳。
1990年代前半頃からパーキンソン病を患い、病を隠して俳優業を続けますが、1998年に病を公表し、2000年には俳優としての活動を引退。
その後は主にアニメ映画の声優として活動しながら闘病生活を続けているとのことです。
今年の「バック・トゥ・ザ・フューチャー」製作25周年に当たり、マイケル・J・フォックスはアメリカのTVCMで往年のマーティ役を演じ、再び話題の人となりました。
これがそのTVCM動画です↓

とても49歳とは思えない若さですね。
1985年当時のマーティと比較しても違和感がありませんし。

「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズはハリウッド映画を代表する名作ですし、私個人としても映画観賞が趣味となるきっかけとなった思い出深い作品であるだけに、もし続編が製作され公開されたならば確実に映画館へ観に行っていたことでしょう。
それだけに製作者サイドによる続編製作の否定は少々残念な部分もあるのですが、まあ1作目が名作だったのに続編が駄作だったという事例も映画の世界ではよく見られますので、そうなる可能性も失われたという点では歓迎すべきことなのでしょうか。
映画ファンとしては何とも複雑な心境にならざるをえない話ですね。

放火犯の心理描写満載の韓国映画「リベラ・メ」

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2000年に韓国で製作され、翌年日本でも公開された映画「リベラ・メ」。
題名の意味はラテン語で「我を救いたまえ」。
街を襲う連続放火事件を巡り、狂気に取り憑かれた放火犯と、消防隊員とのアクション&知略戦を描いた作品です。
日本ではそれほど振るわなかったものの、韓国では累計100万人の観客動員数を記録したのだとか。

映画「リベラ・メ」は、大都市の連続放火事件を描いていることもあり、火災シーンやアクションシーンについては、ハリウッド映画にも引けを取らないと言って良い出来を誇っています。
しかし後半に近づくにつれ、連続放火犯の心理描写がメインの描写そっちのけで挿入され、物語の進行を阻害しています。

特にクライマックス付近の描写はほとんど連続放火犯の心理描写オンリーな展開で、せっかく好印象だった前半の迫力満点な描写がここで全てチャラになるほどのウザさと酷さに満ち溢れていました。
この期に及んで放火犯の心情なんてどうでも良いから、迫力ある対決シーンをキッチリ見せてくれと何度もイライラさせられましたね。
ここはハリウッド映画ばりに単純なストーリーにした方が却って映画全体の評価も良くなったのではないかと。

私にとって映画「リベラ・メ」は、映画館で観た最初で最後の韓国映画だったりします。
この映画、そもそも始めからして、紹介内容等から「ハリウッド映画だろう」と思い込んで映画館に行き、映画開始時点になってようやく韓国映画であることに気づかされたという経緯があったりします(-_-;;)。
最初から韓国映画と分かっていたら、この映画はすくなくとも映画館まで観に行ってはいなかったと思うんですよね(苦笑)。
そして、この映画を観て以降は「韓国映画は何となく馴染めない」というイメージが定着してしまったものでした。

今年の9月から日本で公開が始まった映画「TSUNAMI -ツナミ-」も、その題名から「日本映画ではないか?」と考え面白そうだと映画観賞リストに加えていたものの、製作元が韓国であると分かった途端に観に行くのを止めたという経緯があったりします(^_^;)。
韓国映画への偏見は日本映画以上ですね。

映画「きけ、わだつみの声 Last Friends」から始まる日本映画全体に対する偏見からして解消されるのに10年近くもの時間が必要でしたし、それ以上に偏見が根強い韓国映画の評価が覆るのは正直容易なことではないんですよね。
そもそも韓国映画が日本に来ること自体、極めて稀な事例であるわけですし。
それでも、韓国映画に対する偏見を吹き飛ばすだけの面白さを持つ映画というものを期待したいところなのですけどね。

10月22日は田中芳樹の誕生日(満58歳)

10月22日は田中芳樹の誕生日。
当のご本人様にとっては「うん、とうとうなってしまった……」と無念と呪詛に満ち満ちた呟きでも口にしたくなる凶事なのではないかと思われます(苦笑)。
ただまあ、一般的には一応「吉事」とされ、お祝いなども行われるわけですし、一ファンとしても事実は直視してもらいたいところではありますので、ここは「癌を告知する医者」の心境であえて言わせて頂きましょう。

58回目のお誕生日、おめでとうございます(爆)。

本日で田中芳樹も、一般的なサラリーマンの「定年」となる60歳まであと2年を残すのみとなってしまったわけですが、作家に「定年」は当然のごとく存在しません。
アルスラーン戦記やタイタニアをはじめ、未完シリーズもまだ数多く存在するのですから、すくなくともそれらを完結させるまでは、田中芳樹には血反吐を吐き散らしてでも生き続けて頂きませんとねぇ~。
ああそうそう、創竜伝と薬師寺シリーズについては、もう連載中止を宣言してもかまいませんから(笑)。

日本と中国、それぞれの味千ラーメン

中国の「反日デモ」という名の暴動で、暴徒達の襲撃に遭った日本料理店として紹介された味千ラーメン。
今回はこの熊本を代表するラーメン屋について少し。

味千ラーメンは、熊本県熊本市に本店を置き、熊本の重光産業という会社が運営しているチェーン店です。
2010年6月時点で、国内で約100、海外で約500の店舗がチェーン展開しています。
店舗数の内訳を見れば分かるように、味千ラーメンは国内よりも海外の方が大々的にチェーン展開されている上、その国内の店舗数自体も、実に7割近くが熊本県内に集中しているため、全国的な知名度がほとんどないという、何とも不思議なラーメン屋なんですよね。
熊本では地元民の生活に密着するほど身近な店であるにもかかわらず、一歩熊本県外に出ると、今度は店を探すことすら困難になるありさまです。
熊本県と隣接している九州6県(福岡・大分・長崎・佐賀・宮崎・鹿児島)でさえ、味千ラーメンの店舗数は微々たるものです。
数ある熊本ラーメンの中では一番大規模なチェーン展開を行っているわけですし、もう少し国内展開しても良さそうなものなのですけどね。

まあ熊本ラーメン自体、博多ラーメンに「九州とんこつラーメン代表」の座を長年奪われ続けている始末ですし、味千を含めた熊本ラーメンは県外向けの宣伝&進出にあまり熱心ではない印象がありますね。
もっとも最近は、熊本ラーメンも少しずつ注目されつつあるようで、「黒亭」「こむらさき」などの老舗が全国的に知られるようになってきてはいますが。

話を味千ラーメンに戻しましょう。
日本国内と打って変わって、チェーン展開が著しい中国における味千ラーメンは、味千中国ホールディングスという香港系の企業が、日本の重光産業とフランチャイズ契約を締結し運営されています。
つまり、中国の味千ラーメンは「日本企業と経済的な関係にある」というだけのれっきとした中国の企業であり、社長から従業員に至るまで現地の中国人によって運営されているわけです。
日本の味千ラーメンを運営する重光産業は、味千中国ホールディングスに名前と技術を貸しているだけ。
これらの事実から考えると、中国の「反日デモ」で味千ラーメンを襲撃のターゲットとして選んだ暴徒達は、結果的に見れば「自分達の同胞」を襲った挙句、御丁寧にも「味千ラーメン」というブランドの宣伝を、しかも無償で行っていたことになります。
何しろ、「反日デモで襲われた中国の日本料理店」として、「味千ラーメン」の名は全世界にニュースとして大々的に報じられたわけなのですからね。

暴動の被害に遭ったのは中国現地の味千中国ホールディングスであり、日本の重光産業は直接的には何のダメージも受けない。
にもかかわらず「味千ラーメン」の名は全世界に報じられ、かつ全世界から被害者として同情が寄せられる立場になった。

全く、重光産業としては笑いが止まらないことでしょうね(苦笑)。
他の企業が是非とも模倣すべき、素晴らしいチャイナリスクの回避方法とすら言えるでしょう(爆)。

中国の方々におかれましては、今後も積極的に「反日デモ」という名の暴動に精を出してもらい、チャイナリスクの存在を大々的にアピールすると共に、中国共産党の一党独裁体制を崩壊へ導き、ついでにローカルでマイナーな日本企業の名前を全世界に向け無償で宣伝し続けて頂きたいものですね(苦笑)。

自民党が仙谷「健忘」長官の診断書提出要求を検討

中国漁船船長の釈放問題を巡る仙谷官房長官の「健忘症」発言に対し、自民党は診断書の提出要求を検討しているとのことです↓

http://megalodon.jp/2010-1020-1835-15/sankei.jp.msn.com/politics/situation/101019/stt1010192031007-n1.htm

もしこれが本当に行われたら、なかなか面白い展開になりそうですね。
本当に診断書の提出要求が行われ、かつ提出されれば、「健忘症」発言がウソでも本当でも、仙谷由人は窮地に立たされます。
健忘症を患っていない場合、仙谷由人は国会という場で虚偽の理由を並べて相手からの質疑への回答を避けた、ということになります。
この場合、国家公務員法違反、偽証罪、「議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律」(議院証言法)のいずれかに抵触する可能性がありますし、またそうでなくても「国会の場でウソをついた」というだけでも弾劾され辞任に追い込まれるのは必至でしょう。
一方、本当に健忘症を患っていることが証明された場合は、当然のごとく「そんな人間に内閣官房長官の要職を任せるわけにはいかない」ということになって、やはり辞任が求められることになります。
もちろん、民主党が診断書の提出を拒否した場合には、仙谷由人には「健忘症」疑惑がいつまでも付き纏うことになりますし、仙谷由人が内閣の要職の地位にい続ける限り、野党側は常にそれを民主党攻撃用のカードとして使い続けることができるわけです。
どう転んでもプラスの結果を出すことができるのですから、自民党には是非とも仙谷由人の診断書提出要求を国会の場で行って頂きたいものです。

民主党は野党時代、麻生太郎元首相の漢字読み間違いを声高に糾弾した挙句、国会の場で漢字テストを行ったり、カップラーメンの値段が違うだの「庶民レベルのホテルのバー通い」「ボールペンのキャップを口にくわえる」だのといった「政治的には」どうでも良い首相の言動をことさら取り上げたりすることで自民党を罵り倒していました。
それが政権与党になって、政治的にも経済的にも無為無策で日本の国益を害しまくった挙句、自分達が過去に行った自民党攻撃と全く同じ手法でもって、今度は自分達自身が野党自民党から糾弾されることになるかもしれないわけです。
まさに因果応報もいいところですが、まさか民主党ともあろうものが、田中芳樹や山本弘じゃあるまいし「こんな揚げ足取りなことをして政治を混乱させるな!」と言わんばかりの御都合主義なダブルスタンダード弁護論を披露するなど、一般人並の羞恥心でもあれば恥ずかしくてとても実行できるものではないでしょう(笑)。
政権与党の名に恥じることのない、スバラシイ対応を心から期待したいところです(爆)。

仙谷由人の属国化肯定&健忘症認定発言

驚愕のニュースが飛び込んできました↓

仙谷氏「APEC影響懸念で釈放」と丸山氏暴露
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20101018-OYT1T01000.htm
>  18日の参院決算委員会で自民党の丸山和也氏は、事件で逮捕した船長の釈放には、来月横浜で開くアジア太平洋経済協力会議(APEC)に影響することへの懸念があったとし、釈放直後に仙谷官房長官と電話で話した内容を“暴露”。
>
>  「判決まで拘置して強制送還すべきだった」と訴えると、仙谷氏は「APECが吹き飛んでしまう」と答え、「日本が中国の属国になる」との懸念を伝えると、
「属国化は今に始まったことではない」と応じたという。
>
>  仙谷氏は答弁で
「健忘症にかかったか、今暴露された会話の記憶は全くない」と否定。18日夕の記者会見では「何らかのことを友人関係で話したとすれば、国会で質問されるのは不本意だ」と不快感を示した。
(2010年10月18日20時18分 読売新聞)

この短い記事の中に致命的な問題点がいくつもあります。

まず、件の船長釈放は、これまで「わが国国民への影響や、今後の日中関係を考慮した」と言う理由から「那覇地検が独断で決定した」ということになっていたはずなのに、「APEC影響懸念」という、これまでの公式発表を否定する発言が出てきたこと。
件の決定は那覇地検の独断ではなく政府の政治関与が行われていたということになりますし、那覇地検も政府も、ウソの発表で国民を騙していたことになります。
ただでさえ船長の釈放問題については国民の大多数から疑問と批判の声が上がっているというのに、さらにその発表がウソ偽りのものだった、ということになれば、政府の責任は極めて重大です。
政府は何故そのようなウソで国民を欺いたのか、公の場で説明しなければなりません。

次に、仮にも独立国の政治家という重責を担う者が、「属国化は今に始まったことではない」などと軽々しく発言して良いわけがないでしょう。
しかも、ここで言われている「属国化」の主語は、文脈から考えても「中国」以外にはありえないわけですからなおのことです。
一体、日本国民の誰が中国の属国であることを望むというのでしょうか?
また、仮に万が一にも「属国化は今に始まったことではない」というが正しかったとしても、だからと言って「属国化」を推進して良い理由になどなりません。
ここまで凄まじいまでに「売国的な発言」というのは見たことがないですね。

そして最後は、内閣官房長官という要職を担う人間が、自ら率先して「健忘症」を患っているという事実を告白したことです。
昔よく見られたらしい政治家の自己弁護発言「記憶にございません」をこの期に及んで踏襲したかったのかもしれませんが、よりにもよって自ら「健忘症」を患っていると告白してどうするというのでしょうか。
一国の首相や閣僚の健康状態というのは、国によっては国家機密的な扱いを受けることも珍しくないというのに、それを白昼堂々と告白し、自身の身体に問題があることを公の場で暴露する内閣官房長官。
上記2つの件と併せ、頭と思考水準に問題のある人間が内閣官房長官という要職にいること自体、国家としては極めて喜劇的かつ危機的な状態と言えます。
仙谷由人はただちに内閣官房長官を辞任し、頭の病院に入院すべきです。

それにしても、以前から民主党はバカなことばかりやってきたわけですが、ここまで「イッてしまった」ありとあらゆる意味でバカとしかいいようのない売国発言というのもそうそうあるものではないでしょうね。
民主党政権の面々は、下手すれば創竜伝や薬師寺シリーズに登場する悪役達よりもさらに思考水準が下なのかもしれません(爆)。
政治思想が近いことから民主党を支持しているであろう田中芳樹も、さすがにこれは「自分の判断は果たして正しかったのか?」と頭を抱え込みたくなってくるのではないでしょうか。
まさか、一連の発言で「我が意を得たり!」と会心の微笑みを浮かべている、などということはさすがにないだろう……と思いたいところなのですが(苦笑)。

「らいとすたっふ」社長氏の田中芳樹についての認識

「らいとすたっふ」の社長氏が、田中芳樹について何やら面白いことをTwitterで呟いているようです↓

http://twitter.com/adachi_hiro/status/27577897689
<『銀河英雄伝説』を読み直している友人が、「いまの政治って、本当に衆愚だよね。田中さんは、この状況を予見して書いた?」と言っていた。田中さんは単なる作家だから、政治的な意図はないと思うよ。でも、過去の歴史に題材をとっているから、きっと昔も似たような国があったということだと思うなあ。>

田中芳樹的には、「自民党政権をモデルに」思いつくまま悪し様に日本の政治や社会の悪口を書き殴っていた、というのが真相でしょう(苦笑)。
それが田中芳樹が敵視しているであろう自民党政権や保守派には全くと言って良いほどに当てはまらず、政治思想的には「同志」とすら言えるであろう民主党政権、および田中芳樹をも含めた民主党支持者に「結果として」当てはまってしまっているというのは皮肉もいいところなのですが(爆)。
創竜伝13巻に記載されている政策提言をはじめとするこれまでの田中芳樹の言動を見る限り、田中芳樹は反自民&民主党支持、そして反日反米思想の持ち主以外の何者でもないのですからねぇ(^-^)。

http://twitter.com/adachi_hiro/status/27578024928
ちなみに田中芳樹さんを「親中派」という人もいるけど、これは誤り。田中さんが好きなのは中国大陸を舞台に花開いた文化だから。で、その文化を「文化大革命」で破壊したのが現在の中国を治める政府。ここからでも、田中さんが持つ現政権へのイメージが判ると思うけど。>

田中芳樹がいつ文化大革命を否定的に論じたというのでしょうか?
文化大革命については、創竜伝7巻で、その首謀者である毛沢東のことを、よりにもよって竜堂続に「毛主席」とまで呼ばせた上、さらに別の中国人キャラクターに「その正当な評価は死後50年まで待つべき」などというタワゴトさえもしゃべらせる始末だったのですけど↓

創竜伝7巻 P125上段~P126上段
<「……狂気というやつは個人をとらえることもあるが、時代をとらえることもある。そして、そのほうがはるかに始末が悪い。日本人もドイツ人も、本来、とりたてて残忍な人々ではないはずだが、自分たちは優秀な民族だと思いあがったとたんに、狂気にとりつかれてしまったのじゃろう」
 しんとして竜堂兄弟は聞きいっている。
「ま、中国侵略は日本の恥だが、中国には中国の恥がある。なかなか一党独裁政治からぬけだせないという、な」
 黄老が話題を変えたのは、日本人である竜堂兄弟を底なしに落ちこませないための配慮であったのだろう。毛沢東のことを彼は話しはじめた。

「毛沢東には偉大な理想と巨大な野心とがあった。そのふたつの流れが合流するところで彼は魚を釣りあげた。中国という巨大な魚をな」
 黄老は複雑すぎる溜息をつき、それを頸すじで受けた続は、あやうく老人を放り出すところだった。
「毛主席は思想的には世界の半分を釣りあげましたね」
「そう、だが釣糸が途中ではずれてしまった。まあ、たぶん、全人類にとっては幸運なことだったろう。彼は大きな男でな、人類がささえるにはちと重すぎたよ」
 黄老は晩年の毛沢東やその後継者たちにさからって、何度めかの獄中生活を送ることになったのだ。
彼に対する正当な評価は、せめて死後五〇年を待つべきじゃろうな。だが、その後継者どもときたら……」>

文化大革命のみならず、大躍進で自国民を数千万単位のオーダーで死に追いやったり、5人にひとりを虐殺したとされるチベット侵攻を敢行したりと、田中芳樹的価値観からすれば全否定されるべき愚行を幾度もやらかした毛沢東に対してこれなのですから、田中芳樹の毛沢東に対する思い入れが充分過ぎるほどに分かろうというものではありませんか(苦笑)。
ちなみに、毛沢東と同じように「大虐殺者」として名を馳せているヒトラーやスターリンについては、かくのごとき留保的な評価を田中芳樹が行ったことはありません。
これ一事だけでも、田中芳樹の「親中」どころか「媚中」ぶり、そして対中ダブルスタンダードぶりが分かろうというものでしょう。

また、田中芳樹が現在の中華人民共和国をほとんど唯一否定的に論じているのは、文化大革命ではなく天安門事件です。
しかもその内容は、
「自国民を思想のゆえに強制収容所に閉じこめるような国家には、存続する価値はない」
という、田中芳樹が信奉する民主主義真理教の教理である「言論・思想の自由を認めろ!」的なものでしかありません。
さらにそうやって過去に天安門事件を元に中国を批判しておきながら、創竜伝13巻になると今度は一転、中国経済の礼賛論をぶっ放す始末です。

創竜伝13巻 P77下段~P78上段
<ヴィンセントの声がさらに高まる。
「やつらにあるとすれば、経済力や技術力でチャイナやコリアに追いぬかれる恐怖感だ。いったん追いぬかれたら、二度と追いつくことができず、置き去りにされてしまうという恐怖感。ふふふ、自信喪失が後ろ向きのヒステリーに結びついたあげく、この国の保守派どもにできることは、チャイナやコリアの悪口をいいたてることだけになってしまった。コリアは永遠にジャパンに追いつけない、チャイナは五年以内に崩壊する……」
 身ぶり手ぶりをまじえて、大統領補佐官の演説はさらに熱を加えていく。
「毛沢東が死んだときにも、トウ小平が地上から去ったときにも、チャイナは五年以内に崩壊するはずだった。だがそうはならなかった。
いまや、チャイナが五年以内に崩壊するなら、それより二年早くジャパンの経済が壊滅するだろうといわれておる
 総領事は力なくうなずいた。もはや口をはさむことを断念してしまっている。
「ジャパンを肥え太らせる時代は終わった。今度はチャイナを肥え太らせる。肥えて、太って、ふくらんで……血色よくふくれあがったところで……」
 いきなりヴィンセントは両手をひろげた。
「バン!」
 大声を上げると、ようやく口を閉じた。>

しかも、ここで中国経済を礼賛しているヴィンセントなる人物は、創竜伝の作中では四人姉妹における対中国破壊工作の総責任者であり、人民解放軍同士の内戦勃発を画策・実行させた人物として描かれています。
そんな人物が、自分が過去に中国に対して何をしていたのかを忘却し去ってまで、こんなタワゴトを吹聴していたりするわけです(爆)。
創竜伝13巻を何度読んでも、ヴィンセントが何故こんな発言をやらかしたのかについて作中には全く描かれていませんし、そもそも創竜伝12巻までの作中における現代中国は「権力闘争による内戦が勃発してまもなく崩壊するだろう」的な扱いだったはずなのですが(苦笑)。
まさに「作者である田中芳樹自身がこういうことを言いたかったから」以外の何物でもなかったわけで、こういう辻褄の合わないアホなことをするから、「親中派」どころか「媚中派」「【中国の】国粋主義者」などというレッテルを読者から貼られたりしてしまうのですけどね、田中芳樹は。

他にも、夏の魔術シリーズ3巻「白い迷宮」で「無主の地」であったはずの1930年代の満州地方を「中国の土地」などと定義していたり、台湾について「中国(中華人民共和国)に帰属するだろう」などとのたまっていたりと、「中国大陸を舞台に花開いた文化」だけでなく、現代中国の政治や経済についても数限りなくヨイショしているサマが、田中芳樹の言動からは伺うことができます。
そして、その対中国のスタンスが、罵詈雑言を叩きつけまくっている日本の政治や社会と比べてあまりにも正反対&ダブルスタンダードと言って良いほどに礼賛調、または犯罪正当化的な論調で固めているのが、田中芳樹が「親中派」とされる最大の理由なのです。
私などよりもはるかに田中芳樹と長い付き合いであろう「らいとすたっふ」の社長氏ともあろう者が、そんな基本中の基本的なことを知らないはずはないと思うのですけどねぇ~(-_-;;)。

映画「桜田門外ノ変」感想

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映画「桜田門外ノ変」観に行ってきました。
江戸幕府の権威を失墜させ、幕末動乱の発端となった井伊直弼暗殺事件「桜田門外の変」を映画化した作品。
何故PG-12やR-15指定されなかったのか疑問に思ってしまったほど、作中は流血シーンが満載でしたね。

ストーリーは、襲撃を指揮したとされる水戸藩士・関鉄之介の視点で展開されており、桜田門外の襲撃から関鉄之介の斬首までが描かれています。
どちらかと言えば、「桜田門外の変」の襲撃者達のその後の逃走過程を描いた作品と言って良く、その発端となる桜田門外の襲撃は序盤で早くも発生します。
襲撃内容は史実通りで、季節外れの大雪となった当日、まず井伊直弼の大名行列の先頭に駕籠訴を持った刺客が刀を振るい、護衛の注意を前方に引き付けます。
前方に護衛が集中したタイミングで、井伊直弼の駕籠めがけて短銃が発射され、本隊への襲撃が行われることになります。
この際、何の偶然だったのか、発射された弾がたまたま井伊直弼の腰部から太腿にかけて直撃し、井伊直弼は動けなくなってしまいます。
護衛側は狼狽しながらも健闘し、特に二刀流の使い手であった河西忠左衛門が駕籠脇を守って襲撃者達を手こずらせます。
それでも奇襲によって機先を制した効果は大きく、襲撃者側はついに抵抗を排除、井伊直弼の駕籠に刀を突き立てます。
そして井伊直弼を引きずり出して首を取り、襲撃者達は勝鬨を上げることとなるわけです。
しかし、この映画の本当の物語は実はここから始まるのです。

襲撃者達の内、最初に井伊直弼の駕籠に切り込んだ稲田重蔵は河西忠左衛門に斬られて討死。
その他、井伊直弼の首を獲った有村次左衛門を含む半数ほどの襲撃者達が、護衛側の猛反撃で重傷を負い、自刃または捕縛の一途を辿ります。
残りは大坂方面へと逃走を続けていくのですが、その途中で「桜田門外の変」が行われるに至る(ペリー来航から安政の大獄辺りまでの)過程が描かれていくことになります。
この辺りは、昔の回想と現在進行形の逃走過程の区別がつけにくく、描写的に「これ昔と現在、一体どちらの話?」と少々分かりづらいところがありましたね。
何とか大坂まで逃げ延びた襲撃者達も、幕府からの追捕を受けて自刃したり、捕縛・獄死・処刑の一途を辿ったりしてどんどんその数を減らしていきます。
主人公である関鉄之介は、打開策を探るべく旧知である鳥取藩や薩摩藩を頼ろうとしますが、そこでも門前払い。
やむなく水戸藩に戻り、日本三大瀑のひとつ「袋田の滝」に入ってそこで匿われ、底で中央の政情を聞きながら逃亡の日々を過ごします。
しかし、やがてそこにも追捕の手が迫り、今度は越後へ逃走。
そこから蝦夷へ渡り、再起を図ろうとしたのですが、蝦夷行きの船を待っている間にとうとう捕縛されてしまい、文久2年5月11日(1862年6月8日)、斬首されることと相成るわけです。

全体的には、歴史的事実を忠実に再現したノンフィクション作品で、ハッピーエンドとは全く無縁の映画ですね。
襲撃者達の末路は全員「悲惨」の一言に尽きますし、また主人公である関鉄之介の妻子(内縁関係だったらしいですが)も、「桜田門外の変」後、追捕によって家を荒らされて捕縛されています。
さらに主人公と関係があった愛人?らしき女性に至っては、捕縛された挙句、拷問にかけられて死亡するにまで至っています。
犯罪者の逃亡生活の悲惨さを描く、というのがテーマの作品なのでしょうか、これって。

映画「エクスペンダブルズ」感想

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映画「エクスペンダブルズ」観に行ってきました。
シルヴェスター・スタローン監督&主演のアクション物。
作中では、手足や首がもげたり、銃弾に当たった上半身が吹き飛んだり、流血がドバドバ流れまくったりする等のバイオレンスなアクションシーンがふんだんに盛り込まれているため、当然のごとくR-15指定されています。

この作品の特徴は、何と言ってもハリウッドを代表する新旧のアクションスター達が多数出演していることですね。
主人公バーニー・ロスを演じる、「ロッキー」「ランボー」シリーズでおなじみのシルヴェスター・スタローン。
主人公の相棒であるリー・クリスマス役のジェイソン・ステイサムは映画「トランスポーター」シリーズ、映画「デス・レース」でそれぞれ主人公を演じています。
作中のストーリーはこの2人を中心に進んでいくのですが、他の脇役ばかりか悪役まで含めた登場人物達も他の作品で主役や悪役を担当して有名になっている俳優が演じています。
たとえ俳優の名前を知らなくても、「この人どこかで見たことがあるような……?」と映画ファンでなくても首を捻ること請け合いですね。
俳優の顔ぶれは、まさに「史上最強の消耗品軍団(エクスペンダブルズ)」と呼ぶにふさわしい豪華さを備えていると言えます。

また、映画「エクスペンダブルズ」では、カリフォルニア州知事のアーノルド・シュワルツェネッガーやブルース・ウィリスが友情出演することでも話題となりました。
両者が登場するのは主人公に対する仕事の依頼が行われるシーンで、アーノルド・シュワルツェネッガーは仕事を依頼される主人公のライバル候補として、ブルース・ウィリスは依頼を行うCIAの人間として登場しています。
出演時間はほんの2~3分程で、まさに文字通りの友情出演でした。
ただ、特にアーノルド・シュワルツェネッガーについては、ここ最近は映画「ターミネーター4」で顔だけCG合成した演出のみの友情出演でしか映画では見ていなかっただけに、本物が出てきた際には「おおー、本物だ」と感動もひとしおでしたね(苦笑)。
ブルース・ウィリスの方は、今年最初に観た映画「サロゲート」で演じていた主人公とイメージが全然違っていましたので最初全く気づかなかったのですが(-_-;;)。

ストーリーは、ソマリアのアデン湾で大型タンカーを占拠した海賊達を一掃するところから始まり、南アメリカの小さな島国ヴィレーナの独裁者ガルザ将軍の暗殺を依頼され実行していくという、ハリウッド的にはスタンダードなシナリオで進行していきます。
主人公バーニー・ロスと相棒役のリー・クリスマスのコンビによる掛け合いはなかなか味があって良かったですね。
この両者、演じている俳優の間には実に20歳以上もの年の差があるにもかかわらず、全くそれを感じさせない会話と演技をこなしていましたし。

作品そのものの全体的な評価としては、R-15なバイオレンス描写が多発することを除けば、「良くも悪くも安心して観れるアクション系ハリウッド映画」といったところですね。

「髑髏城の花嫁」進捗状況&発売延期

田中芳樹が避暑地の軽井沢から東京へ戻ってきたようです↓

http://twitter.com/adachi_hiro/status/27405241962
<軽井沢に行って、田中さんを引きずり下ろしてきた〜。まさか昼前に帰って来られるとは思わなかったね。>

http://a-hiro.cocolog-nifty.com/diary/2010/10/post-d1f6.html
<本日は田中さんの引っ越しでした。
 と言っても、軽井沢の仕事場から東京の仕事場に執筆場所を移すだけなので、引っ越しというよりは「移動」ですね。
 暑さに弱く、冷房も嫌いということから軽井沢と東京の往復生活が始まったようなのですが、今年の東京はまだまだ暑さが続いています。
 明日の土曜日の予報は気温が25度近くまで上がるみたい。また軽井沢に戻りたい、なんて言わないか心配です。>

これだけ自分の希望が通っている職場で仕事しているにもかかわらず、執筆速度が全く上がっていないというのはある意味驚異ですね。
今の作品執筆状況はこんなザマらしいですし↓

http://a-hiro.cocolog-nifty.com/diary/2010/10/post-d1f6.html
<肝心の仕事のほうなのですが、執筆中の『髑髏城の花嫁』も後半戦に入っています。理論社があんなことになってしまいましたが、書き始めている以上、とにかく書き上げようということ。
 どのようなカタチで世に出るかは未定ですが、なるべく読者の皆様をお待たせすることのないよう、私どもスタッフもサポートしていこうと思っています。>

理論社の民事再生法申請は不可抗力であったにせよ、社長氏は今年の夏コミで販売していた同人誌の中で、「髑髏城の花嫁」は晩秋に出来上がる予定と明言していたはずなのですけどね↓

とある作家秘書の日常2010年夏号 P2
<現在は、理論社で刊行された『月蝕島の魔物』の続編、「ビクトリアン・ホラー」三部作の第2巻を書いています。タイトルは『髑髏城の花嫁』。8月13日現在で、8章構成のうち、第3章までが出来上がっています。残り半分強が出来上がるのは、晩秋、といったところでしょうか。>

ところが実際には、すでに10月も半ばに入ってさえも「後半戦」、つまり全8章構成の5章にようやく入ったところくらいまでしか完成していないときているわけです。
「晩秋」って、「今年の」ではなく「来年以降の」だったりするのでしょうか(笑)。
しかも、理論社の民事再生法申請により、「髑髏城の花嫁」の刊行予定自体も白紙化してしまったようですし、田中芳樹的にはむしろ喜んですらいる可能性が高いと言わざるをえないところです。
出版社が危機的状況に陥っても、すでに公表済の作品刊行予定自体はきちんと遵守されるのではないかと思っていたのですが(-_-;;)。
今年に入ってから田中芳樹が執筆している作品は「髑髏城の花嫁」だけなので、今年は名実共に田中芳樹直筆作品の刊行がゼロの年、ということになりそうです。
遅筆遅筆言われていても、これまでは年に1~3冊ペースで小説自体は刊行されていたのですけどね~。

今回の件、いつぞやの創竜伝14巻刊行無期限延期問題の時と同じように社長氏に直接問い合わせたいところなのですが、ブログは私が投稿したところで、銀英伝パチンコ化問題の時のごとく非承認&アク禁されるのは確実ですし、Twitterの方はアカウントがブロックされているので、私からアクションを起こしても無駄な環境が構築されてしまっているのが何とも言えないところです(T_T)。
田中芳樹絡みの執筆スケジュールを公言しても、「予定通り遅れている」他様々なアクシデントで結果としてウソをつくことになりかねないのですから、もう公言するのは止めた方が良いのではないかと思うのですけどね。

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