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2012年12月の記事は以下のとおりです。

2012年映画観賞総括 邦画作品編

2012年の新作映画観賞97本のうち41本を担う邦画作品。
邦画が冷遇された時代も今は昔で、現在ではすっかり洋画と並ぶ一大ジャンルと化した感がありますね(^^)。
今回はその中から、各種部門別に個人的な私的評価に基づいて選別した作品をピックアップしていきたいと思います。

■ 邦画年間ベスト作品&サスペンス映画部門

まずは邦画年間ベストも兼ねるサスペンス映画部門の作品から。
2位とは結構接戦だったのですが、見事ナンバー1の座を獲得したのはこの作品です↓

カラスの親指
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映画の宣伝や前評はかなり地味なものだったのですが、導入部・伏線の張り方・ほのぼのシーンや緊迫したシーンの使い分け・そしてラストの大どんでん返しと、全てにおいて良く出来ていた作品です。
特にラストの展開は、洋画の「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」を髣髴とさせるものがありました。
俳優さんの配置自体も煙幕のひとつだったみたいですし、派手なアクションは皆無ながらも観客を唸らせるには充分の出来です。

■ 人間ドラマ映画部門

その1位作品と接戦を演じたのがこちら↓

北のカナリアたち
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物語の起点となった20年前の事件の真相が少しずつ明らかになっていく過程と、ラストの感動的な大円団がなかなかに光った作品ですね。
主人公が天然な善人のように見えて実は……という展開も意外なものでしたし。
新旧の大物俳優が出演し、それぞれ秀逸な役どころを演じるという構成も、万人受けしやすいものではあるでしょうね。

それ以外の人間ドラマ映画で秀逸な作品としては、転生をテーマに扱い、シリアスと笑いのバランスが絶妙だった「スープ ~生まれ変わりの物語~」や、全体的にほのぼのした展開が売りの「HOME 愛しの座敷わらし」、富山から長崎までのひとり旅を描いた「あなたへ」などが挙げられます。
前者は映画の宣伝すらほとんど見かけず、熊本でも1箇所のみの上映と前評はかなり悲惨なものがありましたが、それに反して出来は良く、「何故この映画は正当に評価されなかったんだ?」という疑問を抱きすらした作品でした。
後2者も大物俳優を揃えつつ、登場人物達それぞれの葛藤を良く描いた秀作です。
この人間ドラマ映画の層の厚さは、日本映画がハリウッド映画に勝る数少ない要素と言えますね。

■ アクション映画部門

邦画でアクション映画というのは、それ自体が希少な宝石類のごとく貴重な存在なのですが、今年も例外ではなかったですね(T_T)。
今回唯一評価しえる邦画のアクション映画はやはりこれでしょう↓

るろうに剣心
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マンガを原作としつつも、作中で繰り広げられるスピーディなアクション描写は、本場ハリウッドと比較しても遜色のない出来で、今後の邦画の可能性についても期待を抱かせるに充分なものがありました。
実写映画版もそれなりに人気はあったようですし、続編の製作が行われる可能性もかなり高いのではないかと。

■ コメディ映画部門

今年の邦画におけるコメディ映画の代表格と言えば、世間的にも大ヒットして海外進出まで果たしたこの作品でしょう↓

テルマエ・ロマエ
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阿部寛演じる大柄な体格の主人公が、現代日本の文明機器にいちいち大仰な表情とリアクションで驚きまくる光景は、当の本人的には全くその気などないのに、それ自体が立派なコメディを形成していました。
外見と内実のギャップを上手く利用したコメディでしたね。

■ アニメ映画部門

今年は例年になく複数のアニメ映画を観賞した年でもありました。
いつもならばアニメ映画は、年間で1本もあれば御の字というレベルでしか観賞することがなかったのですが、今年は洋画・邦画含めて総計6本。
テレビアニメからの延長ではなく映画単独で完結していて、かつ大人向けな内容の作品が多かったことが、作品の関心を惹く大きなプラス要因となりました。
その中で最優秀に輝いたのはこの作品↓

おおかみこどもの雨と雪
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今年のアニメ映画は「家族問題」を描いたものが多かったのですが、母親および子供の精神的な成長を描いた今作はその中でも抜きん出た存在だったと言えます。
子供の成長を見守るだけならまだしも、自分の元から離れていこうとする子供の意思を尊重する母親の「精神的な強さ」というのは、そうそう簡単に表現できるものではないのですから。
瀬戸内海の島々を舞台とする「ももへの手紙」や、オンラインゲームと福岡県を舞台に繰り広げられた「ドットハック セカイの向こうに」で描かれた家族問題は、いずれも「親と子供の間で起こる諍いと和解」がテーマでしたし。
洋画でも「メリダとおそろしの森」が似たようなテーマを扱っていましたが、あちらは全体的に低年齢層を対象にしているような感がありましたね。

■ 時代劇映画部門

今年観賞した日本映画で「時代劇」に分類される映画は3本。
その中で一番良作と個人的に評価したのはこの作品ですね↓

のぼうの城
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3作品の中で一番物語のスケールが大きく、かつ合戦の描写があることが決定打となりました。
やはりスケールが大きく派手な描写がある映画というのは高評価になりやすいですね。
だからこそ、映画業界ではその手のノウハウを熟知しているハリウッド映画が世界のトップを走ってもいるわけですし。
日本初の暦制定を描いた「天地明察」も、男女逆転の「大奥 ~永遠~ 右衛門佐・綱吉篇」も、人間ドラマとしてはそれなりのものがあっても、客の目を惹く派手な描写というものは全くなかったわけで。
もちろん、それだけで作品の質が落ちるということにはならないでしょうけど。

■ 邦画年間ワースト作品

邦画は洋画に比べてアクションシーン等の派手な演出が少なく、人間ドラマやストーリー重視にならざるをえない分、駄作が生まれるリスクも洋画より高いですね。
超能力をテーマにした「SPEC~天~」、宗教映画たる「ファイナル・ジャッジメント」という【底辺の強豪】を押しのけ、見事今年最下位の座を獲得した作品はこちらとなります↓

苦役列車
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この映画の駄作ぶりが如何なるものなのかについては、洋画で年間ワースト作品とされた「ラム・ダイアリー」の更なる劣化版、という評価に全てが凝縮されていると言って良いでしょう。
「苦役列車」は「ラム・ダイアリー」の問題点を全て踏襲しているのみならず、「全く感情移入できない主人公」という最悪の要素までもが付随しているのですから。
上映された映画館自体も少なく、興行収益的にも大コケだったようなのですが、それも当然というべき内容でしかなかったですからねぇ。
俳優さんの演技でもカバーできないほどにストーリーが最悪だったのですし。
こんなのに出演せざるをえなかった俳優さんも、実に災難な限りとしか言いようがなかったですね(T_T)。

洋画・邦画を問わず、数多くの作品に巡り合えた2012年の新作映画観賞。
来るべき2013年も、このペースが維持・発展していけることを願いたいものですね。

2012年映画観賞総括 洋画作品編

2012年の新作映画観賞97本中55本を占める洋画作品。
今回はその中から、各種部門別に個人的な私的評価に基づいて選別した作品をピックアップしていきたいと思います。

■ 洋画年間ベスト作品&アクション映画部門

まずは洋画年間ベストも兼ねるアクション映画部門の作品から。
並居る強豪がひしめく2012年の洋画作品の中で、見事ナンバー1の座を獲得したのはこの作品です↓

エクスペンダブルズ2
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この作品一番の魅力は、やはり何と言ってもシルヴェスター・スタローン、アーノルド・シュワルツェネッガー、ブルース・ウィリスという、ハリウッドアクション映画を代表する3巨頭が一斉に横に並び銃を乱射して敵をなぎ倒していくというシーンですね。
昔からハリウッドアクション映画に慣れ親しんできた人間としては、観客受けを狙ったあざとい演出であることが分かりきっていてもなお感動的なシーンと言って良く、これだけでも必見の作品と評価できます。
ハリウッド映画のファンであれば誰もが名前と顔は知っている大物俳優を集めた一種の「お祭り映画」と言える作品ではありますが、それだけに誰もが安心して観賞できる一品です。
今作は3部作の2作目ということで、次回作でいよいよ完結するとのこと。
是非次回作でも、今作に勝る出来を期待したいものです。
ただまあこの作品、来年発表予定のラジー賞候補にノミネートされるのはほぼ確実の映画ではあるでしょうね。
何しろ「アメリカ版『と学会』」と揶揄されるあの賞は、シルヴェスター・スタローンを敵視でもしているかのごとく、彼の出演作品には問答無用で駄作認定を叩きつけるのが常なのですし(苦笑)。

一方、アメリカでは評価が高く、日本でも派手に喧伝されていた「アベンジャーズ」「ハンガー・ゲーム」は、それなりに評価されるべき作品ではあったにせよ、その宣伝ほどにはどうにも感動的な要素が少なかった感が個人的には否めなかったですね。
「アベンジャーズ」は3部作の1作目ということもあったのでしょうが、味方の登場人物達が終盤近くまで延々と内輪揉めばかりに終始していた感がありましたし、敵側の描写が非個性的な上に「強大な脅威」なようにもあまり見えなかった点が若干マイナス点となりました。
一方の「ハンガー・ゲーム」は、サバイバルゲームの挑戦者達同士の心理戦や駆け引きが少なく、またゲームの主催者によるゲームへの介入やルール改竄があまりにも鼻につきすぎ、何かと引き合いに出されていた「バトル・ロワイアル」と比較しても設定が稚拙と言わざるをえませんでした。
今後も続編が出ることが既に決定しているシリーズ作品の1作目としてはそれなりの出来ではあるのでしょうが、作品単体としての評価ではややマイナスな部分が少なくない、といったところです。

その他の作品としては、ジェイソン・ステイサム主演の「SAFE/セイフ」が、マイナーながらも意外に高い評価となっています。

■ SFX&VFX映画部門

厳密に言うと、前述の「アベンジャーズ」や「ハンガー・ゲーム」もVFX映画のカテゴリーに含まれるのではないかと思われるのですが(^^;;)、まあここでの定義では「個人戦的なアクション演技が含まれない&メインではないVFX映画」ということで。
迫力ある映像が売りのSFX&VFXが売りの作品の中で見事栄冠を勝ち取った作品はこちら↓

バトルシップ
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ストーリー展開そのものはハリウッド映画スタンダード的なものではありましたが、そのお約束な展開も含めた安定的な展開と、近代的な戦いが封じられた中での頭脳戦や緊迫感溢れるシーンの連続などが高評価となりました。
この作品、エンドロール後に映し出された特典映像で続編があることを匂わせていましたが、果たして今後続編って出てくるのでしょうかね?

■ サスペンス映画部門

ここでは「頭脳戦メインで緊迫感ある展開が続く映画」という定義です。
この部門でのベスト作品はこちら↓

崖っぷちの男
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地味な映画の宣伝や前評に反して、意外な掘り出し物な出来だった今作。
序盤は主人公の行動の意図や動機がまるで分からず、その謎を追っていくというストーリー構成と、ラストで披露される全く意外な真相がツボを突いた作品でした。
サスペンス映画部門では、この作品と「アルゴ」のどちらを選ぶかで迷いましたが、最終的には「アクション映画的な展開がある」という点で「崖っぷちの男」が若干加点されてこちらに決定した、といった感じですね。
まあ、アクション展開が全くないのにアレだけの緊迫感が演出されていた「アルゴ」も、それはそれで高い評価を得て然るべき出来ではあったのですが。

■ コメディ映画部門

まあこれについては、今年はブッチぎりでこれに決定ですね↓

ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬
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やはり、世界的に有名な一流コメディアンとしてその名を轟かせている「Mr.ビーン」ことローワン・アトキンソンのお笑い劇は伊達ではない、ということで。
あの上下に動く椅子のシーンをはじめ、観賞の最中に何度も吹き出してしまうこともしばしばでしたし、笑いのツボを凄くよく心得ていましたね。
アクション・コメディの「&シリーズ」の一翼を担う「Black & White/ブラック&ホワイト」や、久々に続編が出た「MIB3/メン・イン・ブラック3」も、お笑い要素では遠く及ばないですね。
まあ、相手は本職なのですし、露骨なギャグコメディをひたすら前面に出したアレとは比較できるものではないでしょうけど。

■ 人間ドラマ映画部門

「エクスペンダブルズ2」が公開されるまでは洋画総合1位だったのがこの作品↓

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
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映画を見始めた序盤はそれほどでもなかったのですが、ラスト30分の大どんでん返しで評価が大きく変わった作品ですね。
あれほどまでの展開と感動は、そうそう味わえるものではなかったですし。
それ以外では、安心して観賞できる構成の「幸せの教室」や、修羅場の連続を描写しているはずなのに「ハワイ」な雰囲気がそう感じさせない「ファミリー・ツリー」などが個人的にヒットでした。

■ 洋画年間ワースト作品

大量に映画を観賞すれば、当然のごとく駄作を当ててしまう可能性も高くなるものですが、今年の洋画で一番の駄作はこれに決まりですね↓

ラム・ダイアリー
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最初から最後まで鬱々な展開が延々と続く上、ヒロインが途中でフェードアウト、さらには「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」とは逆に、ラスト30分における行動が全くの無駄でしかなかった点など、この作品のどこら辺に評価できる要素があるのか、全くもって理解に苦しむ作品でした。
今作より前では、マーガレット・サッチャーを扱っているにもかかわらず、その描写の半分近くが認知症絡みのシーンで構成されているという本末転倒な映画「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」が洋画1位の駄作な扱いだったのですが、それを余裕でブッチぎるシロモノでしたし。
観客に映画を見せるのであれば、せめてエンタメとしてきちんと成り立つ形で作って欲しいと、つくづく思わずにはいられなかったですね。

次回は邦画作品の部門毎評価を行います。

2012年映画観賞総括 ラインナップ編

2012年も、残すところあとわずかの日数を残すのみとなりました。
映画の本場たるアメリカでは、年間の映画興行収益が歴代最高になる見通しというニュースが飛び交っているようです↓

http://www.cinematoday.jp/page/N0049010
>  [シネマトゥデイ映画ニュース] 2012年の年間全米興行収入が歴代最高の108億ドル(約8,640億円)になる見通しだとHollywood.comが発表した。それまでの最高記録は映画『アバター』などが公開された2009年の106億ドル(約8,480億円)だった。(1ドル80円計算)
>
>  2012年の見込み年間興収である108億ドルは、2011年に比べて6パーセントの増加。2012年の動員数も現在の時点で前年比5パーセント増となっており、
人々が再び映画館に戻ってきたというハリウッドにとって明るいニュースとなっている。
>
>  今年公開の映画には、歴代3位の興収を記録した『アベンジャーズ』(6億2,336万ドル・約498億6,880万円)を筆頭に、『ハンガー・ゲーム』『ダークナイト ライジング』『トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン Part 2』など大ヒット作がずらり。8月、9月の興収は低調だったものの、ここにきてクリスマスムービーとして公開された『レ・ミゼラブル』と『ジャンゴ 繋がれざる者』が好調な出足を見せた。(数字はBox Office Mojo調べ)
>
>  『レ・ミゼラブル』は初日だけで興収1,811万ドル(約14億4,880万円)を稼ぎ出し、これはミュージカル映画史上歴代ナンバーワンの記録。続くクエンティン・タランティーノ監督の『ジャンゴ 繋がれざる者』も興収1,501万ドル(約12億円)に達するなど、2本のクリスマスに公開された映画が素晴らしいスタートを切ったことが記録更新の要因になっているという。(編集部・市川遥)

確かに「アベンジャーズ」と「ハンガー・ゲーム」は、日本での公開前からシネマトゥデイなどで話題になっている記事を何度か見かけたりしたものでしたが。
今年はアメリカだけでなく、日本でも多くの大作映画がかなりの数公開されましたし、震災の影響で低迷していた去年に比べれば、それなりの回復は見せているのではないかと思われますね。
こちらは一体どうなっているのやら。

さてそんな中、2012年度における私個人の年間新作映画観賞本数は、昨年度の最多記録たる65本をさらに32本上回る97本という数値を叩き出しています。
実に3年連続で、年間新作映画観賞本数の最多記録を更新したことになります。
その内訳は、洋画55本・邦画41本・韓国映画1本となっており、そのラインナップは以下の通り。
なお、左の連番は新作映画の観賞順です↓

 1.マイウェイ 12,000キロの真実
 2.ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬
 3.麒麟の翼 ~劇場版・新参者~
 4.ドットハック セカイの向こうに(3D版)
 5.日本列島 いきものたちの物語
 6.ペントハウス
 7.はやぶさ 遥かなる帰還
 8.逆転裁判
 9.ドラゴン・タトゥーの女
10.ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
11.TIME/タイム
12.ヒューゴの不思議な発明(3D版)
13.アンダーワールド 覚醒
14.顔のないスパイ
15.戦火の馬
16.ライアーゲーム -再生(REBORN)-
17.シャーロック・ホームズ シャドウゲーム
18.タイタニック(3D版)
19.マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙
20.僕達急行 A列車で行こう
21.ヘルプ ~心がつなぐストーリー~
22.センター・オブ・ジ・アース2 神秘の島(3D版)
23.ももへの手紙
24.SPEC~天~
25.ジョン・カーター(3D版)
26.バトルシップ
27.タイタンの逆襲
28.Black & White/ブラック&ホワイト
29.わが母の記
30.テルマエ・ロマエ
31.HOME 愛しの座敷わらし
32.宇宙兄弟
33.幸せの教室
34.キラー・エリート
35.幸せへのキセキ
36.ダーク・シャドウ
37.ファミリー・ツリー
38.MIB3/メン・イン・ブラック3
39.君への誓い
40.ファイナル・ジャッジメント
41.外事警察 その男に騙されるな
42.スノーホワイト
43.アメイジング・スパイダーマン(3D版)
44.LOVE まさお君が行く!
45.ラム・ダイアリー
46.臨場 劇場版
47.スープ ~生まれ変わりの物語~
48.崖っぷちの男
49.BRAVE HEARTS/ブレイブハーツ 海猿
50.苦役列車
51.おおかみこどもの雨と雪
52.メリダとおそろしの森
53.スターシップ・トゥルーパーズ インベイジョン
54.ダークナイト ライジング
55.エイトレンジャー
56.アナザー/Another
57.トータル・リコール
58.アベンジャーズ(3D版)
59.プロメテウス
60.るろうに剣心
61.あなたへ
62.闇金ウシジマくん
63.ひみつのアッコちゃん
64.コロンビアーナ
65.踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望
66.デンジャラス・ラン
67.夢売るふたり
68.バイオハザードⅤ:リトリビューション
69.天地明察
70.白雪姫と鏡の女王
71.ハンガー・ゲーム
72.エージェント・マロリー
73.ボーン・レガシー
74.最強のふたり
75.ツナグ
76.ロラックスおじさんの秘密の種
77.SAFE/セイフ
78.推理作家ポー 最期の5日間
79.エクスペンダブルズ2
80.アルゴ
81.終の信託
82.リンカーン/秘密の書(3D版)
83.のぼうの城
84.黄金を抱いて翔べ
85.北のカナリアたち
86.悪の教典
87.シルク・ドゥ・ソレイユ3D 彼方からの物語
88.任侠ヘルパー
89.ロックアウト
90.ぼくが処刑される未来
91.人生の特等席
92.カラスの親指
93.007 スカイフォール
94.ホビット 思いがけない冒険(3D版)
95.妖怪人間ベム
96.大奥 ~永遠~ 右衛門佐・綱吉篇
97.レ・ミゼラブル

今年は、映画の観賞手法についてもそれなりの工夫や試行錯誤を重ねた年でもありましたね。
ファーストディや特定の日1000円サービスディに前売り券・レイトショー等の映画割引サービスの積極活用はもちろんのこと、1ヶ月フリーパスポートの発動時期厳選や試写会応募など「如何に映画を安く観賞するか」に趣向を凝らしまくりましたし。
結果、今年は新作映画観賞総本数の約4分の1に当たる25本前後の映画を無料で観賞することに成功しましたし、逆に定額1800円で観賞した映画というのは片手の指で数える程度しかありませんでした。
以前にも言及したことがあるのですけど、映画というのはその気になればいくらでも安く観賞することが可能だったりするんですよね。
特に500円割引が可能な前売り券の事前購入などは、そこらのコンビニでも手軽に行えるようにもなっているわけですし。
ただ、そういった映画経費節約策も、3D特別料金の徴収の前には無為無力でしかないのが実情ではあるのですが(T_T)。
様々な事情で3D映画を観賞する羽目となる度に、映画の内容とは別にいつもウンザリせずにはいられない、半ば敗北感にも等しい心情に陥ったりするものですからねぇ(-_-;;)。
まあ今年の3D映画観賞は何とか総計10本程度に抑えることができましたし、うち2本は完全無料の試写会観賞だったので、そこまで大きな「被害」にはならずに済んだのがせめてもの慰めでしたけど。

今年は新作映画観賞本数が総計100本にも迫る数で存在するため、映画内容の総括については、次の2記事で洋画・邦画別にそれぞれ別個にまとめてみたいと思います。

タイタニア4巻の2012年年末時点の執筆状況

http://twitter.com/adachi_hiro/status/284617077107597312
<そうそう。一昨日、田中さんが『タイタニア』第4巻の第一章を編集さんに渡したよ。おいらも読んでみたけど、さすがだ、文体変わってないわ。まあ、「先生、この船、もう沈んでます」とか、些細なミスはあったけど。……些細か? >

……えーと、確かタイタニア4巻って、いくら遅く見積もっても2012年7月からは既に書き始めているはずですよね?
「らいとすたっふ」社長氏の公式発表によれば、薬師寺シリーズ9巻の脱稿が2012年4月で、その後5月から6月にかけて短編を執筆してからタイタニア4巻執筆に入ったらしいので。
その後全く続報がないので、「本当に書いているのか?」という疑問すら抱かざるをえなかったくらいだったのですが、とりあえず書いてはいたようで、それ「だけ」は何よりですね。

ただ正直、例によって例のごとくあまりにも執筆速度が遅いとは嫌でも評価せざるをえないところなのですけど。
過去の事例でみる限り、タイタニア4巻は8章~10章くらいの構成になるかと思われるのですが、半年近くもかけてやっと1章って、いったいどれだけ時間をかけているのかと。
田中芳樹の執筆速度は、終盤に近づけば近づくほど上がっていくという傾向があるので、単純に「1章につき半年=完成までに4年~5年」という計算式が必ずしも成り立つわけではないのですが、それでも来年中の脱稿は既に絶望的なものがあると見做さざるをえない状況ではありますね(T_T)。
ただでさえ今回は、ストレス解消気分で書ける薬師寺シリーズのごとき「手軽さ」がまるでないのですし。
さらに昨今の田中芳樹的には、先の衆院選でせっかく自分が魂まで込めて入れあげていたであろう民主党の惨敗と第二次安倍政権の発足というダブルパンチを食らってしまい、薬師寺シリーズでのストレス発散行為がやりたくてやりたくてたまらない状況にもあるでしょうからねぇ(苦笑)。
その激しい衝動に耐えながらの執筆というのは、田中芳樹的にはなかなかに辛いものがあるのではないかと(爆)。
その点に関して「だけ」はさすがに同情申し上げたいところではあるのですが、しかし新刊の執筆についてはきっちりキリキリと行って頂かなくてはなりません。
来年中に脱稿まで行けば凄い、などと評価しなければならないところに、田中芳樹の執筆状況の悲惨な惨状が浮き彫りになっているのですが、果たしてそういう「奇跡」の類というのは実現しえるものなのでしょうかねぇ(-_-;;)。

熊本県の代表的ゆるキャラ「くまモン」の人気と経済効果

熊本県のPRマスコットキャラクター「くまモン」の関連商品が、2012年上半期だけで118億円もの売上を記録したのだそうです。
熊本県では「くまモン」の4コマ漫画製作まで決定し、原案を募集するとのこと。

http://www.sponichi.co.jp/society/news/2012/12/28/kiji/K20121228004869540.html
>  熊本県は28日、県のキャラクター「くまモン」の4コマ漫画を制作することを決め、来年1月から原案を募集すると発表した。採用作品は新聞紙面に連載される予定。
>
>  募集するのは、日常で感じるちょっとした幸せや驚きのエピソード。応募は、イラストに説明を加えた「絵コンテ」のほか、文章だけでも可能。
>
>  くまモンの生みの親で、熊本県出身の脚本家小山薫堂氏は「3年前に九州新幹線開業キャンペーンのおまけとして誕生したくまモンが、予想以上の支持を得た。次のステージに押し上げるため、みなさんと一緒に物語を作りたい」とメッセージを寄せた。
>
>  採用された原案は小山氏が監修して漫画に仕上げ、考案者のペンネームを表記する。どの新聞に連載するかや、連載の開始時期は未定。県くまもとブランド推進課は「1年くらいは連載したい」と話している。
>
>  
県によると、くまモン関連商品の売り上げは今年上半期だけで約118億円。26日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルが報じた日本のゆるキャラ特集でもイラスト入りで取り上げられるなど人気は高く、28日に記者会見した蒲島郁夫知事は「末永く愛され続けてほしい。来年はぜひ世界展開をしたい」と意気込みを語った。
>
>  漫画原案の締め切りは3月15日。応募方法の詳細や、応募用紙はくまモンのオフィシャルホームページへ。

「くまモン」は2013年には海外にも本格的に進出するのだそうで、その人気はとどまるところを知りませんね。
正直、いくら「ゆるキャラグランプリ」で優勝したからとはいえ、「くまモン」と同タイプの当地「ゆるキャラ」が全国各地に数多く点在している中で、ここまで「くまモン」人気が出るというのは何とも不思議な話ではあるのですが。
宣伝の仕方が上手かったのと、著作権的な制約が少ないというのが大きな理由ではあるようなのですが。
特に後者の問題が「くまモン」の強みになっている一面は少なくないでしょうね。
「ゆるキャラ」の中には、地方自治体と「ゆるキャラ」の生みの親との間で裁判にまで発展したというケースもあったりするのですし。
熊本県内の店々でも、「くまモン」関連グッズが必ずひとつはあるという状況だったりしますからねぇ。
九州新幹線全線開業のオマケ的なキャラクターとして世に出、その実現と共に役目を終えるはずだった「くまモン」が、何とまあ出世したことか……。

ただ、個人的には少々困ったこともあって、タナウツのTwitterアカウントの総フォロワー数に、「くまモン」のTwitter公式アカウントのそれが追いつきつつあるんですよね。
2012年12月28日時点で、タナウツアカウントのフォロワー数が約14万4000台に対して、「くまモン」公式アカウントが約12万2000台となっています。
現行の「くまモン」公式アカウントは、2012年6月8日に旧アカウントが何者かに乗っ取られた事実が発覚した後に新規に作られたものですから、わずか半年弱で急激に伸びていることになります。
タナウツの総フォロワー数は、1年ほど前から熊本県内におけるTwitterフォロワー数で1位を維持し続けているのですから、「くまモン」公式アカウントの急激な伸びはこの地位を脅かしかねないものと化しているわけです。
今のままのペースだと、そう遠くない未来に「くまモン」公式アカウントにフォロワー数を追い抜かれることになりそうで、今更のようにフォロワー数対策を強化している状態ですね(T_T)。
「くまモン」が台頭するまで、熊本県内のフォロワー数争いでは、ここ1年全く敵なし状態だったのですけどね、タナウツのTwitterアカウントは。
まあ熊本限定ではなく全国に目を向ければ、タナウツ以上のフォロワー数を誇るTwitterアカウントなんていくらでも存在はするのですけど。

「くまモン」人気は、果たしていつまで続くことになるでしょうかねぇ。

「SPEC」シリーズの前日譚と続編の公開が正式発表

2010年にテレビドラマ放映され、2012年4月に映画化もされた「SPEC 警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿」の続編が正式に発表されました。
2013年秋にその始まりを描いた「零」と完結編の「結」を公開するのだとか。

http://www.cinematoday.jp/page/N0049008
>  [シネマトゥデイ映画ニュース] 鬼才・堤幸彦が演出を手掛け、戸田恵梨香と加瀬亮の凸凹コンビが話題を呼んだドラマ「SPEC(スペック) ~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿」の前日譚にあたるスペシャルドラマ「SPEC~零~」と、映画化第2弾にして完結編『SPEC~結~』が2013年秋に公開されることが決まった。
>
>  2010年10月クールにTBS系で放送された「SPEC」は、警視庁公安部の特殊捜査官である当麻紗綾(戸田)と瀬文焚流(加瀬)の二人が「予知能力」や「念動力」などの“SPEC”と呼ばれる特殊な能力を持つ犯罪者に立ち向かう姿を描いた作品。今年4月にはドラマ最終回の半年後を描いたスペシャルドラマ「SPEC~翔~」、その続編にあたる映画化第1弾『劇場版 SPEC~天~』が公開されるなど人気シリーズとなっている。
>
>  今回の決定に戸田は「起・承・転と皆様の温かい支援を頂き、こうやって、最終章の結までやってこられたことを感謝しております」と喜びのコメント。一方の加瀬は「ついに完結するようで、ホッとしています(笑)。泣いても笑っても最後、戸田さんと共に、力を出し切りたいと思います」と意気込んでいる。
>
>  
スペシャルドラマ「SPEC~零~」では当麻が自身の左手を失うこととなった事件のエピソードが、『SPEC~結~』では前作『SPEC~天~』に登場した“シンプルプラン”“ファティマ第三の予言”などのワードや、白い男の正体など、今まで解き明かされなかった多くの謎が全て明らかになるという。植田博樹プロデューサーが「このSPECという世界のファイナルにふさわしい、シリーズ最高のグレードを目指して作っています」と語る結末に期待したい。(編集部・市川遥)
>
> スペシャルドラマ「SPEC~零~」はTBS系にて2013年秋、放送予定
> 映画『SPEC~結~』は2013年秋、全国公開

現時点では最新作である映画「SPEC~天~」でも、宣伝では完結編を銘打っておきながら、作中では明らかに続編を匂わせるような演出をやらかしまくっていましたが、それが正式なものになったわけですね。
あの映画で散々なまでに思い知らされたことなのですが、このシリーズはテレビドラマ・映画を問わず、全ての話に明確な関連性があるため、どれか単独で観賞しても内容は全く持って理解不能になるしかないんですよね。
シリーズの途上にある「SPEC~天~」だけを観賞しても、作品の世界観も話の経緯もまるで理解できなかったのですし。
2013年に公開されるという前日譚と続編も、それ単独では何のことやら分からない設定やエピソードが目白押しでしょうね。
前日譚と続編の観賞に当たっては、既存シリーズ作品のに「事前の予習と復習」が確実に求められることになるのではないかと。
シリーズ作品には「話に関連性がないか希薄で、作品単独でも楽しめるもの」と「全ての話が繋がっていて、全部観賞しないと設定や全体の構成が理解できないもの」の2種類があるのですが、「SPEC」シリーズは後者の中でも極北に位置する作品ですからねぇ(-_-;;)。
これほどまでに観客に負担を強いるシリーズというのも、そうはないのではないのかと。

新作が発表された「SPEC」シリーズですが、元来映画好きなはずの私にとってはあまり食指が動くものではないですね。
前回観賞した「SPEC~天~」は、テレビドラマ版を全く視聴していなかったという事情があったとはいえ、あまりの話の分からなさと出来の悪さに、正直辟易させられた部分が多々ありましたし。
同じような経緯から観賞した「SP」シリーズは、それでも過去作を観賞する気にもなり、続編も当然映画館で観賞に行ったものだったのですが……。
公開時における映画の観賞スケジュール次第でしょうねぇ、私が「SPEC」の続編を観賞するか否かは。

第二次安倍内閣発足とマスコミの偏向報道との戦い

本日、第二次安倍内閣が正式に発足し、民主党から自民党への政権交代が正式に実現することとなりました。
3年3ヶ月にわたって民主党が食い荒らしてきた日本はボロボロの状態にあり、長期デフレの経済問題に外交問題と難題が山積している安倍内閣の前途は多難であると言えます。

その中でも最大の障害物は、やはり何と言っても大手マスコミによる偏向報道でしょう。
本日も、こんなおかしな記事が堂々とネット上に掲載されていたくらいなのですし↓

http://news.livedoor.com/article/detail/7266356/
> 大手スーパーが右に倣えと食料品や日用品の値下げに動くなど、個人消費をめぐる現場は値下げのオンパレードだ。12月16日の衆院選で大勝した自民党が「政権公約」に掲げたインフレターゲット(物価目標)を「実需が伴わない空論」(経済団体幹部)とあざ笑うように、小売り・外食各社は「価格破壊」を飛び越え、「価格崩壊」に一直線に突き進んでいる。
>
> 国内家具最大手のニトリは11月末、867品目の価格を10~40%の幅で引き下げた。同社がこれだけ大がかりな値下げに踏み切るのは、2010年10月以来、ほぼ2年ぶりだ。
「国民の役に立っていればデフレは悪くない」。似鳥昭雄社長は、所得環境悪化に歯止めがかからない現状で、一方的に物価上昇目標を掲げる政策を疑問視する。
>
> 小売業の値下げは、ニトリに限らない。鈍い個人消費を刺激しようと、イオン、ダイエー、西友などの大手スーパーは、すでに値下げ競争の真っ只中だ。秋以降、景気後退局面入りが濃厚になってきたことから、価格競争は一段と激化している。大手スーパーで“孤高”の値下げ慎重派・イトーヨーカ堂も売り上げ低迷で背に腹は代えられず、12月1日に食料品、日用品約1000品目の価格を10~40%引き下げ、値下げ合戦に参戦した。
>
> 値下げ競争が沈静化していた牛丼チェーンも、吉野家ホールディングスが運営する「吉野家」が牛丼並盛りを業界最安値250円で提供する新業態を出店したのを受け、最大手「すき家」を展開するゼンショーホールディングスは、12年4月以来の値下げキャンペーンを12月初めに実施し、値下げ競争が再燃しかねない。ファストファッションも、
ユニクロが看板商品の発熱保温肌着「ヒートテック」の価格を、昨シーズンから1~3割引き下げるなど、小売り・外食の現場はデフレモードに染まったままだ。
>
> 売り上げ低迷の中での値下げ合戦は、お互いの体力を消耗させる。しかし、冬のボーナスは前年を割り込み、企業の大量人員削減計画が相次ぎ、来春闘で賃金改善要求を見送る労組も出るなど、悪化する一方の所得環境に、小売りの現場は低価格を訴えるよりない。
実需につなげ、消費を上向かせる保証もない金融政策に頼ったインフレターゲットに、小売りの現場からは「脱デフレはほど遠い」「安倍晋三・自民党総裁の一人芝居」と冷ややかな声も漏れ聞こえてくる。

本日誕生したばかりの第二次安倍内閣に対し、それ以前から問題になっている経済事情を無理矢理重ね合わせ、時系列を完全に無視して批判してくるとは、よほどに頭の悪い記事としか言いようがないですね。
この記事が問題にしている「加速を続けるデフレ事情」は、むしろ今までの民主党政権がもたらした産物と言えるものなのですし、その問題を解消するためにこそ、安倍新総理は先の衆院選でデフレ脱却の経済政策を公約に掲げもしたのでしょうに。
そもそも、経済政策というのは効果を発揮するまでに時間がかかるものなのですし、今現状の経済問題の責任を、内閣が発足したばかりの政権に押し付ける神経はどうかしていると言わざるをえないでしょう。
こんな時系列を無視したバカげた記事を、それも内閣発足の日に掲載するという感覚は理解に苦しむものがあります。

これもまた、安倍内閣をバッシングすること自体を目的としたネガティブキャンペーンの一環なのでしょう。
現時点で既にこれなのでは、これから繰り広げられることになるであろうマスコミによる安倍叩きがどれほどまでに苛烈なものになるのか、先が思いやられると言わざるをえないですね。
またカップラーメンやカツカレーなどの類な挙げ足取りトンデモ報道が繰り広げられるのは既に目に見えているのですし。
安倍叩きを社是とする朝日新聞をはじめとするマスコミは、どんな巨大な不祥事を起こしても問答無用の寛大さを見せつけた対民主党報道とは180度掌を返して、如何なる些末な事象であっても世界を揺るがすかのごとき一大事件として報じてくれることでしょう。
国民の側も安倍内閣が推進する政策の実態を正しく理解すると共に、マスコミの偏向報道は常に疑いをもってかかり、その動向を常時監視する必要があります。
というか、今まで好き放題やりまくってきたマスコミの偏向報道を規制するための法体系の整備すら求めても良いくらいです。
マスコミによる偏向報道と「空気」の演出によって民主党による政権交代を実現させてしまった、2009年8月の悪夢の再来は御免被りたいものです。

映画「レ・ミゼラブル」感想

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映画「レ・ミゼラブル」観に行ってきました。
世界各国の舞台で長年ミュージカル公演が行われてきた、ヴィクトル・ユーゴー原作の同名小説の実写映画化作品。
なお、今作が2012年における私の最後の新作映画観賞となります。

今作の舞台はフランスで、最初に登場する年代は1815年となります。
当時、ワーテルローの戦いでナポレオン・ボナパルトが敗北し、フランスでは王政が復活していました。
そんな世相の中、今作の主人公ジャン・バルジャンは、パンを1つ盗んだことが発端となり、実に19年もの長きにわたって続いていた囚人生活に終止符を打とうとしていました。
パンを盗んだ罪に対する罰自体は5年程度だったのですが、ジャン・バルジャンは何度も脱獄を繰り返したためにそこまでの懲役期間になったのだとか。
彼は名前ではなく「24601号」という記号で呼ばれ、奴隷労働に従事させられていたのですが、生涯にわたり1ヶ月に一度指定の警察署?に出頭することを条件に仮釈放が認められます。
しかし、長きにわたる牢獄生活のために行き場を失い、生活の糧もなく困り果てたジャン・バルジャンは、とある教会の門を叩きます。
そこで一宿一飯にありつけたジャン・バルジャンは、夜中にこっそり起き出し、教会内にあった銀の食器をあらかた盗み出し逃走してしまいます。
後日、当然のごとく憲兵に捕縛されてしまい、教会に連行されてきたジャン・バルジャンでしたが、この期に及んで彼は「これらの物品は教会からもらったものだ」などと誰の目にも嘘八百な言い訳を披露し始めます。
ところがそれを聞いた教会の司教は、何と「彼の言っていることは事実である」と肯定してジャン・バルジャンを解放させ、さらに2つの銀の燭台をもジャン・バルジャンに差し出してすらみせたのです。
この司教の態度に心を打たれたジャン・バルジャンは、仮釈放の許可証を破り捨て、改心して新たな人生をやり直すことを神に誓うのでした。

それから8年後の1823年。
ジャン・バルジャンは「マドレーヌ」と名を変え、とある街で事業を起こして成功を収め、さらには市長に任命される程の善良かつ人望のある人物として慕われるようになっていました。
しかしこの年、彼が運営している工場で雇われていたファンティーヌという女性工員が、他の女性工員と諍いを起こしてしまい、ジャン・バルジャンの部下だった工場長からクビを言い渡されるという事件が発生します。
ファンティーヌは8歳になるひとり娘のコゼットをテナルディエという一家に預け、多額の養育費を支払い続けていました。
ところがテナルディエ一家はファンティーヌに対して不当なまでに高い養育費を要求していたため、彼女は多額の借金を抱える身となっていました。
そこへ追い打ちをかけるようにして工員としての働き口を失ってしまった彼女は、とうとう売春婦としてカネを稼ぎ、身体を壊してしまうことになるのでした。
同じ頃、ジャン・バルジャンは自分の行方を追っていたジャベール警部から、自分とは全くの別人がジャン・バルジャンとして逮捕されたことを告げられます。
自分が名乗り出て別人を助けるか否か迷っていたジャン・バルジャンは、ふとしたきっかけから客と諍いを起こしていたファンティーヌのことを知ることになります。
ここでジャン・バルジャンは、自分の人生を左右する決断を迫られることになるのですが……。

映画「レ・ミゼラブル」では、1815年~1833年までのジャン・バルジャンの生涯が描かれています。
作中で描かれる大きなターニングポイントは、1815年・1823年・1832年の実質3年になるのですが。
今作はミュージカルの影響を色濃く受けているためか、作中で複数の歌が登場人物によって歌われるのはもちろんのこと、普通のセリフに至るまで歌のリズムに合わせるような口調でしゃべられていたりします。
私が観賞したのは字幕版なのですが、字幕版でさえ何らかのリズムに合わせて台詞が語られているのが一目で分かるほどのミュージカルぶりでした(苦笑)。
元々「レ・ミゼラブル」はミュージカル舞台として親しまれてきた経緯があるために、映画もファンを取り込むことを目的に、舞台と同じミュージカル調な展開にすることを優先したのでしょう。
さすがに戦闘シーンなどについてはミュージカル調ではありませんでしたが(苦笑)。
ただ、わざわざミュージカル調な展開にしたことで、物語全体が無駄に冗長なものになってしまっている感はどうにも否めなかったですね。
今作は上映時間158分にも及んでいるのですが、そのうちの40分ほどがミュージカルな展開に費やされていたのではないかと。
要所要所のみに歌や踊りのミュージカルを挿入するのであればともかく、今作はほぼ全編、それも登場人物達の会話まで含めて95%以上がミュージカル調だったのですし。
今回の「レ・ミゼラブル」はミュージカル舞台ではなく映画なのですから、畑違いの分野でわざわざミュージカル調な展開を持ち込まなくても良かったのではないかとは思わなくもなかったのですけどね。

個人的に少し疑問だったのは、1823年に市長の地位にあったはずのジャン・バルジャンが、ジャベール警部の追跡に対して何の圧力もかけていない点ですね。
仮にも市長の座にあったジャン・バルジャンなのですから、警察に圧力をかけて自分への追跡を止めさせることくらい普通に出来たのではないかと思えてならなかったのですが。
ある種のカタブツなジャベール警部自身に直接の賄賂や圧力などは通じなかったにしても、彼の上の人間は必ずしもそうとは限らないのですし、警察内部にジャベール警部を敵視する人間がいたとしても何ら不思議なことではないでしょう。
作中で示されているような性格では、むしろ敵を作らない方がおかしいのではないかとすら思われるくらいなのですし。
その手の人間に圧力なり賄賂攻勢なり誘導工作なりを展開することで、ジャベール警部を異動させたり失脚させたりすれば、自分に対する追跡を止めさせることも普通に出来たのではないのかと。

また、ジャン・バルジャンと誤認されて逮捕された男を救いたかったからといって、別に「自分こそがジャン・バルジャンである」などと名乗り出る必要もこれまたなかったはずでしょう。
近代裁判の論理で言えば、その男がジャン・バルジャンであるという証明を否定することさえできれば、「疑わしきは罰せず&被告人の利益に」という推定無罪の原則で彼の無罪は充分に証明されるわけです。
その男がジャン・バルジャンではないことを誰よりも知悉しているジャン・バルジャンにしてみれば、彼の嫌疑を再調査・精査させるだけでも相当程度の効果が見込めるのは確実なのですが。
元々全くの別人をジャン・バルジャンと誤認している時点で、捜査自体が相当なまでに荒くかつ穴だらけなシロモノであろうことが容易に推察されるのですし。
場合によっては、警察が手柄を立てるだけのために全く無実の人間の冤罪をでっち上げた、などという事態も考えられるわけで。
そういった観点から警察を攻めていけば、ジャン・バルジャンは自分の正体をバラすことなく冤罪をかけられた人物の無罪を勝ち取るという、「一挙両得」な成果を上げることも充分に可能だったのではないかと。
もしそれでも冤罪にかけられた人物が有罪になった場合は、市長の名で減刑嘆願を出したり保釈金等の金銭的な援助を自ら行って冤罪者を助けるということも、当時のジャン・バルジャンの立場であれば可能だったでしょう。
ジャン・バルジャンはジャベール警部に対して「俺は逃げはしないから猶予をくれ」的なことを口ではのたまっていても、実際には逃げる気満々だったわけなのですから、手段を問わず自己保身に邁進しても別に不思議なことではなかったのではないかと思えてならないのですけどねぇ。
その手の政治的権力や経済的支援などをもっと活用した保身術を駆使すれば、自分も他人もより幸福になることもできたかもしれないのに。

ミュージカル舞台版の「レ・ミゼラブル」が好きな方には、それなりにオススメできる作品と言えるでしょう。
ただ、そのミュージカル要素の挿入による冗長な展開は、「レ・ミゼラブル」の話を全く知らない一見さんには少々厳しいものがあるかもしれません。

映画「大奥 ~永遠~ 右衛門佐・綱吉篇」感想

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映画「大奥 ~永遠~ 右衛門佐・綱吉篇」観に行ってきました。
白泉社が出版する隔月刊誌「メロディ」で連載されている、よしながふみ原作の同名少女マンガの実写化映画2作目で、徳川5代将軍綱吉の時代を舞台とした作品。
今回は1作目映画はむろんのこと、原作も全巻既読、さらにはTBS系列で放映されたテレビドラマ版をも全て網羅した上で臨むという、これ以上ないレベルの事前準備が整った上での観賞と相成りました。
正直、1作目映画を観賞するまでは、原作や原作者の存在すらも全く知らなかったくらいだったのですが、人生一体何がきっかけになるのか、分からないものですね(苦笑)。
なお、過去の「大奥」に関する記事はこちらとなります↓

1作目映画「大奥」について
映画「大奥」感想&疑問
実写映画版とコミック版1巻の「大奥」比較検証&感想

原作版「大奥」の問題点
コミック版「大奥」検証考察1 【史実に反する「赤面疱瘡」の人口激減】
コミック版「大奥」検証考察2 【徳川分家の存在を黙殺する春日局の専横】
コミック版「大奥」検証考察3 【国内情報が流出する「鎖国」体制の大穴】
コミック版「大奥」検証考察4 【支離滅裂な慣習が満載の男性版「大奥」】
コミック版「大奥」検証考察5 【歴史考証すら蹂躙する一夫多妻制否定論】
コミック版「大奥」検証考察6 【「生類憐みの令」をも凌駕する綱吉の暴政】
コミック版「大奥」検証考察7 【不当に抑圧されている男性の社会的地位】
コミック版「大奥」検証考察8 【国家的な破滅をもたらす婚姻制度の崩壊】
コミック版「大奥」検証考察9 【大奥システム的にありえない江島生島事件】
コミック版「大奥」検証考察10 【現代的価値観に呪縛された吉宗の思考回路】
コミック版「大奥」検証考察11 【排除の論理が蠢く職業的男性差別の非合理】

テレビドラマ「大奥 ~誕生~ 有功・家光篇」
第1話感想  第2話感想  第3話感想  第4話感想  第5話感想  第6話感想  第7話感想  第8話感想  第9話感想  最終話感想  全体的総括

映画2作目の物語は、京の都にある冷泉家の閨で、後に右衛門佐と名を改める継仁が、子作りを目的に性行為に勤しむ様子が描かれる、原作5巻P13~P14のシーンから始まります。
冷泉家の女性とまぐわっている最中、突然ネズミの鳴き声と足音がして抱きついてくる女性をなだめながら、継仁は「自分はネズミや」と自虐まじりに思いを致すのでした。
そこで舞台は変わり、今度は原作4巻P117に戻り、メガネをかけ直した御台所付御中臈・秋本が、御台所(正室)・信平に刻限を告げ、桂昌院と伝兵衛と共に徳川5代将軍綱吉の「総触れ」が行われる様が描写されます。
大奥ではロクな男が物色できないことに飽きでもしたのか、綱吉は牧野備前守成貞に入り浸るようになります。
この世界では当然のごとく女性である牧野備前守成貞の夫は、館林時代に綱吉の愛人だった阿久里がおり、彼女は成貞が事前に用意した夜の世話のための男達には全く目もくれることなく、阿久里に自分の世話をするよう命じるのでした。
阿久里との「夜の営み」の後、満足気に帰っていく綱吉を見送る牧野家では、結果的に夫を寝取られることになった成貞のすすり泣きが響き渡るのでした。
その後、綱吉は1ヶ月の間に5回というペースで牧野家に入り浸り阿久里と夜を共にすることに。
さらに綱吉は、阿久里の健康状態が思わしくなくなったことを察すると、今度はその息子の貞安にも手を付け、大奥に入れてしまいます。
結果、阿久里と貞安は病死、貞安の妻も夫が綱吉に寝取られたことがショックで自害することとなり、一家をボロボロにされた牧野備前守成貞は隠居を申し出る羽目になったのでした。
それは、綱吉の寵愛?を自分ひとりで独占しようとする柳沢吉保の策謀でもあったのですが。

そんな中、綱吉にすっかり見向きもされなくなってしまった上、35歳のお褥すべりが迫っている自身の今後の立場や権力が気になった御台所・信平は、京から自身の子飼いとなるであろう公家の男を呼び、綱吉との間に子供を生ませることで、自身の立場を強化することを思いつきます。
そして、信平が京から呼び寄せた男は、物語冒頭に登場し改名した継仁こと右衛門佐だったのです。
右衛門佐は、巧みな社交辞令と政治的センスを駆使し、瞬く間に綱吉に気に入られたばかりか、有功ことお万の方以来長年空席だった大奥総取締の座を手にすることに成功。
さらに右衛門佐は、綱吉のひとり娘である松姫の「お腹様」だった黒鍬者の伝兵衛を隔離し、短期間のうちに大奥内で絶大な権勢を誇るようになっていきます。
しかし、右衛門佐が有功と瓜ふたつな顔立ちをしているために初対面でまんまと出し抜かれた綱吉の父親である桂昌院は、当然のごとく右衛門佐の台頭が面白くありません。
2人は綱吉の世継問題を巡って対立し、事あるごとに衝突することとなるのですが……。

映画「大奥 ~永遠~ 右衛門佐・綱吉篇」は、一応はテレビドラマ版から続く続編という位置付けではあるのですが、ストーリー自体は桂昌院関係のエピソードを除きほとんど関連性がないため、作品単体でも観賞は充分に可能です。
過去作を見ないと話の繋がりが分からない唯一のエピソードは、桂昌院が隆光に「綱吉に世継ぎができない理由」を尋ねた際、「殺生をしたことがあるか」と問われてショックを受けるシーンくらいです。
その理由については、原作2巻またはテレビドラマ版「大奥 ~誕生~ 有功・家光篇」の第3話で披露されていますので、今作が「大奥」初観賞で意味が分からなかったという方は、そちらを確認することをオススメしておきます。

また、テレビドラマ版に引き続き主演を担っている堺雅人が演じていた右衛門佐は、しかし原作と比べてもかなり大人しく静かなイメージがどうにも拭えなかったですね。
一応設定では「切れ者」ということになっており、綱吉や桂昌院相手にも物怖じすることなく堂々と渡り合っていた様が描写されてはいたのですが、どことなく「覇気」という要素が足りないというか……。
性格的には優しく誰にでも慕われるが鬱屈を自分の中に溜め込む気質な有功に対し、右衛門佐はどちらかと言えば野心と計算に基づいて他人を動かしている的なイメージがあるのですが、映画版の右衛門佐は「他人を動かす」的な描写が不足している感が多々あります。
秋本を自分の腹心として見出した理由とか、御用商人達を手玉に取って大奥へ搬入する物品の仕入値を値切るシーンとかいった、政治謀略家としての右衛門佐の側面が思いっきり省略されてしまっていましたし。
右衛門佐の腹心たる秋本にしても、大奥の動向を監視する「密偵の総元締め」的な一面はまるで描かれることなく、ただ右衛門佐の傍仕え兼語り部として登場していただけでしかありませんでした。
その手の描写は、右衛門佐の政治的センスやその方面における辣腕ぶりを示すものでもあったのですから、右衛門佐の有能性を示すという観点から言えば省略してはいけなかったのではないかと思えてならないのですが。
全体的に旧社会党ないしは社民党的な腐臭が漂う愚劣な女尊男卑的な人間や主義主張が披露されまくっている「大奥」世界において、右衛門佐というキャラクターは結構好評価なものがあっただけに、彼の有能性を示すエピソードの省略は何とも惜しいものがありますねぇ(T_T)。

今作では右衛門佐絡みのエピソードに限らず、原作におけるエピソードや設定を少なからず端折っていたり「なかったこと」にしたりしています。
たとえば、原作5巻における元禄赤穂事件の勃発から武家の男子相続禁止令までの流れは完全になくなっていましたし、秋本が大奥に入った真の理由「妹の絹との近親相姦と『他の女との間に子供を作りたくなかった』から」という動機も、結局映画版では言及されずじまいでした。
映画版は上映時間124分という時間枠しかなかったのですし、その限られた時間の中で原作ストーリーの全てを描くのは至難の業だった、という事情は当然あったでしょう。
しかし、テレビドラマ版が原作ストーリーの大部分を余すところなく描写していたことを鑑みると、原作既読者としては「やはり原作エピソードの抜けが多い」と言わざるをえないところですね。
その割に、原作でも右衛門佐の野心的な構想と共に鳴り物入りで登場していたにもかかわらず、結局いつのまにかフェードアウトしていた大典侍と新典侍は、原作の描写そのままな立ち振る舞いに終始していたりしましたし。
原作エピソードの取捨選択がどうにも中途半端で、もう少し何とかならなかったのかとついつい考えてしまいましたね。
まあ、原作でも問題だらけなエピソードだった、元禄赤穂事件後の綱吉が発した「武家の男子相続禁止令」がなくなったことについては、結果的には「削って良かった」と言えるシロモノではあったのですけどね。
検証考察6でも述べていますが、アレがあったら「大奥」世界における綱吉の歴史的評価がさらに悪化したであろうことは間違いないわけですし(苦笑)。

映画「大奥 ~永遠~ 右衛門佐・綱吉篇」が描きたかったテーマを挙げるとすると、それは「毒親からの解放」ということになるのではないですかね?
何しろ、綱吉の父親である桂昌院は、かつてのライバルだったお夏の方憎しという個人的感情と自己都合を、無理矢理綱吉に押し付けていた側面が多々あったわけで。
それだけに、次代の将軍として、綱吉の姉で故人の徳川綱重の娘・綱豊を養子に迎えることを決定した際の綱吉の決断は相当なまでに重いものがあったでしょうね。
彼女にしてみれば、父親たる桂昌院を文字通り「捨てる」覚悟で事に臨まざるをえなかったわけですし。
ただ、そこまでできたのであれば、ことのついでに桂昌院を安心させる【だけ】のために定めた感すらあった「生類憐みの令」も一緒に廃止してしまえば良かったのに、とは考えずにはいられなかったところなのですが(^^;;)。
あの状況で、綱吉が「生類憐みの令」を廃止してはいけない理由なんてどこにもないわけですしね。
結局、「生類憐みの令」は次代将軍の家宣が廃止を宣言することになるわけですが。

ところで、この「大奥」シリーズは、徳川5代将軍綱吉の死後以降のストーリーについても、やはり映画化なりテレビドラマ化なりされるのでしょうかね?
すくなくとも、江島生島事件がメインとなるであろう徳川6~7代将軍の話は、普通に実写化されそうな感じではあるのですが。
これが実写化すれば、映画版1作目のストーリーにも繋がることになるわけですし、ここまで「大奥」を実写化するのであればやらない方が変だとは思うのですけどね。
まあ、この辺りは予算の都合とか人気の度合いにもよるのでしょうが。

しかしまあ今作は、いくら原作からしてそうだったとは言え、ストーリーが全体的に暗く、テレビドラマ版以上にあまり一般受けしそうな構成ではないですね。
テレビドラマ版も視聴率が芳しいものではなかったわけですし、今作が果たしてどれくらいの興行的な成功を収め得るのか、はなはだ心許ない限りではあります。

映画「エアポート2012」感想(DVD観賞)

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映画「エアポート2012」をレンタルDVDで観賞しました。
2012年にアメリカで製作された映画で、日本では劇場未公開の作品となります。
タイトルの末尾に「2012」とあるところを見ると、一応シリーズもの作品ではあるようなのですが、にもかかわらず劇場公開されない辺り、日本ではマイナーもいいところの映画であることが一目瞭然ですね(苦笑)。
ちなみに「エアポート」と銘打たれているタイトル名ではありますが、空港は何の関係もありません(爆)。

航空管制のミスが頻発したことから、アメリカでは人為的なミスを回避するための衛星ネットワークシステムが開発されていました。
その名はACATシステム。
軍用機で既に運用されているその衛星システムは、やがてスペースシャトルで2機目が打ち上げられ、民間機にも導入され、空の旅をこれまでよりもはるかに安全なものにするはずでした。
ところが、民間機での運用が開始されたその日のうちに、早くもACATはトラブルを引き起こしてしまいます。
宇宙空間で電気的なショート?を繰り返し、やがて衝撃波と共に衛星は破損。
破損によって発生した衛星の欠片が、次々と地球の引力に引き寄せられていきます。
それらの欠片群はアメリカ各地に落下、まずは地上での被害を拡大させていくのでした。

それより少し前、ACATが導入されたアメリカ東部クリーブランドの航空管制センターでは、かねてよりACATの導入に反対していたボブが、ACATと通信が取れなくなったことから懸念を抱き、中央の空域管理センターに対し、現在空を飛んでいる全ての航空機の着陸許可を求めていました。
しかし空域管理センターからは、「ただ今調査中、こちらで対処する」という官僚答弁的な返答をするのみで、ボブの意見を全く取り合おうとしません。
それどころか空域管制センターは、大統領一家を乗せた大統領専用機エアフォースワンを離陸させろとボブに命じてきたのでした。
当然ボブは「リスクが大きすぎる」と反対するのですが、その意見はまたも却下され、やむなくボブはエアフォースワンの着陸許可を出さざるをえなくなってしまいます。
デトロイトへと向かう予定のエアフォースワンの航路上には、同じくデトロイト行きの民間航空機アメリカーナブルー23便が飛行していました。
ボブはエアフォースワンとアメリカーナブルー23便と連絡を取ろうとするのですが、両者共に交信不能の状態。
事態の重大性を理解していたボブは、通常ならばまず考えられない非常手段を用いて両者との交信を試みようと画策を始めるのでした。
地上でそんな事態が発生しているとも知らず、つかの間の空の平和な旅を楽しむエアフォースワンとアメリカーナブルー23便の搭乗者達。
しかしそんな中、破損を続けつつもかろうじて稼働していたACATが、ついに破滅的な段階を迎えてしまい、システムが完全に狂ってしまうのでした。
狂ったACATは、エアフォースワンとアメリカーナブルー23便をコントロール不能にしてしまい、事態は悪化の一途を辿ることになります。
クリーブランド航空管制センターのボブ、エアフォースワンとアメリカーナブルー23便のパイロット達は、最悪の事態を回避すべく、それぞれの立場で動き回ることになるのですが……。

映画「エアポート2012」は、航空機で次から次に発生していく非常事態の数々と、それにパニックを引き起こしながらも対応していく人々の姿が描かれています。
パニックに襲われている当事者達は必死になって最悪の事態を回避しようとしているのですが、物語中盤は全く無為無力か、却って事態を悪化させているのが実情だったりします。
個人的に笑ってしまったのは、狂ったACATシステムによってエアフォースワンからミサイルを撃ち込まれたアメリカーナブルー23便の乗客達が、落雷の影響で機体に突っ込みながらも爆発しなかったミサイルを機外へ出すシーンですね。
機体から落下していった不発のミサイルが、地上のガソリンスタンドを直撃して爆発炎上した直後、ただただ目先の危機を回避した乗客達が安堵する姿が映し出される様は滑稽もいいところでした。
そりゃ彼らが立たされている状況的では、とにかく自分達が助かるためにもそうするしかなかったのでしょうが、地上では彼らの行為によって大変なことになってしまっているわけで(苦笑)。
また、飛行中の航空機に空中給油の要領で接続し大統領を救出する「サムフォックス作戦」の実行時には、大統領夫妻が揃いも揃って感情的かつヒステリックな対応に終始しているのはさすがにどうなのかと。
「サムフォックス作戦」は大統領を最優先で救出する作戦のはずなのに、それを自身の強権発動で強引に捻じ曲げ妻を先に機外へ出すよう指示する大統領とか、ただひたすら娘の安否ばかり心配して夫に食ってかかるファーストレディとか、自分達の立場や状況が本当に理解できているのかすら疑問視せざるをえない対応ばかりやらかす始末でしたし。
結果的にはその態度によって、元々失敗率が高かった「サムフォックス作戦」の失敗による犠牲を回避することができたとはいえ、それはあくまでも結果論でしかないわけで。
仮にも一国の、それも他国にまで多大なまでの影響力を及ぼす最高権力者として振る舞わなければならないアメリカの大統領一家がそれではちょっと……。
個人としては自己を犠牲にして他人を思いやる優れた人格と言えるのかもしれませんが、一国の最高権力者としては鼎の軽重を問われても文句は言えないでしょうに。
まあ、もしあの大統領が、実は「サムフォックス作戦」の成功率の低さを鑑みて、まずは自分の妻をある種の実験台として送り込んだ上でその成否を確かめるつもりだったというのであれば、その冷徹な判断ぶりは逆に賞賛に値するかもしれないのですが。
ただ、作中の描写を見る限りでは、件の大統領にそんな意図は全くなかったとしか言いようがなかったのですけどね。

ただこれ、全体的に見れば、航空機の中で生じた被害・犠牲者よりも、衛星破片の落下物によるそれの方が、数においても質においてもはるかに深刻な規模になっていると言わざるをえないでしょう。
アメリカーナブルー23便が地上の建造物等に与えた損害も、決して無視できるものではないのですし。
物理的なダメージだけでなく、ビルが立ち並ぶ街中を超低空飛行で飛んでいく様は、それを目撃したアメリカ国民の間で「911の再来」的な心理的恐怖まで与えていたのではないのかと(-_-;;)。
ラストはハッピーエンド的な結末で終わっていますが、事件後の後始末はさぞかし大変なものがあるでしょうねぇ、アレでは。
まずさし当たっては、欠陥だらけなACATシステムを導入した人間が責を問われ、場合によっては社会的に吊るし上げられることになるのでしょうけど。

航空機を扱ったパニック・ムービーや、緊迫感溢れるストーリー展開が観たいという方には、普通にオススメできる出来の作品ではあります。
ツッコミどころは色々とありそうなB級映画ではあるのですが(苦笑)。

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