エントリー

2012年07月の記事は以下のとおりです。

尖閣諸島の地権者にも全く信用されていない民主党政権

尖閣諸島の国有化をめぐり、民主党政権が地権者の男性に島の購入額として約20億円を提示していたことが判明しました。
地権者が交渉を進めている東京都の予定購入額10~15億を上回る金額ですが、地権者側はこれを拒否したのだとか。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120731-00000085-san-pol
>   沖縄県の尖閣諸島の国有化をめぐり、政府が同諸島の魚釣島、北小島、南小島を所有する地権者の男性に3島の購入額として約20億円を提示したことが30日、分かった。尖閣の購入・売却交渉で、具体的な打診額が明らかになったのは初めて。地権者は20億円での売却には応じず、政府より先に尖閣購入計画を発表した東京都への売却交渉を進める意向を示したという。
>
>  関係者によると、政府は先週、地権者側に約20億円の購入額を提示した。当初、首相側近の長浜博行官房副長官らが地権者と都内で直接会い、国有化について交渉したいとの意向を伝えたが、地権者は面会には応じなかった。そのため、購入額も関係者を通じ間接的に地権者に伝えた。
>
>  地権者が面会を拒否した理由について、交渉関係者は
「政府に売却する考えはなく、都と交渉を進めるという地権者の意思表示だ」との見方を示した。
>
>  石原慎太郎都知事が進める尖閣購入計画では、4月に購入資金の寄付口座を開設し、今月27日までに約13億9千万円の寄付金が集まっている。都の購入額は未定だが、「10億~15億円を想定している」(別の交渉関係者)との指摘がある。
>
>  政府がこの時期に購入額の提示に踏み切ったのは、寄付金という国民の賛同も集める都の購入計画が現実味を帯びてきたことへの焦燥感もある。
今回、政府が地権者側に提示した20億円は、都側を上回る金額を想定したとみられる。
>
>  一方、尖閣購入にかかわる政府高官は30日、産経新聞の取材に対し、20億円の購入額提示について「そういう話は聞いていない」とだけ述べた。藤村修官房長官は記者会見で「どういう方策を講じるのが適当か静かに検討している。地権者や都とは適宜、情報交換をしている」と述べた。

金額だけなら東京都を上回っているにもかかわらず拒絶されたという事実は、尖閣問題で民主党政権がどれだけ信用がないかの裏返しですね。
まあ、2010年に起こった尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件における、当時の仙谷「健忘」長官をはじめとする民主党カンガンス内閣の愚劣な対応の数々を見ても、連中が信用に値しないシロモノでしかないのは一目瞭然なのですが。
尖閣諸島の地権者は、かつて中国人から300億円で購入するとの打診をすら拒否していたとのことでしたし、カネの額は問題ではないのでしょうね。
今の民主党政権では、国有化と称して尖閣諸島周辺海域への立ち入り規制を強化したり、最悪は中国に対して領土を献上したりしかねない危うさがあるのですし。
その辺りの事情が全く分からずに、カネ(実際には国民の税金なのですが)を積みさえすれば尖閣諸島の国有化が実現できると安易に考える民主党一派の「無能な単細胞」ぶりには笑うしかないところですね。

民主党の存在自体と政権に居座っている事実そのものが、領土問題をも含めた日本のありとあらゆる問題の元凶なのですから、民主党には一刻も早くこの世から消えてもらいたいところではあるのですけどね。

映画「エイトレンジャー」感想

ファイル 706-1.jpg

映画「エイトレンジャー」観に行ってきました。
アイドルグループの「関ジャニ∞(エイト)」が上演してきた、同名のスーパー戦隊シリーズのパロディ物を映画化したコメディ作品。
なお、私は「エイトレンジャー」の元ネタについては全くタッチすることなく今作に臨んでいます。

物語の舞台は、民主党が20年以上も政権を担っていたらこうなるのではないかというレベルまで荒廃している2035年の日本。
少子化が今よりもさらに進んで人口は7500万人にまで減少し、円の価値が下落して経済は衰退。
日本政府は「小さすぎる政府」への転換を目指し、警察や消防などの公共サービスの類を大きく削減。
その結果、日本有数の人口を誇る東京や大阪などの大都会にのみ、充実した公共サービスによる秩序が存在する状態と化していました。
人口の希薄な地方の小さな市町村の類は完全に見捨てられ、地方都市でさえヤクザが跳梁跋扈し犯罪やテロが横行する始末。
特に少子化の影響から、子供の誘拐および人身売買が横行し、それがヤクザやテロリスト達の資金源になるという、極めて不安定な社会が現出していました。
警察は警察で、「事件に対処して欲しければまず多額の入金をしろ!」などと民衆に向かって堂々とのたまえるほどの腐敗ぶりを披露する惨状を呈していたりします。
そのため一般的な日本国民は、明日をも知れない苦しい生活の中、自分の身は自分で守ることを余儀なくされていたのでした。
誰もが先行きに不安を抱き、未来に希望が抱けない、まるで「北斗の拳」の無秩序な世界や、お隣の中国のモラルハザードな一般社会を再現しているかのごとき未来の日本。
そして、作中の物語の主要舞台となる八萬市(エイトシティ)もまた、犯罪組織の凶悪犯罪に悩まされていました……。

物語の冒頭、今作の主人公である横峯誠は、闇金からの借金取りに追われていました。
海辺の公園でついに借金取りに追い詰められ、カネを返すか海に投げ込まれるかの二者択一を迫られる横峯誠。
そこへ突然現れ、杖1本?で借金取りをあっさりと蹴散らしていった謎の老人。
老人は自らをヒーロー協会の理事長と名乗り、横峯誠をヒーロー協会へスカウトします。
ヒーロー協会での活躍次第では、お前の借金を肩代わりしても良いという条件付で。
危機的条件を助けられたということもあり、渡された電子ホログラム名刺?の案内に従い、ヒーロー協会の本部を訪れる横峯誠。
到着早々、彼は理事長によってヒーロー協会お抱えの戦隊「エイトレンジャー」のブラック&リーダーを任され、その他6名の隊員のまとめ役を任されることになります。
突然の抜擢に戸惑う横峯誠ですが、紹介された他の6名の「エイトレンジャー」達は、揃いも揃ってやる気がなく、訓練どころかひたすらダラけているありさま。
一応、横峯誠も含めた7人の「エイトレンジャー」達には、一定の条件が揃うと超人的な力を発揮できるスーツを支給されてはいたのですが、その発動条件は7人の中の誰にも分からず、現時点では宝の持ち腐れ同然の状態。
この状況を打破すべく、彼らはヒーロー協会の切り札で「伝説のヒーロー」としてその名を轟かせるキャプテン・シルバーに教えを請おうと動き始めるのですが……。

映画「エイトレンジャー」は、スーパー戦隊のパロディというだけでなく、物語の随所に「お遊び」的なギャグ要素が盛り込まれています。
たとえば、主人公の横峯誠がヒーロー協会を訪れた際、理事長からヒーロー協会のCM映像を見せられるシーンがあるのですが、そのCMの内容は、頑丈そうな物置にヒーロー協会の構成員が100人乗っていて自分達をアピールするというシロモノでした。
これは、物置の上に100人の人間が乗って頑丈さをアピールしていたイナバ物置のCMをいじったパロディです。
作中のヒーロー協会のそれは、最初物置の上に乗っていた100人がだんだんと数を減らしていき、しまいには10人を切ってしまう衰退ぶりを披露するという、何とも哀愁漂う仕上がりになっていましたが(苦笑)。
横峯誠も「何故物置?」というツッコミを小声で呟いていましたが、何故こんなネタをわざわざ仕込んでいたのか、観客としても是非知りたいところではありました(^_^;;)。
また、舘ひろしが演じるキャプテン・シルバーが居住するアパートの部屋の中には、何故か1980年代にテレビ放映されていた往年の刑事ドラマ「あぶない刑事」のポスターが貼られていて、「俺、そっくりだとよく言われるんだよね」と当の本人が弁明するシーンが披露されていたりします。
そっくりも何も、アンタは「あぶない刑事」で普通に主演のひとりを担っていたじゃないか舘ひろし、と往年の「あぶない刑事」ファンとしては思わずツッコミを入れてしまったものでした(^^;;)。
この辺りの所謂「お遊びネタ」は、今作の監督である堤幸彦の持ち味ではあるのでしょうね。
彼が同じく監督を担っていた映画「SPEC~天~」でも、この手の「お遊びネタ」が随所にちりばめられていましたし。
この「お遊びネタ」に代表されるように、今作の内容はギャグコメディをメインかつ前面に展開しつつ、要所要所でシリアスな要素を挿入するという構成になっています。
キャプテン・シルバーと横峯誠の関係や、今作のラスボスとのやり取りなどは、結構シリアスな展開になっていたりしますし。
この辺りの構成は、人によって好みが分かれそうなところではありますね。

それにしても、この世界における日本政府って、一体どこまで無能な統治をやっていたのだろうかと、正直その部分については色々と疑問を抱かずにはいられませんでしたね。
そもそも、今でさえ供給が需要よりも膨らんでいる「デフレギャップ」が叫ばれている中で、一種の需要減・供給増の効果をもたらす構造改革的な「インフレ対策」を打ち出すなど、狂気の沙汰もいいところなのですが。
作中における日本政府が実行した政策というのは、公共事業や公共サービスの削減という「小さすぎる政府」の実現であり、それは必然的にそれらのサービスに携る人達の給与を削り、需要を減らしてしまうことになります。
それは一方では「製造コストの減少」による供給増をもたらすことにも繋がるのですが、給与が減れば当然一般国民の購買力は低下せざるをえないので、そんな中で供給量が増えても経済は豊かにはなりません。
まさに「供給が需要を上回るが故のデフレギャップ」に苦しんでいる日本で、さらにそれを促進するような政策を行うのは自殺行為も良いところでしょう。
ならば外国に輸出して外貨を稼げば良いではないか、とは誰もが考えるところでしょうし、作中では「円の価値が下がった」と言われているのですから対外貿易にはむしろ適しているはずなのですが、その割には作中の日本は対外貿易で潤っているような形跡すらもありません。
昨今の日本経済で問題になっている事案のひとつに「円の価値が異様なまでに高くなっている」ことが上げられるのですから、「円の価値が下がる」円安は、むしろ日本経済にとって恩恵になりえるものではないかと思えてならないのですが。
あの世界の日本って、円の価値云々以前の問題として、諸外国から何らかの経済制裁ないしは海上封鎖でも行われているのではないか、とすら考えてしまったくらいなのですけどね。
第一、あそこまで経済状態がボロボロで大都会以外の治安も悪化し、かつ内部統制もままならない状態では、他国のスパイや特殊工作員なども今以上に入りたい放題になるでしょうし、場合によっては地方自治体のいくつかが諸外国のカネによって買収され、無血で他国領土化する可能性すら起こりえるのですけど。
そうでなくても、日本の周辺には中韓朝やロシアなどといった、日本侵攻の意思を明確に示している国々が蠢いているのですし。
むしろ、危機的状況に乗じられて日本が他国に攻め入られ分割占領された状態という、映画「ファイナル・ジャッジメント」的な状況の方が、日本の未来図としては「より」ありえそうな気がしなくもないのですけどね。
まあ、消費税増税やTPPなどという「デフレ下のインフレ対策」を堂々と推進し、その他の面々でも愚劣な政策や失政に邁進している民主党政権のようなシロモノが長く続けば、こんな荒唐無稽な暗い世界も夢物語ではなく実際に起こりえるのではないか、という「恐怖の可能性」もゼロとは言えないのが、いささかウンザリするところではあるのですが。
こんなアホな世界を現出させないためにも、国民のための政治をきちんと行ってくれる政治家や政権をきちんと選ばなければならない、という教訓を教える映画としても、今作はそれなりに機能するものと言えるのではないかなぁ、と。

ちなみに、作中における「エイトレンジャー」というのは「8人で構成される戦隊」ではなく、物語の主要舞台となっている八萬市(エイトシティ)の戦隊という意味を持つのだとか。
だから「エイトレンジャー」と銘打っているにもかかわらず、実際の戦隊の構成員は7人しかいないわけですね。
映画ではなく元ネタの方の「エイトレンジャー」は、「関ジャニ∞(エイト)」の結成当初が8人のメンバーだった頃の名残なのだそうですが。
映画のタイトルと予告編を初めて見た時は、キャプテン・シルバーか、ヒロイン(兼ラスボス)の鬼頭桃子のどちらかを含めて8人になるのではないかと考えていたものでした(^^;;)。
同じような構成だった映画「ワイルド7」は、当初は部外者だったヒロインがラストでメンバーに加わるというパターンになっていましたし。
ラストを見る限り、人気が出れば続編を作る気ではあるようなのですが、果たして興行的に成功するのでしょうかね、この映画は。

上でも述べていますが、今作は基本的にギャグコメディがメインで構成されていますので、その手の作品が嫌いという人にはあまりオススメできるものではないですね。
ただ、舘ひろしが本来お笑い物の戦隊スーツを違和感なく着こなしてシリアスな役柄を演じている様は結構面白いものがあったりするので、舘ひろしファンな方々は意外と必見かもしれません。

映画「ダークナイト ライジング」感想

ファイル 705-1.jpg

映画「ダークナイト ライジング」観に行ってきました。
映画「インセプション」のクリストファー・ノーラン監督が製作を手掛ける「バットマン」シリーズ3作目にして完結編のアクション大作。
今作のストーリーは、これまでのシリーズの集大成ということもあり、前2作「バットマン ビギンズ」「ダークナイト」の設定を踏まえた上で展開されています。
前2作を知らないと分からない設定やエピソードも多数含まれていますので、前2作を知らない方は、今作を観賞する前に予め前2作を先に観賞することをオススメしておきます。

前作「ダークナイト」から8年が経過したゴッサム・シティ。
前作で恋人を殺され、復讐者トゥーフェイスとして犯罪を犯し死んだハービー・デントを記念して制定されたデント法により、ゴッサム・シティの犯罪は個人・組織を問わずことごとく封殺されていました。
そのハービー・デントが犯した罪を一身に背負い、街からその姿を消したバットマンの存在と汚名を代償にして。
しかし、ハービー・デントの死の真相を隠蔽することは、バットマンに扮するブルース・ウェインと、隠蔽の共謀者であるゴッサム・シティ警察の市警本部長ジェームズ・ゴードンに大きな傷を残していました。
その良心の呵責に耐えかねたのか、ジェームズ・ゴードンはデント法の祝典パーティーの場でその事実を公表しようとしますが、市民の衝撃や糾弾から、一度はスピーチ用に書き上げた真相告白のための原稿を引っ込めてしまいます。
同じ頃、ブルース・ウェインは、自宅に侵入し、真珠のネックレスを身に付けたキャットウーマンと対面していました。
キャットウーマンは、足が不自由になっているブルース・ウェインに一撃を浴びせると、窓から飛び降り姿を消します。
ウェイン邸に侵入した彼女の目的は真珠のネックレスではなく、金庫に貼り付いていたブルース・ウェインの指紋であることが判明します。
キャットウーマンはブルース・ウェインが会長を務めるウェイン財閥の乗っ取りを企むジョン・ダゲットという人物から、ブルース・ウェインの指紋を取るよう依頼されていたのでした。
この騒動がきっかけとなって、ブルース・ウェインことバットマンはキャットウーマンと知己を得ることになるのですが……。

一方、ゴッサム・シティ市警は、凶悪テロリストとして恐れられているベインの行方を追っていました。
熱血捜査官のジョン・ブレイクの聞き込みからもたらされた情報で、ベインはゴッサム・シティの地下に拠点を作っていることが判明。
自ら指揮を取ったジェームズ・ゴードンは、ゴッサム・シティのマンホールからアジトに潜入するものの、護衛を全部倒された挙句、逆にベインの手の者達に囚われの身となってしまいます。
何とか隙を突き、脱出することには成功するものの、ジェームズ・ゴードンは瀕死の重傷を負い入院を余儀なくされてしまいます。
ジェームズ・ゴードンは、巡査だったジョン・ブレイクを刑事に昇格させ、自分の右腕として事件を捜査させ自分に直接報告を行うよう指示します。
ジョン・ブレイクはブルース・ウェインの邸宅を訪れ、8年前の事件以来すっかり引き籠りな生活を送っているブルース・ウェインに対し、8年前の事件に関する捜査令状を発動すると脅して半ば強引に対面を強要。
明らかに彼の正体を知っていると言わんばかりの言辞を繰り出し、バットマンの再来を希望するのでした。
折りしも、市内にある証券取引所に対して、ベイン率いる集団が強襲をかけるという事件が発生。
ブルース・ウェインは、ウェイン家に長年仕えるアルフレッド・ペニーワースの制止も聞かず、バットマンとして復帰し事件に対処することを決意するのですが……。

映画「ダークナイト ライジング」では、総計164分の長い上映時間の中で、重厚な人間ドラマが敵味方を問わず繰り広げられています。
アクションシーンなどもそれなりにはあるのですが、どちらかと言えば人間ドラマがメインで描かれている感がありますね。
その中でも特に重点的に描かれているのは、前作で幼馴染の恋人を亡くし、生きる希望を失ってしまったバットマンことブルース・ウェインの懊悩と、彼が立ち直っていく過程でしょうか。
実はその前作で死んだ当の恋人は、死の直前にブルース・ウェインに対して決別の意思を示した手紙を出しており、その手紙は執事アルフレッド・ペニーワースの手によって隠匿されていたのですが、そうとは知らずに恋人のことを想い続けるブルース・ウェインの姿は、なかなかに滑稽なものがあります。
今作では、この隠蔽劇についての一定の決着を見ることになります。
ただ、バットマンの道へ戻ることに反対するアルフレッド・ペニーワースから、恋人の手紙の真相を知らされたはずのブルース・ウェインは、しかしその割にはあまり衝撃を受けたようには見えなかったですね。
恋人が死んでから8年も経過していて記憶も想いも薄れている、という事情もあったのでしょうが、ブルース・ウェイン的にも、前作の恋人の態度に何か予感を抱かせるものでもあったのではないかなぁ、とは思わずにいられなかったところです。
また、アルフレッド・ペニーワースにしてみれば、事の真相を暴露することでブルース・ウェインのやる気を喪失させるという狙いも多分にあったのではないかと思われるのですが、結局ブルース・ウェインを止めることは叶わなかったわけで「当てが外れた」的な部分はあったでしょうね。
何やかや言っても、彼は誰よりもブルース・ウェインのことを考えて行動していましたし。

今作のメインとなる敵陣営のボスキャラ(ただしラスボスではない)となるであろうベインは、物理的な力においてバットマンと互角以上に渡り合えた稀有な存在ですね。
序盤はバットマン側のコンディションが思わしくなかったとは言え、完全に力で圧倒し牢獄にぶち込むところまでいっていましたし。
彼の失敗は、「死にたがっているお前を殺しても罰にならない」などという、ある意味潔癖症じみたことを主張して、あそこでバットマンをさっさと殺しておかなかったことだったでしょう。
物語終盤近くで自身が復活したバットマンに逆に追い詰められた時、彼は間違いなく自身のその言動を後悔したことでしょう。
だからこそ、ラスボスがバットマンにナイフを突き立ててその場を立ち去った後、彼はそれまでの生温い対応を投げ捨てて、躊躇なくその場でバットマンを殺す選択に打って出ざるをえなかったのでしょう。
その余裕のなさっぷりは、圧倒的な存在感を示していた序盤とは著しく対象的と言えるものでした。
その直後に、キャットウーマンが乗車していたバイクの砲撃で吹っ飛ばされてあっさり絶命してしまった結末は少々意外ではありましたが。
ベインはバットマンとのタイマン勝負で死ぬのだろうと、予告編を見ていた頃からずっと考えていたくらいでしたし。
この辺り、ベインの「悪役としての凋落ぶり」を感じさせるものではありましたね。

バットマン・キャットウーマンとくれば、あとはバットマンの相棒であるロビンも出てくるものなのですが、彼は作中の最後にその存在が明らかとなります。
ジェームズ・ゴードンの部下として、またバットマンの協力者として作中でも活躍するジョン・ブレイクが、警察と法の理不尽なあり方に憤って警察を辞職した後、「ロビン」という偽名を名乗ると共に、無人となったバットマンの秘密基地へと侵入するシーンがあるんですよね。
クリストファー・ノーラン監督より以前の映画「バットマン」シリーズでは、バットマンと共に敵と戦っていたロビンでしたが、あの世界における「ロビン」は、バットマンの存在なしでひとりで戦っていくことにでもなるのでしょうか?
最後の最後で「ロビン」を出してくる辺りは、ファンサービスが上手いなぁと思わずにいられなかったところでしたが(^_^;;)。

アクション物というよりは人間ドラマ重視の作品であり、どちらの視点で見てもそれなりの出来と面白さを兼ね備えた映画とは言えますね。

映画版「大奥」2作目の追加キャスティング発表

2012年10月からのテレビドラマ放映を経て年末に劇場公開される、よしながふみ原作マンガ「大奥」の映画版2作目の追加キャスティングが発表されました↓

http://www.cinematoday.jp/page/N0044467
>  [シネマトゥデイ映画ニュース] 堺雅人と菅野美穂が初共演する、人気マンガの映画版第2作『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』の出演陣が追加発表され、尾野真千子、柄本佑、要潤、宮藤官九郎、西田敏行ら豪華キャストの参加が明らかとなった。また同時に劇中ビジュアルも公開された。
>
>  謎の疫病で男女の立場が逆転した大奥が舞台となる本作。続編では多部未華子が3代将軍・家光を演じるテレビドラマと菅野美穂が5代将軍・綱吉を演じる映画が製作され、両方で堺雅人が主演を務めることも話題となっている。堺はドラマと映画で、正反対の性格の一人二役に挑戦。映画では野望を胸に綱吉に巧みに取り入る右衛門佐(えもんのすけ)にふんしており、ビジュアルでも冷徹な眼差しのクールな表情を見せている。
>
>  その右衛門佐と愛憎渦巻く派閥争いを繰り広げる男衆には、豪華キャストが集結。これまで
大河ドラマなどで徳川将軍を演じてきた西田が、綱吉の父・桂昌院として大奥側の人物にふんするほか、原作者に「この人以外に浮かばない」といわしめたエピソードを持つ要が綱吉の側室・伝兵衛を演じる。また二人の対抗派閥である綱吉の正室信平役には宮藤。「木更津キャッツアイ」シリーズで、脚本家として組んできた金子文紀監督とのタッグも見ものだ。
>
>  さらに本作の語り部となり、観客を作品世界に引き込む重要な役・秋元を演じるのは柄本。また女性キャストとして「カーネーション」の好演も記憶に新しい尾野が出演。綱吉の御側用人で、綱吉に愛ともとれる感情を持つ柳沢吉保を演じるということで、菅野をめぐる堺とのバトルにも期待できそうだ。
>
>  そのほか、綱吉との夜伽を命じられる若手として桐山漣、竜星涼、永江祐貴、郭智博、満島真之介、三浦貴大らイケメン俳優たちも出演。プロデューサーである荒木美也子がファーストインプレッションを抱いた役者が勢ぞろいしたというキャスト陣。1作目に負けず劣らずの個性的な面々による、まさに豪華絢爛(けんらん)な共演に、10月オンエア予定のドラマ版ともども期待が高まる。(編集部・入倉功一)
>
> 映画『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』は12月22日より全国公開
> テレビドラマ「大奥~誕生~[有功・家光篇]」は10月クールにTBS系列にてオンエア

ざっと見た限りでも、それなりの大物が出演していることが分かりますね。
芸能界については人並み以下に疎い私でさえ名前を知っている西田敏行が出るというだけでも、何となく察しはつきますし(苦笑)。
ただ、制作陣やキャスト面で気合が入っているのはわかるのですが、テレビドラマ版の視聴率および続編映画の興行収益的には果たしてどうなるのでしょうかねぇ。
原作の雰囲気や前作映画を見ても、ハリウッド映画ばりの派手なアクションシーンの類は当然全く存在しないでしょうし、前作映画のようなオリジナルな決闘シーンなどを入れるにしても、派手さよりも舞台演技的なものを演出する方向になるでしょうし。
TBSにしてみれば、久しく途絶えていた時代劇物を放映&劇場公開することになるわけですから、何としても成功させたいところではあるのでしょうけど、果たして一般受けするものになりえるのかは正直疑問がつきないですね。
まあ、昨今のテレビは若年層を切り捨てて高齢者&主婦層に迎合した番組作りに精を出しているようですし、地上波による久々の時代劇となれば、その手の層には受けるものになるかもしれませんが……。
年末公開予定の続編映画の方も、間違いなく「原作読了済みか、または1作目映画&テレビドラマ全て視聴済み」が前提の作品となるでしょうし、やはりテレビドラマの出来が趨勢を左右することになるのではないかと。
私も、1作目映画および原作コミック全て読了しているわけですし、テレビドラマ版&続編映画「大奥」の動向は最後まで注目していきたいところではありますね。

Twitterのアクセス障害はデータセンターのシステムエラーが原因

日本時間の2012年7月27日深夜0時半から3時間にわたって続いたTwitterのアクセス障害は、データセンターのシステムに問題があったことが判明しました。

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1207/27/news026.html
>  米Twitterは7月26日(現地時間)、同日午前中に発生したアクセス障害について謝罪し、原因を説明した。
>
>  同社によると、障害は米太平洋時間の午前8時20分~9時まで続き、完全に復旧したのは午前10時25分だったという。日本では、障害発生から約3時間は完全には利用できなかった。
>
>  
このアクセス障害の原因は、データセンターのシステムの問題だった。サービス提供に当たっては、2つのシステムを並行して稼働させており、いずれかに問題があった場合はもう一方がリカバーするようになっているが、今回は2つのシステムでほぼ同時に問題が発生したという。
>
>  Twitterは、「この障害がオリンピックや“カスケードバグ”のせいだったと説明できればよかったのだが」とし、今後同じような問題を起こさないよう検証していると説明した。
>
>  Twitterは6月にも約3時間にわたるアクセス障害を起こした。この時はカスケードバグが原因だったと説明した。

時おりしもロンドンオリンピック開幕の時期と重なっていただけにその関連が取り沙汰されていましたが、その責任に帰することができなかったという点では、Twitter運営側にとっては本当に残念な話だったでしょうね(苦笑)。
しかし、一昔前に比べればだいぶ安定してきたとはいえ、それでもまだ落ちる時は落ちますね、Twitterは。
まあ、事故を起こさない乗り物が絶対に造れないように、絶対にダウンしないサーバシステムというのも幻想ではあるのでしょうが、他のSNSと比べてTwitterは使用頻度が高いので、落ちた時の悪影響は小さくないものがあります。
現地時間の7月27日(日本時間7月28日)にはいよいよロンドンオリンピックが始まるわけですし、Twitterにかかる負荷も膨大なものになることが予想されます。
さすがに本番ではダウンしてほしくないものなのですが、さてどうなることやら。

垂直離着陸機V-22オスプレイの日本配備問題について

ファイル 702-1.jpg

垂直離着陸機V-22オスプレイが沖縄の米軍基地に配備される問題で、日本国内では激烈な反対運動および報道が行われています。
この手の反対派によるオスプレイ配備反対の理由としては、「事故率が高い」「騒音が酷い」といったものがよく掲げられています。
しかし実際のところは、「その性能が他国、特に中国にとって脅威となるのが、他国および他国の利益を代弁する人達にとって都合が悪い」というのが、彼らの偽らざる本音だったりするのではないのでしょうか?

そもそも、垂直離着陸機V-22オスプレイは、その事故率からしてドーピング紛いの報道が行われている始末です。
今回日本に配備される垂直離着陸機V-22オスプレイは、海兵隊所属の機体として開発された「MV-22」という機種になります。
これは海兵隊の人員・物資輸送を目的としており、既に退役が始まっているCH-46シーナイトの後継機種として導入されるものです。
このMV-22は、10万飛行時間当たりの事故件数を示す「事故率」は1.93とされています。
これは、海兵隊所属のヘリを含めた航空機全体の平均事故率2.45よりも低い数値であり、安全性という観点から言えば、MV-22は何の問題もない機体と言えるでしょう。
「オスプレイの事故率が高い」として盛んに喧伝されているのは、実は同じ「オスプレイ」でも海兵隊所属のMV-22ではなく、空軍所属で特殊部隊の特殊な作戦向けに製造された「CV-22」なのです。
CV-22は「オスプレイ」の機体の中でも最新の部類に入るもので、まだ飛行時間がそれほど長くないこと、また過酷な作戦に対応した性能が求められ運用も通常より厳しい環境下で行われることから、その事故率は13.47とかなり高めではあります。
しかし、オスプレイに限らず、最新鋭の機体に事故が多いこと自体はごく普通にあることです。
事故率というのは、配備当初は製造時の不具合や不慣れな運用などで激増する「初期故障期」の後、偶発的な事故のみに終始する「偶発故障期」、部品の摩耗や劣化による寿命に由来する「摩耗故障期」の3つでそれぞれ増減します。
事故率は基本的に、初期故障期と摩耗故障期に高く、偶発故障期に低くなる「バスタブ曲線」を描く傾向にあり、それから考えれば、新型な上に特殊用途に使用されるCV-22の事故率が高いのは「初期故障期」ならではの副産物であると見做すことができるでしょう。
そのCV-22の事例を、既に長年運用されていて事故率が低い「偶発故障期」に入っているMV-22と同列に並べるのは、技術の性質と事故率の本質というものがまるで理解できていないことの証左と言えるでしょう。
またオスプレイは技術的・運用面での改良の余地を残しており、これからの改良と技術革新でさらなる安全性の向上と事故率の低下が期待できます。
それに対して、既に退役に入りつつあるCH-46シーナイトは、これから「摩耗故障期」に突入する上、部品の供給自体も減少傾向へと向かうこととなるため、今後事故率が急上昇する事態も予想されます。
将来的な危険性で言えば、オスプレイよりもむしろ既存のCH-46シーナイトの方がはるかに問題であると言えるでしょう。

またアメリカでは、大統領のスタッフや報道陣の国内移動の手段として、2013年の夏からオスプレイが活用されることが決定しています。

http://megalodon.jp/2012-0726-2020-22/sankei.jp.msn.com/world/news/120710/amr12071021460007-n1.htm
>  【ワシントン=佐々木類】米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)への配備が予定されている垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが2013年夏から、大統領に随行するスタッフや報道陣の国内移動に使われることが分かった。米軍関係者が9日、明らかにした。最大限の安全確保が要求されるワシントン上空での運用に関し、米軍が太鼓判を押した形だ。
>
>  大統領は通常、出張や遊説で国内を移動する際、ワシントン郊外にあるバージニア州クワンティコ基地の第1海兵ヘリコプター飛行隊が運用する特殊内装の大統領専用ヘリコプター「マリーンワン」を使用。ホワイトハウス敷地内から搭乗し、メリーランド州のアンドリュー空軍基地で大統領専用機(エアフォースワン)に乗り換える。
>
>  シークレットサービス(大統領警護官)やホワイトハウスのスタッフ、メディアの代表取材陣は、国防総省付近で海兵隊運用のCH46Eシーナイトに乗り込み、マリーンワンを追いかけるように編隊を組んでいる。
>
>  米軍関係者によると、この
CH46E運用について、海兵隊は13年夏にオスプレイに交代させる方針。ホワイトハウス近辺でオスプレイが飛び回る決定を下したのは、老朽化したCH46Eと比べ、安全かつ大量の人員輸送が可能と判断したためだ。
>
>  一方、オスプレイが普天間飛行場に配備される理由も、
朝鮮半島有事や尖閣諸島など離島防衛の対処能力のほか、同飛行場所属のCH46Eが老朽化して、航続距離や輸送人員などの性能で上回るオスプレイに入れ替える必要があるからだ。
>
>  大統領随行のスタッフらの移動にオスプレイを活用することは、安全運用に対する米軍の揺るぎない自信の裏付けにほかならない。

一般的な住宅地や商業施設などよりも安全性が要求されるアメリカの首都ワシントンの上空で、しかも大統領スタッフ達の移動にオスプレイが使われることからも、その安全性が伺えるのではないかと。
アメリカにしてみれば、既存のヘリよりもオスプレイの方が安全と考えているのに、日本のマスコミや反対派は、退役予定のヘリに縋って「オスプレイは危険だ!」と叫びまくっているわけです。
何と滑稽な話であることか、とつくづく考えずにはいられませんね。

また、オスプレイの問題で何かと喧伝される騒音についても、こちらはアメリカで行われた環境影響報告(環境アセスメント)で、既存のCH-46よりも飛行中の騒音は静かであるという結果が出されています↓

ファイル 702-2.jpg

着陸時は若干高い騒音になるそうですが、オスプレイが配備される基地の周辺住民にとっては、飛行中の騒音こそが重要でしょう。
そちらの騒音が低いのであれば、むしろ騒音対策としてもオスプレイを導入すべき、ということになるはずなのですが。
そして騒音問題についてもまた、新技術のオスプレイには今後の改善の余地が残されているのです。
既に退役が進みつつあるCH-46で、今さら騒音対策が進むとはとても考えられないのですし、この方面でもオスプレイを拒絶すべき理由はないでしょう。

そもそも、沖縄米軍基地の騒音問題は、どちらかと言えばオスプレイそのものよりも政治に帰するべき問題でもあるでしょう。
自民党政権時代に進められていた辺野古への米軍基地移転が、民主党のルーピー鳩山による愚行で破綻に追い込まれなければ、オスプレイ云々以前に米軍による騒音問題そのものが大きく解消されたであろうことは確実だったのですから。
民主党に責任が求められるべき騒音問題をオスプレイに擦りつけられるのでは、オスプレイも米軍も迷惑極まりない話でしょうに。

騒音でも事故率でも問題ないはずのオスプレイの日本配備が何故連日マスコミで喧伝され、バッシングの憂き目にあうのか?
その真の理由は、オスプレイの持つ性能が「中韓朝な国々」にとって脅威だからです。
オスプレイは既存のヘリと比べて速度が速い上に航続距離も1.5~2倍近くあり、航空機とヘリ双方のいいところ取りを実現した機体となっています。
このオスプレイの素晴らしい性能と作戦行動範囲は、しかし一方でその脅威に晒されることになる他国にとってはまさに厄介な存在なのです。
その本音を、およそ語るに落ちた形で露呈しているのが、以下の記事だったりします↓

http://megalodon.jp/2012-0726-2019-47/mainichi.jp/area/nagasaki/news/20120722ddlk42010252000c.html
>  県平和運動センターと佐世保地区労は21日、佐世保市中心部の松浦公園で、米軍の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの日本配備に反対する集会を開いた。約300人が参加し、墜落事故を繰り返しながら配備を強行しようとする米軍と、米軍の意向を拒否できない日本政府を批判。集会後は市内をデモ行進した。
>
>  集会で、同センターの川原重信議長が「欠陥機の配備は、国民の命を軽んじる許されない行為だ。沖縄や全国の仲間と連帯しよう」と訴えた。一方、米海軍佐世保基地にオスプレイが搭載可能な強襲揚陸艦「ボノム・リシャール」が配備されていることについて、米軍を監視する市民団体「リムピース」の篠崎正人編集委員は
「航続距離の長いオスプレイの運用で作戦範囲が無制限に広がる可能性がある。平和に暮らしたいという私たちの願いと真っ向から対立する」と指摘した。

確かに航空機やヘリの航続距離が長ければ作戦範囲が拡大するのは事実ですが、それが何故「平和に暮らしたいという私たちの願いと真っ向から対立する」ことになるのでしょうか?
昨今話題となっているオスプレイの事故率や騒音の問題とは何の関係もない上に、別にミサイルなどのように民間人を直接殺傷する兵器というわけでもないというのに。
航続距離が長いということは、長時間の飛行と長距離の移動が可能になるということでもあり、それは別に戦争のみならず一般的な人員・物資輸送や災害派遣などでも有効活用できるものであるはずなのですが。
というか、彼らの主張によれば「事故率が多く危険」とされているはずのオスプレイは、航続距離が長い云々以前に、そもそも兵器として有効活用できないのではありませんかね(苦笑)。
一方では「航続距離が長い」と有用性を認めていながら、他方では「事故が多く危険」と欠陥があることを強調するのは矛盾しているでしょうに。
結局、オスプレイの日本配備に反対している人々は、以下のような図式を中韓朝の立場から脅威に感じているだけでしかないということですね↓

ファイル 702-3.jpg

オスプレイの実態とこの図を見てもなお「日本への配備反対!」を叫ぶ人達は、「戦争」の二文字で思考停止する絶対的平和主義者か、全て承知の上での確信犯で運動に邁進している自称プロ市民の類でしかありえないでしょう。
特定の国の利益に奉仕する運動それ自体が目的化している、硬直しきった左翼運動の典型でしかありえませんね、これでは。

オスプレイ日本配備に纏わる反対運動は、「この世には絶対に事故を起こさず騒音も一切発生させない飛行機やヘリが実在し、かつ現時点の運用ではそれが実現されている」などという、当の反対論者ですら全く信じていないであろう前提で行われているとしか思えません。
反原発運動と同じく、現実を一切直視せず、非現実的な理想という名の妄想をベースに、しかも代案もなしに非難のための非難を繰り広げている以外の何物でもないではありませんか。
しかも、日本やアメリカばかり論う一方で、中国や韓国などの外国の問題については全く何も言及しないところも見事なまでに一貫していますし。
中韓朝の利益を代弁し九官鳥のごとく同じことを鳴き喚く、日本の大手マスコミや自称プロ市民な方々の言動は、眉に唾をつけて観察する必要があるのではないでしょうか?
特に今回のように、大手マスコミが総出かつ横並び的な論調を展開している場合はなおのこと。
政治や社会運動では、たとえどんな愚論であっても「声が大きい」「皆がそう言っている」というだけで「空気」になるのですから。
そんなシロモノに振り回され、国益や国民の生活が脅かされるような事態は勘弁願いたいものです。

「シー・シェパード」代表ポール・ワトソンが保釈中に逃亡?

ドイツで保釈中の反捕鯨団体「シー・シェパード」代表ポール・ワトソンが、保釈の条件となっていた「ドイツから出国しない」の規定を破り、ドイツ国外へ逃亡した疑いがあることが判明しました↓

http://megalodon.jp/2012-0726-0020-30/sankei.jp.msn.com/world/news/120725/erp12072514380002-n1.htm
>  中米でのサメ漁をめぐる危険航行容疑で、ドイツで逮捕され、保釈中の反捕鯨団体「シー・シェパード」代表ポール・ワトソン容疑者(61)が、ドイツから逃亡した疑いがあることが24日分かった。同容疑者をめぐってはコスタリカ当局が逮捕状を出し、ドイツに引き渡しを求めている。コスタリカのメディアが伝えた。
>
>  コスタリカ当局が国際刑事警察機構(ICPO)から連絡を受けたという。シー・シェパードの広報担当者は共同通信に対し、報道について「確認できない」とする一方、現在の所在は分からないと述べた。
>
>  ワトソン容疑者は今年5月、フランクフルトで逮捕され、その後、保釈金25万ユーロ(約2360万円)とドイツから出国しないことを条件に保釈された。しかし、
ワトソン容疑者は自身の弁護士に既にドイツにはいないとの内容の電子メールを送ったことが判明。ドイツ当局が行方を捜している。(共同)

さんざん迷惑&危険行為をやらかしまくり、逮捕された後は保釈条件を破って逃亡って、それが事実ならば「シー・シェパード」は凶悪犯罪者の類と何ら変わるところがないですね。
犯していない犯罪は殺人くらいでしょうし、しかもそれ自体「結果的に」そうなっているというだけで、殺人「未遂」ならば何度も普通にやらかしドイツ当局にも容疑をかけられている状態なわけで。
使用している船舶自体も妙に海賊を意識しているようなデザインだったりしますし、その行動自体も海賊まがいのテロリスト集団以外の何物でもないでしょう。
しかも、南極海における捕鯨妨害では、「プロップ・ファウラー」と呼ばれる鉄塊やワイヤの付いたロープを海に投棄するなどという蛮行も平然とやらかしているようですし。
こんなのが「環境保護団体」などと自称するというのは、一種の詐称行為もいいところなのではないかと思えてならないのですが。

ドイツ当局には一刻も早く「シー・シェパード」の親玉を見つけてもらい、公正な裁判にかけてこれまでの所業を清算させて欲しいものです。

googleが実施した「Panda(パンダ)アップデート」の打撃

ファイル 700-1.jpg

1週間前、googleの公式ブログにて、こんな発表が行われました↓

http://news.mynavi.jp/news/2012/07/19/034/
> Googleは7月18日の公式ブログで、Google検索のアルゴリズム変更に関する記事を公開した。今回の変更により、ユーザーに有益な情報を掲載する高品質なWebサイトが適切に評価されるようになるという。
>
>
同社は2011年に英語をはじめとする言語を対象として「Pandaアップデート」と呼ばれるアルゴリズム変更を実施している。この際には日本語における実施はされなかったのが、今回、日本語と韓国語においてPandaアップデートが行われた。
>
> Pandaアップデートは検索結果に表示されるWebサイトの掲載順位に関するもので、他サイトからのコピーで構成されるような、ユーザーにとってあまり価値のないWebサイトの掲載順位を下げ、独自の研究や報告、分析など、ユーザーにとって有益な情報を提供しているWebサイトの検索順位を適切に評価する狙いがある。
アルゴリズム変更の影響は日本語、韓国語ともに約4%の検索結果に影響する見込み。

この記事で挙げられている「Panda(パンダ)アップデート」が言うところの「ユーザーにとってあまり価値のないWebサイト」というのは、コピペパクリだけで構成されたようなサイトやブログ以外にも、アフィリエイトブログや広告が多く貼られているサイト、コンテンツの中身が薄いサイトなどが該当するとのことです。
「Pandaアップデート」は、サイトやブログのページの内容を判断して順位をつける検索アルゴリズムである、ということになるでしょうか。
……で、これの何が問題なのかというと、今回googleが行ったこの「Pandaアップデート」によって、タナウツのアクセス数がユニークユーザー数・ページビュー数共に半分以下にまで低下してしまったんですよね(T_T)。
「Pandaアップデート」が実施された2012年7月18日より以前のタナウツは、ユニークユーザー数が平均2000人前後、ページビューのそれが3500前後のアクセス数を記録していました。
ところが7月18日以降になると、ユニークユーザーは800~900人前後、ページビュー数も2000以下にまで激減。
7月15日と16日なんて、ユニークユーザー3000人台、ペービジュー4600以上にまで達していたのですから、それから考えれば実に6~7割以上ものアクセス減です。
わずか1日で、しかもサーチエンジンの検索絡みで、これほどまでのアクセス減に見舞われたのは今回が初めてです。
今年(2012年)に入ってからは好調にアクセス数を伸ばしていただけに、突然のアクセス激減はさすがにショックでしたね。

しかし、今回の「Pandaアップデート」で、何故タナウツが順位低下のターゲットにされなければならないのか、私としては心当たりが全くないのが辛いところではあるんですよね(T_T)。
タナウツには、サイト内のどこにもアフィリエイトのような宣伝・広告の類は全く設置されていませんし、サイト内で総計2000ページ以上もあるコンテンツの中身が薄いなんてこともありえないでしょう。
もちろん、2chまとめサイトのごとく、余所からのコピペで成り立っているサイトというわけでもないのですし。
サイトおよび各種コンテンツの独自性も、他に2つとはないと言って良いものを誇っていますし、サイトの歴史もゆうに10年以上、tanautsu.netドメインに移転してから数えても既に3年以上経過しています。
本来タナウツは「Pandaアップデート」のターゲットにされるようなサイトではなく、すくなくともサイトの内容的な観点から見た原因は全く見出しようがない、というのが実情だったりするわけです。
「Pandaアップデート」に引っかかる要素や原因が分からないから、対策の打ちようがない。
しかし、タナウツが「Pandaアップデート」のターゲットにされたという結果は厳然と存在し、かつ今後状況が自動的に改善される保証もない。
この2重の問題が、タナウツの管理人たる私としてはジレンマを覚えずにいられないところなのでしてね(T_T)。

「Pandaアップデート」でタナウツのアクセス数が激減した最大の理由は、ブログ内にある映画感想記事の検索順位が大きく下落したことにあります。
ここ最近のタナウツネット雑記ブログにおける映画感想記事は、サーチエンジンで軒並み検索3位以上での表示という高水準を維持していたのですが、7月18日以降、これが一挙にランクダウン。
特に「アメイジング・スパイダーマン」および「BRAVE HEARTS/ブレイブハーツ 海猿」の感想記事は、人気がある映画で検索3位圏内表示という理想的な状況にあり、集客力もかなりのものがあったため、検索順位の下落でその集客力のほとんどが消し飛んでしまったのは大きな痛手でした。
完全に消えたわけではないのがせめてもの救いではありましたが、その後観賞した映画の感想記事も、検索上位が満足に取れなくなっている状態に陥っています。
映画感想記事の集客力を頼りにしてタナウツのアクセス数を増やしてきた私にとって、この事実は結構重いものがありますね(T_T)。

一方で「Pandaアップデート」は、これまで不動であり続けた「田中芳樹」検索の順位にも微妙な変化を与えています。
2012年7月24日現在、google本家で「田中芳樹」検索を行うと、タナウツは検索4位で表示されます。
これまでの「田中芳樹」検索では、タナウツは常に3位表示されていたわけですから、これだけ見ればこんなところにも「Pandaアップデート」の悪影響が出ていることになります。
ところが、全く同じ検索をスマートフォン版のYahoo!Japanで行うと、こちらは逆にらいとすたっふ公式サイトをも上回る検索2位で表示されているんですよね。
そもそも、日本におけるgoogleとYahoo!Japanは、検索関係で提携を結んでいてデータを共有しているので、この両者で検索結果が違うというのは本来ありえないことであるはずなのですが……。
両者の間で検索順位があまりにも異なり過ぎていて、どちらが正しい検索結果なのか理解不能な状態です。
ここ数日、検索順位は不安定な状態が続いていますし、今の状態では正直いつまた検索結果が大きく変更されるやら不安もいいところ。
「Pandaアップデート」の弊害共々、この状況はいいかげん何とかならないものなのかと(-_-;;)。

日本で実施された「Pandaアップデート」はまだ不完全なアルゴリズムなのだそうで、まだしばらくは試行錯誤的な更新で、検索順位が不安定な状態が続くとのことです。
できれば今後の更新で、どう見ても「誤爆」されたとしか思えないタナウツの状況を是非とも改善してもらいたいところですね。

映画「スターシップ・トゥルーパーズ インベイジョン」感想

ファイル 699-1.jpg

映画「スターシップ・トゥルーパーズ インベイジョン」観に行ってきました。
1997年に実写映画化(日本では1998年公開)された「スターシップ・トゥルーパーズ」のシリーズ誕生15周年を記念して製作されたCGアニメーション。
今作は一応洋画に分類されるのですが、監督は何故か日本人の荒牧伸志が担当しています。
「スターシップ・トゥルーパーズ」自体はアメリカよりも日本の方が大ヒットしているので、それにあやかりでもしたのでしょうかねぇ。
ちなみに、実写映画版「スターシップ・トゥルーパーズ」はこれまで3作公開されているのですが、私が観賞したことのある作品は1作目だけですね。
というか、「スターシップ・トゥルーパーズ」の2作目と3作目って、製作費といい知名度といい、1作目の足元にも及ばないほどにマイナー過ぎるのですが(^^;;)。

今作では、実写版映画「スターシップ・トゥルーパーズ」の1作目から、最低でも数年~10数年の時間が経過した世界が舞台となります。
物語は、小惑星上に建造された地球連邦軍の要塞フォート・ケイシーが、連星クレンダスの惑星に住む昆虫型生物アラクニド・バグスの集団に占領されてしまったことから始まります。
地球連邦軍はただちにフォート・ケイシーを奪還すべく、複数の艦艇を派遣。
しかし、先行して要塞内へと突入した機動歩兵隊の報告により、フォート・ケイシーは既にバグの大群がひしめき合い、奪還は困難な情勢であることが判明します。
そこで現地軍は方針を転換し、要塞内の生き残りを救出しつつ、小惑星ごと要塞を爆破してバグ達を殲滅する作戦を展開することになります。
そんな中、フォート・ケイシーにいた超能力戦略担当大臣カール・ジェンキンスが、その権限を濫用し、要塞奪還のために来援していた戦艦ジョン・A・ウォーデン(以下「JAW」)号を自らの指揮下に置き、一足先に戦場を離脱し重要な物資を輸送することを宣言します。
これに怒ったのは、JAW号の艦長でカール・ジェンキンスの旧友でもあるカルメン・イバネス。
しかし、大臣という要職にあるカール・ジェンキンスに対し、所詮は一戦艦の艦長にすぎないカルメン・イバネスの抗議はあっさり一蹴され、彼女は同じく来援していた機動歩兵隊用の強襲艦アレジア号への移乗を余儀なくされるのでした。
一方、要塞内で生き残りを探していた機動歩兵隊は、フォート・ケイシーの守備を担っていたK-12機動歩兵隊の生き残り達と合流。
巨大な図体と数に任せて攻め込んでくるバグ達に犠牲を強いられながらも、彼らは要塞爆破の任務を見事遂行し、アレジア号でフォート・ケイシーを後にするのでした。

生き残ったK-12機動歩兵隊では、隊長として部隊を率い、「ヒーロー」の愛称で呼ばれているヘンリー・ヴァロ大佐が、反逆罪を犯したとして逮捕され、地球への帰還の途についたアレジア号の一室に監禁されていました。
何でも彼は、超能力戦略担当大臣カール・ジェンキンスの命令に背いたということから反逆者と見做されたとのこと。
ただ、彼の部下であるK-12機動歩兵隊の隊員達は今でもヘンリーを敬愛しており、彼の命令違反には何らかの理由があることが推察されました。
ヘンリーの件が引っかかるものの、直近の戦闘が終結したことと、地球へ帰還すれば休暇が与えられることから、それぞれ艦内で思い思いにリラックスする兵士達。
しかしそこへ、地球連邦軍の司令部から緊急通信が舞い込んできます。
通信用のスクリーンに出てきたのは、地球連邦軍の将官で、カール・ジェンキンスとカルメン・イバネスの旧友でもあるジョニー・リコ。
彼は、先のフォート・ケイシーでの戦いの際、一足先に戦場を離脱したカール・ジェンキンスとJAW号が行方不明になったことを告げ、その捜索と調査をアレジア号の全乗員に命じます。
しかし、カール・ジェンキンスのために自分達の隊長が汚名を被せられることになってしまったK-12機動歩兵隊の面々は、当然のごとく調査に乗り気ではありません。
しかし、だからと言って軍人として命令に逆らうわけにもいかない彼らは、任務を遂行するための条件として、元隊長のヘンリー・ヴァロを指揮官として復隊させて欲しいと嘆願。
元々自身も機動歩兵隊出身であるジョニー・リコは、兵士達の気持ちを理解しその嘆願を承諾、どんなに活躍しても裁判で情状の材料になることはないという条件付でヘンリー・ヴァロを復隊させます。
そしてアレジア号は、消息を絶ったJAW号の捜索へと乗り出すことになるのですが……。

映画「スターシップ・トゥルーパーズ インベイジョン」に登場する、ジョニー・リコ、カール・ジェンキンス、カルメン・イバネスの3名は、実写版映画「スターシップ・トゥルーパーズ」の主要登場人物でもあります。
ジョニー・リコが機動歩兵隊所属の主人公、カルメン・イバネスが彼のガールフレンド、カール・ジェンキンスがジョニー・リコの親友という間柄です。
当時はまだ軍に入ったばかりの一兵士や下士官でしかなかったあの面々が、今作ではそれぞれ要職に就いているのですから、その辺りにも時間の経過を感じさせるものがあるわけで。
この辺りは、往年の「スターシップ・トゥルーパーズ」ファンに対するサービス的な一面も多々あるのではないかと。
ただ、今作における彼らは、物語終盤におけるジョニー・リコ以外はこれと言った見せ場がなく、むしろ要人として守られる立場に終始しているのが実情ではあるのですが。
今作で活躍するのは、アレジア号に乗船している機動歩兵隊とK-12の面々ですね。
一応、元々アレジア号に乗船していた機動歩兵隊の指揮官とヘンリー・ヴァロが指揮官ということにはなっていますが、ただ、こちらは誰が主人公なのか分かりにくい構図がありますね。
作中の描写は、全ての登場人物を均等に扱っているような感があって、特定の誰かに集中的なスポットを当てる、という形は取られていないんですよね。
その中ではかなり活躍した部類には入るであろうヘンリー・ヴァロも、序盤はあまり出番がないですし、そもそも彼はジョニー・リコが来援したタイミングでバグ達を巻き添えに自爆して死んでしまうのですから。
「主人公が不在」というか「皆が主人公」的なスタンスで描かれていますね、この映画は。

また「スターシップ・トゥルーパーズ」と言えば、男女の混合集団によるシャワーシーンがごく自然な形で描写されるという、男女平等のグロテスクさを具現化するかのような衝撃的な映像で一世を風靡した1作目に象徴されるがごとく、男女の性の奔放っぷりが特に印象に残るシリーズでもあります。
今作でもそれは健在で、むさくるしい男達の真っ只中に、わざわざ「襲ってください」と言わんばかりの、上半身にタオルをかけただけのトップレスな姿で登場する女性軍人が描かれていたりします。
他にも、一応はまだ任務中の最中に、黒いボディスーツ?を身に纏った女性と一室でシケこんだりするカップルの様子が描写されていたりもしますし。
1作目もそうでしたけど、あの世界における男女の性の問題って一体どうなっているのかと、改めて疑問に思わずに入られなかったですね(苦笑)。
ただ、同じく1作目の物語の合間合間にしばしば挿入されていた、地球連邦のプロパガンダCMやニュースの類は今作では全く確認することができず、その点では少々「惜しい」部分もあったと言えるでしょうか。
まあ、アレは「スターシップ・トゥルーパーズ」というよりは、1作目を製作したポール・バーホーベン監督の持ち味ではあったのでしょうけど。

あと、あの世界における地球連邦軍の対バグ装備は、まだまだ改善の余地が大いにあるのではないでしょうか?
航空援護や戦車などの援護もなしに、ただひたすら軽火器で銃剣突撃をやっていただけな感が多々あった1作目に比べれば、今作の機動歩兵隊はパワードスーツを身に纏いつつ、やたらとゴツい重火器でバグ達と応戦しており、その点では兵装面で大きな進化が見られました。
ただ、物語終盤にジョニー・リコが搭乗していた、映画「アバター」辺りにも出てきていたような巨大なパワードスーツを標準装備化していれば、対バグ戦はもっと楽に戦うことが可能なのではないでしょうか?
何しろ、ジョニー・リコが操縦する1体の巨大パワードスーツだけで、今作のラスボスである女王バグを除いたバグの集団は一方的な殺戮の的にされていたのですから。
今までの機動歩兵隊の苦戦は一体何だったのかとすら思えるほどの圧倒ぶりで、「そんな便利な兵器があるのならば、何故前線の機動歩兵隊に大量に配備してやらないんだ?」という疑問すら浮かんできたくらいだったのですが(^^;;)。
まあ、その手の巨大パワードスーツは高価なものである、という事情はありそうなのですが、あの世界における前線の兵士達の戦死・損耗率が半端じゃないであろうことを考えれば、巨大パワードスーツを必須で配備する方がむしろ安上がりなのではないかとすら思えてならならないのですけどね。
アレを前線に大量配備すれば、各戦線でバグ達を圧倒し完全勝利することも難しくはなさそうにも見えますし。

作中のCG映像は、実写のそれと比較しても遜色がないくらいに良く出来たものではあります。
往年の「スターシップ・トゥルーパーズ」ファンはもちろんのこと、戦争映画やアクション物としても充分に見れる作品に仕上がっているのではないかと。

映画「メリダとおそろしの森」感想

ファイル 698-1.jpg

映画「メリダとおそろしの森」観に行ってきました。
数々の3Dアニメーション映画を手掛けてきた、ディズニー&ピクサーのタッグによる冒険ファンタジー。
この映画は3Dメガネが必要なバージョンも公開されていますが、私が観賞したのは2Dの日本語吹替版となります。
なお、今作は映画「おおかみこどもの雨と雪」との2本立てで同日観賞しています。

今作では、物語本編が始まる前に、ディズニー&ピクサー映画のキャラクターを使ったと思しき前座的な短編映画が2作品上映されます。
何の予告もなく突然始まったこともあって、本編と全く関係のない内容の短編映画が上映され始めた際には、「まさか、本来『メリダとおそろしの森』が上映されているスクリーンとは全く別の場所に間違って入ってしまったのか?」と、一瞬ながらもついつい考えてしまったものでした(^^;;)。
もちろんそんなことはなく、2作品が上映し終わった後に物語本編はきちんと開始されたのですが。

今作の舞台は10世紀頃のスコットランド。
そのスコットランドにある王国の第一王女にして今作の主人公のメリダは、幼少時に誕生日を迎えた際、父親にして国王でもあるファーガス王から弓をプレゼントしてもらいました。
得意気に弓を射る父親の真似をして、メリダは生まれて初めて弓を射ることになるのですが、初めて放った矢は的に当たるどころか、明後日の方向へと飛んでおそろしの森の奥深くに入り込んでしまいます。
メリダは森の奥の木に突き刺さっていた矢を見つけて戻ってくるのですが、その際に「モルデュ」と呼ばれる巨大な熊に目をつけられてしまいます。
メリダの後を追い、メリダを仕留めんとする巨大熊モルデュ。
そのメリダの前に、父王であるファーガスが武器を持って立ちはだかり、モルデュに単身挑みかかるのでした。

それから数年後。
父王ファーガスと王妃エリノアとの間には、長女メリダに加えて、さらにヒューバート・ヘイミッシュ・ハリス3つ子の兄弟が誕生していました。
ファーガスは数年前のモルデュ襲来と撃退、および際に失った左足を自らが誇る武勇伝として自慢の種にしていました。
そして、元来自由奔放かつお転婆な性格のメリダは、母親である王妃エリノアの伝統至上主義かつ花嫁修業的な教育方針に反発する日々を送っていたのでした。
元々親子としての仲は決して悪くなかった2人ではあったのですが、年を追うにつれてその擦れ違いはどんどん深まるばかり。
そんな中、エリノアは王国の有力貴族であるディングウォール・マクガフィン・マッキントッシュ3家の子息の中から、メリダの婚約相手を選抜すべく画策します。
当然メリダはこれに反発。
婚約相手を選ぶ儀式をメチャクチャにしてしまい、そのまま馬に乗って城から脱走し、冒頭にも登場したおそろしの森の奥深くへと入り込んでしまうのでした。
母親の束縛からなんとしても逃れたいと考えるメリダは、気が付くとストーンサークルが林立する場に出てきていました。
そこで、突如メリダの前に現れ、まるでメリダをどこかへ導こうとするかのようにひとつの道筋を作り出していく鬼火。
鬼火の光跡を辿っていったメリダは、その終着点でひとりの怪しげな老婆と出合うことになるのですが……。

映画「メリダとおそろしの森」は、出自が王家であることを除けば、世界中どこにでもありそうな母親と子供の関係が描かれています。
子供のことを考えるが故に自分の主張を子供にゴリ押しする母親と、それに反発する子供という図式です。
作中でも問題になっているこの図式は、実際に親子間で自己修復ないし解消できた事例は限りなく少ないものだったりします。
これはどちらかと言えば、子供以上に親の問題の方が大きいんですよね。
子供に対する躾と自分のエゴイズムとの区別が全くつかず、自分の考えを無条件に押しつけることが子供への躾であると勘違いする親は、はるか昔から後を絶つことがありません。
当の親自身も、それが間違っていることであるとは露にも思わず、それどころか「子供のためになる」と信じて疑っていないケースが一般的ですらあるのですし。
作中で何かと伝統云々を持ち出してメリダに礼儀作法やら何やらを強要しまくっていた王妃エレノアも、別にメリダに悪意を持って接していたわけではなく、むしろ逆に「それがメリダのためになる」と信じて疑っていなかったわけです。
こういう親って、最初から確信犯で子供を虐待している親と同じかそれ以上にタチが悪かったりするんですよね。
むしろ、なまじ親の善意が分かっているだけに、親を裏切るような後ろめたさや罪悪感を子供側が覚えずにはいられないという問題が発生する分、問題解決が却って厄介になったりするのですし。
また、子供を圧迫している親側は親側で「これは子供を育てるのに必要な愛のムチ」と心の底から信じ込んでいたりするため、話し合いで相互理解に到達する余地自体がほとんどなく、反省や自浄作用を求めることも限りなく不可能に近いときています。
それに加えて、人間が持つ母性本能には「子供をいつまでも自分の手元で保護したい」という欲求が組み込まれているため、その欲求に逆らおうとする子供の成長や自立心を、母親が自ら踏み潰そうとすることも決して珍しい話ではありません。
成長した子供が自分の元から離れていくことを嫌がり、「ひとりにすると不安だから」的な理屈をこねてとにかく自分の指図に従うよう強要する母親などは、まさにその典型ですし。
エレノアがメリダの自立心を拒絶し、あくまでも自分が敷いたレールの上を無理矢理歩かせようとしたのも、そういう本能的な欲求がどこかで働いていたからに他ならないのでしてね。
メリダとエレノアが物語のラストで結果的に和解できたのも、皮肉なことにエレノアが魔女の魔法にかかってしまい、2人が苦難を共にしたことが発端になっていたのであって、それがなかったら2人の仲は時間と共に悪化の一途を辿るだけだったでしょう。
その点では、作中では疑問の余地なく「悪い魔女」扱いされているであろうあの老婆も、結果的にはメリダの願いを最も理想的な形で叶えていた、と評価することもできるのではないかと。
まあ、当の老婆にそんなつもりは全くなかったのでしょうけど(^^;;)。

作中のストーリーはとにかくメリダとエレノアを中心に回っていて、その他の登場人物は軒並み脇役的な役柄に終始していますね。
父親であるファーガス王や3貴族達はひたすら「脳筋」としてのみ描かれていますし、メリダの弟の3つ子達は単なるマスコットキャラクターでしかありません。
特に、3つ子達がエレノアを熊に変えてしまったパンケーキ?をつまみ食いしてしまい、エレノア同様に熊に変化してしまった事象は、王家としては本来ならば王妃エレノアが熊に変わってしまったこと以上に問題となるべき事件であるはずです。
王妃エレノアには王位継承権がない可能性が濃厚なのに対し、3つ子達は王家の直系男子で王位継承権が間違いなく存在しているのであり、その3つ子が熊に変わってしまったということは、下手すれば王位継承の問題にも直結しかねない国の一大事となりえるのですから。
しかしその割には、作中における3つ子達の扱いは「王妃エレノアのついで」的なものでしかなく、メインの扱いには全然なっていないんですよね。
普通の流れで行けば、将来の王国の国王には3つ子達の誰かが即位することになるのですから、王妃エレノア以上に3つ子達の動向の方が本来重要事項であったはずなのですけどね。

ストーリー的には映画「おおかみこどもの雨と雪」と同じく「親子関係」をメインテーマに据えた作品ですが、中心となる視点が前半と後半で変化していった「おおかみこどもの雨と雪」に対し、今作は終始メリダの視点のみで描かれています。
その点では、こちらの方が子供向け作品であると言えるのではないかと。
なお、今作ではエンドロール後に特典映像が存在しますので、最後まで席を立たずに映画を観賞することをオススメしておきます。

ページ移動

  • ページ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4

ユーティリティ

2012年07月

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

検索

エントリー検索フォーム
キーワード

ページ

  • ページが登録されていません。

新着画像

新着トラックバック

Feed