エントリー

映画「はやぶさ/HAYABUSA」感想

ファイル 440-1.jpg

映画「はやぶさ/HAYABUSA」観に行ってきました。
2003年5月9日に打ち上げられ、2010年6月13日にサンプルを地球に投下して消滅した小惑星探査機「はやぶさ」、およびその開発・運用に関わった人々の実話を元に製作されたドラマ作品。
今作は日本のみならず、アメリカでも2012年3月に主要10都市にて劇場公開予定であることが発表されたみたいですね。

物語の始まりは2002年。
当時の文部科学省宇宙科学研究所(ISAS、2003年10月にJAXAに統合)の対外協力室室長だった的場泰弘が、まだ「はやぶさ」という名前が付けられていなかった小惑星探査機「ミューゼスC」についての講演を行っているシーンから始まります。
当時はまだ小惑星探査機についての世間一般の関心がそれほど高くなかったこともあってか、講演の入場者数は主催者側の想定よりも低かったのですが、その中でひとり、的場泰弘の講演内容に感動した女性がいました。
その女性・水沢恵は、講演終了後、わざわざ会場を後にしようとする的場泰弘の眼前に現れ、自分が抱いた感想や疑問を的場泰弘に直接ぶつけまくるというミーハー根性丸出しな行動に打って出、これが的場泰弘の印象に強く残ることになります。
それからしばらく経った同年夏、古本屋のアルバイトとして働いていた水沢恵の下に、的場泰弘から「宇宙科学研究所に来てみないか?」という誘いの電話がかかってきます。
宇宙科学研究所の研究生として迎えられることになった水沢恵は、主に「ミューゼスC」研究開発チームの雑用係的な仕事と、広報スタッフとしての仕事を主に担当することになります。
しかし広報活動の中で、宇宙科学研究所の施設を見学に来た小学校低学年とおぼしき子供から質問をされた際、水沢恵は専門用語を早口で乱発しまくって顰蹙を買うという失態を演じてしまい、自分達の仕事の内容を他者に伝えることの難しさを痛感します。
そこで水沢恵は、子供向けに分かりやすく親切丁寧な説明を行うため、絵本的な構成で解説を行う「ミューゼスC君の冒険日誌」の製作に着手することを決意。
的場泰弘に頼み込んで宇宙科学研究所の資料室に入れてもらい、様々な資料を漁りまくる水沢恵。
ここで、1985年から始まる「ミューゼスC」製作秘話が語られることになります。
一方、的場泰弘は「ミューゼスC」を打ち上げるための予算と候補地を確保するために奔走。
文部科学省、および打ち上げ候補地のひとつである鹿児島県内之浦町の漁業組合との交渉を纏め上げ、「ミューゼスC」の打ち上げが正式に決定されます。
そして2003年5月9日、「ミューゼスC」には「はやぶさ」という名前が冠せられ、多くの人々が見守る中、内之浦宇宙空間観測所よりM-Vロケット5号機によって打ち上げられ、結果的には実に7年以上にも及ぶ長い長い宇宙の旅へと出て行くことになるのです。

映画「はやぶさ/HAYABUSA」では、小惑星探査機「はやぶさ」というかなり専門的かつ特殊なあり方について、当然のごとく詳細な説明が作中で行われています。
しかし、物語の範囲が2002年~2010年と実に8年もの長きに渡る上、「はやぶさ」のエピソードのみならず主人公・水沢恵や「はやぶさ」関係者達の人間ドラマまで展開されるため、物語の展開が早く説明もさっさと過ぎ去ってしまうという印象が強かったんですよね。
作中でも専門用語について数多くの注釈が出てきますし、作中の水沢恵が他者への説明に苦労する描写が見られることもあってか、かなり平易に説明しようとする努力は伺えるのですが、理解が追いつく以上に話の展開が早いと言わざるをえないところでして(-_-;;)。
すくなくとも「はやぶさ」について何の予備知識もない人が1回映画を観るだけでは、「はやぶさ」絡みの技術的な知識や問題について理解するのはかなり難しいのではないかと。
何度も繰り返し観るのであれば話は別なのでしょうけど、DVDならばともかく、映画館で同じ映画を何回も観賞するという人はあまりいないでしょうからねぇ。
シリーズ分割するような余裕がないとは言え、上映時間140分の中にあまりにも大量の情報を詰め込み過ぎなのではないか、というのが私の率直な感想だったりします。
この映画を観賞する際には、「はやぶさ」の旅程や技術などについてある程度事前に予習をしておいた方が良いのではないかと思えてならないですね。

また、作中のあちこちで水沢恵が描いていた「ミューゼスC君の冒険日誌」は、実際にJAXA(宇宙航空研究開発機構)の公式サイトで公開されている「はやぶさ君の冒険日誌」がベースになっていたりします↓

はやぶさ君の冒険日誌
http://www.isas.jaxa.jp/j/enterp/missions/hayabusa/fun/adv/index.shtml
PDF版
http://www.isas.jaxa.jp/j/enterp/missions/hayabusa/fun/adv/image/adv_2010tadaima.pdf

エンドロールではその一部が掲載されており、さらにこれまで日本が打ち上げてきた人工衛星や小惑星探査機の数々が併せて紹介されています。
税金の無駄だの非効率だのとマスコミや国会などから散々非難されつつも、日本の宇宙技術開発は他国に誇れる業績を地道に積み上げてきていたのだなぁ、と感じさせてくれるものではありましたね。

物語の展開は「はやぶさ」に関する説明も含めとにかく地味なので、ハリウッド映画のような作品が好みという人にはあまりオススメできる映画ではないですね。
あくまでも「はやぶさ」ファンのための作品、といったところでしょうか。

映画「DOG×POLICE 純白の絆」感想

ファイル 439-1.jpg

映画「DOG×POLICE 純白の絆」観に行ってきました。
警備犬と警察官が互いに成長しつつ、警視庁を震撼させる連続爆破事件に挑む姿を描いた作品。
今作は、映画料金一律1000円で観賞できるファーストデー(映画の日)での観賞となりました(^^)。

物語は、多くの人で賑わう大型ショッピングモールで、ゴミ箱に設置されていた爆弾が爆発するシーンから始まります。
死亡者1名と多くの負傷者を出す騒ぎに発展する中、警察による厳戒態勢が布かれ、現場に近づこうとする野次馬を抑えるために多くの警察官が動員されることになります。
その中の警察官のひとりである主人公・早川勇作は、群がる野次馬の中に不審な人物を発見します。
自分と目が合うや否や突然逃げ出したその人物を、早川勇作は後先考えず自分の持ち場を無断で抜け出して追跡行を開始します。
何とか不審人物を追い詰め、公務執行妨害の現行犯で捕まえることに成功したものの、不審人物との取っ組み合いの最中、たまたま自転車でその場を通りかかった通行人が巻き添えになり怪我をしてしまうというアクシデントが発生してしまいます。
通行人が怪我をしていることを確認し、そのことに責任を感じざるをえなかった早川勇作はすぐさま救急車を呼ぼうとしますが、通行人は「もうすぐ赤子が産まれるから…」という理由でその申し出を拒否します。
早川勇作が通行人を乗せた自転車をこぎ、辿り着いた目的地では、しかし出産は出産でも人間ではなく犬のそれが行われようとしている場面でした。
実は件の通行人は獣医さんだったわけですね。
出産の場では早川勇作も手伝わされる形で、3匹の仔犬が健康体で無事に出産されます。
しかし、そこで獣医が母親犬の様子を確認すると、さらにもう1匹、母親の胎内に引っかかっている仔犬が確認されました。
何とか仔犬は母親の胎内から引きずり出されたものの、他の黒い仔犬と違って皮膚の色が白く、その上呼吸もしていなかった状態であり、獣医と母親犬の飼い主らしき人物は「これは死んだな」と諦めムードに入ってしまいました。
しかし早川勇作は諦めることができず、人工マッサージもどきな行為を繰り返すことでその白い犬の蘇生に成功します。
これが、早川勇作と後のアルビノ犬シロとの最初の出会いでした。

早川勇作が取っ組み合いの末に捕まえた不審人物は、結局件の爆破事件とは何の関係もなく、さらに早川勇作は独断専行について上司から厳重注意を受け始末書を書かされることになります。
それからしばらくして早川勇作は、それまで所属していた部署から、警視庁警備部二課装備第四係、通称「イヌ屋」への配置転換を命じられます。
そこでは、災害救助や犯人の制圧行動を主な任務とする「警備犬」の育成と訓練をメインとする部署でした。
警備部所属の「警備犬」は、刑事部鑑識課の所属で犯人の足跡調査などといった捜査の支援を主な役割とする「警察犬」とは明確に区別されるということが、作中でも説明されています。
しかし、犯人逮捕を志していた早川勇作にとって「イヌ屋」の仕事は熱意を失わせるに十分なもので、ついに彼は「イヌ屋」こと警視庁警備部二課装備第四係の係長である向井寛に土下座まで刑事部に戻すよう懇願までする始末。
しかし向井寛の口からは、早川勇作の独断専行と協調性のなさが刑事部側で問題視され「こいつはいらない」と評されていた事実が無情にも告げられ、早川勇作は前途の暗さに絶望することになるのでした。
そんなある日、向井寛は早川勇作を連れ、早川勇作が育成・訓練するための警備犬、通称「バディ」をあてがうための犬を選出します。
その犬は何と、物語冒頭で早川勇作が生命を助けたアルビノ犬シロだったのです。
嗅覚が鋭い母親の血統を受け継いでいるシロは、アルビノ(劣性遺伝)というハンディを背負い、普通の犬並みの体力や持久力を持ち合わせていないことから「警備犬としては不適格」という評価が下されていたような犬でした。
不平満々な様子を見せながらも、早川勇作はシロを警備犬として育て上げるべく奮闘することになるのですが……。

映画「DOG×POLICE 純白の絆」を一通り観賞していて思ったのは、「この作品、ストーリー構成や設定が映画『岳-ガク-』にそっくり」というものでした。
特殊な仕事についての詳細かつ現実的な説明。
自分なりの理想をもって上司に反発して独断専行ばかりやらかした挙句、情け容赦のない現実を見せ付けられて挫折を味わう主人公。
その主人公に現実を見せ付ける役割を担う凄腕な実力を持つ教育係の存在。
上司の過去の出来事に纏わる上司とメインヒロインとの因縁めいた人間関係。
全て映画「岳-ガク-」にも存在する作品の特徴です。
特に、メインヒロインである水野夏希の父親がかつての上司で、かつその上司の娘を部下として迎え入れることになったという向井寛の過去話などは、聞いた瞬間に「岳-ガク-」で山岳救助隊をまとめていた野田正人のエピソードを連想してしまったほど全く同じパターンでした。
この作品、「岳-ガク-」をかなり意識して製作していたのではないか、とすら考えてしまったほどです。

ただ一方で、「DOG×POLICE 純白の絆」は「岳-ガク-」ほどには主人公の成長がきちんと描かれていないようにも見えましたね。
というのも、今作の主人公・早川勇作は「独断専行や協調性のなさ」から組織でハブられ、また物語中盤でも少なからぬ失敗を繰り返し、周囲からも散々に問題点を指摘され注意も受けているのですが、物語後半になってさえもその行動原理は全然改善されてなどいないんですよね。
爆弾を処理する際も、爆破事件の犯人を追い詰める際も、結局彼はひたすら周囲と連携を図ることなく独断専行を貫き通しています。
一番問題なのは、彼が独断専行的な行動を取る際、上司や他の同僚に対して無線通信で連絡を取るということすらもしていない点です。
作品は違いながらも、同じ警視庁警備部に所属しかつ独断専行も多かったSPシリーズの井上薫でさえ、上司や同僚達と密接に連絡を取り合って相互連携を図るシーンが少なからず盛り込まれていたというのに。
自分の状況はこうだからどうすれば良いかと上に指示を仰ぐ、という常識はもちろんのこと、「ただいま犯人を追跡中、現在○○地点から△△方面に移動中」のような状況報告すら、作中の早川勇作はほとんど行っていません。
緊急事態であり時間的な余裕もない、という事情もありはしたでしょうが、手を使わずに無線通信ができるわけですし、簡単な状況報告の類であれば走っている途中でも容易に行うことはできたはずなのですが。
最低限の状況報告さえ行っていれば、上層部だってバカではないのですから後詰の支援や援軍の派遣程度のことは充分に行えるでしょうし、そういうことはむしろ非常時で失敗が許されない状況「だからこそ」しっかりやっておく必要があるものだったでしょうに。
物語のラストで早川勇作が重傷を負った際でも、現在位置を知らせる連絡を早川勇作がちゃんと行っていれば、シロがあんな無駄に走る手間も必要なく、また水野夏希に危険な作業をさせることもなく、より安全確実に味方からの救助を受けることができたはずです。
そう考えるとラストのアレも、主人公の「独断専行と協調性のなさ」の結果としての自業自得としか言いようがなかったのではないかと。
「岳-ガク-」の成長要素が「現実の直視」と「非情な決断力」だったのに対し、「DOG×POLICE 純白の絆」では「周囲との協調性」が何度も強調されていたことが、成長物語としての評価の違いを生んだのでしょうけどね。

作品のテーマ自体は決して悪いものではなく、またアクションや迫力ある描写もまずまずの出来ではあっただけに、成長物語としての部分をもう少し練りこんで欲しかったところですね。

薬師寺シリーズ9巻の9月26日時点進捗状況

らいとすたっふの社長氏から、久々に田中芳樹の執筆状況が報告されました。

http://twitter.com/adachi_hiro/status/118095397716623360
<昨夜、田中さんと電話していて、「ようやく筆が進み始めたよ」とのこと。(二ヶ月遅いんじゃい!)という心の声を黙殺し、「いやあ、それは良かった」と答える。で、「ずいぶん当初の構想から違った展開になっちゃった」と。「え?どんな風に」と聞いたのだけど、「読んでのお楽しみ~」だって。むぅ。>

二ヶ月?
四ヶ月の間違いではないのでしょうか?
2011年10月31日刊行予定の「髑髏城の花嫁」が脱稿したのが5月上旬とのことでしたし、遅くとも5月の下旬頃には薬師寺シリーズの新刊執筆に着手したものとばかり思っていたのですが……。
まあ、執筆開始から筆が加速するまで2ヶ月かかるので……ということなのかもしれませんが、いずれにせよ、こんな状況では薬師寺シリーズ最新刊の年内刊行は不可能もいいところでしょうね。
来年出るかどうかすらも保証の限りではないというのが、相変わらず救いようのないところではあるのですけどね(T_T)。

それにしても、当の本人が「ストレス解消のために執筆している」とネタでなくマジで主張していたはずの薬師寺シリーズが、何故かくも遅筆な惨状を呈さなくてはならないのでしょうか?
まさか、ストレス発散対象たる自民党が野党に転落して民主党が与党になった挙句、その民主党の不祥事が擁護も不可能なレベルで大量に出てきたから、というわけではあるまいに(爆)。
あんな愚劣で構成がまるで練られていないその場凌ぎな作品を執筆するのにすらも時間がかかるって、どれだけ効率と燃費が悪いのですかね、田中芳樹は。

社長氏による当面の執筆スケジュールによれば、薬師寺シリーズ新刊の次がいよいよ「あの」タイタニア4巻とのことなのですが、それを読者が手に取れるのは果たしていつになることやら。
今の調子では、来年の刊行も絶望的でしょうし、再来年もかなり微妙と言わざるをえないのではないかと。
まあそれ以前に、創竜伝14巻刊行無期限延期の前例に倣い、社長氏が読者にも無断で執筆スケジュールを勝手に変更する可能性も否定できないところではあるのですが(苦笑)。
タイタニア4巻の場合、社長氏の公式ブログのみならず、NHK BS2やYahoo!ニュースにも「田中芳樹が刊行を公言した」という記録があるわけですし、それを覆したら最悪炎上騒動にまで発展しかねないでしょうから、予定変更はさすがに難しいだろうとは思うのですけどね。

田中芳樹と河村隆一の対談がニコニコ生放送で放映

銀英伝舞台版「オーベルシュタイン編」のプロモーション戦略の一環として、銀英伝のファンという河村隆一と田中芳樹と対談が、10月4日18時にニコニコ生放送で放映されます。

http://www.gineiden.jp/nico/
http://a-hiro.cocolog-nifty.com/diary/2011/09/post-9c72.html

TVや新聞ではなくネットメディアに田中芳樹が出てくるのはこれが初めてになるのではないかと思うのですが、どんな内容が語られるのやら。
何でも対談と一緒に重大発表とやらがあるらしいのですが、こちらの内容も少々気になるところです。
まさか、既に2年ほども囁かれている「タイタニアの続巻が刊行されます」の蒸し返しではないと思いたいところではあるのですが……。

映画「ワイルド・スピード MEGA MAX」感想

ファイル 436-1.jpg

映画「ワイルド・スピード MEGA MAX」観に行ってきました。
高級車を惜しげもなく投入した、派手でスピード感溢れるカーアクションが売りの「ワイルド・スピード」シリーズ第5弾。
日本におけるこの映画の正式な劇場公開日は2011年10月1日なのですが、9月23日~25日の連休3日間は先行上映期間となっており、今回は一足先に映画観賞することとなりました。
なお私の場合、「ワイルド・スピード」シリーズで観賞したことがあるのは前作「ワイルド・スピード MAX」のみで、他の過去作品は未観賞だったりします。

物語冒頭は、前作のラストで主人公ドミニク・トレットが懲役25年の実刑判決を受け、刑務所へ収監するため護送される途上にあった大型バスを、ドミニクの妹ミア・トレットと元FBI捜査官ブライアン・オコナーらで構成される仲間達が襲撃して脱獄させるシーンから始まります。
首尾良くドミニクの脱獄を成功させたミアとブライアンは、ブラジルのリオデジャネイロへ逃亡、昔の仲間だったヴィンスの元で匿われることになります。
逃亡生活のための資金を欲していたブライアンは、ヴィンスから「簡単な仕事がある」と誘われ、麻薬取締官によって応酬され、疾走する列車に格納されている自動車2台を盗むミッションに、暫定的な仕事仲間となる窃盗団と共に挑むことになります。
そのミッションの途中でブライアンとミアは、脱獄後一旦別行動をとっていたドミニクと再合流します。
窃盗作業の方は順調に進み、まずは1台目の押収車が列車から脱出、次いでミアが押収車の片割れであるGT40に乗り込んで列車からの離脱を果たし、これでミッションは危なげなく終了するかに思われました。
ところがその直後、それまで手を組んでいた窃盗団が突如ドミニクとブライアンに襲いかかり、両者の間で同士討ちが始まってしまいます。
さらにその騒動に気づいた、押収した自動車を護送していた麻薬取締官が加わり、3つ巴の大混戦状態に。
何とか危機を脱して川に飛び込んだドミニクとブライアンですが、そこへ、まるで待ちかまえていたかのように現れた別働隊によって彼らは拉致されてしまいます。
囚われの身となった彼らの前に現れたのは、リオデジャネイロを表と裏の両面で牛耳っている実業家レイエス。
レイエスはドミニクとブライアンに対し、車のありかを教えるよう脅迫するのですが、2人は当然のごとく要求を拒否し、監視者達をあっさり制圧して脱出してしまいます。
脱出後にGT40を調べてみたところ、レイエスの闇金の流れを記録したマイクロチップが隠されていたことが判明します。

一方、ドミニクに脱獄されてしまったアメリカでは、一連の騒動でドミニク達がリオデジャネイロ内に潜伏している事実を掌握、彼らを捕縛するためのFBI捜査官チームをブラジルへ派遣することを決定します。
リオデジャネイロに派遣されたのは、海外での捜査活動で高い評価を持つルーク・ホブス率いるFBI捜査チーム。
リオデジャネイロ到着後、現地の警察署をまるで信用していないルーク・ホブスは、過去の経歴から「誰にも買収されない」と目した女性警察官であるエレナ・ニベスを助手につけると、すぐさまドミニクとブライアン達の隠れ家を強襲し捕縛しようとします。
しかし、そこでは一足早く、GT40のマイクロチップを強奪せんとするレイエス一派が襲撃を開始しており、リオデジャネイロのスラム街を舞台にまたもや3つ巴の戦いが始まることになります。
大混戦の末、辛くもその場を離脱したトレット兄妹とブライアンの3人ですが、リオデジャネイロの大ボスとアメリカFBIという2つの大組織から追われる身となった彼らは、自分達の前途に不安を覚えるようになります。
ここでさらに、ミアがブライアンの子供を妊娠していることが男2人に告げられ、「家族が増えるな」というドミニクの声と共に喜びを噛み締め抱き合う3人。
そして彼らは、奪取したマイクロチップの情報を元に、レイエスがこれまで蓄財していた現金1億ドルを全て奪取し、そのカネを元に永遠の自由を手にすることを決意します。
かくして目的を達成すべく、気心の知れた仲間達を集めてドリームチームを結成し、常識破りの作戦を駆使したカーアクションと頭脳戦が始まることになるのです。

ブラジルのリオデジャネイロを舞台に繰り広げられる映画「ワイルド・スピード MEGA MAX」のアクションシーンは、とにかく「ド派手」の一言に尽きます。
その中でも一番のハイライトは、やはり何と言っても予告編でも明示されていた「スペック的にも桁外れに頑丈な金庫を破壊の武器として利用するカーアクション」ですね。
建物も車もその他ありとあらゆる障害物も次から次に薙ぎ払っていくあの金庫の凄まじい破壊力と爽快な描写だけでも、この映画を観賞する価値は十二分にあるのではないかと。
ラストの「オーシャンズ11」ばりの大どんでん返しと、そこに繋げるための伏線も良く出来ており、カーアクションのみならず頭脳戦系のストーリーとしても秀逸と言える構成です。

ただ、予告編では「最後の仕事」だの「ファイナルラップ」だのといった言葉が飛び交い、今作がいかにも「シリーズ完結作」と言わんばかりの雰囲気を作り出していたにもかかわらず、事実は全くそうなっていないんですよね。
スタッフロールまではまさにそういう雰囲気で終わるかに見えましたし、「ああ、これでこのシリーズも完結か」と私もつい考えていたのですが、スタッフロール後に出てくるルーク・ホブス絡みの描写でそれは完全に消え去ってしまいました。
新たに発生した襲撃事件が、前作で死んだはずのドミニクの関係者によって引き起こされたことが明らかになるんですよね。
どう見ても続編を作る気満々なようにしか見えませんし、今作は既にシリーズ最大の興行収益をアメリカその他の国々で収めているようですから、すくなくとも人気&予算不足で製作打ち切りということにはまずならないでしょう。
シリーズ開始から今年で10年、既に5作目を数えるほど作品としては長丁場になっているのですが、いつになったら本当に完結するのでしょうか、「ワイルド・スピード」シリーズは。
映画ファンとしては、シリーズがまだ続くことに嬉しくなるのか、「ここで終わらせておけば良いのに」と考えるのか、微妙なところではあるのですけどね。

カーアクションが好きという方、またハリウッド映画のド派手で爽快な描写が好きという方にはイチオシの映画ですね。

映画「グリーン・ランタン(3D版)」感想

ファイル 435-1.jpg

映画「グリーン・ランタン(3D版)」観に行ってきました。
宇宙の平和を守る「グリーン・ランタン」に選ばれた地球人ハル・ジョーダンを主人公とする、アメリカDCコミック原作のアクション作品。
この作品は3D版のみの上映だったため、余計な3D料金を支払って泣く泣く3Dでの観賞となりました(T_T)。

惑星オアを中心に、全宇宙を3600のセクターに分け、各セクターに1人の選ばれた隊員を配備して宇宙の平和の維持に当たらせている宇宙警察機構「グリーン・ランタン」。
その「グリーン・ランタン」における伝説の戦士アビン・サーによって、かつて無人の惑星に封印されていた最も危険な敵・パララックスが、惑星調査に訪れた「グリーン・ランタン」の隊員達の力を吸収し、封印を破って逃走してしまったところから物語は始まります。
パララックスは、自分を倒し封印したアビン・サーの居場所を突き止めて奇襲を仕掛け、アビン・サーは致命傷を負わされ、半死半生の態でかろうじて逃れ、地球に不時着します。
自らの死期が近いことを悟ったアビン・サーは、自分に代わる新しい「グリーン・ランタン」の隊員を新規に選出すべく、自分が持つパワーリングに素質を持つ地球人を探索させるのでした。
一方、今作の主人公ハル・ジョーダンは、過去に戦闘機乗りだった父親を事故で亡くしたことにトラウマを抱いている、父親と同じ戦闘機乗りのパイロット。
彼は自動制御機能を持つ無人戦闘機のテストパイロットに選出され、逆に無人戦闘機の弱点を突いて撃墜するという戦果を挙げることに成功するのですが、その際、過去のトラウマが原因で自機を墜落・大破させるというミスを犯してしまいます。
周囲から散々責任を問われつつも、トラウマが失敗の原因という事実を否定するハル・ジョーダン。
しかし、そんな彼をアビン・サーのパワーリングは選出し、瀕死の状態にあるアビン・サーの元へ強制転移させるのでした。
死に逝くアビン・サーに「グリーン・ランタン」としての資格と力の源であるパワーリングを託されるハル・ジョーダン。
当然のことながら、当のハル・ジョーダンは最初は何が何だか分からず混乱を来たすわけですが、ふとしたきっかけから突如パワーリングの力が発動し、彼はそのまま「グリーン・ランタン」の本拠地である惑星オアへ飛ばされることになります。
彼はそこで、「グリーン・ランタン」の歴史と使命について知ることになるのですが……。

主人公含めた「グリーン・ランタン」には、スーパーマンのような肉体的超人能力と共に、自らの意思で擬似的に物を生成する特殊能力が備わっています。
後者は、たとえば剣やガトリングガンなどの武器を生成して戦いに使用したり、壁やシールドを使って敵からの攻撃を防御したり、鎖で敵を縛ったりするなどの用途が作中で披露されています。
使い勝手は意外に良さげな能力ですね。
もっとも、生成した物体は持続時間がかなり限られているようですから、基本的には「使い捨て」にしかできないのですけど。

映画「グリーン・ランタン」は、「恐怖を克服する主人公」を描くことに大きなウェイトが置かれているためか、アクションが比較的あっさりしているような印象がありますね。
最強の敵にしてラスボスでもあるパララックスの描写が全体的にあっさり気味ですし、長年封印まで施されていた存在にしては、ラストは太陽に誘い込んで滅ぼすというあっけない最期を遂げていたりします。
太陽なんて広大な宇宙にはそれこそ星の数ほど存在するわけですし、また宇宙空間における行動も容易に行える「グリーン・ランタン」であれば、あの程度の作戦など造作もないことでしかなかったのではないかと。
「グリーン・ランタン」になり立ての新人でしかなかったハル・ジョーダンにすら実行しえた作戦が、組織としての「グリーン・ランタン」にとって至難だったとは思えませんし。
アレのどこが「【グリーン・ランタンにとっての】最大の脅威」と言えるシロモノだったのか、正直疑問に思えて仕方がありませんでした。
にもかかわらず、ただひたすら芸のない正面決戦を挑んでは簡単に返り討ちにされてしまう「グリーン・ランタン」の面々が、何とも歯痒くてならなかったですね。
パララックスは、地球人にとっては確かに何の対抗手段もないかもしれませんが、「グリーン・ランタン」にとっては頭を使えばいくらでも対抗手段を見出せる存在にしか見えないのですが。

あと、スタッフロールが始まった後に出てくる描写を見る限り、明らかに続編があるような終わり方をしていますね。
実際に続編が出るのかどうかは分かりませんが。

銀英伝舞台版のキャストによるリレー動画第1回配信

銀英伝舞台版公式サイトに、出演キャストによるリレー動画が公開されています。
全5回公開予定のようで、第1回目は岸祐二。

銀英伝舞台版公式サイト
http://www.gineiden.jp/
オーベルシュタイン編のキャスト&スタッフ
http://www.gineiden.jp/cast.html
出演キャストリレー動画第1回 岸祐二
http://www.gineiden.jp/cast_movie_kishi.html

何でも岸祐二は、オーベルシュタインの兄という位置付けのキャラクターであるシュテファン・ノイマンという役で舞台に登場するのだそうです。
「あの」オーベルシュタインに兄がいるという事実は驚きですが、まあオーベルシュタインの出自や家族構成って原作でも全く触れられていませんからねぇ。
いわば、ほとんど制約がない状態でどんな設定でも作れるわけで、その点では1ページとはいえ言及があったミッターマイヤー・ロイエンタール編よりも自由度が高いとは言えるでしょう。
ただ、オーベルシュタインの兄という設定なのに姓が違う上、貴族の証である「フォン」の称号がついていないところには、何やら曰くありげなものを感じますね。
「ノイマン」は名前というよりは姓または家名でしょうし、まさか「シュテファン・ノイマン・フォン・オーベルシュタイン」ではないでしょう。
平民の家に婿養子として入った、みたいな設定でもありそうな雰囲気ではあるのですが、しかしリレー動画を見る限りは普通に銀英伝貴族のような容姿をしていますし、岸祐二自身も「貴族を演じる」と明言していたりします。
一体どんな形でストーリーに関わっていくことになるのやら。

他の登場人物達もオリジナルキャラクターで占められることになるのでしょうが、どんなキャラクターが出てくるのでしょうかねぇ。

映画「サンクタム(3D版)」感想

ファイル 433-1.jpg

映画「サンクタム(3D版)」観に行ってきました。
「タイタニック」「アバター」のジェームズ・キャメロン製作総指揮のアドベンチャームービー。
この作品は私の行きつけの映画館では3D版しか上映されておらず、当然のごとく3D版での観賞となりました。
圧倒的大多数の3D映画と同じく、3D特有の演出や描写は相変わらず皆無と言っても良いレベルでしかないので、もし2D版を選択できるのであればそちらを観賞することをオススメしておきます。

物語の舞台は、パプアニューギニアの密林地帯の真っ只中にぽっかりと空いた大穴のような外形を持つ巨大洞窟エスペリト・エサーラ。
そこでは、青年実業家カールの援助の下、ベテランの洞窟探検家として名を馳せているフランクをリーダーとする数人の調査隊が大掛かりな機材を持ち込み、地下水路のダイビング調査を行っていました。
物語は、カールが恋人のヴィクトリアを連れ、フランクの息子であるジョシュの案内で洞窟にやって来たところから始まります。
しかし、彼らが着て早々に、フランクはジュードという女性と一緒に地下水路へと潜り、大空洞を発見することに成功するのですが、その直後にジュードの酸素ボンベに異変が生じ、ジュードはそのまま窒息死という末路を辿ってしまいます。
一挙に暗い雰囲気に包まれてしまう調査隊一同。
しかもそこへ追い討ちをかけるがごとく、エスペリト・エサーラ周辺にサイクロンが襲来。
大雨による鉄砲水に、洞窟唯一の出口を塞がれてしまい、さらに調査隊メンバーのひとりが鉄砲水の犠牲となってしまいます。
生き残った調査隊のメンバー達は、地下水路が海に繋がっているのではないかというフランクの意見に従い、洞窟から脱出すべく、先刻発見した大空洞のさらに奥へと向かっていくことになるのですが……。

映画「サンクタム」の登場人物達は、状況判断の甘さから災難を招いているところが多々あります。
サイクロンが近づいていると事前に警告されていたにもかかわらず、「まだ数日は大丈夫」と早期退去の決断を下さず事なかれ主義に徹するフランク。
洞窟に閉じ込められるという非常事態にもかかわらず、「死人が着用していた潜水用スーツなど着たくない」とワガママばかり主張し、物語中盤でもフランクからの忠告を無視して結局死んでしまうヴィクトリア。
彼らに降りかかった災難には、自業自得的な要素もかなりあったのではないかと思えてなりませんでした。
特にフランクは、過去の洞窟探検でも「自動車のサイドブレーキをかけ忘れる」という「うっかりミス」をやらかして窮地に陥っていたというエピソードが語られていましたし、こいつがもっとしっかりしていたらそもそも調査隊が危機に陥ること自体が避けられたのではなかったのかと。
まあ今作のストーリーは、ジェームズ・キャメロンの仕事仲間で洞窟探検家でもあるアンドリュー・ワイトの「洞窟に閉じ込められた体験談」を元に作られたそうなので、良くも悪くも「現実的」ではあるのでしょうけど。

また、映画「サンクタム」は、日本では本来2011年4月22日に劇場公開となるはずだったのですが、映画「世界侵略:ロサンゼルス決戦」と同じく、東日本大震災に伴う「自粛」という名の人災によって5ヶ月近くもの延期を余儀なくされています。
今回の場合は、予告の内容からして「水難事故」や「水にまつわる死」というものが描写されるであろうことが事前に予測できたわけで、「世界侵略:ロサンゼルス決戦」の時と違って理由自体は最初から明確だったのですが。
実際、作中ではしばしば水死体が出てきますし、致命傷を負い手の施しようもなく苦しんでいる仲間を楽にするために【あえて】窒息死させるという場面も2回ほどあったりします。
今作が「自粛」のターゲットにされたのは、そういった描写が嫌気されてのことだったのは想像に難くないでしょう。
ただ、それでも私的には、そんなある意味「キツい」描写を盛り込んでいながら作品自体がPG-12やR-15指定されなかったことに疑問を感じることはあっても、やはり「自粛」まですべきではなかったと思えてならないのですが。

今作は、ジェームズ・キャメロン製作作品の中ではかなり暗い部類に入る映画と言えるのではないかと。
「タイタニック」「アバター」のような恋愛要素も全くありませんし。
ただ、洞窟の脱出劇自体は手に汗握る展開が続くので、アドベンチャー的な冒険活劇が好みという方にはオススメですね。

映画「世界侵略:ロサンゼルス決戦」感想

ファイル 432-1.jpg

映画「世界侵略:ロサンゼルス決戦」観に行ってきました。
エイリアン達による地球侵略に立ち向かうアメリカ海兵隊員達の戦いを描いたSFアクション作品。
人が血を流して死ぬ描写や、宇宙人を解体するシーンなどが作中に存在するため、この作品はPG-12指定されています。

この作品は本来、日本では2011年4月1日に劇場公開となる予定だったのですが、東日本大震災における「震災自粛」という名の人災の煽りを食らって劇場公開が延期となってしまい、9月になってようやく公開の運びとなりました。
何故この映画が「震災自粛」の対象にされたのか、当時から私は疑問に思っていたのですが、今回映画を観賞してその理由があっさり分かりました。
物語の序盤で、エイリアン達が地球に隕石?を落下させて地上を攻撃するシーンが続くのですが、その隕石落下の際に発生した津波に民間人が巻き込まれる描写が存在するんですよね。
時間にして僅か10秒あるかどうかの描写で、メインの描写とは到底言い難いシロモノだったのですが、「ああ、これが震災自粛のターゲットにされた最大の理由か」と納得せずにはいられませんでしたね。
何しろ、「スマトラ沖地震の大津波が作中で描写されている」というだけで公開が中止になった、映画「ヒアアフター」という前例がすでにあるわけですから。
また、同じロサンゼルスが舞台で、かつエイリアンの地球侵略を描いている映画「スカイライン-征服-」には津波の描写がなく、同じ6月公開で「自粛」させられた映画もある中で「自粛」の対象になっていなかったわけなのですから、これが理由だったのは確実でしょうね。
つまり映画「世界侵略:ロサンゼルス決戦」は、作中僅か10秒あるかどうかの津波描写【だけ】のために、実に5ヶ月以上にわたる劇場公開の「自粛」を余儀なくされてしまったわけです。
典型的なまでの「言葉狩り」としか言いようのない、山本弘のダブスタ作品論ばりにバカげた理由の「自粛」としか言いようがないではありませんか。
それで被災者達が救われたのかと言えば、当然のごとくそんなことは全くなかったわけですし、映画ファンとしては何とも傍迷惑な話としか言いようがないですね(>_<)。
そんな「自粛」の類など、当の被災者達ですら望んでいたとは到底思えないのですが。

物語冒頭は、エイリアン達に侵略されたロサンゼルスに海兵隊員達が軍用ヘリで接近するシーンから始まり、それから24時間前に遡って各海兵隊員達のエピソードが語られていきます。
予告編では1942年2月25日に発見された未確認飛行物体にアメリカ軍が応戦した「ロサンゼルスの戦い」や、その後各都市に現れたUFOの目撃譚などが語られていたはずなのですが、映画本編にはそれらを想起させるような描写は全くありませんでした。
主人公となるのは、かつて出征で部隊を率いながら、4人の部下を死なせてしまった過去を持つ初老の海兵隊員マイケル・ナンツ二等軍曹。
彼はエイリアン侵攻直前に、老齢であることと過去の負い目から退役届けを上層部に提示しており、そのことを理解している上司によって受理されています。
しかしその頃、世界は地球接近4時間前になって突然発見された隕石群の存在に騒然となっていました。
世界各地に落下していく隕石群。
しかしそれらの隕石は、落下直前に謎の減速をすることと、全てが同一規格的な形体をしていたことから、アメリカ軍はこれを侵略行為であると喝破し、軍が召集されます。
当然、マイケル・ナンツ二等軍曹が所属するロサンゼルス近郊に駐屯している海兵隊にも出撃命令が下され、退役間近の彼もまた、士官学校を首席卒業してこれが初陣というウィリアム・マルティネス少尉が指揮する海兵隊2-5部隊の副隊長的なポジションで出陣することになります。
海兵隊2-5部隊の任務は、ロサンゼルス西警察署に今なお取り残されている民間人の救出。
しかしそこは同時に、ロサンゼルスを制圧したエイリアン達の勢力圏内でもあり、当然のごとく激しい戦いが予想されるわけです。
かくして、全世界でエイリアン達による総攻撃が行われる中、ロサンゼルスの街を舞台に民間人達の避難誘導を任務とする海兵隊員達の活躍が描かれることになります。

映画「世界侵略:ロサンゼルス決戦」では、似たようなコンセプトで先行して上映された映画「スカイライン-征服-」が明らかに元ネタにしているであろう描写が複数箇所に存在します。
助けを求めてやって来た軍用ヘリが、主人公達の眼前でエイリアンに撃墜されてしまうシーンと、エイリアン達の司令塔的な存在とおぼしき宇宙母艦?にミサイルが飛んでいくシーンなどはまさにその典型で、「確かにこれは酷似しているなぁ」と思わずにはいられませんでしたね。
まあ、両作品共に同じ「ハイドラックス」という会社がVFXの製作を手掛けているわけですから、似たり寄ったりな描写になるのも当然と言えば当然なのかもしれないのですが。
今作を配給しているコロンビア映画の親会社であるソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント社が「ハイドラックス」を非難したのもむべなるかな、といったところでしたね。
ただ、エイリアン達の強さという点では、今作よりも「スカイライン-征服-」のエイリアン達の方が圧倒的な強さを誇っていますね。
あちらは司令塔の宇宙母艦に核ミサイルが炸裂してさえも1日程度で回復していたのに対し、今作では通常の弾道ミサイル?が当たれば簡単に無効化できるのですから。
また、「スカイライン-征服-」のエイリアンは自身が特殊能力を身につけており、自分で空を飛んだりするのに対し、「世界侵略:ロサンゼルス決戦」の方は肉体的に人類より強靭な部分もあるものの弱点も存在しますし、また自動歩行する小型の戦車モドキや無人飛行体に侵略のサポートをさせていたりします。
この辺りの違いは、エイリアン達の圧倒的な強さと人類の無力さを描くのがメインであろう「スカイライン-征服-」と異なり、海兵隊が最終的にエイリアンを倒さなければならないところから来ているのでしょうけどね。

良くも悪くも、アメリカ海兵隊にメインスポットを当てた作品、と言えるでしょうか。
ただ、作中の映像は「カメラマン自身も走りながら撮影している」的なものが多いため、ややブレが多く少々観辛いところがあるかもしれません。

鉢呂吉雄の経済産業大臣辞任におけるマスコミと民主党の問題

鉢呂吉雄の経済産業大臣辞任問題で、マスコミと政府それぞれの対応が問われています。
マスコミの方では、鉢呂吉雄辞任の記者会見の際、ヤクザのような口調で質問した記者が問題視され、当の記者が逆に鉢呂吉雄に謝罪する事態にまで発展しています↓

http://megalodon.jp/2011-0915-0011-29/www.j-cast.com/2011/09/14107299.html?p=all

民主党は民主党で情報管理体制を構築すると宣言する始末。

http://megalodon.jp/2011-0914-1317-46/sankei.jp.msn.com/politics/news/110913/stt11091323200013-n1.htm
http://megalodon.jp/2011-0915-0008-31/sankei.jp.msn.com/politics/news/110913/stt11091323200013-n2.htm

かつての自民党政権時代には「共通の敵」を前にタッグを組んだ挙句、カップラーメンの値段当てクイズや漢字テストを実施してまで政権批判を展開しまくっていた民主党とマスコミが、鉢呂吉雄の経済産業大臣辞任問題で仲違いするというのも何だか皮肉な話ですね。
全体の文脈から特定のキーワードだけを殊更抽出して問題視する、相変わらずなマスコミの「山本弘的」言葉狩り報道姿勢には、「またかよ」といいかげんウンザリさせられるところではあります。
あんな「挙げ足取り」的なやり方では、編集次第で何でも問題にすることができてしまうわけで、それでは政治家だって「これでは何も発言できない」と悲鳴を上げたくもなるでしょう。
しかし、民主党はそのマスコミの「習性」を利用してかつての自民党政権を叩き潰した過去があるわけで、「どのツラ下げてお前らがマスコミを批判できるんだ?」という感は否めないんですよね。
かつて自分達が自民党政権に対して行ってきたことがどれほどまでに理不尽極まりないシロモノだったのか、他ならぬ自分達自身にふりかかってきたことでさすがに少しは理解もできたのではないですかね?
まあ「バカは死んでも治らない」わけですし、あの厚顔無恥な民主党のことですから、相も変わらず「他人には厳しく自分には甘い」を地で行くであろうことは確実でしょうけど(苦笑)。

我らが田中芳樹御大も、マスコミの記者クラブ制度などについては批判的言辞を披露していたものの、報道姿勢についてはむしろ民主党と同じく無条件に信奉していたところがありますからねぇ。
森元総理の「神の国」発言問題とか、麻生元総理に対する「マンガしか読まない政治家」評とか、読んでいた読者側が「(政治家ではなく田中芳樹の方が)本当に大丈夫か?」と疑問を呈さざるをえなかったレベルでしたし。
加えて最近は、毎日こと変態新聞絡みの問題やフジテレビの韓流問題など、ネット発のマスコミ事件もしばしば発生しているのですが、新聞とテレビがメインの情報源でネットには関心がないと堂々と公言している田中芳樹がこの手の事件を知っているようにも見えないところが何とも…。
薬師寺シリーズの最新刊でさえ、作者個人のライフスタイルが作中キャラクターにも露骨に反映されていましたし(苦笑)。
ネットの重要度が日々増しているこのご時勢に、ネットを無視して現代物小説を、それも中高生向けに書くのは相当なまでに至難の業だと言わずにはいられないのですが、いつまで既存マスコミの情報源に依存しネットについて無関心を決め込むつもりなのでしょうかね、我らが御大は。

ユーティリティ

2025年05月

- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

検索

エントリー検索フォーム
キーワード

ページ

  • ページが登録されていません。

新着画像

Feed