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タナウツにおけるブログSEO効果と今後の課題

タナウツのサイト本家にTwitterのツイート保全を目的としたタナウツネット雑記ブログを設置してからというもの、タナウツサイトへのサイト訪問者(ユニークユーザー)数が右肩上がりに上がっています
1日当たりのサイト訪問者数が、今年の3月頃までは平均で120~140人前後だったものが、7月は210~230人と大幅に増加しています。

サイト訪問者が劇的に増えた最大の理由は、ブログ記事がサーチエンジン、特にgoogle検索結果で上位表示されるようになったことにあります。
これまでサーチエンジンからアクセスする1日当たりのサイト訪問者数は、平均で50~80人の間で常に推移していました。
しかしブログ導入後、その数は6月に100人を、7月に入ってからは150人を上回るのが常態となったのです。

ブログの中で最も検索される記事はダントツで映画の感想ネタ。
「(映画名) 感想」で検索すると上位表示される記事が多く、特に「エアベンダー 感想」「インセプション 感想」「ソルト 感想」等の検索キーワードでは一時的に検索結果1位で表示されたこともありました。
タイムリーに話題となっている映画ネタを扱い、しかもその記事がサーチエンジンの検索結果で上位表示される。
これがタナウツの集客性を高め、結果として多くのユニークユーザー数を獲得した原動力になったわけです。

他にも、TwitterやFacebook関連、および銀英伝舞台版関連の記事についても、少数ながらサーチエンジンからのアクセス数が地味に増え続けています。
TwitterやFacebook関連の記事では「誰もが関心をもってそうだが意外と話題にならない」ネタを結構扱っていますから、それ絡みの検索キーワードでよくアクセスされています。
銀英伝舞台版関連では、配役の人の名前で検索に引っかかることが多いですね。
芸能人や舞台俳優などといったジャンルは、今までタナウツではロクに扱ってきませんでしたから、その分の検索アクセス数が増えているわけです。
タナウツネット雑記ブログではTwitterと同様に田中芳樹絡みの制約がなく、私の個人的な趣味に基づく話題の大量投入が、結果的にこれまでタナウツで論じられてこなかった話題とネタの増強に繋がり、アクセスアップをもたらしたというわけですね。

ただ一方で、サイト訪問者数が増えているにもかかわらず、サイトそのもののページビュー数が実は伸び悩んでいるという現象が発生していたりします。
サーチエンジンからの訪問者は一般的に、検索結果に反映される該当ページ以外のサイト内ページは基本的に閲覧しない傾向にあります。
つまり、特定の検索キーワードに反応した該当のWebページだけを閲覧すると、すぐにサーチエンジンの検索結果ページに戻り、別のページを探し始める、という形で、下手すれば5秒以内に「直帰」してサイトから出て行ってしまうんですよね。
この「1ページだけしか閲覧しない直帰者」の割合が、タナウツのサイト訪問者の増大に比例する形で増えているのです。

サーチエンジンによって導かれたサイト訪問者に、検索ページだけでなくタナウツ全体に対し関心や興味を持ってもらうこと。
それが、タナウツにおける今後のサイト運営の大きな課題となりますね。

銀英伝舞台版のアンネローゼ役に「白羽ゆり」を選抜

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銀英伝舞台版のキャスティング一覧の中で唯一残っていたアンネローゼの配役が公式サイトにて発表されました。
キャストは「白羽ゆり」。

銀英伝舞台版公式サイトのキャストページ
http://www.gineiden.jp/teikoku/cast.html
白羽ゆりの紹介ページ
http://www.avexnet.or.jp/aaa/profile/02.html
白羽ゆりのオフィシャルブログ
http://ameblo.jp/yuri-shirahane/

プロフィールによれば、白羽ゆりは1978年12月28日生まれの31歳。
本名は「戸浪由香」というのだそうで、そこから「となみ」という愛称でファンからは呼ばれている模様。
経歴を見ると、かつては宝塚歌劇団に所属し星組・雪組のトップ娘役を務め、また舞台「ベルサイユのばら」におけるマリー・アントワネットなどといった大役を多く演じた実績もあるとのこと(宝塚歌劇団は2009年5月に退団)。
素人の目から見ても、かなりの大物を引っ張ってきたのではないかという感はありますね。
あと、ラインハルト役の人と同様、アンネローゼ役もまた金髪のヅラが必須になるので、ヅラとの相性がどうなるのかについても注目されそうです。

さて、これで銀英伝舞台版第一章を構成する主要キャラクターのキャスティングは全て出揃いましたが、脇役的なキャラクターの登場予定およびキャスティング発表は一体どのようになっていくのでしょうか?
実は脇役キャラクターというのは主要キャラクター以上に発表のタイミングが難しいんですよね。
というのも、脇役キャラクターの中には作品の中でも特定の箇所にしか登場しない人物も多々含まれているため、キャラクターを発表した時点で「舞台が扱うストーリー」までもが自動的に特定されることにもなりかねないからです。
たとえば、銀英伝外伝の惑星カプチェランカの戦いにしか登場しないヘルダー大佐を脇役として発表したら、その時点で「惑星カプチェランカの戦い」が舞台のストーリーになることが確定してしまいますし、同じく銀英伝外伝3巻にしか登場しないリューネブルクやグリンメルスハウゼンなどについても同じことが言えます。
というか現時点でさえ、キルヒアイスとフリードリヒ四世のキャスティング発表によって、舞台となる話が銀英伝2巻以前に特定できているわけですからね。
これから考えると、今後脇役キャラクターのキャスティング発表があるとしたら(宣伝戦略の観点から言っても、ない方が変なのですが)、舞台版のストーリーを公表する際に付随して一緒に発表する、という形を取る可能性が高いのではないでしょうか。
個人的には、銀英伝外伝におけるラインハルト&キルヒアイスコンビの敵役としての役割を担うベーネミュンデ侯爵夫人とその手下達は絶対に出てくるのではないかと考えているのですが。

ただ、銀英伝舞台版のストーリー予測は、ヒルダの突然のキャスティング参戦でかなり難しくなってしまったところがありますからねぇ(-_-;;)。
銀英伝2巻以前のストーリーだと、ヒルダはリップシュタット戦役直前に父親とラインハルト相手に直談判したシーンくらいしか目立った出番がありませんし。
辻褄を合わせるためのオリジナルストーリーでも作るつもりなのでしょうか。

銀英伝舞台版のヒルデガルド・フォン・マリーンドルフ役に「宇野実彩子」を配置

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銀英伝舞台版におけるヒルダことヒルデガルド・フォン・マリーンドルフ役が公式サイトにて発表されました。
キャストは「宇野実彩子」。

銀英伝舞台版公式サイトのキャストページ
http://www.gineiden.jp/teikoku/cast.html
宇野実彩子の紹介ページ
http://www.avexnet.or.jp/aaa/profile/02.html

プロフィールによれば、宇野実彩子は1986年7月16日生まれで今年24歳。
経歴を見ると、主に歌手やダンサーとして活動をしている人物のようで、AAA(トリプルエー)という音楽グループでメインボーカルを担当。
最近は「ランデブー!」という映画で主演を演じたりしているのだそうで、経歴だけを見ればまずまずの配役、と言えるでしょうか。
本人の写真を見る限りでは、前髪が何となく原作キャラクターを想起させるものがありますし。
しかしオーベルシュタイン役の人もそうなのですが、配役に際しボーカルの人を引っ張ってくる傾向があるのは、やはり舞台の音響を考慮してのことなのでしょうか?

ところで、本来当然のことではあるのですが、今回はどうやら「8月2日発表!」という公約を無事守ることができたようで、まずは何よりですね>銀英伝舞台版公式サイト。
ただ正直、これまでの傾向から考えて、深夜、それも「0時頃」に発表してきたのはかなり意表を突かれた感があったのですが。
これまでのサイト運営のあまりな惨状に、さすがに少しは考えるところがあったのですかねぇ(-_-;;)。

例のキャスト一覧ページに掲載されている銀英伝舞台版のキャスティングも、主要人物については残すところアンネローゼただひとりとなりました。
いつの間にかキャスト一覧から消されてしまったオフレッサーはどうなってしまうのか、また他の脇役的なキャラクターは一体どうなるのかなど、未だ気になるところは多々あるのですが。

映画「ソルト」感想

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映画「ソルト」観に行ってきました。
アンジェリーナ・ジョリー主演のアクション物。
今日は映画の日で、しかも昼過ぎ頃に映画を観に行ったこともあり、スクリーン内は完全に満席状態。
ネットでチケットを購入していなかったら席が取れなかったところでしたね。

物語は、北朝鮮でスパイの疑いをかけられた経歴を持つCIAエージェントであるイヴリン・ソルトが、ロシアの諜報員オルロフによって「ロシア(正確には旧ソ連時代から)のスパイ」という疑惑をかけられ、恋人の安否を確認するため逃亡を図るところから始まります。
序盤から中盤にかけては、イヴリン・ソルトが本当に疑惑通りのロシアのスパイか否かがあえて分からないようにしているストーリー進行で、CIAの追撃から智恵とアクションを駆使して逃亡するシーンをメインに話が展開されます。
オルロフの証言によれば、潜入スパイの目的は「アメリカ副大統領の葬儀に出席するために来米するロシア大統領」の暗殺。
CIAからの追撃から逃げ切ったイヴリン・ソルトは、まるで当然であるかのごとくアメリカ副大統領の葬儀が行われる場所へと向かうのですが、彼女の目的は一体何なのか、そして彼女の真の正体とは!?

映画の観客から見たイヴリン・ソルトの立ち位置は中盤付近で二転三転します。
「これが正体か!」と観客に思わせたところで、突然「その立場からは」全く辻褄の合わない行動に出たりしますし。
彼女の真の正体と目的は物語終盤で明らかとなるのですが、この辺り、単純なアクション映画というだけでなく、一種のミステリー的な要素も多々あります。
ちなみに、物語終盤の彼女の言動は「次なるストーリー」へのプロローグにもなっていて、実際この映画、明らかに「次回に続く」と言わんばかりの終わり方をしています。

それにしても、アメリカの中枢および社会に浸透し、何十年も潜み続けるスパイの恐ろしさというものを、これ以上ないほどリアルに表現している作品と言えますね、映画「ソルト」は。
現実にも、少し前にアメリカで物議を醸していた「アンナ・チャップマン摘発事件」というニュースがありましたし。

http://sankei.jp.msn.com/world/america/100629/amr1006291918008-n1.htm
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%BB%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%9E%E3%83%B3

かのアメリカでさえこういうことが実際に起こりえるわけですし、ましてや「スパイ天国」とさえ呼ばれる日本の惨状は如何ばかりか、少々ぞっとするものがあります。
その上、マスコミや政治中枢に潜むスパイ達にとって都合の悪いこの手の映画は、日本では18禁エロ映画などよりもはるかに作りにくい空気がありますしねぇ(T_T)。

「髑髏城の花嫁」7月31日時点進捗状況

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http://a-hiro.cocolog-nifty.com/diary/2010/07/post-223c.html
<本人としては、次に編集さんにお渡しするときは、第3章と第4章をまとめてお渡ししたいなあ、と言っていました。頑張ってほしいです。はい。>

これまでの「髑髏城の花嫁」の執筆状況をまとめてみると、4月で初荷、6月に第2章まで完成、そして8月は3章の終わり~4章の始め付近?を執筆中ということになるのですが……。

何と言うか、今までにないくらい執筆のスピードが遅いですね。
創竜伝13巻などは、刊行3ヶ月前のイラク戦争の社会評論があったことから、執筆開始から3~4ヶ月前後で完成したと推察されますし、田中小説版キング・コングなども同じくらいの時間で完成しています。
「髑髏城の花嫁」の前巻となる「月蝕島の魔物」も、その前に刊行されたアルスラーン戦記12巻の発売日から換算すると、約8ヶ月で完成し刊行されています。
それに対し「髑髏城の花嫁」は、「らいとすたっふ」社長氏のブログを読む限りでは今年に入ってからずっと執筆を続けているはずなのに、全8章の未だ半分にも到達しない始末。
ただでさえ去年は体調不良とやらでロクに執筆していないというのに、それから回復してさえこの惨状って……。

下手すると、今年は田中芳樹直筆の作品が1作も出ない年になってしまうかもしれませんね(T_T)。
ストレス解消目的の薬師寺シリーズも、かつては筆がノリにノって仕方がないと言わんばかりの刊行ペースだったというのに、ここ2年半ほどは続巻が止まった挙句、垣野内成美女史によるマンガに追いつかれてしまう始末ですし。

銀英伝舞台版にアニメ版銀英伝の声優・堀川りょうが特別出演

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銀英伝舞台版公式サイトで、アニメ版銀英伝ラインハルトの声優だった堀川りょうが特別出演するとの情報が発表されました。

銀英伝舞台版公式サイトのキャストページ
http://www.gineiden.jp/teikoku/cast.html
堀川りょうの紹介ページ
http://www.sala-e.com/include/526.html
堀川りょうの公式ブログ
http://ameblo.jp/ryo-horikawa/

いや~、一連のキャスティング発表の中で、初めて「私が名前を知っていた人」が出てきましたねぇ(^^)。
まあアニメ版銀英伝は私も通り一遍観てはいたわけですし、声優についてはある程度の知識があったのも幸いしたのですが。
堀川りょうは、元々「堀川亮」という名前でアニメ・ゲームのキャラクターや映画・特撮の吹き替えなどの声優業を中心に活動していた人で、今の名前は2001年4月3日に改名したもの。
現在のところ、銀英伝舞台版で具体的に何の役になるのかは不明となっています。
舞台歴もそれなりにこなしているとのことですが、これまでの活動内容を考えると、やはり声「だけ」を担当することになるのでしょうか?

またキャスティング一覧ページにも多少変動があり、オフレッサー枠が消滅、代わりにヒルダ枠が出現しています。
これまで掲載し続けていたオフレッサー枠を何ら理由の説明もなしに突然消さないで欲しいのですが、この辺り、本当に銀英伝舞台版公式サイトは宣伝戦略のやり方が拙劣と言わざるをえないところですね。
それに銀英伝2巻以前だと、ヒルダの出番はほとんどないはずなのですけど、一体どのような形で登場することになるのでしょうか。

それと、サイトオープン時やこの前の件など、たびたび事前予告発表で失態を演じ続けているにもかかわらず、性懲りもなくまたもやあの公式サイトは、8月2日予定で「いよいよ、女性キャスト発表!!」などという予告を出してしまったようです。

http://megalodon.jp/2010-0730-2104-48/gineiden.jp/

ここまで学習能力がないと、逆に「失態を演じ続けることによってギャラリー達に好奇の目を向けさせる」という宣伝効果でも意図しているのではないかとすら勘ぐりたくなってきますね(苦笑)。
果たして8月2日はどういう結末を迎えるのか?
2度あることは3度あるのか、3度目の正直になるのか、ちょっとした見物になるのではないでしょうか(笑)。
まあ、また余計な証拠隠滅に走られても大丈夫なように、今回もしっかり魚拓は取っておきますが(爆)。

銀英伝舞台版の舞踊監督・森田守恒の公式コメント掲載

銀英伝舞台版公式サイトで、舞踊監督を担当する森田守恒なる人物の公式コメントが掲載されました。

http://www.gineiden.jp/teikoku/special/Creation-morita.html

銀英伝の世界観をダンスで表現するとのことで、以前から言われていたことではあるものの、ミュージカルの方向で舞台が作られることになるのはこれで確実になったと見て良いのではないでしょうか。
一体ダンスでどうやって銀英伝の世界観を「表現」するというのか、理解に苦しむところはあるのですが。
音楽はアニメ版銀英伝がクラシック系の曲を多用していますからそれを流用すれば良いにしても、ダンスなんて一体どういった場面に挿入するというのでしょうか?
素人考えでは、白兵戦や艦隊戦、それに式典などの場面でダンスが振舞われる、ということになるのではないかと思うのですが、そもそも、あの銀英伝にそんなものを入れられましてもねぇ…。

自称SF作家の「サーラの冒険」シリーズ書評 後編

前回に引き続き「サーラの冒険」シリーズについて。
今回は4巻から10年近くも放置されていた5巻と6巻および外伝についての感想と全体総括です。

さすがに10年以上も放置されていただけあって、過去4巻とは文体や特徴が変わっていますね。
特に大きく変わったと思うのは、作品におけるメインシナリオ部分を構成する後半部分に入るまでがとにかく長く、かつ退屈に感じられるようになったこと。
プロローグから一気にメインシナリオまで行けば良いのに、あちこち寄り道しまくっているような描写がとにかく多いんですよね。
作中キャラクターの設定を掘り下げて色々と詰め込んでいるようなのですが、本筋と全く関係ないエピソードも少なくなく、「いつになったら本筋の話が始まるんだ」とイライラさせられます。

また、6巻では敵の本拠地を襲撃するにあたり作戦会議が開かれるのですが、ここで敵の全容を長い説明とページを割いて全て説明し尽くしています。
ストーリー的には、確かに作戦会議や敵に関する説明は当然行われるべきものでしょう。
しかし小説を読む読者の視点から見たら、そんなある意味退屈な話は、実際に敵に遭遇した際に「こんな説明が会議の際に行われていた」的な描写のひとつも入れれば事足りることでしかありません。
そもそも未登場かつ未知の敵について一気に説明されてしまうと、読者的には「敵の正体を知っていく過程を追う」楽しみを大きく殺がれてしまいますし、また敵の戦闘シーンが発生する毎に「この敵はどんな奴だったっけ?」と前のページをいちいち確認しなければならないなどの余計な手間も発生してしまいます。
「戦慄のミレニアム」と同じ図式で、「そんなのを【読者に】説明するのは後でも良いから早く話を進めてくれ」とウンザリさせられました。

あと、3巻の「少女レイプ」ネタにも言えることなのですけど、全体的にエロネタが多いですね。
特に主人公のサーラとヒロインのデルは、物語終了時点でさえ14歳前後であるにもかかわらず、「他所の男(女)と寝た」的な会話を互いに堂々と交わしているくらいですし。
主義主張は年相応に青臭くて世間知らずな潔癖症的な正義感に満ちているのに、エロに関してはそこらの大人よりも抵抗感がないというのはかなりアンバランスなような…。

「戦慄のミレニアム」と「サーラの冒険」を読んでみて何となく見えてきた自称SF作家の問題点は、「起承転結」の「起」と「承」が上手く書けていない、ということですね。
「転」と「結」については出来が悪いわけではなく、それなりに内容も考えられていて「読者を納得させる」構図になっているのですが、そこに至るまでの「起」と「承」が無意味に長い上に本筋からの脱線も多く、しかもウンチクだけで全ての設定を無理矢理に説明しようとするスタンスが目立つために「読者が入口で閉口し立ち往生する」シロモノになってしまっているんですよね。
これから考えると、山本弘の小説は「作者&作品のことを全く知らない新規読者に作品を手に取らせ読ませ作品世界に惹きこむ」ことをロクに考慮していないシロモノであると言えます。
何でも良いからまずはとにかく読者の関心を惹かなければ、小説の内容がどれだけ良くても「そもそも読んでもらえない」というのにねぇ。

しかし、では山本弘が以上のような問題点を是正できるのか、と問われれば、それは到底無理な話であると断定せざるをえないんですよね(笑)。
周知のように山本弘は、アルマゲ論争でも散々主張していたように「読者による脳内補完」というものを全否定するというスタンスを頑ななまでに堅持しています。
となると、山本弘が執筆する作品の設定は、「読者による脳内補完」など一切出てくる余地がないように、作者自身が何から何まで一切合財全てキッチリ書き綴らなければならず、それがあの長々としたウンチク&脱線エピソードの大量生産という弊害を生み出しているのです。
簡単に言えば、山本弘は「評論を書く手法で小説を執筆している」わけですね。
他人の著書を嘲笑う「と学会会長」を本職とする山本弘にとって、その執筆スタンスを否定することは、「と学会会長」としての地位および活動をも全否定する一種の自殺行為に他なりません。
すくなくとも山本弘的には、たかだか片手間な副業に過ぎない自称SF作家業ごときのために本職を犠牲にしてまでやるべきことではないことでしょう(爆)。

それにしても、山本弘は「サーラの冒険」4巻と5巻の空白期間となる10年もの間、一体どこで何をしていたというのでしょうか?
田中芳樹ばりに遅筆な作品執筆スタイルを気取ったところで、作品が売れるわけでもないでしょうに(苦笑)。
やはり、自称SF作家業よりも「と学会会長」の方がカネになる、という「志の低い」理由でも根底にあるのでしょうかね?

自称SF作家の「サーラの冒険」シリーズ書評 前編

ずいぶん前に「いつか書きます」と宣言していながら長らく放置状態だったのですが、今更ながら、自称SF作家の駄本「サーラの冒険」シリーズの書評などを少し。

正直、これほどまでに読むのが億劫になる作品というのもそうはなかったですね(苦笑)。
ファンでもないのにウォッチ目的「だけ」のために作品を読むというのが、ああも苦痛でしかも時間の無駄に感じられるとは思いもしませんでしたよ(T_T)。
田中作品の場合は「アンチ」と同時に「ファン」という一面もありますし、長年読んでいるので耐性もパターンも習得済みなのですが、山本弘の小説は「何でこんな奴の駄本を読んでやらなければならないんだ?」的な自問を常に繰り返さざるをえませんでしたし。

「サーラの冒険」シリーズは4巻と5巻の間で10年近くも開きがありますし、その間に山本弘の立場や執筆スタイルも色々と変わってきていますので、感想も4巻までと5巻以降に分けて論じたいと思います。
今回は1巻~4巻までの感想です。

まず、文体的には結構読みやすい印象がありましたね。
シリーズ6巻&外伝1冊もあることもあって結構飛ばし読みをしていたのですが、そういう「捨て読み」的な用途には向いている文体です。
後年に見られるような「ストーリーの流れを阻害するウンチク」の大洪水も、この時期はまだそれほど目立つものではなく、あくまでも「補助的な位置付け」に留まっています。
良くも悪くも「手軽に読めるライトノベル」といった感じです。

その「ライトノベル」感をさらに補強しているのが「内容の薄さ」。
「サーラの冒険」は当初、一般的かつ等身大的な冒険者達の日常を描くスケールの小さな物語、というコンセプトで物語が執筆されていたことを山本弘自身が告白しています。
ところが実際の作中のストーリーは、同一の世界を舞台にしている「ロードス島戦記」辺りであれば1章分程度で終わる魔物退治イベント的な内容の話を、延々と引き伸ばして1冊の本にしているだけでしかないんですよね。
作中のストーリー展開が「ロードス島戦記」の魔物退治イベントとほとんど同じで、「ロードス島戦記」のスケールダウン版的な印象が拭えません。
しかも、山本弘が当初意図したコンセプト自体、3巻で撤回されてしまい、その後は「ロードス島戦記」にも見られたような「悪の黒幕を打倒するスケールの大きな物語」的な要素が後付で接ぎ木されています。
簡単に言えば、テンプレートに逆らおうとして失敗した挙句、テンプレート路線に戻ってしまっているわけで、他ならぬ山本弘自身が提唱していたアルマゲ理論から考えればまさに「頭が悪く志の低いバカ」としか評しようがありませんね(爆)。
ストーリーのコンセプトがその場凌ぎの行き当たりばったりで一貫性もない。これでは当然、内容も薄くならざるをえないところです。

あと、作品および作中キャラクターの主義主張全般で、程度が低すぎて逆にありえないレベルの幼稚さと世間知らずぶりが露呈しているのも大きなマイナスですね。
主人公サーラの主義主張があまりにも幼稚で世間知らずで妙に説教臭いのは、年齢設定や出身などから考えてまあ仕方ないことかと諦めるにしても、3巻で登場する「西部諸国で最高の盗賊」とやらの思考発想までもがそれと同レベル、というのは正直いかがなものかと。
何しろ、「西部諸国で最高の盗賊」ことバルティスなる人物は、「奴らは人間が思いつく中で最もおぞまじく、卑劣なこと」として「少女レイプ」を挙げていたりします。
平和な時代ならいざ知らず、万年戦国時代で治安も悪い中世ヨーロッパ的な世界で、しかも他ならぬ自分自身、盗賊ギルドでヤクザのシマ争いのようなことをしていながら、争いの過程で発生する略奪・暴行・虐殺の中に多かれ少なかれ含まれるであろう、ある意味「作中世界はもちろん、現実世界でさえもありふれた犯罪」に対する認識がそれって……。
あまりにも平和ボケ過ぎて、さすがに笑ってしまいましたね。

それと、これは物語本編に関するものではないのですが、3巻のあとがきで、当時はまだ結婚していない交際相手(今の奥さんらしい)の女性の名前を堂々と公開するというのは、個人情報保護の観点から見てさすがにどうなのでしょうか?
山本弘は奥さんだけでなく、自分の娘についても実名をネット上で公開している上、娘さんの名前を冠した同人本を刊行しあまつさえそれをブログ上で紹介するという行為にまで及んでいます。
当事者から「無断で実名を公の媒体に掲載した」と一方的に糾弾されても文句は言えないのではないかと他人事ながら思わずにはいられないのですが、大丈夫なのですかね、これって。

次回は5巻以降の感想を書きます。

サーチエンジン最大手のYahoo!Japanとgoogleが事業提携

検索エンジン最大手のYahoo!Japanとgoogleの事業提携が本日公式に発表されました。

http://www.sem-r.com/news-2010/20100727153000.html

アメリカ本家のYahoo!は去年、googleに対抗するためにMicrosoft社と提携し、検索エンジンを全てbingに一本化すると大々的に発表した経緯があります。

http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/economy/microsoft_bid_for_yahoo/
http://www.computerworld.jp/topics/ms_y/169569.html

それを知っていただけに今回のニュースは寝耳に水だったのですが、どうも日本のYahoo!(Yahoo!Japan)とアメリカ本家のYahoo!は資本関係に違いがあることから、アメリカ本家の方針に左右されることなく、独自の路線を選択することができたみたいですね。

この両者の提携で特に重要なのは、Yahoo!Japanとgoogleが提携することにより、両者の検索エンジンにおけるシェアが事実上統合されてしまうこと。
日本における検索エンジンのシェアは、Yahoo!Japanとgoogleの2つで実に9割以上にも達しており、両者が統合されると事実上の独占状態になってしまうわけです。
SEO的には、これまでYahoo!とgoogleそれぞれで別個に行っていた作業を一本化できるわけですから利便性という点では歓迎すべき話なのですが、一方で「google八分」と呼ばれる一種の検閲機能がこれまで以上に強化されてしまう懸念もあります。
また、Yahoo!の検索順位が高くgoogleのそれが低いというサイトやブログの場合、この統合によって受ける影響は決して小さなものではないでしょう。

幸いタナウツの場合は、Yahoo!Japan、google共に高い検索順位を長年維持していますので、マイナスの影響はあまり受けずに済みそうですが、今後サーチエンジンが一体どうなるのか、注視していく必要は確実にありそうですね。

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