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私の創竜伝考察11
創竜伝4  四兄弟脱出行


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No. 1012
私の創竜伝考察11
投稿者:冒険風ライダー 1999/4/01 15:14:51
 かつて田中芳樹を尊敬していたころ、「田中芳樹の主張に反対する連中っているのか?」と疑問に感じた事がありますが、今私やここのHPにきている人達は「田中芳樹の主張」に少なくとも疑問符を投げかけているんですよね。未来でこんな事をするとは当時は考えもつきませんでしたね。全く未来とは予測できないものです。
 それでは、一気に創竜伝4の批評を終わらせましょう。

P118上段〜下段
<戦後最大の汚職事件と、準備期間もろくにおかず強引におしすすめた税制度改悪。首都から地方へと波及する地価高騰。首相個人の蓄財と脱税に関する疑惑。いつまでもつづくかに見える首都の過剰警備。それらに国民の批判と反感が集中していた。>

 創竜伝のマスコミは「政府べったりで何ら批判をすることがない」という設定のはずなのに、どうやって「国民の批判と反感が集中」するのでしょうか。マスコミの報道がなければ「首相個人の蓄財と脱税に関する疑惑」などは一般国民は知る事すらできないと思うのですが。
 それから「準備期間もろくにおかず強引におしすすめた税制度改悪」っていうのは当時の消費税3%のことでしょうが、新しい税を決める事のどこが悪い事なのでしょうか。わざわさ「改悪」とまで言っていますが、誰が好きこのんで改悪などするのです? 日本の税制の「直間比率」は、直接税の方が圧倒的に上です。しかも日本の直接税は累進課税の上、最高税率は世界一高いのですよ。このままでは金持ちが税金の安い国に逃亡してしまい、長期的には日本の税収が減ってしまいます。そのため日本の税制の「直間比率」を見直すために消費税が導入され、逆に所得税などの直接税の税率を減らそうとしているのです(この当時は特別減税でしたが)。消費税に問題が無いわけではありませんが、それこそ「改善」すれば良い事です。第一、作家の長者番付で上位にいる田中芳樹自身も所得税の累進課税に苦しめられているのではないのですか? 消費税導入を歓迎こそすれ、非難する理由などないと思いますが。

P137上段〜下段
<「方法はひとつだけあります。ドラゴンと『覇王』がソビエト領空にはいる前に、地上攻撃衛星を使用することです。歴史上はじめて、それを使用なさいますか」
「む、攻撃衛星をか……」
 大統領はうめいた。これはソビエト領空侵犯に匹敵するほどの難題であった。ひとつには、地上攻撃衛星を所有しているという事実が、世界じゅうに知られてしまう。いまひとつは、世界最強の、建造費に五〇億ドルをかけた大空母を自らの手で破壊せねばならない。さらに、それによって当然、原子炉が破壊され、核爆発がおきれば、合衆国に対する各国の反応は厳しいものとなるであろう。ことに欧州共同体諸国はいまや巨大な政治的経済的統一体を完成させつつあり、合衆国を「力が強いだけのでくのぼう」と冷笑する態度があらわれてきている。フランスなど、大喜びで、アメリカのやりくちの粗雑さを批判するにちがいない。>

 創竜伝の設定によると、アメリカ大統領は4人姉妹の代理人であり、4人姉妹はヨーロッパだけでなく世界中に存在するあらゆる財閥全ての宗主です。これに従うと、たかが「核爆発」を起こした程度でアメリカを批判する国があるとは到底思えません。その国の財閥を動かせば批判を押さえられますし、そもそも自分の国や自分の命が危なくなるではないですか。世界中の情報機関をフル活用すれば隠蔽だって可能でしょう。フォレスター大統領はもっと強気にでてもいいはずです。一方、この記述が正しいとすると、少なくとも「欧州共同体諸国」は4人姉妹の代理人であるアメリカ大統領を批判もできないほどには恐れていない事になり、それはすなわち4人姉妹の影響力をあまり恐れていない事になります。このあたりはストーリー設定が大きく矛盾していますね。
 矛盾といえば、創竜伝世界ではこの先で派手に暴れているソ連が2、3ヶ月後にはきれいにいなくなっているんですよね。一気に通読すると読者は混乱するのではないでしょうかね。

P148下段
<「わしは老人なんだ。もっとやさしくしてくれてもいいじゃあないか。老人をたいせつにしないと国は滅びてしまうよ」
「老人福祉の予算を毎年けずってやがるくせに、つごうのいいことをいうんじゃねえ。ああ、だんだん本気で腹がたってきたぜ。おれだって源泉徴収されるサラリーマンなんだ。納税者の怒りを思い知らせてやろうか」>

 水地さん、日本の老人福祉の予算は減るどころか増加の一途をたどっています。そればかりか、福祉予算全体自体も予算の額といい予算全体を占める割合といいかなり増加しています。根も葉もない主張はやめましょうね。
 それにしても、創竜伝はやたらと敬老精神を説く割にはあまりそれを実践していないように見えるのは私だけでしょうか。創竜伝の権力者の皆さんもみんな老人ですしね(^_^)。

P154下段〜P155上段
<「アメリカとロシア(ソビエト)とは、つねに対立し対決してきたように見える。だが、実際に戦ったことは一度もない。二〇世紀にはいって、ドイツと戦ったことは二度もあるというのに。アメリカとロシアは、ほんとうに仲が悪いのか?」
 そういう意見を述べる国際関係学者がいる。正確には、ロシア革命直後、アメリカ軍の小部隊が日本やイギリス軍とともにウラジオストクに上陸しているが、さっさと撤退してしまったから、戦争というような状態にはならなかった。そしてその後、資本主義の巨人と共産主義の巨人とは、子分どもにひっかきあいはさせても、自分たち自身でなぐりあいをやったことは一度もないのだ。>

 その理由は簡単に説明できます。皮肉にも双方とも本気で戦争をする気であったということが、逆に戦争抑止力になったということです。第一次・第二次大戦は、ともに当事者たちが、「戦争なんて絶対に起きないだろう」と少なくとも片方の陣営が考え、後にどういう影響があるかを考えもせずにいきあたりばったりの強攻策や融和策を展開した事が大戦争につながったのです。しかし双方が共に戦争をしようと考えている場合、いかにして自国に有利に開戦するか、どうすれば不利な戦争をしないですむかを真剣に考えざるをえないために、戦争の火種が未然に消され、なかなか戦争が起きません。そのため、「平和主義者こそが平和の大敵」という逆説的な言葉があるくらいです。少なくとも、アメリカないしは4人姉妹の陰謀で戦争が起きないのではないことだけは確かですね。

P158上段〜P159上段
<国民性とか民族性とかいう、ナチス・ドイツが大好きだったものが実在するかどうかはともかく、日本人が権威や命令に弱く、個性より秩序を重んじ、自粛や自主規制を好む、という印象は、外国人のジャーナリストなどによく指摘されるところである。とにかく、他人とちがったことをしてはいけない。他の店が休業しているときに、一軒だけ開店していたら、どのような批判や中傷が集中するかわからない。その自粛とやらに、全く法的根拠がないとしても、である。
 若者が奇異な服装をしてみせるとしても、それはあらかじめ広告産業が売り出したファッションを追っているにすぎないのではないか。「流行」などに何の必然性もありはしないのに、それと無縁の人々を「遅れてるう」と嘲笑する精神は、「自粛しないなんて非常識な」「戦争に反対するなんて非国民!」と言いたてる精神と、全く同じである。時流、大勢、同調こそが、この国の絶対神なのだ。子供が小学校にはいって、体育のときに動作がおくれたりすると、教師の叱咤が飛ぶ。「どうしてお前は、みんなと同じようにできないんだ。だめな奴だなあ」みんなと同じように考え、みんなと同じように行動しないものは「変わっている」ではすまない。「劣っている者」「悪い奴」とみなされるのである。かくして、学校では制服を着、外では流行のファッションという制服をまとって、「みんなと同じように」行動する人間ができあがり、就職試験のときなど、全員が同じ髪型と服装で企業の受付に列をつくるというわけだ。
 一九八八年末に、皇居の門前で記帳がおこなわれたとき、その列に並んだ女子高校生が明言した。「こういう風潮には、進んで乗らなきゃ」と。風潮に疑問をいだいたりしてはいけない。バスに乗りこんで、乗りこもうとしない人々を罵倒するのが、日本人としての正しいありかただ、ということである。乗りこんだバスの行方など考えもしないのである。>

 まずひとつ言わせてください。これってフィクション小説に書くべきことですか? エッセイであるとしても、ここまでレベルの低いシロモノは、左翼のオピニオン誌である「論座」や「世界」でも門前払いすると思いますね。「週刊金曜日」でも採用するかどうか。
 <日本人が権威や命令に弱く、個性より秩序を重んじ、自粛や自主規制を好む、という印象>
って、それは日本人だけの事ではないでしょうに。それにそういう一面があるから日本は平和なんだ、という言い方もできると思いますが。「権威や命令に激しく抵抗し、秩序より個性を重んじ、自粛や自主規制を嫌う」お隣の国中国がはたして理想的な国ですかね?
 <他の店が休業しているときに、一軒だけ開店していたら、どのような批判や中傷が集中するかわからない。その自粛とやらに、全く法的根拠がないとしても、である>
これについてはダイエーの例があります。何年か前にダイエーは、それまで慣習で行なわれていた1月1日の営業自粛をやめ、正月営業を始めましたが、批判や中傷が集中するどころか、他の店も一斉に「ダイエーに遅れるな」といわんばかりに正月営業を始めました(もちろん、やらなかった所もあります)。おかしいですね〜。こんな事があるのでしょうか。
 <若者が奇異な服装をしてみせるとしても、それはあらかじめ広告産業が売り出したファッションを追っているにすぎないのではないか>
要するに、「若者の流行」というのは、「広告産業の陰謀」であるといいたいわけですね。「陰謀史観で歴史は動かない」んじゃありませんでしたっけ? 第一、上の社会評論と照らし合わせると、新しい流行というものはいったいどのようにして生まれるのか説明がつきません。流行は、ひとりだけ違う格好をしている者から波及する事もあるのですよ。これはいったいどう説明するのでしょうか。
 <「流行」などに何の必然性もありはしないのに、それと無縁の人々を「遅れてるう」と嘲笑する精神は、「自粛しないなんて非常識な」「戦争に反対するなんて非国民!」と言いたてる精神と、全く同じである>
というセリフから、田中芳樹が「流行」とそれを満喫している者を蔑んでいるのが手にとるように分かりますね。
 <時流、大勢、同調こそが、この国の絶対神なのだ。>
全然違います。そんな事を考えているのは田中芳樹と左翼連中だけです。日本では様々な意見があり、どれに従っても自由ですし、大勢に逆らって自分の意見を主張しても悪とはみなされません。何のために憲法に「言論の自由」が明記されていると思っているのでしょうか。
 <みんなと同じように考え、みんなと同じように行動しないものは「変わっている」ではすまない。「劣っている者」「悪い奴」とみなされるのである>
私もずいぶん変わり者として周囲の人達に知られていますが、「劣っている者」「悪い奴」とみなされた事はありませんね。現実無視な主張をしないでくださいよ。しかもさらに、
 <かくして、学校では制服を着、外では流行のファッションという制服をまとって、「みんなと同じように」行動する人間ができあがり、就職試験のときなど、全員が同じ髪型と服装で企業の受付に列をつくるというわけだ>
と変な例をもちだしていますね。「学校では制服を着」ることのどこが悪い事なのでしょうか? 以前にも国連に「制服は人権侵害だ」などと訴えに行って逆に国連に叱られた生徒がいましたが、制服は生徒の規律を正し、服装について考えなくてもよいという利点がある上に、貧乏な時代には逆に制服があることがよかったという事もあります。また、「流行のファッションという制服」って何なのでしょうか? 「流行のファッション」といってもいろいろありますから、ひとつに統一されるという事など絶対にありえませんし、強制されて仕方なく着ているわけでもありません。「制服は悪いもの」というところで思考停止しているために、訳の分からない主張をしているのではないでしょうね。
 そしてこんな展開の極めつけが
<就職試験のときなど、全員が同じ髪型と服装で企業の受付に列をつくるというわけだ>
というアホな評論です。就職試験を受けた事がないであろう(実は私もまだ受けた事がありませんけどね(^^;))田中芳樹は、就職の苦労がまるでわかっていないようですね。就職試験は外見と第一印象が命です。ときどきひとりだけ変な格好をして自分を強烈にアピールして採用される人もいますが、それはあくまでも例外であり、一般人は少なくとも会社に対して悪印象を抱かせないために、無難な格好をしているのです。礼儀や礼節の問題もあるでしょう。そもそも就職試験でどれほど個性をアピールしても採用されなければ意味がないのですよ。
 最後に、「皇居の門前で記帳がおこなわれた」ことがそんなにいけない事なのでしょうか。当時昭和天皇が病気で今にも死にそうになっている時に、それを心配する事がいけないというのならば、ぜひその理由を教えてほしいものですね。田中芳樹は、誰ひとりとして乗らない赤いバスからひたすら人を罵倒しているようですが、そのバスがまもなく谷底に転落するということを、早く悟ってほしいものです。

 あ〜、長かった、次行きましょう。

P160上段〜下段
<「日夜、社会の治安を守って努力している警察にむかって、泥棒とは何ですか。あまり失礼なことをいうと、こちらにも考えがありますぞ」
「そんなえらそうな台詞は、誤認逮捕や冤罪事件をなくしてからおっしゃい。いまどき、警察がやることは全面的に正しいと思うような無知な人間が、どこにいると思うの。市民の信用を失ったのは、あなたがた自身の傲慢さが原因なんですよ」
「…………」
「さあ、かたづけるの、かたづけないの? かたづけずに帰るなら、それこそ、こちらにも考えがありますよ。あなたがたが帰ったあと、わたしたちの手で整理して、後日になって証拠を隠滅したなんて因縁をつけられたら、たまりませんからね。どうしたの、早くなさい!」>

 さすがは鳥羽茉理の母親です。創竜伝5のあれをつい連想してしまいますね(これだけで分かるかな?)。この人は自分が警察に捕まる時も同じことをいうのでしょうか。
 しかし日本の警察って、それほど信用がないんですかね?

P166上段〜下段
<「これで北東方面にむかうと、今度はソ連空軍のミグさんがお迎えにあらわれるかもな」
「その点はご心配なく。兄さんが行手の空を掃除してくれましたからね。空はもともと軍隊なんかのものじゃない。陸も海もそうだけど……」
 怒りと侮蔑を、続は優雅な声にこめた。飛行機を発明したライト兄弟が、軍用機の出現に激怒したという話がある。「軍人どもは、大空まで人殺しの場所にするのか!」答えは「そのとおり、何が悪い」だったのだ。>

 ライト兄弟もかわいそうに。「軍人ども」に大空を汚された挙句、竜堂続に軍人蔑視のダシに使われるとは……(T_T)。
 飛行機に限らず、発明が兵器として使用されている例は非常に多いんですね。いずれ宇宙だって銀英伝のように戦場になるでしょう。それを否定することは残念ながらできません。人間の技術力が向上すれば、戦場も拡大する事は当然の帰結です。軍人を蔑視しても、何も変わらないとだけ、ここでは申しておきましょう。

P168上段〜P169上段
<「あんたたちは、この前の戦争でアメリカと戦ったことを、悪かったなんて思ってないんだろ。いつか復讐してやるぞ、と決心してんだろ。だからこそ文部省は、教科書から『日本が戦争をおこして悪かった』というような記述を消すよう強制してるんじゃないのかい」
 日本国の文部省の初等中等教育局といえば、右翼思想派の巣窟といってよい。特定企業から賄賂を受けとり、責任を妻や秘書に押しつけるような手合が、「日の丸と君が代を神聖なものとしてあつかえ。でないと処罰するぞ」と、学校を脅迫するのである。歴史の教科書に東郷平八郎という海軍軍人を登場させるよう義務づけたのも彼らだ。当時の文部大臣でさえ、その時代錯誤にあきれ、「ひとつの局地戦の司令官で戦争全体は語れない。戦争を開始し、終結したときの日本政府の対応と、その後の社会を教えることで、正しい歴史観が身につく」といって反対した。だが、大臣の反対意見さえ無視して、文部官僚は、復古教育を強引に推進しつつある。「ただ一度戦争に負けたからといって、民族の誇りを失うな。われわれは世界一優秀な民族だ。その自覚をもって祖国に献身せよ」これはアドルフ・ヒットラーという男がもっとも好んだ台詞だった。>

 またナチス・ドイツの悪党をもちだして愛国心=悪のイメージを読者に植え付けようとしていますね。しかしこの社会評論は全く逆効果です。なぜならこれを読んだ中学生はすぐに自分が持っている歴史教科書を確かめ、この社会評論がウソであるという事を見破るでしょうから(私がそうでした(^^;))。
 さて、このあいだ世羅高校の校長が自殺した事からも明らかのように、文部省が「日の丸掲揚・君が代斉唱」を義務付ける一方で、教職員組合の方も「日の丸・君が代強制反対」を校長に押し付けているという現実があります。特に広島県の公教育は左翼団体に完全にのっとられ、中国や韓国も真っ青の反日教育をやっていたのは有名な話です。教育現場では、文部省以上に日教組を始めとする教職員組合が力をもっているという現実を無視して、文部省の初等中等教育局を「右翼思想派の巣窟」と一方的に決めつけ、「特定企業から賄賂を受けとり、責任を妻や秘書に押しつけるような手合」とまで文部官僚を貶め、当然の職務命令を「学校を脅迫するのである」と事実を徹底的に捻じ曲げて解釈する神経は大したものです。そして、
「ひとつの局地戦の司令官で戦争全体は語れない。戦争を開始し、終結したときの日本政府の対応と、その後の社会を教えることで、正しい歴史観が身につく」
などと主張した文部大臣はアホと断言してもよいでしょう。上記の実情を無視している上に、そもそも「正しい歴史観」なんてシロモノなどどこにも存在しません。「歴史観」などというものは国や個人によって異なり、「これが正しい歴史観」などというものはないのですから。それから東郷平八郎が指揮した日本海海戦は単なる局地戦などではありません。これに負ければ、日本は独立を失っていたでしょうし、この戦いに勝った事によって、植民地支配を受けていた国が元気付けられ、独立運動が世界各地で発生するようになった歴史的に重大な戦いだったのですよ。日本の文部大臣ならば、日本海海戦の歴史的意義ぐらい知っていてほしいものです。第一、本当に当時の文部大臣はこんな事を主張していたのでしょうか? まさか田中芳樹のでっちあげではないでしょうね。
 それに田中芳樹自身も歴史人物を前面に出した方が歴史は面白くなるとアルスラーン戦記あたりのあとがきで言っていたのではないのですか? 竜堂終君に訳のわからない主張をさせるくらいなら、歴史教育の面白さを説けばよいではありませんか。

P198下段〜P199上段
<「人界……!」
 その呼称が、ドラゴンたちの記憶巣に再生される。人間どもは「地球」と呼んでいるが、そう、はるかな昔、それとも遠い未来。竜王をふくめた天宮の住人たちは青緑色にかがやく水と酸素の惑星を「人界」と呼んでいた。この惑星を美しく清らかにたもつのは、人間どもの責任であり、誇り高い使命であるはずだ。それなのに、人間のなかの強大な者どもは、あたかもそれが権利であるように、この惑星を破壊し、汚染してやまない。あるていど森を切り開いて畑をつくり、都市を築いて自由な文化をうみだすのはよい。だが、奴らは限度というものを知らぬ。まして、もともと自然に存在せぬ物質によって地球を汚染するとは何事だろう。>

 ずいぶんと偉そうに「人間ども」をこき下ろしているのが人間である田中芳樹であるという事実も笑止な限りですが、この手の論調は私が一番嫌いなものです。人間が愚かであると言われても、だからといって人間をやめるわけにはいきませんし、そこまで言われる筋合いはないと逆に反論したくなってきます。確かに人間の発展は愚かな所もあったでしょう。しかしそれを改善していくのもまた人間なのであって、天上界の神々などに救われなければならないほど、人間はどうしようもない種族ではないと私は考えています。

PS.管理人さん、
<長崎の本島市長は左翼じゃないですよ。自民党です。>
 なにいいいいい(笑)
 それは知りませんでした。今度はこちらが無知を露呈してしまいましたね。あの発言と、以前「論座」に出ていたという事でてっきり左翼と思っていたのですが。
 それと「私の創竜伝考察9」の批評が抜けていましたので、お手数をおかけしますが、そちらの批評もまとめてお願いいたします。


No. 1016
ライト兄弟についての誤認
投稿者:ベルクアイサル 1999/4/01 20:36:46
はじめまして。

 このBBSをいつも楽しく拝見させていただいております。特に冒険風ライダーさんの投稿量には、毎日驚愕しています。
 ちょっとだけ知っていることがあったので、補足にでもなれば・・・と思い、書き込ませていただきます。

>P166上段〜下段

〜中略〜

> 怒りと侮蔑を、続は優雅な声にこめた。飛行機を発明したライト兄弟が、
>軍用機の出現に激怒したという話がある。

 ないって。全く悪質な歴史の捏造です。実際には、ライト兄弟は商売のためにアメリカ陸軍に飛行機を売り込みに行ったのですが、
「そんな訳のわからんもんに金はだせん!」
と、つれない返事をもらっています。

>「軍人どもは、大空まで人殺しの場所にするのか!」
>答えは「そのとおり、何が悪い」だったのだ。

 この会話も。実際には後に飛行機の有用性が認められはじめた頃に

軍人「あなた方は、この飛行機の権利をどこが外国へ売り渡しましたか?」

ライト「いいえ、私たちはアメリカ人です」

 というのが正しいです。(むかし読んだ子供用の偉人伝が出典ですので、あまり信憑性はないですが・・・・)

 ともあれ、発明を戦争に利用されたくないという人については、ダイナマイトを発明したノーベルや核兵器を開発した科学者など、たしかに枚挙に暇はないです。しかし、そんな気持ちよりも「祖国のため」であるとか「金持ちになりたい」という意志の方が、歴史の中での総量についてはずっと多かったと思います。

 発明家・科学者などが平和主義者であって、研究成果を軍人に利用されているというのは、特に戦後民主主義的な価値観においてありがちな設定ではあります。

 しかし、今世紀初頭のアメリカ人の一般的なメンタリティを無視し、歴史を捏造してまで、ライト兄弟を利用しようとする姿勢は、少年時代に彼らに憧れた者として許せません。

 ライト弟のウイルバーは、晩年に行われたライト兄弟の偉業を記念するセレモニーで行われたムスタングP51のデモンストレ−ションをみて、素直に感動していた程なのですから。

 ええ、私、怒ってます。


No. 1018
Re1012
投稿者:カエルサル 1999/4/01 23:30:46
>さて、このあいだ世羅高校の校長が自殺した事からも明らかのように、文部省が「日の丸掲揚・君が代斉唱」を義務付ける一方で、教職員組合の方も「日の丸・君が代強制反対」を校長に押し付けているという現実があります。特に広島県の公教育は左翼団体に完全にのっとられ、中国や韓国も真っ青の反日教育をやっていたのは有名な話です。

広島で中学生やってた者としてちょっと。
日の丸君が代については卒業入学では日の丸が目立たず、運動会の時校旗と一緒にあげるくらいで、君が代はほとんどだれも歌っていませんでした。まあ他の歌もみんなたいぎがって歌わなかったけど。
あと、小学高等学年からの歴史で、日本が悪いといった内容の教育をしました。中学では多少緩和されてるみたいでした。毎年原爆の日の8字十五分には教室で黙祷して、ものすごく悲惨なアニメみました。あのときのクラスの重い空気は一生忘れませんね。そのわりには放射能と放射線の区別も付かない授業でしたけど。
小学教師の中で、ヒステリックな女性教師が
いて、オカルト的な反戦平和思想を厳しくたたき込まれました。むしろ軍隊的で、理論もむちゃくちゃ。今思えばつっこみようはいくらでもあります。戦時中餓死させられた象の話を道徳の授業でしたさい、まじめに聞いていなかった生徒を「なにがおかしいん?あなたの犬に餌をあげるなといわれたらどう思うの!」とかしばかれてるのをみるとあわれです。
同和教育がこの前の朝生とかで取り上げてましたが、小学校でもあります。ある教師に職員会議で使ったプリントの処理を頼まれたとき、ガキには解らないと思ったんでしょう、同和教育についての指導が書いてありました。
中学では反戦教師はいませんでした。学校があれてるのもあるんでしょうけど、組合の圧力が強く、組合自体も利権的になって内ゲバに終始してるようで、定年前の教師は「どーでもいいや」的無気力感がありました。ただ、やけにユダヤ人に好意的でトンでもなナチス批判をやってるもうろく教師がいました。(別にナチスがいいというわけではないけど)進歩派を気取って授業中はやりのポップ流したり、学校荒廃に一役買って尽力していました。

今思うと、それほど極左翼的ではないけど、もうちょっと社会の役割や個人の責任について、タブー視せず、教えてくれたら荒れずにすんだかもと、残念に思っております。
田中氏は「左翼的教育じゃないのは、子供を極右翼思想に洗脳しようとする陰謀だ!」的な論調ですが、今の教育現場では、うすら甘い左翼的教育思想より、小林氏の様な教育思想のほうが現実的で頼もしく思えます。少なくても田中氏のは、言い換えれば始先生の教育は、現実離れに読みが足りなくあまちゃんで考えが浅い理想主義者の戯言に思えます。

それと、駄文ついでですが、今の思想的な教育は恐怖的押しつけでした。センセーがお説教的にトンでも反戦教育してる間はおとなしくして、原爆の日や、どこの都市に投下されたか知らない(!)がきもいました。そのくせ、わかりも知らないのにわいどしょーのいい加減な報道に踊らされて、のどんの原爆が明日にでもふって来るかのような大騒ぎを6年前みんなでしました。
やっぱり、教育は押しつけでは身に入らないと
実感しました。
今の教育で若者が左翼化してると心配なさってる人がいましたら、それは取り越し苦労です。
多くの中高生は政治に欠片も興味を持たず、保身的で、右といわれれば右左といわれれば左ですから。ってそのひとり。


No. 1019
>私の創竜伝考察感想9&11
投稿者:石井由助 1999/4/02 02:43:20
>それと「私の創竜伝考察9」の批評が抜けていましたので、お手数をおかけしますが、そちらの批評もまとめてお願いいたします。

ごめんなさい。最近ケアレスミスがちょっと多いですね。私。
 ケアレスミスといえば、まず…
>「怪力乱神を語らず」ですよ。
 しおみさんご指摘ありがとうございます。もっともです。怪力乱神の類を畏れて遠ざけるのだから、恐れていてどうする(苦笑)。ホントにしょうもないミスですみません。



>日本は、収賄やインサイダー取引の犯罪者が、平然として、政治改革や道徳教育を説く、ありがたいお国柄である

 確かに中曽根元首相などの教育理論はひどいものだと思いますが… また意味も根拠もなくお国柄なんて言いだすあたりはさすがです。約束を守らないクセに人をあげつらっている作家が正義や教育を説く、ありがたいというか、悲しいお国柄ではありますが(自虐入ってる(T^T))


>P26上段〜下段
><「ムー大陸伝説」

 この部分における田中芳樹のチャーチワード批判は正論だと思うし、共感しますが、冒険風ライダーさんがおっしゃるとおり人の振りみて我が振り治せない人が正論を言ってもねぇ…


>近代民主国家の首相や大統領は、こと収入と支出に関してプライバシーなどないのだ、という常識すら、この国の政界では通用しないのである

 これなどを読むと、「常識」というものも「正義」と同じで独善的で一方的なものだな、と、つくづく感じます。別に収入支出の公開に対してどうこう言うつもりはありませんし議論がもっと交わされていい問題だと思いますが、そのことの是非以前に正義を手に入れて増長している氏の姿勢にげんなりします。
 結局「近代民主国家」という氏の頭の中だけのパラダイス国家に依拠しているだけなのね。


>原子力発電についての社会評論
については、随分と議論が交わされていたようなので、踏み込みませんけれど、一応、私は原発には反対の方です。ただ、反対というと、すぐさま朝日や田中芳樹的言説と結びつけられ、それ以外に反対する方法が用意されていない現状こそが、問題だと思っています。


>準備期間もろくにおかず強引におしすすめた税制度改悪

 この人にかかっては何でもかんでも「改悪」なので(苦笑)、消費税に特化して批判してもしょうがないと思いますよ。



>P137上段〜下段
><「方法はひとつ…

 一応、この米国は四人姉妹の掌の上で踊っている(米国と欧州の争いも彼らの利益になる)、と解釈することで、ストーリーの破綻は免れます。ただ、このような環境下でどこまで陰謀論が通用するのかという疑問はありますからね。不自然なんですよ。


>日本の老人福祉の予算は減るどころか増加の一途をたどっています。

 箱ものばっかりで建設業者のリベートを貰っているとか、お決まりのパターンじゃないですか。
 それにしても、人工無能使って田中評論作れそうですよね(^_^;)。どんな質問を入れても、「それは日本のジャーナリズムは報じない」とか「それは日本の国民性の問題だ」とか、そういう答えばっかり返ってくるの(笑)


>皮肉にも双方とも本気で戦争をする気であったということが、逆に戦争抑止力になったということです

 偽りの平和ですね。ですが、真実の戦争よりも偽りの平和を選択するのがまともな政治というものです。ですから、ドラゴンが世界中のICBMを無力化したりしたら、核の脅威という偽りの平和を正すという正論のせいで、世界中で民族紛争や局地戦という真実の戦争が発生するであろう事は目に見えています。冷戦によって、これらが発生したものの数倍の規模で…
 ヤンには、こういうことは判っていたんですがねぇ。


>P158上段〜P159上段
><国民性とか民族性とかいう…

 今まで出し惜しみしていましたが、私にとって、ここは創竜伝で一、二をあらそう最悪の部分です。
>「若者が奇異な服装をしてみせるとしても、それはあらかじめ広告産業が売り出したファッションを追っているにすぎないのではないか」
 田中芳樹がファッションに持っているコンプレックスやルサンチマンが丸出しですね。大体、これって日本人の問題ではなく、大衆社会、民主主義の問題であることはどう見ても明らかじゃないですか。これと同じような問題を心理学者のエーリッヒ・フロムが研究していますが、比べてみると愕然としますよ。田中芳樹のあまりのバカさ加減に(まあ、この比較自体、幼稚園児と大学教授の知能指数の比較に等しい無謀なものですが)
>当時昭和天皇が病気で今にも死にそうになっている時に、それを心配する事がいけないというのならば、ぜひその理由を教えてほしいものですね
 「昭和天皇が戦犯だから心配するなどけしからん」という意見なのでしょうけど、個人でそういう意見を持つ分には、私は肯いませんが一つの意見として、尊重します。ですが、田中芳樹はそうでないみたいですね。自分の考えと違うことをする女子高生の自主性・主体性を根底から否定し、自分の考えのないバカだと罵倒し、それを何十万部も売れる本で公表する有様です。
 ハッキリ言って、人間として最悪の行為だと思いますし、大部数という権力を乱用した暴力的行為だと考えます。そのくせ、これが「日本人は意見の多様性を認めないからいけないんだ」という趣旨の評論であるあたり、どうしようもなく救いようのないものを感じますね。


>怒りと侮蔑を、続は優雅な声にこめた。飛行機を発明したライト兄弟が、軍用機の出現に激怒したという話がある。「軍人どもは、大空まで人殺しの場所にするのか!」答えは「そのとおり、何が悪い」だったのだ。

 これに関しては、私もベルクアイサルさんと同趣旨の
事実認識を持っています。実際はどうなんでしょうね。個人的にはこの記述は相当にいかがわしいと思っています。


>「ただ一度戦争に負けたからといって、民族の誇りを失うな。われわれは世界一優秀な民族だ。その自覚をもって祖国に献身せよ」これはアドルフ・ヒットラーという男がもっとも好んだ台詞だった

 これをバブル日本の増長批判に使った田中芳樹の政治認識、時代認識には唖然としますね。なぜ、あのような意見・ばかげた政策が当時のドイツで台頭したのか、その必然としての歴史の悲劇、人間という存在の哀しみというものに対する視点が全く欠如しています。そういうのっぺりした歴史認識を持つ人間が数十万部の本で歴史説教をすることこそ、歴史の危機なんですけどね。


>まして、もともと自然に存在せぬ物質によって地球を汚染するとは何事だろう。>

きっとヤマギシかユナボマーのような近代文明に敵対する生活を送っているのでしょうね。センセは。


No. 1021
この海戦をただの局地戦として片付けるなんて…
投稿者:M野 1999/4/02 03:26:12
>P168上段〜P169上段
<「あんたたちは、この前の戦争でアメリカと戦ったことを、悪かったなんて思ってないんだろ。いつか復讐してやるぞ、と決心してんだろ。だからこそ文部省は、教科書から『日本が戦争をおこして悪かった』というような記述を消すよう強制してるんじゃないのかい」
 日本国の文部省の初等中等教育局といえば、右翼思想派の巣窟といってよい。特定企業から賄賂を受けとり、責任を妻や秘書に押しつけるような手合が、「日の丸と君が代を神聖なものとしてあつかえ。でないと処罰するぞ」と、学校を脅迫するのである。歴史の教科書に東郷平八郎という海軍軍人を登場させるよう義務づけたのも彼らだ。当時の文部大臣でさえ、その時代錯誤にあきれ、「ひとつの局地戦の司令官で戦争全体は語れない。戦争を開始し、終結したときの日本政府の対応と、その後の社会を教えることで、正しい歴史観が身につく」といって反対した。だが、大臣の反対意見さえ無視して、文部官僚は、復古教育を強引に推進しつつある。「ただ一度戦争に負けたからといって、民族の誇りを失うな。われわれは世界一優秀な民族だ。その自覚をもって祖国に献身せよ」これはアドルフ・ヒットラーという男がもっとも好んだ台詞だった。>

もはやトホホとしか言いようがありません。
ヒットラー名前を出しさえすれば、それが危険な思想であると印象付けられると
でも思っているのでしょうか。あまりやり過ぎて、ヒットラーの大安売り状態に
なっています。

歴史の教科書に東郷平八郎を載せるのが、あきれるほど時代錯誤ねえ…
それじゃ、織田信長を載せるのは、もっと時代錯誤ですよ。
藤原鎌足なんて、いつの時代の人ですか。時代錯誤も甚だしい。
…いやはや。
歴史に大きな影響を与えた人物が教科書に載るのは、ごく当たり前のことだと
思うのですが。

関が原の合戦も壇ノ浦の合戦も、教科書に載せるのは不適当ということになります。


No. 1022
ちょっとお返事
投稿者:冒険風ライダー 1999/4/02 16:01:35
 ベルクアイサルさん、はじめまして。「私の創竜伝考察シリーズ」を読んで下さり、ありがとうございます。私の投稿量が多いのは、今現在、学校が春休みにあり、それに集中できる状態にあるからです。休みが終わる4月の中旬頃になると減速しだすと考えていますので、今のうちにできるだけ進んでおこうと急いで書いていたというのもあります。
 さて、創竜伝におけるライト兄弟の記述がウソというのは初耳ですね。以前、日本テレビ系列の「知ってるつもり」でライト兄弟を取り上げていた時、B29の出現と原爆投下でライト弟であるオービル(私の記憶ではオービルの方が弟だったと思いますが)がショックをうけて寂しく死んだとか言っていたのを見た事があります。これは田中芳樹と同じような主張ですよね。その時は何の疑問もなく見ていたのですが、この「知ってるつもり」は亀井文夫やトウ小平、ポルポトなどを特集していた時、礼賛や弁護を展開して左傾偏向していた前科がありますので、ライト兄弟に関する記述は、田中芳樹らの方が意図的に捻じ曲げた可能性は十分に考えられますね。誰かこの問題について詳しい方はいないでしょうか。

 カエルサルさん、広島県の教育の実情を当事者として見た視点から論じた文章、大変興味深く拝見させていただきました。私は左翼連中の教育のやりかたこそが今の教育荒廃の元凶であると考えています。言いかえれば、田中芳樹ないしは竜堂始のような考えを持つ教師こそが学校荒廃をもたらした、ということになります。
<今の教育で若者が左翼化してると心配なさってる人がいましたら、それは取り越し苦労です。
多くの中高生は政治に欠片も興味を持たず、保身的で、右といわれれば右左といわれれば左ですから。ってそのひとり。>
 以前、小林よしのり氏も似たような事を主張しておりましたが、その時はその意味がわかりませんでした。私は中学の頃から田中芳樹の影響で政治・歴史・軍事にかなりの興味を持ってましたから。しかしこの投稿の「政治に関心がなければ左翼偏向することがない」という考えで「そういうことか!」とやっと理解できました。2,3年前まで、政治に関心をもっていた私の思考がかなり左翼偏向していたわけです。こういう考えもあるのですね。勉強になります。


No. 1024
私も誤認していました(^^;
投稿者:ベルクアイサル 1999/4/02 20:06:58
 ベルクアイサルです。

<ライト兄弟の件>
 人の誤認をあげつらっておきながら、わたしも誤認(ってゆうか誤記)していました。

 ライト弟は「オービル」です。「ウイルバー」は兄貴の方でした。すみません。

 

No. 1036
RE1022&東郷と岳飛
投稿者:カエルサル 1999/4/03 12:30:27
レス有り難う御座います。
私は公教育に不満をもっており、読んでくださって
光栄です。
東郷平八郎について話題があがってるようなので
東郷についてちょっと。


田中氏が東郷平八郎をあげつらってるのを読んだとき、なんともいえないイヤなきもちになりました。
確かに日本海海戦と勝利後の東郷公の訓辞で、大鑑巨砲主義と精神至上主義が広まったのは
大きな失敗でしょうが、歴史的な事件を「文部省がナショナリズムを煽るために教科書に押しつけた、戦前日本の増長を招いた一局地戦」的な書き方をするなんて。
東郷平八郎は世界三大提督のひとりで近代日本の偉人で教科書にのっててもいいのに。
田中芳樹が「日本人が知らないヒーロー」としている、岳飛は現中国で忠國の英雄として崇められ、高校世界史の資料集にも載ってるのに。

余談ですけど、小5の時、資料集に「その後日本の政治に大きな影響を持ち続けた」と書いてあって、担任が「この人はのちに軍縮に反対したり、悪影響を与えた」的な説明をされました。その教師ははやいうちににほんが戦争に負ければ良かった的解説で思想をおしつけてました。
まったく、英雄物語になってません。
田中氏は「文部省がナショナリズム押しつけで
子供汚染している」みたいなことかいてるけど、文部省とは大した権力ですね。
私自身は早くから戦史に興味をもっていたので
授業をたのしみにしていて、かなりがっくりきました。


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