反銀英伝・設定検証編
2−D

銀英伝世界における各国の国力分析(4)

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コンテンツの総収録投稿数152件の内、62〜87件目の投稿を掲載

収録投稿62件目
board4 - No.2907

Re:経済学的に正しい銀河英雄伝説

投稿者:涼
2002年09月29日(日) 17時24分

Ken さん、こんにちは。
出生率に関する考察、興味深く拝見いたしました。たしかに、帝国の人口減を説明するのはこれが最適のようですね。
で、同盟ですが、

> > ダゴン会戦時の同盟の人口は3150万人以上だった
> > と思います
>
> その条件で人口シミュレーションをやり直してみました。
> 一人の女性が産む子供の数は平均6であるとし、その代わり
> に、世代間の年齢差を22、つまり子供が生まれる時の親の
> 平均年齢を22歳としました。すると、宇宙暦640年のダゴン
> 星域会戦時の同盟の人口が3000万程度になるようです。
> ただ、この割合では、ヤンの時代の同盟人口が130億では
> なく、250億になってしまうので、そうならないためには、
> 同盟にあっても時代を降るに従い産児数の低下が起こった
> ことにせねばなりません。人口増が至上命題の同盟に
> とっては、由々しい問題ですね。キャゼルヌがヤンに、
> 「とんだ贅沢だ。三〇歳を過ぎて独身だなんて、許し
> がたい反社会的行為だと思わんか」(雌伏篇第3章−2)
> と言っているように、人口増に協力しない同盟市民は、
> 社会から好意的には見られないと思いますが。

これに関しては、ヤンは一人っ子、孤児となったユリアンも兄弟に関する記述が無いので一人っ子のようですし、銀英伝時代には、『「結婚して子供を生む」のと「多産」は別物』と考えてよいんじゃないでしょうか。
建国初期の頃の何をするにも人手が足りない状況も改善され、経済レベルと生活水準もいわゆる「先進国」になるにつれて、出生率も低下してきたのでしょう。

収録投稿63件目
board4 - No.2908

Re:経済学的に正しい銀河英雄伝説

投稿者:IK
2002年09月29日(日) 18時26分

>度を越えると、家庭のあり様が変わってしまうので、一人の女性が産む子供の数は平均6であるとし、その代わりに、世代間の年齢差を22、つまり子供が生まれる時の親の平均年齢を22歳としました。すると、宇宙暦640年のダゴン星域会戦時の同盟の人口が3000万程度になるようです。また、前回の発言で私が用いた仮定を適用すると、動員対象となる人口は帝国の10億に対し同盟は2000万で、50対1ですから、中国と台湾くらいの関係になる・・・・うむ、これなら同盟にも勝機が見えてきますね。

 ひとりの女性の出産人数が6を越えるというのはものすごい出生率です。高度な医療は全員に与えられないとしても、適当なワクチンを投与するだけで、生まれた子のうち成人に達する割合は9割を超えるでしょう。
 農業以前の狩猟社会では、出生率は3〜4だったと言います。それを越えると人口が増えすぎて環境に付加がかかるので適当に間引いていたと考えられます。農耕社会においても、おおよそそんなところではないでしょうか(つまり拡大の余地がなくなった社会においては)。
 むかしは子供が多かったという印象が我々にはありますが、4人を越えて産むのは明らかに(社会を維持する必要から言えば)、医療が発達していない社会であっても産みすぎです(ただ、これは日本での場合です)。明治以後に特に見られる傾向ではないでしょうか。
 女性に出生率6以上を強いる社会というのは、女性の社会的地位が著しく低い社会です。とても近代化された民主社会で成立し得るとは思えません。女性の平均寿命はかなり低くなるのではないでしょうか。戦死による男性の死亡率も高いとすると、6人を越える子供を誰が養育したのでしょうか。

収録投稿64件目
board4 - No.2911

Re:経済学的に正しい銀河英雄伝説

投稿者:吉良国 育生
2002年09月29日(日) 20時31分

 IK様、おそらく建国期の同盟は近代的な民主主義国家ではなかったのでしょう。
 ハイネセンに最初に降り立った16万人の亡命者たちは民主主義の理念は知っていても、議会制民主主義国家の運営ノウハウは持っていません、何もかもが手探りだったと思います、ですので最初から洗練された国家など造れるはずもありません。
 まして彼らは男尊女卑の風潮がある帝国で生まれ育った人間です、その考え方を引きずっていたとしても可笑しくは無いでしょう。
 もちろん、女性の権利拡大も徐々に行われたのでしょうが、同盟末期に至るまで女性の提督が出て来ないところを見ると、完全な男女平等社会にはなっていないようです。
 あと戦災孤児の養育ですが、富国強兵を唱える以上子供は国家の財産です、かなり強引な福祉政策がとられていたと思います、それと開戦以後は帝国からの亡命者による人口増加もあるので、その分を考慮すると出産率は低下したと思います(理由としては女性の地位向上が考えられます)、よってそれほどの問題にならなかったと思います。

収録投稿65件目
board4 - No.2912

Re:経済学的に正しい銀河英雄伝説

投稿者:Ken
2002年09月29日(日) 21時07分

>むかしは子供が多かったという印象が我々にはありますが、4人を越えて産むのは明らかに(社会を維持する必要から言えば)、医療が発達していない社会であっても産みすぎです(ただ、これは日本での場合です)。明治以後に特に見られる傾向ではないでしょうか。

私の祖父は、明治の中頃(19世紀末)に東北の農村に生まれましたが、10人きょうだいの1人でした。ただし、これが当時の一般的な例か、それとも特殊例かは、私には分かりません。

明治維新の時、日本の人口は3000万程度だったのが、第二次大戦の頃には1億に迫っていたといいます。70年で3倍以上ですから、ものすごい増加率ですね。してみると、祖父の例は、それほど特異なものではないように思えます。明治後の日本は、列強の侵略を斥けるため、「富国強兵」を国是とし、産業労働者と兵士の数を増やすために、とにかく人口を増やす必要があったのでしょう。まさに、自由惑星同盟の初期の姿です。

>女性に出生率6以上を強いる社会というのは、女性の社会的地位が著しく低い社会です。とても近代化された民主社会で成立し得るとは思えません。女性の平均寿命はかなり低くなるのではないでしょうか。

そうですね。
現在、人口爆発が問題になっている国の数字を調べてみると、ソマリア7.11、ウガンダ6.88、コンゴ6.84、マリ6.81、シエラレオネ6.01、ナイジェリア5.57、タンザニア5.42、スーダン5.35、セネガル5.12(いずれもCIAによる2001年推計。http://www.cia.gov/cia/publications/factbook/)等々、いわゆる「サブサハラ・アフリカ」が多く、女性の人権侵害が問題になっている国と概ね一致するようです。

ただ、民主社会の出生率が必ず低くなるかというと、そう言い切る事もできないのではないでしょうか?アメリカの2001年の数字は2.05ですが、あれほど国土が広く、資源も豊富で、多様な民族や宗教が混在すると、子沢山の例も多く出てきます。私は中西部の保守的な土地で、偶然そのような人々と知り合う機会を得ました。例えば、あるおばあさんは、私の祖父のケースと同じ、10人の子供を産んで育てましたが、現在は85歳ですこぶる元気です。料理、掃除など家事は何でもやるし、話をしても言葉ははっきりしており、充分に知的な会話ができます。そのおばあさんの長女も9人の子供のお母さんで、現在は61歳ですが、元気そのもので、3〜4時間連続で車を運転しても平気です。民族的にはアイルランド系で、宗教はカソリックです。

つまり、女性がたくさん子供を産んでも、それを支えるシステムと資源さえあれば、問題はないのではないでしょうか?自由惑星同盟も、人口に比べて広大な国土と豊富な資源があるし、妊婦を助ける科学技術(例えば、女性ホルモンの人工合成とか)を持っているとすれば、10人程度の子供は持てるのではないでしょうか?

収録投稿66件目
board4 - No.2914

人口学的に正しい銀河英雄伝説

投稿者:イッチー
2002年09月30日(月) 00時11分

 自由惑星同盟の建国が宇宙暦527年でそのときの人口が約16万人、ダゴン星域会戦が宇宙暦640年でそのときの人口が3150万人を超えるには、15年で人口が倍になれば、ほどよい数になります。(約3277万人)15年で人口が倍になるには毎年人口1000人あたり約66.7人の自然増加が必要です。ちなみに1925年(大正14年)の1000人あたりの出生率は34.9人で、1000人あたりの死亡率が一番低かった1979年(昭和54年)および1982年(昭和57年)の死亡率は6.0でした。差し引き、28.9人ですね。1925年以前の出生率がもう少し高かったとしても、自然増加率1000人あたり66.7人というのはかなりの効率です。日本と同盟の人口規模が違うため、単純な比較はできませんが、よほど強引な結婚・出産奨励がおこなわれたと見るべきでしょう。

 で、強引な出産奨励の名残と思えるのが、同盟では「性」に関する考え方がおおらかであるということです。たとえば、リン・パオ元帥は1000人近くの愛人がいたといわれていますし、シェーンコップやポプランの女性遍歴の多さも禁欲的なラインハルト陣営(ロイエンタールを除く)と比べるといささか異常です。(アニメではポプランはオーディンでナンパしたり、人妻に手をだしたりしているし・・・とほほ)これは、同盟では人口増加が第一とされ、若者の自由恋愛もある程度大目にみられ、非嫡出子に対しても手厚い保護がされていたのではないでしょうか。カリンの母親がシェーンコップに何の連絡もすることなく女手一つで子育てができたのも未婚の母に対する偏見が少なかったことや非嫡出子に対する保護があったためではないでしょうか。
 なお、ダゴン星域会戦以後は帝国から亡命者が流入したので、強引な結婚・出産奨励策はとりやめられたと思います。ただ社会的慣習として、性に対するおおらかさや非嫡出子に対する保護は残ったと思います。

Kenさま
 ダゴン星域会戦で同盟が小国にもかかわらず勝利出来たのは、帝国軍総司令官のヘルベルト大公が軍事的に無能であったことと遠征を「狩猟」にたとえるなど、同盟を完全になめていたことが原因でした。帝国では能力よりも家柄で地位が決められることが多く、軍隊組織としては同盟のほうが優れていたと思います。ダゴン直後、帝国が復讐戦を行わなかったのは、ヘルベルト大公が事実上の廃人となって帰還し、生還率も1割を切るなど帝国軍のまけっぷりがあまりにもひどく、あまりもの衝撃のために精神的に帝国が立ち直れなかったことが原因で他に敵がいたためとは思われません。(また、宮廷内で権力争いも勃発していますし)
 あと揚げ足をとるようですが、日本の人口が第二次大戦時に1億とされたのは植民地の現地人を含んだ数え方で純粋な日本人は7000万人程度でした。日本人の数が1億を超えたのは1967年(昭和42年)のことです。

収録投稿67件目
board4 - No.2915

Re:経済学的に正しい銀河英雄伝説

投稿者:SAI
2002年09月30日(月) 00時22分

人口問題に関してはあまり考えたくはないですが、一応考えましょうか。一番簡単な答えは3000億というのは実はあの歴史を書いた人間がいかにゴールデンバウム王朝が悪辣非道であったかを宣伝するために0をひとつ多くつけて、2500億人も殺したということにしたためで本当は300億だったとすれば解決するんですが。そうすれば500年後に500億で無理なく説明できます。ま、これはいんちきな説明ですけどね。

なお前にも言いましたけど基本的に人口は増えます。そうでないと文明が崩壊します。なぜかというと、食べ物を作る事もごみを集めることも物を運ぶこと等社会を維持するための労働は最終的には人間がやらねばならないからです。たとえばごみを収集を機械にやらせる事にすると、まず機械を作らねばならず、作るにしても資源を掘り出し、資源を輸送し、加工して、組み立ててはじめて収集が可能になるわけです。ここまで莫大な資源とエネルギーが必要なわけです。できることといえば、人間がやればすぐ終わるような仕事です。こんな資源的、エネルギー的に非効率なこと社会全体ではできません。さらに機械ですから
不断のメンテナンスが必要です。メンテナンスも機械にやらせるにしてもメンテナンスをやる機械のメンテナンスはどうするのかということになります。

さらに人口が減れば税収も減ります。機械は税金を払いませんから。社会コストにも人口が減れば減少する変動費と減少しない固定費があります。具体的に言えば、電気、ガス、水道、通信、交通等の社会インフラ費は減りません。人口が減少し経済規模が低下していけばいつか必ず社会を維持するためのインフラ費を払えなくなります。社会を支える基盤であるインフラが崩壊すればその上に乗っているものすべてが崩壊します。文明は崩壊し、星間交易は途絶、人類は自給自足できる惑星にのみ生き残り、かつての帝国も皇帝も宇宙艦隊の戦いもすべては古老達のおとぎ話で、子供達はだれもそれが本当にあったことだとは思わなくなっているという状況になるでしょうね。

さらにいえば生活の安楽さと出生率は反比例することが経験上わかっています。帝国で貧富の格差が開き、庶民の生活が苦しくなったときから貴族の出生率は下がり、庶民の出生率が上がるという現象がおこったはずです。人類全体でみればどこかで出生率が下がればどこかであがります。今現在の世界でも出生率の低下に悩んでいるのは極少数の先進国だけで、むしろ世界のほとんどすべての地域では人口爆発が問題となっております。なおアメリカの場合、不法移民であるヒスパニックの出生率が4と高いため全体としてみれば2.05となるのであってヒスパニックを除くと出生率はほかの先進国とたいして変わりません。

後Kenさんの考察ですがもちろん乱暴です(笑)統計学ではサンプル数が少なすぎるこれを、結論への飛躍と呼びます。

同盟の場合は帝国からの亡命者がなだれこんできたとき以降なら説明できるんですが、それまではどうしたんでしょうね。

ダゴン以後、同盟に帝国から難民が大挙流入してきます。難民といっても同盟まで来るには金がかかります。一番最下層の農奴が来たわけではなく、農奴を搾取している側、つまり平民の上層や下級貴族達が一旗あげるべくやってきます。同盟にとって帝国の10個宇宙艦隊が侵攻するよりはるかに恐ろしい存在が侵入したのだとはこの時点では誰も気がつきません。同盟はこの時点で拡大期にあたり、好景気に沸き、人手は足りず歓迎されたことでしょう。政治的にも帝国で搾取された不幸な人々を救うという大義名分もつきます。搾取している連中がきたというパラドックスを考えねばですが。
彼らは立場が弱いため、元からの同盟市民が嫌がる仕事を低賃金でやることになります。それでも未開発の地域があり、難民も次々に来る状況ならば、難民たちも新参の難民を踏み台にして社会階層を上昇してゆくことができます。がしかし、未開発の地域はやがてなくなります。いつまでも続く好景気もありません。やがて今度は景気が悪化し、人手が余り始めます。このとき高賃金の同盟市民から首が切られます。企業はコストカットして収益を改善しようとします。労働条件は悪化し貧富の差は開きます。
経済は停滞し、投資は減ります。この時期には優良企業と劣悪企業が逆転します。好景気の時は、設備投資をして生産性を向上させた新しい設備をもっている企業が優良企業です。ところがこの時代は物が売れないため設備投資をしてもただ単に遊休設備を増やすだけ。この場合正しい行動は減価償却が終わった古い設備で多数の難民を安い給料でこきつかうのが正しい行動であり、優良企業になることです。
ここまでの説明でわかるとおり同盟も帝国に内情が似てきます。職を失った同盟市民達は不満を抱きます。難民どもを受け入れたからこんなことになったんだ、奴らを全員帝国に送り返せと。だけど送り返すわけにはいかない。人道とかそういうことではなく送り返したら同盟を維持するために必要な仕事をやる人間がいなくなって同盟が崩壊してしまうから。彼らは帝国の難民達の労働の上に築かれた安楽な生活は捨てたくないのでいまさら難民達がやっているきつくてきたない仕事を難民と同じ低賃金ではやりません。出ていってほしいが出ていってもらっては困る、そういう二律背反の状況では差別は陰湿化します。さらにいえば同盟建国の理想から遠く離れてしまったことを認めるわけにもいきません
認めたら最後、同盟を統合する理念がなくなりばらばらになる可能性がありますから。
同盟末期の社会構造としてこうなっていたでしょうね。
一番上が長征1万光年の時代にやってきた共和主義者の子孫達や政治亡命してきた大貴族、2番目が古参の難民の子孫、一番下でまさに奴隷のように酷使される新参の難民達。
末期の帝国と同盟は双子の兄弟のように似てました。だからどっちが死ねば両方とも死ぬ運命にあったわけです。

後、ヤンは子供時代は宇宙船のなか、その後、士官学校、艦隊勤務と同盟の闇を見る機会がなかった。しかし言ってることとやっていることが違うがそんなことはないという硬直した偽善が同盟を多い、同盟憲章の理想が地に落ちてしまったことを知ったらどうおもったでしょうね。

収録投稿68件目
board4 - No.2922

Re:経済学的に正しい銀河英雄伝説

投稿者:IK
2002年09月30日(月) 07時50分

>吉良国さん
初期同盟が民主的社会でなかったという可能性はあり得ます。イデオロギー的には民主主義を掲げながら、実態としては、強権的な支配が存在のかも知れません。ただ、アーレ・ハイネセンの思想と人柄からは随分、乖離しているような気もします。

> 私の祖父は、明治の中頃(19世紀末)に東北の農村に生まれましたが、10人きょうだいの1人でした。ただし、これが当時の一般的な例か、それとも特殊例かは、私には分かりません。

鉄道技師だった私の祖父もそういえば10人兄弟でした(明治45年の生まれです)。ただ、これはやはり明治から昭和初期にかけての現象ではないかと思うのですが。まず、農村社会では、多すぎる子供は資産の拡散につながりますから、そんなには子供は持てなかったはずです(ただし自営農の場合ですね)。都市労働者が成立して以後のことだと思うのですね。
もちろん、国策の影響もあるでしょうし、出産後の間引きが殺人罪と定義されて不可能になったということもあるでしょう。

> ただ、民主社会の出生率が必ず低くなるかというと、そう言い切る事もできないのではないでしょうか?アメリカの2001年の数字は2.05ですが、あれほど国土が広く、資源も豊富で、多様な民族や宗教が混在すると、子沢山の例も多く出てきます。私は中西部の保守的な土地で、偶然そのような人々と知り合う機会を得ました。例えば、あるおばあさんは、私の祖父のケースと同じ、10人の子供を産んで育てましたが、現在は85歳ですこぶる元気です。料理、掃除など家事は何でもやるし、話をしても言葉ははっきりしており、充分に知的な会話ができます。そのおばあさんの長女も9人の子供のお母さんで、現在は61歳ですが、元気そのもので、3〜4時間連続で車を運転しても平気です。民族的にはアイルランド系で、宗教はカソリックです。

やはりカトリックですか。カトリックは教義の上では荻野式を含めて避妊、堕胎を認めていません。欧州のカトリック教徒は教会の実態を知っていますから、お膝元のイタリアでさえ、盲信はしていませんが、アメリカは妙なところで原理主義的なところがあるのですね。その方は非常に信仰深い方だったのですね。
人口が減少する最大の要因は女性が子供を産まなくなることではなく(もちろんその要因もある)、晩婚化が進むことにあります。高等教育を受ければどうしたって晩婚化する訳で、女性に多数の出産を強いる国というのは、女性に高等教育を与えない国です。生まれた子を養育できないから産まないのではなく、産む機会そのものがないから産まないのですね。
保育園の整備などは重要なことですが、それだけで出生率が向上するものではないと思います。
女性の教育権を否定して、果たして自由惑星同盟が国家として立っていられるか、それはそれで疑問です。

収録投稿69件目
board4 - No.2925

Re:続・経済学的に正しい銀英伝

投稿者:准提督
2002年09月30日(月) 16時41分

八木あつしさま
 人口問題には正直あまり関わりたくないのですが(どう考えても田中センセの不見識が原因だから)、避けては通れないようですね。
 同盟建国当初、想像を絶する多産推奨政策が実施されたのは間違いないでしょう。そのための費用(社会保障費)は政府予算の大半を占めたに違いありません。
 しかしこの時期は同時に帝国軍との直接対決を考えなくとも良かった時期です。5巻P136のグエン・キム・ホアのエピソード「距離の防壁」が示唆するように、建国から1世紀くらいの間は軍事費は必要最低限だったのではないでしょうか。とすれば、同盟財政は社会保障費の拡大にも充分耐える事ができたと考えます。むしろ人口(消費人口)を拡大させ、同盟経済そのものの規模を拡大させて行き、全般的に好況が続いたのではないでしょうか。

 そしてダゴン星域会戦。このあと帝国から亡命者が殺到してくるわけですが、私は彼らは同盟経済の負担にはならないと思います。
 八木さまは韓国の脱北者を例に挙げて亡命者は負担であると主張されていますが、国土開発が一通り終わっていまい採算の取れる公共事業が用意できなくなっている韓国と、辺境が吐いて棄てるほどある同盟とでは条件が異なります。同盟においては亡命者はそうした辺境開発に投入され、眠っている資源を掘り起こし無人荒野の惑星を農業惑星化し、同盟の国力そのものを向上させるのに大きく貢献したはずです。この点、むしろ1990年代に旧ソ連からの亡命者(アリヤー)を数十万人迎え入れ占領地区開拓に投入し国力を強化したイスラエルの例が参考になるかと存じます。

SAIさま
 2915番の書き込みを拝見しました。
 流入してきた連中がいわゆるブルジョワ階級(私はマルキストじゃないっすよ)である点は正しいと思います。
 ただ、同盟において階級が固定化した、という貴説には同意しかねます。まず第一に階級分化はそもそも発生しないのではないか、という点。第二に、発生したとしても帝国におけるそれに比べれば遥かにマシであって帝国並に経済力が硬直するとは思えない、という点です。

まず認識しなければならないことは同盟が議会制民主主義国家であることです。確かに帝国からの亡命者は当初立場は弱く3K労働に酷使されるでしょう。しかし彼らの人数は「元々の同盟国民」に比べて圧倒的です。すぐに彼らは選挙でキャスティングボードを握る存在になります。政治家達は票を稼ぐため、彼らの生活改善に力を注ぐようになります。
こうして難民達は所得を始めとする社会経済的地位を向上させ、「元々の同盟国民」と肩を並べ、同化してしまうでしょう。亡命者の立場の弱い時期など一瞬です。
亡命者は単純に低賃金労働に甘んじている存在にはなりません。

無論不況発生時には亡命者排斥運動が起きるでしょう。歴史に実例が多すぎます(戦前の合衆国における日系移民排斥運動など)。しかしいつまでも続く好景気がないのと同様に、いつまでも続く不景気もありません(まぁ、最近の日本を見ているといささか懐疑的にはなりますが)。亡命者差別・排斥の気運などそれこそ「時代の泡沫」ですよ。景気が好転すればすぐに排斥運動など消えてなくなります。亡命者は黒人・日系人のように身体的特徴から一見してそれと判るわけではありませんから、好況期には所得を得て「元々の同盟国民」に溶け込んでしまう。差別する側も誰が被差別階級だったかが判らなくなってしまい、結果差別意識は持続しない。

結論。亡命者はある程度社会的に不利益を受けるかもしれないが、少なくとも帝国における農奴ほど酷い事にはならず、充分な消費能力をもった経済活動の構成員として活動して行くであろう。従って同盟経済は封建的な帝国経済よりも充分な活力を維持するはずである。

現実の例を引き合いに出すなら、同盟はせいぜいアメリカ合衆国でしょう。なるほど亡命者は黒人やヒスパニックのように差別を受けるかもしれません。
しかし、その程度が帝政ロシアの農奴並だとは到底思えません。

収録投稿70件目
board4 - No.2926

Re:経済学的に正しい銀河英雄伝説

投稿者:まつも
2002年09月30日(月) 17時28分

> 鉄道技師だった私の祖父もそういえば10人兄弟でした(明治45年の生まれです)。ただ、これはやはり明治から昭和初期にかけての現象ではないかと思うのですが。まず、農村社会では、多すぎる子供は資産の拡散につながりますから、そんなには子供は持てなかったはずです(ただし自営農の場合ですね)。都市労働者が成立して以後のことだと思うのですね。
> もちろん、国策の影響もあるでしょうし、出産後の間引きが殺人罪と定義されて不可能になったということもあるでしょう。

 現在と戦時中までの農村の状況は大きく違いますよ。
自営農というものはなく、地主と小作があるだけですし、子供は貴重な労働力です。4〜5人兄弟は当たり前でした。
私の母の兄弟も8〜9人いました。(半数は幼いうちに死にましたが)
 家は地主も小作も、家督相続人(大抵は長男)が全てを継いでいたので資産の拡散もありません。

 ところで、銀英伝世界では(クローンは作者のポリシーで出さないとしても)体外受精による試験管ベビーや精子・卵子バンク、遺伝子バンクすらないのでしょうか?
 存在すらしないのはかえって不自然だと思うのですが。

収録投稿71件目
board4 - No.2927

Re:人口学的に正しい銀河英雄伝説

投稿者:准提督
2002年09月30日(月) 20時28分

ちょっと思いついたのですが・・・。
長征一万光年をやったのって、アーレ・ハイネセン一行だけだったのでしょうか?
ひょっとすると、彼らはあくまで最初・最大の脱出集団であったに過ぎず、実は他にもいくつもの逃亡者集団があったのではないでしょうか?

帝国はダゴン星域会戦で同盟の存在を確認するまで、逃亡者集団を本気になっては追いかけていなかったようですし(遠くに行っちまったらもう追っかけるのはやめ。奴らは勝手に朽ち果てるだろう、と言わんばかりに)。もちろん、脱出計画の立案から実行にかけての段階では、それこそ内務省社会秩序維持局の鬼のような監視網が存在したとは思いますが、この時期(同盟がまだ発見されておらず、帝国当局が、逃亡者が一定以上の遠方に消えれば放置していた時期)であれば、ひとたび当局の腕を逃れれば辺境(両回廊の向こう側)に新天地を築く事が出来たのではないでしょうか。

それらの小集団(ハイネセン一行よりも小さい、という意味で)は、
「この銀河で帝国のくびきを逃れたのは自分たちだけだ」
と思いこみ、ささやかながら自由の地を建設する。閉ざされた惑星規模での社会を形成し、ささやかな暮らしを日々送って行く・・・。
ところがある日ある時突然上空にグリーンの塗装の大艦隊が出現する。すわ「帝国軍が追ってきたのか!?」と色めき立つ人々。ところが通信に現れた黒ベレーとジャンパー姿の指揮官は銀河連邦標準語で「自分たちは自由惑星同盟軍である」と名乗り、この銀河にもう一つの恒星間国家(もちろん同盟の事)が存在する事を告げ、「自分たちに吸収されるか、このまま座して帝国の魔の手が伸びてくるのを待つか」と問いかけ、「君達の惑星もわが同盟に加われ」と呼びかける・・・。
こうして自由惑星同盟は幾つもの惑星単位の逃亡者社会を吸収することで国力と人口を確保し、ダゴン星域会戦を迎えることになる。

すいません、そのまんま『星界の紋章』のハイド星系です(^^;
これなら人口問題を解決できるのではないでしょうか。元の数字が16万人ではなく、こうした多数の小集団からなるプラスアルファがあったのであれば、随分と計算は楽になるかと存じます。

もちろんこれはあくまでダゴン星域会戦のときまでです。同盟が確認されたあとは、帝国は血相をかえて同盟領に達するまで追いかけてくるでしょうから。

収録投稿72件目
board4 - No.2929

Re:人口学的に正しい銀河英雄伝説

投稿者:Ken
2002年10月01日(火) 03時16分

はじめに、イッチーさん、

>自由惑星同盟の建国が宇宙暦527年でそのときの人口が約16万人、ダゴン星域会戦が宇宙暦640年でそのときの人口が3150万人を超えるには、15年で人口が倍になれば、ほどよい数になります。15年で人口が倍になるには毎年人口1000人あたり約66.7人の自然増加が必要です。

??これは、私の計算結果と合いませんが・・・。
16万から3150万は197倍の増加です。宇宙暦527年から640年までの113年にこれだけ増えるための年率は197の113乗根で1.048、つまり年間4.8%、1000人あたり48人の増加ではないでしょうか?

再びCIAのサイトで2001年の1000人あたりの出生数−死亡数を見ると、コンゴ30.9人、マリ30.1人、ウガンダ29.6人、ソマリア28.9人、シエラレオネ25.9人あたりが人口増加が最も激しいようです。同盟の人口増加速度はコンゴの1.6倍で、確かに非常に高い数字には違いありませんが、絶対ありえないほど懸絶したものでもないのでは?

SAIさん、

>基本的に人口は増えます。そうでないと文明が崩壊します。

Jean-Noel Birabenという人口学者の推計によると、中世初期には世界人口が減少し、それが400年ほど続いたそうです。つまり3世紀の半ば頃人類の総数は4億くらいあったのが、7世紀の半ばには2億5000万程度になったと。(その後はまた増えます。)中国では漢が滅んでから唐が興るまで、ヨーロッパではローマ皇帝の権威が大いに失墜した時代から、ゲルマン人の国フランクが隆盛するまで、中東でもイスラムの成立に先立つ数世紀にあたり、いずれも古代帝国の衰退から中世の帝国ができるまでの時代に相当します。それを「文明の崩壊」と呼ぶかどうかは、「文明」の定義にもよるでしょうが、自然科学が隆盛した古代文明が衰えたことは間違いありません。アジモフのファウンデーション・シリーズは、これと同じことがはるかな未来に銀河系を舞台にして起こるという話で、以前に書いたように、銀英伝はいろいろな点で、これを換骨奪胎しています。

私は、「人口減少はありうる」説を採ります。たしかに、4億が400年で2.5億になるのと、3000億が500年で250億になるのでは、ものすごい違いがありそうですが、実はそれほどでもありません。前者は400年で0.625倍になったのであり一年あたり0.1%の減少、後者は500年で0.083倍になったのであり一年あたり0.5%の減少です。

増加にせよ、減少にせよ、「複利計算」の威力をなめてはいけないと思います。数世紀にわたって一つのことが続くと、直感的な予想をはるかに超える効果が現れます。

IKさん、

>女性に多数の出産を強いる国というのは、女性に高等教育を与えない国です。

「強いる」となると、そのとおりでしょう。上述のアフリカ諸国の場合は、そうとしか考えられません。ただ、米国の例ばかり持ち出しますが、高等教育を受けてなお多くの子供を産んで育てている女性たちと、少なくとも私は知り合ったつもりです。例えば、現在30代後半のある夫婦は、夫が博士号を持つロケット技術者、妻が電子工学の修士号を持っていますが、すでに5人の子供がいます。子供の年齢は8歳、7歳、5歳、3歳、0歳で、1〜2年に一人ずつ生まれていることになります。なぜそんなことができるかというと、一つの理由は一族の結束が強く、子供が生まれると、子供のお祖母さんだけでなく、年長の従姉妹たちまで(年長といっても10代ですが)手助けに駆けつけて、母親の負担を減らすからです。私の個人的な見聞を一般化できないことは承知していますが、要は、子供を持つお母さんをサポートする体制があれば、我々が一般に想像する以上に子供は持てる、と言いたかったのです。ちなみに、この夫婦とその一族もローマ・カソリックです。

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Re:人口学的に正しい銀河英雄伝説

投稿者:IK
2002年10月01日(火) 08時48分

>まつもさん
>家督相続人がすべてを継いだ…

そうでした、そうでした。私の不明です。失礼しました。

>Kenさん
> 私は、「人口減少はありうる」説を採ります。たしかに、4億が400年で2.5億になるのと、3000億が500年で250億になるのでは、ものすごい違いがありそうですが、実はそれほどでもありません。前者は400年で0.625倍になったのであり一年あたり0.1%の減少、後者は500年で0.083倍になったのであり一年あたり0.5%の減少です。
> 増加にせよ、減少にせよ、「複利計算」の威力をなめてはいけないと思います。数世紀にわたって一つのことが続くと、直感的な予想をはるかに超える効果が現れます。

インドの王さまが将棋版のマス目ごとに金貨を倍倍にして褒美を出すと約束してしまって破産したというはなしを思わせますね。ヨーロッパでは、ローマ帝国全盛期の人口規模を回復するのはようやくルネサンス期になってからだそうです。停滞の時代が随分長かったんですよね。

> >女性に多数の出産を強いる国というのは、女性に高等教育を与えない国です。
>
> 「強いる」となると、そのとおりでしょう。上述のアフリカ諸国の場合は、そうとしか考えられません。ただ、米国の例ばかり持ち出しますが、高等教育を受けてなお多くの子供を産んで育てている女性たちと、少なくとも私は知り合ったつもりです。例えば、現在30代後半のある夫婦は、夫が博士号を持つロケット技術者、妻が電子工学の修士号を持っていますが、すでに5人の子供がいます。子供の年齢は8歳、7歳、5歳、3歳、0歳で、1〜2年に一人ずつ生まれていることになります。なぜそんなことができるかというと、一つの理由は一族の結束が強く、子供が生まれると、子供のお祖母さんだけでなく、年長の従姉妹たちまで(年長といっても10代ですが)手助けに駆けつけて、母親の負担を減らすからです。私の個人的な見聞を一般化できないことは承知していますが、要は、子供を持つお母さんをサポートする体制があれば、我々が一般に想像する以上に子供は持てる、と言いたかったのです。ちなみに、この夫婦とその一族もローマ・カソリックです。

そのご夫婦はかなり特殊な例かと思われます。一般には強いられでもしない限り、先進国でそれだけの数の子供を産みたいという女性は少ないのではないでしょうか。サポート体制がどれほどあろうとも、やはり学業や仕事の差し支えにならない訳はないと思いますから。
もちろん学業にも関わっておらず、賃金を得られる仕事についていないとなれば話は少々違ってきましょうが、その場合はほとんど出産・育児マシーンと化すことは避けられないでしょう。当人がそれで幸福ならばそれでいいのですが、なかなかそうもいかないようです。

クローンはともかく、人工子宮による出産、政府による新生児のマニュファクチュア化は可能かどうか考えてみました。技術的には不可能ではないと思いますが、親権が最初から存在しない(というよりも政府にある)新生児が大量に生まれてきた場合、その子たちは最初から孤児院のような場所で育てられることになりますが、決して良い結果が得られないように思います。
養育監督官(と呼んでおきます)は当然、どの子供に対しても公平が求められますが、仮にそれが可能だったとしても、誰に対しても公平ということは誰に対しても不公平ということになり、乳幼児期に絶対に必要な無私の愛情が得られないことになります。その場合、その子供たちの人格形成にさまざまな問題が生じ、それに対応する社会的コストは膨大になるでしょう。
また、一般家庭においても通常の出産が行われるとすれば、親がいる子といない子の間にもろもろの格差が生じ、政府によって作り出された子供たちは二級市民化していくことが考えられます。
余り望ましい予想図ではないですね。

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Re:続・経済学的に正しい銀英伝

投稿者:倉本
2002年10月01日(火) 11時53分

> 亡命者は黒人・日系人のように身体的特徴から一見してそれと判るわけではありませんから、好況期には所得を得て「元々の同盟国民」に溶け込んでしまう。差別する側も誰が被差別階級だったかが判らなくなってしまい、結果差別意識は持続しない。

私はそうは思いませんよ。
現実に日本には日本人と何も変わらないの差別されてる問題があるじゃないですか。
いわゆる同和問題というやつです。
外見からわからなければ差別がなくなるならこの問題はどうしてなくならないんですか。

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Re:続・経済学的に正しい銀英伝

投稿者:准提督
2002年10月01日(火) 15時32分

> 現実に日本には日本人と何も変わらないの差別されてる問題があるじゃないですか。
> いわゆる同和問題というやつです。
> 外見からわからなければ差別がなくなるならこの問題はどうしてなくならないんですか。

これは大変失礼いたしました。同和問題を無視したかのような書き込みになってしまいました。全く私の不見識の極みであり、無神経な発言でした。反省いたします。大変申し訳ありませんでした。

ただ、次の事は申し上げておきたい。
第一に、同盟においては亡命者が被差別部落の人々のような不当な差別を受ける可能性は低い、ということです。同和問題のような同一民族内における差別は世界的に見て極めて稀有な事例です。その世界的に恥ずべき事例が日本で発生してしまったのは江戸時代の身分制度・さらにそれ以前からの悪しき伝統があったからです。これに対し同盟における亡命者差別はダゴン星域会戦後の亡命者歓迎ムードが終わったさらにその後に発生し得るものであって、憎むべき伝統は存在しません。
第二に、仮にそのような愚かしい亡命者差別が発生したとして、亡命者達はおとなしく差別されるがまま甘んじているでしょうか。帝国における農奴と同一レヴェルに貶められる事に無言でいるでしょうか。もちろん「否」です。彼らには表現の自由があり、結社の自由があり、なにより選挙権があります。彼らはメディアに訴え、反差別組織(同和問題における部落解放同盟や全国自由同和会、アメリカの各種黒人団体のような)を結成し、票をタテに政治家に圧力をかけるでしょう。相当な人数の亡命者票欲しさに、また「差別と戦う政界の闘士」の称号欲しさに、政治家達は彼らに対する差別を除去する努力をするに違いありません。結果、同和対策事業やアファーマティヴ・アクションのような、亡命者差別廃絶の措置が取られるでしょう。

つまり私が2925の書きこみで申し上げたかったのは、SAIさまのおっしゃるような階級分化・固定化は、議会制民主主義を採用している同盟では発生し得ない、ということなのです。SAIさまの説は経済的側面に着目するあまり同盟社会の政治的側面を全く無視している、と私は考えたのです。
差別問題に関する不見識な発言は謹んで訂正させていただきますが、それとは別に、この本論の方は今のところ訂正はしません。

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board4 - No.2933

Re:人口学的に正しい銀河英雄伝説

投稿者:イワン
2002年10月01日(火) 19時21分

こちらのサイトにははじめて書き込むイワンと申します。

同盟側の人口の急増ですが、私は同盟の国勢調査員による「ロスト・コロニー」の発見もあったのでは、と思います。
平家の落人村が明治に発見されたような感じで。
銀河連邦が衰退に向かい、宇宙海賊の横行によりいくつかの航路が閉鎖される。もしくは宇宙海賊が新天地を求めて未知の宇宙へと旅立っていく。
こうして歴史から取り残された星系にはハイネセン一行とは別の要素をもった集団もあり、それが同盟の人種の多様さにもつながっているのではないかと思います。

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Re:人口学的に正しい銀河英雄伝説

投稿者:SAI
2002年10月01日(火) 21時04分

> Jean-Noel Birabenという人口学者の推計によると、中世初期には世界人口が減少し、それが400年ほど続いたそうです。つまり3世紀の半ば頃人類の総数は4億くらいあったのが、7世紀の半ばには2億5000万程度になったと。(その後はまた増えます。)中国では漢が滅んでから唐が興るまで、ヨーロッパではローマ皇帝の権威が大いに失墜した時代から、ゲルマン人の国フランクが隆盛するまで、中東でもイスラムの成立に先立つ数世紀にあたり、いずれも古代帝国の衰退から中世の帝国ができるまでの時代に相当します。それを「文明の崩壊」と呼ぶかどうかは、「文明」の定義にもよるでしょうが、自然科学が隆盛した古代文明が衰えたことは間違いありません。アジモフのファウンデーション・シリーズは、これと同じことがはるかな未来に銀河系を舞台にして起こるという話で、以前に書いたように、銀英伝はいろいろな点で、これを換骨奪胎しています。

この時代においては、蛮族の大移動にともなう破壊や殺戮、ペストの大流行、社会秩序の崩壊、集約的農業技術の喪失による収穫量低下、寒冷化による世界的異常気象と人口がへるよっぽどの異常事態が起きていた時代です。銀英伝の世界はそこまでの異常事態が起きているとは思えませんでしたが。
>
> 私は、「人口減少はありうる」説を採ります。たしかに、4億が400年で2.5億になるのと、3000億が500年で250億になるのでは、ものすごい違いがありそうですが、実はそれほどでもありません。前者は400年で0.625倍になったのであり一年あたり0.1%の減少、後者は500年で0.083倍になったのであり一年あたり0.5%の減少です。
>
> 増加にせよ、減少にせよ、「複利計算」の威力をなめてはいけないと思います。数世紀にわたって一つのことが続くと、直感的な予想をはるかに超える効果が現れます。

数学の世界ならともかく現実世界では「複利計算」のとおりにすすむ物事はありません。そもそも数世紀にわたって一つの事が続くなどということは、数世紀にわたって人間が全員そろって愚かで人口減少という問題にたいして何の対策もしなかったし、さらに人口が減少したにもかかわらず状況が大きく変化しなかったというありえない仮定をすることになります。
さらにいえば400年間で4億から2億5千万人まで減った時代でも毎年少しずつ減少したわけではなく、ある短い期間に大幅に減少したのです。

帝国の現状から考えて人口が減少するほどのよっぽどの異常事態が起きていたとは思えませんし、そこまでの事態が起きたら帝国を維持できないではないかと思います。

収録投稿78件目
board4 - No.2937

Re:人口学的に正しい銀河英雄伝説

投稿者:イッチー
2002年10月01日(火) 21時19分

Kenさま

> 再びCIAのサイトで2001年の1000人あたりの出生数−死亡数を見ると、コンゴ30.9人、マリ30.1人、ウガンダ29.6人、ソマリア28.9人、シエラレオネ25.9人あたりが人口増加が最も激しいようです。同盟の人口増加速度はコンゴの1.6倍で、確かに非常に高い数字には違いありませんが、絶対ありえないほど懸絶したものでもないのでは?

 確かに計算はKenさんが正しいです。失礼しました。上記の通りなら、発展途上国並みの出生率と先進国並みの死亡率を維持すれば、なんとか実現出来そうですね。ただし、純粋な長征1万光年を敢行した人々の子孫だけでなく、一部には帝国から逃亡して、偶然、同盟領にまぎれこんでしまった人々も同盟国民に加わったと思います。

 で、同盟における差別問題が議論されていますが、私は存在したと思います。それは長征1万光年を敢行した人々が16万から3150万人にまで拡大したとしても、ダゴン以後は帝国から大量に移民が流入してからはとりあえず労働力が確保されたことで人口拡大の意欲が衰え、出生率が低下する一方、帝国からの移民は際限なく拡大し、同盟を建国した人々の子孫が少数派に転落する危険性が出てくるからです。おそらく、同盟を建国した人々の子孫は帝国からの移民の増大によって、アーレ・ハイネセンの民主主義思想が変質するのを防ぐためと称して、次のような政策をおこなったのではないでしょうか。
@徹底的な思想統制。同盟では一時、憲章擁護庁が設けられたと書かれていますが、移民として同盟に帝国のスパイが入国するのを恐れて、移民の思想・身上調査がプライバシーの権利の侵害を承知でおこなわれたことでしょう。このような調査は同盟を建国した人々の子孫には適用されなかったでしょうから、移民の不満を招いたことは間違いありません。
A「出身成分」制の導入。北朝鮮には出身成分というのがあって、国民を核心層(抗日パルチザン闘争の闘士の子孫・軍人遺家族の子孫・労働党員)、動揺層(植民地時代に普通の市民だった人々の子孫)、敵対層(地主・資本家・対日協力者の子孫、一族の誰かが韓国に逃亡した人々)に分類しているそうです。おそらく、同盟でも核心層(同盟建国者の子孫・軍人遺家族)、動揺層(帝国からの移民で、帝国で平民階級だった人々)、敵対層(帝国からの移民で、帝国で貴族階級にあった人々・帝国に逆亡命した人々の家族)のような分け方をしているのではないでしょうか。もちろん、北朝鮮のような露骨な差別はしてないでしょうが、核心層が軍や官界・政界などで優遇され、敵対層は警察や憲兵の監視対象になっていると思います。そうでもしないと、同盟建国者の子孫は自分たちの優位を確立できず、民主制を取っている以上、移民たちにイニシアチブを奪われるからです。仮に制度化しなくても、同盟建国者の子孫たちは軍・官界・政界での人脈を生かして、人口以上の影響力をふるっており、移民たちの子孫と比べて特権的な立場にあると思います。

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board4 - No.2938

Re:続・経済学的に正しい銀英伝

投稿者:Ken
2002年10月01日(火) 21時48分

准提督さん、

>同和問題のような同一民族内における差別は世界的に見て極めて稀有な事例です。

私もそうであってほしいと思いますが・・・
例えば、インドの下級カーストや中国の客家なども、同一民族内差別の犠牲者ではないでしょうか?ジプシーは、その起源は異郷からの流民ですが、すでに数百年にわたって、「差別する側」と同じ顔になり、同じ言語を話しているのではないでしょうか?

もっとも全体の主旨としては、准提督さんの言われることは分かります。同和部落も、カーストも、客家も、ジプシーも、近代の市民社会が成立するはるか前に概念が作られ、人々の意識の中に差別意識が刷り込まれてしまったものですからね。一旦近代社会が成立し、職業選択の自由や居住地選択の自由が常識として受け入れられると、この種の差別(ある職業は「業が深い」とか、本籍地がない人間は「浮浪」であるとか)が作り出される可能性は、ずっと小さくなるのだろうな、とは思います。その代わりに、どういうわけか、見た目の違い、つまり人種に基づく差別は激しくなるようですが。

これに加えて、自由惑星同盟の場合は、はじめから銀河帝国という強力な外敵がいるので、わざわざ国内を分裂させるような差別は作らないでしょう。この点、外敵が現れる前に農奴を差別する体制を作り、一旦作ってしまうと、外敵が現れたからといって、簡単には社会構造を変えられない帝国とは、大いに事情が異なると思います。

収録投稿80件目
board4 - No.2941

Re:人口学的に正しい銀河英雄伝説

投稿者:Ken
2002年10月01日(火) 23時20分

SAIさん、レスをいただきありがとうございます。今後とも大いに議論を楽しみましょう。:-)

>この時代においては、蛮族の大移動にともなう破壊や殺戮、ペストの大流行、社会秩序の崩壊、集約的農業技術の喪失による収穫量低下、寒冷化による世界的異常気象と人口がへるよっぽどの異常事態が起きていた時代です。

これらのことが起こったかもしれませんが、歴史的に見て、それはこの時代に限ったことでしょうか?

「蛮族による殺戮」
ゴート族のローマ劫略や匈奴・鮮卑の華北制圧を言っておられるのだと思います。その通りですが、例えば13世紀にジンギスカンが、14世紀にティムールが、そして16世紀にスペイン人が新大陸で行った大量殺戮と比べて犠牲者の数が多かったのでしょうか?私には、むしろ、中世初期の「蛮族」は、それなりに先進文明への憧れをもっており、千年後の「蛮族」ほどには徹底した破壊を行わなかった、という印象があります。

「ペストの流行」
私が知る限りで、史上最悪のペスト禍に人類が襲われたのは14世紀です。この時に、まさしくSAIさんの言われるように、人口が「ある短い期間に大幅に減少した」のです。しかし、100年も経たないうちに上昇に転じています。これは中世前期の持続的な人口減とは、性質を異にするように、私には思えます。

「社会秩序の崩壊」
もちろん漢やローマが滅んだときにそういうことがあったと思いますが、それは唐や明が滅んだときも、百年戦争や三十年戦争のときも、同様ではないでしょうか?

「農業技術の喪失」
技術の喪失は、確かに中世の大きな特徴です。そして、これこそ私が言いたかったことの一つで、戦争や疫病や国家の滅亡のような「事件」とは性質を異にし、出生率の低下と同様、人間の活力が(正確には、物質的充足を追及する活力が)低下したことの現れだと思います。

「寒冷化」
やはり私の理解では、歴史時代になってから、最も寒くなったのは14世紀です。「ミニ氷河期」という言葉が、この時代のために使われています。

結論として、中世前期(3世紀から7世紀にかけて)の、人口の長期低落傾向は、他の時代に例をみない事象であるにも関わらず、人間が大量に死ぬ理由が、他の時代より多く見られるとは思えません。最も考えられる理由は、やはり人々が子供を作らなくなったことだと思います。

>数世紀にわたって人間が全員そろって愚かで人口減少という問題にたいして何の対策もしなかった

対策をしなかったのではなく、対策を講じようがなかったのではないですか?地中海や華北を中心に栄えた古代文明が衰亡した最大の原因は、唯一のエネルギー源であった木を切りすぎて、山という山を丸禿げにしたことにあるといいます。これでは物質的な拡大は不可能であり、人口を増やしても食わせることができません。さらに、そういう状況がある程度継続すると、それを前提にした社会体制が固まり、今度はその体制自体の自己保存本能が機能して、変化を妨げるでしょう。銀河連邦の末期から進行した現象も、まさにそれではないでしょうか。

現実の歴史では、結局、森林資源が豊富に残っていたアルプス以北や江南が開発され、さらに代替エネルギーとして石炭が登場してから、物質文明も人口も回復を始めました。その後も、戦争や疫病や帝国の滅亡やミニ氷河期は起こりましたが、中世前期のような人口の長期低落は起こりませんでした。

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board4 - No.2946

Re:続・経済学的に正しい銀英伝

投稿者:SAI
2002年10月03日(木) 00時18分

では、政治の方面からも考えましょうか。

ダゴン以後、帝国からの亡命者が同盟に侵入してきます。彼らは同盟市民が嫌がる仕事を低賃金でやらされます。
実はこのときから差別が始まります。亡命者達にやらせるようになった仕事は二度と同盟市民はやろうとしなくなります。あのような仕事はまともな同盟市民がやるような仕事ではない。亡命者がやる仕事だ、と。
さらにいえば亡命者全員には市民権を与えないでしょう。なんらかの条件をつけるはずです。もし全員に与えれば同盟は帝国からの亡命者にのっとられます。同盟市民に同化するはずだというでしょうが、初期の亡命者の数が少なかったころはなんとか順応し、同化しようとします。が初期の亡命者達が自立すれば、今度は彼らを頼って亡命者達がどんどんやってきます。亡命者の数は雪だるま式に増え、彼らのつまり帝国の発想と慣習が社会の底辺にひろまってゆきます。
 亡命者の数が増えれば亡命者達だけがすむ地域や集団が形成され、そのなかでは同盟に順応し同化する必要がなくなります。いやむしろ帝国の発想と慣習に従うほうが近隣に喜ばれます。なまじ同盟に順応すると
裏切り者とか、ごますり野郎とか呼ばれることになります。
さらに言えば、同盟市民のなかからも反動的な帝国の慣習のなかにも学ぶべきものがあるといいだす「進歩的」な人種が出てきます。

このような状況では亡命者全員には市民権は与えません。極限られた人間にのみ与えます。全員に与えたら最後、民主主義的手続きにのっとって同盟が帝国化します。少なくとも同盟市民達はそう思い込みます。
このまま亡命者にいられては同盟はのっとられる、自分達が少数派になってしまう、奴らに出ていってほしい、でもでていかれて今の安楽な生活を捨てるのもいやだとなると、差別と迫害はそれはそれはすさまじいものになります。

亡命者票欲しさに、また「差別と戦う政界の闘士」の称号欲しさにこの問題に取り組む政治家は出るでしょう。その代わり彼らは同盟市民の反発を受けます。「奴らは票欲しさにそんな寝言をほざくのだ」とね。メディアが亡命者を訴えを取り上げ、彼らの訴えを聞かないとなると彼ら同盟市民達が不平不満を抱き始めます。

そしてそのうち彼らの不満をバックに亡命者排斥、差別、迫害せよと叫ぶ政治家が出てきます。政権を維持、もしくは奪取するためによそ者の問題を利用しようというわけです。

さらに言えば同和対策事業やアファーマティヴ・アクションのような、亡命者差別廃絶の措置では差別は残念ながらなくなりません。特にアファーマティヴ・アクションのような措置では同盟市民の不満をあおります。「やつらばかり優遇される。これは逆差別だ」とね。
不平と不満は差別と迫害に向かいます。

結局ここにやってくるんです。

今回は経済学じゃなかったですね。経済学はまた今度やります。

収録投稿82件目
board4 - No.2947

Re:続・経済学的に正しい銀英伝

投稿者:イッチー
2002年10月03日(木) 00時29分

SAIさま
 ダゴン星域会戦のときの同盟の人口が約3150万人説がここでは有力かつ私も支持しているので、公仮定します。ヤン登場のときの同盟の人口は130億人。ダゴン以後、大量の亡命者の流入で同盟建国者の子孫たちの無理な人口拡大政策もとりやめになり、出生率は大幅に低下するでしょうから、ヤン登場のときの同盟建国者の子孫は1億にも満たないでしょう。同盟のほとんどは亡命者たちによって占められることになります。同盟建国者の子孫たちにとって、民主主義が何たるも知らぬ亡命者たちが大量に流入し、自分たちよりも多数派となり、自分たちの既得権益を脅かすことは脅威であったでしょう。そこで、同盟政府は「出身成分」制の導入に踏み切ると思います。出身成分については2937をごらんください。

収録投稿83件目
board4 - No.2950

Re:人口学的に正しい銀河英雄伝説

投稿者:Ken
2002年10月03日(木) 08時11分

おはようございます。

イッチー様、

>ダゴン以後、大量の亡命者の流入で同盟建国者の子孫たちの無理な人口拡大政策もとりやめになり、出生率は大幅に低下するでしょうから、ヤン登場のときの同盟建国者の子孫は1億にも満たないでしょう。

人口増減の「複利計算」そのものに疑問を持つ方もおられることは承知の上で、あえて続けさせていただきます。

結論からいえば、宇宙暦640年のダゴン会戦時に3150万の人口があったのなら、796年のアスターテ会戦時に130億に達するための増加率はぐっと低くなり、もはや大量の亡命者をあてにする必要もなくなります。

[計算プロセス]
1.3150万から130億は、413倍の増加
2.S.E.640年から796年までは、156年
3.ゆえに、年間の増加率は413の1/156乗で1.0394、1000人あたり39.4人
4.新生児の親の平均年齢が25歳と仮定すると、女性一人が産む子供の数は
   1.0394の25乗で2.63

注:3から4、つまり増加率から女性一人当たりの産児数は、直接には計算できません。(あるいは、できるのかもしれませんが、私には思いつきません。)よって、ここでは全女性が25歳のとき一斉に出産し、しかもその世代の出産はその一回きり、という仮定をしています。年々の詳細な推移を問題にする場合には、こんな仮定は馬鹿げていますが、数世紀の長期的傾向を予測するためなら使えるのではないかと思います。

同盟の存在が帝国に知られて後は、帝国が亡命を妨害するでしょうし、イゼルローン回廊とフェザーン回廊のみ見張っておれば、人民が同盟へ逃げるのを防げますので、帝国人の同盟への大量流入は難しいのではないでしょうか?(銀英伝に亡命者の数に関する具体的な記述はあったでしょうか?)

収録投稿84件目
board4 - No.2951

Re:人口学的に正しい銀河英雄伝説

投稿者:Ken
2002年10月03日(木) 09時02分

すみませーーーーーん!
まちがえましたああ!!!!

> 4.新生児の親の平均年齢が25歳と仮定すると、女性一人が産む子供の数は1.0394の25乗で2.63

すべての人間が子供を産むのなら、この計算でよいのですが、それができるのは、もちろん人類の半分ですからね。Total Fertility Rateは

5.26

でなければなりません。(前に私自身がやった計算結果と違いすぎるのでおかしいと思った。)さらに、10人に1人が子供を作る前に死ぬと仮定すると、さらに増えて5.79・・・・

やっぱり移民が必要かな?

収録投稿85件目
board4 - No.2954

Re:人口学的に正しい銀河英雄伝説

投稿者:SAI
2002年10月04日(金) 00時08分

Kenさん、それでは今日もいきますか。

>歴史的に見て、それはこの時代に限ったことでしょうか?

一つ一つを見ればこの時代に限ったことではありませんが、これら全てが先進地域=人口過密地帯全域で起こったのは今のところこの時代だけです。

「蛮族による殺戮」
後の時代に比べれば少なかったかも知れませんが、高度に文明化された社会は実は損害に対して弱いんです。なぜなら人間も含めてあらゆる社会の機能は微細かつ限定的になり、さらに他のあらゆる機能と依存しあうようになるからです。そしてどの機能が一つ失われただけでもシステム全体が麻痺することがあります。先進地帯の文明国の人口はシステムが正常に作動することのみで維持できます。後の時代よりも破壊の度合がすくなくてもダメージそのものははるかに大きいわけです。

「ペストの流行」
確かに史上最悪のペスト禍に人類が襲われたのは14世紀ですがこの時代もそれはそれはひどいものです。

社会秩序の崩壊
この時代においては当時の先進地域全てが崩壊してしまいました。
それは唐や明が滅んだときも、百年戦争や三十年戦争のときとは違います。

「寒冷化」
西暦535年の後の数年間の当時の伝承はそれはそれはすさまじいものです。

太陽から合図があったが、あのような合図は、いままでに見たこともないし、報告されたこともない。太陽が暗くなり、その暗さが1年半も続いたのだ。太陽は毎日4時間くらいしか照らなかった…」

『教会史』エフェソスのヨーアンネス

「日光は一年中、輝きを失って月のようだった」
東ローマの歴史家プロコピオス

春は穏やかではなく、夏も暑くなかった。作物が生育すべき何ヶ月間かは、北風で冷え冷えとしていた。雨は降らず、農民は、また寒気に襲われるのではと恐れている
カッシオドース

旱魃のため勅令が下された。死体は埋葬すべしという内容だった。…当局は、市門で水を配ることとした
北史

南京に黄砂が押し寄せ「黄色い塵が手一杯すくいあげられた」
南史

食は天下の本である。黄金が満貫あっても飢えを癒すことができない。真珠が一千箱あっても、どうして凍えるのを救えようか」。
日本書紀

535年に続く数十年間は小氷期も含めて過去2000年間の中で最悪でした。この異常気候のなか疫病、飢餓、戦争により人口が激減しました。そのなかでインフラが崩壊し、生産性が低下し養える人口の絶対数が減ってゆきます。
人々が大量に死ぬ原因はあるのです。

さらにいえばこの時代は人間は大量に生まれました。少なく生むとういうのは少なく死ぬ時代の話であって、子どもが大勢死ぬ時代には多く生まれます。

また確実に北方の蛮族達の数は増加しました。古代では西方ではライン河の向うにしかいなかったゲルマン人達が中世にはヨーロッパ全域に住み着いてました。

東方では五胡十六国から唐と中国に異民族が大量に流入した時代です。

ではなぜ北方の蛮族の人口が増えたにもかかわらず世界人口が減ったかというと、蛮族達の人口はもともと少なかったからです。先進地域の文明国はKenさんのいうとおり唯一のエネルギー源であった木を切りすぎて、山という山を丸禿げにしてしまい、インフラを維持できなくなり自壊してゆきます。飢え、戦争、疫病でどんどん人は死んでゆきます。その数は蛮族たちの増える数の比ではありません。

崩壊する古代帝国、勃興する蛮族たち、人口増加直線と人口減少直線がクロスしたのが7世紀だったのでしょう。

付録
全部で100人養える土地があるとします。ここにAからEまでの集団があり、それぞれの集団には20人ずついるとします。この状況で50人しか養えなくなればどうなるか?なおこの問題は数学の問題でありません。生物学の問題です。

答え
どれか一つの集団が残りの集団全てを滅ぼして50人に増える。

これは一つのモデルですが現実でも環境が悪化すれば同じようなことが起きます。全体として数は減ってもある特定の集団だけはふえるということが。

人類社会全てで出生率が下る事は過去にも無かったし、これからも無いと思います。

それに3世紀から7世紀にかけて人口が減った時代に古代帝国は亡び、高度な技術で武装した巨大な軍隊は維持できなくなりました。
東ローマ帝国の軍隊も蛮族の傭兵軍団です。
それと同じ事が起きているなら銀河帝国は崩壊し、万の単位の宇宙艦隊というものは存在できないと思います。宇宙艦隊に必要な技術と経済力は膨大な人口が無くては無理でしょう。なお黒旗軍の時代
はもっと少なかったと言うでしょうが、あのときとは社会の維持コストそのものが違います。3000億から減少してゆく過程で社会機能のいくつが失われ社会全体が麻痺し、維持コストが払えなくなり、後は人口減少、インフラ崩壊、生産性低下、技術力後退、財政破綻と艦隊維持のための条件が崩壊してしまいます。
人口にあわせるなら状況が矛盾しているし、状況にあわせるなら人口が矛盾していると思います。

収録投稿86件目
board4 - No.2955

Re:続・経済学的に正しい銀英伝

投稿者:イッチー
2002年10月04日(金) 01時29分

Kenさま

 確かに計算上は16万人が130億まで増えるのも可能でしょうが、実は私は「エンサイクロぺディア 銀河英雄伝説」でユリアンの祖母の説明が「ミンツ家が長征1万光年以来続く名家であることを誇りとし、息子(すなわち、ユリアンの父)が帝国からの亡命者と結婚したことを生涯許さなかった」というようなことが書いてあり、同盟建国者の子孫であることが「名家」であり「誇り」となるくらい、同盟では希少価値があると思ったのです。ならば、ユリアンの父が結婚した時点で同盟建国者の子孫は少数派となり、移民が多数派となっていると思ったのですが・・・。

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board4 - No.2957

Re:続・経済学的に正しい銀英伝

投稿者:倉本
2002年10月04日(金) 11時14分

実際に亡命者がどれくらい同盟で差別されてるかはわかりませんが。
私としては在日韓国人くらいだろうと思います。
基本的に亡命者たちは同盟の国籍を持っておらず国籍取得を希望する場合は同盟政府による審査を受けてそれに合格する必要がある。
国籍を取得したらあらゆる面で一般の同盟国民と同じ扱いを受けることができる。
そうでない場合は選挙権被選挙権公務員になる権利などに制約を受ける。
基本的にそれ以外では普通に生活をしている限りでは特に問題はない。
ただ一般の同盟国民の中には亡命者と知ると嫌な顔をしたり露骨な差別をする人間もいる。
もちろん何も気にしない人間もいる。
とまあこんな感じではないでしょうか。

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