QLOOKアクセス解析


反銀英伝・設定検証編
3−C

銀英伝の軍事機構(3)


前のページへ このコンテンツの
全一覧ページへ
次のページへ

No. 1297
「帝国正規軍」と「私兵集団」
北村賢志 2002/01/02 13:54
久しぶりの書き込みです。
「銀英伝」1,2巻の描写を見ると、帝国軍は「中央政府の直轄軍」と「貴族の私兵集団」の2通りの軍が存在するように見受けられます。
ですがこれには疑問があります。まずゴールデンバウム王朝が群雄割拠の戦国時代をルドルフが統一した存在であれば、地方に軍閥が多数存在する事はさほどおかしくありません。
しかしご存じのようにゴールデンバウム王朝は民主主義的に造られた統一政体を乗っ取ったものであり、当初から群雄割拠の状態とはまず考えられません。また仮に軍閥が多数存在していたとしても、全員が白人と言うことはあり得ないですから、貴族に選ばれない有色人種の軍閥が内戦を引き起こすことはまず間違いないでしょう(黙って唯々諾々と自分たちの支配地域を譲り渡す方が非現実的です)。
つまり「貴族の私兵集団」は500年に渡る統治の間に生まれた事になります。
「そのような事が許されるのか」という点をひとまずおくとしても、その場合何の為に造られるかと言えば間違いなく、宇宙海賊の取り締まりのような「領地の警備」つまり「軍事」よりも「警察活動」に重点を置かれた、つまり海上保安庁的な存在になるはずです。
当然、個艦の大きさ、艦隊の規模・編成や活動範囲、兵站などあらゆる面で帝国の正規軍とは比較にもならないでしょう。特に自由惑星同盟との戦争に突入してからは、正規軍は遙か離れた同盟領への侵攻を主目的としていたのですから、なおのことその形態は異なっているはずです。恐らく海上保安庁と米海軍ぐらいかけ離れた存在でしょう。
勿論「領地が切り取り放題」と言うわけでもないのに、貴族達が私財を投げ打って何の益もない同盟領侵攻目的の軍を造るとは考えられません。それにそのような私兵の存在が認められれば、首都オーディンを奇襲攻撃される危険性もあるわけで、常識的には創設すら認められないと思われます。
つまりリップシュタット戦役で貴族側として戦われた戦力は、そもそもガイエスブルグに集結することからして大問題だと考えざるを得ません。
ところが小説の描写を見る限り「貴族の私兵集団」は少なくとも艦においては同等で、また何万隻という単位で行動することもそれ自体は問題なさそうです。
メルカッツやファーレンハイなどもそちらの点は全く問題にしている様子がありません。
つまり貴族の私兵集団は基本的に帝国正規軍と全く同じ存在、言い換えれば「賊軍」となったが故に「私兵集団のレッテルを貼られた正規軍」と考えなければつじつまがあわないのです。
ここはやはり「銀英伝」の記述はローエングラム王朝と共和主義者達の主張だけを取り入れたために貴族連合にとって著しく厳しい評価が下されているとするべきでしょうか。


No. 1300
Re:「帝国正規軍」と「私兵集団」
佐々木公彦 2002/01/03 04:35
海上自衛隊や海上保安庁とは、規模が違いますから、巡視船のような船を作るより、軍艦を巡視船として使うほうが安く済む可能性もあると思います。何しろ数万席単位の生産規模ですから。
あとは、ルドルフ大帝の死後5世紀、なんだかんだと理屈をつけ、貴族たちが勝手に軍艦を私有していったのでしょう。
何しろ貴族財産はよほどのことがない限り、帝国からも不可侵に近い状況だったようですので。


No. 1301
もう一個思いついた
佐々木公彦 2002/01/03 04:38
実は貴族連合はみんな、フラウンシュバイク元帥府所属(笑)
だったら問題なし。
彼、予備役元帥だから(笑)


No. 1305
Re:「帝国正規軍」と「私兵集団」
てんてんdwp 2002/01/03 13:32
貴族が全員ルドルフまたは親友の血縁という可能性はどうでしょう。
ラインハルトが血縁関係を利用してのし上がったのと同じ理屈です。
ルドルフがいくら権益を得ても一人でどうにかできるわけではない
でしょう。むしろそのほうが不自然です。
・初めの権益は全てルドルフにあった
・500年の間に権益はその多数の血縁に譲渡分散されていった
・それが貴族連合という形になった
こう考えれば全員が白系の遺伝子というのも当たり前です。
こういった例は戦史を見ても多数あります。
たとえば徳川時代が思いつくでしょう。


No. 1310
Re:「帝国正規軍」と「私兵集団」
楽描屋 2002/01/03 21:32
軍事とは。「我が意思を相手に強制させる政治活動である」というクラウゼヴィッツの定義に反対なさる方はいらっしゃらないと思います。
つまり、軍事力というものは「意思を強制させる道具」なわけです。
国家権力を保障するのは、実は軍事力だけであり、軍事力を自由に行使できる状態に無い国家は、いかに表向き独立を標榜していても事実上の他国に隷属している事も言うまでもないことでしょう。

つまり、銀河帝国においては、各貴族領は合州国における州に相当し、各貴族の私兵は州軍に相当するのではないでしょうか?
これで、まず各貴族が私兵を保有する理由がかなり低い、しかし私兵を保有している状態を説明できると思います。
銀河帝国の版図は極めて広く、中央集権型の統治形態ではソ連や中華人民共和国の様にシステムが動脈硬化を起こし、500年近く統治を継続させることは不可能ではないかと考えます。
また、銀河帝国の前身は銀河連邦であり、原作のイメージからするならば現代のアメリカ合州国に近い連邦国家と考えて良いとも思います。
つまり銀河帝国は、銀河連邦と同様に広大な版図を分割して統治し、各々の自治体に権力の源泉としてある一定の軍隊を保有する権利を認めていたというものです。

このシステムの利点ですが、まず主権者である皇帝から見て、地方自治の責任者が明確であるという事があげられると思います。
つまり、ほぼ完全にシステムとしての独立性と完結性をもった各貴族領内での失政は各々の貴族にその責任があるわけですから、かつての日本の藩と同様必要に応じて統治責任者である貴族の首をすげ替えるだけで皇帝の仕事は済むわけです。
中央から派遣される官僚に政治を担当させると、各々の地域ごとの特性に見合った統治を行うことは困難であり、現代の日本と同様の均質化と硬直化を招くのではないでしょうか。
さらに、各々の官僚の任命責任は皇帝にかかってくるわけですから、官僚の失敗は皇帝の失敗として責任追求がおろそかになる可能性が極めて高くなると予想されます。
ここで貴族の私兵は、各貴族の領民と金で動員編成され兵站を維持させることで、国家財政にかかる負担をかなり減らすことが出来る事も考えられます。
各貴族領内での治安維持と通商網の安定化は、この私兵に任せられ、平時は各貴族領内において警察力及び、各貴族の統治の為の権力の源泉として存在し、戦時には皇帝の直轄軍である親衛軍のサポートととして運用される事になる、という事です。
戦時においては、敵と交戦する為の部隊以外にも、膨大な数の部隊が必要とされます。
後方警戒や、前線の部隊の補充、敵の脅威度の低い宙域での哨戒、等々。
こうした第二線級の部隊まで、中央政府が全て面倒をみるのは、さすがに経済的に難しいのではないでしょうか。

各貴族の保有する私兵を質的量的に凌駕する直轄軍を保有し、宣戦布告の権限と私兵を含めた全軍への統帥権を皇帝が独占している限りにおいては、ある程度の戦力を各貴族が保有するのは帝国全体を統治する上では、柔軟性と自由度を保ち続ける上で悪くないアイデアではないかと思います。


No. 1311
Re:「帝国正規軍」と「私兵集団」
不沈戦艦 2002/01/03 21:44
> 久しぶりの書き込みです。
> 「銀英伝」1,2巻の描写を見ると、帝国軍は「中央政府の直轄軍」と「貴族の私兵集団」の2通りの軍が存在するように見受けられます。
> ですがこれには疑問があります。まずゴールデンバウム王朝が群雄割拠の戦国時代をルドルフが統一した存在であれば、地方に軍閥が多数存在する事はさほどおかしくありません。
> しかしご存じのようにゴールデンバウム王朝は民主主義的に造られた統一政体を乗っ取ったものであり、当初から群雄割拠の状態とはまず考えられません。また仮に軍閥が多数存在していたとしても、全員が白人と言うことはあり得ないですから、貴族に選ばれない有色人種の軍閥が内戦を引き起こすことはまず間違いないでしょう(黙って唯々諾々と自分たちの支配地域を譲り渡す方が非現実的です)。
> つまり「貴族の私兵集団」は500年に渡る統治の間に生まれた事になります。
> 「そのような事が許されるのか」という点をひとまずおくとしても、その場合何の為に造られるかと言えば間違いなく、宇宙海賊の取り締まりのような「領地の警備」つまり「軍事」よりも「警察活動」に重点を置かれた、つまり海上保安庁的な存在になるはずです。
> 当然、個艦の大きさ、艦隊の規模・編成や活動範囲、兵站などあらゆる面で帝国の正規軍とは比較にもならないでしょう。特に自由惑星同盟との戦争に突入してからは、正規軍は遙か離れた同盟領への侵攻を主目的としていたのですから、なおのことその形態は異なっているはずです。恐らく海上保安庁と米海軍ぐらいかけ離れた存在でしょう。
> 勿論「領地が切り取り放題」と言うわけでもないのに、貴族達が私財を投げ打って何の益もない同盟領侵攻目的の軍を造るとは考えられません。それにそのような私兵の存在が認められれば、首都オーディンを奇襲攻撃される危険性もあるわけで、常識的には創設すら認められないと思われます。
> つまりリップシュタット戦役で貴族側として戦われた戦力は、そもそもガイエスブルグに集結することからして大問題だと考えざるを得ません。
> ところが小説の描写を見る限り「貴族の私兵集団」は少なくとも艦においては同等で、また何万隻という単位で行動することもそれ自体は問題なさそうです。
> メルカッツやファーレンハイなどもそちらの点は全く問題にしている様子がありません。
> つまり貴族の私兵集団は基本的に帝国正規軍と全く同じ存在、言い換えれば「賊軍」となったが故に「私兵集団のレッテルを貼られた正規軍」と考えなければつじつまがあわないのです。
> ここはやはり「銀英伝」の記述はローエングラム王朝と共和主義者達の主張だけを取り入れたために貴族連合にとって著しく厳しい評価が下されているとするべきでしょうか。


 なかなか面白いですね。「貴族たちが私兵を保有している理由」としては、北村さんが仰られている通り、「宇宙海賊退治」くらいしかあり得ません。とすると、リップシュタット戦役における「私兵」たちも、実は正規軍の一員であった、という説は整合性があると思います。

 でも、そうだとすると、クロプシュトック侯爵の反乱事件や、カストロプ動乱事件も同じなのでしょうか。正規軍の一員が、地方領主の言うことにそのまま従ってしまった、というのはちょっと難しいのでは、と思うのですが。リップシュッタット戦役とは違って、これはどちらも最初から勝てる訳がない戦いですし。下手をすると、私兵でも裏切りかねないところです。それでも、正規軍とある程度は戦える私兵が存在する、としないと説明が付かないと思います。カストロプ動乱などでは、キルヒアイスの前の討伐軍は敗退している(ここは、アニメではなく原作の方を取ってます)くらいですし。「海保」の戦力では「米海軍」を撃退はできないでしょう。

 結局は、田中芳樹の中では、ゴールデンバウム王朝銀河帝国というのは、「貴族領主連合による連邦国家」というイメージなのでは、と思いましたけど。もともと、銀河帝国正規軍自体が、貴族領主からの戦力を抽出されることにより、成り立っているのではないか、ということです。国人衆(貴族)を束ねる戦国大名(ゴールデンバウム家)、というところで。だから、貴族たちの発言力がそれなりに強くなるのではないか、と。

 しかし、そうだとすると、多分中央集権的であった銀河連邦を乗っ取って銀河帝国を作った、という設定と整合性がありません。本来軍閥など存在しない中央集権国家が、五百年たつ間に貴族たちが力を持つようになって行って、軍閥もどきがあちこちに出来た、というのもおかしな話ですね。それに、そのような成り立ちの銀河帝国軍だとすると、リップシュタット戦役の時には、「名目上の主人(宇宙艦隊司令長官)」ではなく、「本当の主人(貴族連合)」の方に、従うようになるでしょう。

 何というか、ここは田中芳樹があまり深く考えていないから、設定として矛盾しているのではないか、という結論になると思いますけど。


No. 1315
帝国軍の謎
北村賢志 2002/01/05 10:22
みなさんレスありがとうございます。
まず個々の貴族の持つ兵力を考えると、入念な準備があったわけでもないカストロプ動乱などを例にとっても、有力貴族になると常時数千隻程度の兵力を私有していると推測されます。無論、貴族もピンキリでしょうが領地として惑星を持つ貴族ならそれなりの私兵を所有しているという前提で考えます。
この場合、まず「兵力を持つ動機」つまり「仮想敵」が問題になるわけですが、考えられるのは

1,宇宙海賊(兵力が過大すぎる)
2,民衆の反乱(艦隊ではなく鎮圧用の歩兵の方が必要)
3,同盟軍(イゼルローン要塞攻略まで帝国領への侵攻は無し。また仮に同盟の侵攻に備えて個々の領主が戦備を整えていたのだとすれば、同盟軍侵攻時に一戦も交えずに領地を引き上げるとは考えにくく、1巻のアムリッツァ戦役時の描写と矛盾する)

どれも「仮想敵」としては不十分であり、ランテマリオの同盟軍ですらかき集めて3万隻強だった事を考えると、有力貴族の持つ武力はあまりにも過剰です。
考えられるのは貴族同士が互いを「仮想敵」として軍備拡大に乗り出し、帝国中央政府がそれを統制できていない状態しか考えられませんが、これではもはや統一国家の体をなしていません。
更に小説を見る限り帝国正規軍は
1,軍組織においてものを言うのは「爵位」や「出身」ではなくあくまでも「階級」。
2,士官学校は貴族だけでなく平民にも門戸が開かれており、学業の優秀な人間なら誰でも入学出来る。
3,昇進は原則的に実力優先(キルヒアイスはともかく、平民でコネがあるわけでもないミッターマイヤーやビッテンフェルが三十そこそこで将官になっている)。
と言う具合にごく当たり前の近代的な組織を持った軍隊です。
これでは「領主の私兵」との間に全く整合性がありません。やはり帝国正規軍は皇帝の元で統一された存在で、個々の貴族とは直接の関係はない軍隊と考えざるを得ません。
しかしここで「貴族連合軍」を見ると、名目上メルカッツが総司令官であるとは言え、軍の階級について言及のない(恐らくは軍人ですらない)ブラウンシュバイク公やリッテンハイム候、その他有力貴族が指揮官も兼ねています。
普通の軍組織がそのまま「貴族連合軍」に参加したとすれば幾ら何でもこれはあり得ないでしょうから、この場合「貴族連合軍」は「帝国正規軍」とは全く別個の組織ということになります。
仮に「貴族連合軍」を「貴族の私兵」集団と考えると、その場合まず貴族の私兵は当然、個々の貴族ごとに必要とされる戦備や組織が異なるわけで(例えば領地によって機動力が優先される場合、航続力が優先される場合等々)、貴族の私兵達は事実上統一指揮がとれないものと思われます。
しかし逆を言えば出身母体毎には統率がとれていなければおかしいのですが、とすると今度はキフォイザーにおけるリッテンハイム候の艦隊が変です。「個々の部隊は統率がとれていても、部隊同士の横の連携がうまくいかない」という、前近代的な軍隊ではありがちな形になるならまだしも、個艦レベルでバラバラという事態はむしろ不自然でしょう(まあ小説の記述の通り、速度や航続力、運動性などが異なる艦を個艦レベルですら統率せず雑然と集めただけだとすれば、艦隊はバラバラになって戦う前に壊滅状態になると思われますが)。
それにそのような重大な欠点にラインハルトやヒルダが言及しないのもおかしな話です。
(今にして思えば「貴族連合軍」をひたすら無能に描くよりは「個々の武力を重視するあまり、集団として統率がとれていないために各個撃破される」という方が話にリアリティが生まれたと思います)
しかし考えてみれば帝国軍が「正規軍」と「貴族の私兵」の二本立てだとすれば「階級がものを言う」普通の軍隊が存在する傍らで、各貴族に忠誠を誓い「爵位がものを言う」前近代的な組織の軍隊が存在するという、非常に効率の悪い編成となっていることになります。
これだけ違っていれば戦力を融通しあうのはまず不可能であり、しかもアムリッツァを見る限り「貴族の私兵」は国防上何の存在意義も無いようです。
これだけ非効率的な帝国軍に対し、まがりなりにも全力を投入できる同盟軍が勝てないというのも変な話です。
う〜ん。あちらを立てればこちらが立たず。どうにも帝国軍の実態はハッキリしませんね。
まあ「小説」として見れば別に欠点というほどの事でもないのですが、結構気になるところです。


No. 1317
Re:帝国軍の謎
てんてんdwp 2002/01/05 19:42
うーん、ようは同盟遠征攻撃用兵力じゃ弱いかなぁ。
指摘されているとおり、同盟から帝国領への侵攻はイゼルローン
要塞攻略までなかったというのがポイント。
侵攻をし続けた軍隊は防衛戦の経験がなかったため、同盟軍侵攻
時には浮き足だってしまった&どう戦ってよいのかわからなかっ
た・・・
やっぱり無理がありますね・・・。


No. 1321
Re:「帝国正規軍」と「私兵集団」
倉本 2002/01/06 11:26
私の考えとしては二つが思いつきます。
まず一つは私兵を持っているのは複数の星系を所有する大貴族のみであるという考え。
この場合は広い領地を警備するために正規軍並みの装備が必要と考えればよろしいかと思います。
もう一つは軍艦骨董品説です。
この世界では貴族は軍艦の一つでも持っていないと格好がつかないという価値観が存在するという考えです。


No. 1325
権力闘争の道具としての「艦隊」
やっち 2002/01/07 08:14
ども、やっちです。
楽しそうなのでお仲間に入れて頂きます。

銀河帝国がいわゆる反乱軍(自由惑星同盟)と戦ったのは500年の歴史の中で、後期とも言える200年弱です。
それまでは外敵が存在しない人類唯一の国家でした。
では、その間「会戦」が行われなかったかというと、そうではありませんね。
銀英伝4巻で詳しく描かれた内戦でもわかるとおり、幾度か、政争から内戦に発展したと考えられます。
その点を考えると大貴族同士が政府の主導権争いの一環として、私兵として艦隊を用意し、互いに牽制し合ったとしても、別に変ではないと思うのです。
もちろん、帝国軍の宇宙艦隊を手に入れるのが一番手っ取り早いとは思いますが、当然、大貴族たちも自分たちの血族や臣下筋の貴族を送り込んでいるはずですから、そう簡単に一勢力が丸抱えできるとは考えられません。
また、外敵のいない帝国軍が10万隻を超える大艦隊を所有していたとは考えにくいですし(せいぜい半分、あるいは三分の一程度)、その程度ならば、我々が予想するよりも影響力はないはずです。
また、惑星を所有してるくらいの中小貴族群も、この政争に無縁とは考えられませんし、当然、小とはいえ艦隊を持った(自勢力を有利にするため)としてもおかしくはないでしょう。

このような大貴族の時代に風穴を開けたのが自由惑星同盟の登場だったのではないでしょうか。
帝国が中央集権を強化し、帝国軍を増強したのは、外敵との戦闘に備えるためでしょう。
しかし、そうなったとしても私兵たちはそのままだったと思われます。
300年も過ぎると「前例」の名の下に、私兵艦隊の削減をなかなか実行できなかったと考えられますし、それを既得権益と考える人々(私兵艦隊の子孫たち)もいたでしょう。
僕もリップシュタット戦役における大貴族軍の主力は、分裂した帝国軍だと思っています。
ただ、その中に代々、貴族に仕えていたこれら私兵艦隊が混じっていたとしても変ではないと思うのです。

P.S
後、ラインハルト=リヒテンラーデ勢力が大貴族軍を「賊軍」と呼んだのは別に変ではないと思います。
あの当時、皇帝と政府を握っていたのは彼らなのですから……


No. 1332
難しいっすね、これ
不沈戦艦 2002/01/08 00:15
>う〜ん。あちらを立てればこちらが立たず。どうにも帝国軍の実態はハッキリしませんね。
>まあ「小説」として見れば別に欠点というほどの事でもないのですが、結構気になるところです。

 考えりゃ考えるほど、訳が解らんようになっていきますね。整合性のある結論を導き出すのは、難しいかも。やはり貴族の私兵=帝国軍の一部であって、貴族たちは予備役の将校の階級を持っている、というあたりでどうでしょうか。私兵も一応帝国軍の一部で、貴族も爵位で指揮している訳ではなく、予備役で持っている軍の階級で指揮している、ということですね。普段は実戦の場などには出ませんが、何かの必要があって出る場合だけ、一時的に現役復帰という措置を取る、ということではどうでしょう。

 帝国正規軍で、外征とアムリッツァでラインハルトの麾下にあった艦隊は、十八個艦隊の内の半分、九個艦隊まで。残りの九個艦隊は貴族の私兵で、実際は各貴族の指揮下でバラバラに分散配置されている、ということでは。それで、貴族の私兵側の九個艦隊の方が、ラインハルトの指揮下の正規軍より一個艦隊あたりの艦数が多い、ということです。リップシュタット戦役の時は、分散されていた戦力がガイエスブルグに結集すれば、ラインハルト軍より多い訳で。

 しかし、こうしたところで、何で帝国軍の半数以上の兵力が、貴族の私兵から抽出されているのか、ということの説明はつきませんけど。イゼルローンが陥落するまでは、国内に同盟軍の侵攻を受けることは無かった訳ですし、国家の軍事力の半数以上が、一部勢力の影響下にあるのでは、統制された国家とは言えませんね。




>この場合は広い領地を警備するために正規軍並みの装備が必要と考えればよろしいかと思います。
>もう一つは軍艦骨董品説です。

 骨董品の場合、数よりは質になりませんかね。やはり実用にする必要があっての、膨大な数の艦艇保有ではないか、と思いますが。「広い領地を警備するために」の方が整合性があると思います。


No. 1338
Re:帝国軍の謎
Merkatz 2002/01/08 19:25
何も帝国軍がすべて中央直属である必要は無いのではと思います。
軍管区みたいに各地方が細分化されてその管区の軍事を貴族が任されていると考えれば、整合性は取れると思います。

中央軍=宇宙艦隊司令部直属の兵力
地方軍=各管区ごとに配備

まあこんな感じで。
銀英伝の世界は複数恒星系によって国家が成り立っていますから、
中央に(オーディン?)ひとまとめに兵力を置いていたのでは、有事に即応できないでしょう。
瞬間移動不可、移動に何日もかかる世界ですから。

例えばA恒星系はa軍管区に分類され、甲・乙・丙の三人の貴族の領地が含まれる。
そこでa軍管区は甲・乙・丙の3者が領地の広さに応じて軍務を負担している。
甲はA恒星系の10の惑星のうち5つを領有するので50%。
乙は3つを領有するので30%。
丙は2つを領有するので20%。
諸費用すべてを科すものではなく、国庫から補助あり。

艦艇その他の装備は中央(軍務省)からの支給。
人員も中央から補充されるが、地元募集も多い。
地方の就職口として地方軍は定着している。
軍管区の司令官はその地方の有力貴族が務める。
代々指令官職を受け継ぐ家が多い。
イゼルローンのような重要管区のみ中央直轄。

で、お決まりの軍閥化コースを辿って末期には私兵集団と化していた。
これでどうでしょう?


No. 1341
帝国軍の軍事事情
しんのじ 2002/01/09 12:46
帝国軍側は、おそらく中世時代の軍事体系ではないでしょうか。
地方貴族が自分の所領を守るために、独自に軍隊を保有する。
一応、所領の領有権を保証してくれている帝国王室に一朝何かがあれば軍を派遣し、帝国軍の正規部隊に編入される。
御恩と奉公の関係では?


No. 1346
Re:帝国軍の謎
佐々木公彦 2002/01/10 01:15
ラインハルトがそのように改革するまで、戦力の多くはオーディーンにあるようかことが確か書いてありました。
やっぱり貴族連合の主力は正規軍の寝返りですよ。
最後に給料配ってましたし。


No. 1359
貴族私兵
H2 2002/01/12 00:57
どうも、久しぶりの書き込みです。

>  帝国正規軍で、外征とアムリッツァでラインハルトの麾下にあった艦隊は、十八個艦隊の内の半分、九個艦隊まで。残りの九個艦隊は貴族の私兵で、実際は各貴族の指揮下でバラバラに分散配置されている、ということでは。それで、貴族の私兵側の九個艦隊の方が、ラインハルトの指揮下の正規軍より一個艦隊あたりの艦数が多い、ということです。リップシュタット戦役の時は、分散されていた戦力がガイエスブルグに結集すれば、ラインハルト軍より多い訳で。

それだとアムリッツアのときは、ミュッケンベルガー元帥の手元には
戦力がなかったということになります。貴族がラインハルトの事を
信用していないのにちょっとこれは無理があるのでは。それに正規兵全てを
ラインハルトに預けたというのは無理がありませんか?
とても恐ろしくて出来ないと思います。

貴族軍が計15万隻なので内訳が正規兵10万、私兵5万と言ったところが妥当でしょう。
これだと、ラインハルトが宇宙艦隊副司令官になったとき、
全艦隊を二分したことになりますから。
正規兵の半分が貴族側に走ったのはメルカッツがブラウンシュヴァイク公に
ついたからというのはどうでしょう?
リッテンハイム公の艦隊の編成がぐちゃぐちゃなのも
自分の兵力だけでは不足だから、他の格下の貴族や正規軍から
1+1=2の論理でかき集めたからというのは?


No. 1361
Re:貴族私兵
北村賢志 2002/01/12 12:49
> 貴族軍が計15万隻なので内訳が正規兵10万、私兵5万と言ったところが妥当でしょう。
> これだと、ラインハルトが宇宙艦隊副司令官になったとき、
> 全艦隊を二分したことになりますから。
> 正規兵の半分が貴族側に走ったのはメルカッツがブラウンシュヴァイク公に
> ついたからというのはどうでしょう?

これにもこれで問題が・・・
仮にそれだけ多数の兵力が貴族側に走れば当然、残った兵力も虫食い状態になり、再編成するだけで相当な期間が必要になると思われます。
特にラインハルト麾下の艦隊はアムリッツァで消耗(約半分がビッテンフェルト艦隊とは言え、全体で2個艦隊分程度の兵力を喪失したと思われます)した直後で、そこから更に少なからぬ兵力が裏切ったのであれば、当面は動きがとれないでしょう。
元帥府を開いて僅か一年未満、しかもその間アムリッツァ戦役を挟んでいるのに、麾下の艦隊から門閥貴族出身の指揮官を追放できたとは考えられませんから、ラインハルト麾下の戦力からも裏切りが出たのは間違いないはずです。
いやあ。我ながら「正しくない小説の読み方」をしてますねえ。

> リッテンハイム公の艦隊の編成がぐちゃぐちゃなのも
> 自分の兵力だけでは不足だから、他の格下の貴族や正規軍から
> 1+1=2の論理でかき集めたからというのは?

まあそのあたりが妥当なところかとは思います。


No. 1362
Re:貴族私兵
H2 2002/01/12 21:00
> これにもこれで問題が・・・
> 仮にそれだけ多数の兵力が貴族側に走れば当然、残った兵力も虫食い状態になり、再編成するだけで相当な期間が必要になると思われます。
> 特にラインハルト麾下の艦隊はアムリッツァで消耗(約半分がビッテンフェルト艦隊とは言え、全体で2個艦隊分程度の兵力を喪失したと思われます)した直後で、そこから更に少なからぬ兵力が裏切ったのであれば、当面は動きがとれないでしょう。
> 元帥府を開いて僅か一年未満、しかもその間アムリッツァ戦役を挟んでいるのに、麾下の艦隊から門閥貴族出身の指揮官を追放できたとは考えられませんから、ラインハルト麾下の戦力からも裏切りが出たのは間違いないはずです。
> いやあ。我ながら「正しくない小説の読み方」をしてますねえ。

それについては、ラインハルトが元帥になったときにミュッケンベルガー派とローエングラム派に
分かれたとのだとすれば説明はつくかと。わざわざ年下の青二才につきたがる貴族はいませんし。
ミュッケンベルガーとしては実戦経験豊かなメルカッツと彼を慕っているファーレンハイトを取り込んで対抗したのでは?

思えばアムリッツアで帝国軍全軍で迎え撃たなかったのも、水面下の政治闘争があったからではないでしょうか?
貴族側にしては勝てばよし、負けてもめでたし。って駄目ですね。勝ったらラインハルトの権力基盤を強め、負ければ正規軍の半数を
失い、民衆反乱が起こるかもしれませんから。
また、新たな疑問が出てきました。何ででしょう?


No. 1364
Re:帝国軍の謎
lulu 2002/01/13 01:26
実家に帰っていたら、話に乗り遅れましたね。

同盟滅亡後、イゼルローンにヤンが引篭っていたとき、
帝国側出口を守るメックリンガー艦隊を全力で攻撃すると見せかけ
後退させ、返す刀で皇帝の先遣艦隊(ビッテンフェルト+ファーレンハイト)
を攻撃する作戦を行いましたが、その時にメックリンガーは、
「帝国本土を守る兵力はかき集めれば10万にはなる。
 しかし恒星間移動力がないため各個撃破されるだろう。」
と判断して、後退したという描写がありました。
防衛艦隊には恒星間移動力の無い、廉価な艦種が使用されていた、
と読み取れますね。まさに遠洋航行力の無い海上保安庁の巡視船のごとく。

同盟でも第二次ラグナロクの時などやはり遠洋航行力のないような
船を無理やりかき集めたといったような描写がありました。
この世界でも、一般の防衛用の艦種と機動部隊の艦種の
違いがあるのではないでしょうか。
ならば、軍管区ごとに機動部隊が配属されているのもおかしな話しです。
アメリカも州軍が長距離侵攻能力を持っている訳ではありませんし。


No. 1375
Re:貴族私兵
不沈戦艦 2002/01/14 00:25
> > これにもこれで問題が・・・
> > 仮にそれだけ多数の兵力が貴族側に走れば当然、残った兵力も虫食い状態になり、再編成するだけで相当な期間が必要になると思われます。
> > 特にラインハルト麾下の艦隊はアムリッツァで消耗(約半分がビッテンフェルト艦隊とは言え、全体で2個艦隊分程度の兵力を喪失したと思われます)した直後で、そこから更に少なからぬ兵力が裏切ったのであれば、当面は動きがとれないでしょう。
> > 元帥府を開いて僅か一年未満、しかもその間アムリッツァ戦役を挟んでいるのに、麾下の艦隊から門閥貴族出身の指揮官を追放できたとは考えられませんから、ラインハルト麾下の戦力からも裏切りが出たのは間違いないはずです。
> > いやあ。我ながら「正しくない小説の読み方」をしてますねえ。
>
> それについては、ラインハルトが元帥になったときにミュッケンベルガー派とローエングラム派に
> 分かれたとのだとすれば説明はつくかと。わざわざ年下の青二才につきたがる貴族はいませんし。
> ミュッケンベルガーとしては実戦経験豊かなメルカッツと彼を慕っているファーレンハイトを取り込んで対抗したのでは?
>
> 思えばアムリッツアで帝国軍全軍で迎え撃たなかったのも、水面下の政治闘争があったからではないでしょうか?
> 貴族側にしては勝てばよし、負けてもめでたし。って駄目ですね。勝ったらラインハルトの権力基盤を強め、負ければ正規軍の半数を
> 失い、民衆反乱が起こるかもしれませんから。
> また、新たな疑問が出てきました。何ででしょう?

 本当に、やればやるほど、訳が解らなくなって来るような気がします。どうにも、整合性のある説明をすることが、困難ですねぇ。

 取り敢えずこれは、ラインハルトが負けても残りの正規軍の半分と、私兵をかき集めれば楽に勝てる、孺子が負けても良い、と貴族たちが深く考えず、安直に思い込んでいたということではどうでしょうか。長く国内に外敵の侵入を許したことがなかったので、言ってみれば「平和病」に罹っていて、「同盟軍侵入の危機」が現実の問題として、認識できる者がほとんどいなかった、ということで。


No. 1379
Re:貴族私兵
北村賢志 2002/01/14 13:31
> それについては、ラインハルトが元帥になったときにミュッケンベルガー派とローエングラム派に
> 分かれたとのだとすれば説明はつくかと。わざわざ年下の青二才につきたがる貴族はいませんし。
> ミュッケンベルガーとしては実戦経験豊かなメルカッツと彼を慕っているファーレンハイトを取り込んで対抗したのでは?

その場合、帝国軍では上層部の人事が変わる毎に気にくわない派閥がごっそり人事異動することになってしまいます。
それに成り上がりの若造とは言え、ちゃんと爵位を持つ貴族であるラインハルトにすらそれでは平民出のミッタマイヤーらの下につく貴族はいないことになってしまうのではないでしょうか?

> 思えばアムリッツアで帝国軍全軍で迎え撃たなかったのも、水面下の政治闘争があったからではないでしょうか?
> 貴族側にしては勝てばよし、負けてもめでたし。って駄目ですね。勝ったらラインハルトの権力基盤を強め、負ければ正規軍の半数を
> 失い、民衆反乱が起こるかもしれませんから。
> また、新たな疑問が出てきました。何ででしょう?

実は貴族達は戦いがあっさりケリが付くとは思わず、長期戦になってラインハルトが音をあげ、自分たちに助けを求めてくると踏んでいたというのはどうでしょう?
つまりいまいましいラインハルトに頭を下げさせることが目的だったとすればここは説明出来るのではないでしょうか。


No. 1380
Re:貴族私兵
Merkatz 2002/01/14 14:20
そういえば帝国軍は常設18個艦隊で、ラインハルトが元帥府を開いたことでその半数の指揮権を得たのでした。
さて、帝国軍の総数ですが、下記ページにこのような推定が載っています。
http://www5a.biglobe.ne.jp/~gomenmar/syosei/bittn.html
/////////「再建期の「黒色槍騎兵」艦隊」欄より////////
同年の宇宙艦隊副司令長官就任式において18個艦隊の司令長官が出席しているが、前述の指揮艦隊の実質数から見ても28万隻以上の戦力を帝国宇宙艦隊は有していたと言えよう。(後のリップシュタット戦役での賊軍(リップシュタット連合軍)総数が正規軍、私兵併せて16万5千隻と推定され、宇宙艦隊の過半を指揮下に置いたローエングラム元帥側と数的には互角であった事からも総数は30万隻近くあったと推定される)
////////////////////(引用終了)/////////////////////////

つまり、正規軍だけで総数30万隻になりますから、

> 貴族軍が計15万隻なので内訳が正規兵10万、私兵5万と言ったところが妥当でしょう。

これではラインハルトの手元に20万隻は残ることになり、
貴族連合軍の総数と数的に互角にはなりません。
貴族連合軍は正規軍・私兵込みで15万〜16万ですから、数的に互角というにはラインハルトの手元に残った正規軍は、やはり15万〜16万でないといけません。
となると、正規軍の約半数が貴族側に付いたことになり、それだけで貴族連合軍の総艦艇数に達するため、私兵がゼロになってしまいます。
もっとも銀英伝の世界では「総艦艇数○○隻、総兵員数○○人」と表記されることが多いですので、
私兵の内訳というのは陸戦隊や補充要員であって、艦艇ではないのかもしれません。
(だとすると地方軍の艦艇は中央から支給という私の説が辻褄が合う)

さて、ラインハルトが宇宙艦隊副司令長官に就任して9個艦隊の指揮権を得た後、艦隊人事に着手しています。

/////////////////(一巻p.139より)/////////////////
元帥府を開設し、帝国宇宙艦隊の半数を指揮下に収めたラインハルトは、人事に腐心する毎日だった。
基本方針として、下級貴族や平民出身の若い士官を登用することがあり、一線級の指揮官の平均年齢は大幅に下がった。
////////////////////(引用終了)/////////////////////////

この人事異動がどの程度の規模で行われたかが問題です。
艦隊の人事といっても、大は一艦隊司令部の人事から、小は一艦内の部署まで幅広くあります。
貴族出の艦長とか機関長とか居そうですし、そういうのまでいちいち人事移動していては、再編成が物凄く手間だと思います。
(単純に計算しても9個艦隊15万隻分)
で、そういう連中がリップシュタット戦役で貴族側に付いたとしたら、あちこちの艦で艦長不在とか航海長不在とか、本当に虫食い状態になってまともな艦隊運用ができなくなりますね。
仮にそれをやってのけて、9個艦隊については完全に指揮下に置いたとしても、
残りの9個艦隊はそのままですから、皇帝崩御のあとの短期間で人事異動は不可能でしょう。
(ラインハルトが副司令長官から司令長官に昇進するのはフリードリヒ3世の死後)
であれば正規軍の半数が貴族側に付いたとする先の推測は、可能性が高くなりますね。

以上のことから「貴族の私兵とは艦艇ではない」という可能性が高いと思います。

>特にラインハルト麾下の艦隊はアムリッツァで消耗(約半分がビッテンフェルト艦隊とは言え、
>全体で2個艦隊分程度の兵力を喪失したと思われます)した直後で、
>そこから更に少なからぬ兵力が裏切ったのであれば、
>当面は動きがとれないでしょう。

リップシュタット戦役前に同盟との捕虜交換で200万の兵員補充をしています。
(上で紹介したページを見て気付きました)
艦艇はともかく兵員は問題ないですね。
(兵の錬度はともかくとして)

>思えばアムリッツアで帝国軍全軍で迎え撃たなかったのも、水面下の政治闘争があったからではないでしょうか?

一巻p.174に書いてあります。
ラインハルトが勝ったらどうするかと問うリヒテンラーデに対し、財務尚書ゲルラッハは、
負けてもラインハルトの能力なら同盟軍は無傷では済まないから余裕で迎え撃てる。
勝ったら勝ったでそのときだ。四六時中軍隊と共に居るわけでもなし、いつでも始末できる、と答えています。


No. 1385
考えれば考えるほど難しい
H2 2002/01/15 15:17
> その場合、帝国軍では上層部の人事が変わる毎に気にくわない派閥がごっそり人事異動することになってしまいます。
> それに成り上がりの若造とは言え、ちゃんと爵位を持つ貴族であるラインハルトにすらそれでは平民出のミッタマイヤーらの下につく貴族はいないことになってしまうのではないでしょうか?

こう言われてしまうと反論の余地がないですね。兵士に関しては人事異動はさほどの問題ではないですが、士官クラスで動かれてはたまったものではないですね。中級・下級指揮官なしでアムリッツアでなんであんなに勝てたんでしょう?謎が謎を呼んできます。

あと、貴族私兵は艦艇ではないということに関しては、盲点でした。ラインハルト軍の具体的な数はわからないので、なんともいえませんが。

> 実は貴族達は戦いがあっさりケリが付くとは思わず、長期戦になってラインハルトが音をあげ、自分たちに助けを求めてくると踏んでいたというのはどうでしょう?
> つまりいまいましいラインハルトに頭を下げさせることが目的だったとすればここは説明出来るのではないでしょうか。

そうですね。そんなところでしょう。


前のページへ このコンテンツの
全一覧ページへ
次のページへ

トップページへ ザ・ベスト
全一覧ページへ
考察シリーズへ