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反銀英伝・思考実験編
5−A

「バーラトの和約」締結後の逆転シナリオ(1)


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No. 1025
反銀英伝ネタ
スタードくん 2001/10/19 13:49
ふと、考察シリーズを見てて思ったのですが
もしバーラトの和約後の最高評議会議長にホワン・ルイが就任していたら、
どうなっていたのでしょうか。

最低でもヤン捕獲命令はでなかったと思いますが、
その後はどういった流れになっていたのでしょうか?


No. 1047
Re:反銀英伝ネタ
lulu 2001/10/24 10:28
ホアン・ルイの政治能力と立場をどの様に捉えるかが問題ですね。
作中の記述では、どうも同盟の政治情勢がよくわからないですし。

複数政党制であることは確かなのですが、レベロが政権を取ったと
いう事は、多分レベロはトリューニヒトと同じ与党内の別派閥の人間
ということになりますが、ホアンはどうなのか、別派閥の人間か
連立与党の人間か、野党の人間の可能性だってあります。
その立場によって財界など権力層への影響力が異なるでしょう。
レベロははっきりした支持基盤が無いため立場が弱く、ヤン逮捕を
示唆した大学教授など、元トリューニヒトの取り巻きとの関係を
絶つことが出来ませんでした。ホアンにしても同じような立場では
ないでしょうか。ブレーンとなる人間が変わらないのならば、
結局同じ道を進んだ可能性が高いのではないかと思います。

もし、ホアンがアメリカの議員のごとく、独自のブレーンを抱え
国政運営に関してかなりのフリーハンドを与えられていたら、
さらにトリューニヒトの取り巻きの干渉を受けないだけの
強力な支持基盤があるとしたらどうでしょうか。

この時点での同盟の国家目標は、まず同盟の消滅を防ぐこと、
独自の政治態勢を守り、帝国からの干渉をかわすこと、
そして最終的には独立の回復の達成でしょう。
これには日本の戦後政治が参考になると思います。
天皇制の護持、国家主権の保全、国家経済の復興、GHQの干渉の押さえ
和平条約による独立の回復。まさにそのものです。

有利な点として、帝国の駐在武官はGHQほどの権限を持っていません。
不利な点として、帝国に敵対的な第三者(ソ連)の欠如があります。

私としては弱者の恫喝を最大限に利用して、帝国の譲歩を
勝ち取ることを続ける意外に思いつきません。
(例1:国家経済の破綻により餓死者が出る懸念を帝国に伝え、
経済制裁処置の緩和、もしくは物資の援助を申し出る。)
(例2:帝国領内の市場の解放&同盟経済への保護措置)
(例3:反帝国運動の抑制のため、駐留帝国兵への裁判権)etc
なによりも同盟の経済の破綻という前提が痛いですね。
何故、ここまで帝国の資源と工業力は大きいのでしょう…

とにかく、再出兵の危険がある状態では、現状固定化への努力
が再優先でしょうね。明確な敵がいなくなった以上、結局は帝国も
大幅な軍縮へ踏み切らざるを得ないでしょう。ここは現実の
アメリカと違うところです。そこまで粘れば、軍事的な自由度が大きく
広がるでしょう。あまり先のことまで予想は出来ませんが。


No. 1048
Re:反銀英伝ネタ
lulu 2001/10/24 11:01
この路線で進んだ場合。

転回点1:ヤン逮捕命令
これに関しては帝国に抗議するのが筋です。というかあたりまえ。
例として戦後、マッカーサーが軍票の発行などポツダム宣言に反する
占領政策を行おうとしましたが、日本側の抗議により撤回しています。
レベロが帝国側への抗議もせずにヤン抹殺に動いたことは、
全く理解できません。同盟側にとって全く利益がありませんし
帝国の非公式命令を公式と同等に受け取る悪い前例を
作りかねないからです。

帝国への抗議によりこの非公式な命令は取り下げられるでしょうし、
このことは皇帝の駐在武官への信頼の低下をもたらすでしょう。
これはかなり同盟にとって利益になります。

転回点2:地球教徒の陰謀
混乱を望む主流派の地球教徒にとって同盟の現状維持政策は
望ましいものでは無いでしょう。さらに帝国乗っ取りを志向する
非主流派にとっても同盟は邪魔な存在です。
更に、同じく帝国乗っ取りを図る、トリューニヒトにとっても
この状況は望ましいものではなく、残る主要アクターである
ルビンスキーにとってもデメリットはありません。
帝国内部からしても再侵攻を望む武断派の発言力が大きいでしょう。

四面楚歌のこの状況で同盟を維持できるのでしょうか?
地球教徒の陰謀により同盟軍が帝国軍を攻撃する事件が発生し、
ラグナロク再び、といった流れになるのではないかと…

この状況で同盟が生き残る手は、宣戦布告と同時に一戦もせずに、
即座に条件付で降服することくらいかと…
これなら自治権の大幅縮小でもまだ生き残れるかもしれない。
しかしどれだけ時間が稼げるでしょうか?
結局同盟を救うことはできない様ですね…

陰謀家達がその前に内輪もめしてくれれば何とかなるかも。
小説だったらユリアン達が活躍しそうですね。

転回点3:皇帝死亡
もし、陰謀家達による事件を帝国内武断派に付け入る隙なく
全てかわしきったとして、ここまできてやっと同盟の付け入る隙が
出てきます。武断派と内治派に分かれるか。軍官僚と制服組の対立か
それぞれ想像するしかないでしょうね。


No. 1050
同盟の政治力学
2001/10/26 05:47
はじめまして。2度目の書き込みです。よろしくお願いします。


> ホアン・ルイの政治能力と立場をどの様に捉えるかが問題ですね。
> 作中の記述では、どうも同盟の政治情勢がよくわからないですし。

アムリッツァの後、トリューニヒトが「先見性を評価されて」
暫定政権の首班に選ばれたんですよね。これって、元首を与党内で
たらい回しにしてるってことじゃないでしょうか。

このことからみても、どうやら同盟の政治は、自民党のように
長年与党を占めている政党があって、元首はその中の政治力学
で選ばれているのではないかと思われます。

そうなると、トリューニヒトの前の政権下では、レベロは財政
委員長、ホワンは人的資源委員長、トリューニヒトは国防委員長
と、今の日本で言えば大臣に相当する要職にありました。
同盟の議会を戦後の日本と同じものとして考えると、ここで委員長
に選ばれるには、与党内の派閥で重要な位置を占める必要があります
から、この3人は政治的にも十分な力を備えていたのでは。

実際、3人の委員長職を眺めると、人的資源委員長はわかりませんが、
財政委員長(財務大臣)国防委員長(防衛大臣)と、レベロと
トリューニヒトの占めていた地位が各委員長の中でも相当高位で
あったのがわかります。財政と軍隊の長ですからね。


> ホアンはどうなのか、別派閥の人間か
> 連立与党の人間か、野党の人間の可能性だってあります。
> その立場によって財界など権力層への影響力が異なるでしょう。

そのホワンですが、与党の同派閥だったんじゃないでしょうか。
もしくは与党の(協力的な)別派閥ではないかと。

この際、参考になるのはあの査問委員会にホワンが列席していた
ことでしょう。あれは建前はともかく、ホンネは「ヤンいじめ」
でしかありませんでした。しかも、それにイゼルローン侵攻が
重なり、査問終了後にヤンに沈黙を要請したくらいトリューニヒト
にとっては政治的にダメージをもたらしかねない物だったはずです。

で、そのような危険な火遊びに、いかに「体裁を整える」必要が
あったとしても自分を追い落とす可能性のある別派閥にいる人間や、
絶対に追求すること明らかな野党の人間を入れるでしょうか?

ちなみに、「危険な火遊び」になったのは結果論ですが、それに
しても、ホワンはそれを暴露してませんし、議会で追求もしてません。
このことから、「毛並みが違うけど同派閥」というのが、ホワンの
占めていた政治的立場ではないかと思われます。
最低でも、トリューニヒトに協力的な別派閥出身、と。

日本の派閥にも多種多様な人間がいて、一糸乱れずボスに従う忠実
な集団というわけではありませんから、ホワンのような人物が
トリューニヒト派にいる可能性もアリでしょう。

--------------------------------------------------------
ちなみに、ここからトリューニヒト「派」とトリューニヒト「閥」
を使い分けます。意味合いは
トリューニヒト派=一応トリューニヒトがリーダーの派閥全体
トリューニヒト閥=トリューニヒトに忠実な集団
といった程度です。
--------------------------------------------------------

査問委員会の例を使うと、レベロはトリューニヒト政権下でも議会の
重鎮で、ホワンと同じく政権から離れていたのに、まったく誘われて
いませんでした。つまり、彼は政治的にトリューニヒトに遠かったと
言えます。おそらくは、与党の別派閥のリーダーだったのでしょう。
そんな人を「ヤンいじめ」に参加させるなんて、政権を奪ってくれと
言ってるような物ですから。

で、そのレベロですら

> 複数政党制であることは確かなのですが、レベロが政権を取ったと
> いう事は、多分レベロはトリューニヒトと同じ与党内の別派閥の人間
> ということになりますが、

> レベロははっきりした支持基盤が無いため立場が弱く、ヤン逮捕を
> 示唆した大学教授など、元トリューニヒトの取り巻きとの関係を
> 絶つことが出来ませんでした。

など、トリューニヒトの後を襲う政治力があったのにトリューニヒト
閥の意向を伺っていたというのは、トリューニヒト派が与党の最大
派閥だったからでしょう。ですので、


> ホアンにしても同じような立場では
> ないでしょうか。ブレーンとなる人間が変わらないのならば、
> 結局同じ道を進んだ可能性が高いのではないかと思います。

ホワンも、レベロと同じくトリューニヒト閥の意思を尊重しないと
政治が出来ないと思われます。

ただ、ホワンがトリューニヒト派にいたとしたら、状況は変わるかも
しれません。実際、トリューニヒトが雲隠れした時に同派閥の国防
委員長が政府を独断で切り盛りしましたし、最悪、派閥乗っ取りの
ような荒業も使えますし(笑)
それが出来れば、

> もし、ホアンがアメリカの議員のごとく、独自のブレーンを抱え
> 国政運営に関してかなりのフリーハンドを与えられていたら、
> さらにトリューニヒトの取り巻きの干渉を受けないだけの
> 強力な支持基盤があるとしたらどうでしょうか。

この状況が実現できるかと。

まあ、ホワンとレベロのバーラト以後の政治的環境は大差なかった
といっても、やはり「ホワンはレベロではない(逆もそう)」
なので、その後の対応と状況は変わってくるでしょう。

まずホワンは自政権にレベロを入れることが出来るでしょうし、
そうなるとホワンの持つ政治基盤とレベロの政治基盤を合わせて、
トリューニヒト閥の発言力に対抗できたかもしれません。
もちろんレベロも同じことは出来たはずですが、疑心暗鬼に
囚われてホワンすら離れてしまったのが痛かったですね。

あと、原作のレベロは危機的時期の国家元首という立場の重さに
押しつぶされたのがあの行動の原因でしょうから、ホワン政権を
支える立場になったなら、「高い見識と良識」との評価にふさわしい
活躍ができたかもしれません。


さらに、ホワンは「ヤンが独裁者になるかも」などといった、レベロ
が囚われた疑心暗鬼をもってませんし、査問委員会でそこまで見抜く
眼力があるなら、同席していたオリベイラの底の浅さも見ぬいてる
でしょう。もしもホアンがトリューニヒト派所属ならなおさらです。
ですから、オリベイラの勧めに従ってヤンを暗殺するなんて愚策は
とらないですし、逆にレンネンカンプの内政干渉をラインハルトに
訴えると思われます。


その後はどう展開するか…もうすこし考えて見ます。


No. 1051
Re:同盟の政治力学(蛇足)
2001/10/26 06:59
> アムリッツァの後、トリューニヒトが「先見性を評価されて」
> 暫定政権の首班に選ばれたんですよね。これって、元首を与党内で
> たらい回しにしてるってことじゃないでしょうか。
>
> このことからみても、どうやら同盟の政治は、自民党のように
> 長年与党を占めている政党があって、元首はその中の政治力学
> で選ばれているのではないかと思われます。

ちなみに、この「サンフォード>トリューニヒト」
という首班の移り変わりは、そういえば日本の自民党政治にも
類型がありますね。

昔の自民党では、今までの方針が失敗すると、「振り子の論理」
と呼ばれる反動で、その方針に反対していた人物が新総裁に選ばれ
ていました。例えば、
・岸内閣(対決姿勢)>池田内閣(協調姿勢)
・田中内閣(利権政治)>三木内閣(クリーン政治)
なんかですが、
・サンフォード(主戦派)>トリューニヒト(反戦派・その時点では)
も、それによく似てます。

> > 複数政党制であることは確かなのですが、レベロが政権を取ったと
> > いう事は、多分レベロはトリューニヒトと同じ与党内の別派閥の人間
> > ということになりますが、

で、「トリューニヒト>レベロ」の移り変わりも、いわゆる
振り子の論理の結果だったのかもしれません。

同盟国民にトリューニヒトとレベロがどのように違って見えて
いたのかは不明ですが(なにしろイメージを作り出すのはトリュー
ニヒトの得意技ですし、違いに関して記述も無かったような)
降伏したトリューニヒトに対して「理念派」で「別派閥」という
所が振り子の原理でレベロが選ばれたカギではないかと。

レベロと共通のイメージが多かったホワンが元首に選ばれなかった
のも、「トリューニヒトと同派閥」だったからじゃないかと
(つまり、振り子の役としては不適切)思うんですよね。

まあ、証明の薄い思いつきですが。


No. 1052
うをっ!すげぇレスが!
スタードくん 2001/10/26 14:39
ども、スタードです。
しばらく来ないうちにすげぇ数のレスが・・・
しかもレベル高っ!( ̄□ ̄;)!!

ボク的には「こうなってたらヤンてどうなってたんだ?」
といった軽い気持ちで言ったんですが・・・
政治学とかの会話まで出てるし、
ついていけなくて眼が回りそうな・・・
いや、理解はしてますよ、理解は。
ただ、それについての意見やら反論やらが出ないんですよ(T_T)
とりあえずボクのことは置いといて議論を続けててください。
見てはいますから・・・(T_T)

あ、でもなんか意見出せそうなら書き込みます\(^o^)/
ではでは。


No. 1053
Re:同盟の政治力学
lulu 2001/10/27 02:29
確かに、前内閣においての彼らの地位は、彼らにそこそこの
政治力のあることを示しているかに見えます。

しかし、同盟の財政が破綻している時期において、
しかもそれが慢性的な状態である場合、財政組織を司る
財政委員長の地位が高いものであるかどうかは疑問です。

まず、疑問点は閣議の中でも彼ら2人が他から孤立していたのが
印象に残っていることです。財政委員長であるレベロが力が弱い
というこの状況は、大蔵省が他の官庁を間接的に支配していた
日本とは全く状況が違う様におもわれます。
常に戦時下にある同盟ならばアメリカに近いのかもしれません。
アメリカにおいて財務省は官僚組織でしかなく、
実際にアメリカ財政計画を動かしているのはホワイトハウスの
補佐官達やグリーンスパンFRB議長などではないでしょうか。

ならばそのような人間が実際の同盟財政を動かしていて、
レベロは単なる官僚組織のトップでしかないという
状況はどうでしょうか。


他にも例えば、ナチスドイツなどは財政赤字を国債発行で補って、
しかもそれを国立銀行がほとんど全額引き受けるなどという
オプションを行っていました。もちろん普通はこのようなことを
続けていたらハイパーインフレになりますが、国内は
配給制のように、強力な経済統制によって紙幣価値の下落を押さえ、
更に東欧へインフレを輸出して吸収させていました。
この場合、事実上財政は帳簿上の遣り繰りでしかなく、
シュペーア軍需大臣のような実務家に権限が集中していました。
大蔵大臣クロジク伯爵など、ほぼ無視される形だったはずです。


同盟の財政運営がこのような状況だった場合、
財政委員長たるレベロの不遇も納得いくのではないでしょうか。
あくまで想像の上に想像を積み重ねているにすぎませんが。


後、読ませていただきながら考えましたが、ホアンの位置付けとして
おっしゃる通りに、トリューニヒト派閥の一員であったというのが
一番納得できる説明であると思われました。
森派の中に森氏と小泉氏がいるようなものかもしれませんね。
同派閥内の人間でもイメージが違うという点では。
(私は森氏のアフリカ外交は結構評価していたのですが
 外交はニュースにならないですからね…)


No. 1054
同盟は本当に民主主義社会なのか?
lulu 2001/10/27 02:58
私が思っている銀英伝中の疑問の中に、民主主義の同盟と、
専制政治の帝国の間に、科学力、経済システムなどで
差が殆ど見られないというものがあります。

先ほど、上の文章を書きながら思ったことなのですが、
実は同盟の政治形態はは民主主義の名を冠しているのみで、
実際の政治形態は共産主義に近いのではないかと…

何故なら、まず歴史的背景から見て少数の亡命者のみで
作られた社会が、政治形態に、現代的な民主主義を
選択するとは思えないことです。
そして、帝国という目に見える脅威に常におびえながら早急に
国力を蓄えるとなると、共産主義が一番適しているからです。
ロシア革命後のソ連の国力の増進は不況にあえぐヨーロッパを
尻目に大きく進みました。それは独ソ戦において力を発揮します。


あと元々亡命者達も殆ど下層階級出身ですし、
長征一万光年やら○○委員長やら、KGBばりの憂国騎士団やら
それを許すような政治風土があるらしいことやら
どうも共産主義に近い民主主義のような気がしますね。
過激な民主主義が共産主義であるのは確かですし。
選挙も複数政党制は認めてはいるものの、与党以外は
公然の秘密的な弾圧の対象だったりしてますしね。
日本社会党が戦後、政権を取っていたら
日本はこのような社会になっていたかもしれませんね。

こう考えると急速な同盟の膨張の謎や、中央集権的性格の強さ、
「同盟」という名前の謎、他の星系を支配するやり方、
等々の疑問が一気に解決するような気がします。


こんな「民主主義」の中で育ったならばヤンが理想に拘り、
そのままの同盟自体に存続の価値を認めなかったのも
分かる気がしますね。


No. 1057
Re:同盟の政治力学
2001/10/27 06:25
レスありがとうございます。

> しかし、同盟の財政が破綻している時期において、
> しかもそれが慢性的な状態である場合、財政組織を司る
> 財政委員長の地位が高いものであるかどうかは疑問です。
>
> 財政委員長であるレベロが力が弱い
> というこの状況は、大蔵省が他の官庁を間接的に支配していた
> 日本とは全く状況が違う様におもわれます。
> 常に戦時下にある同盟ならばアメリカに近いのかもしれません。
> アメリカにおいて財務省は官僚組織でしかなく、
> 実際にアメリカ財政計画を動かしているのはホワイトハウスの
> 補佐官達やグリーンスパンFRB議長などではないでしょうか。
>
> ならばそのような人間が実際の同盟財政を動かしていて、
> レベロは単なる官僚組織のトップでしかないという
> 状況はどうでしょうか。
> (中略)
> 同盟の財政運営がこのような状況だった場合、
> 財政委員長たるレベロの不遇も納得いくのではないでしょうか。
> あくまで想像の上に想像を積み重ねているにすぎませんが。

なるほど。たしかに、レベロが財政のトップとして財布を握ってた
にしては、彼のサンフォード政権下での発言力の無さは異常ですね。
luluさんのこの投稿を読んで、レベロの実際の政治的発言力は実は
無かったと思いました。

同盟の財政は傘下の各星系や産業界、軍部、フェザーン、あと地球教
なんかのパワーポリティックスで決まっていて、たぶん財政委員長
とその下部組織は上がってきた予算を事務処理するだけなのでしょう。
そうなると、権限は全くありませんねぇ。

しかし、政治的発言力が無いなら、レベロのようないわば「理念派」
の人物がなんで財政委員長なんて(曲がりなりにも)行政府の要職に
付けたのかが不思議ですね。ホワンの方は、その地位についたのは

> 後、読ませていただきながら考えましたが、ホアンの位置付けとして
> おっしゃる通りに、トリューニヒト派閥の一員であったというのが
> 一番納得できる説明であると思われました。
> 森派の中に森氏と小泉氏がいるようなものかもしれませんね。
> 同派閥内の人間でもイメージが違うという点では。

この設定を使えば説明できるんですが。

とりあえずクリーンなイメージがあるレベロを実権のない飾りに
据えることで、クリーンなイメージを打ち出そうとしたのかも。
(サンフォードはクリーンとは程遠いイメージしか受けませんし。
トリューニヒトが政権を取ったあとレベロを一応は招聘したのも
同じ理由に加えて、いわゆるアムリッツアの後の「救国一致」を
演出しようとしたのかもしれません)

ちなみに、そういう人を「見た目上は」厚遇して、彼の支持者たち
の横車を封じるという手法は政治ではよく使われていますから、
サンフォードやトリューニヒトはそれも狙ったのかもしれません。


> (私は森氏のアフリカ外交は結構評価していたのですが
>  外交はニュースにならないですからね…)

地道な政治外交の仕事がニュース(&評価)になりにくいのは、
それこそ古代ローマ以前から共通する事のようで…
そういうこともちゃんと加味されれば、森氏へのイメージも
変わったかもしれませんね。


No. 1058
ほとんど社会主義国家では
2001/10/27 08:37
> 先ほど、上の文章を書きながら思ったことなのですが、
> 実は同盟の政治形態はは民主主義の名を冠しているのみで、
> 実際の政治形態は共産主義に近いのではないかと…

いままで複雑怪奇な同盟の政治システムに八方塞がりで、もう、
作者が全然考えていなかったかのようだと思っていたんですが、
目から鱗が落ちたかのようにスッキリしました。


今まで↓のような思考過程を経て迷宮に入りこんだんですが、

-----------------------------------------------------------
同盟には「議会」がちゃんと存在していて、「そこの与党が
推す候補が最高評議会議長として選ばれる&与党内の有力者
が委員長になる(*注1)」という仮定を立てていますが、
同盟で議会(立法府)が行動した事なんて一度たりとも
ありません。ジェシカが(どこかの星系代表の)代議員に
なった記述でかろうじて存在が確認される程度です。

それほど弱い議会&その中の政党に最高評議会議長と各委員長
を出すだけの力があるとは到底思えないんですが、そう考えないと
レベロどころか、サンフォード、ホワンの政治基盤も崩壊します。
しかし、それほど弱い立法府にいる議員が委員長や議長なりで
「行政府にはいると絶大な権限を持つ(*注2)」なんて、もう論理
崩壊寸前です。


*注1:議員が行政府の長になる
そもそもサンフォードのような人物が元首に選ばれる時点で
組織票を使わないと無理でしょうから、バックボーンとなる
政党が必要です。しかも各委員長のような行政機関の長を議員
から選ばないと、利益団体からの支持が特に無かったレベロ
などが任命された理由が説明つきません。
なので、レベロは与党内で「理念派ORクリーン派」の議員たちの
リーダー格として政治基盤を維持し、その結果入閣していたのかと。

たぶん、ここらへんはフランスの政治システムに近いのでしょう。
フランスの大統領制では、500人の議員が推薦する候補を国民投票
で選びます。で、その大統領が行政府の長(首相)を議員の中から
選出します。大臣も、議員の中から選ばれます。
USA式では、大統領選候補者自体が党員の予備選挙で決まりますから、
サンフォードが選出される可能性は薄くなります。また、USAでは、
行政府の長は議員はなれず、実業家や大学教授などをあてることが多い
ので、レベロやホワンが任命された理由が謎になります。


*注2:弱い立法府と強い行政府
USAのシステムでは、立法府と行政府を人事的に完全に分離する
ことでいわゆる三権分立を図り、その結果、議会はかなりの力を
占めています。なので、このシステムはムリ。
逆に、フランスの大統領制と議院内閣制を組み合わせたシステム
では、立法府はたいして実権はありません。しかし、それでも
行政府と立法府の対立が起きることはあるんですよね…

同盟で立法府の権限が極めて弱いのは、議会と行政府を融合させて
いるからかも。実際、各大臣の名称は「委員長」と、なにやら議会内
組織の長を思わせる名称になってますし。しかし、それだと、
アメリカ型の民主主義政治システムから遠く離れます。

もしくは長年の戦争状態による「非常事態宣言」で行政府の権限を
増大させ、さらに安定多数を確保した万年与党の議会支配と党内支配
で行政府の提出した法案などをストレート通過させているとか。

しかし、そうなると議員の多様性を確保して「振り子の論理」で
長期政権を占めた自民党の手法は使えないわけで(重要法案なんか
では、与党内でも意見が割れることはよくありますよね)、もう
八方塞がりかもしれません。分けわからんよ、同盟は…

------------------------------------------------------------

共産主義国家の政治システムを採用すると、全てが明確に説明できる
わけです。うわぉ(笑)

万年与党は、振り子の論理で有権者の支持を繋ぎ止めなくても
> 選挙も複数政党制は認めてはいるものの、与党以外は
> 公然の秘密的な弾圧の対象だったりしてますしね。
で維持可能ですし、そうなるとサンフォード>トリューニヒト>
レベロの政権交代は、有権者へのポーズでもなんでもなく、単純に
与党内の派閥の勢力争いの結果といえます。それでも何の問題も
ありません。この3人はそれぞれ前政権の方針に反対してましたから。

サンフォードのような人物が元首になれたのも、対立候補がいない
信認投票ならラクなものです。党内で調整するだけですから。

弱い立法府に属する議員が行政府の長になると突然強大な権限を
持てるのも、共産主義国家的に一党独裁の立法府が行政府と完全融合
すればわけないことです。評議会メンバーである各大臣は議会内
行政組織(各委員会)の長だから「委員長」って名称なんでしょう。

そういえば、同盟が共産主義的政治システムを採っていた証明に
なりうるものが原作にもあります。
サンフォード政権の「人的資源委員長」ホワンは、アムリッツア作戦
に反対する時に「軍隊以外の分野で人的資源が必要だから、軍人を
除隊させてそちらに廻せ」という趣旨の発言をしてました。
これって、労働者の配置をコントロールできるって事ですよね。

しかし、そうだとすると、田中氏は「最低の民主主義」のモデルを
大好きな社会主義国家から採ったともいえるわけですねぇ(笑)
(創龍伝は1ページも読んでないので、ここのベストや考察から
田中氏が共産主義国家の中国が大好きと判断しました)
それともソ連かな。田中氏って、ソ連は嫌いでしたっけ?


> 何故なら、まず歴史的背景から見て少数の亡命者のみで
> 作られた社会が、政治形態に、現代的な民主主義を
> 選択するとは思えないことです。
> そして、帝国という目に見える脅威に常におびえながら早急に
> 国力を蓄えるとなると、共産主義が一番適しているからです。
> ロシア革命後のソ連の国力の増進は不況にあえぐヨーロッパを
> 尻目に大きく進みました。それは独ソ戦において力を発揮します。

実際には、帝国は相当の間、ハイネセンたちの逃亡と生存を
知らなかったような…でも、帝国がしらないってだけで、亡命者
からすれば「いつ見つかるか」と脅威を感じてはいたでしょうね。
なので、恐らくは共産主義を採用して国力を増強させた可能性は
オレもありうると思います。

それに民主主義の実際を知ってる人は全て黄泉の国に旅立っています
し、そうなるとその理念を奉じる人々にとっては、アメリカ型でも
ソビエト型でもどちらでも全く違いはないでしょうし。


> こう考えると急速な同盟の膨張の謎や、中央集権的性格の強さ、
> 「同盟」という名前の謎、他の星系を支配するやり方、
> 等々の疑問が一気に解決するような気がします。

「同盟」にしたのは、「連邦」だとあの「銀河連邦」を連想するから
避けたのかもしれませんよ。でも、名称として「ハテ?」なカンジは、
昔読んだときにも感じていました。あ、連邦じゃないのは、あの中央
集権的統治システムのせいか。
しかも、同盟は地方自治なんて概念が存在しないかのようですから、
これはアメリカよりソビエトの政治システムを採用したってことに
なりますね、確かに。

そういえば、末期で帝国より同盟の方が経済力が劣っていたのは、
共産主義を採用していたせいかも。共産主義は、最初の経済成長には
確かに役に立つんですが、その後の維持発展では弊害が多いですから。


> こんな「民主主義」の中で育ったならばヤンが理想に拘り、
> そのままの同盟自体に存続の価値を認めなかったのも
> 分かる気がしますね。

政治家を嫌悪していて、クリーンな政治家と評判だったレベロや
ホワンともほとんど付き合わなかったのも、分かる気がします。
「一党独裁下の政治家で、(自分の理想を政治に反映させるため
とはいえ)派閥争いなどのパワーポリティックをせざるを得ない」
という点では、トリューニヒトらと同じ穴の狢ともいえますから。


No. 1059
Re:うをっ!すげぇレスが!
2001/10/27 09:29
> ども、スタードです。
> しばらく来ないうちにすげぇ数のレスが・・・
> しかもレベル高っ!( ̄□ ̄;)!!

こんにちは。オレのはたいしたものじゃないです(^-^;;
ベストとか考察、現行スレッドを読んでると、皆さんの投稿の
レベルの高さには驚嘆しますよ。
今回はなんだか入れそうかなと思って書き連ねた雑文なので、
お気軽に感想とかツッコミとか入れてください。

> ボク的には「こうなってたらヤンてどうなってたんだ?」
> といった軽い気持ちで言ったんですが・・・
> 政治学とかの会話まで出てるし、

原作では、レベロが暴走したのは個人的な資質の問題のように
扱われていたと思うんですけど、「じゃあホワンだったら?」を
考える時にホワンの考え方や資質だけでは処理できないんですよね…

同盟は官僚・軍部・産業界・地球教・フェザーン・各地域など、
複数の利権代表のパワーポリティックスの上に政治が運営されて
いるのが現実ですし、そうなると、「元首の意向がどれだけ統治に
反映されるか」という所から分析しないと、ホワンの反銀英伝考察
の入り口にも達しない、と思って、いろいろ調べて勉強しながら
書いてます。

それにしても、原作にはそういった分析の参考になる記述が
ほとんど無かったような気がするので、かなり難事ですよ。
(手元に銀英伝が無いので、忘れてるだけかもしれません)


> ついていけなくて眼が回りそうな・・・
> いや、理解はしてますよ、理解は。
> ただ、それについての意見やら反論やらが出ないんですよ(T_T)
> とりあえずボクのことは置いといて議論を続けててください。
> 見てはいますから・・・(T_T)
>
> あ、でもなんか意見出せそうなら書き込みます\(^o^)/
> ではでは。

興味深い思考実験のテーマを出してくださってありがとうございます^^
なにかありましたら書きこんでくださいね。


No. 1060
専制対社会主義、救いのない戦争だった訳ですね
lulu 2001/10/27 16:45
専制と共産主義の戦いにおいて専制が勝利したわけですが、
ついでに企業共同体であるフェザーンも滅んでますね。
そして残ったのは中国の秦の様に硬くて脆そうな専制と
故人のカリスマによって支えられた北朝鮮もどきですか。
共産主義+英雄崇拝ならバーラト政府がこうなることは
避けられないでしょうね。
…ああ救いがない(泣)

涼さん、私の漠然としたアイディアをすっきりまとめてくれて
どうもありがとうございます。
同盟内部において司法と立法の立場が異常に弱く、
なぜか最高評議長が絶大な権限を握っているので
ソ連の書記長なんてこのような感じではなかったかなと。
最高評議会内部の描写も閉鎖的で、ここはひょっとして
クレムリンじゃなかろうかと思われますね。

また、事あるごとに民主主義の理念を振りかざすというのは
現実において事あるごとに共産主義の理念を振りかざしてきた
共産党の姿に重なるものがあります。

後、この世界に宗教の影響がないという点について、
まず、ゴールデンバウム型の力の専制の帝国において
軟弱と判断されるであろう宗教は衰退するであろうし、
その中で半ば宗教的に変質した民主主義、つまり社会主義において
やはり宗教の影響力は衰退するのではないでしょうか。
名目上、同盟は宗教上の自由を認めるとは思いますが
その歴史過程上、「民主主義教」が実際の宗教に替わって
民心を掌握するのではないでしょうか。
そして同盟が衰退期に入り、「民主主義教」への幻滅が広がったため
長年、自らの行ってきた帝国侵攻の正当な理由、アイデンティティ、
の根拠として地球教の影響力が広がってきたというのが
当時の同盟の宗教情勢ではなかったかと。

結局レベロはゴルバチョフだったわけですね…
すごいです田中先生、ソ連崩壊を予測していたなんて(笑)


No. 1061
Re:ほとんど社会主義国家では
lulu 2001/10/27 17:57
ちょっと話題がずれ出しているような(苦笑)

同盟が社会主義国家だという前提が正しいとして、
ホアンがビュコックやヤンなどに掌握された(!)軍部の支持を得て
派閥乗っ取りを行い(!!)旧トリューニヒト閥を粛清して(!!!)
完全独裁態勢を同盟に築きあげたとしたら、同盟のそして銀河の
情勢はいかに動いたでしょうね(爆)
まさに国民的人気を集めるプーチンや小泉のごとく
彼等に圧倒的なな支持が集まるのではないでしょうか。

全く…ヤンが軍を退役などするからこんなことになるんですよ。
結局、どのような情勢になろうが彼の無責任さが解消され無い限り
なにも変わらないのではないでしょうか。
仮に自分が同盟政府のの高官であると考えると、
ヤンは、はっきりいって疫病神にしか見えないですね。
エルファシル、アムリッツア、アスターテ、彼の行くところ
同盟の敗北ありです。勝ったのはイゼルローンだけじゃないですか。
おまけに最後に帝国軍の介入を招いて去っていきましたし。
ヤンにしてみれば自業自得だということになるのでしょうが、
彼が自らの立場に無自覚で、その無責任のために災厄を
周りに振りまいたことは事実ではないでしょうか。
ザ・ベストに戦史研究課が廃止されなかったらという
ものがありましたが、ヤンが登場しない世界はたしかに
みんな幸せになれたような気がしますね。


No. 1062
確かに…
2001/10/27 20:00
> そして残ったのは中国の秦の様に硬くて脆そうな専制と
> 故人のカリスマによって支えられた北朝鮮もどきですか。
> 共産主義+英雄崇拝ならバーラト政府がこうなることは
> 避けられないでしょうね。…ああ救いがない(泣)

ホントに。残った選択肢が専制政治と共産主義では…
アーレ・ハイネセンの巨大石像の横にヤンの巨大石像を並べて
崇拝してそうですよ、彼ら。

> 涼さん、私の漠然としたアイディアをすっきりまとめてくれて
> どうもありがとうございます。
> 同盟内部において司法と立法の立場が異常に弱く、
> なぜか最高評議長が絶大な権限を握っているので
> ソ連の書記長なんてこのような感じではなかったかなと。
> 最高評議会内部の描写も閉鎖的で、ここはひょっとして
> クレムリンじゃなかろうかと思われますね。

考察シリーズなどでもたびたび指摘されているんですが、
同盟ってアメリカ型の民主主義国家にしてはありえないほど
立法府の力が消滅してますよね。司法府の力も全くありませんし。

そういえば古本屋で銀英伝の1巻と2巻を見かけたので買って
読みなおしてるんですが、アムリッツア出兵を決定する評議会
で、サンフォードはこんなこと言ってます
「このままでは来年早々の選挙に勝つ事はおぼつかん。和平派と
最強硬派に挟撃されて、過半数を割る事は目に見えとる」

…これって、一見複数政党制でアメリカ型の民主主義政治システム
があるようなセリフに見えるんですけど、別に「一党独裁下で
和平派と最強硬派に挟撃されて、現在の政権を支える主流派が
党内で過半数を割る」と捉えても別に問題ないんですよね。

複数政党制を採用してるならアムリッツア、バーラトと、2度も
与野党逆転の危機があった(しかもアムリッツアの時は、このまま
では選挙に負ける状態でさらに軍事的に大敗したのだから、
与野党逆転は確実でしょう)のに、結局同じ党に属している
トリューニヒト、レベロが政権を取ってます。
このことと立法府の力の無さを考えると、やはり同盟は共産主義
国家的な一党独裁体制下にあったとしか思えないです。

luluさんの的確な意見のおかげで、自分なりに同盟の政治システム
に結論が出せました。こちらこそありがとうございます。


> また、事あるごとに民主主義の理念を振りかざすというのは
> 現実において事あるごとに共産主義の理念を振りかざしてきた
> 共産党の姿に重なるものがあります。

安っぽいヒロイズムに囚われてレベロの口を封じた情報交通委員長
ウィンザー女史なんか、その典型でしょうか。同盟の政治家って、
ホントに現実を見ない人ばかりです。元首就任後のレベロもそんな
感じがしますしね。
にしても、ゴールデンバウム王朝の貴族ドモといい、なんでこんな
に無能な人間ばかりがいわゆる「敵役」なのか…反銀英伝であった
ような、極めて有能な旧体制の支持者がちゃんといてくれたら、
もっと良かったと思いますよ。


> 後、この世界に宗教の影響がないという点について、
> まず、ゴールデンバウム型の力の専制の帝国において
> 軟弱と判断されるであろう宗教は衰退するであろうし、
> その中で半ば宗教的に変質した民主主義、つまり社会主義において
> やはり宗教の影響力は衰退するのではないでしょうか。
> 名目上、同盟は宗教上の自由を認めるとは思いますが
> その歴史過程上、「民主主義教」が実際の宗教に替わって
> 民心を掌握するのではないでしょうか。

共産主義と宗教は、マルクスが「宗教は民衆の阿片である」なんて
言葉を引用しているように、相性が悪いですから、そこらへんも
加味できるかも。
ただ、宗教が弾圧されていたり嫌悪されていたとはあまり思えない
んですよね。もしもそうなら、救国軍事クーデターの後で、
トリューニヒトが「地球教徒に助けてもらった」なんて発言は
できませんし。

luluさんが仰ってるように、ルドルフがズタズタに弾圧して、
同盟では民主主義が宗教化をしたために、それまでの宗教が力を
失ったと考えるのが妥当かも。現実にはありえなさそうなこと
ですが。宗教はしぶといですからね。

あ、そういえば同盟においては全員が民主主義を奉じて亡命した人か
その子孫ですから、民主主義が宗教化する下地は十分にありそう。


> そして同盟が衰退期に入り、「民主主義教」への幻滅が広がったため
> 長年、自らの行ってきた帝国侵攻の正当な理由、アイデンティティ、
> の根拠として地球教の影響力が広がってきたというのが
> 当時の同盟の宗教情勢ではなかったかと。

地球教って、同盟でどのくらいの力があったんでしょう。
政治的にじゃなくて、人々への浸透力って面でですが。
トリューニヒトは地球教の「地下協会」にいたといってますし、
あまり日の目を見る位置にあるとも思えない呼び名です。
しかしそれじゃ↑でコメントしたように、トリューニヒトが公に
することなんてありえないし。うーん、謎です。

地球教というのは、協会を地下に作るという教義でもあるのかな。
で、それを称して「地下協会」と呼ばれてるとか。


> 結局レベロはゴルバチョフだったわけですね…
> すごいです田中先生、ソ連崩壊を予測していたなんて(笑)

大っぴらに予言するんじゃなくて、複雑怪奇な同盟の政治システム
を煙幕にして予言するなんて、やりかたも見事です(笑)


No. 1063
Re:確かに…
lulu 2001/10/27 21:07
> アーレ・ハイネセンの巨大石像の横にヤンの巨大石像を並べて
> 崇拝してそうですよ、彼ら。

アーレ・ハイネセンの像ってそのまんま金日成の像ですね。
うかつにも今まで気がつきませんでした。

> 「このままでは来年早々の選挙に勝つ事はおぼつかん。和平派と
> 最強硬派に挟撃されて、過半数を割る事は目に見えとる」

そういえば議会選挙とは言ってませんね。
党内選挙かもしれないし、党員選挙かもしれません。

> 無能な人間ばかりがいわゆる「敵役」なのか…反銀英伝であった
> ような、極めて有能な旧体制の支持者がちゃんといてくれたら、
> もっと良かったと思いますよ。

途中まではトリューニヒトやルビンスキーが、その役割を
果たしていてくれましたが、竜頭蛇尾とはこのことですね。

> 地球教って、同盟でどのくらいの力があったんでしょう。
> 政治的にじゃなくて、人々への浸透力って面でですが。
> トリューニヒトは地球教の「地下協会」にいたといってますし、
> あまり日の目を見る位置にあるとも思えない呼び名です。
> しかしそれじゃ↑でコメントしたように、トリューニヒトが公に
> することなんてありえないし。うーん、謎です。

アニメの話しですが、KKK団バリの格好をした地球教徒が、
昼間に通りを大人数でパレードしていましたよ。
かなり急速に支持者が広がっていたのではないでしょうか。
特にトリューニヒトはそれを積極的に利用していたような。

可能性1:
地下協会(教会?)というのは単に言葉の綾で、
トリューニヒトが救国軍事会議の弾圧から隠れていたと
いうことを、ただ大袈裟に言っているだけなのではないでしょうか。

可能性2:
ただ地球教というものは地球の復権をたくらむ秘密結社、
という側面も持っていますので、武器弾薬の貯蔵をも
行っていましたね。そのようなところに匿われていた為、
うっかり口を滑らせてしまったということも考えられます。

可能性3:
地球教徒はローマ時代のキリスト教の様にとは言いませんが、
日本における阿含宗、天理教、創価、アメリカにおける
モルモン教のごとく、ある時までは一般市民からは、
排撃の対象だったのではないでしょうか。
それに、末端組織がサイオキシン麻薬の取引などで
刑事捜査の対象になったこともあったでしょう。
そのような時代があったことによる遺産として
地下協会があった可能性もあります。


No. 1064
ホワンでもムリかも
2001/10/27 22:02
> ちょっと話題がずれ出しているような(苦笑)

そうですね(苦笑)

> 同盟が社会主義国家だという前提が正しいとして、
> ホアンがビュコックやヤンなどに掌握された(!)軍部の支持を得て
> 派閥乗っ取りを行い(!!)旧トリューニヒト閥を粛清して(!!!)
> 完全独裁態勢を同盟に築きあげたとしたら、同盟のそして銀河の
> 情勢はいかに動いたでしょうね(爆)
> まさに国民的人気を集めるプーチンや小泉のごとく
> 彼等に圧倒的なな支持が集まるのではないでしょうか。

すげぇ(笑)
トリューニヒトが絶大な権力を得られたのも、彼が軍産界にコネが
あったおかげですし、ホワンが軍部の支持を得られればそれに対抗
できるくらいの政治基盤になりますね。
はっきり言ってトリューニヒトは「もう終わった人」ですから、
ホワンが軍部の積極的支持を受ければトリューニヒト閥メンバーも
日和見する可能性がありますし、日和見しなければ干せばよいし。
それ以外の派閥は、レベロの支持も上手く使えばほとんどなびく。

軍部の支持を取り付けるための前段階として、ビュコックとヤン
の支持を得る必要がありますが、
・「廃棄予定の」艦艇を全部横流ししたりして軍事力の保持に努め
てビュコックの支持を取り付け、ビュコックを通じてヤンの支持を
とればよさそうです。単純な書類操作で横流しが可能なのはチェン
参謀長の例で明らかですしね。

ただ、ホワンが完全独裁体制を敷いて国民から熱狂的支持を受けた
ら、帝国は警戒するかもしれません。即座に再侵攻という可能性も
ありえます。そこをどうするかですね。


まず、艦船の横流しを隠すために、レンネンカンプのあの命令を
利用しますか。あれをラインハルトに訴えてレンネンを更迭させ、
その間の帝国の監視の空白を選んで、予定通りに軍縮(実際は
隠匿)をします。

で、帝国に
> 例1:国家経済の破綻により餓死者が出る懸念を帝国に伝え、
>    経済制裁処置の緩和、もしくは物資の援助を申し出る。
> 例2:帝国領内の市場の解放&同盟経済への保護措置
> 例3:反帝国運動の抑制のため、駐留帝国兵への裁判権 etc
を要求。
1と2は人的資源委員長だったホワンは民力の疲弊について詳細な
知識を持ってますから、具体的なデータを列挙して要請するのも
可能でしょう。
3はレンネンカンプの外交上の失敗をカードに使えばよいかと。
まあ、3についてはムリに実現させなくても何とかなります。

それでしばらくは国力の回復に努めます。フェザーンとの間の債務
も相手が消滅した事で消えましたし、帝国の援助も取りつけられば
財政的にもなんとかやりくりしていくことが出来そうです。
あとは帝国に反感があるフェザーン商人の資本と能力を国内に取り
込めば良いでしょう。


そこまでやっても、帝国と同盟の軍事力の差や、破綻した同盟経済
を考えると、同盟が復活できるかどうかつらいですよ。
まったく、トリューニヒトの命令を無視してブリュンヒルトを撃沈
しておけばまだラクそうなのに(苦笑) ついでにトリューニヒトを
政治的に破滅させるというおまけ付きだったのですからねぇ。


> 全く…ヤンが軍を退役などするからこんなことになるんですよ。
> 結局、どのような情勢になろうが彼の無責任さが解消され無い限り
> なにも変わらないのではないでしょうか。
> 仮に自分が同盟政府のの高官であると考えると、
> ヤンは、はっきりいって疫病神にしか見えないですね。
> エルファシル、アムリッツア、アスターテ、彼の行くところ
> 同盟の敗北ありです。勝ったのはイゼルローンだけじゃないですか。
> おまけに最後に帝国軍の介入を招いて去っていきましたし。
> ヤンにしてみれば自業自得だということになるのでしょうが、
> 彼が自らの立場に無自覚で、その無責任のために災厄を
> 周りに振りまいたことは事実ではないでしょうか。
> ザ・ベストに戦史研究課が廃止されなかったらという
> ものがありましたが、ヤンが登場しない世界はたしかに
> みんな幸せになれたようなきがしますね。

同意。
ヤンって、益体も無い理念を振りまわした挙句、災厄だけを残した
人物として歴史に名を残しそうです。もちろんバーラト自治政府
では神のごとくあがめられる、と(笑)


No. 1065
Re:確かに…
2001/10/27 22:32
> アーレ・ハイネセンの像ってそのまんま金日成の像ですね。
> うかつにも今まで気がつきませんでした。

ええ。金日成の像と何ら変わりありません(-.-;;
最大限好意的に見れば、ワシントンのリンカーンメモリアル
にあるリンカーン像ですか。

> > 無能な人間ばかりがいわゆる「敵役」なのか…反銀英伝であった
> > ような、極めて有能な旧体制の支持者がちゃんといてくれたら、
> > もっと良かったと思いますよ。
>
> 途中まではトリューニヒトやルビンスキーが、その役割を
> 果たしていてくれましたが、竜頭蛇尾とはこのことですね。

トリューニヒトは、たしか最終目標が「帝国に立憲体制を導入
する」ってことでしたよね。よっぽど民主主義の擁護者じゃん…
ヤンもトリューニヒトも別に同盟の存続そのものに興味があった
わけではないから、ヤンとトリューニヒトのその後の軌跡で
「民主主義を生かすのにどのような方法が最善か」(あと、
ヤンのやり方への痛烈な反論)というテーマが出来たかも。
ルビンスキーは経済力と政治支配というテーマで、富の独占を
嫌うラインハルトとの死闘ですか。
これと反銀英伝のタンネンベルク卿をだして、と。
素敵な展開になりそうですね。


> アニメの話しですが、KKK団バリの格好をした地球教徒が、
> 昼間に通りを大人数でパレードしていましたよ。
> かなり急速に支持者が広がっていたのではないでしょうか。
> 特にトリューニヒトはそれを積極的に利用していたような。

アニメは知りませんでした(^-^;;
ふむ…同盟にはかなり浸透してたのか。それなら、トリューニヒト
が公に言うのは何の問題も無いですね。むしろ、その発言で
風当たりが良いとは言えない地球教の環境をよくしてあげたのかも。

そういえば、「地下協会」は「地下教会」のタイプミスです。
失礼しました。

> 可能性2:
> ただ地球教というものは地球の復権をたくらむ秘密結社、
> という側面も持っていますので、武器弾薬の貯蔵をも
> 行っていましたね。そのようなところに匿われていた為、
> うっかり口を滑らせてしまったということも考えられます。
>
> 可能性3:
> 地球教徒はローマ時代のキリスト教の様にとは言いませんが、
> 日本における阿含宗、天理教、創価、アメリカにおける
> モルモン教のごとく、ある時までは一般市民からは、
> 排撃の対象だったのではないでしょうか。
> それに、末端組織がサイオキシン麻薬の取引などで
> 刑事捜査の対象になったこともあったでしょう。
> そのような時代があったことによる遺産として
> 地下協会があった可能性もあります。

なるほど。地球教の武力的側面を考えれば、地下教会があるのは
不思議でも何でもないですね。ただトリューニヒトが口を滑らす
ってのはあまりなさそうなので、3の方がありえそう。


No. 1066
反銀英伝より:トリューニヒト物語
lulu 2001/10/28 00:18
> トリューニヒトは、たしか最終目標が「帝国に立憲体制を導入
> する」ってことでしたよね。よっぽど民主主義の擁護者じゃん…
> ヤンもトリューニヒトも別に同盟の存続そのものに興味があった
> わけではないから、ヤンとトリューニヒトのその後の軌跡で
> 「民主主義を生かすのにどのような方法が最善か」(あと、
> ヤンのやり方への痛烈な反論)というテーマが出来たかも。
> ルビンスキーは経済力と政治支配というテーマで、富の独占を
> 嫌うラインハルトとの死闘ですか。
> これと反銀英伝のタンネンベルク卿をだして、と。
> 素敵な展開になりそうですね。

実はトリューニヒトは私が銀英伝中で一番評価している人物です。
少なくとも単なる衆愚政治家ではなかったのではないでしょうか。
以下は銀英伝をトリューニヒトの視点から見るとどう見えるかに
ついて前に投稿したものですが、ただし、この議論以前に
書いたものですので同盟を民主主義社会と
誤解したまま(笑)書いたものです。

>憂国騎士団:
>基本的に犯罪です。もし仮に平和運動が帝国の陰謀によるもの
>だったとしても国家警察による取締りを行うべきだったでしょう。
>この件に関しては弁護の余地がありませんね。
>(でもマフィア雇うくらい何処の政治家もやっていることかも)

ジェシカなどによる平和運動は実は帝国の陰謀だったのでは
ないでしょうか。それくらい運動に必然性がありません。
そのことについてはここですでに議論されているようですね。
国防委員長として危険分子の弾圧は当然かもしれません。
同盟が共産主義ならなおのこと、まさに天安門事件のごとく

>帝国領侵攻作戦:
>この時点では同盟に正攻法で帝国と戦う力はありませんでした。
>まあ、トリさんとしても大敗するとは考えていなかったでしょう。
>しかし、ある程度負けてくれれば、政敵を一気に葬るチャンス
>とは考えていたんではないでしょうか。
>しかし結果は同盟軍の大敗、政敵はほぼ消えてくれましたが、
>ここからの同盟の逆転の可能性はほぼ消えてしまいました。
>軍制服組の無能さがよくわかりますね。

この時点でトリューニヒトも軍の能力についての信頼は
まだあったと思われます。特にヤンやウランフ、ビュコック
など優れた提督が揃い、かなり期待していたのではないでしょうか。
漫画版で「帝国を打ち破った史上最高の評議長か、悪くない」
といった独白をしていましたね。ヤンなどが自分を嫌っているのは
知っていたでしょうが、利用することはできると考えたでしょう。
しかし結局空前の大敗を喫しました。
軍に対するトリさんの信頼はかなり揺らいだのではないでしょうか。

>救国軍事会議クーデター:
>前年の大敗に続いて同盟の屋台骨を揺るがす事件の発生です。
>これによってトリさんは軍への信頼感を完全に失いました。
>危うく難は逃れたものの、今後同盟を立て直すことは不可能である
>と考えたでしょう。では自分の野心、ついでに民主主義を守るため
>とりえる手段とはなんでしょうか?

トリューニヒトにとって転回点となる事件ですね。
地球教徒に対し借りを作ってしまい、利用し合う関係から
一蓮托生へと一歩進んでしまいました。
クーデターはぎりぎり鎮圧された様ですが
軍部への期待は失望に変わり、ベイ大佐を通じて
ことが帝国の陰謀だったことも知ったことでしょう。
現行の軍部が頼りにならないとすれば計画の変更を
行い新たに協力者を得なければならないでしょう。

>ゴールデンバウム朝亡命:
>ヤンが獄中で危惧していた様にトリさんは同盟を裏切り
>帝国の早期完全勝利のために動き始めます。第一弾がこれ。
>地球教&フェザーン&トリさんの悪のトリニティ結成。
>ここで全銀河を一旦混沌状態にするのには失うものが大きすぎる
>と考え同盟を潰し帝国をのっとるという共通目的の為に
>動き始めます。

そのまんまです。それぞれ目的は違うでしょうが、
3者が同盟するメリットは大きいですね。

>ラグナロク作戦:
>実務は部下に任せて同盟者と共に帝国内の人脈作りに邁進。
>戦争犯罪者として公職追放処分にはなりたくないので引篭り、
>惑星ごと民主主義に殉じようとするヒステリーを押さえる
>こともしましたが。

トリューニヒトがこの時点で引っ込んだことについて
他に説得力のある説明が思いつきません。
無能だから引っ込んだと言う説は問題外です。
一時表面から引っ込んでアイランズを表に出し、
同盟指導者としての自分の立場を曖昧にし、
印象を薄める効果があったのではないでしょうか。
それは成功し、トリューニヒトは第一線から身を引き、
その自らの持つ力不相応に忘れられることに成功します。

>地球征伐:
>一通り人脈ができたらもう同盟の意味はありません。
>三者で帝国をのっとったとしても、所詮は個人であるトリさん&
>ルビンスキーは結局、巨大組織地球教に押しつぶされるのが
>目に見えてます。そこで両者は結託して地球教を潰すことで
>共同戦線を張り、帝国に地球教を密告します。
>これにより地球教は壊滅、残るライバルは病気持ちの
>ルビンスキーだけ。トリさんの天下が見えてきましたね。

地球教の実体を知るにつれて、それに対する恐れも多くなって
いったことでしょう。フェザーンを支配し、同盟帝国問わずに
多くの支持者のいる地球教。彼らを利用しつつも力を
削がなくてはならないでしょう。
この事件後、若手の地球教非主流派が表に出てきて、
総大主教に近かった人間が全く活動しなくなります。
それに三大勢力の上層部にまで食いこんでいたであろう
権力を持った大組織ながら、その後にやることがテロレベル
でしかなく、小規模でせこいことから、権力層に近い主流派組織は
ルビンスキーとトリューニヒトに潰されたと想像します。
構成員はトリューニヒトに吸収され、帝国内の権力基盤と
なったことでしょう。


>再びラグナロク:
>その内起こることでしたが早まった原因はレベロの自爆ですね。
>トリさんとしては実に歓迎すべきことでした。これにより、
>形骸化した同盟はついに滅び、平和と安定と陰謀の時代が来る
>はずでしたから。しかし大誤算が一つ、ヤンを中心とする
>教条的民主主義過激派の離脱、しかもその勢力はかなり大きく、
>イゼルローンを結果的に確保しています。
>宇宙の統一と安定を願うトリさんにとっては痛い誤算となりました。

同盟が滅びれば必然的に軍部の持つ力が減少します。
もう敵はいないのですから大規模なリストラが始まるでしょう。
そうすればトリューニヒトの立場は飛躍的に上がります。
しかしこれまた「疫病神」ヤンの所為でおじゃんです。
何処までいってもヤンに祟られますね。

>ロイエンタールの反乱:
>トリさんの第2の大誤算ですね。地球教徒にこれだけの力が
>残っていたとは、思わなかったでしょう。それにロイエンタールが
>皇帝に反乱するまでに自分のプライドに拘るような我侭者だともね。
>この時点での騒乱は決して好ましいものではありません。
>ゆっくり菌糸を伸ばそうというときにガラガラと崩れるプランを前に
>呆然とするトリさんの姿が目に浮かびます。
>まあロイエンタールには継戦能力がありませんし嵐が収まるのを
>おとなしく待つつもりが…
>
> パン!
>
>「トリューニヒトが死んだ様ね。これを見越してあの女を
> ロイエンタールに送りつけたの?自分の息子の未来をあんな男に
> 握られるなんて厭な気分にはなるでしょうけど」
>「ふん、トリューニヒト自身がどう思っていたかは知らないが、
> 所詮あいつは道化にすぎなかったのさ。ロイエンタールが
> やつのことを嫌っていたのは知っていたからな。
> こんな小細工をしなくても、やつはトリューニヒトを
> 殺してくれたかもしれん。」

ロイエンタールのばかさ加減がなんとも…
人の上に立つ人間のすることではないですね、
叛乱するなら自分一人でやれとでも言いたくなります。
銀英伝通じて、所詮兵士は記号でしかありませんが…
これはひどい、この戦いで死んだ人間はいい皮の面ですね。


No. 1067
Re:ホワンでもムリかも
lulu 2001/10/28 01:03
> ・「廃棄予定の」艦艇を全部横流ししたりして軍事力の保持に努め
> てビュコックの支持を取り付け、ビュコックを通じてヤンの支持を
> とればよさそうです。単純な書類操作で横流しが可能なのはチェン
> 参謀長の例で明らかですしね。

ただし、問題点として、戦闘艦艇の処分は免れても、
それを維持できるかどうかは?ですね。
武器は美術品ではなく、定期的にメンテナンスを行い、
その戦力を維持しなければなりません。
このメンテナンスコストというものが現代の空母では
かなり大きいウェイトを占めるのです。
製造費用2000億でも維持費は一ヶ月に一億ほど…
乗務員の給料や艦載機のメンテナンスも別ですが。
後、船だけ隠しても乗員がいなければ意味がありません。

> ただ、ホワンが完全独裁体制を敷いて国民から熱狂的支持を受けた
> ら、帝国は警戒するかもしれません。即座に再侵攻という可能性も
> ありえます。そこをどうするかですね。

一度停戦した以上、それ相応の「幾」となるものがなければ
幾ら帝国でも再侵攻は不可能でしょう。
かつてのソ連のごとく無理難題を押し付けて、その拒否を
理由に侵攻するとか、全く関係なく条約破棄して侵攻するか
どちらもラインハルトはやりそうには思えませんね。
オーベルシュタインはやりそうですが…
(ただし、ゴールデンバウム朝を滅ぼした以上、彼が積極的に
 陰謀を起こして動かなければならない理由はないと思います。
 原作でも彼は陰謀を企んでいるだろうといわれながらも、
 自らアクションを起こさなくなりますね。)

> それでしばらくは国力の回復に努めます。フェザーンとの間の債務
> も相手が消滅した事で消えましたし、帝国の援助も取りつけられば
> 財政的にもなんとかやりくりしていくことが出来そうです。
> あとは帝国に反感があるフェザーン商人の資本と能力を国内に取り
> 込めば良いでしょう。

フェザーンの持っていた債券は消滅せずに帝国所有に
なっているものと考えられます。あと帝国の援助の他には、
安全保障税の減額などが考えられますね。
この安全保障税はライヒスマルクで払うことになっていたため、
同盟通貨のインフレ起こして実質支払い放棄に持っていけない、
しかも敗戦国、同盟通貨のインフレは避けがたい。そのため重く
同盟経済にのしかかっています。これを何とかしなければ…

ソ連崩壊後、中央アジア諸国でのIMFの行った緊縮財政では
インフレは食い止められますが、経済の発展にはかなりの
マイナスでした。しかも同盟は外貨獲得のためになりふりかまわず
経済発展の道を進むしかないでしょう…
その結果弱者切り捨て、社会保障の削減等を行う以外になくなります。
その結果は、同盟の信頼の更なる失墜、帝国への期待の上昇。

ラインハルトさん、相変わらずえぐい戦略取りますね…
相手を追いこんでおいて、その結果に関しては相手を非難するのみ。
かつてのアメリカのモラル・アプローチそのまんまですね。

> そこまでやっても、帝国と同盟の軍事力の差や、破綻した同盟経済
> を考えると、同盟が復活できるかどうかつらいですよ。
> まったく、トリューニヒトの命令を無視してブリュンヒルトを撃沈
> しておけばまだラクそうなのに(苦笑) ついでにトリューニヒトを
> 政治的に破滅させるというおまけ付きだったのですからねぇ。

もう私ははあきらめます。
トリューニヒトだって同盟再生の不可能性を見きって
同盟を見捨てたんでしょうから。
あのトリューニヒトにさえできないことを私が考えることなんて…


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