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田中芳樹と他の作家との比較検証論
7−A

佐藤大輔編(1)


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No. 121
常々考える事ですが
平成の一軍人 1999/10/13 20:28:01
 佐藤大輔の『銀河連邦の興亡』シリーズをお読みの方も多いと思いますが、あの作品の中では恒星間文明の時代だと言うのに、民族国家が存続しています。日本人ばかりが住んでいる惑星群は「N−1星系」で星系自衛隊まであるんですな。おまけに、各星系には一家族づつ皇族(天皇家の分家)まである。
 きっと佐藤大輔は、国家を粗大ゴミ扱いする田中芳樹に対して「国家や民族がなくなるわけないやんけ」と、皮肉に満ちたせせら笑いを向けたくてこういう世界を構築したのだとしか思えません。


No. 123
Re: 常々考える事ですが
heinkel 1999/10/14 01:09:03
>平成の一軍人さん

> 佐藤大輔の『銀河連邦の興亡』シリーズをお読みの方も多いと思いますが、あの作品の中では恒星間文明の時代だと言うのに、民族国家が存続しています。日本人ばかりが住んでいる惑星群は「N−1星系」で星系自衛隊まであるんですな。おまけに、各星系には一家族づつ皇族(天皇家の分家)まである。
 きっと佐藤大輔は、国家を粗大ゴミ扱いする田中芳樹に対して「国家や民族がなくなるわけないやんけ」と、皮肉に満ちたせせら笑いを向けたくてこういう世界を構築したのだとしか思えません。



 「銀河」連邦ではなく、「地球」連邦ですね(笑)私も読者ですが。

 これは、銀英伝に限らず、過去のSF作品では未来においては国家や民族が消え去るのは自明のこととされている、それに対するアンチテーゼだと思いますね。
 銀英伝世界では帝国公用語のことを考えると、ドイツ語系民族とその言語が保存されていたようですが。

 ただ、「地球連邦の興亡」はその他いろんな意味で田中作品のアンチになってますね。
なにしろ、大増殖した日本人の恒星系N−1〜3の通称は「Nシスターズ」
そして、「染血の夢」が実行に移されていて、中国人の数が激減しています(^^;


No. 464
Re: 458 何か誤解されているのでは?
速水右近 1999/12/27 02:41:27
・佐藤大輔について
佐藤大輔のファンには、本当にユニークな方が多いですね。ここで彼を批判するのは場違いなので止めておきますが、かつて残間里江子女史が浅田彰について語った言葉で締めておきましょうか。
「たとえ卑怯者と呼ばれてもいい。
私は、あの顔が嫌いだ」


No. 465
ちなみに
不沈戦艦 1999/12/28 00:53:59
> ・佐藤大輔について
> 佐藤大輔のファンには、本当にユニークな方が多いですね。ここで彼を批判するのは場違いなので止めておきますが、かつて残間里江子女史が浅田彰について語った言葉で締めておきましょうか。
> 「たとえ卑怯者と呼ばれてもいい。
> 私は、あの顔が嫌いだ」


 まあ私個人の事を書くと、佐藤大輔はそんなに好きでもないです。どっちかと言うと横山信義ファンですね、私は。佐藤大輔について論じるページではないとは思いますが、ちょっと脱線ついでに。

「征途」はそこそこ面白かったと思いましたけど、どうも他はクドすぎるのであまり趣味じゃありません。「読んでいて疲れる」が正直な感想です。「レッドサンブラッククロス」も、人道云々別にしても、「戦争に至る日独の対立点」、ってのがあまり実感的じゃないので、「レッドサン」に限らず日独戦ものは「嘘がうまくない」と思ってしまうので、あんまり関心ないですね。ヒトラーはヨーロッパロシアを欲しがっていただけ。仮に戦争に勝っても、アジアまで来るか、って言うとかなり疑問だと思いますので。逆に日本はヨーロッパの戦いに介入するつもりも国力もありませんでしたし。対立点があるとは思えないので。

 まあ、佐藤大輔の顔は私にとってはどうでもいいですけどね。

「不沈戦艦」なんて名乗っていますから架空戦記ファンなのは解りきってると思いますけど、架空戦記ファンだからと言って、全部が全部佐藤大輔ファンではない、とは言っておきましょう。別に嫌ってはいませんけどね。


No. 1511
仮想戦記
lulu 2002/02/20 19:35
ここに来る人達はどんな仮想戦記を読んでいらっしゃるのでしょうか。

純粋に読み物として読んだ場合、『海上護衛戦』のような作品の方が
私にとってもずっと面白いので、私もたいていの仮想戦記は
捨ててしまいましたが、次の作品だけはまだ手元にあります。

・大逆転!太平洋戦争を阻止せよ 著者:檜山良昭。光文社文庫
 全く持って作品としては面白くないのですが、視点が面白かったので
まだ捨てずに手元に残してあります。それまで私は戦前の体制を、
現在の視点で批判していましたが、この作品を読んで当時の人間の
視点に立って当時を考えるようになりました。

・八八艦隊物語 横山信義著 徳間書店
 そういえばこの作品もライトスタッフが関わっていましたね。
結局、バスに乗ろうが電車で行こうが到達する先は同じである、
という作品で、このような思想にはっきり触れたのは『ドラえもん』
のセワシくん以来でした。艦砲の命中率が高すぎるなどとかいう
突っ込みはこの際無視です。

・なにわの総統一代記
http://maisov.oops.jp/ssd/index.htm
私としては今後はこのような作品を読んでみたいのですよ。
この際、作品としての完成度とかはどうでもいいです。
ネット上で仮想戦記物は幾らでも転がっているんですが、
あまりタイトルでそそられる物が無いんですよね。
お勧めがありましたら教えてください。


No. 1514
Re:仮想戦記
KUR 2002/02/21 13:54
> ここに来る人達はどんな仮想戦記を読んでいらっしゃるのでしょうか。
>

こんにちは、KURです。
うーん、仮想戦記………
私が読んだのは、レッドサン・ブラッククロスなんかの佐藤大輔モノですね。
どっちかというと、RSBCよりも征途のほうが好みです。

ただ、佐藤氏の場合、軍事知識は問題ないとして、科学知識を
もうちょっと増やして欲しい気はします………
右に舵を切った船が右に傾斜するとか、「えー??」てな描写が
けっこうあるので……

まあ、物理現象にうといという事情は、
日本の小説家一般にかなり当てはまる気がしますが(^^;


No. 1516
Re:仮想戦記
やっち 2002/02/21 15:51
佐藤氏と言えばなんと言っても「皇国の守護者(ってファンタジーやん!)」でしょう。
これを読んだとき「銀英伝の正当後継者が現れた」と驚喜乱舞した記憶があります(実際、読むとわかりますが、作者は相当、銀英伝を意識しています)。
4巻まで(そう言えば「異・戦国史(戦国時代物の架空戦記)」も4巻だった………)は超お薦めです。
ただ、5巻目以降は田中氏との構成力の差が如実に出ており、いまいちな作品になってしまいましたが……………。
才能ある人なだけにもったいない展開をするなぁ〜。

あの興奮を再び! 頼むぞ、大輔!!
っていうか芳樹でもかまわないぞ!!!


No. 1517
田中芳樹の影響を受けているといえば
KUR 2002/02/21 17:23
こんにちは、やっちさん。


> 佐藤氏と言えばなんと言っても「皇国の守護者(ってファンタジーやん!)」でしょう。
> これを読んだとき「銀英伝の正当後継者が現れた」と驚喜乱舞した記憶があります(実際、読むとわかりますが、作者は相当、銀英伝を意識しています)。
> 4巻まで(そう言えば「異・戦国史(戦国時代物の架空戦記)」も4巻だった………)は超お薦めです。

皇国の守護者は田中氏の影響をうけていますかーーー??(^^;;
いや、受けているのは受けているんでしょうが、どっちかというと
「俺ならあんな風にはしないでこんな風にしちゃうもんねー」という方向じゃないかと。
佐藤作品は人間のどす黒い部分が思いっきり表面に出るんで、
個人的には田中系作品とはだいぶ毛色が違うような気もします。

私としては、定金伸二氏の「ジハード」のほうが銀英伝の雰囲気に近い気がします。
この作品も、初期の頃は好きだったんですけどねえ……
十字軍とイスラムが、それぞれの正義をかけて知力と武術の限りを尽くして激突するって話で。
それが、途中から魔法とか妖術とかが出てきて……


> ただ、5巻目以降は田中氏との構成力の差が如実に出ており、いまいちな作品になってしまいましたが……………。
> 才能ある人なだけにもったいない展開をするなぁ〜。

私は、あれはあれで好きですけどね。ただ、どうやって終わらせるのかちょっと疑問ではあります。
皇国防衛を成し遂げて完結なのか、大協約世界そのものを動かし始めるのか。

あと、佐藤氏の場合、私は信長制海伝に期待しています。
ただ、彼は彼でかなりの遅筆ですからねえ……。
完結したシリーズモノが「征途」一作しか存在しませんし。
皇国とRSBC以外はおそらく全滅だろうという観測がもっぱらではありますが。

話は変わりますが、タイタニアもあれで終了なんですかねえ。
私は四巻の発売を10年ほど待っているんですが…


No. 1518
Re:田中芳樹の影響を受けているといえば
やっち 2002/02/21 20:23
> こんにちは、やっちさん。

こんばんわ!


> 皇国の守護者は田中氏の影響をうけていますかーーー??(^^;;
> いや、受けているのは受けているんでしょうが、どっちかというと
> 「俺ならあんな風にはしないでこんな風にしちゃうもんねー」という方向じゃないかと。

それこそが「影響力」でしょう!

冷酷非情な「魔王」ヤン・ウェンリー!
「あなたには参謀は必要ありませんな」とうそぶく主席参謀!
仲の悪い(一方的にロイエンタールが嫌っているだけですが)帝国の双璧!
比較的まともなフォーク!
エロエロなラインハルト!
両性具有のフレデリカ!
主人公の女性関係に嫉妬するアンネローゼ様!

好きじゃなかったらあそこまで「本歌取り」しませんって!
ゴジラが好きだからこそ、現代流にリファインした平成ガメラシリーズ。
そんな感じを受けました(もちろん、彼は銀英伝を超克したいと考えているでしょう)。


> 佐藤作品は人間のどす黒い部分が思いっきり表面に出るんで、
> 個人的には田中系作品とはだいぶ毛色が違うような気もします。

実は田中氏はさらりと書いてますが、結構、えぐい事を書いてます。
たとえば、銀英伝4巻の流血帝の部分や外伝1巻で金髪女性の長い髪の上で寝転がり、陶然とする「名君」(この人、死んだ寵姫の髪を食うという事までやっている)。
あるいは話は変わりますが「マヴァール年代記」のドラゴシュ(悪の項羽という感じの大好きなキャラ)の統治の描写など、念入りに描写してはいませんが、歴史の暗黒面をきっちり書いてます。
ただ、彼は現実の経験がそれほどないので、直接的な表現ができないのだと思います(ここで良くその事を書かれてますよね)。
佐藤氏はそこを突くのはプロの作家として当然でしょう。


> 私としては、定金伸二氏の「ジハード」のほうが銀英伝の雰囲気に近い気がします。
> この作品も、初期の頃は好きだったんですけどねえ……
> 十字軍とイスラムが、それぞれの正義をかけて知力と武術の限りを尽くして激突するって話で。
> それが、途中から魔法とか妖術とかが出てきて……

ジハードは立ち読みでしか読んだことがないので評価できないんですよ。
申し訳ありません。
確か立松和平氏が「後半、シュミレーション小説になる」と言っていたのが印象的でした。


> > ただ、5巻目以降は田中氏との構成力の差が如実に出ており、いまいちな作品になってしまいましたが……………。
> > 才能ある人なだけにもったいない展開をするなぁ〜。
>
> 私は、あれはあれで好きですけどね。ただ、どうやって終わらせるのかちょっと疑問ではあります。
> 皇国防衛を成し遂げて完結なのか、大協約世界そのものを動かし始めるのか。

皇国防衛で第1部って感じじゃないでしょうか(人気が出れば続編って感じで。個人的は皇国防衛で終わらせた方がいいと思います)。
僕的には4巻まで大傑作ヒーロー小説だったのが5巻目以降、そこそこのシュミレーション小説になったのがもったいないなと、思ったんです(確かに悪くはないんですけどね、ただ、あんな大傑作の後だから………)。
あれこそが佐藤氏のやりたい世界かもしれませんが、感情移入できない登場人物の点景が続き、何が起こっているのか良くわからない上に、展開が遅い。
田中氏ならば1巻で済ませる話を3巻以上続けられると、僕のような頭の悪い観客は「早く戦え!」と言いたくなってしまいます。


> あと、佐藤氏の場合、私は信長制海伝に期待しています。
> ただ、彼は彼でかなりの遅筆ですからねえ……。
> 完結したシリーズモノが「征途」一作しか存在しませんし。
> 皇国とRSBC以外はおそらく全滅だろうという観測がもっぱらではありますが。

彼は遅筆というより、もう一つの田中病「また新シリーズかよ!」だと思います(アイデアはあるんだろうな、アイデアは。田中氏もまだ、架空歴史小説のネタがいっぱいあるそうですし)。
ただ、正直、「征途」以外、あんまり評価していないんですよね。
「遙かなる星」は憂鬱になる話ですし、「RSBC」は上に書いた理由であんまり、好きになれない。
「信長」は勝家と家康との戦いに忙しく、いつ海外に行くんだかわからない。
「皇国」もおもしろそうだとおもいながら3巻まで手が伸びず、何げに図書館で読んだという感じです。
読後、「これこそ俺の求めていたものだ! ありがとう大輔〜!!」
と、星空に向けて叫ぶほど興奮したのを憶えています。


> 話は変わりますが、タイタニアもあれで終了なんですかねえ。
> 私は四巻の発売を10年ほど待っているんですが…

後、2巻で完結しそうなんですけどね〜。
いまだに普通に本屋さんに置いてあるんだから、少しは責任感じて欲しいですよ。
「全ての仕事を中止(創竜伝と警察もの、そして中国もの)し、全ての架空歴史物を完結させる」とか言ってくれれば、「マンセー」と叫びながら、田中信者に戻るんだけどな。


No. 1521
田中病?
KUR 2002/02/22 16:09
ども、KURです。


> 好きじゃなかったらあそこまで「本歌取り」しませんって!
> ゴジラが好きだからこそ、現代流にリファインした平成ガメラシリーズ。
> そんな感じを受けました(もちろん、彼は銀英伝を超克したいと考えているでしょう)。

うーん確かに。
いわれてみれば結構オマージュがちりばめられていたんですね。
それにしても、私が「皇国」を読んで佐藤氏のうまさを感じたのは、「和風近代ファンタジー」
という絶妙な世界設定ですね。
ファンタジーというと中世ヨーロッパのイメージなのを見事にぶちこわしました。
まー、個人的にはもうちょっと時代が下って蒸気船が「常識」になったあたりが好みなんですが、これはまあいいです(^^;;


> 彼は遅筆というより、もう一つの田中病「また新シリーズかよ!」だと思います(アイデアはあるんだろうな、アイデアは。田中氏もまだ、架空歴史小説のネタがいっぱいあるそうですし)。
> ただ、正直、「征途」以外、あんまり評価していないんですよね。
> 「遙かなる星」は憂鬱になる話ですし、「RSBC」は上に書いた理由であんまり、好きになれない。
> 「信長」は勝家と家康との戦いに忙しく、いつ海外に行くんだかわからない。

「また新シリーズかよ!」……同感ですね。
というか、佐藤氏の場合同シリーズの中でも外伝に逃げようとするので、より根は深いといえましょう。
皇国の守護者も、外伝が出たりしたら完結はあきらめたほうがよさそうです。
もっとも、RSBC外伝の「戦艦播磨の生涯」は楽しみだったんですけどね。
いつのまにか発売予定から消滅したという、いわくつきの作品ですが……
田中氏の場合、出すといったら出すイメージがあるんで、まだましかな。


> 後、2巻で完結しそうなんですけどね〜。
> いまだに普通に本屋さんに置いてあるんだから、少しは責任感じて欲しいですよ。
> 「全ての仕事を中止(創竜伝と警察もの、そして中国もの)し、全ての架空歴史物を完結させる」とか言ってくれれば、「マンセー」と叫びながら、田中信者に戻るんだけどな。

そうですね。
というか、タイタニアとアルスラーンさえ完成させてくれれば、もう私は何も言いません。
ただ、もはや私にとって時期は逸してしまいましたが(T_T

というのは、今更新刊が出ても、それに感動するにはもう私は大人になりすぎています。
銀英伝に熱く燃え上がった若かりし頃、私は現実を知らず理想を信じる中学生でございました。
田中作品が一番心に響くのって、そういう年代なんですよね。
あれほど感動した銀英伝でさえ、今読めばいくらでもアラが見つかってしまいます。
もし、今初めて銀英伝を読んだとしたら「ふーん。青いね。」で終わってしまうでしょう。
中学生の時にこの作品に出会ったからこそ、衝撃を感じたのだと思います。

でもまあ、なんだかんだいってもしタイタニア出たら買いますけどね。即。注文してでも。
結局、いろいろ文句はいっても私はファンなんでしょう(苦笑

#それにしても、なぜこう私が少年期にハマった作品はガイバーといい田中系といいFSSといいことごとく……(泣


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