田中芳樹と他の作家との比較検証論
4−A

横山信義編(1)

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収録投稿1件目
board1 - No.163

ミニ田中芳樹たち

投稿者:小村損三郎
1998年11月19日(木) 21時55分

明らかに悪い影響を受けてるのが架空戦記作家の横山信義氏。
明らかに朝日新聞とおぼしき「某大新聞」や市民団体の連中が醜悪でヒステリックな言動をする辺りや、作中で彼らをこれでもかとばかりにこきおろしている所等はどう見ても田中作品の影響(もしくは対抗)でしょう。
架空世界で現実の新聞や団体の批判をしてどうする!って感じです。
反面、痛快に思う時もあるんですが、これは創竜伝に痛快さを覚えるファンと同じ心理ですね(^^;)
佐藤大輔氏みたいに皮肉程度で抑えておくのが丁度良いかもしれません。

収録投稿2件目
board1 - No.425

アンネローゼの懐妊

投稿者:不沈戦艦
1998年12月17日(木) 12時52分

 「共産主義者の罵声を浴びるのは、俺にとっては、この上ない快感だ。奴らに英雄呼ばわりされるような悪事を、俺は何一つ働いておらん。」

 最近出版された「修羅の戦野(横山信義)」2巻の中で、ジョージ・スミス・パットン大将のセリフとして使われている言葉です。あらら、どっかで見たような・・・・確かにこの作家は、かなり田中芳樹を意識していますね。でも、まだいいんじゃありませんか。田中芳樹の二番煎じになっている訳じゃないし、勤労意欲がまるで違います。進んでいないシリーズは「日本国際旅団(現在2巻)」だけ(売れなかったのかな?)。それも、一話完結形式なので、「続きはどうなる」と気になる訳でもなし。「八八艦隊物語(5巻)」「修羅の波濤(8巻)」「砂塵燃ゆ(3巻)」「ビッグY 戦艦大和の戦後史(3巻)」といずれもシリーズを完結させています。書き散らして放ったらかしの作家よりは、よっぽど評価出来ますよ。

収録投稿3件目
board1 - No.427

いろいろれすっす

投稿者:本ページ管理人
1998年12月17日(木) 18時46分

> 「共産主義者の罵声を浴びるのは、俺にとっては、この上ない快感だ。奴らに英雄呼ばわりされるような悪事を、俺は何一つ働いておらん。」

 お〜い、パットンさ〜ん!(笑) まるで、鏡ですね。こりゃ。

収録投稿4件目
board1 - No.429

Re>アンネローゼの懐妊

投稿者:小村損三郎
1998年12月18日(金) 00時36分

>進んでいないシリーズは「日本国際旅団(現在2巻)」だけ(売れなかったのかな?)。

これは打切られたんだと思います。2巻は何とか読めるんですが、1巻は本当にヤマもオチもイミも無い、自衛隊とPKO活動の下手糞なPR文書みたいな代物でしたからね。

収録投稿5件目
board1 - No.461

またまた反銀英伝

投稿者:不沈戦艦
1998年12月22日(火) 12時59分

 横山信義「日本国際旅団」についてですけど、2巻もしょうもないと思いますよ。テロリストが日本の病院船を乗っ取る、ってのが非現実的ですから。そりゃ、日本だけが対応するのなら、オロオロしている間にテロリストが目的を達成できそうですが、リビアに向かっていったのはバレバレでしょ。アメリカがどんな対応をするか、なんて一目瞭然じゃないですか。日本政府の意志を無視してでも、テロリストの目的を阻止する、って方向にしか行きませんよ。最悪、「きさらぎ」の乗員と収容された腸チフス患者を全員犠牲にしてもそうすることでしょう。また、それが解らないほどテロリストが頭が悪い筈もありませんし。事件発生の前提が無茶苦茶なんですよ。まあ、本来平和的任務の筈のPKOを題材にしているのが間違いってことでしょう。何か事件をおこさなきゃ小説にならないんだから。「日本国際旅団」はやめておいた方が良かったかも知れません。

収録投稿6件目
board1 - No.470

司馬遼太郎について

投稿者:小村損三郎
1998年12月22日(火) 23時57分

>事件発生の前提が無茶苦茶なんですよ。

「東京地獄変」でもミサイル発射に至るまでの展開は超テキトーでしたよね。
まあ、あれは「落ちたらどうなるか」というシミュレーションのほうが眼目なので「発射されるまで」はテキトーでいいんでしょうが。

収録投稿7件目
board1 - No.501

横山信義

投稿者:不沈戦艦
1998年12月28日(月) 17時50分

 小村さんが言った通り、「東京地獄変」で最初に中国から核ミサイルが飛んでくるくだりは超テキトーでした(少数民族に核のスイッチを預ける訳がないもんね。人民解放軍はそれほどお人好しではない)けど、その後の展開は「もしそうなったら、本当になりそう」だったと思いますよ。政府も官庁も皇居も全て核の劫火に焼く尽くされて消滅し、残った地方自治体の知事会議も紛糾。全く国家体制の回復が出来ない日本。ついにはアメリカの信託統治領となってしまう、なんて展開は納得できるし、数百万人を殺しておきながら、「核を発射したのはテロリストであって、我々の責任ではない」と言って全く反省の色無く日本の過去の悪を追及する姿勢を崩さない中国政府。これも間違いなくそうなりそうです。少なくとも、田中芳樹みたいに「理想の世界は実現可能」なんて幻想を持っていないし、現実の世界は冷徹な「力」によって動いている、という事をよく認識していると思います。この点だけでも私は横山信義の方を田中芳樹より高く評価しますよ。まあ、ジャンルは全然違う作家ですけど。

収録投稿8件目
board1 - No.808

やっぱり意識しているのでしょう

投稿者:不沈戦艦
1999年03月03日(水) 00時17分

 お久しぶりです。最近たまにここに書くとこればっかりですね。ホームグラウンドの方が忙しいもんで、どうしようもないですわ。

 引用です

>銀河英雄伝説第5巻「風雲編」第二章より

「全責任は宇宙艦隊司令部がとる。貴官の判断によって最善と信ずる行動をとられたし。宇宙艦隊司令長官アレクサンドル・ビュコック」
 訓令文を幾度かヤンは読み返したが、そのつど顔の筋肉細胞が春風を受けて歌声をあげるように微妙にうごめいた。わが意を得たのだ。
「持つべきものは話のわかる上司だな」

>八八艦隊物語 第4巻「激浪」第三章より

「緊迫する戦況に鑑み、第二艦隊は極力艦の保存に努めよ。場合によっては、根拠地の守備よりも艦隊の保全を優先するも可とす。
 第二艦隊司令長官は、当方針に従い、自ら最善と信ずる行動を採られたし。
 以後、第二艦隊の行動に伴う全ての責任は、連合艦隊司令部に帰属するものとす」
 末尾には、「連合艦隊司令長官 古賀峯一」の署名が直筆で入っている。

(中略)

 「だから具体的な指示を出す必要はなく、全てを小沢長官にお任せして、最終的な責任だけを自分で引き受ければよいと、そう言っておいででした」
「持つべきものは、物わかりのよい上官だな」
 小沢は微笑して言った。

 この前の「おーい、パットンさーん(笑)」の件(「修羅の戦野 2巻」をご覧あれ)といい、横山信義はやはり田中芳樹ファンなのだろうか?それとも私みたいに途中からアンチになったのかな?パットンが罵倒していたのは「共産主義者」だったんですから。「共産主義者に誉められるような悪事は、何一つ働いておらん」だったので。

収録投稿9件目
board1 - No.809

田中芳樹の小説は戦略マニアへの入門編

投稿者:本ページ管理人
1999年03月03日(水) 01時47分

>この前の「おーい、パットンさーん(笑)」の件(「修羅の戦野 2巻」をご覧あれ)といい、横山信義はやはり田中芳樹ファンなのだろうか?それとも私みたいに途中からアンチになったのかな?パットンが罵倒していたのは「共産主義者」だったんですから。「共産主義者に誉められるような悪事は、何一つ働いておらん」だったので。

 田中芳樹の小説を読んで、戦略・戦術に傾倒する人は多いと思いますよ。私もかつてそうでしたし(才能が無いことに気付いて今はコンピュータ相手のシミュレーションゲームしかしないけど)。
 その意味では、田中芳樹の小説は「三国志」と並んでタクティクスのマニアにとっての入門書と位置づけてもおかしくないと思います。

ところで、パットンが反共主義者なのは、一応背景的に腑に落ちるのではないかと。少なくともその反対よりは(たぶん自民党支持に回る始くらいインパクトあるだろうな〜)

収録投稿10件目
board1 - No.813

私が出した横山信義の二つの例

投稿者:不沈戦艦
1999年03月03日(水) 21時22分

 実は傾向がかなり違うんですよね。銀英伝と八八艦隊物語の方は、どっちも作者が贔屓にしている方のエピソードです。ヤン・ウェンリーは不敗の魔術師で、同盟軍最高の智将だし、小沢治三郎第二艦隊司令長官も、この話の中では実際の小沢中将以上に格好良く、帝国海軍最高の知将として扱われています。でも、創竜伝と修羅の戦野では、その性向が正反対です。「愛国者と呼ばれるほど悪いことをした覚えはない」と、「共産主義者に誉められるような悪事は働いた覚えはない」ですから。だから、横山信義も、私みたいに「銀英伝は好きだけど、創竜伝は嫌だ」なのではないかと思いました。

収録投稿11件目
board1 - No.816

お久しぶりです

投稿者:北村 賢志
1999年03月04日(木) 21時45分

横山氏の田中氏まがいの表現は私も随分気になりました。
 まあ可能性ゼロの無茶苦茶な設定で日本を勝利させておいて「―こうすれば良かったのに、かっての日本軍は愚かだった」と訓戒をたれ、しかもそれについて非難されると今度は「これはフィクションですから」と逃げる、多数派の仮想(虚構)戦記作家よりはまだましだと思ってます。
 でも、この点に関しては当HPの田中氏批判と相通じるところがありますね。
 やっぱり「ベクトルは違うがレベルは一緒」ということなんでしょうか
 ただ筆力や知識量では田中氏の方に軍配を揚げてしまいます。最近の仮想戦記作家は本当に粗製濫造としか言いようがありません。

収録投稿12件目
board1 - No.818

ご愁傷様でした

投稿者:本ページ管理人
1999年03月05日(金) 01時48分

> まあ可能性ゼロの無茶苦茶な設定で日本を勝利させておいて「―こうすれば良かったのに、かっての日本軍は愚かだった」と訓戒をたれ、しかもそれについて非難されると今度は「これはフィクションですから」と逃げる、多数派の仮想(虚構)戦記作家

 これこれ。これですよ、仮想戦記のヤなのは。ところで良質な仮想戦記にはどのような方がいるのでしょうか?

>ただ筆力や知識量では田中氏の方に軍配を揚げてしまいます。最近の仮想戦記作家は本当に粗製濫造としか言いようがありません。

 プチ田中芳樹が跋扈するライトノベルズにも言えますね。これは。
 田中芳樹を揚棄したプチ田中芳樹などが出てくると、面白いのですが。

収録投稿13件目
board1 - No.820

反創竜伝ネタなど

投稿者:ゲインフル
1999年03月05日(金) 21時38分

「良質な仮想戦記」作家はいないものか、とのことですがおすすめは佐藤大輔でしょう。ただ日本に勝たせるというのではなく、全く別の歴史を奇妙に醒めた視点で、徹底的に構築してしまいますから。ただ、田中芳樹と同じく遅筆が欠点ですが、新作も面白いので今のところは許容しています。 

収録投稿14件目
board1 - No.821

レス各種

投稿者:小村損三郎
1999年03月05日(金) 23時45分

>横山信義も、私みたいに「銀英伝は好きだけど、創竜伝は嫌だ」なのではないかと思いました。

あの人本人はそうかもしれませんが、作風が影響を受けてるのは明らかに創竜伝の方、という気がしますね(笑)。

「東京地獄変」で言うと、
“自衛隊員は、1人残らず自らの安全を省みず国民を救う事に命をかける正義の集団”
(自衛隊の救出活動はやたらと詳細に描いている一方で消防・警察は殆ど無視)

“日教組・朝○新聞・市民団体等は揃いも揃ってヒステリックな狂信者かエゴイスト”
(いくら北朝鮮びいきでも東京が核攻撃を受けてるのに「北朝鮮への援助物資を優先させろ」なんて言う奴が居るか?)

これじゃあ田中芳樹を裏返しにしただけ、って感じもします。
創竜伝はマンガチックにカリカチュアライズしてるけど、横山氏の方は背景その他に多少のリアリティがあるだけにむしろタチが悪い、という気も・・・。

>ただ筆力や知識量では田中氏の方に軍配を揚げてしまいます。

たしかに。近代戦や兵器の知識については横山氏が勝ってるかもしれませんが、古今東西全般の戦史・人物・エピソード等の知識と、それを援用するテクニックに関しては田中氏の方が圧倒的に上でしょう。
「反日売文業者」のくせに日本語が上手いのも認めざるを得ない(笑)。
ちょっと装飾過剰で、歯が浮くような小っ恥かしい部分も多いですが。

収録投稿15件目
board1 - No.822

架空戦記

投稿者:小村損三郎
1999年03月06日(土) 00時01分

>最近の仮想戦記作家は本当に粗製濫造としか言いようがありません。

そんなに沢山読んでる訳ではないんですけど、青木基行氏の「亜欧州大戦記」は割とよさげです。ただ、パロディがあまりにも露骨&うるさすぎるのがちょっと・・・。
こういうのはどれだけ派手にやった所で先駆者にはかなわない訳で、現在、架空戦記界で大流行しているアニパロの類はことごとく「佐藤大輔の猿真似」にしか見えません。
この風潮を目の当たりにしてか、当の佐藤氏は最近の作品ではパロディを控えてるのがまた・・・。

>これこれ。これですよ、仮想戦記のヤなのは。

架空戦記は大まかに「リアル系」と「スーパー系」に分れてまして・・・。
タイトルに「戦艦空母」だの「無敵」だのといった言葉や「!」マークがくっついてるのは基本的に「スーパー系」と思って良いでしょう。
良質架空戦記並びに「架空戦記とみせかけてそうでないもの(笑)」については以前ご紹介したMURAJIさんのHPが詳しいのでご参照下さい。

http://www02.so-net.ne.jp/~muraji/

>>ところで良質な仮想戦記にはどのような方がいるのでしょうか?

>おすすめは佐藤大輔でしょう。ただ日本に勝たせるというのではなく、全く別の歴史を奇妙に醒めた視点で、徹底的に構築してしまいますから。

「鈴木一朗」と並んで日本中に5,000人は居そうな名前ですが(笑)、その存在は正に「架空戦記界のイチロー」と言っていいと思います。書店の店頭で新刊の平積みの山が見る見る低くなり、そこだけ陥没してるようになってる様をよく見ます。
田中芳樹もそうだけど(^^;)。

田中氏との最大の違いは、文体・風貌・言動の全てから性格の悪さが滲み出ていることと、それを少しも隠そうとしていない所(笑)。
粗野な人格と悪魔的な知性の同居、というキャラクターは正に「原作版・高山竜司」そのものです。
出世作の「征途」はリアル系架空戦記の草分けにして頂点、と言うべき作品だと思います。ついでにシリーズ物で氏が唯一完結させている作品、という点でも貴重(^^;;)。
もう5、6年前の本ですが、まだ絶版ではないと思うので未読の方はご一読をお勧めします。
もっとも現在の目で見れば結構スーパー系な所もあるんですけどね。武蔵1隻で米戦艦6隻(アイオワ級含む)を撃沈したり、大和1隻でソ連艦隊を撃滅し、尚且つ生還してきちゃったり・・・。
ただ、細かい部分の描写が非常にリアル且つ丁寧で説得力があるので、こういった荒唐無稽な件でも白けることなく、逆にカタルシスを感じさせてしまう訳です。
こういう点は初代ガンダムなんかにも通じる所であり、スーパー系のトンデモ作品とは明らかに一線を画しています。

ただ、この人もやっぱり田中氏同様の悪癖の持ち主で・・・。
刊行ペース自体は決して遅筆でもないんですが、本編3巻・外伝1巻書いてあとは知らんぷり、というパターンがここ数年続いてます。
まあ、田中氏よりは続きが出る可能性は高い、と思うんですが・・・。
多分・・・。

あと有名なのが、ここでもよく名前が出て来る横山信義氏。
自称「日本を勝たせない架空戦記作家」。
出世作「八八艦隊物語」は私を架空戦記の道に引き込んだ作品であり、「戦艦好き」には涙なくして読めない超傑作です。(「マニア」には色々と文句もあるようですが。)
but!
前項でも指摘した通り、特に現代物に於いては過度の自衛隊ヨイショとサヨク叩きがヒジョーに鼻につきます。ほとんど裏田中芳樹って感じ(^^;)。
あと、筆力の成長に反比例してだんだんとアイディアが枯渇してきてるような気がしないでもありませんが・・・。
「オタク向けミステリー」「ミリタリック・ファンタジー(笑)」とでも言うべき新ジャンルを次々と開拓している佐藤氏と比べると、早晩作家としての限界にぶつかりそうな兆候も感じられますね。
ただ、以前不沈戦艦さんが書かれたとおり、ほとんどのシリーズをきちんと完結&コンスタントに刊行してる点は田中・佐藤両氏に比べて非常に高く評価されるべきでしょう(笑)。

他に良質架空戦記作家と評される人は、SFでも有名な谷甲州(恒生ではナイ!)氏等がいますが、私は未読です。

収録投稿16件目
board1 - No.823

谷甲州の本って架空戦記だったんですか?

投稿者:ドロ改
1999年03月06日(土) 01時11分

いや、結構好きなんですが。架空戦記とか、スペースオペラとか言う言葉の対極にある様に思えたんで。確かに良質ですよ。取り敢えず、航空宇宙軍史のリアルな世界観の構築は出色です。ライトSFに真っ向から喧嘩を売ってまして。ハードウェア面の書きこみが実に見事で、田中芳樹の嫌いな(?)近代戦の局地みたいなもんです。幾つか例を挙げると…
ミサイル発射→爆雷投射
戦況は全てレーダー上の光点として表現
推進剤の量と武装の射程で決まる戦闘結果
って所です。
バリアだのワープだの邪道な技術は原則無く、あくまで現行の技術の延長で理論を構築するのです。(ただし、最近の刊はそうでもないが、これもSF的には非常におとなしい技術のみ)
それと、和製SFの最近の悪い例に習って(最たる例はエヴァですが、あれよりかなり前からの流れ)、魅力的な世界を構築しながら人間の内宇宙に潜り込んでしまうのは残念至極。
それと、人間やマクロな世界観は穴だらけで、今思い出そうとしても全く魅力的なキャラクターは出てきません。田中芳樹の逆ですね。反対にSF設定に突込みどころが無いんですから。技術のみに支えられた世界観を楽しみたい方は是非どうぞ。ただし、その際は田中芳樹に刷り込まれた「従属地域の独立は歴史の必然」というテーゼには一旦眠っていただくことをお勧めします…って、ここは田中芳樹のページでしたね。すいません。

収録投稿17件目
board1 - No.827

「シュミレート」とは

投稿者:北村 賢志
1999年03月06日(土) 12時15分

>他に良質架空戦記作家と評される人は、SFでも有名な谷甲州(恒生ではナイ!)氏等がいますが、私は未読です。

 谷甲州氏の「黒竜江陸戦隊」等のシリーズは、架空戦記にツッコミを入れまくった本、同文書院「架空戦記の実戦力」においてただ一つ絶賛されてました。
 なお同じ谷でも、谷恒生氏の方は航空戦艦ばかり書いていて「論じる価値もない」と言う扱いです(私も航空戦艦が出てくるとウンザリします)。

 ハッキリ言って最近出ている「戦記シミュレーション」の殆どは全く「シミュレーション」の意味を分かってません。
 そもそもシミュレーションとはまず設定がありきであって、勝ち負けはその結果に過ぎない筈ですが、どう見ても昨今の小説の大部分は「日本が勝つ」という結果が最初から用意されているようにしか見えません。
 それじゃ彼らの非難している旧日本軍の「図上演習」(ミッドウェー海戦のは特に有名)と同じなんですけど、それで作中「旧日本軍は情報力に劣っていた」「何故こんな自明のことが分からなかったのだ」なんて書いてあったりすると「そりゃアンタみたいな人間がいたからだろうな」とツッコミをいれてしまいますよ。
 全くのフィクションなら「仮想戦記」ではなく「虚構戦記」と題を変えてくれ、と言いたくなります。
 良質なシュミレートとはハッキリ言って一般受けするようなモノではありません。極めて良質なシュミレートを万人向けにそのまま出版した希有な例としてはツクダホビーの戦車戦シリーズのゲームで太平洋戦線を扱った「97式中戦車」があります。
 軍事に詳しい人はこれでピンとくるでしょうが、このゲームで日本軍は「絶対に勝てない」のです。本当に日本戦車は弱すぎてお話にもなりません(米戦車3両と日本戦車10両で戦わせて、米軍は日本戦車全て破壊、日本軍は米戦車1両破壊で勝利だったりします)。
 デザイナーの岡田圧利氏は後に「あの勝利条件は酷すぎる」と抗議された時「面白くするために設定を変えるのは『シミュレーション』ではない」と突っぱねてました。私は昨今の「シミュレーション」に欠けているのはまさにこの点だと思いますが、残念ながらその方向には進まないでしょう。
 何と言っても「面白くない」のですから。

収録投稿18件目
board1 - No.828

色々ありますね

投稿者:不沈戦艦
1999年03月07日(日) 02時13分

 谷甲州の「黒竜江陸戦隊」シリーズ、無茶苦茶地味な話なんですけど、リアリティは高いと思います。そういう意味では良質ですよ。派手な戦闘があまりないのですが、結構支持があるのでしょうか?まだシリーズは出版社を変えて刊行されていますから。全部持っていて読んでいます。

 同じ谷でも谷恒生の方は、何が何だか解らないし最初の「超大本営・戦艦大和」だかを読んだだけで後は知りません。今考えれば読む必要もなかったですね。つまんなかったし。

 シミュレーションで「日本が勝つ」って設定は、結局無理なんですよ。何とか凌いだ、って程度なら横山信義の「修羅の波涛」シリーズがありますが。真珠湾攻撃をキンメルに悟られていて、南雲部隊は空母4隻を失って大敗するところから始まる、という中々凄い設定です。その後はマリアナとトラックの間で地道に日米軍が戦っているだけです。終わりも、日本の屈服に近い講和で日米戦が終結した、というものでした。まあ、良心的な方でしょう。これでも十分「日本の勝利」と言えそうですね。ちゃんとシミュレートしたならば。

 北村さんの「97式中戦車」の話は面白いですね。確かにその通りですよ。米軍のシャーマン戦車は、独ソ戦で戦車が異常進化したヨーロッパ戦線に持っていけば、かなり苦しいものでした(シャーマン5両でタイガー1両をやっつけよう、とか)が、そのシャーマンですら日本戦車で対抗するのは不可能でした。4式中戦車か5式中戦車がまともに出来ていたらひょっとしたら勝てるかもって程度で、97式で勝つなんて無理ですよ。1両でもシャーマンを破壊できたら大したものです。実際には、歩兵の肉弾戦しかなかった、ってとこでしょうね。接近して火炎瓶や手榴弾を叩きつける、ってやつ。ほとんど機関銃でなぎ倒されてしまいますけど。悲惨この上ない戦いですが。

 佐藤大輔に関しては、最近のものはあまり読んでいない(また途中で投げ出すんじゃないか、って疑惑がふつふつと涌いてくるもので)もので、良く知りません。最近のは面白いんですかね?

 小村さん指摘の、「横山信義の現代ものの難点」ですけど、あれはやり過ぎですね。「東京地獄変」の設定と成り行き自体は、かなり上手く構成していましたから、「久米宏を殺してやったぜ、へへへー」と同じく、止めといた方が良かったでしょう。変に田中芳樹を意識しし過ぎているようです。それさえ止めれば(話の都合上必要ない)、もっと良くなるのでしょうが。後発の作家にそこまで意識される、ってのも「田中芳樹の偉大な点」なのでしょうかね。

 うーん、架空戦記ネタばかりで、ちっとも「田中芳樹を撃つ!」になっていないな。管理人さんごめんなさい。

収録投稿19件目
board1 - No.829

戦車

投稿者:本ページ管理人
1999年03月07日(日) 03時35分

>97式中戦車

捕獲したシャーマンに実験で超至近距離から射撃して効果がなかったとか、米歩兵がバズーカを装備すると歩兵からも逃げなければならなかったとか、いろいろ「逸話」には事欠かない戦車ですね。

ところで、
「久米宏を殺してやったぜ、へへへー」
ってなんですか? 気になる〜

収録投稿20件目
board1 - No.834

「東京地獄変」より

投稿者:不沈戦艦
1999年03月07日(日) 21時51分

 「東京地獄変」は、誤発射された中国の核ミサイルが東京に着弾、市ヶ谷駅上空で1メガトン水爆弾頭を炸裂させ、東京中心部は壊滅。数百万人が死亡し、政府も官庁も皇居も全て劫火に焼き尽くされる、というかなり恐ろしい話です。その後の自衛隊の救援活動、アメリカを始めとする諸外国の対応、生き残った外務省官僚(諸外国の大使館勤務の連中)たちの今後いかに主導権を取るか、と行う策動、など「いきなり東京が消滅したらどうなるか」というパニック小説です。それからの引用。

>アークヒルズは根こそぎ崩れ去り、ホテルオークラや首都高の残骸などと入り混じっている。
 サントリーホールも、アーク森ビルも、テレビ朝日放送センターも、強烈な熱線の直射を受けて瞬時に燃え上がり、爆風に叩きのめされて崩れ去ったのであろう。
(あいつも死んだんだろうな)
 皮肉っぽい想像を、鳥山は巡らせている。
 阪神大震災の折、政府や兵庫県庁の対応の悪さにはほとんど言及せず、自衛隊の対応の遅さばかりを罵った著名なニュースキャスター。それ以外でも、自衛隊がおとなしいのをいいことに、何かにつけて皮肉や当てこすりばかり口にしていた男。
 数千度の高温と苛烈な衝撃波に、スタジオもろとも肉体を粉砕され、消し飛ぶ寸前まで、今日は自衛隊をどう罵ってやろうか−−−とでも考えていたのだろうか・・・・・・。
(お前だけには、同情する気になれん)
 そう呟いて、鳥山は機体を更に西進させた。

 こんな風でした。この「鳥山」は自衛隊員ですから、この「著名なニュースキャスター」が大嫌いなのは解りますけど、これが「久米宏」なのは名前を書いていなくても解りますよね。「テレビ朝日放送センター」とも書いてあるし。いくら久米宏が嫌いだとしても、ここまでやることもないんじゃないか、とは思いました。

収録投稿21件目
board1 - No.838

いろいろレス

投稿者:小村損三郎
1999年03月09日(火) 01時01分

>極めて良質なシュミレートを万人向けにそのまま出版した希有な例としてはツクダホビーの戦車戦シリーズのゲームで太平洋戦線を扱った「97式中戦車」があります。
>デザイナーの岡田圧利氏は後に「あの勝利条件は酷すぎる」と抗議された時「面白くするために設定を変えるのは『シミュレーション』ではない」と突っぱねてました。私は昨今の「シミュレーション」に欠けているのはまさにこの点だと思いますが、残念ながらその方向には進まないでしょう。
>何と言っても「面白くない」のですから。

「徹底的にリアリティにこだわってシミュレート」したゲームってのは遊んでて全っ然面白くないんですよね(笑)。(「太○洋の○」とか・・・。)

>捕獲したシャーマンに実験で超至近距離から射撃して効果がなかったとか、米歩兵がバズーカを装備すると歩兵からも逃げなければならなかったとか、いろいろ「逸話」には事欠かない戦車ですね。

司馬遼太郎氏は、たしか短期現役士官としてこの戦車に乗っていましたが、
「チハ車(筆者注・九七式のこと)は技術面では革新的な部分もあった。が、最大の弱点は“戦争ができない戦車”だったことである。」と書いてますね。(トホホ・・・)
「亜欧州大戦記」で読んだんですが、日本が重戦車の開発に消極的だったのは、国内の鉄道の線路が狭軌だったのも大きな要因なんだそうです。(大きすぎると鉄道輸送ができないから)
こういう話を聞くと、
「前世の記憶を持って転生してきた人達の手で当時の技術レベルを超える超兵器が次々に作られ、米軍をコテンパンにやっつける」
などというストーリーが如何に阿呆らしいものかよく分ります。

> 同じ谷でも谷恒生の方は、何が何だか解らないし最初の「超大本営・戦艦大和」だかを読んだだけで後は知りません。
>今考えれば読む必要もなかったですね。つまんなかったし。

戦闘シーンの大半が「ガガーン!!」と「ギューン!!」と「ダッダッダッダッ」で埋まっているという・・・(--;;)。
この人はたしか三国志ブームの時もいいかげんな三国志を書いて田中氏にクソミソに言われてましたね。

>佐藤大輔に関しては、最近のものはあまり読んでいない(また途中で投げ出すんじゃないか、って疑惑がふつふつと涌いてくるもので)もので、良く知りません。
>最近のは面白いんですかね?

ゲーム業界人の生態を(本当に)赤裸々に抉った「虚栄の掟」(1巻完結)とか、佐藤作品のキャラクターの究極型とも言うべき主人公が登場する、各方面で大好評の(?)最新作「皇国の守護者」とか・・・。
いずれも架空戦記ではありません。
最近刊行されたもので架空戦記らしいのといえば、「覇王信長伝」の焼き直しの「信長征海伝」位かな?。(この作品はマイナー武将の活躍が泣けます。あと、お市の方のキャラが凄いというか(笑))。

収録投稿22件目
board1 - No.839

ひとまずレス

投稿者:本ページ管理人
1999年03月09日(火) 01時15分

>「著名なニュースキャスター」

 久米弘をニュースキャスターと認識してるから腹が立つと思うんですがねぇ。あの人は根っからの芸人ですよ。みのもんたを知的っぽくして男前にしたら出来るのは久米弘でしょう。
 私はニュースステーションはニュースというよりもワイドショーだと思ってみているし、あの人の話芸は結構好きなので(あと管沼氏のキャラも)、別に偏向してても腹が立たないのですよ(って、よく私に反論してくる「創竜伝は小説や評論部分はどうでもよくて、キャラクターを楽しむ」ってのと全く同じだな(^_^;) だけど創竜伝を許せないってのは、やっぱり私はどこか田中芳樹ファンなんだな〜)

収録投稿23件目
board1 - No.842

仮想戦記に戦車

投稿者:雨宮
1999年03月10日(水) 01時31分

 はじめまして。ROMをしていたのですが、勇気を奮って書込みをしたいます。「銀英伝は好きだった」クチの雨宮と申します。

 架空戦記の話を読んでいて思ったのですが、私は多分、架空戦記が好きです(皆さんもそうだと思いますが)。なんというか、日本が勝つと気分いいです。といいつつ、粗製濫造された架空戦記は嫌いなのですが、それは「ちゃんと騙してくれないから」だと考えています。そもそも、国力からいって、日本が戦争をはじめたことがダメなのですから、本当は何やったって負けるに決まっています。にも関わらず架空戦記を読むのですから、「ちゃんと騙す理屈を通して欲しい」わけです。「超兵器出しゃ勝てんだろ」的なのものが多すぎてまいります。
 実は田中芳樹にも似たような事を感じています。高校時代に銀英伝を読んだときは、あの体制批判的な書き口に憧れました。先鋭的になりがちな年齢ですし。大学に行って、少し社会が分かったら、とたんに冷めたというか、白けました(特に創竜伝を読んでから)。やはり騙しかたが足りないというか、なんかあらが見える上に説教臭すぎます。「小説なんだから」はまったくそうなのですが、だからこそちゃんと騙して欲しいと思います。

 私も佐藤大輔は結構好きです。軍隊が移動するだけで勝手に消耗していくってのがいいです。一番輝いていたときはレッドサン・ブラッククロス(ゲームの方)だと思っています。旋風を巻き起こした荒巻義雄は、もう逆田中芳樹現象を起こしていて、へなへなです。

 なんか長いだけの書込みで申し訳ありません。お騒がせしました。

収録投稿24件目
board1 - No.845

こんにちは

投稿者:本ページ管理人
1999年03月10日(水) 03時10分

>はじめまして。ROMをしていたのですが、勇気を奮って書込みをしたいます。「銀英伝は好きだった」クチの雨宮と申します。

 こんにちは。書き込みありがとうございます。
 うーむ、この掲示板には一見さんには書き込むのが恐ろしいオーラのようなものがあるのでしょうか? 濃すぎて入れないとかあるのでしょうか? 私はもっといろいろな方の意見が聞きたいのですが……
 問題点や注意点みたいなものがあったら遠慮なくカキコでもメールでもいいので指摘していただけるとありがたいです。

>「超兵器出しゃ勝てんだろ」的なのものが多すぎてまいります。

 同感。この人達には、なぜパンテルやティーゲルのドイツ軍がシャーマンのアメリカ軍に勝てなかったのか判らないんでしょうかね。
 そもそも、超兵器(という名の新兵器)を実戦投入すると言うことは、β版アプリをビジネスに投入するくらい危うい事なんですが。

>やはり騙しかたが足りない

 前に小村さんが書いていたと思うのですが、根本的に現実社会ものが向いていないんでしょうね。

収録投稿25件目
board1 - No.854

米戦車について少々

投稿者:北村 賢志
1999年03月10日(水) 20時52分

>捕獲したシャーマンに実験で超至近距離から射撃して効果がなかったとか、米歩兵がバ
>ズーカを装備すると歩兵からも逃げなければならなかったとか、いろいろ「逸話」には事
>欠かない戦車ですね。

 もっと情けない話なんですけど、それは恐らくM3軽戦車のことでしょう。「米陸軍最弱戦車」だったのですが、再利用した日本陸軍では「実戦投入された最強戦車」でした。
 なお日本戦車が米歩兵のバズーカにあっさり破壊されるのは、機関銃の性能が悪いため接近を阻止できなかったからです。

収録投稿26件目
board1 - No.857

戦車の信頼性

投稿者:不沈戦艦
1999年03月11日(木) 00時18分

 独ソ戦でのソ連軍は、イギリスから供与されたヴァレンタイン戦車を非常に重宝したそうです。T34などとは比べ物にならない程の信頼性の高さが、ソ連軍の兵士を引きつけたのでしょう。イギリスも、ほとんどソ連に供与する為だけに、ヴァレンタインを生産していたそうです。確かにドイツ戦車は強いですが、凝りに凝った複雑な構造(パンテルやティーゲルはそう)が災いして稼働率は今一つ。故障が少なくコンパクトに纏められているので戦場への輸送がしやすいシャーマンは、アメリカがヨーロッパ戦線で戦う為には無くてはならないものでした。パットン将軍だって、シャーマンで実績を上げた訳ですから。それに、ドイツ軍の主力(数量的には)だった4号戦車が相手なら、互角だった訳ですし。戦争後半の太平洋の空の覇者、F6Fヘルキャットもマニアには「駄作」と一言で片付けられることが多いですけど、実際には200機程度しか撃墜されていませんし、仮に撃墜されてもパイロットの生残率は高かったですし。日本機相手ならこれで十分だった訳です。シャーマンもこれと同じ事でしょう。

 正当な兵器の評価が出来ないで、ひたすらかっこいい新兵器に憧れる傾向が、架空戦記作品群の悪弊のようですね。それに、工場で設計なんかをやっていると解りますが、「信頼性」がない製品は話になりません。どんなに優れた性能の工業製品でも、気まぐれで動いたり動かなかったりでは、使い物にならないでしょう。その事を知らないか、忘れている人は多いのでしょうかねぇ。

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