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銀英伝のSF兵器理論
8−A

宇宙艦船の役割設定(1)


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No. 1566
銀英伝における戦闘機の謎
KUR 2002/03/08 17:45
こんにちは、KURです。

銀英伝における戦闘機としてはスパルタニアンとワルキューレが存在し、
どちらも作品を彩る華麗な空中戦を演じてくれます。
ただ、私が以前から気になっていたことは、
「結局、やつらは何のために存在するんだ?」
ということなんです。
派手に空中戦をする割には、彼らが勝利に貢献したという記述が見当たらない
気がするのです。

たとえば、劇中に出てくる単座式戦闘艇は「戦闘機」的なものしか存在しません。
「戦闘機」の相手は、あくまでも「敵機」であって、船ではありません。
ポプランやコーネフなど、三桁撃墜のエースでも、敵艦撃沈のスコアは
まったく触れられていません。
また、ユリアンが巡航艦のミサイルを誘爆させて撃沈するシーンがありますが、
逆にいえばあの至近距離でも単座式戦闘艇の火砲は巡航艦には通用しないということです。

こうなると、何のために単座式戦闘艇を保有するのかという問題が出てくるはずです。
「敵の戦闘機に対抗するため」という理由が、おそらくは唯一のものとなるでしょう。
しかしながら、それほど脅威とはならない相手のために
わざわざ多数のパイロットと高価な航空母艦を
揃えるのはコストパフォーマンスの点からよくないでしょう。
よほどの幸運がないと主力艦を撃沈できない、という時点で、
私としては単座式戦闘艇の使い道に疑問を抱いてしまうわけです。

ただ、このままだと単なるあげあしとりになってしまいますので(^^;
なんとか単座式戦闘艇の存在意義を確立するようなうまい理屈をつけられないものでしょうか。
#せめて爆装の描写なんかがあれば簡単なんですが…


No. 1569
Re:銀英伝における戦闘機の謎
匿名希望 2002/03/08 20:52
戦闘艇は、基本的には銀英伝の世界では不要なもののような感じがする。
陣形とは、平面的な戦法なのに対し、戦闘艇を使用する戦法は立体的な戦法です。
もし、戦闘艇が活躍してしまったら、陣形を組む戦闘方法が無意味化してしまいます。


No. 1571
Re戦闘機の謎
速水右近 2002/03/08 23:39
どーもです。
これは『銀英伝』に限らず、大半のSF小説やアニメにも言えることではないでしょうか。

・設定が現実的ではないことは、『空想科学読本』シリーズで、『ヤマト』のコスモタイガーを例に取り上げられていたと思います。

・どうもSF作家は「未来はいまより技術が進んでいるのだから、戦闘もどうせ近代海戦の延長だろう」と短絡して考えたのではないでしょうか。それで深く考えもせず、戦闘機や空母を出したと。
 しかし実際に宇宙で戦闘=艦隊戦が起こるとすれば、前近代的な戦い=海戦がモデルになると、個人的には考えております。
 無論、無敵艦隊から日本海海戦の間というかなり広い時間的スパンがあると思いますが、そのうちのどの時代(の海戦)に合わせるかは作家の知識であり、感性の見せ所ではないのでしょうか……。つまり艦隊戦の主力武器になるであろう砲の能力=設定によって、モデルとすべき時代が決定するのでは?

・したがって、なんとかうまい理屈をつけて戦闘機=戦闘艇を出そうと考えてみたのですが、小生には無理でした。ごめんなさい。
しかし仮に出るとすれば、飛行機タイプのものではないでしょうね。『ガンダム』に出てきた『ボール』のようなカタチだと思いますよ。

・ただ「陣形を組むから平面的、戦闘機が出るから立体的」という意見には賛成しかねます。むしろ宇宙での陣形は、戦闘機の有無に限らず、立体的なものにならざるをえないのではないのでしょうか?


No. 1573
Re:銀英伝における戦闘機の謎
初鰹 2002/03/09 01:52
私が思ったのは戦闘艇は帝国が起源であり、
目的は惑星侵攻用なのではないでしょうか。
つまり惑星に軍艦を降下させたのでは、武装の向きや運動性能が不足し、地上拠点を叩く事が困難であった為ではないでしょうか。

このような理由ですと、平民の反乱対策の為に帝国側が地上侵攻用としての戦闘艇を開発し多数保有した理由になるのではないでしょうか。

同盟の保有理由は帝国が艦隊戦に戦闘艇を投入してきた為、対抗上保有する必要があったのでは。
つまり、戦闘艇は運動性能が良い為、従来の軍艦では補足が困難であったため、良いように軍艦が撃破されてしまった。
そのため、直援用として戦闘艇が必要になった、
これで軍艦の撃破数が少ないのが説明できるのと思います。

結論としては帝国の戦闘艇は惑星上の拠点攻撃が目的。
同盟は艦隊戦での帝国戦闘艇の排除が目的。
この解釈はどうでしょう。


No. 1575
Re:銀英伝における戦闘機の謎
Merkatz 2002/03/09 04:48
現代の大艦巨砲→航空主兵への流れを考えると、
宇宙戦闘でなんで大艦巨砲に戻ってしまうのかがそもそも謎なんですが、
それでも仮に軍艦にまともな対空装備が無いと仮定すると、
いくら戦闘機の火力が弱いといっても、
数十機が群がって好きなように攻撃されたら戦艦といえども沈むと思うんですが。
特にエンジン部なんかね。
戦闘機はあっても攻撃機がないんで、確かに存在理由が希薄ですが、
「戦闘に決定的ではないが居たら厄介なので制空権は確保する必要がある」
という程度の理由かと。

> 私が思ったのは戦闘艇は帝国が起源であり、
> 目的は惑星侵攻用なのではないでしょうか。
> つまり惑星に軍艦を降下させたのでは、武装の向きや運動性能が不足し、地上拠点を叩く事が困難であった為ではないでしょうか。
>

帝国のワルキューレは、何度か地上軍支援をする描写があったと思います。


No. 1576
Re:銀英伝における戦闘機の謎
2002/03/09 10:40
どうも槍です。

> 現代の大艦巨砲→航空主兵への流れを考えると、
> 宇宙戦闘でなんで大艦巨砲に戻ってしまうのかがそもそも謎なんですが、
> それでも仮に軍艦にまともな対空装備が無いと仮定すると、
> いくら戦闘機の火力が弱いといっても、
> 数十機が群がって好きなように攻撃されたら戦艦といえども沈むと思うんですが。
> 特にエンジン部なんかね。

アニメでは、スパルタニアンやワルキューレが戦艦を落とす場合、レーザーでエンジン部分を切って誘発をさそって落としてましたね。
まさにその通りでしょう。
だったらなんで戦艦にはあんなに対空戦能力が、ないのだろう。


> 戦闘機はあっても攻撃機がないんで、確かに存在理由が希薄ですが、
> 「戦闘に決定的ではないが居たら厄介なので制空権は確保する必要がある」
> という程度の理由かと。
>

でも帝国には対戦艦に特化ような機体がありましたよ。
あれが攻撃機なのでは?
(ちなみに戦闘機戦術を使った戦術の一番の職人はメルカッツでしたね)


No. 1577
みなさんありがとうございます
KUR 2002/03/09 14:18
ども、KURです。
私の永らくの疑問に丁寧に考察していただき、ただただ感謝です。

初鰹さんの、「地上攻撃用に生まれた」という説には説得力がありますね。
確かに、そういう経緯で発生してきたことは十分考えられると思います。

結局のところ、「戦闘機で軍艦を墜とせる」と考えるべきなんでしょうね。
私が混乱したのは、
「戦闘機では戦闘機しか墜とせない。なら、なぜ戦闘機が必要なんだ?」
という点でしたので…
ただ、単座式戦闘艇の火砲が戦艦に通用するのかという疑問は、
いまだ解けていなかったりします。
#アニメでは余裕で通用していますが(^^;;;

やっぱり、ユリアンの行動が謎なんですよ。あれほど一方的に攻撃できる立場にいながら、
直接攻撃を控えたというのが、私の単座式戦闘艇への疑問の出発点なので。
それにしても、アニメ版の描写のほうが、原作より遥かに単座式戦闘艇について説得力がありますね(^^;
単座式戦闘艇の砲があれくらい強ければ、主力兵器になりえます。

あと、考えてみれば、機動力の高い単座式戦闘艇にレーザー水爆ミサイルを二基ほど搭載すれば、
それだけで十分に決戦兵器になりうる気もしますね。
いちいち弱点を狙わなくとも、戦艦を一撃で撃沈しうる可能性を持つわけで。
となると、単座式戦闘艇の一斉投入は騎兵突撃にも匹敵する戦闘のハイライトシーンになりそうです。

うーん、あれだけの小型艇の武装を火砲のみにして、爆装させなかった理由がわからない。
両国の空母関係者を小一時間くらい問い詰めたくなってきました(^^;


No. 1585
?、?、?
速水右近 2002/03/11 03:23
しばらく考えてみたのですが……。
かえってわからなくなってきたぞ。

・戦闘機の武装でも、戦艦を沈めることができるか?
たしかに剥き出しであるエンジンを狙えば沈めることは不可能ではないにせよ、反対に撃沈の衝撃で、自分もやられる可能性もあるのでは?
 また、この説は非常に面白い部分を突いている。エンジンが弱点だとすると、海戦のあり方自体が根本的に変わってくる。つまり相手の艦隊の適度な後方(撃沈の衝撃が、自艦隊に影響を及ぼさない距離)に占位するのが、基本となるのではないか?

・大艦巨砲は復活するか?
レーザー兵器の場合、強大な威力を生むには加速距離を長くしたほうがいい。だからこそ、要塞砲の意義があったのではないか?
そのため、必然的に戦艦は大艦巨砲にならざろうをえなくなる。

・大艦巨砲から、航空主兵への転換はあるか
もしあったのだとすると、双方が戦艦なんか作らず、空母と戦闘機を量産していたという設定になっているはずではないか……。
つまり『銀英伝』の世界では戦艦、空母ともども、何らかの欠陥があると考えるのが無難。

以上から、こういう状況設定を考えてみました。

・戦艦の主砲は、前方のみしか発射できない。また側面の砲は、相手の戦艦を撃沈するほどの威力はない。
しかし後方にはエンジンがあるため、まったく武装は搭載できない。

・そのため宇宙での「海戦」の基本は、地球上の「海戦」というより、むしろドッグファイトに近いものとなる。

・敵艦隊に後方を占位された場合、一方的な攻撃をうけることになる。
それを防ぐために、ミサイルを搭載した後方防御用の小型艇があったのではないか(機雷を蒔いたほうが、簡単かも?)。

・これを攻撃するために、戦闘機が必要だった……のかも知れない。
ただ、相手艦隊に脅威になるだけのミサイルを積んだ小型艇を正面から攻撃した場合、やはり爆風の衝撃で戦闘機もやられてしまう。
むしろ散弾タイプのミサイルをぶっ放したほうが楽。

・しかしそれでも戦闘機が必要だとすると、柳田理科雄氏の考えた「宇宙戦闘機」になると思う。特徴は前方に武装があるのではなく、後方についていたはず(おぉ、Z級映画『メガ・フォース』のバイクだ!)。理由は衝撃や爆風、飛散した残骸から逃れやすくするため。

追記 かなり多くのパイロットの方とお付き合いしていますが、やはりみなさん、個性が強いですね。
しかし上記のような戦闘機に載っている撃墜王って、あまり個人的にお会いしたいとは思わない。よほどの変人じゃなけりゃ、あんな機体には載らないよ!


No. 1590
銀英伝の兵器考察
KUR 2002/03/11 14:23
こんにちは、速水右近さん。
なんだか、銀英伝の戦術体系に関する話にまで発展してきましたね。

特に、戦艦好きの私としては、未来の宇宙戦争において
>・大艦巨砲は復活するか?
という部分はとても興味深いところです。

そんなわけで、銀英伝の軍艦についてちょっとまじめに考えてみます。
まず、原作ではほとんど性能的な描写が存在しませんので、
原作マニアの私としては不本意なのですが、アニメ版の設定を考慮することにします(^^;

となると、戦艦の場合全長は600-1200メートルほど。
質量は、現在の軍艦から推測すると800万-6000万トン程度と思われます。
いや、よくこんなのを万単位で建造するものです(^^;
ちなみに、銀英伝一巻によると乗員は600名とのことです。
このサイズにこの人数ですので、居住性はかなり良好でしょう。
ユリアンごとき中尉に個室が与えられるのも納得できます。

武装についてですが、速水さんのおっしゃるとおり、設定を見ると主砲は前面に集中配備されています。
旋回機構などは存在しないため、戦闘機の機銃同様、前方の敵しか攻撃できません。
明らかに、正面からの撃ち合いに特化した艦種ですね。
旋回式の機銃類は、ついているのか謎です。
少なくとも原作の場合、主砲以外の攻撃で単座式戦闘艇が墜とされた例は
存在しなかったと思います。

装甲については設定を知らないのですが、
こちらも前方集中型の可能性が高いと思われます。
秒速150kmクラスのレールキャノンを防御しないといけないことから、
おそらくは10-50メートル程度の複合装甲ではないでしょうか。
#まじめに考えるとこの厚さでも全然足りませんが……

推進力は核融合らしいです。
おそらくスラスターの内部で核融合を起こし推進力を得る構造ではないかと推測されます。
なお、この手の「大天使」型核爆発推進の場合、エンジンはおそろしく強固な構造になっているはずです。
#なにせ、核爆発を押さえ込む構造ですので
しかも、エンジン後方には超高速の高温ガス流が存在するわけで、
単座式戦闘艇は極めて接近しにくい上、攻撃も通用しないという
困った結論になってしまいます(^^;
うーむ…

銀英伝世界の戦艦について考察できることと言うとこの程度でしょうか。
ちなみに、同盟の戦艦はだいたい上記で説明できるのですが、
帝国のように幅広流線形で前面投影面積の大きい戦艦の場合、
装甲範囲がべらぼうにでかくなってしまう気がします。
被弾径始の効果でも狙っているんでしょうかね(^^;;

>追記 かなり多くのパイロットの方とお付き合いしていますが、やはりみなさん、個性が強いですね。
>しかし上記のような戦闘機に載っている撃墜王って、あまり個人的にお会いしたいとは思わない。よほどの変人じゃなけりゃ、あんな機体
>には載らないよ!

思ったのですが、単座式戦闘艇はパイロットにしてみれば悪夢のような兵器かもしれませんね。
たとえば、現在に置き換えて、
「アイオワ級戦艦を戦闘機の攻撃で沈めたい。こちらの武器は機銃のみ。何か方法はあるだろうか?」
と言ったら、何か奇跡でも起きない限り不可能でしょう(^^;
やはり、対戦艦の装備としてはかなり無理のある兵器なのかもしれません。


No. 1592
宇宙では大艦巨砲
500系赤星 2002/03/11 19:05
はじめましてROMやってました500系です
最近の議論を見ていて思ったのですが
宇宙での駆逐艦や巡洋艦の扱われかたに疑問を抱きました
それは出力の大きい大型戦艦は一番速度が速いのではないかと
思うのです(宇宙では空気抵抗ないし)
つまり
大型戦艦=速度は最速・武装は最強
戦艦  =速度は高速・武装は強力
巡洋艦 =速度は低速・武装は貧弱
駆逐艦 =速度は鈍足・武装は最弱
になりませんか?

すなわち大艦巨砲主義!
これが宇宙時代の戦場では?


No. 1595
Re:宇宙では大艦巨砲
速水右近 2002/03/12 08:00
> はじめましてROMやってました500系です

どーもでございます。

> 最近の議論を見ていて思ったのですが
> 宇宙での駆逐艦や巡洋艦の扱われかたに疑問を抱きました
> それは出力の大きい大型戦艦は一番速度が速いのではないかと
> 思うのです(宇宙では空気抵抗ないし)
> つまり
> 大型戦艦=速度は最速・武装は最強
> 戦艦  =速度は高速・武装は強力
> 巡洋艦 =速度は低速・武装は貧弱
> 駆逐艦 =速度は鈍足・武装は最弱
> になりませんか?

(林家こん平師匠の口調で)わたしには、そーゆー難しいことはわかりませんが(核爆)。

> すなわち大艦巨砲主義!
> これが宇宙時代の戦場では?

そもそも宇宙で、しかも艦隊戦で、なにを「駆逐」する必要があるのでしょうか。現実の艦隊駆逐艦は、水雷艇を「駆逐」するために作られたのですけどねえ。

たしかに現在の兵器体系や戦術が、まったく通用しないのは間違いないでしょう。
しかし、これを考えるとキリがなくなってしまいますし……。


No. 1596
Re:銀英伝の兵器考察
速水右近 2002/03/12 08:33
> こんにちは、速水右近さん。

毎度でございます。

> なんだか、銀英伝の戦術体系に関する話にまで発展してきましたね。

なにか、大事になってきましたな(冷汗)。
しかしこんなことになったからと言って、証人喚問には応じませんぞ(核爆)。

> 特に、戦艦好きの私としては、未来の宇宙戦争において
> >・大艦巨砲は復活するか?
> という部分はとても興味深いところです。
>
> そんなわけで、銀英伝の軍艦についてちょっとまじめに考えてみます。(速水註 以下、難しいので勝手に略)

ともかく「戦艦」と書かれているのだからといって、現実の「戦艦」をモデル(とくに近代戦艦として)に考えてはいかんでしょう。前方だけの撃ち合いを考えた「特化した艦」であるなら、これはむしろ「移動砲台」に近いものですね。
実在した、こういう艦に近いものをあげれば、クリミア戦争の頃の仏蒸気装甲艦でしょうか。もっともこの艦は、セバストポリ要塞攻略のために作られたはずです。
もしこういう艦があるとすれば、死角を埋めるために高機動の攻撃機(これも現実の攻撃機をモデルにしてはいけないのかも)や小型艦は必要なのかもしれませんね。しかし、そんなものを作るのが物理的に可能か(とくに単座の場合、パイロットの生理的な要素まで考慮しなければならない)どうかはわかりかねますが。

ワタクシは『銀英伝』における兵器の描写なんかすでに忘れてしまいましたが、登場する兵器のありかたが根本的に変わるのであれば、戦術体形もすべて変更しなければならないでしょう。
ただ第一巻のラインハルトとヤンがはじめて相まみえた海戦で、「二匹の蛇が尻尾を飲み込む体勢」になって、互いに「はじめて見た陣形だ」とか呟いていたと思うのですが、あれは奇襲を受けた側の獲る最善の手ですよ。もう一〇年も前のことですが、そのシーンを読んで、「それまでの提督は、いったい何を考えて海戦をやっていたんだ」と激怒した記憶があります。
突き詰めると「二人が優れていた」のではなく、「前の連中が常軌を逸したほどのバカ揃いだった」になってしまいますけども……。もっともそれは、「硬直化した階級社会の弊害」なのかも知れませんけどね(でも、死んだ兵士は浮かばれんだろうな)。


No. 1600
Re:宇宙では大艦巨砲
500系赤星 2002/03/12 13:59
返信どーもです。

> そもそも宇宙で、しかも艦隊戦で、なにを「駆逐」する必要があるのでしょうか。現実の艦隊駆逐艦は、水雷艇を「駆逐」するために作られたのですけどねえ。

その後、対潜・対空・先行警戒などの任務も加わりましたが、駆逐艦の名称は変わりませんでしたね。
もしかすると、宇宙空間では慣例で戦艦などと言っていますが、実は我々の想像とは違うものかもしれません。

> たしかに現在の兵器体系や戦術が、まったく通用しないのは間違いないでしょう。
> しかし、これを考えるとキリがなくなってしまいますし……。

まぁ、そうなんですが、そのことを考えていくのもまた、我々の大いなる楽しみでは?


No. 1601
Re:宇宙では大艦巨砲
クロイツェル 2002/03/12 15:32
 お久しぶりです、クロイツェルです。しばらく事情で書きこみが出来ませんでしたが(心配して頂くような事情ではありません、念の為)、とりあえずの復活です。

 で、早速ですが、

>そもそも宇宙で、しかも艦隊戦で、なにを「駆逐」する必要があるのでしょうか。

を考察してみる事にしました。

 駆逐対象としてまず考えられるのが戦闘機隊ですが、これは違うと断言できます。なぜなら、事実上銀英伝世界で最小の艦艇である駆逐艦にやられるようでは、戦闘機の存在意義がまったく無いからです。戦闘機隊が慣習的に存在し続けていた可能性も考えられなくはないですが、その場合、「戦争の天才」ラインハルトが戦闘機隊を廃しなかった理由がありません。

 と、いう訳で、私は駆逐艦の標的は戦艦だと思います。つまり、銀英伝世界における駆逐艦とは、高起動・重武装をもって敵陣に切り込み、痛打を与える役なのではないか、と思うわけです。このように考えた場合、戦闘機の役割もはっきりします。つまり、駆逐艦に対抗するためであり、攻撃側にとっては駆逐艦を護衛するためのものなのでしょう。

 もちろんこのような艦種を「駆逐艦」と呼ぶのは不適当だとは思いますが、艦のサイズから慣例的に呼んでいたものが定着した、というのは充分ありえる話だと思います。

 推論どころかほとんど妄想のような論ですが、つじつまだけは合っていると思います(笑)。いかがでしょうか?


No. 1603
Re:500系赤星さん、クロイツェルさんへ
速水右近 2002/03/12 19:39
まず500系赤星さんへ

「アンタはオニか」(爆)

>  お久しぶりです、クロイツェルです。しばらく事情で書きこみが出来ませんでしたが(心配して頂くような事情ではありません、念の為)、とりあえずの復活です。
>
どーもでございます。

>  で、早速ですが、
>
> >そもそも宇宙で、しかも艦隊戦で、なにを「駆逐」する必要があるのでしょうか。
>
> を考察してみる事にしました。
>
>  駆逐対象としてまず考えられるのが戦闘機隊ですが、これは違うと断言できます。なぜなら、事実上銀英伝世界で最小の艦艇である駆逐艦にやられるようでは、戦闘機の存在意義がまったく無いからです。戦闘機隊が慣習的に存在し続けていた可能性も考えられなくはないですが、その場合、「戦争の天才」ラインハルトが戦闘機隊を廃しなかった理由がありません。
>
>  と、いう訳で、私は駆逐艦の標的は戦艦だと思います。つまり、銀英伝世界における駆逐艦とは、高起動・重武装をもって敵陣に切り込み、痛打を与える役なのではないか、と思うわけです。このように考えた場合、戦闘機の役割もはっきりします。つまり、駆逐艦に対抗するためであり、攻撃側にとっては駆逐艦を護衛するためのものなのでしょう。
>
>  もちろんこのような艦種を「駆逐艦」と呼ぶのは不適当だとは思いますが、艦のサイズから慣例的に呼んでいたものが定着した、というのは充分ありえる話だと思います。
>
>  推論どころかほとんど妄想のような論ですが、つじつまだけは合っていると思います(笑)。いかがでしょうか?

なるほど。慣例としての名前が残ったという意見には、納得できますね。
ただ「駆逐艦」ごときのサイズには、宇宙空間の移動などは難しいのでは? 艦隊戦に使えても、艦隊行動には不適ですよ。
ですから、さらにつじつま合わせをすると、
1 局地防衛
2 艦隊とともに運動させるため、「駆逐艦母艦」という艦種があった
という推測ができると思いますが。

いずれにせよ、現行の艦種区分とはまったく異なることだけは間違いなさそうです。機会があれば『銀英伝艦種区分』を立ち上げてみますので、忌憚のない御意見をお待ちします。


No. 1604
さらに?、?、?
速水右近 2002/03/12 20:02
兵器好きの友人と色々話していたのですが、さらに疑問がつのるばかりですね。

・主砲の射程と初速
レーザーやビームは、「光速」を越えうるのか。
これがあるかないかで、艦隊戦の意味が180度異なってしまいます。
というのは、ワタクシの提案した「宇宙の海戦とは、地球での艦隊戦というより、ドッグファイトに近いもの」という説すら破綻しかねない。なぜなら後背を突かれると、「全速前進、ワープ!」で逃げられますからね。「アスターテ海戦」(←ブックオフで調べてきた)でラインハルトはこの手を使えば、ヤンからの反撃は食らわなかったということですか……。

・通信、索敵技術の謎
前スレに「無敵艦隊から日本海海戦までがモデルになる」と書きましたが、あれは通信技術の発達という理由からでした。
すると『銀英伝』の世界では、どうやって通信をやっていたのか。たしか「超光速通信」があったと思いますが、その能力は?
また索敵の技術はどうやっていたのだろう。「超高速通信」があれば、「超高速レーダー」みたいなものがあったのか?

・アスターテの謎
前項にも書きましたが、アスターテのラインハルトにはもうひとつの選択肢がありました。
つまりヤン艦隊が集結する前に、「全速後進。反乱軍艦隊の中央を突破して、敵後方に離脱する」という手も考えられます。あの状況で自分側に逃げられると、ヤン艦隊も射撃できない。
そうなるとヤンも「全速後進」と命令し、「互いに撃ちあえない状況」を作るしかない。
個人的には、このストーリーのほうが原作より面白いと思いますね。なぜなら一度目は、「ラインハルトの正攻法、ヤンの奇策」となっていたのが、(架空の)二度目では、立場が正反対になるため。
これで双方が「なかなかやるじゃないか」と感心して、キルヒアイスの提案で「友好的な離脱」を行う……と。


No. 1605
Re:速水さんへ
クロイツェル 2002/03/12 20:23
 お返事、どーもです。

> ただ「駆逐艦」ごときのサイズには、宇宙空間の移動などは難しいのでは? 艦隊戦に使えても、艦隊行動には不適ですよ。
> ですから、さらにつじつま合わせをすると、
> 1 局地防衛
> 2 艦隊とともに運動させるため、「駆逐艦母艦」という艦種があった
> という推測ができると思いますが。

 これって、航続距離の問題って事ですよね?だとしますと、銀英伝世界における艦の移動はワープで行われている、という点に鍵があると思うんですよ。
 ワープの仕組み自体ははっきりと判っていませんが、ガイエスブルクを飛ばすのに複数のワープ機関が必要だった所から考えて、質量と出力の間に因果関係があるのは確かだと思います。つまり、戦艦よりも質量が軽い駆逐艦は、より低出力なワープ機関でも充分ワープさせられる。イコール、それだけ燃費も少なくてすむ、という事になりませんかね?
 そうしますと、駆逐艦でも問題なく艦隊行動が可能だ、としてもおかしくないと思います。

> いずれにせよ、現行の艦種区分とはまったく異なることだけは間違いなさそうです。機会があれば『銀英伝艦種区分』を立ち上げてみますので、忌憚のない御意見をお待ちします。

 面白そうですね。その時には、ぜひとも参加させていただきます。


No. 1607
ツッコミ…になってるかな?(笑)
クロイツェル 2002/03/12 20:43
 横から失礼します。

> ・主砲の射程と初速
> レーザーやビームは、「光速」を越えうるのか。
> これがあるかないかで、艦隊戦の意味が180度異なってしまいます。
> というのは、ワタクシの提案した「宇宙の海戦とは、地球での艦隊戦というより、ドッグファイトに近いもの」という説すら破綻しかねない。なぜなら後背を突かれると、「全速前進、ワープ!」で逃げられますからね。「アスターテ海戦」(←ブックオフで調べてきた)でラインハルトはこの手を使えば、ヤンからの反撃は食らわなかったということですか……。

 これは、ワープがすぐに行えると仮定した場合の戦術ですね。ですが、私には「ワープ!」「了解!」で行えるほどワープがたやすいものだとは思えないんですよね。空間関係の技術ですし、やはり計算等にそれなりの時間がかかる、と考えて良いのではないでしょうか。

> ・通信、索敵技術の謎
> 前スレに「無敵艦隊から日本海海戦までがモデルになる」と書きましたが、あれは通信技術の発達という理由からでした。
> すると『銀英伝』の世界では、どうやって通信をやっていたのか。たしか「超光速通信」があったと思いますが、その能力は?
> また索敵の技術はどうやっていたのだろう。「超高速通信」があれば、「超高速レーダー」みたいなものがあったのか?

 あるんでしょう…ねえ。そうでないと、あんな陣形を維持する事すら出来ないでしょうし。

> ・アスターテの謎
> 前項にも書きましたが、アスターテのラインハルトにはもうひとつの選択肢がありました。
> つまりヤン艦隊が集結する前に、「全速後進。反乱軍艦隊の中央を突破して、敵後方に離脱する」という手も考えられます。あの状況で自分側に逃げられると、ヤン艦隊も射撃できない。
> そうなるとヤンも「全速後進」と命令し、「互いに撃ちあえない状況」を作るしかない。
> 個人的には、このストーリーのほうが原作より面白いと思いますね。なぜなら一度目は、「ラインハルトの正攻法、ヤンの奇策」となっていたのが、(架空の)二度目では、立場が正反対になるため。
> これで双方が「なかなかやるじゃないか」と感心して、キルヒアイスの提案で「友好的な離脱」を行う……と。

 これが出来なかった理由は、「慣性の法則が邪魔をした」でいいんじゃないでしょうか。いくら宇宙戦艦とはいっても、前進用のエンジンは、やはり後退用のそれよりは強力でしょうし。


No. 1612
ボケ担当から、ツッコミ担当さんへ
速水右近 2002/03/12 22:55
>  お返事、どーもです。

こちらこそ、毎度ツッコミ、どーもでございます。

> > ただ「駆逐艦」ごときのサイズには、宇宙空間の移動などは難しいのでは? 艦隊戦に使えても、艦隊行動には不適ですよ。
> > ですから、さらにつじつま合わせをすると、
> > 1 局地防衛
> > 2 艦隊とともに運動させるため、「駆逐艦母艦」という艦種があった
> > という推測ができると思いますが。
>
>  これって、航続距離の問題って事ですよね?だとしますと、銀英伝世界における艦の移動はワープで行われている、という点に鍵があると思うんですよ。
>  ワープの仕組み自体ははっきりと判っていませんが、ガイエスブルクを飛ばすのに複数のワープ機関が必要だった所から考えて、質量と出力の間に因果関係があるのは確かだと思います。つまり、戦艦よりも質量が軽い駆逐艦は、より低出力なワープ機関でも充分ワープさせられる。イコール、それだけ燃費も少なくてすむ、という事になりませんかね?
>  そうしますと、駆逐艦でも問題なく艦隊行動が可能だ、としてもおかしくないと思います。

この部分は、認識が異なりますね。
物理的なことはさっぱりですが、問題は航続力=エンジンだけではないと思います。
まず乗務員の生理的限界も考慮に入れる必要があるのでは。戦艦の乗員が六〇〇人だとすると、駆逐艦の乗員は数十人。現行のディーゼル潜水艦と同程度の人数ですね。それだけの人間で、果たして長距離=長時間の移動に耐えきれるのか。精神的負担とかも大きいでしょう。
さらに戦艦が万単位で出てくるなら、駆逐艦は一〇〇万単位になる(?)はずだから、長距離移動をすると離脱率もバカにならん(それだけの戦力低下)と思いますけども。
そのうえ攻撃力だけではなく、継戦能力なんか限定されているとはずですし、たとえ艦隊行動をとれたとしてもコスト・パフォーマンスがよろしくないでしょうね。

そういうことを考慮のうえ、艦隊戦に参加させるためには「駆逐艦母艦」……それこそ慣例上、これが「空母」と呼ばれたのかも知れませんが……みたいな艦が必要だと考えた次第です。
これなら乗員の生理的、精神的負担は大幅に軽減されます(母艦から離れるのは数日から一週間ぐらい)だし、移動における離脱率は激減するでしょう。また継戦能力も格段に上昇するはずです。ただ運用コストの件だけは、わかりかねますが。
たしかこんな艦種は、一八九〇年ぐらいにイギリスで実在したような気がします。駆逐艦の航洋性が、まだなかった時代ですね。
しかしこう見ますと、実在の駆逐艦というより、むしろ「艦載ミサイル艇」に近い存在ですなぁ。もっとも「艦載魚雷艇」というのも、第一次大戦まで実在した艦種ですけど。
>
> > いずれにせよ、現行の艦種区分とはまったく異なることだけは間違いなさそうです。機会があれば『銀英伝艦種区分』を立ち上げてみますので、忌憚のない御意見をお待ちします。
>
>  面白そうですね。その時には、ぜひとも参加させていただきます。

また「容赦のないツッコミ」、じゃなかった「愛の鞭」、よろしくお願いします(自爆)。


No. 1613
勝手に捏造(笑)宇宙軍艦発展史
KUR 2002/03/12 23:53
と、いうわけで、銀英伝世界でどのように軍艦が発展してきたのかを
勝手に考察してみたいと思います(^^;
できるだけ銀英伝正史と矛盾の無いようまとめたつもりですが、
細かいミスなどはご容赦ください。
文章まとめるのは苦手なので、ちょっと長文です。

さて、銀英伝世界で最初に宇宙軍艦が登場したのはいつ頃でしょうか?
まあ、軌道往還機を武装したような程度のものは地球に国境があったころから
存在したかもしれません。
しかしながら、敵が地球の外には存在しない以上、宇宙戦争能力はさほど重要視
されていないと考えられます。
おそらく、本格的な軍艦が登場したのは13日間戦争のあと、
地球統一がなされてからのことでしょう。
より正確に言えば、地球以外の惑星にそれなりの人口が居住するようになり、
地球の外に事実上の「外国」が存在するようになってからだと思います。

そのときに登場した軍艦とは、どんなものでしょうか。
まず、戦闘艦が存在する以上、想定すべき仮想敵というものが存在するはずです。
当時の地球軍の敵とは、すなわち海賊などの武装組織であり、
なによりもいつ独立をたくらむかも知れぬ植民地と思われます。
この状況は、現在の地球上で考えるなら、19-20世紀の英国の例が近いでしょうか。

こういう状況で、軍や政府がもっとも望む艦種はなにか。
・ある程度数を揃えたい。
・必要なときに必要な場所に急行できるだけの機動力が欲しい。
・そして、それなりの戦闘力と示威効果が欲しい
これらの条件を満たす艦種。
おそらく、巡航艦ではないでしょうか。
優秀な船体に武装と装甲を施した、航行能力に優れた戦闘艦。スペースクルーザー。
最初の本格的な宇宙軍艦は、おそらくこのような経緯から誕生したものと思われます。

あるいはこれ以前に、より小型の戦闘艦が整備されていたかもしれません。
砲力や外宇宙航行能力に劣る代わり、
高い機動力を生かして恒星系内で活躍すべき迎撃形の小型艦艇です。
仮に、遊撃艇とでも呼ぶことにしましょう。
サイズが小さいと言う制約から、巨大でエネルギーを食う巨砲は搭載しにくいでしょうから、
その主兵装は(積むとしたら)水爆ミサイルなどだと思います。
これらの艦艇は外宇宙での戦闘能力はありませんが、その機動力と数量を生かし、
恒星系内では海賊の鎮圧や警備などに、重宝することでしょう。

さて、バランスの取れた軍事力によってわが世の春を謳歌した地球連邦ですが、
このあたりで地球政府にとって困ったことが起こります。
それは、シリウスをはじめとした植民星系が力をつけ始め、外宇宙航行可能な
警備艦(建前上は植民地ですので軍艦は名乗れないでしょう)を
配備し始めると言うことです。事実上の巡航艦です。

これは困った事態です。
今まで海賊や小規模な叛乱勢力相手に無敵を誇ってきた地球連邦の巡航艦が、
ついに互角の相手を見出してしまったわけです。
もちろん、個艦単位の性能で地球側が優越しているにしても、
相手は同じだけのサイズに同じだけの武装を施しています。
彼らと正面からぶつかれば、負けはしないまでも苦戦を強いられることは疑いありません。
ではどうするか。簡単です。巡航艦を遥かにしのぐ、新しい艦種を作ればよいのです。
巡航艦を圧倒する強大な主砲。巡航艦の攻撃では傷一つつかない強靭な装甲。
それでいて、巡航艦並みの巡航速度。
もちろん、巡航艦の優れたバランスは崩れ、兵器としてはいびつな形になってしまいます。
極端に大型化することは避けられないため、コストパフォーマンスは最悪です。
しかし、その戦闘力は圧倒的であり、
銀河に存在する全ての兵器の頂点に立つほどの力を手に入れました。
そう、宇宙戦艦の誕生です。

全長1000メートルを優に超え、小惑星すら破壊可能な主砲を備え、
そして、水爆ミサイルの直撃にすら悠々と耐えうる「宇宙戦艦」
まさに、強烈な浮かぶ城です。
各植民惑星政府は、このモンスターの群れを見て恐慌に陥ったかもしれません。
彼らには、これほどの怪物を作るほどの技術力はありません。
また、無理に作ったとしても、所詮バランス最悪の怪物兵器です。
よほど基盤となる工業力、経済力が存在しない限り、使いこなせるものではありません。

植民政府はどうするでしょうか。
彼らは地球に首根っこを抑えられた状況から脱出しようともがいています。
地球が話し合いに応じる姿勢がない以上、彼らは潜在的な軍事力を
外交カードとして失うわけには行きません。
地球に対して強気の姿勢を維持するためには、
仮に地球が侵攻してきた場合に備えて、迎撃計画を練っておかねばならないわけです。

となれば、どのようにして戦艦に対抗するか。
巡航艦では、歯が立ちません。遥か遠くから桁違いの主砲でアウトレンジされてしまいます。
では、どうすればいいか。
正面から堂々と戦って勝ち目がないなら、奇襲をかけるしかありません。
つまり、遊撃艇の整備です。
戦艦に巡航艦で殴りかかっても勝ち目がありません。
ならば、遊撃艇に水爆ミサイルをしこたま搭載し、奇襲をしかけるしかありません。
水際でできる限り敵の戦艦を沈めて、あわよくば互角の戦いに持ち込もうとするでしょう。
どこかで聞いたような思想ですね。
そう、漸減作戦です。
1940年ごろに、大日本帝国とか言う国家が、世界一強大な国を仮想敵に考えていた戦略です。
歴史は繰り返すと言うことでしょうか。

しかし、その作戦も地球にはお見通しでした。当然、対抗策を考えます。
遊撃艇は、おそらく全長200メートル以下の小型艇です。
500メートルを越える巡航艦や戦艦をこいつらの相手に当てるのは非効率ですし、
かえって足元をすくわれかねません。
ここは一つ、またしても新しい艦種を用意いたしましょう。

それは、外宇宙航行のための最低限度のサイズに、遊撃艦を撃破できる程度の武装を施した、
新しいタイプの小型巡航艦でした。
遊撃艇駆除を専門とする艦艇、「遊撃艇駆逐艦」です。
遊撃艇の武装は、戦艦と刺し違えるための水爆ミサイルが、ほとんど唯一です。
貧弱とはいえ主砲を装備した駆逐艦にはまず勝てません。
では、駆逐艦隊を狩ろうと巡航艦部隊を出動させれば、当然駆逐艦は逃げます。
機動力で劣る巡航艦では捕捉は困難であり、
下手に長距離追撃すると待ち構えていた敵戦艦部隊の歓迎を受けかねません。
つまり、遊撃艇戦力は事実上無力化したのです。

ここに、地球の軍事思想は一応の完成をみました。
戦艦、巡航艦、駆逐艦によるハイ・ロー・ミックスの複合部隊であり、
これは、植民星系にはとても真似することのできない構成でした。
強大なワイルドカードである戦艦という札をもてない以上、
植民星系は圧倒的な不利に甘んじることとなったのでしょう。

以後、遊撃艇という艦種は決戦兵器として消滅せざるをえないでしょうが、
一方で駆逐艦はその機動力と経済性が評価され、偵察や雷撃に重宝されたことでしょう。
また、戦艦はより航行能力を高め、巡航艦はより戦闘力を高め、
より完全な兵器を目指して進化を続けたものと思われます。
巡航戦艦、あるいは高速戦艦といわれるヒューベリオンやベイオウルフなどは、
外宇宙型戦闘兵器という形の、いわば完成形なのかもしれません。

……以上、KURによる捏造軍艦史です(^^;;
長文駄文、お付き合いありがとうございました。


No. 1614
Re:ボケ担当から、ツッコミ担当さんへ
クロイツェル 2002/03/13 01:07
 う〜ん、ツッコミ担当と言われるほど、根拠のあるツッコミはしてないんですけどね(笑)。

> この部分は、認識が異なりますね。
> 物理的なことはさっぱりですが、問題は航続力=エンジンだけではないと思います。
> まず乗務員の生理的限界も考慮に入れる必要があるのでは。戦艦の乗員が六〇〇人だとすると、駆逐艦の乗員は数十人。現行のディーゼル潜水艦と同程度の人数ですね。それだけの人間で、果たして長距離=長時間の移動に耐えきれるのか。精神的負担とかも大きいでしょう。
> さらに戦艦が万単位で出てくるなら、駆逐艦は一〇〇万単位になる(?)はずだから、長距離移動をすると離脱率もバカにならん(それだけの戦力低下)と思いますけども。
> そのうえ攻撃力だけではなく、継戦能力なんか限定されているとはずですし、たとえ艦隊行動をとれたとしてもコスト・パフォーマンスがよろしくないでしょうね。

 100万単位、てのはちと大げさな気がしますが、まあ戦艦よりも多くなる事は確かでしょうね。とはいえ、ワープで移動している銀英伝世界の艦隊行動が、果たして長距離=長時間となりうるのかどうかは謎な部分ですが。どうも劇中の時間の進み方を見ていると、意外と移動時間って短いような気がするんですよねえ。

 離脱率に突いては…これはなんとも言えませんよねえ。なにせ、ワープの仕組みすら判らないんですから。まあ、ワープによっておいて行かれる艦がありえるというのは、ミッターマイヤーのセリフから伺えますけどね。ただ、銀英伝の艦隊船は、ワープ後一旦陣形を整えてから戦闘という形を取っていますので、おそらくはその時点で離脱艦が合流するのではないかと思います。

 まあ、これ以上は、あの世界における駆逐艦やワープ機関の正確なスペックがわからないとどうしようもないような気もしますね(笑)。


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