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銀英伝のSF兵器理論
7−B

銀英伝世界の医学テクノロジー(2)


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No. 1440
医学は?
ドミニオン 2002/01/29 16:50
ふと思ったのだが、銀英伝の医療技術はどうなってんだろうか? 確かにオーベルシュタインの義眼やワーレンの義手は凄い気がするけど、それ以外の医療技術は現在とあまり変わらないような気がする。
例えば、ルビンスキーの脳腫瘍なんて何百年もたてばそれこそ完治しかねないような気もする。また、フォークが撃った統合作戦本部長の退院はもっと早く叶ったと思うし、ロイエンタールの子はそれこそ母体に影響を与えることなく堕胎させられていたと思う。
さすがにキルヒアイスが助かるとは思わないが。


No. 1442
Re:医学は?
kage 2002/01/31 17:30
> ふと思ったのだが、銀英伝の医療技術はどうなってんだろうか? 確かにオーベルシュタインの義眼やワーレンの義手は凄い気がするけど、それ以外の医療技術は現在とあまり変わらないような気がする。
> 例えば、ルビンスキーの脳腫瘍なんて何百年もたてばそれこそ完治しかねないような気もする。また、フォークが撃った統合作戦本部長の退院はもっと早く叶ったと思うし、ロイエンタールの子はそれこそ母体に影響を与えることなく堕胎させられていたと思う。
> さすがにキルヒアイスが助かるとは思わないが。

初めましてドミニオン様

素人目に見ても確かに銀英伝の医学事情にはかなり無理がありますね。

 銀英伝の世界の医学事情で私が一番問題だと思っているのが、”心の病”に対する意識(または認知度)の低さ。帝国ではいざ知らず同盟で”心の病”に関する社会問題が無いのはすごいことです。
 ヤン、ユリアン、ラインハルト、ロイエンタールはACODだと思うのですが。誰も自覚もしてないのではないでしょうか?ましてや、この人たちは銀河の運命を握ってるんですから誰か自覚を促してもいいような気がしますが。
 同盟にはトラバース法があるくらいですので、戦争孤児は多いのでしょうACODが社会問題になってなければおかしいはずです。それに、ベトナム戦争後のアメリカで問題となったPTSD、2世紀も戦争状態にあってPTSDが全然問題にならないなんてあり得るんでしょうか?同盟の政治家たちもヤンも一言も言及していません。精神科医はあるようですがカウンセラーや心理学者はいるんでしょうか?精神医学の分野は銀英伝執筆時よりもかなり後退してしまったようです。


それに銀英伝の世界はバイオテクノロジーの医学的利用が無いです。有角犬を作ってるぐらいです。遺伝を盲信していたのならルドルフなら、それこそ自分のクローンを皇帝後継者にしてしまえばいいはずです。この人は自らを神格化したような人だからこのくらいは当然考えていたと思います。
それとも逆に体を鍛えることを推奨したルドルフが医者嫌いだったかも知れません。「帝国を支える健全な臣民には高度な医学技術など必要ない、医学の進歩は社会に弱者(傷病者)を増やす。」とでも考えて、医学の発展を抑制したと言うのはどうでしょうか?現在の医学技術でさえも男女の生み分けは可能ですが、ゴールデンバウム家は男子が生まれなくて困っている様子です、ルドルフにより禁止され消えていった医学的知識や技術が多数あるかと考えられます。
バイオテクノロジーと言えば今をときめくES細胞があります。これは最近の技術なのでしょうがないですが、ES細胞に関する技術が実用化されていれば機会義手なんてナンセンスです。遅くとも今世紀中には自分の細胞と遺伝子を素に失った体の一部を補う生身の(義?)手がや、人工臓器実用化されるはずですから。銀英伝の執筆当時にこのような技術を考えた人はいなかったんでしょうか?


話は銀英からずれますが、田中芳樹作品には家族に恵まれないキャラが多いです。そして、そのほとんどが反骨精神旺盛に元気いっぱいに育っています。メインの読者層が若いから書かないだけかも知れませんがこの人、幼年及び少年期における家族の不在または、機能不完全家族が子供に与える影響の大きさを理解しているんでしょうか?


AC(アダルトチルドレン)
ACとはACOA(アダルトチルドレンオブアルコホリック:子供の頃アルコール依存者のいる家庭で育った大人)ACOD(アダルトチルドレンオブディスファンクショナルファミリー:子供の昨日不完全家庭で育った大人)の総称です。
ACの特徴
自分に自信が持てない、 1つのことをやり遂げるのが苦手、 人の意見に左右されてしまう、 過剰な努力をする、 嫌なことを嫌と言ない、 他人とうまく接することができない、 拒絶されることを恐れるあまり自ら関係を絶ってしまう、 理想主義、 物事を最後までやり遂げることが困難、 習慣的に嘘をついてしまう、 過剰に自責的な一方で無責任自分にはどうにもできないことに過剰反応する、 世話やきに熱中しやすい、 必要以上に自己犠牲的、 共依存に陥りやすい
機能不全家族について
養育者からの虐待(精神的、身体的、性的)、 子供の自主性を認めない、 家庭内不和、 子供への無関心、 ケアの不足、 同胞間での不平(兄弟との差別)、 子供への過重な期待、 要するに緊張した家庭で、子供たちが安心感の持てない不安な家庭です。
尚、ACの特徴は、日本のマスメディアで用いられている一般的な概念です。専門家によれば、このような特徴はAC特有でなく、ACだからといってこのような特徴を持つわけではない。ACがこのような特徴を多少持ちやすい程度という人もいます。自らの生きにくさの特徴、生きていく上での辛さが家庭や社会にあったことを認識し(個人や社会が)能動的に改善するための概念です。


PTSD(Post-traumatic Stress Disorder:外傷後ストレス障害)
 強烈なショックを受けた後に起こる様々な心的障害をトラウマ言いますが、何度もトラウマ体験を思い出したり、トラウマ体験に似た状況に置かれると安全だと理解していても、恐怖状態やパニック状態に陥る状態を言います。
 日本では北海道南西沖地震、阪神大震災、地下鉄サリン事件にて注目を集めました。


ES細胞
 様々な臓器や組織の細胞に変化する能力を持つ細胞は、成人の骨髄や脂肪組織などにも含まれるが、受精卵が少し成長した胚(はい)から取ったものをES細胞(胚性幹細胞)と言う。あらゆる細胞に変化するため万能細胞とも呼ばれる。この細胞から心筋や神経などを作り移植すれば、新たな治療法につながると期待されている。ただし、人間になり得る胚を壊すため、倫理問題も指摘されている。
                       読売新聞より引用


 不適切な表現、間違い等ありましたらご指摘お願いします。


No. 1286
Re:医学は?
ドミニオン 2002/02/01 00:07
> 初めましてドミニオン様

 こちらこそ初めまして。

> 素人目に見ても確かに銀英伝の医学事情にはかなり無理がありますね。
>
>  銀英伝の世界の医学事情で私が一番問題だと思っているのが、”心の病”に対する意識(または認知度)の低さ。帝国ではいざ知らず同盟で”心の病”に関する社会問題が無いのはすごいことです。

それは盲点だった。ああいった先進諸国ではそういった心の病気があるのでした。

>  ヤン、ユリアン、ラインハルト、ロイエンタールはACODだと思うのですが。誰も自覚もしてないのではないでしょうか?ましてや、この人たちは銀河の運命を握ってるんですから誰か自覚を促してもいいような気がしますが。

 ヤンとユリアンはキャゼルヌかフレデリカにでも、ラインハルトはいないよな。キルヒアイスが死んだし。ロイエンタールはどう考えてもミッターマイヤーが自覚を促すほかはない。

>  同盟にはトラバース法があるくらいですので、戦争孤児は多いのでしょうACODが社会問題になってなければおかしいはずです。それに、ベトナム戦争後のアメリカで問題となったPTSD、2世紀も戦争状態にあってPTSDが全然問題にならないなんてあり得るんでしょうか?同盟の政治家たちもヤンも一言も言及していません。精神科医はあるようですがカウンセラーや心理学者はいるんでしょうか?精神医学の分野は銀英伝執筆時よりもかなり後退してしまったようです。

 考えられる可能性として、ヤンが所属していた戦史研以前にも物質的に軍に貢献しないものは削除された。もしくは人員を動員しすぎて精神医学者が全滅したのかも。
 帝国の場合は精神的な弱さもルドルフの粛清の対象にされたのかも。
 この世界にハリー・セルダンはいないのか?

> それに銀英伝の世界はバイオテクノロジーの医学的利用が無いです。有角犬を作ってるぐらいです。遺伝を盲信していたのならルドルフなら、それこそ自分のクローンを皇帝後継者にしてしまえばいいはずです。この人は自らを神格化したような人だからこのくらいは当然考えていたと思います。

 もしかしたら遺伝子はある程度ミックスされた方がいい、という考えに達していたのかも。いずれ自分を超える天才が現れることを祈って。

> それとも逆に体を鍛えることを推奨したルドルフが医者嫌いだったかも知れません。「帝国を支える健全な臣民には高度な医学技術など必要ない、医学の進歩は社会に弱者(傷病者)を増やす。」とでも考えて、医学の発展を抑制したと言うのはどうでしょうか?現在の医学技術でさえも男女の生み分けは可能ですが、ゴールデンバウム家は男子が生まれなくて困っている様子です、ルドルフにより禁止され消えていった医学的知識や技術が多数あるかと考えられます。

 ファウンデーションの銀河帝国末期みたいな状態ですね。

> バイオテクノロジーと言えば今をときめくES細胞があります。これは最近の技術なのでしょうがないですが、ES細胞に関する技術が実用化されていれば機会義手なんてナンセンスです。遅くとも今世紀中には自分の細胞と遺伝子を素に失った体の一部を補う生身の(義?)手がや、人工臓器実用化されるはずですから。銀英伝の執筆当時にこのような技術を考えた人はいなかったんでしょうか?

 当時かどうかはわかりませんが、十年以上前のスピルバンという特撮で体の何処の細胞からでも臓器を製造できる技術を開発したとか言う話がありました。

> 話は銀英からずれますが、田中芳樹作品には家族に恵まれないキャラが多いです。そして、そのほとんどが反骨精神旺盛に元気いっぱいに育っています。メインの読者層が若いから書かないだけかも知れませんがこの人、幼年及び少年期における家族の不在または、機能不完全家族が子供に与える影響の大きさを理解しているんでしょうか?
>
>
> AC(アダルトチルドレン)
> ACとはACOA(アダルトチルドレンオブアルコホリック:子供の頃アルコール依存者のいる家庭で育った大人)ACOD(アダルトチルドレンオブディスファンクショナルファミリー:子供の昨日不完全家庭で育った大人)の総称です。
> ACの特徴
> 自分に自信が持てない、 1つのことをやり遂げるのが苦手、 人の意見に左右されてしまう、 過剰な努力をする、 嫌なことを嫌と言ない、 他人とうまく接することができない、 拒絶されることを恐れるあまり自ら関係を絶ってしまう、 理想主義、 物事を最後までやり遂げることが困難、 習慣的に嘘をついてしまう、 過剰に自責的な一方で無責任自分にはどうにもできないことに過剰反応する、 世話やきに熱中しやすい、 必要以上に自己犠牲的、 共依存に陥りやすい
> 機能不全家族について
> 養育者からの虐待(精神的、身体的、性的)、 子供の自主性を認めない、 家庭内不和、 子供への無関心、 ケアの不足、 同胞間での不平(兄弟との差別)、 子供への過重な期待、 要するに緊張した家庭で、子供たちが安心感の持てない不安な家庭です。
> 尚、ACの特徴は、日本のマスメディアで用いられている一般的な概念です。専門家によれば、このような特徴はAC特有でなく、ACだからといってこのような特徴を持つわけではない。ACがこのような特徴を多少持ちやすい程度という人もいます。自らの生きにくさの特徴、生きていく上での辛さが家庭や社会にあったことを認識し(個人や社会が)能動的に改善するための概念です。
>
>
> PTSD(Post-traumatic Stress Disorder:外傷後ストレス障害)
>  強烈なショックを受けた後に起こる様々な心的障害をトラウマ言いますが、何度もトラウマ体験を思い出したり、トラウマ体験に似た状況に置かれると安全だと理解していても、恐怖状態やパニック状態に陥る状態を言います。
>  日本では北海道南西沖地震、阪神大震災、地下鉄サリン事件にて注目を集めました。

 確か属に言うフラッシュバック、てやつですね。


No. 1446
心理学
本ページ管理人 2002/02/01 01:16
>話は銀英からずれますが、田中芳樹作品には家族に恵まれないキャラが多いです。そして、そのほとんどが反骨精神旺盛に元気いっぱいに育っています。メインの読者層が若いから書かないだけかも知れませんがこの人、幼年及び少年期における家族の不在または、機能不完全家族が子供に与える影響の大きさを理解しているんでしょうか?

 私は基本的に心理学者の言説というのは大体話半分に考えてます。
 新語を造って当てはめて、それ(だけ)で現象が把握できるなんて思い上がりでしょう。現象把握の一助としては有効ですが、その枠を超えて拡大解釈が暴走しているセンセや患者のなんて多いことか… 創竜伝のヴラド計画なんかもその亜種ですね。
 真面目に心理学を研究している人ほど、心理学がおそろしく地味な学問であることを知っているもんです。

 まあ、アダルトチルドレンについては議論や研究の余地はありますけれど、だからといっては家族に恵まれないキャラの場合は必ず取り入れなきゃならないって事はないでしょう。
 家族に恵まれないキャラがいる場合は必ずエヴァみたいになるというのは相当勘弁して欲しいです。
#一時期エヴァが流行ったとき、サブカル関係のシナリオがみんなエヴァの亜流になって、主人公のほとんどがACという時期がありましたけど、今考えるとスゲーですね(笑)


No. 1451
Re:心理学
kage 2002/02/02 01:29
> >話は銀英からずれますが、田中芳樹作品には家族に恵まれないキャラが多いです。そして、そのほとんどが反骨精神旺盛に元気いっぱいに育っています。メインの読者層が若いから書かないだけかも知れませんがこの人、幼年及び少年期における家族の不在または、機能不完全家族が子供に与える影響の大きさを理解しているんでしょうか?
>
>  私は基本的に心理学者の言説というのは大体話半分に考えてます。
>  新語を造って当てはめて、それ(だけ)で現象が把握できるなんて思い上がりでしょう。現象把握の一助としては有効ですが、その枠を超えて拡大解釈が暴走しているセンセや患者のなんて多いことか… 創竜伝のヴラド計画なんかもその亜種ですね。
>  真面目に心理学を研究している人ほど、心理学がおそろしく地味な学問であることを知っているもんです。


 心理学は統計の学問で、しかも途方もなく複雑な人の心を扱っていますから、その理論や概念が必ずしも心がおけるものではないことは管理人様のおっしゃるとおりだと思います。そして、ほとんどの学問が事実を突き止めようとして結局真実を追っているにすぎないのでしょう。それ故に、現場で問題も起りましょうが、よりクリティカルな理由は職業倫理の問題にあると思ういます。また、実力に見合わない人間に地位を与えてしまうのは社会や諸団体の倫理の問題だと思います。


>  まあ、アダルトチルドレンについては議論や研究の余地はありますけれど、だからといっては家族に恵まれないキャラの場合は必ず取り入れなきゃならないって事はないでしょう。
>  家族に恵まれないキャラがいる場合は必ずエヴァみたいになるというのは相当勘弁して欲しいです。
> #一時期エヴァが流行ったとき、サブカル関係のシナリオがみんなエヴァの亜流になって、主人公のほとんどがACという時期がありましたけど、今考えるとスゲーですね(笑)


 近年ますます作品が某少年漫画誌化していく傾向のある田中作品、それに平行して人間や心理の描写っが著しく低下してきています。薬師寺シリーズの登場人物なんかステレオタイプばっかりです。その理由として「田中氏がキャラクターの生い立ちや人間関係をしっかり考えなくなってきたのでは?」と疑問に思ったので。例えば、最近の主役は敵のアクションに対して怒るかあきれてる以外のリアクションがすくないです。
ACについてはその一例としてあげました。現代を舞台にしたもので、これほど親の不在が軽く扱われている作品を知らなかったもので。改めて考えてみるとこの例は固定観念と偏見の固まりですね。


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