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銀英伝のSF兵器理論
6−F

銀英伝世界のワープ航法理論(6)


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No. 2620
銀英伝を撃つ!
深草の少将 2002/09/01 22:57
その1.広大な銀河系に帝国と同盟の2つの政体しか存在しないこと     (フェザーンは帝国の自治領なのでここでは省く)。
その2.帝国の人名がなぜか古めかしいドイツ名ばかり。
その3.宇宙空間に「回廊」が存在すること。
その4.地上の歩兵戦とまったく変わらない宇宙空間での艦隊戦。

よく考えてみりゃ、銀英伝ていうのはトンでもなくチープな設定に満ち満ちてないか、オイ?
ま、もっとも仮にもスペースオペラにここまで乱暴な設定を持ち込んだことは、ある意味「功績」といえないこともないわな。


No. 2636
某巨大掲示板で議論されています
佐々木公彦 2002/09/03 02:29
ああいうので設定そのものに文句をいっても始まりません。
たとえば、イゼルローンなど主砲射程外からレールガンや、マスドライ
バーを使えばただの的だそうです。

ビーム砲は拡散するから、射程に限りがあるけど、実態弾は宇宙空間では射程距離無限ですから。
(ほかの物体の重力につかまらない限り)

撃つならキャラクターたちの行動を撃つべきでしょう。


No. 2637
Re:某巨大掲示板で議論されています
IK 2002/09/03 09:52
あんまりあちこちに口を挟むのは何ですが(笑)、ひとことだけ。
設定云々を言えばそもそも銀河系規模で統一暦法が存在することがおかしい訳で、仮にセシウム時計などで地球標準時に合わせるのだとしても、例えばウラシマ効果などはどうなる(笑)。
こういう話自体は面白いですけど、設定に矛盾があるからといって銀英伝を全否定するのはどんなもんでしょう。
銀英伝はそういうところで勝負していないですからね。


No. 2640
Re:某巨大掲示板で議論されています
古典SFファン(すみません、シリアスSFも好きなんです) 2002/09/03 11:07
> あんまりあちこちに口を挟むのは何ですが(笑)、ひとことだけ。
> 設定云々を言えばそもそも銀河系規模で統一暦法が存在することがおかしい訳で、仮にセシウム時計などで地球標準時に合わせるのだとしても、例えばウラシマ効果などはどうなる(笑)。

・・・と云われると書かずには居られないのがSF設定の(以下略)・・激しく蛇足ですが(笑)。
あの世界には超光速通信が存在するので、帝国標準時や同盟標準時に
時報(笑)を発信する事で、標準時刻を設定する事が可能です。
両者の標準時刻は首都星か、GMTのような都合の良い基準点を持つ場所で決定されていると考えるのが自然でしょう。
と云う訳で、
『帝国臣民のみなさん、皇帝陛下のご慈愛により、オーディンより午後0時をお知らせします(ぴ・ぴ・ぴ・ぽーん)』
『同盟市民の皆様、ハイネセンからお昼のニュースです(ぼーん・ぼーん)』
とか・・・(笑)。

惑星別の地方標準時が別にあるらしいのは、たしかイゼルローン日記か、
SFアドベンチャーの増刊号の作者インタビューあたりで言っていた
ような記憶があります(おぼろげですが)。


> こういう話自体は面白いですけど、設定に矛盾があるからといって銀英伝を全否定するのはどんなもんでしょう。
> 銀英伝はそういうところで勝負していないですからね。

かつてSFが科学をギミックとしてでなく、世界観の根幹としていた時代がありました。
・・・遺憾ながら、そうしたSFテイストの濃い作品ほど、時代の流れによって
速く陳腐化して行く傾向がある。
しかし、E.E.スミス(「レンズマン」「スカイラーク」)を、
エドモンド・ハミルトンを、アイザック・アシモフを、アーサー・C・クラークを、R・A・ハインラインを、ポール・アンダースンを、
フランク・ハーバートを、小松左京を、・・そして星 新一を(笑)、
今の人間の知識や世界認識に照らして2CH流に嘲笑したところで、
彼らの作品を読む人間が死に絶える訳ではない。
小説が真に死ぬのは、もはや読者との共通認識をもち得ないほど、
その成り立ちや時代が読者層と遠ざかってしまった時(それが
研究者だけのものになってしまうほど)であり、そうならぬ間は、
設定の破綻も、作者の限界そのものも、その生命を奪いはしないものです。
私がこよなく愛する(笑)古典作品は、そうやって、まだしぶとく生きています。
・・もっとも、銀英伝がどこまでしぶとく生き残るかは、まだまだ分からないところですが・・・(−−;;;。


No. 2644
Re:某巨大掲示板で議論されています
IK 2002/09/03 15:24
> エドモンド・ハミルトンを、アイザック・アシモフを、アーサー・C・クラークを、R・A・ハインラインを、ポール・アンダースンを、
> フランク・ハーバートを、小松左京を、・・そして星 新一を

ポール・アンダーソンを持ってくる辺り、話が合いそうですね(笑)。


No. 2654
Re:某巨大掲示板で議論されています
古典SFファン 2002/09/04 12:27
> ポール・アンダーソンを持ってくる辺り、話が合いそうですね(笑)。

アンダースンの作品でも有名な、「後に設定が破綻した壮大な宇宙叙事詩」『タウ・ゼロ』があります。
『タウ・ゼロ』の場合、その設定があまりにも出来すぎ、あまりにも
当時の物理学に合いすぎていたために、皮肉にも宇宙論の発展により
設定が崩壊してしまったのです。
(その種の例としては、例えばジェイムズ・ブリッシュの『時の凱歌』などもあります・・・)

しかし、『タウ・ゼロ』にせよ、『時の凱歌』にせよ、そんな事で
全ての読者を失う訳でもないし、読む価値を無くす訳でもない。
小説家の「作品」は(田中芳樹的表現?(笑)を試みれば)、
古風なレンガの家のようなものと思います。
設定の一つ一つは小さなブロックに過ぎない。
それを積み、隙を埋めるべき補足的な台詞や資料で埋めていく事で、
「レンガ」から「壁」や「天井」という形が作り出される。
何よりも、家の中で暮らすキャラクターたちに生命力がなければ、
その家を訪れる者は誰も居ないでしょう。

時が経てば、風化がレンガを蝕み、次々と壊していくかも知れない。
しかし、家全体がそれですぐに駄目になる訳ではない。
美しく瀟洒な家を訪れて、一杯の紅茶を喫していこうとする者は、
家が完全に壊れ死に絶えてしまうまで、数は減ってもきっと現れるものです。

・・・「家」そのものに魅力がなければ、これはもう仕方がないのですが・・・。


No. 2667
Re:某巨大掲示板で議論されています
Nobuyoshi 2002/09/06 10:35
>> あの世界には超光速通信が存在するので、帝国標準時や同盟標準時に
> 時報(笑)を発信する事で、標準時刻を設定する事が可能です。

 よくタイムマシンの話で高速を越えると時間を遡れると言われてますよね。
 ということは、超高速通信だと高速を超えてるので時間をさかのぼってしまいとんでもないことになるのでは?


No. 2667
Re:某巨大掲示板で議論されています
IK 2002/09/06 17:36
>  よくタイムマシンの話で高速を越えると時間を遡れると言われてますよね。
>  ということは、超高速通信だと高速を超えてるので時間をさかのぼってしまいとんでもないことになるのでは?

それがつまりウラシマ効果ということです。従って、もし統一的な銀河系規模でのコミュニティというものが存在し得るのだとしたら、交通手段は超高速航法ではなく、ワープ航法でなければならないのです。


No. 2670
Re:某巨大掲示板で議論されています
古典SFファン(ついでに・・) 2002/09/06 21:10
> それがつまりウラシマ効果ということです。従って、もし統一的な銀河系規模でのコミュニティというものが存在し得るのだとしたら、交通手段は超高速航法ではなく、ワープ航法でなければならないのです。

超光速が難しいのには色々と理由があるそうですが・・・・

まず、仰られるように、光速を素直に越えると時間が遡行できると言う
話があります。
それ以前に、光速に接近すると見かけの質量が漸近的に無限大に近づくため、
質量のある物体は光速を越える事は出来ない(ヤン・ウェンリーは
この現象を利用して巨大な氷塊の質量を上げ、一瞬のうちに「アルテミスの首飾り」を破壊しました)というのがあるため、
「素直に光速を越える」ような方法はなく、「抜け道」を使わなければいけません。
古典SFでおなじみ、その手の方法を幾つか・・・
1.ワープ航法
 物体が光速を越えるのではなく、空間の方を曲げて距離を縮める。
 この方法は「光速を越え」ないので、過去に遡行したりはしません。
 ワープは超光速ではなく、「距離を縮める」ということですね。

 この方式の超光速通信も何種類か考えられています。
 空間を歪め、目的地に電波だけを跳躍させる「カロッティ通信機」(昔ハヤカワ文庫で出ていた「銀河辺境シリーズ」に登場)。
 マイクロ・ブラックホールを時空を越える小さいゲートに利用し、
 焦点を合わせたブラックホール同士の共振を利用する「MBH通信機」(伝説巨神イデオンに登場)。

2.亜空間(超空間)航法
 空間を歪めるのではなく、物理法則が異なる高次元空間(我々の存在する時空から見て、空間次元が1つ多いような空間)に突入し、
 超光速を可能とする方法。

 レンズマンの「超空間チューブ」、伝説巨神イデオンの「DSドライブ」、スターウルフシリーズの「高次空間航行」など、原理は同じようなものです。
この手の作品では、通信にも、電磁波と同じように超空間を伝わる「超空間波」などを用います。

 最近の物理学では、「コンパクト化されているだけで、我々の空間は実は11次元ある」と云う説も出ていますので、この手は難しくなっているかも知れませんが、基本的に「物理法則が違う空間では、光速を越えてはいけないという規則も通じない」可能性はあるので、これも抜け道に使えます。

3.ワームホール航法
 自転するブラックホールや、ホワイトホールの中心に開いているタイプの、「アインシュタイン・ローゼン・ゲート」(だったと思う)を
利用します。

 この航法は、物理的にまだ否定されていないはずです。
これは、時空間の特殊な状態を利用します。このタイプのゲートを
通過した船は、「どこへも行かない」で、ゲートの向こう側に「出し抜けに出現する」のです。

ちなみに、このタイプの航法しか使えない世界で戦争する場合、
ワームホールを戦略拠点として押さえる必要が出てきます。
人工的にこのタイプの時空状態を作るにはとても現実的とは云えない量のエネルギーが必要なので、
天然で安定したワームホールはイゼルローン回廊やフェザーン回廊よろしく、
宇宙交通の生命線となりえます。
(スタートレック・DS9ではベイジョー・ワームホールがこの扱い)
このタイプの「ゲート」を上手く変形して作品のギミックに用いたのが、
「星海の紋章」シリーズで、あの世界では定まった門を通してしか
恒星間航法が出来ない設定のため、宇宙戦闘は門を形成する時空泡内か、
惑星近辺か、門の付近でしか行われないと云う限定条件となっています。

4.量子テレポート
 昨今良く使われる方式です。
素粒子の間に自然に存在する量子結合を利用して情報を伝達したり、
瞬時に空間を転位する方式。

 この方式が相対性理論を犯さないかどうかは謎です。
この手で超光速通信・航法は無理だという話もあるのですが、基礎理論は私には理解が及ばない世界のため、「わからない」としか云いようがありません。
超光速は魅惑的なんですがね・・・(笑)。

5.その他
 どのタイプにも属さないのがアーシュラ・K・ル・グィンの「一般時間理論」を用いる超光速通信・航行法。
この理論は特定の条件下で無限速度と、二点間の時間の経過のない連絡を可能にします。
この理論を利用した通信機がアンシブルで、タイムラグのない恒星間通信を可能とします。
同一の原理を使う宇宙船も開発されていますが、無限速度にさらされた生物は例外なく死んでしまうため、普通の宇宙船はナファル推進(亜光速航法)を使います。
ジェイムズ・ブリッシュの「宇宙都市」でも、タイムラグなしに通信可能な「ディラック通信」が登場しますが、これの原理は今風に云えば量子通信と同じような感じのようです。

 「電波は空間を越えられないので、超光速通信は出来ない」とされている作品もありますが、まあ、ワープも通信も同じ種類の物理学と言う事で、処理されている方が多いようです。


No. 2671
Re:某巨大掲示板で議論されています
古典SFファン 2002/09/06 21:24
>  よくタイムマシンの話で高速を越えると時間を遡れると言われてますよね。

ここのところだけもうちょっと・・・
実を云うと、先に挙げた「ゲート」型の超光速理論では、時間と空間を
同じように移動できる可能性を持つものがあります。
ゲートを作る時空状態は(今では否定されている可能性もありますが)、
カリフォルニア工科大学の(だった。今もそうかどうかは不明)キップ・ソーンによるものです。
このタイプのゲートは厳密には「それが形成された時点より前」には
遡行出来ません。
が、一旦形成されると、それは時空間に打ち込まれた楔のような働きを
します。
ゲートが出来てから何年も、何百年も経過したとしても、「ゲートが作られた」時点にはゲートの一方の端があって、
しかるべき方法を用いればゲートの内部を通過してそこに到達できるのです。
もちろん空間移動にも使えます。
「スペースゲート」であるとともに、効果限定の「タイムゲート」でも
あるというわけです。

その場合、因果律が破れたり「大変な事」が起きるかも知れないのですが、
そもそもゲート内には通常の宇宙で通じる物理法則の一部が通じません。
時空状態があまりに特異だからです。
そのような物理的存在に対しては、超光速が不可能とか、時間の因果律が破れるとか言う条件も無効という事のようです。
また「大変な事」になるのは「ゲートの外」だけであって(ゲートの外に出るまでは、いわば普通の宇宙から見て隔離されていますので)、
外の宇宙がどんなに大変な事になってもゲートのほうはしらんぷりを
決め込むような代物ともいえます(結構迷惑な思想で作られてるな・・・)。


No. 2676
Re:某巨大掲示板で議論されています
IK 2002/09/07 08:17
> >  よくタイムマシンの話で高速を越えると時間を遡れると言われてますよね。
>
> ここのところだけもうちょっと・・・
> 実を云うと、先に挙げた「ゲート」型の超光速理論では、時間と空間を
> 同じように移動できる可能性を持つものがあります。
> ゲートを作る時空状態は(今では否定されている可能性もありますが)、
> カリフォルニア工科大学の(だった。今もそうかどうかは不明)キップ・ソーンによるものです。
> このタイプのゲートは厳密には「それが形成された時点より前」には
> 遡行出来ません。
> が、一旦形成されると、それは時空間に打ち込まれた楔のような働きを
> します。
> ゲートが出来てから何年も、何百年も経過したとしても、「ゲートが作られた」時点にはゲートの一方の端があって、
> しかるべき方法を用いればゲートの内部を通過してそこに到達できるのです。
> もちろん空間移動にも使えます。
> 「スペースゲート」であるとともに、効果限定の「タイムゲート」でも
> あるというわけです。
>
> その場合、因果律が破れたり「大変な事」が起きるかも知れないのですが、
> そもそもゲート内には通常の宇宙で通じる物理法則の一部が通じません。
> 時空状態があまりに特異だからです。
> そのような物理的存在に対しては、超光速が不可能とか、時間の因果律が破れるとか言う条件も無効という事のようです。
> また「大変な事」になるのは「ゲートの外」だけであって(ゲートの外に出るまでは、いわば普通の宇宙から見て隔離されていますので)、
> 外の宇宙がどんなに大変な事になってもゲートのほうはしらんぷりを
> 決め込むような代物ともいえます(結構迷惑な思想で作られてるな・・・)。

この辺はスペオペの泣き所ですな。しかしそこを逆手にとって、作品に魅力を与えているものも多いわけで。最近ではダン・シモンズの「ハイペリオン・シリーズ」なんかそうですね。
銀英伝は確かにハード面で穴の多い作品です。
超光速航法を用いた場合(明らかに作中では用いられているのですが)、距離に対する時間は短縮されるのではなく遡及するのですね。出発した日を起点とすると到着した日はその十年前なんてことが距離と速度に応じてある訳です。とても通信は不可能です。
銀英伝の最大の不覚は要塞対要塞の時、ガイエスブルク要塞をワープさせてしまったこと。
単純に考えてワープが可能な社会では商業というものが成立しません。フェザーンは距離的な意味では存在意義を失うでしょう。ましてイゼルローン要塞なんか。運輸関係もすべていらなくなりますね。補給の確保云々自体がちゃんちゃらおかしい訳です。
このように作品の重要な前提さえも破壊させかねないワープという概念を平然と出してしまう、これは辺境云々よりもよほど重要なミステイクでしょうね。


No. 2677
Re:某巨大掲示板で議論されています
古典SFファン 2002/09/07 10:51
> この辺はスペオペの泣き所ですな。しかしそこを逆手にとって、作品に魅力を与えているものも多いわけで。最近ではダン・シモンズの「ハイペリオン・シリーズ」なんかそうですね。
> 銀英伝は確かにハード面で穴の多い作品です。
> 超光速航法を用いた場合(明らかに作中では用いられているのですが)、距離に対する時間は短縮されるのではなく遡及するのですね。出発した日を起点とすると到着した日はその十年前なんてことが距離と速度に応じてある訳です。とても通信は不可能です。

タキオン粒子のようなタイプの超光速はそうです。
ゲートを使う場合は、距離と時間が比例する訳ではありません。
私が知る限りでは、ゲート内部では時空間の座標系も通常の宇宙とは
異なります。
しかるべく座標変換して到達位置を計算できれば、おそらく到着する
時間も空間も、ゲートの内部であれば選択できるはずです。
これはシンプルに、「スペース・ワープであると同時にタイム・ワープ」であると考えていい道具だと思います。
(ポール・アンダースンの「アーヴァタール」には、このタイプの巨大な時空門「Tマシン」が登場します)

> 銀英伝の最大の不覚は要塞対要塞の時、ガイエスブルク要塞をワープさせてしまったこと。
> 単純に考えてワープが可能な社会では商業というものが成立しません。フェザーンは距離的な意味では存在意義を失うでしょう。ましてイゼルローン要塞なんか。運輸関係もすべていらなくなりますね。補給の確保云々自体がちゃんちゃらおかしい訳です。
> このように作品の重要な前提さえも破壊させかねないワープという概念を平然と出してしまう、これは辺境云々よりもよほど重要なミステイクでしょうね。

距離に制約のない完全なワープや、安定した時空ゲートを使用した物質転送が可能な社会では、そういう事になる可能性があります。
流通業は、製造業から直結でご家庭に物資を配給する「どこでもドア」
により壊滅的打撃を受けるでしょうし、銀河や宇宙のどこからでも
廉価な資源を調達できるので、資源争奪の起きる可能性も激減するでしょう。

が、大概のワープ理論は一度に跳躍できる距離は制限付きです。
これは、空間を歪める力は設定上、たいがい重力場であり、ブラックホールや
ワームホールの場合、中央に恒星が縮退したものがあるので動力不要
なのですが、人工的に重力場を発生させる場合、ちゃんとエネルギー
保存則に従って動力が消費されねばならない事から予測できます。

作中でも一度のワープで移動できる距離には限界があることが明記されています
(ガイエスブルクが一度で何光年移動したのかは忘れましたが・・・)。

移動距離に制限があり、物理法則に従って動力の供給を受ける必要がある以上、
まだ補給や兵站の問題は大きく、銀英伝の設定では取り立てて破綻は生じないと思います。
むしろ細かい数字を(意図して)あまり書かないでいる事が破綻要素を少なくしていると。

無限動力の想定が移動要塞論の時にありましたが、私は、
「無限動力などイデの無限力(むげんちから)以外にない(笑)」
・・・というのは冗談ですが、銀英伝には無限動力も無補給生産力も
無敵要塞もないと考えています。

艦艇が無限動力を持っていない事は作中の描写で明らかです。
無限移動能力もありません。一度のワープで移動可能な距離はそう
大きくない(帝国と同盟の領域を往来するには最低でも週単位、長くて
月単位の時間が掛かる)事がわかっています。

要塞であってもこの「距離と動力の制約」はある程度働いているように見えます。
ガイエスブルクもイゼルローンも、その動力は核融合炉です。

われわれが知っている核融合炉は水素を燃料とします。
燃料の水素を無から作り出す能力でもない限り、核融合炉は無限動力を
発生できません。

「機動戦艦ナデシコ」の相転位炉や、真空の零点エネルギーを利用する
相殺航法(C.シェフィールド)のようなタイプの動力を利用している
ならば、一度に発生できる動力の大きさには限界があれど、燃料の心配
からだけは解放されるのですが・・・。

いずれにせよワープは多くの作品で破綻なく上手く使われている小道具
ですし、銀英伝でもそこそこ矛盾なく使える程度にはこなされていると
思われるんですが・・。


No. 2743
宇宙戦は愚か(笑)
戦術能力ゼロ 2002/09/13 04:52
銀英伝は面白かった。(ガンダムもね)
でもね、田中○樹って阿呆かなって。
だって ゼッフル粒子 あれ何? 白兵戦無理やりさせる為に考えたんだろうけど、無意味じゃん。
だって、気体爆弾なんでしょ、敵地行って撒き散らして、自軍撤退後ドカン。 逆に地雷として入り口に撒いといて進入されたらドカン。
資源求めての占領戦じゃなければ爆発させない事にこだわる事ないのでは・・・
更に艦隊戦、宇宙空間には摩擦もないし、重力もわずか、船なんか建造して投入しなくても、適当な隕石に推進力つけて高速で突っ込ませれば惑星は全滅。 更に中で爆発物詰めて、相手艦隊付近で爆発させれば、爆発時の速度で飛びつづける巨大ショットガン。
宇宙という無限の世界を自由に行き来できる技術がある時でさえ、人間は領土を欲しがるのだろうか?


No. 2753
Re:宇宙戦は愚か(笑)
古典SFファン 2002/09/13 13:55
> 銀英伝は面白かった。(ガンダムもね)
> でもね、田中○樹って阿呆かなって。
> だって ゼッフル粒子 あれ何? 白兵戦無理やりさせる為に考えたんだろうけど、無意味じゃん。
> だって、気体爆弾なんでしょ、敵地行って撒き散らして、自軍撤退後ドカン。 逆に地雷として入り口に撒いといて進入されたらドカン。
> 資源求めての占領戦じゃなければ爆発させない事にこだわる事ないのでは・・・

これはそのまんまですね。
作者もヤンに言わせてるけど、例えば代わりの要塞を持ってこれるなら
イゼルローンはドカンしてしまってかまわないわけで(笑)、
「帝国軍は奪取ではなく破壊を目的とした攻撃を掛ける事が出来る」
と云った性質の事。
ただし、作中では拠点(特に補給基地)としてどうしても要塞を欲しがっていた
両陣営のことが語られているので、制圧戦が必要な領域があると云うのが
前提になっています。
ゼッフル粒子自体はいつもの「科学考証にさほど強くない作者」の弱点を
露呈しているようなところがあるけど、その使い道に関しては、それなりに
考えていると思いますが。


> 更に艦隊戦、宇宙空間には摩擦もないし、重力もわずか、船なんか建造して投入しなくても、適当な隕石に推進力つけて高速で突っ込ませれば惑星は全滅。 更に中で爆発物詰めて、相手艦隊付近で爆発させれば、爆発時の速度で飛びつづける巨大ショットガン。

われわれのテクノロジーのレベルであれば、確かにそうです。
が、銀英伝の世界では、宇宙空間で高機動戦闘を行う艦船を捕捉撃滅するだけの
火力と射撃管制のテクノロジーが、あきらかに存在しています。
(乱戦時やECMを喰らった時は、命中率がえらく落ちる感じですが・・)
あの世界の惑星は、戦闘衛星や恒星系単位の防衛隊で守られています。
(特に首都星には「アルテミスの首飾り」のような強力な戦闘衛星が配置されてるし)。
それに、小さい隕石は大気圏で燃え尽きるし、大型の隕石はあの時代の兵器なら
難なく捕捉粉砕するでしょう。
イゼルローン要塞相手に実体弾を使う場合と違い、惑星には大気圏がありますので、
そこで始末できるサイズまで打ち砕けばいいわけで。

捕捉不能な数や大きさの隕石を多数降らせると言う方法もありますが、前提として
それには制宙権を奪取し、せめて恒星系内で工作艦を動かす必要があると思います。
恒星系外(太陽系で云えば冥王星軌道外)から隕石を投射した場合、光速で接近
したとしても、惑星到達には何十時間も掛かりますし、超光速探知が全く不可能と
云うならともかく、あの世界でも1000光秒くらいの距離なら探知は出来ますし。
(作中で使われた、宇宙船より巨大なサイズの氷塊を光速付近まで加速してぶつける
方法は、バーラト星系の制宙権奪取後に行われている)

艦艇や要塞に関しては、隕石を実体弾として使用する方法は有用でしょう。
実際作中でもたまに使ってましたし(ヤンが隕石を牽引してラインハルト艦隊に
突っ込ませた例がある)。
が、同じ実体弾なら、おそらくはレールガンの方が効率よく、照準も合わせやすい
(前述の射撃管制能力を前提とすれば)と思われますし、艦艇自体がかなりの
高加速を行える場合、隕石は爆発した瞬間から艦隊後方に取り残されてしまいま
すし、使いどころがあまりなかったという考え方も可能です。


> 宇宙という無限の世界を自由に行き来できる技術がある時でさえ、人間は領土を欲しがるのだろうか?

地球型惑星が少ないと云う可能性もありますが、銀英伝は
「人間の愚かさや政治思想は何百年掛かっても大して進歩しなかった」
世界ですし。
まあ、そういうものかも。


No. 2755
Re:宇宙戦は愚か(笑)
古典SFファン 2002/09/13 14:20
> 更に艦隊戦、宇宙空間には摩擦もないし、重力もわずか、船なんか建造して投入しなくても、適当な隕石に推進力つけて高速で突っ込ませれば惑星は全滅。 更に中で爆発物詰めて、相手艦隊付近で爆発させれば、爆発時の速度で飛びつづける巨大ショットガン。

補足すると、まあ物質としては岩も氷も銀河中どこにでもあるんですが、
隕石はアステロイドベルト、氷塊は多分木星型惑星のリングまで
行かないと手に入りませんし、とにもかくにも探知されずに工作艦を
星系内に送り込み、引っ張るか爆破してショットガン効果が得られる
場所で戦闘を誘発するかしないと、隕石爆弾(仮)の命中率が
落ちてしまうでしょうし。
全ての恒星系、全ての戦場に、都合よく巨大隕石や氷が補給できる
天体があるとは限らない(アステロイドベルトにせよ木星型惑星にせよ、常にあるとは
限らない)ので、
それを頼んだ戦法も地域限定ということで・・・。

ちなみにSF大長編コミック「マップス」には、人工知能を積んだ
亜光速の船を使い捨ての準光速ミサイルとして使うアイディアが登場
します。
着弾まではなんと1000年!
「本来戦争とは、そのくらい気長なものだ」だそうです・・。
・・・発射から300年後に平和条約が結ばれてしまい、
残った船を始末する仕事が主人公たちに・・。


No. 2756
Re:宇宙戦は愚か(笑)
戦術能力ゼロ 2002/09/13 15:26
はじめまして 古典SFファンさん。
隕石爆弾(仮名)については実は同様の問題も考えました。
宇宙は無限とはいえ、その殆どは真空、物があるところの方が稀少な訳で、人が住める状態とするテラフォーミングなんて事は今なら数世紀単位の計画がいるんですよね。
ただ(揚げ足を取る気はないのですが)あの世界は有視界戦闘(!) 光速に近い状態までの加速(!)ワープが当たり前(!!)な訳であり、適当な流星群見つけて推進力+ステルス機能+ワープ機能を搭載して・・・。
つまり、無人であれば安全装置が要らず、光速でなら有視界迎撃は不可能(?)巨大であれば破壊困難(例:アルテミス対氷隕石、その上破片はその速度で飛びつづける。 おまけでバリアでも付ける?)
攻撃側としては作り貯めして一気に攻撃すれば良いのに対して、防御側は何時起こるか分らない物に神経を尖らせる。 対策費だけでも膨大。
(アメリカのスターウォーズ構想や、ミサイル迎撃システム これらは地球内資源という有限物資が相手だから規模予測可能なのかな?)

何が言いたいのかというと、それぞれの勢力内で自給自足が可能なら、相手の持ち物は最悪全て消滅させれば良い(今の核爆弾思想?)訳で、現在先進国同士の戦争が起こらない?のは、相手の核を防げない=双方消滅があるから(え、そうなの?)。
戦争とは狡猾で醜いもの。
無意味な艦隊行動するくらいなら、ワープ爆弾ORバンザイ特攻=数の勝負。
有視界戦闘となった時点で遭遇不可能(1×1光年監視が有人機で可能なのか)特にシュバルツランツェンレイターは・・・みえんぞ(笑)


No. 2757
Re:宇宙戦は愚か(笑)
古典SFファン 2002/09/13 17:28
> はじめまして 古典SFファンさん。

あ、はじめまして(^^)。


> ただ(揚げ足を取る気はないのですが)あの世界は有視界戦闘(!) 光速に近い状態までの加速(!)ワープが当たり前(!!)な訳であり、適当な流星群見つけて推進力+ステルス機能+ワープ機能を搭載して・・・。

正直に申しますと、
「その議論を可否で突き詰めるとお手上げ」
です(笑)。
つまり、銀英伝の世界にワープミサイルや大量の隕石ミサイルが
ないのは「作者に都合が悪いから」「艦隊戦と違って陰惨で救いが
なく、残るのは大量の惑星の瓦礫だけ」と云う結論を導く事が
可能です。

但し同様に、


> つまり、無人であれば安全装置が要らず、光速でなら有視界迎撃は不可能(?)巨大であれば破壊困難(例:アルテミス対氷隕石、その上破片はその速度で飛びつづける。 おまけでバリアでも付ける?)
> 攻撃側としては作り貯めして一気に攻撃すれば良いのに対して、防御側は何時起こるか分らない物に神経を尖らせる。 対策費だけでも膨大。

「巨大であればワープ困難、亜光速まで物体を加速すると進路変更が
困難(精密な照準や自己誘導能力が必要、帝国と同盟は距離があり
すぎ、なおかつ作品中盤まで互いの航路データがなかったので
長距離ワープミサイルを作っても重要目標には全然たどり着けなかった(惑星を多少壊しても急所を衝けなければ駄目だった)」
という推論も可能です。
地球上の大陸間弾道弾と違い、恒星間弾道弾の自律誘導や遠距離
誘導は「探知機が貧弱なあの世界では」なかなか面倒な問題を
提起したのでは?とも考えられますし。


> (アメリカのスターウォーズ構想や、ミサイル迎撃システム これらは地球内資源という有限物資が相手だから規模予測可能なのかな?)
>
> 何が言いたいのかというと、それぞれの勢力内で自給自足が可能なら、相手の持ち物は最悪全て消滅させれば良い(今の核爆弾思想?)訳で、現在先進国同士の戦争が起こらない?のは、相手の核を防げない=双方消滅があるから(え、そうなの?)。

MAD(相互確証破壊)ですね。


> 戦争とは狡猾で醜いもの。
> 無意味な艦隊行動するくらいなら、ワープ爆弾ORバンザイ特攻=数の勝負。
> 有視界戦闘となった時点で遭遇不可能(1×1光年監視が有人機で可能なのか)特にシュバルツランツェンレイターは・・・みえんぞ(笑)

見えないですな・・・
という事は、逆に、「有視界」といいつつ、その実光の増幅技術が
極められていたとか、妨害されない限り遠くまで探知できたとか、
質量探知(重力技術を持っていればありえるんですが)は妨害でき
なかったとか考えないと、シュワルツ・ランツェンレイターと
射撃戦が出来たということ自体ありえざることになるのでは・・・?


No. 2759
Re:宇宙戦は愚か(笑)
深草の少将 2002/09/13 17:50
銀英伝世界じゃアクシズ戦法は御法度ということになってるんでしょうかね。
イゼルローン級かそれより大きな小惑星だったら可能なんじゃないかとオレはひそかに思っているんだが。


No. 2761
Re:宇宙戦は愚か(笑)
八木あつし 2002/09/13 19:03
戦術能力ゼロさん、古典SFファンさん、どうもはじめまして。
宇宙戦について、現在の理論やSF的考証で色々意見が交わされていますが、改めて宇宙戦は難しく厳しいですね。
今思うと宇宙戦艦ヤマトの宇宙戦争は、戦略面こそほとんどないものの、遊星爆弾、宇宙機雷、アステロイドベルト、艦隊戦、艦載機戦、ワープ戦法、移動要塞、ワープミサイル、潜宙艦、白兵戦、強襲揚陸など戦術面においてはとても多彩で派手だったんだ〜と感心しています。あ、忘れていました。2つの戦艦が同一地点にワープしてしまいバッシングしたあと、敵艦に乗り移り白兵戦を挑む通称デスラー戦法。(笑)
本当に戦えるかどうかはともかく、この点だけを見れば、ヤマトは銀英伝や他のSF作品を完全に超えていると思います。
ただ松本零士は、思想面が大嫌いですけど。まだ遅筆の田中氏の方がマシですね。


No. 2762
Re:宇宙戦は愚か(笑)
古典SFファン 2002/09/13 19:35
まああの世界には「ワープ」「核融合」「荷電粒子ビーム」「レーザー水爆」「エネルギー中和磁場」「重力制御」
など、SF的ギミックは一通り揃っているものの、理論や実践面の
細かいところには拘ってない=書いてないので、
「何が出来て何が出来ないか」
を徹底討論するとなると、論者が補完のためにどんな小道具を持ってくるかで可否の判定が大きく揺れ動いてしまうかと。

ワープがある=ワープミサイルが出来ると考えるのは必然。
ではなぜないのか?
「動力質量比が線形でない」
例えば動かす物体の質量が大きくなると、突然とんでもない動力が
必要になるとか。
「建造できるワープエンジンの出力と移動できる質量・距離の比率が
ワープミサイルに都合良くない」
「大質量のそばにはワープアウトできないし、航路データがないので
長距離攻撃にはあまり効果的でない」
いずれもありそうだが弱い。要塞動かしてるし。
「殲滅戦になるのを恐れて条約を結んだ」
大規模に出てこない理由を求めるとしたら、やはりそれか?

でも確定するには使われている技術や物理法則の辻褄の合わせ方を
きちっとしていかねばならず、それは極限まで行くと技術者の発想で
あって作家の発想ではない、というか整合性のある架空理論で
数字的なことまで全部詰められるのは天才か現役の科学技術者
だと(笑)。
(アメリカには何人か現役の学者で小説家って人が出てますが)

あえて私こと古典SFファンの知る(笑)別作品の例を引き合いに
出してみたいんですが、
・装甲騎兵ボトムズ(アニメ)
 アストラギウス銀河を二分するギルガメス連合(資本主義)とバララント連邦(共産主義)
が当初、領土問題で紛糾。
境界を航行する宇宙船を不法侵入者として無警告撃破を許可した事から星雲戦争が勃発。
 両陣営が保有する恒星間ミサイルの撃ち合いで、両陣営の可住惑星の
1/3が破壊。
 戦闘衛星の進歩とミサイルの枯渇(撃破率が上がったんで多量に作っても間に合わなくなったらしい)、及び価値のある居住惑星で破壊できるところは破壊し尽くしてしまったために、戦争は制圧戦に移行。
残った居住惑星で価値のあるところを艦隊決戦で分捕りあう、本来の
領土の取り合いに戻る。
・・・・ここまでに掛かった歳月約70年、破壊された惑星は万を数え、ギルガメス側は主星を3度破壊されたとか(都度、主星を変えている)。
制圧戦に絶好の兵器として、4つめの主星となった惑星国家メルキアが
開発したのが、「装甲騎兵=アーマード・トルーパー」。
身長4.5mの人型ワンマン・タンク。
艦隊決戦で制宙権を奪った後、都市制圧のために大量降下するか、
艦隊決戦時に敵艦もしくは要塞内に突入して破壊・奪取するのが
主任務。
A.Tの登場で戦場は様変わりしたが、惑星が「使い物になる
形で奪取する」賞品として分捕り対象になったため、主戦場が
惑星上に移り、住民はある意味余計悲惨に。

この世界では、「当初ミサイルが有効だったが、防御システムの
進歩により効果的でなくなった」と云う想定に成っています。
「どうやって防御したか」と云うのは別として、ミサイル戦争が
不可能にならない限り、ショート・レンジの戦争には戻りようが
ないと云うのは真理のようで・・・。

・ペリー・ローダン・シリーズ(世界最長のスペオペ)
 日本語版最新刊付近の主兵装は物質転送機の原理を応用した「トランスフォーム砲」。
超光速で敵艦に1000ギガトンの核爆弾を直接転送で送り込むため、
バリアを張っていても無効か、バリアが防いでも1000ギガ核の
直撃を受ける事になるというスグレモノ。
 惑星全体を覆うバリア/恒星系全体を覆う空間歪曲バリア/時間バリアなどがあるので、恒星間ミサイルであろうと、地球人を含む強力な種族の主星を直撃するのはほぼ不可能。
ローダンたちの場合、主星を落とす時は大概、工作員を潜入させるか、
大艦隊でバリアの一角を突破してから制圧戦を行うか、核で惑星を
破壊します。

・レンズマン・シリーズ
 古典中の古典ですが、惑星攻略や防衛の仕組みは意外としっかりしています。
 基本的に、強力な種族の惑星は防御スクリーンと、戦艦には搭載不能なクラスの超強力ビーム砲を備えています。
防空には宇宙戦艦、最終防衛線となるのは防御スクリーンと固定式の超強力型ビーム砲だったはずです。

 この武装で宇宙船や、おそらく小惑星級の物体は防げたのですが、
・・シリーズ中盤で惑星を移動させるテクノロジーが可能となったため、
戦争に要塞化した移動惑星が使用されるようになりました。

 で、最終防衛兵器として登場したのが「太陽ビーム」です。
 これはSF史上有数の兵器で、
「太陽(恒星)に力場を利用したパワーグリッドを遠隔設置し、
 巨大な核融合炉として利用する事で、惑星を文字通り蒸発させる
 だけの出力を持つエネルギービームを発生させる」
というのがその原理です。

 こんなものを使われた場合、照準の問題さえ解決すれば、小惑星で
あろうが惑星であろうが艦隊であろうが、
文字通りティッシュペーパーのようにあっさり焼き尽くされてしまう
でしょう。

・・とまあ、以上のような前例を踏まえますと・・・・
「ワープミサイルは作れるかも知れないが、ワープの妨害技術とか、
惑星全体を覆うバリヤーとか、太陽ビームのような対抗技術を開発
された場合、戦争は本土決戦や遠隔戦争から艦隊決戦に戻る」
「防御技術の方が難しく、資源も無駄になるかも知れないが、
開発できた場合には効果が決定的。
MADが崩壊し、アウトレンジで戦えるようになるため、先に
開発した方が決定的勝利を握れるかも知れない」
とか・・・銀英伝だけに限ると「お手上げ」的状態ですが、
その歴史の先の時点では、また事態が変わっているかも知れません。


No. 2764
Re:宇宙戦は愚か(笑)
吉良国 育生 2002/09/13 20:37
> ワープがある=ワープミサイルが出来ると考えるのは必然。
> ではなぜないのか?
> 「動力質量比が線形でない」
> 例えば動かす物体の質量が大きくなると、突然とんでもない動力が
> 必要になるとか。
> 「建造できるワープエンジンの出力と移動できる質量・距離の比率が
> ワープミサイルに都合良くない」
> 「大質量のそばにはワープアウトできないし、航路データがないので
> 長距離攻撃にはあまり効果的でない」
> いずれもありそうだが弱い。要塞動かしてるし。
> 「殲滅戦になるのを恐れて条約を結んだ」
> 大規模に出てこない理由を求めるとしたら、やはりそれか?

 ピンポイントでワープアウト出来ない。
 1天文単位位の誤差が出るような代物だと、恒星間ミサイルには使えません。
 それに艦隊も密集してワープ出来ないので、ワープによる奇襲という戦術も使用できない、というのはどうでしょうか。


No. 2773
Re:宇宙戦は愚か(笑)
戦術能力ゼロ 2002/09/14 23:36
皆様方のレス非常に興味深くて楽しいです!
とはいえ、ここの板は”田中芳樹を撃つ!”・・・どこかSF検証系の板に行け!と怒られたりして・・・。

どんなすごい兵器があっても、その防御方法が見つかり、MADで条約制定というある意味行きついた文明レベルの世界に国家単位の大戦争が起こるという設定・・・当然物語を面白くする為には必要不可欠ですし、否定もしません。 しかし、そんな高度(?)な文明圏で人類同士が大戦争を行うという発想に納得が・・・。
(例えば技術が進みすぎて、全ての快楽が普通になり、他の命を蹂躙する事だけが残った結果 ゲームとしての戦争行為の継続 なら理解できるのですが・・・それに数世紀に渡り戦争していれば、”戦争がある社会”こそが標準でそれが無くなったらそれこそ社会維持が出来なくなるんじゃないかという考えも。ベトナム帰還兵の例もあるし)

犯罪やテロの頻発による国家軍の編成と戦闘はあっても・・・ん?そうか銀英伝は帝国から見れば一地方の反乱だったんだよネ(笑)

それにしても亜光速ってのは反則と思いません? 電子機器は電気で動いている、つまり、どんなに高性能でも光速を超えて反応は出来ないし、それを見て判断する人間は、ディスプレイから発せられた光が網膜で像を結ぶまでにも時間が必要。更に脳の信号伝達から反応までタイムラグがある・・・近接戦闘は目隠し乱打戦やね(笑)

そうなると大量の無人兵器の方が効率的(爆発物に全方位砲台と対遠距離攻撃防衛機構搭載<別に隕石爆弾(仮)にこだわってる訳じゃないよ(笑)とか 小型砲台(通称ファンネル)USAの無人爆撃機とか)

・・・でも兵器が無人化すると益々人の命が軽くなる(殺す方は罪の意識ないだろうし)・・・そのうち遺伝子情報だけ残して人体排除(!)・・・うーんやはり宇宙戦は物語のだけにしてほしいなぁ(笑)


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