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No. 5316 | |
バーミリオンでどうなりますか? | |
通りすがり | 2004/02/24 13:58 |
通りすがりのものです。 バーミリオン会戦でトリューニヒトが最高評議会議長でないと困ったことになりませんか? (略) > 考えた結果トリューニヒトは議長への選出を辞退、代わりにジョアン・レベロを議長に推薦した。 > その後はレベロを操って(小心なところのあるレベロならホワンよりは操りやすいでしょう)予定通り(笑)エルウィン・ヨーゼフ受け入れ、ラグナロック作戦の発動と進め、帝国軍の侵攻を招きます。そして講和受け入れの責任を全てレベロにかぶせて放逐、自分が議長につくのです。(或いは一度下野してレベロを操るのは部下に任せ、レベロの失脚とともに自分に対する待望論が高まるように工作する、というのもいいかもしれません) という流れを想定しています。 この想定の問題点というのは、例の無条件停戦命令のことです。まず、アムリッツァ後では次期最高評議会議長はトリューニヒトかレベロかホワンの内の誰かという状況でした。 この3人の内、バーミリオンで停戦命令を命じる可能性があるのはトリューニヒトだけだと思うのです。 つまり、レベロが最高評議会議長だとバーミリオン会戦で停戦命令を発令しないのではないでしょうか。 まず、レベロというキャラクターの心情面です。原作では、レベロは自由惑星同盟という国家の維持を最優先にした人物です。ヤンがラインハルトを倒せば同盟が救われるという状況で、停戦命令を命じるのかが疑問です。 これは、トリューニヒト以外の人物が最高評議会議長であれば決定的な局面で肝心の命令が出ない可能性があることを示唆します。 その上、この想定ではトリューニヒトはおそらく在野の人物です。(終戦時に閣僚の一員では公職追放されてしまう危険があります) つまり、終戦を決定する国防調整会議(でしたっけ?)にトリューニヒトの席はないと思われます。ということは、その席でレベロがトリューニヒトのコントロールを外れてしまうかもしれません。 更に、原作では国防調整会議に地球教徒を乱入させ、暴力による逆クーデタを行って初めて降伏勧告を受諾できました。しかし、この世界では、救国軍事会議によるクーデタ時にトリューニヒトが議長ではないがために、地球教徒とのつながりが薄いのではないでしょうか。逆クーデタという決定打にかけるため、ビュコック(もしかするとアイランズも)が阻止すべく動いた結果、レベロがなんとか停戦命令を出したとしても、ブリュンヒルトが宇宙の塵になってしまった後に命令がヤン艦隊に届く可能性があります。 あの局面におけるラインハルトの生命は、ちょっとした改変の結果で生じる誤差で異なった結末になり得るくらい危ういものです。 以上を踏まえると、エルウィン・ヨーゼフ受け入れ、ラグナロック作戦の発動、帝国軍の侵攻誘致まではトリューニヒトの思惑通りいく可能性がありますが、最後の土壇場で、自分が最高権力者でないが故に思惑が外れてしまうのでは。 従って、「バーミリオンで政府の停戦命令が無かったら/届くのが間に合わなかったら」という状況に移行すると思います。 この状況では、トリューニヒトが救国の英雄であるヤンと結ぶメリットは大きいとは思いますが、その後のこと(例えば帝国軍の再侵攻など)と、ヤンからトリューニヒトへの感情が最低であることを考えると、ヤン・トリューニヒト連合はなかなか厳しいのではないでしょうか。 |
No. 5323 | |
Re:バーミリオンでどうなりますか? | |
SAI | 2004/02/25 08:34 |
はじめまして ブリュンヒルトが宇宙の塵になってしまった後の展開ですが その場合ミッターマイヤーがトチ狂ってやってしまう可能性が 高いでしょう。さらにいえばハイネセンをいわば人質にとって ヤンを止めようとしたのですから、ヤンが止められなかった以上 やらないわけにもいかない。一度振り上げたこぶしを振り下ろさない わけにも行かないので。 ミッターマイヤーがやってしまった後ではそのときハイネセンに いた人間のうち誰が生き残るのかは運の問題です。 全員死んだとすれば、残ってるものは13艦隊とヤンファミリーだけ。 しかもこの場合、復讐に猛る帝国がヤンをなにがなんでも殺せと やる可能性も高い。 ヤンが魔術師であってもあの時点では最終的に追い詰められ 殺される。 その後でミッターマイヤーたちはこれからどうするかを考えるでしょう。 |
No. 5333 | |
Re:バーミリオンでどうなりますか? | |
観察者 | 2004/02/26 18:10 |
とち狂うかどうかはともかくとして、降伏を事実上拒否した相手に対しては、 徹底破壊というオプションはあるかも知れません。 あの時点でハイネセンを残しておけば、同盟の組織的抵抗を受ける事になりますから、 政府と軍の中枢機能が成り立たなくなる程度には破壊しておく必要があります。 やりそうなのは、ある程度叩いた後再度降伏勧告を行って、ダメなら沈黙するまで叩くということです。 ヴェスターラントのように、核で広範囲に爆撃すれば、さほど手間も掛からずにめぼしい大都市と軍事拠点の全てを消滅させる事が出来るかも知れませんが。 > しかもこの場合、復讐に猛る帝国がヤンをなにがなんでも殺せと > やる可能性も高い。 > > ヤンが魔術師であってもあの時点では最終的に追い詰められ > 殺される。 ・・・そうでしょうか? 第13艦隊は元々、バーミリオン会戦直前まで同明領全体を逃げ回っており、 帝国軍は彼らを捕まえる事が出来なかったはずですが。 さらに、ヤンは前提として、 「ラインハルトが死ねば彼の後継者争いが発生し、帝国軍は分裂し撤退せざるを得なくなる」 という事を想定していました。 帝国軍三元帥の性格を考えた場合、ミッターマイヤーは確かにヤンを倒してから、事を収めようとする可能性は高いでしょう。 しかし(豊臣秀吉ではありませんが)玉座が空位になったが最後、電光石火の動きを示しそうな人物の心当たりはありませんか?(笑)。 「隙あらばいつでも狙って良い」と、ラインハルト本人から言われている人物が。 実際問題、金銀妖眼の「その男」は、バーミリオン会戦の真っ最中にも、微妙な心の揺れを作中でしっかり描かれていますが。 ラインハルトが倒れた場合、彼=ロイエンタールは親友であるミッターマイヤーを抱きこみ、さらに同盟領に居る帝国軍で味方する者を全て糾合して、オーディンに引き返そうとすると思うんですが。 ロ:「ヤンを倒すのは当然だが、ラインハルト閣下亡き今、帝国本土で貴族残党が動き出す危険もある。帝国には今や、政治的な意思決定の中枢が存在しない状態だ。これでは、敵国の領内で戦争している間に背中から撃たれかねぬ」 ミ:「卿の言い分は尤もだが・・・その”中枢”に誰がなるのだ」 ロ:「そこでだ、ミッターマイヤー。・・権威とは実力あってのものだと思わんか」 ミ:「ロイエンタール!」 ロ:「俺が正帝、卿が副帝、いやいやその逆でも一向に構わぬ。天下は実力ある者が押さえてこそ、万民が平和に暮らせるのだ」 ・・といった具合に、「帝国大返し」を敢行してロイエンタール王朝が・・・ 要は、仇討ちというオプションは、軍事的浪漫主義と「君主−臣下」という関係が定着している銀河帝国の軍人にとっては、 かなり重い意味があるだろうとはいえても、絶対必要な条件ではないということです。 つまり、ラインハルトがバーミリオンで倒れたとしたら−天下は誰のものになるか(笑)。 ヤンを倒さずとも「帝国の」覇権は握れるのであって(それを言うなら、同盟領の覇権にしても、必ずしもヤンを倒さなくても、政府を押さえれば取れるので)、ミッターマイヤーはともかく、ロイエンタールやオーベルシュタインがそこを見誤るとは思えない。 結局、バーミリオン当時、まだラインハルトは天下取りの道程にあり、彼が倒れれば後継者争いは避けられないというのは、作中ではっきり設定されている事です。 「最終的に」ヤンが捕らえられ殺されるかどうかは、その後の銀河の天下がどう転がるかによると思えます。 |
No. 5335 | |
Re:バーミリオンでどうなりますか? | |
イッチー | 2004/02/26 21:50 |
私も観察者さんの意見に賛成です。 もしも、ヤンがブリュンヒルトを攻撃した場合、誰が死に、誰が生き残るかを整理してみましょう。まず、ラインハルトが死ぬのは確実ですが、さらにラインハルトに付き従っていたシュトライトとオーベルシュタインも死にます。さらに、ラインハルト救援に駆けつけたミュラーも第13艦隊の攻撃によって戦死するでしょう。 目の上のこぶだったラインハルトとオーベルシュタインの2人が戦死したことで、ロイエンタールは難なく帝国軍第一の実力者の地位を手に入れました。彼に対抗出来るのはミッターマイヤーただ一人ですが、彼は他人を押しのけて自分が・・・というタイプではないので、ロイエンタールの覇権は確定です。この好機をロイエンタールが逃すでしょうか?そもそも、ロイエンタールの叛乱のときのセリフからわかるように、ロイエンタールは帝国にしか興味がなく、銀河の統一などという考えはありません。おそらく、他の提督も同じ気持ちで、ただラインハルトにしたがっていただけでしょう。同盟領内で神出鬼没のヤンを探している間に、留守を預かる提督や貴族が幼帝と御璽を手に入れてしまっては元も子もない・・・とロイエンタール以下諸将たちは考えるのではないでしょうか。よって、ヤンの読みどおり、帝国軍は撤退すると思われます。 ただ、ミッターマイヤーら一部の提督は「敵討ち」を主張するでしょうから、レベロ以下内閣の閣僚とビュコック・チェン・ドーソンは責任をとらされて処刑されるでしょう。(市民の一部も巻き添えになる可能性高し) 帝国軍撤退後、野に下っていたトリューニヒトが「臨時政府」樹立を宣言。おお!最初の設定にうまくつながりました。 |
No. 5338 | |
Re:バーミリオンでどうなりますか? | |
通りすがり | 2004/02/27 23:19 |
SAI様、観察者様、イッチー様、素晴らしい考察をありがとうございます。 > 帝国軍撤退後、野に下っていたトリューニヒトが「臨時政府」樹立を宣言。おお!最初の設定にうまくつながりました。 この後の事に関してつまらない疑問があるんです。 一つ目は、地球教関係のことです。 この設定だとトリューニヒトは地球教のこと(厳密には、銀河帝国に宇宙を統一させ国教とすることで支配するという陰謀)をどの程度知っているんでしょう。 首都攻撃(場合によっては各地に散らばっていた帝国軍の撤退時に手近な生産能力の高い星系を攻撃するかも知れません)によって、同盟の国力は、もともと帝国と大差を付けられていた上に、更に低下してしまいました。この状況で、地球教は従来の方針である共倒れ後の漁夫の利作戦に戻すのでしょうか? もしも、帝国の混乱を誰かがすんなり収めたら、その者に再び再侵攻するよう謀略を巡らす可能性が高いのではないでしょうか。オーベルシュタインが戦死してしまったので、地球教の謀略はかなりの確率で成功すると思うのです。もし、ロイエンタールが謀略が得意で防諜にも優れた能力を発揮するのであれば、ラインハルトはオーベルシュタインを参謀にする必要など無かったはずですから。仮に、ロイエンタール自身が謀略を見抜けても、周囲が踊らされればこの場合は十分ではないでしょうか? そうなると、同盟はより苦しい状況での戦いを強いられると思うのです。 それと、トリューニヒトが地球教をどの程度知っているかにも左右されるでしょう。トリューニヒトが陰謀の存在を知っていなければ、ヤンが妥協するという前提で、このタイミングでの連携は成立する可能性があると思います。しかし、陰謀を知っていたらヤンと連携するよりも地球教を利用して、つまり原作に似た方針で動こうとしませんか。 二つ目は、帝国のその後です。観察者様とイッチー様は次のように考察しています。 > 目の上のこぶだったラインハルトとオーベルシュタインの2人が戦死したことで、ロイエンタールは難なく帝国軍第一の実力者の地位を手に入れました。彼に対抗出来るのはミッターマイヤーただ一人ですが、彼は他人を押しのけて自分が・・・というタイプではないので、ロイエンタールの覇権は確定です。 私も帝国軍一時撤退とロイエンタールがこの好機を活用するであろうということには異論がありません。しかし、果たしてそうすんなりと収まるのでしょうか。 結果としてですが、ロイエンタールとミッターマイヤーは、命令違反を犯し、ローエングラム公を見捨てたように見えなくもありません。彼らの政敵にとっては攻撃するために実に都合の良い口実です。結局、誰かに妥協するにしてもラインハルトの後継者はポーズとしてでも、仇討ちの姿勢を示さないと事態の収拾がつかなくなる気がします。特にロイエンタールとミッターマイヤーは、バーミリオンでラインハルトへの負い目があるのでなおさらです。 また、ロイエンタールが支配権を握ったのであれば、ミッターマイヤーもかなりの権力を握っていると思って良いでしょう。この場合、ミッターマイヤーは、あの時バーミリオンに向かっていれば、という気持ちからラインハルトの仇討ちを強硬に主張しないのでしょうか。そうでなくとも、他の諸将がラインハルトの仇討ちを行うという条件で政治的に妥協したのなら、再侵攻の主張は考えられませんか。 勿論、全然違う風にロイエンタールが覇権を握るなら考えるまでもなく大丈夫ですが。 ここで、最初の地球教の謀略という要素を加えてみると、ラインハルトの仇討ちという政治材料を刺激すれば帝国による同盟再侵攻を導けると思うのです。こうなると、アムリッツァ後より悪い、すなわち、おそらくトリューニヒトが同盟に見切りを付けたときより悪い状況での防衛戦争です。これでは、遠からず再びハイネセン市民が帝国軍を見上げることになると思います。 こんな状況で、トリューニヒトはそもそも臨時政府の首班になるのでしょうか? 臨時政府の首班になったとしたら一体どういう舵取りをして、どのように保身を図り、どういう理由でヤンと提携するのでしょうか? 私には、ここから先の展望は複雑すぎて解らないというのが正直なところですが、おそらく同盟の滅亡は時期がずれるだけだと思います。とすると、トリューニヒトは同盟崩壊後を見据えた行動を行った結果、ヤンと利害が対立する可能性が高いでしょう。 こうしたことから、バーミリオン後(バーラトの和約時)のトリューニヒトとヤンの提携可能性は低いと判断しました。 |
No. 5341 | |
Re:バーミリオンでどうなりますか? | |
イッチー | 2004/02/28 20:02 |
私も観察者さんの意見に賛成です。 もしも、ヤンがブリュンヒルトを攻撃した場合、誰が死に、誰が生き残るかを整理してみましょう。まず、ラインハルトが死ぬのは確実ですが、さらにラインハルトに付き従っていたシュトライトとオーベルシュタインも死にます。さらに、ラインハルト救援に駆けつけたミュラーも第13艦隊の攻撃によって戦死するでしょう。 目の上のこぶだったラインハルトとオーベルシュタインの2人が戦死したことで、ロイエンタールは難なく帝国軍第一の実力者の地位を手に入れました。彼に対抗出来るのはミッターマイヤーただ一人ですが、彼は他人を押しのけて自分が・・・というタイプではないので、ロイエンタールの覇権は確定です。この好機をロイエンタールが逃すでしょうか?そもそも、ロイエンタールの叛乱のときのセリフからわかるように、ロイエンタールは帝国にしか興味がなく、銀河の統一などという考えはありません。おそらく、他の提督も同じ気持ちで、ただラインハルトにしたがっていただけでしょう。同盟領内で神出鬼没のヤンを探している間に、留守を預かる提督や貴族が幼帝と御璽を手に入れてしまっては元も子もない・・・とロイエンタール以下諸将たちは考えるのではないでしょうか。よって、ヤンの読みどおり、帝国軍は撤退すると思われます。 ただ、ミッターマイヤーら一部の提督は「敵討ち」を主張するでしょうから、レベロ以下内閣の閣僚とビュコック・チェン・ドーソンは責任をとらされて処刑されるでしょう。(市民の一部も巻き添えになる可能性高し) 帝国軍撤退後、野に下っていたトリューニヒトが「臨時政府」樹立を宣言。おお!最初の設定にうまくつながりました。 |
No. 5342 | |
Re:バーミリオンでどうなりますか? | |
SAI | 2004/02/28 21:10 |
> やはり、同盟の命運は帝国領侵攻作戦のときに決したのでしょうか? 決したと思います。このときに同盟は事実上滅亡したのだと。 帝国領侵攻作戦の直前が同盟にとっての最後の機会だと思います。 レベロがエルウィン・ヨーゼフの亡命と銀河帝国正統政府の樹立を「我ら民主主義者が反動主義者の味方などできん!」と建前にこだわって拒否したら・・・という風に考えればどうなるでしょうか? 拒否しようがしまいがラインハルトはやってくるでしょう。 所詮それは同盟侵攻作戦の大義名分のひとつでしかないのであり、 なければないでほかの言いがかりを探すでしょう。 たとえば同盟と称する叛徒を討伐し、帝国を侵した罪を 問う、とかね。この場合は同盟がとても飲めない条件を突きつける でしょう。責任者の帝国への引渡しおよびイゼルローンの放棄、 艦隊の武装解除とかね。 ラインハルトの侵攻を止めるには大義名分といったいわば形式論理で はなく、13個艦隊にあまたの将兵達といった実物が必要なのであって それが失われてしまった後ではもう手遅れだと。 |
No. 5345 | |
ロイエンタール体制は成立するのか | |
和尚その2 | 2004/02/29 00:52 |
少々時期をはずしたように思えるのですが、これまでの議論に少し違和感があったので書き込みをさせていただきます。 ラインハルト後の帝国ではあっさりとロイエンタール体制が成立する、とされていますが、私にはそうなるとは思えません。 皆様は、ラインハルトが武力を握っていたために帝国の事実上の最高権力者になったのであり、そのラインハルトの死後にはロイエンタールが最大の武力を握っているのだから、ロイエンタールは容易に帝国の最高権力者になれる、と考えているように思われます。 しかし、ラインハルトが事実上の最高権力者になれたのは、武力を握っているからではなく、皇帝エルウィン・ヨーゼフ二世とカザリン・ケートヘン一世を擁立した定策の功臣であるからです。では、ロイエンタールとは何者か。ただの艦隊司令官です。それこそ紙切れ一枚で「ただの人」になってしまう身分でしかありません。そして、バーミリオンの敗戦で上司(まだ主君ではない)のラインハルトをむざむざと敗死させた無能者でもあります。 まして、帝国本土には女帝カザリン・ケートヘン一世の父親、ペクニッツ公爵がいます。彼は政治的な野心のない無能者ということになっていますが、彼こそはラインハルト後の正統な最高権力者です。彼か、彼を操って権力を握ろうとたくらむ誰かが「ロイエンタールは帝国軍最高司令官ローエングラム公の補佐役でありながら、補佐の役割を果たさず、ローエングラム公を敗死に至らしめた。この重大な職務不行き届きのために、ロイエンタールを解職し、軍法会議にかける」とでも命令を下せば、ロイエンタールは失脚の上、死刑になってしまうでしょう。クーデターを起こそうとしても、誰もついてこないでしょう。何の大義名分もなく、「職務不行き届き」はまったくの事実なのですから。 そもそも、ゴールデンバウム朝銀河帝国を支える三位一体は、貴族、官僚、軍部でした。それがリップシュタット戦役で貴族が潰され、リヒテンラーデ公失脚で官僚も無力化し、バーミリオンでのラインハルトの死によって軍部のトップまでもがいなくなったわけです。その上にペクニッツ公爵(か、その背後の操り手)が権力を握るためにラインハルトの旗下の諸将の粛清をすれば、軍部も弱体化します。そうなれば帝国を支えるものは何もなくなり、帝国は四分五裂の状態になってしまったでしょう。 そうなれば帝国は同盟以上に弱体化し、結果的に帝国と同盟の並立体制はそのまま続くと思いますが、どうでしょうか? |
No. 5352 | |
Re:ロイエンタール体制は成立するのか | |
SAI | 2004/02/29 21:41 |
はじめまして > しかし、ラインハルトが事実上の最高権力者になれたのは、武力を握っているからではなく、皇帝エルウィン・ヨーゼフ二世とカザリン・ケートヘン一世を擁立した定策の功臣であるからです 違います。まったく。ラインハルトが武力でもって事実上の最高 権力を握って皇帝エルウィン・ヨーゼフ二世とカザリン・ケートヘン一世をお飾りとして擁立したのです。あの展開を読んでそう考える 人間がいるとはおもいませんでしたね。功臣ではなくむしろ 自分の都合のいいようなロボットを擁立した姦雄でしょう。 > まして、帝国本土には女帝カザリン・ケートヘン一世の父親、ペクニッツ公爵がいます。彼は政治的な野心のない無能者ということになっていますが、彼こそはラインハルト後の正統な最高権力者です。彼か、彼を操って権力を握ろうとたくらむ誰かが「ロイエンタールは帝国軍最高司令官ローエングラム公の補佐役でありながら、補佐の役割を果たさず、ローエングラム公を敗死に至らしめた。この重大な職務不行き届きのために、ロイエンタールを解職し、軍法会議にかける」とでも命令を下せば、ロイエンタールは失脚の上、死刑になってしまうでしょう。クーデターを起こそうとしても、誰もついてこないでしょう。何の大義名分もなく、「職務不行き届き」はまったくの事実なのですから。 なりません。ロイエンタールに職務不行き届きはありません。 あの決戦を望んだのはラインハルトであり、ロイエンタールに どうこうする方法はなかった。ロイエンタールは帝国軍最高司令官ローエングラム公の補佐役でありながら、補佐の役割を果たさず、ローエングラム公を敗死に至らしめた。この重大な職務不行き届きのために、ロイエンタールを解職し、軍法会議にかけるなどといえばこんな理不尽 な命令を下す政府など必要ない、クーデターをおこせというようなもの です。さらにいえばぽっと出のペクニッツ子爵と帝国軍全艦隊を にぎってるロイエンタールの言うことのどっちのいうことを聞くかです ロイエンタールのいうことを聞くと思いますが。他の提督も こんな理不尽な命令で処罰されるなら次は自分が危ない、クーデター 側につこうと考えるでしょうね。 そうしてペクニッツ公爵(か、その背後の操り手)をこの際だから 徹底的に粛清してしまうでしょう。なにせその行動は背後からの 短剣のひとつき、裏切りでしかないのだから。あべこべに大義名分 をえて、オーディンにやってくるでしょう。それでおしまいです。 さらにいえば、リップシュッタット戦役の時、貴族側は賊扱い されましたが、いうことを聞かなかったということはありません。 聞かなくなったのは最終的に負けた後です。 和尚その2さんがそう思うのもまあ不思議ではないんですけどね。 歴史上そう考えた人間一杯いますから。彼らまちがってましたけどね。 |
No. 5354 | |
Re:ロイエンタール体制は成立するのか | |
和尚その2 | 2004/03/01 01:09 |
> 違います。まったく。ラインハルトが武力でもって事実上の最高 > 権力を握って皇帝エルウィン・ヨーゼフ二世とカザリン・ケートヘン一世をお飾りとして擁立したのです。あの展開を読んでそう考える > 人間がいるとはおもいませんでしたね。 リップシュタット戦役で貴族連合軍を敗亡させた直後のラインハルト陣営の情勢認識は、次のようなものでした。 「次の戦場は宇宙から宮廷に移り、武器はビーム砲から陰謀に変わるだろう。それは大艦隊どうしの会戦に劣らない、凄惨な戦いになるはずであった。」(徳間文庫版第2巻309ページ) 「次の戦場」での敵は、もちろんリヒテンラーデ公であるはずでした。もしラインハルトの権力が武力によるのなら、貴族連合軍を敗亡させた時点で彼の権力は安泰であるはずであり、武力を持たないリヒテンラーデ公など、敵ではなかったはずです。 にもかかわらず、ラインハルト陣営はリヒテンラーデ公は対等な敵手であり、「凄惨な戦い」なくしては倒せないであろう、と考えていたわけです。なぜか。それは、この時点でのラインハルトの権力基盤は武力ではなく、エルウィン・ヨーゼフ二世を擁立したことにあったからです。だからこそ、リヒテンラーデ公はラインハルトに匹敵する権力を握っている、と考えられていたのです。 また、カザリン・ケートヘン一世を擁立できたのは、確かにラインハルトが武力を握っていたからです。しかし、ひとたびカザリン・ケートヘン一世を擁立した後は、「カザリン・ケートヘン一世を擁立したこと」がラインハルトの権力基盤だとみなされたことでしょう。なぜなら、武力は政治的な正当性を生み出すことはないからです。 武力だけでは政治的な正統性は生まれない、ということがこれまでの議論に欠けているように思われます。武力さえ持っていれば政治を行ったり、社会を統治したりすることは簡単だ、という考えが誤りであることは、今のイラクを見れば分かると思うのですが。 功臣ではなくむしろ 自分の都合のいいようなロボットを擁立した姦雄でしょう。 歴史上に出てくる定策の功臣は、大体そんなものです。 > なりません。ロイエンタールに職務不行き届きはありません。 > あの決戦を望んだのはラインハルトであり、ロイエンタールに > どうこうする方法はなかった。ロイエンタールは帝国軍最高司令官ローエングラム公の補佐役でありながら、補佐の役割を果たさず、ローエングラム公を敗死に至らしめた。この重大な職務不行き届きのために、ロイエンタールを解職し、軍法会議にかけるなどといえばこんな理不尽 > な命令を下す政府など必要ない、クーデターをおこせというようなものです。 それほど理不尽ではないと思います。つまるところ、帝国宰相、帝国軍最高司令官の敗死という大変な不祥事に対しては誰かが責任を取らされるだろうし、ラインハルト旗下の諸将の筆頭格だったロイエンタール(とミッターマイヤー)は一番責任を取らされやすい、ということだからです。 それから、ロイエンタールの職務不行き届きは、ラインハルトが決戦に臨むことを止められなかったことではなく、救援が間に合わなかったどころか、(結果的に、であるにしても)見当違いな地点である惑星ハイネセンへと赴いてしまったことにあります。 > さらにいえばぽっと出のペクニッツ子爵と帝国軍全艦隊を > にぎってるロイエンタールの言うことのどっちのいうことを聞くかです ロイエンタールが帝国の全艦隊を握っている?何の根拠をもって?ロイエンタールが席次と年次のために臨時の指揮権を握ることは確かでしょうが、それはあくまでも臨時であり、代理です。正式なものでも、ましてや絶対的なものでもありません。それに、ロイエンタールも30を少し出たばかり。ぱっと出であることにかけては、大して変わらないでしょう。 > そうしてペクニッツ公爵(か、その背後の操り手)をこの際だから > 徹底的に粛清してしまうでしょう。なにせその行動は背後からの > 短剣のひとつき、裏切りでしかないのだから。あべこべに大義名分 > をえて、オーディンにやってくるでしょう。それでおしまいです。 繰り返しになりますが、この行動は「背後からの短剣のひとつき」であることは確かでも、「裏切り」ではありません。「帝国宰相、帝国軍最高司令官であるローエングラム公敗死の責任を取れ」ということだからです。というわけで、この行動は「大義名分」にはなりません。 |
No. 5355 | |
Re:ロイエンタール体制は成立するのか | |
和尚その2 | 2004/03/01 01:38 |
> ロイエンタールが帝国の全艦隊を握っている?何の根拠をもって?ロイエンタールが席次と年次のために臨時の指揮権を握ることは確かでしょうが、それはあくまでも臨時であり、代理です。正式なものでも、ましてや絶対的なものでもありません。 後で「席次と年次をもって」と書いておきながら、「何の根拠を持って?」などと書くのは矛盾していました。このことは誤りであると認め、「何の根拠を持って?」という文言については撤回します。 |
No. 5356 | |
Re:ロイエンタール体制は成立するのか | |
SAI | 2004/03/01 02:07 |
> 武力だけでは政治的な正統性は生まれない、ということがこれまでの議論に欠けているように思われます。武力さえ持っていれば政治を行ったり、社会を統治したりすることは簡単だ、という考えが誤りであることは、今のイラクを見れば分かると思うのですが。 しかし武力なしの正当性などしょせん無力でしかないというのも 事実です。そんなものはごみと同然です。今のイラクではそもそも 民族と宗教が違うのです。異教徒のアメリカには正当性を得る方法 が無いのです。十字軍の悪夢もありますし。 外部からの侵略者だという事情も違います しかし、 帝国民たるロイエンタールには正当性を得る方法があるのです。 まあよくある手なんですがね、君側の奸を除くというよく ある手で。武力でもって反対派を一掃して皇帝を確保すれば勝ちと。 死人は文句言わないんですよ。 > それほど理不尽ではないと思います。つまるところ、帝国宰相、帝国軍最高司令官の敗死という大変な不祥事に対しては誰かが責任を取らされるだろうし、ラインハルト旗下の諸将の筆頭格だったロイエンタール(とミッターマイヤー)は一番責任を取らされやすい、ということだからです。 > それから、ロイエンタールの職務不行き届きは、ラインハルトが決戦に臨むことを止められなかったことではなく、救援が間に合わなかったどころか、(結果的に、であるにしても)見当違いな地点である惑星ハイネセンへと赴いてしまったことにあります。 ハイネセンに向かったのはミッターマイヤーであって、ロイエンタール ではなかったはずですが?さらにいえば戦場においてはこの程度の 不確定要素は起こりうるのです。もともとラインハルトの計画におい ては艦隊を分散させ、ヤンをおびき出して自分だけで決着をつける という戦争狂のラインハルトらしいギャンブル性の高い作戦です。 たとえ間に合わずラインハルトが戦死したとしてもそれは仕方ない ことです。安全確実に勝つなら違う作戦をとるのだから。 軍事上からいってもロイエンタールの行動に問題はありません。 戦死した責任をとうといえば前線では反感を買うだけです。 > > さらにいえばぽっと出のペクニッツ子爵と帝国軍全艦隊を > > にぎってるロイエンタールの言うことのどっちのいうことを聞くかです > > ロイエンタールが帝国の全艦隊を握っている?何の根拠をもって?ロイエンタールが席次と年次のために臨時の指揮権を握ることは確かでしょうが、それはあくまでも臨時であり、代理です。正式なものでも、ましてや絶対的なものでもありません。それに、ロイエンタールも30を少し出たばかり。ぱっと出であることにかけては、大して変わらないでしょう。 実績が全然ちがいます。根拠は実際の艦隊を指揮しているという 事実にあります。その状況でたかが一片の通達ごときで破滅に むかうのは馬鹿のやることです。このような場合、ロイエンタール のような人間は必ず政府打倒に向かいます。正当性を得る手段は いくらでもあります。そうでなければこの世のクーデターなどは 成功しないわけで。とりあえずは艦隊の隊員が支持すれば成功 するでしょう。で艦隊の隊員がいままで歴戦の名将であり直属の 上官と名前もろくにしらない貴族のどっちを支持するかなど わかりきったことだとおもいます。 > > そうしてペクニッツ公爵(か、その背後の操り手)をこの際だから > > 繰り返しになりますが、この行動は「背後からの短剣のひとつき」であることは確かでも、「裏切り」ではありません。「帝国宰相、帝国軍最高司令官であるローエングラム公敗死の責任を取れ」ということだからです。というわけで、この行動は「大義名分」にはなりません。 だからロイエンタールに責任などないのだと。責任などないと 考えてる人間に、しかもロイエンタールにとってはチャンスです。 自分が皇帝になる。 さらにいえばそれははるか後方の現場をみない場所の俺理論でしか ありません。戦場には戦場の論理というのが存在するのです。 そちらが裏切りではないと思ってもロイエンタール達は裏切りと 判断するでしょう。そちらが大義名分にならないと信仰しても なると考える人間もいるのです。 歴史には一杯あるんですよ。後方にとっては裏切りでもないし 大義名分にもならないと思ってたら前線にとっては裏切りだし 大義名分になったという例が。 |
No. 5357 | |
Re:ロイエンタール体制は成立するのか | |
川上 | 2004/03/01 09:16 |
> 「次の戦場は宇宙から宮廷に移り、武器はビーム砲から陰謀に変わるだろう。それは大艦隊どうしの会戦に劣らない、凄惨な戦いになるはずであった。」(徳間文庫版第2巻309ページ) > 「次の戦場」での敵は、もちろんリヒテンラーデ公であるはずでした。もしラインハルトの権力が武力によるのなら、貴族連合軍を敗亡させた時点で彼の権力は安泰であるはずであり、武力を持たないリヒテンラーデ公など、敵ではなかったはずです。 > にもかかわらず、ラインハルト陣営はリヒテンラーデ公は対等な敵手であり、「凄惨な戦い」なくしては倒せないであろう、と考えていたわけです。なぜか。それは、この時点でのラインハルトの権力基盤は武力ではなく、エルウィン・ヨーゼフ二世を擁立したことにあったからです。だからこそ、リヒテンラーデ公はラインハルトに匹敵する権力を握っている、と考えられていたのです。 話が逆では?ラインハルトの握る軍事力、そして権力が大きいからこそ、(エルウィンの時はリヒテンラーデ公と組んでですが)皇帝擁立ができた、と考えるべきではないでしょうか。 リヒテンラーデ公がどう滅びたかを見れば、武力を持つ側に対する武力を伴わない権力のもろさがわかるのでは。 適当な理由でっちあげられてあっと言う間でしたでしょう。 ただ、特にエルウィン・ヨーゼフの時の場合、皇帝擁立して後ろだてとなった事がラインハルトの権力をより強化する事になったのは否定いたしません。 5345> まして、帝国本土には女帝カザリン・ケートヘン一世の父親、ペクニッツ公爵がいます。彼は政治的な野心のない無能者ということになっていますが、彼こそはラインハルト後の正統な最高権力者です。彼か、彼を操って権力を握ろうとたくらむ誰かが「ロイエンタールは帝国軍最高司令官ローエングラム公の補佐役でありながら、補佐の役割を果たさず、ローエングラム公を敗死に至らしめた。この重大な職務不行き届きのために、ロイエンタールを解職し、軍法会議にかける」とでも命令を下せば、ロイエンタールは失脚の上、死刑になってしまうでしょう。クーデターを起こそうとしても、誰もついてこないでしょう。何の大義名分もなく、「職務不行き届き」はまったくの事実なのですから。 なにを基盤にしてでしょうか?誰がそれを実行するのでしょう? 和尚2さんも仰るとおり、この時期は貴族、官僚勢力は無力化してます。そして軍事力を背景に権力を握っているのがラインハルトでした。 そしてそれを受け継いだラインハルト一党… そんな命令が来ても従うと思いますか? 作中ではロイエンタールの反乱でもわかる通り、軍隊は上官に従う物であり、国家の指導者の命令に直接従うわけではありません。 ラインハルト一党をすべてオーディンにでも集めて謀殺でもしなければ無理では?(成功の可能性低いでしょうが) それが成功すれば和尚2さんの言うとおり帝国は四語分裂でしょう。 それから、和尚2さんの言うことはペクニッツ公爵がラインハルト一党と敵対、と言うのを前提としてますが、この可能性自体低いのでは… ラインハルトが亡くなったのならその後継者に後ろ盾になってもらおうと考える方が無理がないのでは? |
No. 5367 | |
Re:ロイエンタール体制は成立するのか | |
和尚その2 | 2004/03/01 18:42 |
川上さん、レスをいただけたのはありがたいのですが、人の名前を間違えるのはやめてください。私の名前は「和尚その2」であって「和尚2」ではありません。 > 話が逆では?ラインハルトの握る軍事力、そして権力が大きいからこそ、(エルウィンの時はリヒテンラーデ公と組んでですが)皇帝擁立ができた、と考えるべきではないでしょうか。 > ただ、特にエルウィン・ヨーゼフの時の場合、皇帝擁立して後ろだてとなった事がラインハルトの権力をより強化する事になったのは否定いたしません。 カザリン・ケートヘン一世のときはラインハルトに権力があったから皇帝擁立ができた、という解釈でいいのですが、エルウィン・ヨーゼフ二世のときはそうではありません。 「……皇帝(フリードリヒ四世のこと)の急死によって、ローエングラム伯ラインハルトの地位は少なからず動揺するものと一般には思われた。 ところが結果は逆になった。国務尚書リヒテンラーデ侯の手により、5歳の皇孫エルウィン・ヨーゼフが、次代の皇帝にんったからである」(徳間文庫版第1巻383ページ) ここから分かることは二つ、まずフリードリヒ四世の死後、ラインハルトの地位(と、軍事力と権力)はきわめて不安定な状態にあったこと。第二に、エルウィン・ヨーゼフ二世の即位は、リヒテンラーデ侯の政治力によるものであること。 つまり、ラインハルトが強い軍事力と権力を握っているから、リヒテンラーデ公はラインハルトと同盟しようとしたわけではないのです。エルウィン・ヨーゼフ二世を擁立するだけなら、リヒテンラーデ侯だけで十分だったのです。しかし、エルウィン・ヨーゼフ二世の帝位を守りきるためにはブラウンシュバイク公かリッテンハイム侯との内戦が不可避だから、リヒテンラーデ侯と組むしかなく、そうしなければ失脚するしかないラインハルトと手を組んだのです。したがって、リヒテンラーデ・ラインハルト枢軸は明らかにリヒテンラーデ優位だったはずですし、「エルウィンヨーゼフ二世が擁立されたことでラインハルトの権力は安定した」といえるのです。 > リヒテンラーデ公がどう滅びたかを見れば、武力を持つ側に対する武力を伴わない権力のもろさがわかるのでは。 > 適当な理由でっちあげられてあっと言う間でしたでしょう。 このことについては、別に反論しません。 ただ、後知恵で言えば、ブラウンシュバイク公とリッテンハイム侯の同盟が成立してしまったために、リップシュタット戦役後、ラインハルトが武力を独占する状況ができてしまったことが、リヒテンラーデ公の最大の敗因でした。リヒテンラーデ公の立場から言えば、ブラウンシュバイク公とリッテンハイム侯の同盟が成立するより前に、どちらかと、たとえば皇妃を一族から選ぶとか、閣僚ポストをいくつか提供するという条件で妥協し、リヒテンラーデ・ラインハルト枢軸に引き込むべきだったのでしょう。そうすれば他方を孤立化させ、さらにはラインハルトの対抗馬を作ることができたのですから。 それから、余りに横道にそれすぎるので、上記の議論については、これ以上広げる気はありません。 > なにを基盤にしてでしょうか? 皇帝権力と、法的な正統性です。で、当座はそれでしのげるとしても、基盤ががたがたになっているからいずれ持たなくなって、四分五裂になると考えています。 > 作中ではロイエンタールの反乱でもわかる通り、軍隊は上官に従う物であり、国家の指導者の命令に直接従うわけではありません。 ラインハルトの死の直後なら、ロイエンタールはミッターマイヤーやビッテンフェルトの上官ではないのでは。 > それから、和尚2さんの言うことはペクニッツ公爵がラインハルト一党と敵対、と言うのを前提としてますが、この可能性自体低いのでは… ラインハルト一党全部と敵対する、というわけではないです。バーミリオンでのラインハルトの敗死の責任については、バーミリオンには参加していないケスラーやルッツに負わせられるはずはないですし、責任追及はロイエンタールで止める、他には及ぼさない、としてもいいのですし。 > ラインハルトが亡くなったのならその後継者に後ろ盾になってもらおうと考える方が無理がないのでは? 野心のありすぎるロイエンタールよりも、野心のないミッターマイヤーや政治に関心のないビッテンフェルトあたりにラインハルトの後継者になって欲しい、ぐらいのことは思ってもおかしくないと思うのですが。 |
No. 5369 | |
Re:ロイエンタール体制は成立するのか | |
通りすがり | 2004/03/01 19:32 |
環境を変えていたので、レスが遅れました。 通りすがりです。(もはや通りすがりと言えなくなりつつありますが……) 初めまして。和尚その2様。 ミッターマイヤーとロイエンタールの命令違反追求の件ですね。 私の意見も他の方々とほぼ一緒です。(命令違反の捉え方が違うだけです) 少なくとも、軍事力という名のチップがない勢力は、ライハルト後の覇権争いというゲームへの参加資格は無いでしょう。結局、法律という「みんなで守ろうね」という約束は、法律に従わない存在は暴力(警察力、軍事力、色々と言い方はあります)によって国家が強制させるという保障があって初めて機能します。つまり、支配力が欠如した者が、いくら法的な正当性を叫んでも意味が無いと思います。また、この状況で軍事力を保持している他の提督達も、自分たちが倒したはずの貴族の手に権力が戻ることは避けるであろうことも予想されます。 もし、内戦が起こるのだとしたら、それは帰還した提督達の間です。それ以外の者の手で樹立された政権は支配力の点で欠けています。それは提督達の実力によって打破される脆いモノでしかありません。 しかしながら、ロイエンタール体制に必ずなるのかという和尚その2様の疑問はもっともだと思います。指摘なさっているとおり艦隊司令官であるミッターマイヤーとロイエンタールは、一民間人に過ぎないヒルダの進言を容れて「指定星系を制圧後、反転しラインハルト直属艦隊の下に集結せよ」という彼らの直属の上官であるラインハルト(彼は軍務尚書、統帥本部総長、宇宙艦隊司令長官を兼務しています)の命令に従わなかったのは事実です。従って、抗命罪で告訴できると思われます。 そのことを、以前のレスで「政敵にとっては実に都合の良い口実」というように表現しました。 杓子定規に当てはめるなら、和尚その2様のおしゃっている通り、処刑されるでしょう。 ところで、もし、後継者を巡る内戦が勃発するのであれば、先程述べたとおり、提督達の間だと思います。その理由は、覇権争奪ゲームに参加する条件が軍事力を持っていることに加えて、支配欲がある人たちだけだからです。 そして内戦が勃発するには反ロイエンタール・ミッターマイヤーの感情で動く者か、ラインハルトの戦死をその両者とヒルダに押しつけなければ気の済まない人がいなければなりません。 ここで、現在残っている帝国の人材で、この条件を満たしている人物がいるのでしょうか? 帝国の分裂を防ぎまとめ上げようとする者は、ロイエンタール以外にいるのでしょうか? また、それだけの実力を持っている者が他にいるのでしょうか? 別の視点からも見てみましょう。それは、内政や謀略といった観点です。 私は、和尚その2様の意見での疑問点がもう一つあります。 > それがリップシュタット戦役で貴族が潰され、リヒテンラーデ公失脚で官僚も無力化し、バーミリオンでのラインハルトの死によって軍部のトップまでもがいなくなったわけです。 この内、官僚が無力化したというところです。私の見解では、最後に残っていた大貴族であるリヒテンラーデ一族を潰したことで、ゴールデンバウム王朝の旧貴族制度は終焉を迎えたという認識です。つまり、官僚は無力化されたのではなく、むしろ健全化し強化されたのだと思います。 あれだけの星間国家を維持するのに官僚無しでやっていけるはずがないでしょう。国家の制度や法律といった統治機構をコンピュータのプログラムとするなら、官僚とはそれを実際に動かすのに必要なオペレーティングシステムです。貴族制の弊害があれだけ表面化していてもなお帝国を維持し得た官僚です。それが貴族という制約が取っ払われたのですよ。先ほどの例で言うなら、OSをアップデートしたわけです。おそらく、国家としてかなり健全化したと思われます。 実際に、ラグナロック作戦で距離の壁という最大の敵を破るのに必要な兵站を誰が用意したのですか? そして、その優秀な官僚達は、折角、星間国家として安定したのに、再び分裂することを望まないでしょう。おそらく、誰か強力な指導力を持つ人物に自分たちの持っている国家の運営能力を売り込もうとするでしょう。それが官僚達にとって利益を確保することに繋がるからです。 次に、地球教の思惑ですが、以前述べたとおり帝国分裂は彼らの望むところではないと思います。その一番大きな理由は、同盟が破滅を回避するには少なく見積もっても10年は必要だからです。従って、現状では帝国に統一させて地球教を国教にしたほうがリスクが少ないでしょう。となれば、帝国の統一を妨げるものは地球球の敵です。これはロイエンタールの利害とも合致します。おそらく、陰でロイエンタールの覇業を助けるように動くと同時に、同盟再侵攻のための工作を行うことが主な活動となるでしょう。可能性は低いですが、ロイエンタールと地球教の接近ということも条件が整えば可能かもしれません。 以上から、抗命罪を理由に強硬な主張をする者がいても、遅くとも2〜3年経てばロイエンタール・ミッターマイヤー連合に妥協するか鎮圧され、再び侵攻能力を取り戻すというのがもっとも可能性の高い流れではないでしょうか。 参考までに、旧海軍刑法では、抗命罪は以下のように定められていました。 第四章 抗命ノ罪 第五十五条 上官ノ命令ニ反抗シ又ハ之ニ服従セサル者ハ左ノ区別ニ従テ処断ス 一 敵前ナルトキハ死刑又ハ無期若ハ十年以上ノ禁錮ニ処ス 二 戦時又ハ艦船救護ノ為緊要ノ方略ヲ為ス際ナルトキハ一年以上十年以下ノ禁錮ニ処ス 三 其ノ他ノ場合ナルトキハ五年以下ノ禁錮ニ処ス 第五十六条 党与シテ前条ノ罪ヲ犯シタル者ハ左ノ区別ニ従テ処断ス 一 敵前ナルトキハ首魁ハ死刑ニ処シ其ノ他ノ者ハ死刑又ハ無期禁錮ニ処ス 二 戦時又ハ艦船救護ノ為緊要ノ方略ヲ為ス際ナルトキハ首魁ハ無期又ハ七年以上ノ禁錮ニ処シ其ノ他ノ者ハ一年以上ノ有期禁錮ニ処ス 三 其ノ他ノ場合ナルトキハ首魁ハ三年以上ノ有期禁錮ニ処シ其ノ他ノ者ハ七年以下ノ禁錮ニ処ス 第五十七条 暴行ヲ為スニ当リ上官ノ制止ニ従ハサル者ハ三年以下ノ禁錮ニ処ス |
No. 5372 | |
Re:ロイエンタール体制は成立するのか | |
イッチー | 2004/03/01 19:37 |
和尚その2さま、初めまして。 和尚その2さまがおっしゃるような反ロイエンタール体制を成立させるためには、ペクニッツ子爵を抱きこんだとしても不可能だと思います。なぜなら、ペクニッツ子爵は皇帝の父親というだけで、公的な地位にはないからです。もしも、ペクニッツ子爵が、形だけでも摂政などの地位にあるなら、言葉を発することも出来ない皇帝の代わりに「勅命」を発することも出来るでしょうが、ペクニッツ子爵はそのような地位にはありません。ペクニッツ子爵は皇帝である娘とペアで初めて権力を持つことが出来るのです。 しかし、皇帝カザリン・ケートヘン1世はラインハルト派の軍人によって厳重な監視下におかれ、父親であったとしても面会すら出来ないでしょう。皇帝警護の軍人が反旗を翻さない限り、「勅命」を発することは出来ません。 ラインハルトは帝国宰相ですから、遠征中は国政が停滞しないように、絶対信頼できる人物(おそらく、マリーンドルフ伯)を代理として首都に置いているはずです。この人物を抱き込めば、ロイエンタール逮捕の勅命を出すことは出来ますが、そんな簡単に寝返るような人物にラインハルトは留守を頼まないでしょう。仮にこの人物が寝返って、勅命を出したとしても、この人物に独自の武力はなく、遠征中の提督のうち、何名かを抱きこまなければなりません。しかし、遠く同盟領内にいる提督をオーディンからどうやって説得するのでしょうか? ロイエンタールのほうが同じ戦場にいる分だけ、他の提督を説得しやすい位置にいます。とりあえず、同盟領内にいる帝国軍をイゼルローンまたはフェザーンに召集し、提督たちに自分をラインハルトの後継者として認めさせれば、ロイエンタールは帝国軍のほぼ全軍を掌中におさめたことになり、オーディンの政府もこれを無視することは出来ないでしょう。 もしかしたら、一部の提督がロイエンタールに反発して、ペクニッツ子爵側につくかもしれませんが、大多数はロイエンタールにつくでしょう。なぜならば、ペクニッツ子爵側につけば、ラインハルトの改革以前に時代が逆戻りするのは誰の目にも明らかであり、ゴールデンバウム王朝打倒の目標のもとに一致団結している提督たちがおいそれとゴールデンバウム王朝復活強化に力を貸すとは思われないからです。民衆もラインハルトの改革を支持していますから、ロイエンタール側にまわるでしょう。 仮に、和尚その2さんがおっしゃるように、ペクニッツ子爵一派が皇帝を強引に奪い、「勅命」を発したとしても、その下に参集するのは、ラインハルト体制を内心では快く思っていなかった生き残り貴族たちの私兵と一部の帝国軍に過ぎず、容易にロイエンタールによって打倒され、ゴールデンバウム家は公爵家として生き残るどころか、全員処刑されて、全員根絶やしにされて、完全に息の根をとめられるでしょう。 ただ、ペクニッツ子爵一派がしぶとく生き残って各地で散発的な抵抗を続ければ、ロイエンタールも同盟には簡単に侵攻できず、同盟は再建のための時間を稼ぐことが出来ます。ただ、帝国が四分五裂といった状況にはならないでしょう。 |
No. 5373 | |
Re:ロイエンタール体制は成立するのか | |
和尚その2 | 2004/03/01 19:38 |
> 帝国民たるロイエンタールには正当性を得る方法があるのです。 > まあよくある手なんですがね、君側の奸を除くというよく > ある手で。武力でもって反対派を一掃して皇帝を確保すれば勝ちと。 > 死人は文句言わないんですよ。 何をもって「君側の奸」とするのか、という問題はあると思いますが。 > ハイネセンに向かったのはミッターマイヤーであって、ロイエンタール > ではなかったはずですが? いえ、ミッターマイヤーだけでなく、ロイエンタールもハイネセンに向かっています。 「もしミッターマイヤーが主君を戦場に救いにおもむかず、単独で惑星ハイネセンに向かった場合、自らの軍事的・政治的野心のために主君を見殺しにした、あるいは見殺しにしようとした、と言われるであろう。それはミッターマイヤーにとって耐えがたいことであるに違いない」(徳間文庫版第5巻322ページ)からだそうです。 > 不確定要素は起こりうるのです。もともとラインハルトの計画におい > ては艦隊を分散させ、ヤンをおびき出して自分だけで決着をつける > という戦争狂のラインハルトらしいギャンブル性の高い作戦です。 > たとえ間に合わずラインハルトが戦死したとしてもそれは仕方ない > ことです。安全確実に勝つなら違う作戦をとるのだから。 > 軍事上からいってもロイエンタールの行動に問題はありません。 > 戦死した責任をとうといえば前線では反感を買うだけです。 バーミリオン会戦についての作戦命令を下すとき、ラインハルトはこういっています。 「わかるな?これ(ロイエンタールへの同盟軍補給基地攻撃命令のこと)は擬態だ。他の者にも、それぞれ艦隊をひきいて私のもとから離れてもらう。私が孤立したと見れば、ヤン・ウェンリーは洞窟から野原へ出てくるだろう。網をはって、そこを撃つのだ」(徳間文庫版第5巻230ページ) バーミリオンでは、諸将が救援におもむくことは前提条件だったのですし、その作戦計画は確実性の高いものでした。ラインハルトが自分ひとりで決着をつけるつもりは(作戦計画の時点では)なかったですし、ギャンブル性の高いものでもありません。また、ロイエンタールには救援におもむくべき義務がありました。「間に合わなかったから仕方がない」などで片付くものではありません。ロイエンタールの行動には問題があったし、責任が問われてもおかしくないのです。 > > 繰り返しになりますが、この行動は「背後からの短剣のひとつき」であることは確かでも、「裏切り」ではありません。「帝国宰相、帝国軍最高司令官であるローエングラム公敗死の責任を取れ」ということだからです。というわけで、この行動は「大義名分」にはなりません。 > > それははるか後方の現場をみない場所の俺理論でしか > ありません。戦場には戦場の論理というのが存在するのです。 > そちらが裏切りではないと思ってもロイエンタール達は裏切りと > 判断するでしょう。 「ロイエンタールたちが帝都に帰りつく前に」ロイエンタール失脚の陰謀をめぐらすと、かえって旧ラインハルト旗下の諸将の一致団結を促し、ロイエンタール体制の成立につながる、ということは了解しました。 しかし、それならロイエンタールたちが帝都に着いた後に行えば「実際の艦隊を指揮している」という条件は消えるし、艦隊が通常配置に戻った後ならば「戦場の論理」もなくなるのではないかと。 5345で私が一番言いたかったことは、バーミリオンでのラインハルト戦死後の帝国に、ロイエンタール体制が容易にできるということはない。多くの不確定要素があるのだから、激しい権力闘争は不可避だろう。その過程でロイエンタールが失脚する可能性は十分にあるし、帝国が分裂して内戦状態に陥ったり、帝国中央の統治能力が低下して無政府状態が広がったりする可能性も、否定はできない。よって、バーミリオン後も帝国と同盟の並立体制が続くと想定することはできる、ということでした。5345での他の議論は、極端なことを言ってしまえば、どうでもいいことです。ですから、このことについての見解を示していただきたいのですが。 |
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Re:ロイエンタール体制は成立するのか | |
SAI | 2004/03/01 21:00 |
> 何をもって「君側の奸」とするのか、という問題はあると思いますが。 ないです。ロイエンタール達が恣意的に決めます。終わり。 そして勝って生き残った人間が歴史を書きます。 > ロイエンタールの行動には問題があったし、責任が問われても > おかしくないのです。 で誰が問うんですか?そして問うて誰が裁きを強制するんですか? ロイエンタール達をどうこうできる人間はいません。 理念上はできるでしょう。現実には不可能ですが。 > 「ロイエンタールたちが帝都に帰りつく前に」ロイエンタール失脚の陰謀をめぐらすと、かえって旧ラインハルト旗下の諸将の一致団結を促し、ロイエンタール体制の成立につながる、ということは了解しました。 > しかし、それならロイエンタールたちが帝都に着いた後に行えば「実際の艦隊を指揮している」という条件は消えるし、艦隊が通常配置に戻った後ならば「戦場の論理」もなくなるのではないかと。 ついてしまえば、ロイエンタール達は真っ先に政権の奪取にかかる でしょう。そのためにオーディンに戻ってくるのですから。 ロイエンタールが馬鹿でなければ、そして馬鹿ではないので 必ず直属の軍団を帝都にのこすでしょう。自分の最高の武器を 手放しはしないでしょうね。 その場合ロイエンタールを罪に問えば、軍団でもって反対者を 一掃するでしょう。 > 5345で私が一番言いたかったことは、バーミリオンでのラインハルト戦死後の帝国に、ロイエンタール体制が容易にできるということはない。多くの不確定要素があるのだから、激しい権力闘争は不可避だろう。その過程でロイエンタールが失脚する可能性は十分にあるし、帝国が分裂して内戦状態に陥ったり、帝国中央の統治能力が低下して無政府状態が広がったりする可能性も、否定はできない。よって、バーミリオン後も帝国と同盟の並立体制が続くと想定することはできる、ということでした。5345での他の議論は、極端なことを言ってしまえば、どうでもいいことです。ですから、このことについての見解を示していただきたいのですが。 あなたは私に悪魔の証明をしろというのですか?無いことは 証明できないんですよ。否定はできません、可能性は0では ありません。1/1000000ぐらいの確立だと思いますが。 そういうのは社会学の世界では0とみなします。 そういうIFを想定するのは勝手ですが不可避だとか 可能性は十分にあるとかはあなたしか主張してません。 さらにいえば不確定要素があると考えてるのもあなただけです そういう極端な状況のIFを想定するのはいいですが、 それが高確率で起こりうるというなら、仮定につぐ 仮定しかも薄弱なものではなく、きちんとしたものを 示していただきたいですね。 ペグリッツが突然ロイエンタールを罪に問うようなことをしたり するような人物になったり、ペグリッツの背後の黒幕だなどいう 作中にありもしないものを持ち出さないように。 |
No. 5378 | |
Re:ロイエンタール体制は成立するのか | |
川上 | 2004/03/01 23:12 |
>和尚その2さん お名前間違えてしまいすみませんでしたm(__)m > > 話が逆では?ラインハルトの握る軍事力、そして権力が大きいからこそ、(エルウィンの時はリヒテンラーデ公と組んでですが)皇帝擁立ができた、と考えるべきではないでしょうか。 > > ただ、特にエルウィン・ヨーゼフの時の場合、皇帝擁立して後ろだてとなった事がラインハルトの権力をより強化する事になったのは否定いたしません。 > > カザリン・ケートヘン一世のときはラインハルトに権力があったから皇帝擁立ができた、という解釈でいいのですが、エルウィン・ヨーゼフ二世のときはそうではありません。 > 「……皇帝(フリードリヒ四世のこと)の急死によって、ローエングラム伯ラインハルトの地位は少なからず動揺するものと一般には思われた。 > ところが結果は逆になった。国務尚書リヒテンラーデ侯の手により、5歳の皇孫エルウィン・ヨーゼフが、次代の皇帝にんったからである」(徳間文庫版第1巻383ページ) > ここから分かることは二つ、まずフリードリヒ四世の死後、ラインハルトの地位(と、軍事力と権力)はきわめて不安定な状態にあったこと。第二に、エルウィン・ヨーゼフ二世の即位は、リヒテンラーデ侯の政治力によるものであること。 > つまり、ラインハルトが強い軍事力と権力を握っているから、リヒテンラーデ公はラインハルトと同盟しようとしたわけではないのです。エルウィン・ヨーゼフ二世を擁立するだけなら、リヒテンラーデ侯だけで十分だったのです。しかし、エルウィン・ヨーゼフ二世の帝位を守りきるためにはブラウンシュバイク公かリッテンハイム侯との内戦が不可避だから、リヒテンラーデ侯と組むしかなく、そうしなければ失脚するしかないラインハルトと手を組んだのです。したがって、リヒテンラーデ・ラインハルト枢軸は明らかにリヒテンラーデ優位だったはずですし、「エルウィンヨーゼフ二世が擁立されたことでラインハルトの権力は安定した」といえるのです。 なるほど。エルウィンヨーゼフ二世擁立について、ブラウンシュバイク・リッテンハイムの存在あってのリヒテンラーデ・ラインハルト枢軸、リヒテンラーデ公が優位であり、「エルウィンヨーゼフ二世が擁立されたことでラインハルトの権力は安定した」事、納得しました。 > > 作中ではロイエンタールの反乱でもわかる通り、軍隊は上官に従う物であり、国家の指導者の命令に直接従うわけではありません。 > > ラインハルトの死の直後なら、ロイエンタールはミッターマイヤーやビッテンフェルトの上官ではないのでは。 艦隊司令官より下の兵士達、と言う意味です。 ミッターマイヤーやビッテンフェルトなどの艦隊司令官については、SAIさん他が言っておられますが、カザリン・ケートヘンの名で罪を問う命令が来ても聞く者はいない、むしろラインハルト一派への攻撃ととり団結してしまうだろうと考え、「ラインハルト一党」とひとくくりにしてました。 言葉の使い方まずかったですね… > > それから、和尚2さんの言うことはペクニッツ公爵がラインハルト一党と敵対、と言うのを前提としてますが、この可能性自体低いのでは… > > ラインハルト一党全部と敵対する、というわけではないです。バーミリオンでのラインハルトの敗死の責任については、バーミリオンには参加していないケスラーやルッツに負わせられるはずはないですし、責任追及はロイエンタールで止める、他には及ぼさない、としてもいいのですし。 私の意見は上記の通り、ミッタマイヤー他の提督がそれを見過ごす可能性は低いと考えています。 それから、 >5373 ですが > 5345で私が一番言いたかったことは、バーミリオンでのラインハルト戦死後の帝国に、ロイエンタール体制が容易にできるということはない。多くの不確定要素があるのだから、激しい権力闘争は不可避だろう。その過程でロイエンタールが失脚する可能性は十分にあるし、帝国が分裂して内戦状態に陥ったり、帝国中央の統治能力が低下して無政府状態が広がったりする可能性も、否定はできない。よって、バーミリオン後も帝国と同盟の並立体制が続くと想定することはできる、ということでした。5345での他の議論は、極端なことを言ってしまえば、どうでもいいことです。 私の反論は、その結論にたどりつくまでの過程が可能性が低すぎないか?と言うものでしたので・・・ 権力闘争は不可避、とは言えないにしても、ロイエンタール(ミッタマイヤーでもいいですが)政権がごたごたして難産する可能性は否定しません。(ビッテンフェルト離反のIFが過去にあったかな?) |
No. 5381 | |
補足 | |
通りすがり | 2004/03/03 15:58 |
通りすがりです。 > この内、官僚が無力化したというところです。私の見解では、最後に残っていた大貴族であるリヒテンラーデ一族を潰したことで、ゴールデンバウム王朝の旧貴族制度は終焉を迎えたという認識です。 この部分の言葉が足らないので補足します。 私は、リップシュタット戦役の終結というのは、見方によって二つの時期があると考えています。一つ目は、貴族連合軍が壊滅し、皇帝派の勝利が確定したとき。二つ目は、リヒテンラーデ一族が処刑され、ラインハルトの覇権が確定したときです。 和尚その2様は、この内、前者の前提で話を進めているように思われます。この二つの時期の前後では明確に政治状況が異なっています。 確かに、リヒテンラーデ一族が処刑される前の政治体制が、バーミリオン後の政治体制であったなら、和尚その2様の言うように宮廷陰謀劇の可能性はあるでしょう。しかし、ラインハルトが覇権を獲得した結果、ゴールデンバウム王朝の統治構造は大きく変化しているのです。 順を追って説明します。まず、皇帝派が勝利した直後の状況です。この時は、ゴールデンバウム王朝における貴族体制は維持されていました。従って、リヒテンラーデ一族とそれに連なる貴族、公文書によって保障されたマリーンドルフ家の貴族の特権は維持されていたはずです。 この状況が続いたならば(ラインハルトはゴールデンバウム王朝を潰そうとしているのだから無理でしょうが……)、ゴールデンバウム王朝の政治方針は、保守ないしは緩やかな改革であったでしょう。ということは、リップシュタット戦役を勝ち残った貴族には、経済力とそこから生まれる私兵という軍事力が備わっていることになります。 また、ブラウンシュバイク、リッテンハイム両家は間違いなく取り潰しとなるでしょうが、他の貴族はどうでしょう? 貴族達は家門が途絶えることを一番嫌うと思います。 そうした状況を見て、勝者の一人であるリヒテンラーデは今後のラインハルト陣営との政争のために、処断に手心を加える条件で、工作を行っていたのでしょう。つまり、リヒテンラーデには、ラインハルトに対抗するための経済力と権力があり、貴族達をまとめ上げれば、差し当たってラインハルトに抵抗可能な武力も持てるという彼なりの勝算があったのでしょう。 しかし、帝国本土は和尚その2様が言われるような謀略を実行できる環境なのでしょうか? 私は違うと思います。 なぜなら、その後、リヒテンラーデ一族が処刑されると、旧貴族体制を保持しようとするものはいなくなりました。ラインハルトが覇権を握った結果、マリーンドルフ伯爵家といったラインハルトが認めたごくわずかな例外を除いて貴族特権は悉く廃止されたのです。広大な領地や豊富な資産に巨額の税金がかかることになり、おそらく、同時に私兵の解散や領主権の剥奪、能力主義による人材登用など貴族が反抗できなくなるような政策も数多く採られたでしょう。これらの政策によって、ゴールデンバウム王朝の貴族体制は崩壊したのです。 バーミリオン後の帝国は、この様な体制下にあるのです。また、イッチー様のレスで以下のように考察されています。 > 和尚その2さまがおっしゃるような反ロイエンタール体制を成立させるためには、ペクニッツ子爵を抱きこんだとしても不可能だと思います。なぜなら、ペクニッツ子爵は皇帝の父親というだけで、公的な地位にはないからです。もしも、ペクニッツ子爵が、形だけでも摂政などの地位にあるなら、言葉を発することも出来ない皇帝の代わりに「勅命」を発することも出来るでしょうが、ペクニッツ子爵はそのような地位にはありません。ペクニッツ子爵は皇帝である娘とペアで初めて権力を持つことが出来るのです。 > しかし、皇帝カザリン・ケートヘン1世はラインハルト派の軍人によって厳重な監視下におかれ、父親であったとしても面会すら出来ないでしょう。皇帝警護の軍人が反旗を翻さない限り、「勅命」を発することは出来ません。 私も同意します。ペグニッツ子爵には名誉があるだけで権力は伴っていませんし、遠ざけられています。皇帝の実父と言うことから品位を保つために、お金には困らないような配慮があるとは思います。しかし、蓄財は絶対に許さないように注意が払われるでしょう。(例えば、必要なものを請求すれば、宮内省あたりが子爵の代わりに調達し手に入るようにしておくとか) 同じく、イッチー様の考察ですが > ただ、ペクニッツ子爵一派がしぶとく生き残って各地で散発的な抵抗を続ければ、ロイエンタールも同盟には簡単に侵攻できず、同盟は再建のための時間を稼ぐことが出来ます。ただ、帝国が四分五裂といった状況にはならないでしょう。 これだけは疑問です。貴族の経済力と軍事力を支えていた特権に立脚した貴族体制が崩壊してしまった以上、帝国内においてペクニッツ子爵一派がしぶとく抵抗するために必要な資金源はどこにあるのでしょうか? お金もなければ武力もない。そんなものがいくら集まっても烏合の衆に過ぎない気がします。 やはり、分裂するなら提督達の間というのが妥当ですし、命令違反を犯したとはいえ、残った提督達の中でやはり一段上の存在であるロイエンタールとミッターマイヤーがラインハルトの敵討ちを旗印にすれば、妥協が生まれて帝国は早期にまとまってしまうと思います。 閑話休題 ヤン・トリューニヒト同盟の可能性に戻します。 トリューニヒトは、アムリッツァ後に、帝国がイゼルローン回廊を突破すれば、後は実質的に無抵抗な国土が広がっているだけであることを国防委員長を務めていたことから知っていたのでしょう。 万一、そんな事態になってしまったときに徹底抗戦を叫ぶ者が最高評議会議長だと負けないかも知れないが同盟領が焦土と化してしまう。これでは、戦後に自分が権力の座についても、国力が疲弊しすぎていて旨みは少ないし、リスクは大きい。ならば、自分が最高評議会議長になり、帝国が攻めてこないならば、国力を回復する努力を行いつつ同盟の利権を漁り、帝国が回廊を突破した場合には何とかして保身を図りつつ同盟の被害を最小限に抑えて終戦を迎え、戦後の世界で権力を握ることに望みを賭ける。 こんなことを彼が考えたのなら、あの時、国家元首に就いたのはある種の必然だったのかも知れませんね。 |
No. 5387 | |
Re:補足 | |
イッチー | 2004/03/04 23:50 |
> 同じく、イッチー様の考察ですが > > > ただ、ペクニッツ子爵一派がしぶとく生き残って各地で散発的な抵抗を続ければ、ロイエンタールも同盟には簡単に侵攻できず、同盟は再建のための時間を稼ぐことが出来ます。ただ、帝国が四分五裂といった状況にはならないでしょう。 > > これだけは疑問です。貴族の経済力と軍事力を支えていた特権に立脚した貴族体制が崩壊してしまった以上、帝国内においてペクニッツ子爵一派がしぶとく抵抗するために必要な資金源はどこにあるのでしょうか? > お金もなければ武力もない。そんなものがいくら集まっても烏合の衆に過ぎない気がします。 > やはり、分裂するなら提督達の間というのが妥当ですし、命令違反を犯したとはいえ、残った提督達の中でやはり一段上の存在であるロイエンタールとミッターマイヤーがラインハルトの敵討ちを旗印にすれば、妥協が生まれて帝国は早期にまとまってしまうと思います。 ペクニッツ子爵を支援する勢力として、同盟を想定していました。以前のスレで、ラインハルトがバーミリオンで戦死していたらというのがあって、そこでは、ビッテンフェルトとファーレンハイトがロイエンタール体制を認めず、叛乱を起こすというのがあったので、もしそうなった場合、ヤンはロイエンタールがビッテンフェルト・ファイレンハイトの乱を鎮圧している間に、イゼルローンを再奪取。その後、同盟全軍をフェザーン回廊に集結させて、防衛体制を整える。その間の時間稼ぎとして、同盟がこっそりペクニッツ子爵と皇帝をロイエンタール入城までに首都から脱出させ、各地を転戦させる。ロイエンタールは皇帝が首都から逃げ出した段階で、「ゴールデンバウム家は政務を放棄した」と宣言して、ゴールデンバウム王朝の廃絶を宣言。自ら皇帝になるでしょうが(貴族会議による推戴→人民投票という形をとって、全国民の支持を受けたと言う形をとるかもしれませんが)やはりゴールデンバウム家の血を引くものを見過ごすことが出来ず(徳川家が関が原の合戦以後も豊臣家の血筋を絶つのに躍起になったように)ペクニッツ一派(同盟が支援)を討伐。その間に、同盟は防衛体制を整え、完了と同時にペクニッツを見捨てる。ぐらいの展開にならないと、同盟は生き残れないかなあと考えまして・・・。どうせ、何もしなくても帝国に攻められるのは目に見えているんだし。 > ヤン・トリューニヒト同盟の可能性に戻します。 > トリューニヒトは、アムリッツァ後に、帝国がイゼルローン回廊を突破すれば、後は実質的に無抵抗な国土が広がっているだけであることを国防委員長を務めていたことから知っていたのでしょう。 > 万一、そんな事態になってしまったときに徹底抗戦を叫ぶ者が最高評議会議長だと負けないかも知れないが同盟領が焦土と化してしまう。これでは、戦後に自分が権力の座についても、国力が疲弊しすぎていて旨みは少ないし、リスクは大きい。ならば、自分が最高評議会議長になり、帝国が攻めてこないならば、国力を回復する努力を行いつつ同盟の利権を漁り、帝国が回廊を突破した場合には何とかして保身を図りつつ同盟の被害を最小限に抑えて終戦を迎え、戦後の世界で権力を握ることに望みを賭ける。 > こんなことを彼が考えたのなら、あの時、国家元首に就いたのはある種の必然だったのかも知れませんね。 リヒテンラーデ公の思惑とかトリューニヒトの思惑とか目からうろこが落ちる考察でした。 |
No. 5389 | |
Re:補足 | |
不沈戦艦 | 2004/03/05 00:21 |
> ペクニッツ子爵を支援する勢力として、同盟を想定していました。以前のスレで、ラインハルトがバーミリオンで戦死していたらというのがあって、そこでは、ビッテンフェルトとファーレンハイトがロイエンタール体制を認めず、叛乱を起こすというのがあったので、もしそうなった場合、ヤンはロイエンタールがビッテンフェルト・ファイレンハイトの乱を鎮圧している間に、イゼルローンを再奪取。その後、同盟全軍をフェザーン回廊に集結させて、防衛体制を整える。その間の時間稼ぎとして、同盟がこっそりペクニッツ子爵と皇帝をロイエンタール入城までに首都から脱出させ、各地を転戦させる。ロイエンタールは皇帝が首都から逃げ出した段階で、「ゴールデンバウム家は政務を放棄した」と宣言して、ゴールデンバウム王朝の廃絶を宣言。自ら皇帝になるでしょうが(貴族会議による推戴→人民投票という形をとって、全国民の支持を受けたと言う形をとるかもしれませんが)やはりゴールデンバウム家の血を引くものを見過ごすことが出来ず(徳川家が関が原の合戦以後も豊臣家の血筋を絶つのに躍起になったように)ペクニッツ一派(同盟が支援)を討伐。その間に、同盟は防衛体制を整え、完了と同時にペクニッツを見捨てる。ぐらいの展開にならないと、同盟は生き残れないかなあと考えまして・・・。どうせ、何もしなくても帝国に攻められるのは目に見えているんだし。 かなり昔のネタですけど、「バーミリオンでブリュンヒルトがヤン艦隊の砲火に撃沈され、ラインハルトとオーベルシュタインが戦死」した場合、その後の帝国を、「同盟が立ち直れる時間がある程度の長期間、内紛に明け暮れさせる」には、ロイエンタールとミッターマイヤーが袂を分かって抗争を始めなきゃ駄目でしょう。他の提督たちも、ロイエンタール派とミッターマイヤー派に真っ二つに分裂し、内戦が始まるということで。いくら二人が個人的に相手を信用していたところで、幕僚までそういう訳ではなかったですよね。バイエルラインあたりは、本編銀英伝でもかなりの不信感をロイエンタールに持っていましたし。ペクニッツ子爵を持ち出すのなら、この二人の不和を徹底的に育て上げるように立ち回らせては(ペクニッツの意図は「漁夫の利」ということ)どうでしょうか。 |
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