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創竜伝のエンターテイメント性
5−A

少年&少女漫画的な創竜伝(1)


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No. 57
少年漫画的な創竜伝
させゆう 2000/10/30(Mon) 22:01
創竜伝は少年マガジン(以下マガジン)の漫画のような要素があると思います。
マガジンに出てくる「両親」「教師」「警察官」(漫画では少年時代の三大悪とされているような気がします)というものは、もちろんひとくくりには出来ませんが、体裁や世間体に固執し、意地が悪く、卑屈で、無責任に描かれている場合が多い。
翻って、主人公やその仲間達は、自由で快活で、自分の好きなように生きています。
つまりマガジンの漫画では、例え世間に反発されるとしても、自己主張をして、自由に生きる人間イコール優れた生き方になり、逆に世間に縛られて生きることは悪い生き方だと示しています。
しかし、これは漫画での理想であって、実際、大人になれば、誰でも現実はそういう理想を切り捨てていかないと生きてはいけないことに気づきます。大人は確かに世間体や体裁を気にして、時には卑屈になり、汚いことをします。しかし、それは天才以外の平凡な人間が生きていくためには必要なことであり、大人になった人間が、少年漫画に反発するのは、大人が社会で生きていく難しさを描かずに、ただ卑屈に低俗に描いているからではないでしょうか。
もっとも、少年漫画が大人を卑屈に描くことは、弱い立場である少年をかっこよくたちまわさせるために必要なことであり、それに若い読者が拍手喝采することで、勇気や希望が持てるとしたら、それが気楽に読める少年漫画のあるべき姿ではないかとも思います。

ここで創竜伝がでてくるんですが、創竜伝が社会経験を踏んだ人間から批判を受ける理由のひとつに、平凡な人間が生きていく過程においては、全体に流され、長いものはまかれ、時として卑屈になり、汚い手も使わなければならない事実を無視して、天才である竜堂兄弟の自由気ままな言動、行動をのみを賞賛している点があると思います。
ただ、僕は「少年」という弱い立場ゆえに、竜堂兄弟の言動(作者の思想)や行動に寄りかかってしまう中高生を非難するつもりは毛頭なく、単に社会を批判してくれるだけで、創竜伝が好きだという感情も、少年時代においては間違ってはいないと思います。
しかし、やはり社会人をやっている僕としては、生きていくために「四人姉妹」的なことをやっているわけで、それを全否定してくれる創竜伝を楽しむには、いささか時期を逸したと言えるでしょう。
今では、無念の中間管理職のタウンゼント氏の方に感情移入してしまいますからね。


No. 62
Re: 少年漫画的な創竜伝
虎王 2000/11/01(Wed) 19:04
> ここで創竜伝がでてくるんですが、創竜伝が社会経験を踏んだ人間から批判を受ける理由のひとつに、平凡な人間が生きていく過程においては、全体に流され、長いものはまかれ、時として卑屈になり、汚い手も使わなければならない事実を無視して、天才である竜堂兄弟の自由気ままな言動、行動をのみを賞賛している点があると思います。

やっぱり竜堂兄弟でうさんくさいのはその完全無欠性にあると思います。
敵の牛種でさえ転生して特異な能力を維持するために血の近親というリスクを背負い精神異常や薬物などによるドロドロしたものが背後にあるのに、竜堂兄弟にはそういう後ろ暗いところはなにもなく、ピンチになったら美しい竜に変身して敵を蹴散らし何の後遺症もなくもとにもどるという都合の良さに少年だった私は憧れを持ち、大人になった私は薄っぺらさを感じるのでしょう。
作者はそれを西洋の吸血鬼は他人の血をすするなどの業を背負わなきゃ生きられないつまらない存在だが、中国の仙人は霞を食べるだけで何千年も生き、歌と酒に興じて生きる至高の存在という表現で現していましたが、私としては何百年も生きるというプラスの恩恵を望むならそれだけのマイナス面の業を背負う吸血鬼のほうがリアリティを感じ、仙人には薄っぺらい都合の良さだけを感じます。

このマイナス面無視の都合の良さは竜堂兄弟(作者)の政治批判の部分にも感じることですし、自称市民運動家に多い症状だと思います。
最近あった東京都のゴミ施設反対で土地に立てこもり強制執行で立ち退かされた連中なんかはその最たるものですね。
自分も資本主義社会の恩恵を受けてゴミをだしまくっておきながら、森を守れともっともらしいことを言い歌って立てこもってるだけで自分だけは正しい事をしてると思いこんでいましたが、本当に森を守りたいならその分どれだけの犠牲を自分が払わなきゃいけないのかの想像力さえないのでしょうね。

大人になるにつれて霞だけ食べて無原罪に生きれるような仙人的生き方にうさんくささと反発を感じるようになったのは私が薄汚れて、田中芳樹さんのような純粋さを失いつつあるからでしょうか?(笑)


No. 63
Re: 少女漫画的な創竜伝
蛭野晏曇 2000/11/02(Thu) 13:45
まずは新参者のくせにのっけから挑戦的な題名になってしまったことをお詫びします。創竜伝に少年漫画的部分があるというのは全くもって同感であり、今から私が書く少女漫画的側面よりもそれがおそらくは強いであろうことを弁えていることを先に表明しておきます。



1,不自然に美少年の主人公
*これは少女漫画の全般的特徴であり、その上「柔和的美少年」という条件も満たしております。中々もって男性は謙虚だから美少年に感情移入出来ないんですよね。ラインハルトにしろ竜堂兄弟にしろ作者は感情移入していたのでしょうか?

2、オカルト的神話知識の導入
*しかもそれに引きずり回されて話が破綻している所なんか、でき損ないの少女漫画特有の破局でしょうね。さらにその糊塗のため西洋から東洋まで引っ張ってきて読者を撹乱しようとして自分でもわけがわからなくなっているところなんて。

3,暗黒面の受容を頑なに拒否
*ちょっと差別的言辞ですが、統計ということで勘弁して欲しいのですが、憲法9条絶対護持派の人口比率では女性が圧倒的に上だとかいいます。朝日の部数がなかなか減らないのも実質的に家長の地位を握った主婦のせいだとか。少女漫画の一部には本来複雑な背景を持つ社会悪の表面を独断的に拒絶しているものがあります。

4,転生
*もはや何もいいますまい。敢えて蛇足を付け加えるなら、神、または超越的存在の転生という点でより典型的ですな。



もっと掘り下げたいのですがそれは少女漫画にもっと詳しい方にまかせるとして、結論を言いますと創竜伝は少年漫画と少女漫画の負の側面を併せ持っていると思われます。もっと言ってしまうと漫画なんだよなあ。社会評論削除してスニーカー文庫からでも出せばいいのに。漫画化もすぐだと思うよ。


No. 64
田中芳樹と主婦の共通点
本ページ管理人 2000/11/03(Fri) 00:49
こんにちは。はじめまして。日本茶でここの話題をされているのは拝見していたのですが、現在個人的に忙しいために書き込みする余裕がなく、ご挨拶できませんでした。
まだしばらく書き込みができないと思いますが、よろしくお願いします。

せっかくなのでちょっとだけ。

> 3,暗黒面の受容を頑なに拒否
> *ちょっと差別的言辞ですが、統計ということで勘弁して欲しいのですが、憲法9条絶対護持派の人口比率では女性が圧倒的に上だとかいいます。朝日の部数がなかなか減らないのも実質的に家長の地位を握った主婦のせいだとか。少女漫画の一部には本来複雑な背景を持つ社会悪の表面を独断的に拒絶しているものがあります。

 これは、少女マンガの問題ではなく(社会悪に目をつぶった勧善懲悪は少年マンガにも多い)、女性に「主婦」という職業があることが背景だと思います。
 現在、この掲示板で田中芳樹の純粋性・世間知らず傾向が指摘されていますが、生産点から隔離されている点で、主婦はこの田中芳樹の傾向に立場がよく似ています。
 もちろん、専業主婦を真面目に働いている「プロの主婦」が多いことは知っていますし、そういう主婦は別です。
 しかし、午後も○○みのもん教徒のように、昼間っからくだらないテレビを見ている連中は、わたしにゃ堅気だとはちょっと思えない(笑)
 田中芳樹がみのもんたを見ているかどうかは知りませんが(笑)、生活に困らず適当な生産(仕事)で暮らしていけるダメ主婦と似たような生活サイクルなんじゃないですかね。
 いや、別に田中芳樹のそういう生活が悪いというわけじゃないですよ。ただ、仕事でしている以上はメリハリをつけて欲しいだけです。


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