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No. 5987 | |
美男、美女=英雄? | |
ぽちょむきん | 2004/10/16 22:38 |
お久しぶりです。 色々思ったんですが、田中芳樹の作品で主役クラスまたは準主役クラスの登場人物って、ほとんど容姿端麗やら眉目秀麗、才色兼備ばかりですね。英雄が威風堂々としてるのはわかりますが、それにしては美男、美女ばかり。かろうじて、「見方によっては」ですかね。 本題ですが、そういう格好よさに引かれファンになった方は、田中芳樹の変な主張を彼ら、格好良い面々が作中で代弁する事によって、盲目的に信じてしまうって可能性もありえるのでしょうか? 「薬師寺涼子」に「美人で金持ちで能力があろうと、何でもやって良い訳じゃねえぞ」ってつっこむキャラがいないですし。 何も予備知識の無い人は、結構簡単に、影響受けるんじゃないでしょうか?「ゴーマニズム」のように。 |
No. 5988-5989 | |
Re:美男、美女=英雄? | |
ROMですが | 2004/10/17 00:24 |
ヤン・ウェンリーは違うと思いますが。 作中でごく平凡なハンサム、となってますし。 それに、作品のなかに美形がそろっているのは 田中氏に限らず、ほとんど世の中のすべてに 言えるんじゃないでしょうか? 「ギルティ・ギア」とかもね。 余談ですが、単行本の帯にラインハルトとヤンと共に 異様にりりしいお姿の田中氏のイラストが載ってたのを 思い出しました。 |
No. 5990 | |
作者本人も | |
新Q太郎 | 2004/10/17 08:28 |
> それに、作品のなかに美形がそろっているのは > 田中氏に限らず、ほとんど世の中のすべてに > 言えるんじゃないでしょうか? SFアドベンチャー別冊特集号(外伝3が発表された号)でも、読者の質問に答えて、「エンターテイメント小説で美形が出ないほうが珍しいでしょう」と話していました |
No. 5993 | |
Re:美男、美女=英雄? | |
ぽちょむきん | 2004/10/20 21:33 |
> それに、作品のなかに美形がそろっているのは > 田中氏に限らず、ほとんど世の中のすべてに > 言えるんじゃないでしょうか? > 「ギルティ・ギア」とかもね。 > > 余談ですが、単行本の帯にラインハルトとヤンと共に > 異様にりりしいお姿の田中氏のイラストが載ってたのを > 思い出しました。 レスありがとうございます。 そうですか、先生のお姿がイラストで!さぞ、りりしかったでしょうね(爆) えーと、自分でも言いたいことが良く整理できてなかったようで・・。すみません。 この人の書く人物の描写って、同じようなのが多いのではないかと。格好良くて(ヤンでさえせいぜい「ハンサム」でしょう) ともかく冷静、天才で努力のかけらも無く、 いちいち他人の言うことに皮肉で返す、物事をどこか高みから立っての口ぶり、「敵ながらあっぱれ」思想の多いこと。 まぁ、こんな人実際にいたらイヤでしょうね。どんなに正しく、 能力があろうとも、私は人間として、こういう連中は好きになれません。 私は田中芳樹と共に、司馬遼太郎の主張のくどさに辟易する事が 多々ありますが、それでも司馬の方が坂本竜馬や、大村益次郎など を書ききってるだけ、人間観が多彩である気がします。 例えば、田中芳樹は豊臣秀吉のような人間は書けるのでしょうか? (まぁ絶対に秀吉は嫌いなんで、実現は無いでしょうが) 劉邦のような人間は書けるのでしょうか? 以上、駄文を長々すみませんでした。 |
No. 5994 | |
Re:作者本人も | |
ぽちょむきん | 2004/10/20 21:49 |
> SFアドベンチャー別冊特集号(外伝3が発表された号)でも、読者の質問に答えて、「エンターテイメント小説で美形が出ないほうが珍しいでしょう」と話していました いやいや、そんな事は無いでしょう(笑)主人公が 美男美女じゃない作品はたくさんありますよ? 例えば佐藤賢一の「双頭の鷲」。 面白いんで、是非読んでみてください。 |
No. 6020 | |
これに比べれば山岡はんの鮎はカスや | |
ぽちょむきん | 2004/11/05 17:55 |
お久しぶりです。 「フィクションのおける作者の主張」についてですが、 漫画の「美味しんぼ」や「味いちもんめ」もなかなか 主張してられます。(クッキングパパは別な部分でツッコミどころ が満載(w)両方とも原作者の主張と言ったほうが正しいかもしれませんが。 で、やはり作中で山岡たちが主張を代弁していますが、読者の年齢層や山岡のヨゴレっぷりから、その主張を鵜呑みにする方は、少ないと思います。 では田中芳樹はどうでしょうか? 薬師寺涼子や竜堂兄弟の如く、完全無欠、美形のキャラ(もちろん欠点はありますが、作中の箸休めみたいなもんで、本筋には関係ないですよね)が語る主張は、格好良く何も非が無いように聞こえ、特に10代の多感な方は、一発で受け入れてしまうと思います。 極論を言えば、語っている奴が格好良いかどうか、だと思います。 色々な方が、エンターテイメントだから美形は仕方ないとおっしゃっていました。そうかもな、と思いつつも、しかし一方で「美形のキャラばかりが代弁(作中では絶対の正論、とされている)してるからこそ、田中作品の厄介な部分がある」とも思ってしまいます。もちろん美形が主張してる作品は、他にもたくさんあります。ただし、大抵はその主張に対し、対抗勢力やツッコミ入れるキャラを登場させています。美形にもやらしていますね。 対して薬師寺や創竜伝では、いかにもな悪人(外見ゴツイ)が、いかにもな言葉を言っている、だけです。で、それをボコボコにする。まぁ、ゴー宣で小林よしのりが自分を格好良く、敵対者をブサイクに描くようなものですね。どちらに支持が集まるかは、明白ですよね。(余談ですが、主張を突っ込まれると「漫画だから」なんて逃げ道があり、田中作品の「フィクションだから」ってのと似てます) 銀英伝はオーベルシュタインの存在が実に良かったのですが・・。 「格好良いキャラだけに、田中芳樹の一方的な主張を語らせる」って、田中作品の重要部分だと思うんですが、皆さん、いかがお考えでしょうか・・? (また余談です。私は篠田真由美の建築探偵シリーズが好きです。 主人公?の桜井は美形で天才ですが、彼の主張、行動に仲間の蒼などがきちんと突っ込み、桜井も周りの連中も、悩みながらも少しずつ前進していくところが、すごい良いなぁ、と思ってます) |
No. 6023 | |
Re:これに比べれば山岡はんの鮎はカスや | |
紅 | 2004/11/06 20:21 |
お久しぶりです。 山岡さんも十分カッコいいと思いますけどね(笑) 小説に自分の主張を組み込みたい ↓ 主人公に語らせた方が感情移入してもらえる ↓ 主人公が美形 ↓ 美形が作者の主張を語る といったプロセスだと私は思います。 ついでに田中作品だと結構小早川奈津子も作者の主張を語ってる感がありますし、彼女が美女かどうかは…皆さん良く判ってらっしゃるでしょう(笑) そんなわけで、そのあたりは偶然だろうと思います。 さっきのプロセスが彼の洗脳のための作戦か 物書きとして当然の心理か、といったところで評価が分かれるんでしょうけど。 所で、銀河英雄伝説に格好悪い外見の人って居ましたっけ? ビデオでは確か皆格好よかったんですが(笑) |
No. 6024 | |
Re:これに比べれば山岡はんの鮎はカスや | |
ぽちょむきん | 2004/11/06 22:26 |
レスありがとうございます。 紅さんのご説明もっともだと思うんですが、 一つ違うと思うのは、「主人公に語らせた方が感情移入」というところです。 この時点で、田中芳樹は「美形」に「語らせた」方が「感情移入」 してもらえる、と考えてるのではないでしょうか? そして「主人公に語らせたい」と「主人公が美形である」には、 因果関係はないと思います。「亡国の王子」と「王子はハンサム」 にも。ここに田中芳樹のやり口が見え隠れしてるように思うのですが。 で、山岡は美形、という方はどのくらいいるのでしょうか? ブ男ではないのですが、団社長に比べればやはり見劣りがしますね。(これは私の主観ではなく、作中にてそういう設定だからです)おそらく紅さんのは普段ぐうたらなくせに、やるときゃやる、というところがカッコいい、というところではないかと思うんですが・・。 小早川奈津子は例外中の例外でしょう(笑)偶然と呼ぶには、 もう少し似たようなキャラが必要な気がしますが・・。 そして「物書きとして当然の心理で(美形が出れば売れる要素にはなります)洗脳の作戦でもある(かつ美形が主張すれば皆納得)」 だと思います。田中芳樹に関しては、この部分は分けて考えるのは難しいのでは? オーベルシュタインに関しては、この人もブ男ではないですが、 ラインハルトやロイエンタールのように美形ではないでしょう。 (アニメの絵が、という事ではなく、作者の意図した設定、 という意味でですよー。) ですが、帝国においては異質の存在であり、かつ美形の連中も 彼の理屈(主張)に言い返せない場面が、いくつかありました。 その部分に、私は銀英伝の魅力を感じてます。 読者に一方的に、主張を吹き込むのではなく、「こんな考えもある。読んでるキミ達、どう思うよ?」っていうのが。 以上、長々と駄文でした。 |
No. 6025 | |
Re:これに比べれば山岡はんの鮎はカスや | |
紅 | 2004/11/07 11:57 |
おはようございます。 確かに小早川奈津子は例外でしょうね。(笑) キャラクター造形的な話になりますと、私は外見より内面の設定を重視しますので、あまり外見に興味が無いかもしれませんから、山岡さんに関してはそうだと思います。私。 創竜伝にしろ、銀英伝にしろ、議論が存在する作品には大体対になる思考があると思われます。 皆さんが田中芳樹の思想だと思っている竜堂兄弟と愉快な仲間達と、田中芳樹が茶化す材料としか見ていないと考えていらっしゃるかもしれない、敵勢力(牛種や四人姉妹政治家等) この二つの勢力が、思想としては逆のことを言っている(はず。私見ですが、そうでないと対立している理由が無い) そういう面から見れば 「こんな考えもある」 という観点にたどり着く事が出来るのではないでしょうか? より感情移入するか、注目されるキャラクターの主張の方が読者は無意識に受け入れると思いますし、作中の作者の思想のスタンスは、やはりそういうキャラクターに盛り込んだ方が作者も書きやすいと思うのです。 そんな訳で、私はやっぱり偶然論を推します。 キャラクターの造形は既出のようですから(笑) |
No. 6028 | |
Re:これに比べれば山岡はんの鮎はカスや | |
ぽちょむきん | 2004/11/08 21:01 |
こんばんは。 レスありがとうございます。 紅さんのおっしゃっている事、非常に正しいとは思うのですが、 最近の作品、例えば薬師寺涼子シリーズに関しては、いかがなものでしょうか?対立する思想は・・・、ございませんよね? というより、明らかにボロの出そうな敵役に対し、ヒロインが やりたい放題。そばにいる男どもはなんだかんだ言いながらも、 後についていくだけ。これって一方的ですよね? で、問題なのは田中芳樹という作家は、敵をたたきのめすのに いちいち理屈を語らしたりする訳です。その理屈に対し、 敵役がしっかりと反論するような場面がありましたか? まずは暴力に訴えようとするわけですよね。 そうすると、あまり考えない読者は「薬師寺の言ってることが 正しい。」というふうに錯覚してしまう訳です。 勧善懲悪の作品は問題ないのですが、 ただし、注目されるキャラクターに主張を語らせよう、と考えた 時点で、偶然と言えますかどうか・・。 まぁ、ここら辺は紅さんのおっしゃってる事も正しい(別の作家において、ですが)とも思ってます。方法論の話ですから。 やっかいなのは、その主張というのが変で、かつ現代日本に沿った わかりやすい批判で、さらに美男美女に語らしてしまうため、 こりゃ多感な青少年はイチコロだよなぁ、と言うことが言いたかった訳です。たかが小説、といえども「司馬史観」なんてのも この世にはありますし。無意識に受け入れないよう、色々な 小説を読みたいものだなぁ、ってところです。 紅さんのように、外見より内面の設定を重視ってところ、 大賛成ですよ! ではでは。 |
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