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No. 626 | |
餓英伝(1) | |
投稿者:新Q太郎 | 1999/1/27 04:15:59 |
ここで例によってなんの約にも立たないパロディをば。 夢枕獏風銀英伝、題して「餓英伝」。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− シンプルな艦内であった。 装飾品の類が、極端にすくないのである。 奇妙な、部屋であった。 ブリュンヒルトの司令室−−。 皇帝ラインハルトの、部屋であった。 そこには均整のとれた体に、鋭い視線をたたえた男がいた。 部屋の主、ラインハルト・フォン・ローエングラムがいた。 彫刻のような男だった。 何もかもが、美形だった。 指が、美形。 髪が、美形、 棟も足も肩も美形。 目から放たれている、眼光までが美形だった。 この男が、実戦戦争界のドンである。様々な伝説に彩られ、銀河系の戦争技の頂点に立つこの男が、ラインハルトであった。 「陛下。お呼びした彼が来ました」 ロイエンタールが声を掛けると同時に、ドアが開いた。 一見、どこにでもいそうな男であった。 美男子ではない。しかし、自分の肉体に、何か独特の気配をまとわり付かせている。 不思議な、男であった。 −−ヤン・ウェンリー。 それが、この男の名前であった。 (続く) |
No. 627 | |
餓英伝(2) | |
投稿者:新Q太郎 | 1999/1/27 04:23:27 |
「まあ、座れや、ヤン−−」 ラインハルトが、微笑しながら言った。 「聴いてるぜ、色々とな」 「何をだ」 「だから色々だよ、ビュッテンフェルトの事や、ミュラーの一件とかさ−−」 初対面のヤンに、ラインハルトはざっくばらんな口調でいった。 以前からの顔見知りであったかと、ふとそんな錯覚に陥りそうであった。 「うれしいねえ、あんたみたいな人がいてさ−−。俺はよう、久し振りに血が騒いだぜ」 皇帝が、にっと笑った。そして、周りを見渡した 「こんなごたいそうなものを造っちまってよ、王朝なんてのを持つようになっちゃお終めえだな。戦争屋じゃなくて、政治家じゃねえか。自分で造ったものに振り回されて、大好きな戦争が、できなくなっちまう−−」 「戦争が、好きですか」 「おう、好きだよ。派手な戦争も地味な戦争もみな好きだ。多くて強大な敵軍をぶちのめした時なんざたまらねえな。あんただってそうだろう?」 「好きです」 ヤンの口から、ほろりと出ていた。 「その好きな戦争がよ、最近はやり難くなっちまってなあ−−これだけ所帯がでかくなっちまうとよ」 「ところでよ、あんた、帰ったあとで、俺を怒らせるような発言はしねえだろうな」 「怒らせる?」 「例えば、帝国に勝ったとか、帝国は弱いだとかさ。ビッテンフェルトやミュラー程度に勝っただけで、そう言われちゃあ困るんだよ」 「しないよ。ただ、ひとつ訊かせて貰えるかい」 「ほう、なんだい」 「誰に勝てば、帝国に勝ったと言っていいんだい?」 「いい質問だ」 皇帝は答え、ぽん、と自分の胸を叩いた。 「この、ラインハルトにさ−−−」 言った。 P.S−−そして、800万人死にましたとさ(笑)。 −−−−−−−−−−−−−−−−−− 「解題」 今回、あまり一般的な知名度があるかどうかに関わらず「餓狼伝」のパロディなんかを書いてしかもノッた(笑)のはもちろん趣味なのだが、それ以外にもノン・イデオロギーで男たちが闘う(だけの)痛快娯楽小説と「銀英伝」にも、かなり共通した面がある、ということを証明したかったということもある。 同じだからといっても、勿論何にも悪くないのだがなんつうか、闘うことのエンターテイメント性、を自覚しつつこういう物語は作るべきであろう、という事です。 |
No. 667 | |
どもですー。 | |
投稿者:伏待 充 | 1999/2/01 07:24:55 |
>餓英伝 さいこー(><)/(笑) 黒い背景に銀色のイセルローンが浮かんでいる。 そのまわりに無数の艦影が列をなしていた。 帝国軍である。 巨大な戦艦の一群が、さらに巨大なイゼルローンにむかって主砲を撃っている。 イゼルローンの複合装甲が、 みしみし。 みしみし。 言うが、イゼルローンは揺るがない。 イゼルローンの一部分が光った。 光はどんどん大きくなる。 まだ大きくなる。 さらに大きくなる。 トールハンマーの発射である。 イゼルローンはトールハンマーを、 撃った。 撃った。 撃った。 さらに撃った。 では(笑) |
No. 636 | |
新Q太郎さんごめんなさい | |
S.K | 2001/02/17(Sat) 14:53 |
前に新Q太郎さんの餓英伝がありましたが一寸便乗させていただきます。 決戦直前、ロイエンタールの恭順を促すべく必死に説得するミッターマイヤー。 ロイエンタール「……これでは泣けない」 ミッターマイヤー「?」 ロイエンタール「友情がある。忠誠がある。しかし……陵辱がないでしょ ッッッ!!」 トリスタンを皮切りに新領土艦隊一斉放火。 ロイエンタール「さあッ、私から野心を奪い陵辱するのです!!」 会戦後、新領土総督府にて ミッターマイヤー「何とか言ってくれェェッ、ロイエンタールッ!」 ロイエンタール「ウォルフ、君の手が暖かい」 ロイエンタール絶命。 お目汚し、失礼いたしました。 |
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