田中作品感想集
1−A

悪害の少ない現代物小説について(1)

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コンテンツの総収録投稿数9件の内、1〜6件目の投稿を掲載

収録投稿1件目
board1 - No.336

明日にでも更新します

投稿者:本ページ管理人
1998年12月06日(日) 05時20分

 今、図書館からまだ読んでいない田中芳樹の本を借りてきて、読んでいるところなのですが、興味深いのが、銀英伝以前の作品がメインになった短編集「夜への旅立ち」に収録されている「冬木涼平シリーズ」。
 オビやカバーには、この作品が創竜伝の原型というので興味深く読んでみたのですが、これが、創竜伝よりもずっと健全で、ずっと真摯で、ずっと面白い。田中氏が明らかに退化&堕落していることが目に見えて判りましたね。
 創竜伝の、あの評論じみた文章は片鱗も見せないし、ストーリーや設定も、ずっと考えられていて、創竜伝のような病的な楽天性がないのがいい感じです(創竜伝の主人公のように絶対無欠ではなく「火に弱い」というウィークポイントがあるのが深みがあって面白いし、敵も超人である主人公に勝てないと見るや、友人や家族を標的にしだしたりして、創竜伝のようにおバカではない。そのおかげで、主人公が立場や日常生活を棄てて放浪せざるを得ないなど、とても創竜伝からは考えられないようなストーリー展開は、のっぺりした創竜伝とはくらべものにならない)。未完というのが、つくづく惜しい。作品を未完では終わらせないという強迫観念はこっちに持ってきて欲しいものです。

 あとがきに書いてあるのですが、あとがきの著者南里氏が「冬木シリーズ」の続編を促したところ、「あれはねぇ、主人公が真面目すぎて書きづらいんですよ」と田中氏は未完で終わらせた理由を述べたそうです。
 なるほど。「書きやすい」創竜伝がああいうカタチになったのは、そういうことだったんですね。

 確かに、この冬木シリーズも思想的には創竜伝と同じですが(まあ、当然)、あの得体の知れない評論が無いだけでここまで印象が違うものかと驚きましたよ。これなら、小説の中のことと、認めることが出来ます。思想の立場は違っても、それなりの敬意は保つことが出来る。こんなページをアップすることもなかったでしょうね。

収録投稿2件目
board1 - No.337

冬木涼平シリーズ

投稿者:とっちゃんぼうや
1998年12月06日(日) 19時17分

いやー、おもしろい。ぼくにとっては冬木涼平シリーズはつまらなくてどうしようもない作品で、やはり初期は初期だなぁ、なんて思っていたくらい。そこんところがずれかも。という意味でおもしろい。

だいたい冬木シリーズってどれもこれも(設定も登場人物の口癖も描写も)手垢のついたものばっかりなのでね〜。ぼくは田中はまぎれもなく成長していたと思うのだ。1995年以降はどうだかちとあやしいんだが。どれもこれもなんだかそそられなくて読んでいない。『クラン』とか『東京ナイトメア』とかね。

収録投稿3件目
board1 - No.339

>No. 337

投稿者:本ページ管理人
1998年12月07日(月) 06時25分

>そこんところがずれかも。という意味でおもしろい。

たしかに。このへんについては、いろいろな人の意見や感想を聞いてみたいです。

>だいたい冬木シリーズってどれもこれも(設定も登場人物の口癖も描写も)手垢のついたものばっかりなのでね〜。

 読んだことがないので判らないのですが、「ウルフガイ」のコピーというやつですか?
 まあ、多分オリジナルに敵わない類のコピーそうだから、以降の作品でオリジナリティが確立されただけ>ぼくは田中はまぎれもなく成長していたと思うのだ のかも知れないですね(判ってませんが<m(__)m>)

 でも、私は物語に書ける姿勢というか、職業意識に於いて、現在の彼は絶対堕落していると思うのです。

収録投稿4件目
board2 - No.15

はじめまして

投稿者:Seaple
1999年10月06日(水) 03時15分

はじめまして、ここ面白い議論が盛りだくさんで少しずつですが楽しみに読ませて頂いております。
みなさん創竜伝の話で盛り上がっているようですが、その他の作品についてはどのようにお考えでしょうか?
田中氏の作品には確かに読んでいて妙な拒絶感をおぼえる描写や論評(もどき)が多く見られますけど、こういった物はどちらかといえば現代日本を舞台にした作品で多くみられます。
正直いいまして、現代日本を舞台にした田中作品はどれもこれも面白いと思った物は一つもありません
 私が最近(でもないけど)、面白いと思う作品は「タイタニア」「7都市物語」です。これらの2作では出てくる登場人物はみんな間違ってもきれい事など言いそうにないひねくれ者ばかりです。田中氏も趣味に走った政治論評や、自分の趣向を押さえて、プロに徹すれば実に幅広い人物像が描けるのに、最近はなんだか締め切り守っていないようですし、話も自分の趣向に手綱を付けていないように感じます。
あまりにも作品が売れすぎて、プロとして「稼ぐ」必要がなくなってしまったため、他人を楽しませる作品ではなく、自分を楽しませる作品を書いているだけになってしまったのでしょうか・・・

収録投稿5件目
board2 - No.19

Re: はじめまして

投稿者:本ページ管理人
1999年10月07日(木) 01時11分

> はじめまして、ここ面白い議論が盛りだくさんで少しずつですが楽しみに読ませて頂いております。

はじめまして。よろしくお願いします。

> みなさん創竜伝の話で盛り上がっているようですが、その他の作品についてはどのようにお考えでしょうか?
> 正直いいまして、現代日本を舞台にした田中作品はどれもこれも面白いと思った物は一つもありません

 私の場合は「晴れた空から突然に」などは結構読めると思いますが、確かに氏の現代物は良いものでも「そこそこ読める」というレベルのものだと思います。現代物の傑作が読みたいという人に勧められる作品は皆無ですね(逆に駄作が読みたいという人に勧められる作品は……)。
 これは宣和堂さん(リンク集参照。この掲示板にもよくいらっしゃいます)が指摘されているように、妖怪か戦争が出てこないとハナシが
書けないという田中氏の作風によるものでしょうし、また、氏のキャラクターの劇がかった言動が我々に身近な現実世界を舞台にすると浮いてしまうのかも知れません。

収録投稿6件目
board2 - No.27

そうですか?

投稿者:ドロ改
1999年10月08日(金) 01時25分

> > 正直いいまして、現代日本を舞台にした田中作品はどれもこれも面白いと思った物は一つもありません
>
>  私の場合は「晴れた空から突然に」などは結構読めると思いますが、確かに氏の現代物は良いものでも「そこそこ読める」というレベルのものだと思います。

私は、結構好きな作品があるんですけど。
「ウェディングドレスに…」はノベルらしい読み流せる軽い読み物として、よくできていたと思いますし、何より「夏の魔術」は傑作だと思います。雰囲気・情景描写の上手さとグリーングリーンの歌を上手く使って、暗と明を対比させる描写力に感動した憶えがあります。
銀英伝の10巻を読んだときよりも、強く「続きが読みたい!」と思いました。
でも、2巻でパワーダウンしたな、と思っていたら3巻があの出来…四季はあと一つ残っているわけですが、はっきり言ってあまり読みたいとは思えない所が、何とも言えません。本当は凄く期待したいんですけど。白い迷宮の時は、発売予定日を追いかけて、本屋に日参したものなのに…
ま、それはともかくアレは絶対にいいものだと思います。(でもひょっとして、アレは「現代日本」にはなりませんか?話の99%は異世界で展開しますし)

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