銀英伝のエンターテイメント性
1−A

銀英伝元ネタ集(1)

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コンテンツの総収録投稿数56件の内、1〜11件目の投稿を掲載

収録投稿1件目
board1 - No.125

銀英伝から創竜伝へ

投稿者:不沈戦艦
1998年11月13日(金) 12時55分

 色々な人の意見を見てみると、「銀英伝はともかく創竜伝は・・・」って人、結構多いみたいですね。なるほど、確かに銀英伝は創竜伝のように露骨に作者の思想が反映されている訳ではなく、「物語」を優先して書かれていると思います。でも、銀英伝の中にも、創竜伝に至った田中芳樹の思考過程が結構現れていますよ。

@アーレ・ハイネセンの「長征一万光年」・・これの出所は、瑞金から延安まで一万キロを逃げ回った中国共産党の「大長征」です。小村損三郎氏が、創竜伝で竜堂続に「毛主席」と敬称付きで呼ばせてた、と言っていますけどアーレ・ハイネセンは銀英伝の中では善玉役。それに中国共産党のエピソードを付け加えるんですから、田中芳樹の中では中共は「善玉」なのでしょう。

Aゴールデンバウム王朝は、仏独の混成・・誰が見てもそうですよね。貴族たちの名前はプロイセンのユンカー(プロイセンのユンカーは貧乏で「喰うために軍人になる」者が多かったんですが)のものですが、華やかな宮廷はルイ王朝のもの。そういえば、アニメの「リップシュタット盟約」のシーンが、ベルばらの「テニスコートの誓い」のシーンのパクリで笑ったのを憶えています。

Bローエングラム新王朝は中華帝国・・皇帝親政の独裁国家で、貴族抜きに官僚群が支える体制はまるっきり昔の(今でも実はそうは変わっていないが)中国そのもの。易姓革命を皇帝自らが肯定しているし。

C自由惑星同盟は日米の混成・・誰が見てもこの国は「アメリカ」の印象でしょう。でも、政治家のレベルはほとんどが後に創竜伝で嘲っている日本のものではありませんか。自由を求めて牢獄から逃げだして連中によって建国されたのが同盟なのに、あのように情けないレベルの国家に成り果てることが本当にあるんでしょうか。現実のアメリカを見ていると(ま、かなり独善のきらいはありますが)とてもそうは思えないんだけど。

D作者の思想を一番代弁しているヤンは中国系・・ま、これについては異論のある方は先ずいないんじゃありませんか?すなわち「中国=善」の構図です。創竜伝でもよく使っていますよね。悪役の中国人はほとんどいないんだから。みんな主人公たちに好意を持っている善玉役ばかりです。

これらを踏まえて、ローエングラム王朝がゴールデンバウム王朝を滅ぼし、自由惑星同盟を滅ぼす、という構図は結局中国が仏独・日米を滅ぼす、ということを言いたいのでしょう。「何が何でも中国が正義」の田中芳樹の思想は、創竜伝以前にとっくに銀英伝で描かれているんですよ。ま、創竜伝程ひどくはないですけど。あ、最後に言っておきますけど、別に銀英伝の物語性を否定しているんじゃありませんよ。銀英伝の中にも作者が創竜伝へたどり着くに至った過程がかなりありますよ、というだけの話です。

収録投稿2件目
board1 - No.128

不沈戦艦さんへ

投稿者:浅識
1998年11月13日(金) 17時31分

>125・不沈戦艦さん

Aについて。
ご存じないようなので、教えてさしあげますが、あのアニメのリップシュタット盟約の場面の元となっている絵はダヴィッドの「球戯場の誓い」という、世界史の教科書にも載っている有名な絵で池田理代子先生による『ベルサイユのバラ』の場面も(読者が当然にそれと知っていることを前提とした)模写です。
だいたい、田中芳樹氏を批判されるのに、氏の作品でもないアニメの一場面をあげつらって、どうこういうのは妙ではありませんか?かつて、田中芳樹氏が『ベルバラ』に感銘を受けたということを踏まえての書き込みだったのかもしれませんが、何の意味があるというのです?

その他の内容も、田中氏の著作から無理矢理に自分の論理に都合のいい部分を寄せ集め、自分の偏った知識に結び付けて、結論を導いているように思えます。不公平な書き方だとは思いませんか?< 多分、誰か「それは田中芳樹も同じだ」とでも反論するに違いないな。

少々、気になったので書き込ませて頂きました。

収録投稿3件目
board1 - No.129

浅識さんへ

投稿者:不沈戦艦
1998年11月13日(金) 18時54分

>128・浅識さん

 はあ、そうですか。それは知りませんでした。ご教示ありがとうございます。ところで、「田中芳樹氏を批判されるのに、氏の作品でもないアニメの一場面をあげつらって・・・」とありますが、それ、私の125の論旨に関係ありますか?本筋に関係ないエピソードとして書いたんですが。田中芳樹が自分自身でアニメを作った訳じゃないのは当たり前です。まあ、「ああ、アニメの制作を行った人たちも、原作を読んでルイ王朝をイメージしたのかな?」という程度の話ですよ。「パクリで笑った」というのは田中芳樹に向けたものではありません。「田中芳樹が自分自身でアニメの監督などを行った訳ではない」くらい、ここに書き込みに来ている人にとっては当然の前提でしょ。アニメ制作の関係者に向けたものだったんですが。それが何か?

 また、「田中氏の著作から無理矢理に自分の論理に都合のいい部分を寄せ集め、自分の偏った知識に結び付け」とおっしゃってるようですけど、具体的にどこがですか?「ここが違う、出典はこれだ」「いや、ここは作者のオリジナル」とでも指摘しなければ、何だか解りませんよ。あなたは単に「田中芳樹が批判されている」って事が気に入らないだけなのじゃありませんか。「無理矢理に結び付け」とあなたが感じたのはどこの部分でしょうか。例えば@の「長征一万光年」と「大長征・一万キロ」。田中芳樹がこれを知らずに書いた、と言われても、ちょっと眉唾だと思いませんか。彼はそこまで無知なのでしょうか。他の部分でも異論があるのなら、具体的にあげられたら良いと思いますが。そうでないと私も反論のしようがありませんよ。

収録投稿4件目
board1 - No.144

Re>浅識さんへ

投稿者:浅識
1998年11月16日(月) 15時00分

RE>125の部分

@アーレ・ハイネセンの「長征一万光年」・・これの出所は、瑞金から延安まで一万キロを逃げ回った中国共産党の「大長征」です。小村損三郎氏が、創竜伝で竜堂続に「毛主席」と敬称付きで呼ばせてた、と言っていますけどアーレ・ハイネセンは銀英伝の中では善玉役。それに中国共産党のエピソードを付け加えるんですから、田中芳樹の中では中共は「善玉」なのでしょう。

 たしかに、「長征一万光年」部分のモデルは中共の「大長征」でしょうね。毛沢東に周恩来がいたように、ハイネセンにグエン・キム・ホアをつけたのもその影響でしょう。それはいいのです。
 が、ハイネセンが「善玉」として書かれていたということと、田中芳樹氏が中国共産党を「善玉」とみなしていたということを結び付けることには無理がないでしょうか?
 これについては、『銀英伝』におけるある人物・事柄を描写する時の田中氏の作風が、多くの場合、複数のモデルを求めている点を踏まえるべきです。
 少なくとも、ハイネセンは「共産主義」ではなく「民主主義」を体言する人物としてえがかれていたはずです。このように、田中氏の作品(この場合、『銀英伝』に限る)中のある人物(この場合)の業績、人格(思想含む)は別個のものとみなすべきです。

 『創竜伝』で続が“毛「主席」”と敬称付きで呼んだことの説明ですが、これは単に、作品中の、ある程度公の場面では、権力者には敬称をつけて呼ぶという、田中氏の作品の慣行に従っているだけのはずで、深い意味はないはずです。

>Aゴールデンバウム王朝は、仏独の混成・・誰が見てもそうですよね。貴族たちの名前はプロイセンのユンカー(プロイセンのユンカーは貧乏で「喰うために軍人になる」者が多かったんですが)のものですが、華やかな宮廷はルイ王朝のもの。

 前半部はともかく、「華やかな宮廷」=「ルイ王朝」というのは短絡的すぎませんか?
 たしかに、大貴族の放蕩、ノイエ=サン・スーシなどをブルボン朝中末期をモデルとした、ととらえるのは結構として、映像化されたアニメを見ればますますそう思えることでしょうが、それをもって「仏独の混成」と書いてしまって、いいものでしょうか?

 たとえば、
・壮麗な宮殿
・強力な始祖が成立させた帝国を食いつぶしていき、末期の皇帝は傀儡同然
・絶対的防壁によって外敵の侵攻に対処
 などといった要素から見れば、「ゴールデンバウム朝=中国」とさえ考えることは可能です。どうとでも考えられることを、一元的に考えているように感じられます。このあたりの比較はなさいましたか?

>Bローエングラム新王朝は中華帝国・・皇帝親政の独裁国家で、貴族抜きに官僚群が支える体制はまるっきり昔の(今でも実はそうは変わっていないが)中国そのもの。易姓革命を皇帝自らが肯定しているし。

 「皇帝親政・貴族抜きに官僚が支える」という体制は、何も中国の専売特許ではありません。
 たとえば、不沈戦艦さんがAで述べたルイ王朝のルイ14世などは中華帝国の皇帝でしたか? 他にも、「中国以外」ということなら、例証を求められるはずです。
 作者の嗜好を考えれば、中国的要素が入るのは当然としても、ローエングラム朝=中国」として、書かれていたかは賛同しかねます。

>これらを踏まえて、ローエングラム王朝がゴールデンバウム王朝を滅ぼし、自由惑星同盟を滅ぼす、という構図は結局中国が仏独・日米を滅ぼす、ということを言いたいのでしょう。

 上記の通り、前提部分に疑問があるのです。 ですから、この結論部は「結局」以下が強引に思えます。

 Cの、「自由惑星同盟=日米」という考え方はともかく、結論部のそれを中国であるローエングラム朝が倒すという構図に意味を見出して書かれていたもの、としている点はどうでしょう。作者はそんなことを考えて書いたのでしょうか?

#なお、Dについては賛同します。

RE>129

>あなたは単に「田中芳樹が批判されている」って事が気に入らないだけなのじゃありませんか。

 そのとおり。よくわかりましたね。
 田中芳樹氏が批判に値しないとは思いませんけど、本人に見えないところでやるのはどうかと思いますよ。手紙でも出したらいかがです?

収録投稿5件目
board1 - No.145

見えないところ

投稿者:ほつま
1998年11月16日(月) 19時36分

こんにちわ、浅識さん。

>田中芳樹氏が批判に値しないとは思いませんけど、
>本人に見えないところでやるのはどうかと思いますよ。
>手紙でも出したらいかがです?

んーと、これはサイコなファンとして処理されるだけで、
あまり意味はないと思います。
ていうか、ゴミ箱にまるめてポイ、でしょ。ふつう。
今までにも批判文は届いてると思うし。

むしろ、公開の場で論争して、そのURLを伝える、
という形の方がスマートだと思います。
このサイトはReadMe!でもかなり上位にあがっていますし、
そのうち、ご本人にも伝わるのではないでしょうか。

収録投稿6件目
board1 - No.147

RESです

投稿者:本ページ管理人
1998年11月16日(月) 22時43分

> 田中芳樹氏が批判に値しないとは思いませんけど、本人に見えないところでやるのはどうかと思いますよ。手紙でも出したらいかがです?

 この一文に関しては、不沈戦艦さんではなく管理人である私への言葉だと思うのですが、私の見解に関しては、私自身が考えをまとめている間に、ほつまさんが私の考えを完全に代弁してくれてますね(びっくり)。ほつまさん、ありがとうございました。
 ところで、私はこのようなアンチのページで、田中芳樹派の立場から冷静な議論をされる浅識さんに敬意を払っています。

収録投稿7件目
board1 - No.148

「毛主席」について

投稿者:小村損三郎
1998年11月16日(月) 22時55分

浅識さん、こんにちは。

> 『創竜伝』で続が“毛「主席」”と敬称付きで呼んだことの説明ですが、これは単に、作品中の、ある程度公の場面では、権力者には敬称をつけて呼ぶという、田中氏の作品の慣行に従っているだけのはずで、深い意味はないはずです。

竜堂続に「毛主席」と呼ばせていた、と指摘したのは私ですのでちょっと一言。

確かに小渕総理、とか江沢民主席、とか今その地位にいる人を肩書付きで呼ぶ分には違和感は感じないんですが、毛沢東は既に故人、というか歴史上の人物ですよね。それに対してわざわざ敬称付きで呼ぶのは何か妙、というか。
そりゃ、歴史上の人物でも日本人が慣習的に「ケネディ大統領」とか「マッカーサー元帥」と呼んじゃう人もいますが、慣習で「毛主席」と呼ぶ日本人はあまり多くないと思う(笑)。
まして文化大革命で多数の中国人民を塗炭の苦しみに追いやったことについては批判も多い人物ですし。そういう人を敬称付きで呼ばせるのはやはり抜き難いシンパシーがあるのかな、と感じてしまった訳です。
まあ、管理人さんの書いてらっしゃる通り、氏の世代を考えればある程度当然かもしれませんが。

収録投稿8件目
board1 - No.151

浅識氏への返事

投稿者:不沈戦艦
1998年11月17日(火) 17時47分

@長征一万光年と大長征
ここから取った、という事実認定としては異論はないようです。問題は、「田中芳樹氏が中国共産党を『善玉』とみなしていたということを結びつけるのは無理がないでしょうか?」、という部分だけですね。複数のモデルから組み立てたものなのだから、一部分だけを取り出し、しかも作中の人物のエピソードに過ぎないものだから作者の思想とは関係ない、ということが言いたいのだと思います。まあ、あなたの考えはそれでいいでしょうけど、私の考えはそれとは違います。民主主義を体現している人物の描写に、敢えて共産主義のエピソードを使うという事は、作者自身がある程度は共産主義に共感を持っているからではないでしょうか。天使を讃える描写に悪魔の服を使うのは、よっぽどのひねくれ者でもない限りあるとは思えません。すなわち、作者は「悪魔の服」ではなく「天使の服」だと思っている、ということではないでしょうか。毛主席云々については、小村氏が言っておられるので書く必要はないでしょう。

A華やかな宮廷はルイ王朝か?
それでは、「華やかな宮廷」でルイ王朝以外に何か別のものを思い浮かべますか?それこそベルばらの刷り込みかも知れませんが、一般的にはそれ以外思い浮かべないと思うんですけど。少なくとも私はそうでした。あなたは何か別のものを考えましたか?また、ゴールデンバウム朝=中国とは面白い解釈ですが、古代はともかく、中華帝国に皇帝を取り巻く貴族はいましたか?士大夫階級はいましたけど、これは科挙が決めるものです。この一点で決定的に違うと思いますけど。まあ、あなたがそう解釈したいのなら、それはそれでいいんじゃありませんか。

Bローエングラム新王朝は中華帝国か?
前に何かで読みましたけど、ラインハルトとヒルダの問答は、中国の王だったか皇帝だったかとその臣下の問答そのまま、だそうでした。ルイ14世の件に関しては詳しくないのですが、そうなんですか?でも、田中芳樹がルイ14世をイメージしていたとは到底思えませんけど。何か他に「中国ではない」と言えるだけの材料がありますかな。ラインハルトの治世なるものは、どっちかってーと理想化された古代中国の王朝を思い出させると思いますけど。

C自由惑星同盟は日米か?また、田中芳樹は中国が日米を打倒する物語を書きたかったのだろうか?
これに関しては、事実認定に関してはそれほど異論はないという事ですね。それより、「中国が日米を打倒する物語」か否かという点だけでしょう。私は、田中芳樹がそう意図したというより、無意識に書いていたら結果的にそうなった、というのが実際のところだと思いますけど。これは、全ての設問に関してもそうです。銀英伝は創竜伝とは違って、「物語」です。それを書く上で、色々話を構成していったら、無意識に作者が「善い」と思っているエピソードは善玉側に、「悪い」と思っているエピソードは悪玉側に出てしまった、ということでしょう。何も私は田中芳樹に何か悪意があって銀英伝を書いた、と言っている訳じゃありませんよ。ただチラホラ現れた点を集めていくと、創竜伝への道が見えてきますよ、と言っているだけです。あなたには「あら探し」と思えたのでしょうけど。

Dこれは異論が無いそうなので割愛します。

最後の「本人に見えないところでやるのはどうかと思いますよ。手紙でも出したらいかがです?」に関しては、他の方が回答されていますが、私も手紙を出しても無駄だと思います。2〜3行読んで「くだらん右翼め」とでも呟かれながら、丸めて屑籠へポイ!てなところでしょう。ヤンではないですが、紙だって大切な資源です。アホらしくてやる気がしません。かえって、インターネットで議論している方が、本人に届く可能性が高いのではないでしょうか。「本人のいないところで悪口を言って鬱憤晴らし」というつもりは全然ありません。むしろ、ご本人に読んでもらいたい、と思っていますけど。

収録投稿9件目
board1 - No.155

Re>浅識氏への返事

投稿者:浅識
1998年11月18日(水) 13時15分

 まず、前回の書き込みに改行ミス、誤字などがあり、大変読みづらいものとしてしまった点に関しお詫びいたします。文章のまずさのほうは、どうしようもないので、あらかじめ御容赦ください。

@
>民主主義を体現している人物の描写に、敢えて共産主義のエピソードを使うという事は、作者自身がある程度は共産主義に共感を持っているからではないでしょうか。

 これは単に作品に取り入れるエピソードとして面白かったからではないかと思いますが、こうなると、作者自身に聞かねばわかりませんね。

A
>「華やかな宮廷」でルイ王朝以外に何か別のものを思い浮かべますか?

 たしかに、『銀英伝』中の「華やかな宮廷」をイメージする場合、『ベルばら』よろしく考えてかまわないでしょう。
 しかし、それは作品全体からいえば、装飾的な一要素に過ぎず、作者がより重視したのは、むしろ「ゴールデンバウム朝の盛衰」という流れの部分ではないか、と考えたのです。
 「華やかな宮廷」が「盛」の部分の飾りに過ぎない、と考えた場合、従属物にすぎないフランス的要素を主体であるかのように考える考え方は全面肯定しかねるのです。

>ゴールデンバウム朝=中国とは面白い解釈ですが

 ありがとうございます。

>古代はともかく、中華帝国に皇帝を取り巻く貴族はいましたか?士大夫階級はいましたけど、これは科挙が決めるものです。

 これについては、上記の「華やかな宮廷」部分が返答になっていると思いますが、ここでは作品中のゴールデンバウム朝の大貴族が華やかである点よりも、堕落した大貴族が王朝の滅亡の一要因となった点を重視したく思います。として、「貴族」という名詞を「宦官」とでも言い換えるとどうでしょう。
 不沈戦艦さんは科挙の開始後を「中華帝国」てし、問題としておられるようなので、西暦7世紀(隋代)以降に限定するとしても、この要素を抜きにした場合、明代などはどうなるでしょう。

 なお、この場合、世襲であるかという点は枝葉のように思われます。

>あなたがそう解釈したいのなら、それはそれでいいんじゃありませんか。

 私は、こういう考え方もできるはず、と一例をあげてみただけで、さらに別の考え方もとりうるはずです。

B
>ラインハルトとヒルダの問答は、中国の王だったか皇帝だったかとその臣下の問答そのまま、だそうでした。

 ということから、「ローエングラム朝=中国」との考え方を導くのはさすがに無理があるのでは? そういうことなら、「大長征」をおこなった「同盟=中国」と考えているわけですか?

>田中芳樹がルイ14世をイメージしていたとは到底思えませんけど。

 ルイ14世についてですが、これは逆に、まるでイメージしなかった、とは考えられないような気がします。そこまで作者は無知なのでしょうか?
 『銀英伝』中で、権力を握った後のラインハルトが開明派のリヒター(財務尚書に任じた)、ブラッケ(同じく民政尚書)らを登用し、後、ブラッケがラインハルトの親征による戦費の増大について不満を持つ、というエピソードは、親政開始後のルイ14世が平民出身のコルベールを財務大臣に任じ(これより後フランス財政は潤います)、後、それを戦費に蕩尽した、というエピソードを踏まえてのものと思いましたが。

 念のため、ルイ14世で駄目なら、たとえばフランスの第一帝政ならどうです? 作者自身、ラインハルトのモデルの一人にナポレオン(1世)をあげていますし、これは単にアスターテ会戦の各個撃破の材をナポレオンから取った、という一点のみを言っているわけではないと思いますが、軍部主導という側面の強さ、前王朝に比しての貴族色の薄さ、という点において、第一帝政時のフランスと勃興時のローエングラム朝はよく似ています。

 「中国以外」と言いつつ、なぜだか、続けてフランスからの例になりましたが、だから「ローエングラム朝=フランスそのもの」だ、などと書く気は、私には毛頭ありません。

>何か他に「中国ではない」と言えるだけの材料がありますかな。

 「中国ではない」とはいえません。ただ、だからといって「中国である」といえるとも思えないのです。

C
>色々話を構成していったら、無意識に作者が「善い」と思っているエピソードは善玉側に、「悪い」と思っているエピソードは悪玉側に出てしまった、ということでしょう。

 無意識に作者の思想があらわれたとするなら、具体的な証明が欲しいですね。
 それに、「善い」「悪い」もあるエピソードに対する作者の価値判断について、明瞭に知っていなければいけないでしょう。少なくとも、私は各歴史的エピソードに関する作者自身による感想を知りません。

>ただチラホラ現れた点を集めていくと、創竜伝への道が見えてきますよ

 もちろん、その趣旨はわきまえていますし、そういう見方もできるな、と思い、わりと興味深くはありました。

>私も手紙を出しても無駄だと思います。2〜3行読んで「くだらん右翼め」とでも呟かれながら、丸めて屑籠へポイ!てなところでしょう。てなところでしょう。ヤンではないですが、紙だって大切な資源です。アホらしくてやる気がしません。
>インターネットで議論している方が、本人に届く可能性が高いのではないでしょうか。「本人のいないところで悪口を言って鬱憤晴らし」というつもりは全然ありません。むしろ、ご本人に読んでもらいたい、と思っていますけど。

 2〜3行もあれば、インターネット上で作品についての議論があることを田中芳樹氏に教えてさしあげることができるでしょうね。紙も無駄にならず、ネット上の意見も読んでもらえ、結構なのではありませんか?

収録投稿10件目
board1 - No.160

浅識氏へ、まとめ

投稿者:不沈戦艦
1998年11月19日(木) 12時50分

 先ずはお礼申し上げておきます。最初はお互い多少感情的になっていた部分もありましたが、途中からは逆の立場からの冷静な論争になって、大変有意義だったと思います。誰かが反論する事を期待して書いたものでは無かったのですが、結果的には良い論争になったようです。

@民主主義を体現している人物に共産主義のエピソード
 私は作者が共産主義に共感する部分があると思った。浅識氏は単にエピソードとして面白いから採用したと思った。実際のところは作者の胸の内だから、誰にも解らない。こんなところでしょうか。

A華やかな宮廷は
 私はルイ王朝をイメージしていると思った。浅識氏もそれにはあまり異存がある訳ではない。ただ、一部分だけで全体を見るのはいかが、という事。従属物なのだから。まあ、私も一部を全体に拡張して解釈し、「だから田中芳樹は悪」と言うつもりはありません。前にも書いた通り、無意識でチョコチョコ出ちゃったんじゃないかな?というだけの話です。また、世襲であるかどうかというのは、私はかなり重要な要素だと思ったのですが、浅識氏はそうは思わない。解釈の違いということでした。

Bローエングラム王朝=中国?
 これに関しては、浅識氏の言う事に一理あります。ナポレオンのエピソードやルイ14世のエピソードは寡聞にして知りませんでした。ご教示ありがとうございます。私は皇帝親政の独裁国家、という事で中国のつもりかな?と思ったんですが、違う要素もかなりあると理解しました。

C善い、悪いの作者の価値判断は
 まあこれは何とも言えませんね。私にも解りません。あくまで私の印象ですから、証明するのは困難です。「創竜伝への道も見えてくる」件に関しては、一応拙文の論旨はそこなので、ご理解いただけて良かったと思います。

 最後の、作者に手紙を出す件に関しては、膨大な量(どれくらい来るのかは知りませんが、人気はあるのだから多いのでしょう)のファンレターに埋まってしまうのではないかな?とも思っておりますので、今のところ出す気はありません。浅識氏へのレスは、以上で締めたいと思いますがよろしいでしょうか。

収録投稿11件目
board1 - No.162

不沈戦艦さん×浅識さん論争の感想

投稿者:本ページ管理人
1998年11月19日(木) 17時19分

 一観客の立場からお二人の論争を興味深く読ませていただいてました。
 まさに掲示板を作った冥利に尽きるというもので、お二人には感謝したいと思います。

 さて、いよいよまとめに入ったようなので、今更、しかも横から失礼ですが、私の感想を述べさせてもらいたいと思います。

>@民主主義を体現している人物に共産主義のエピソード
> 私は作者が共産主義に共感する部分があると思った。浅識氏は単にエピソードとして面白いから採用したと思った。

 私は、不沈戦艦さん浅識さん双方とも的を得ていると思います。まず、共産主義が民主主義の原理主義的(しかも相当な過激派)思想であることがありますね。ゆえに、かつて、戦後民主主義の影響をダイレクトに受けた団塊の世代が全共闘に走ったように、田中氏が毛沢東(中共)に共感があったとしても別段不思議ではないような気がします。
 同時に、もしそのような影響があったとして(はっきり言って仮定ですね)、田中氏が意識してそのようなことを書いているとは思えません。おそらく、エピソードとしての採用でしょうね。

>A華やかな宮廷は
>Bローエングラム王朝=中国?

 銀英伝に不沈戦艦さんのようなツッコミをしてしまうと、際限なく解釈が広がってしまう気がします。
>これは単にアスターテ会戦の各個撃破の材をナポレオンから取った
と浅識さんも仰っていますが、銀英伝の戦闘シーンなどはあざといくらいにモデルが存在しますからね。私は、結構、この、ごった煮テイストが好きなのですが。
 ちなみに(全然余談ですが)、憂国騎士団というのは、ハヤカワの外国物のデスマーチャント(死の商人)シリーズに「憂国騎士団の陰謀」という作品があり、それから名前を取ったようです。中身は、銀英伝の憂国騎士団とは関係なかった気がします(途中で読むのを止めた<というような作品でした)。こういうこともあるのでは?

>C善い、悪いの作者の価値判断は

 ただ、ヤンやヤンファミリーを見ると、民主政体に対する懐疑があっても民主主義には共感しているようですからね(これなどは創竜伝に繋がっていると思う。つまり、今の政治は嫌いだけど、将来現れるかも知れない理想の民主政治には憧れている)。最終的には易姓革命よりも民主主義を選んだのではないでしょうか。

>最後の、作者に手紙を出す件
 これに関しては私にも関わってくると思うのですが、とりあえず公開していくことでアピールしていきたいと思います。このページはリンクもオフで知らせることも全然OKですので、知らせたい方はお知らせして構いません。

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