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銀英伝考察3
銀英伝の戦争概念を覆す「要塞」の脅威
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No. 6478
氷塊攻撃、ハイネセンを餌に衛星を破壊?!
パンツァー 2005/05/19 23:13
なんというか、非常に面白いというか極端な解釈が多いので驚かされますね。
例えば、私がこの議論を放棄してしまったら、どうにかなるのでしょうか。
はっきりいって、他の議論に影響がでないのなら、別に私としても時間を割いて拘る必要性もないのです。
例えば、今回の議論の大本は、平松重之さんの展開された質量弾攻撃に関する話が元ですが、こちらの方は、有人誘導式の質量弾攻撃に対する有効性は、否定されておりませんので、アルテミスの首飾りを破壊した氷塊の話がどうなろうと、影響を受けるものではありません。
ぴぃさんの方で、そもそも議論の意図は、どこにあるのでしょうか?

>  まず、確認したいことがあります。
>  私の主張に対するパンツァーさんの反論を分類すると、(i)氷塊攻撃は回避不能である[6399]、(ii)ハイネセンへの突入コースであるとすると作中と矛盾する[6399]、(iii)衝突時に生じる破片の問題性[6401]、(iv)氷塊を衛星に命中させる技術は存在する[6401]であると認識しています。これでよろしいでしょうか?

だいたい、以上のような趣旨でよいと思います。


(1)氷塊の破片の問題

>  その上で、パンツァーさんに質問したいことがあります。ハイネセンの重力圏下に配置されている「人工衛星」とそれに衝突した氷塊が、共に砕け破片となって、辺りに漂うという現象が作中で起きています。
>  この、破片の生まれ方が疑問なんです。衛星と氷塊がぶつかって、両方が砕けて、辺りに破片が漂うというなら、ハイネセンの重力に抗し得ない、または、ハイネセンに突入するベクトルを持った破片が生じないという方が不思議です。言い換えると、破片は、氷塊の発進角度でどうにかなる問題なのでしょうか?
>  素人考えでは、どんな角度でも、事実上の円心であるハイネセンに、破片のいくつかは落下しそうなんですが。つまり、原作自体が、破片の問題を無視しているのではありませんか?

玉突きを考えていただきたいです。
衛星に氷塊がぶつかった際、衛星も氷塊も破壊されることがないと仮定しましょう。この場合、氷塊の衝突を受けた衛星は、氷塊から運動エネルギーを貰って、どこかに飛ばされる事になります。また、氷塊の方が衛星よりはるかに質量が大きいわけですから、氷塊の運動エネルギーは、一部は衛星に奪われるとしても、完全に失われることは無く、氷塊もさらに運動しつづけるでしょう。ここで、衝突後の衛星や氷塊の移動方向がハイネセンを向いていればハイネセンに衝突することになり、衝突後の衛星や氷塊の移動方向がハイネセンから外れていれば、ハイネセンに衝突することはありません。
しかし、実際には、衝突によって、衛星も氷塊も破壊されることになり、さまざまな方向に拡散するものでしょう。
ところが、衛星の破片全体の重心の運動方向は、破壊されなかったと仮定した場合の衛星の移動方向に一致し、氷塊の破片全体の重心の運動方向は、破壊されなかったと仮定した場合の氷塊のの移動方向に一致します。
つまり、破壊されなかったと仮定した場合の衛星の移動方向がハイネセンを向いていれば、一部の破片はハイネセン外へと飛び去るにせよ、大半の破片がハイネセンへと突入していくのです。同様に、破壊されなかったと仮定した場合の氷塊の移動方向がハイネセンを向いていれば、一部の破片はハイネセン外へと飛び去るにせよ、大半の破片がハイネセンへと突入していくのです。

ハイネセンを背後にする位置にある衛星に向けて氷塊を衝突させるようなことをすれば、その衝突により発生した破片の大半は、ハイネセンへと突入していくでしょうね。

「共に砕け破片となって、辺りに漂うという現象」、これは銀英伝2野望篇ノベルズ版P190の記載を述べたものでしょうが、これは次のような現象でしょう。
(発射角度を慎重に定めて)氷塊の移動方向の延長線上にハイネセンがなく、球体であるハイネセンの法線方向より氷塊が衛星に衝突したような場合、衛星や氷塊の破片全体の重心の運動方向も、ハイネセンの法線方向となります。この場合、破片全体の重心の運動方向が、ハイネセンの重力方向に対して垂直となります。ここで、破片全体の重心の運動方向がハイネセンの重力方向と同じ場合、もっとも破片がハイネセンに突入することになります。逆に、破片全体の重心の運動方向がハイネセンの重力方向と逆の場合、もっとも破片がハイネセンから遠ざかることになります。破片全体の重心の運動方向がハイネセンの法線方向を向いている場合、破片はハイネセンに突入はしない(一部も突入しない理由は後述)が、ハイネセンの重力の影響は受けやすい状況にあるのです。そして、破壊された破片の一部が、惑星を周回する衛生のように、ハイネセンの重力に拘束されてハイネセンを周回する状況が現出したものでしょう。

>  素人考えでは、どんな角度でも、事実上の円心であるハイネセンに、破片のいくつかは落下しそうなんですが。つまり、原作自体が、破片の問題を無視しているのではありませんか?

衝突前:衛星は停止、氷塊は亜光速
衝突後:衛星および氷塊の破片全体は亜亜光速くらい

氷塊の質量に比べて衛星の質量は小ですから、衝突時の破壊による運動エネルギーのロスを含めても、氷塊や衛星の破片全体は、やはり亜亜光速くらいで飛び去ることになるでしょう。
衝突して砕けた際に、破片は四方八方に飛び去る運動エネルギーを得るでしょうが、破片全体の重心の運動の影響が大きいので、惑星ハイネセンのように外部の静止した世界(静止系)より見ると、四方八方に飛び去る破片であっても、やはり破片全体の重心の運動方向に飛び去っていくように見えるでしょう。破片の拡散方向も狭いコーン状となって、前方に拡散するものと考えられます。丁度散弾銃を撃ったような状況でしょう。
これは、例えば、特急電車の中で電車の進行方向に対して逆方向に走ってみたところで、ホームにいる人からはどんどん離れていってしまう、ような状況と同じです。

これに対して、
衛星と氷塊の質量がもし同じであったならば、(衝突のエネルギーロスを無視すると)氷塊の破片の重心の運動は0になるので、氷塊の破片に関しては、文字通り四方八方に拡散して、側方にも、後方にも、飛び散ることになります。

しかし、衛星に対して氷塊の質量は圧倒的に大きいので、進行方向に狭いコーン状となって、前方に拡散するものとなりますね。したがって、「発射角度を慎重に定め」れば、まず、ハイネセンへの破片の落下は防止できましょう。

(2)「発射角度を慎重にさだめなければならない」の解釈

>  前段は、破片に関する問題次第なので、質問の返答をいただいてからお答えします。後段についてですが、「慎重に発射角度を定めた」という文言を「衛星がプログラム上回避し得えず、かつ、ハイネセンに影響がない角度にした」と解釈したというのが元々の主張です。プログラム上回避できない角度というのは、相当厳格な条件をクリアできなければいけないと思います。それを「慎重」という言葉で表現してもおかしくはないでしょう。

いや、ほんとに、正直驚きますけど、よくもこのような想像ができるものだと、ぴぃさんの想像力に感嘆します。
さて、「衛星がプログラム上回避し得えず、かつ、ハイネセンに影響がない角度にした」という推論を説明するような作品中の記載は存在するでしょうか?是非、なんらかの根拠を示していただきたいものです。

銀英伝2野望篇P189下には、
1.レーダー、センサーなどの索敵システムは、急接近する氷塊をキャッチする。
2.衛星のコンピュータは、氷塊自体は危険のないものであるが、その質量とスピードを危険因子とみなして作動する。
3.レーザー砲による攻撃を行う。
4.ミサイルによる攻撃を行う。
上の四つのことは記載されています。

しかし、
<すなわち、アルテミスの首飾りが、氷塊を回避する位置にいると、ハイネセンの「防衛衛星」としての価値が喪失する可能性があるからである。それゆえ、衛星は氷塊の破壊はできなかったが、氷塊の突入コースに乗ることで、最後の壁としての役割は果たせたのだという論理構成です。>
といった解釈を成り立たせるような内容は、どこにも記載されておりません。
「最後の壁としての役割は果たせた」のであれば、レーザー砲の攻撃やミサイルの攻撃などより遥かに強調して、衛星のコンピュータが「氷塊の突入コース」に向けて衛星自体を移動するように指令したことを、書いておかなければならないのではありませんか?
レーザー砲の攻撃やミサイルの攻撃の実行が記載されているにも拘らず、ぴぃさんの推測によるところの、「衛星のコンピュータが「氷塊の突入コース」に向けて衛星自体を移動させた」ことが、まったく作品中に書かれていないのは、一体どうゆうわけなのでしょうか?
レーザー砲の攻撃やミサイルの攻撃などより、「衛星のコンピュータが「氷塊の突入コース」に向けて衛星自体を移動させた」ことの方が、軽く扱われているのは、一体なぜなのでしょうか?
あ〜、馬鹿馬鹿しい。

その他の点は、派生的な議論なので、今回は見送ります。
また、時間ができれば、一々回答しましょう。
が、上の2点で、ほとんど決着はついていると思われますので、敢えて他の点についてまで述べる必要もないでしょうけどね。

是非是非、回答することが可能であるのならば、上の2点について回答していただきたい。正直、議論のための議論を挑まれているとしか、私には思えません。


No. 6489
Re:勝ち誇るようなことでしょうか?
不沈戦艦 2005/06/05 13:42
>これですけど、「第一次長征一万光年」の場合は、質量体の密集地帯である「天の川」を越えている、という特別条件がつくのですよ。不沈戦艦さんが提案されている「第二次長征一万光年」は、「天の川」を越えることには意味がなく(天の川の両側に帝国軍が待機している以上)、「天の川」のような質量体の密集地帯を越えることなく、帝国軍の追撃を振り切る必要があるわけです。
>言い直しますが、「天の川」のような質量体の密集地帯を越えることなく、追撃を振り切って、「未知スペースへの逃避」に成功した例が、一つでも、銀英伝に存在するでしょうか?是非、ご回答を願います。

 意味不明です。前提条件の「移動要塞論」自体に、「既知のスペースであっても、帝国軍の追撃を振り切って神出鬼没の行動を取ることは可能」とあるではないですか。既知のスペースであっても帝国軍の追撃を振り切ることができると言うのに、何で未知のスペースではそれが不可能なんですか?こんなことを言い出すのなら、最初から「移動要塞論」の支持などしないで下さい。自分が支持している「論」の根幹を、自分で否定してどうするのでしょうか?



> > 「天の川のように星々の密集地帯を横断して逃げた」理由が「探索網に引っかかりにくい為」ということを、具体的に証明できる記述が「銀英伝作中」にあるのですか?
>>
>>  例えばですが、「たまたま、思いつきで天の川方向に逃げた」とか、「他の方向は帝国軍にふさがれていたので、唯一天の川方向だけに逃走可能だった」という可能性は、全くないんですか?そうではなくて、「天の川方向は質量体が多いので、敵に発見されづらい。だからイオン・ファゼカス号はそちらに逃げた」という具体的な記述か、直接そう書いていなくても、記述から明らかにそうだと結論付けられるものを示してくれ、と言っているんです。「質量体が多いので発見されづらい」だけでは、証明になっていませんよ。

>「天の側」のような質量体の密集地帯が、航行の難所であって、航行に失敗する可能性があることは、銀英伝中に記載されています。全滅の危険性があることも、自明でしょう。

 それはその通りでしょう。

>そういう危険性を承知で「天の側」の横断を実行するからには、「天の側」の横断を実行せず質量体の密集度の低い「未知スペースへの逃避」の方が、より一層危険である、ということになりませんか。

 正直「ハァ?」です。これ、何が言いたいんですか?質量体の密集地帯が航行の難所だというのなら、そうでない場所は難所ではないのでは?

>イオンファゼカス号のクルーが「天の側」の横断を実行したことに対して、以上の推論よりも説得力のある推論を展開してみてください。それができないのでしたら、相対的に私の説の方が優れているということに必然的になりますよ。

 何を勝ち誇っているのか、理解に苦しみます。


> 「イゼルローン移動要塞にとってには障害になると説く一方で、追撃する帝国軍にとっては障害にならない(全く言及しない)というのはおかしいのではないか?」と、「移動に時間がかかる」ということは「逃げられない」という説明になっていないと反論済みです。済んだ話を蒸し返さないで下さい。

>なるほど、この点に関しては直接的な回答を未だ与えておりませんでしたね。
不沈戦艦さんが指摘されているのは、第二次大戦の艦隊の追撃戦のような状況でしょうね。すなわち、逃避側の艦船の速度に対して、追撃側の艦船の速度が同じかそれ以下であれば、逃避側の艦船が追撃側の艦船に補足されることはない、と。
>しかし、例えば、陸上のカーチェイスの類であれば、逃避側の車の速度に対して、追撃側の車の速度が同じかそれ以下であっても、逃避側の車が逃げ切れないことがよくあります。これは、地上の場合は、道路等が入り組んでいたり、思わぬ障害物(他の車など)があったりして、単に速度だけで、逃避の成功が決まらないからでしょう。

 一つ抜けています。「移動要塞」は「無限の自給自足能力」があるので「補給不要」ですが、追撃艦隊は移動要塞ではないので、「補給必要」です。もちろん、冒険風ライダー氏が言っていた「銀英伝の艦船の航続力は相当なまでに長く、燃料補給はあまり必要ではない」には私も賛同していますが、食料はそうではないでしょう。補給不要な移動要塞と、補給必要な艦隊とで「追いかけっこ」をした場合、一体どっちが有利だと思いますか?


>銀英伝の作品中には、艦船の相対速度が0であるので、追撃が成功しない、といった話が出てこないのではないでしょうか。艦船の相対速度が0であるので追撃が成功しない、という話があれば、ぜひ指摘していただきたいです。

 艦隊追撃戦については、艦隊行動であることを忘れて貰っては困ります。負け逃げる艦隊は、損傷艦もあるし指揮系統もダメージを受けているのですから、艦隊としての行動能力は低下していて当然ではないですか。敗走する敵のうち、無傷の高速巡航艦一隻を追撃して仕留めろと命令された場合、そんなことが可能だと思いますか?「銀英伝作中」で、ヤン艦隊のイゼルローン要塞奪取の時、ローゼンリッターが帝国軍の軽巡航艦一隻を「回廊突破の新手法を開発した同盟軍に追撃されたが、何とかイゼルローン要塞に逃げ込むことに成功した」という偽装を行っていますが、追撃された場合簡単に捕まるようでは、こんな偽装は直ぐに見破られてしまってどうしようもなくなるんじゃないですかね。

 それで、イゼルローン移動要塞は「艦」としては「一隻」なので、「艦隊行動」と見なす必要はないでしょう。速度や指揮能力の低下など、考慮する必要はありません。それに、何度も言っている通り「既知のスペースでも行方を眩ますことは可能」なのですから、行方を眩ましたあと、未知のスペースに逃げればいいんですよ。その場合、どうやって探すつもりですか?どこに行ったかも全く分からないというのに。あてもなく、分散させた捜索艦隊(一艦隊100隻以下かも知れませんね)を、未知のスペースに向けて送り出すんですか?


>逆に、追撃したら成功するけど、新たな敵が出現するかもしれないから敢えて追撃しないとか、そういった話は多々出てきますね。(引用をサボって申し訳ありませんが)
>フェザーン侵攻の折の話では、商船が帝国軍に追撃されて撃破される例がいくらかでてきますしね。駆逐艦などより早い速度を出せる商船もあるでしょうに、追撃されて逃げ切った商船の例も出てきませんね。

「駆逐艦などより早い速度を出せる商船もあるでしょうに」という具体例を、「銀英伝作中」から呈示してみて下さい。話はそれからです。それが出せないのなら、単なる「妄想」でしかありません。

 ちなみに「現世」での話ですが、「駆逐艦などより早い速度を出せる商船」という実例は、私は聞いたことがありませんね。商船というものは経済性を第一とするものであって、一般的には高速航行すると燃料消費が増大するので、経済性を優先する商船に高速航行能力など必要がないのです。商船は20ノット出れば速い方ですが、駆逐艦は30ノットで普通です。旧日本帝国海軍の「島風」型駆逐艦など、公試で40.9ノットを記録しています。

 軍事についてさほど詳しいと思えない田中芳樹ですが、この点について「現世の話」に逆らうような設定を銀英伝作中でやっているようには見えない(少なくとも私は知りません)ので、「駆逐艦より速い商船がある」と言い張るのは、無理があるように思えますね。


>推論としては、上で述べたように、現実の水上艦艇の追撃の場合とは異なり、ワープを主たる移動手段とする宇宙の航行においては、質量体の存在が無視できない障害物として作用し、単に艦船の速度だけでは、追撃側と比べて相対速度が0もしくはそれ以上であっても、逃避を成功させることができない、ということではないでしょうか?
>これに関しても、私の推論以上の論を、不沈戦艦さんが提示できないのであれば、相対的に私の説の方が優れているということに必然的になりましょう。

 上記で全てについて反論していますので、それを読んでから「勝ち誇る」ようにして下さい。というか、「私の説の方が優れているということに必然的になりましょう」だなんて、パンツァーさんがこんなことを平気で放言するということ自体が、信じがたいことですな。これでは、まるで「Ken」氏のようです。


>>  データを取った後、「既知スペース内」で「どこにでも逃げられる」と言っているんです。データを取りながら帝国軍の追撃を交わし、最終的に確定できた後に「既知スペース外への航路」を取ればいいじゃないか、ということです。「既知スペース内であれば、移動要塞は神出鬼没の行動が可能」ということを、否定はしませんよね?

>例えば、私も、冒険風ライダーさんの銀英伝考察3なども参考にしながら、銀英伝世界の索敵能力は光年単位はあるであろうと考えますが、この光年単位の索敵における索敵精度は、正確な座標をきちんと特定できるものではなく、精度が低いものであると思われます。それゆえに、偵察艇等を利用した光秒単位の偵察が実行されているのでしょう。正確な質量体の位置等を特定して、未知スペースを既知スペースに変換する作業は、そういう意味で難事業だと思われます。つまり、既知スペースを移動しながらデータを所得しても、せいぜい既知スペースの外側の「薄い皮」領域のデータが得られる程度でしょう。例えば外宇宙への航路を特定するなどとなったら、これは、やはり徐々に未知スペースへ向けてもぐらが土を掘って進むように探索せざるを得ず、地上を走り回って、地下の金鉱を掘り当てるデータを得ることはできないのではないでしょうか?
>作品中に、航路特定のためのデータが、例えば光年単位で確保できるようなことが示唆されているでしょうか。もしくは記載内容を前提として推論できるでしょうか?
>これに関しても、私の推論以上の論を、不沈戦艦さんが提示できないのであれば、相対的に私の説の方が優れているということに必然的になりましょう。

 それを「是」としてしまうと、「移動要塞で神出鬼没の行動を取る」ということが、根底から崩壊してしまいます。「光年単位の索敵が可能なのだから、既知のスペースのどこに逃げようとイゼルローン移動要塞の居場所など、直ぐに帝国軍に察知されてしまい神出鬼没の行動など到底不可能」ということになるのが、理解できないのでしょうか。そうだとすると「移動要塞論」が、全て破綻してしまいます。冒険風ライダー氏にも言いたいことですが、それで本当にいいんですか?

 また、冒険風ライダー氏は「未知のスペースへの航行を行うには、一箇所に留まって長期間観測をする必要がある」と主張しています(根拠が何なのかは知りませんが)が、もしこれを「是」とするのなら、パンツァーさんの言っていた「ハイネセンにいながら、『写真撮影』および『コンピュータ解析』をやれば、『外宇宙への航路』を確定することが可能で」ということも当然「是」ですよ。というか、これは本来冒険風ライダー氏にぶつけるべき疑問ですね。

 ちなみに、この点についての私の考え方ですが、「銀英伝作中」に「未知のスペースへの航路を発見する為の方法」についての説明がないので「現世の考え方」を採用しています。例えばですが、ある恒星までの距離を測定するのに、地球の春分点と秋分点でのその恒星の見え方(角度)を計測して、地球の公転半径からその星までの距離を算出する、という手法がありましたよね。つまり、宇宙の異なる2箇所の位置関係と、対象物の「見え方」が分かれば、直ぐには手の届かない場所の距離を計算で出すことができる、ということです。銀英伝世界のように、「確定した座標」が「既知のスペース」内に山ほどあって、そのどこからでも「未知のスペース」の観測が可能であれば、「現世」よりはよほど簡単に「未知のスペース」の状況が把握できるのではないでしょうか。「そんなに簡単なのなら、何で銀英伝世界では、未知のスペースに乗り出していく集団が無いんだよ」と言いたくなるでしょうが、それは

>「第一次長征一万光年」をストーリーの骨格に据えておきながら、その後に「帝国と同盟」という「枠組み」を崩すことを嫌って「既知のスペース」以外を全て捨象してしまった、田中芳樹の設定が矛盾しているからですよ。

 前の繰り返しになります。無理矢理にでも「合理的に説明」しようとすると、「人類社会のリソースが長期間の戦争に費やされるばかりで、拡大と発展の気風が削がれているから」とうあたりですかね。何しろ、人類社会最盛期に三千億を数えた人口が四百億まで減少した社会ですから。それどころか、ルドルフ・フォン・ゴールデンバウム登場以前に、すでに「中世的停滞」により「消極が積極に、悲観が楽観に、退嬰が進取に、それぞれ取って代わった」あげく、「辺境星域の開発計画」が破棄され、「無数の可住惑星」が見捨てられている(銀英伝一巻冒頭参照)ような状況です。辺境ですら手を出さなくなっているのに、それより「外」である「未知のスペース」を開発しようだの移住しようだの、そんな「志」のある人間も集団も「銀英伝世界」ではあり得ないでしょう。

 それと最後に老婆心ながら付け加え。ちょっとパンツァーさんの受け答えがおかしくなっているんじゃないですかね。「Ken」氏のようだなんて、よっぽどの事がなければ私も言いませんよ。もう少し、自己の言動には気を使うようにして下さい。



No. 6492
Re:補足説明
不沈戦艦 2005/06/05 18:49
> > 「天の川のように星々の密集地帯を横断して逃げた」理由が「探索網に引っかかりにくい為」ということを、具体的に証明できる記述が「銀英伝作中」にあるのですか?

>「天の側」のような質量体の密集地帯が、航行の難所であって、航行に失敗する可能性があることは、銀英伝中に記載されています。全滅の危険性があることも、自明でしょう。
>そういう危険性を承知で「天の側」の横断を実行するからには、「天の側」の横断を実行せず質量体の密集度の低い「未知スペースへの逃避」の方が、より一層危険である、ということになりませんか。

 どうも、私が指摘していることを、理解されていないようですね。おそらく、「パンツァー氏の中」では「質量体の多い天の川では、追ってくる帝国軍に発見される可能性が低いのは当然」ということになっているんでしょうけど、私はそれに対して「銀英伝作中にそんな記述はないから、そのような断定はできない。断定するなら証拠を出せ」と言っているんです。「質量体が多く、探索網に引っかかりにくいので、ハイネセン一党は天の川方向に逃げたのだ」という、「具体的記述」をね。「推論」だけじゃ、いつまで経っても「証明」したことにはならないんですよ。いくら「自分の中」では「道理」になっているからと言って、「推論」を「道理」にしないで下さい。

「推論」で「証明した」ということになるのなら、「銀河帝国によるハイネセン一党追撃の手が早く、航行が危険な天の川方向以外、アッという間に塞がれてしまった。ハイネセン一党は、仕方なく天の川方向に逃げることにした」でも、十分「推論」で「証明した」ということになるんじゃないですか。


>冒険風ライダー氏は「未知のスペースへの航行を行うには、一箇所に留まって長期間観測をする必要がある」
>これは本来冒険風ライダー氏にぶつけるべき疑問ですね。

「未知のスペースへの航路を発見する為には、一箇所に長期間留まって観測をする必要がある」が「真」だとするのなら、「その『一箇所に長期間留まる』のがハイネセンであって、何か不都合があるの?」ということに、当然なります。別にハイネセンでなくても、フェザーンでもオーディンでも、どこでもいいですが。

 実はこの冒険風ライダー氏の説、自分で自分の首を絞めている以外の何でもないんですよね。「未知のスペースへの航路を発見する為には、一箇所に長期間留まって観測をする必要がある」のが「真」なのなら、どこで観測しようと構わない訳ですから、「それくらい、とっくの昔に発見されているんじゃないの?」ということになってもおかしくはないので。おそらく、冒険風ライダー氏は「辺境星域かそのちょっと外くらいで・・・・」というつもりで考えたのでしょうが、「一箇所に長期間留まって観測をする」場所が、辺境星域やその少し外でなければならない理由ってあるんですかね。少なくとも、私には思いつきません。


>この点についての私の考え方

 説明した通り、私は「未知のスペースへの航路を発見する為」には、「一箇所に留まって長期間観測する」のではなく、「なるべく多くの場所から観測する」という手法が必要だと考えています。だから、「移動しながら写真撮影」という具体的方法を出した訳で。それで、「なるべく多くの場所から観測する」為には、「既知のスペースであっても、帝国軍の追撃を振り切って神出鬼没の行動を取ることは可能」である必要は当然あるでしょう。移動要塞の能力がない限り、それはできないでしょうね。


>それから、帝国領と同盟領とを分かつ防壁「宇宙の墓場(サルガッソ・スペース)」というのは、いわゆる「天の川」のことなんでしょうが、

 これって根拠は何ですか?銀英伝一巻の冒頭部を読み返してみましたが、「無名の一惑星の地下に姿を隠し、そこで八〇隻の恒星間宇宙船を建造すると、銀河系の深奥部に歩を踏み入れた。そこは巨星、矮星、変光星などの危険が満ちた巨大な空間だった。造物主の悪意が脱出者たちの頭上に次々と降りかかった。」ということは確かに書いてあります。しかし、パンツァーさんのこの後の「推論」の根拠が分からない。これが「天の川のこと」というのは、一体どこから出てきたんでしょうか?


>銀河系には、「天の川」以外には、「天の川」に匹敵するような星の密集地帯は無いので、イゼルローン要塞軍の場合、「天の川」の両側に帝国軍が控えている以上、「天の川」を越えて逃げる、というような手は、使えないことになりそうですね。

 私は「既知のスペース内で一旦帝国軍を振り切って、行方を眩ましてからおもむろに未知のスペースに逃げれば良い」と主張しているので、逃げる方向が「天の川」でなければならない理由は何もありません。その場合に、逃げた相手を探すことはほとんど不可能ですし。こんなことを「反論」として書く暇があるのなら、「どこに脱出したか分からない相手」を探す方法を呈示して下さい。


>「神出鬼没=絶対に見つけられない」ではありません。この場合の「神出鬼没」とは「【見つけにくい】上に【想像を絶する長距離をひたすら追い続けなければならない】」にもかかわらず「行動が予測できない」「待ち伏せができない」からこそ成り立つものなのであり、さらに「移動要塞ゲリラ戦略」の場合は「自軍の行動が【無数に存在する拠点の防衛】のために制約される」という要素がこれを助長するわけです。

 これは冒険風ライダー氏の「論」ですが、「イゼルローン移動要塞で逃げながら既知のスペース以外への航路を探す場合も、同じことが成立する。なぜなら、帝国軍側には、イゼルローン移動要塞がゲリラ戦を意図しているのか、第二次長征一万光年を意図しているのか、それ以外の何かを意図しているのか、判断材料が全くないので分からない」ということが、本当に理解できないのでしょうか?「移動要塞によるゲリラ戦を行う場合は捕捉されないが、未知のスペースへの航路を探す場合は直ぐに捕捉されてしまう」だなんて、「ご都合主義的な主張」でしかないことを、早いこと分かってもらいたいものです。というか、あまりに「ご都合主義」がヒドイので、馬鹿馬鹿しくて付き合う意欲も失せてくるんですけど。


>そのために長期間一箇所に留まらなければならないケースも当然想定されるわけですし、

 唐突に出てきたこの主張は、本当に訳が解りません。一体、根拠は何なのですかね?冒険風ライダー氏には、是非これについての根拠を説明していただきたいと思います。


>「既知の宇宙空間」の中で自由に行動することができる帝国側が圧倒的に有利であろうし、その中では当然「速度差」も出るであろう、と私は主張しているわけです。
> 全く未知の宇宙空間で新航路を見つけることの難しさは、銀英伝の作中でも以下のような形で描かれています↓

 これ、「ご都合主義」もいいところじゃないか、と思わない人が居るでしょうか?これを「是」とするのなら、「移動要塞論」なんざ、根底から無に帰してしまうんですけど。本当に、主張していて、矛盾を感じないんですかねぇ。「反論」の為に本気でこんな主張をする(自己主張の根本を否定するものでしかありません)と言うのなら、最初から「移動要塞論」のようなことを言い出すのを、止めて欲しいと思いますわ。


No. 6495
「第二次長征一万光年」を巡る証明の手法について
パンツァー 2005/06/10 23:59
不沈戦艦さんにとって参考となるように、
「証明」ということが、どういうことか、少し説明してみましょう。

銀英伝には、未知スペースを経由して敵の追撃を逃れた例はない。
ハイネセン率いる共和主義者たちは、未知スペースを経由して敵の追撃を逃れることができたが、この場合は、質量体の密集地帯を横切ることで、達成したものである。つまり、質量体の密集地帯を横切ることなく、未知スペースを経由して敵の追撃を逃れた例は、銀英伝には、ない。

実例のないことをできると主張するには、それなりの根拠が必要です。

例えば、ある人が、銀英伝において、
「なぜ同盟軍は宇宙戦艦ヤマトのような波動砲を使わなかったのだ!そうすれば、帝国軍など、一撃であったのに」と主張したとします。
これに対する反論は、単に、「波動砲など銀英伝には登場しない。波動砲が使えないのはあたりまえだ」で十分でしょう。

作品設定に実例が示されないことを「可能である」である、と言い張るには、それなりの根拠が必要なのです。
冒険風ライダーさんの「移動要塞論」では、
(1)作品設定より、要塞は恒久的補給源として機能すると認められる。
(2)作品設定より、宇宙空間の航行による燃料消費は無視できると認められる。
(3)要塞級の質量体(ガイエスブルグ要塞)のワープ移動の実例は、作品にある。
上の三つの要素を組み合わせて、
イゼルローン要塞を移動する補給源として活用できる(移動要塞にすることができる)としているのです。
銀英伝には、イゼルローン要塞が「移動する補給源として活用」される実例自体はありませんが、上の三つの要素を組み合わせれば、これが可能である、と結論できるのです。

不沈戦艦さんの主張する「第二次長征一万光年」の場合、
なにを根拠に、それが可能である、と主張しているのでしょうか?
上で書いたように、
「質量体の密集地帯を横切ることなく、未知スペースを経由して敵の追撃を逃れた例がない」以上、実例は存在しないのです。実例がない以上、単純に考えれば、「できない」とするのが妥当です。
それにも関わらず、つまり実例が存在しないのにできると言い張るのであれば、
冒険風ライダーさんが「移動要塞論」を展開したように、
きちんと、それを可能とする要素を明示してください。
個々の要素に関する根拠の説明ももちろん必要です。
(冒険風ライダーさんが、「要塞は恒久的補給源として機能する」ことの説明に、キャゼルヌとユリアンとの会話を根拠としたりしたように。他にも、回廊の両端を封鎖すれば兵糧攻めにできる、といった記述がないことや、リップシュタット戦役で貴族連合軍がオーディンを放棄してガイエスブルグ要塞を根拠地にしたことなども、要塞の恒久補給能力を実証するものでしょうが)

ここで、「第二次長征一万光年」を可能とする要素を、
作品設定外から持ち込むのは、禁止ですよ。
例えば、第二次世界大戦の艦隊の追撃戦の常識、などというものを根拠にしてもらっては、困りますね。我々が持っている常識を適用できるのは、あくまで作品設定に矛盾しない範囲に限られるのであって、作品設定にないこと(「第二次長征一万光年」)を「可能である」と言い張るための根拠にすることはできません。作品設定外の根拠を引用して、作品設定にないことを可能だと言い張るなら、「波動砲」だって可能であるってことになりますからね。

「移動要塞論」の根拠説明において、冒険風ライダーさんは、当然ながら、すべて作品設定にあることのみを用いて、行なっています。

はっきり言いますが、
「証明」が必要なのは、
何一つ実例のない「第二次長征一万光年」を「可能である」と主張する不沈戦艦さんの側であることを、お忘れなく。


No. 6497
6489へのレス
パンツァー 2005/06/11 00:19
(1)イゼルローン要塞の神出鬼没について

>  意味不明です。前提条件の「移動要塞論」自体に、「既知のスペースであっても、帝国軍の追撃を振り切って神出鬼没の行動を取ることは可能」とあるではないですか。既知のスペースであっても帝国軍の追撃を振り切ることができると言うのに、何で未知のスペースではそれが不可能なんですか?こんなことを言い出すのなら、最初から「移動要塞論」の支持などしないで下さい。自分が支持している「論」の根幹を、自分で否定してどうするのでしょうか?

一から十まで全部説明しないといけないというのも、面倒な話ですがいたし方ありませんね。

銀英伝中に登場する「神出鬼没」の実例は、ヤン艦隊による「連戦」における「神出鬼没」の行動でしょう。冒険風ライダーさんは、イゼルローン要塞を移動要塞化した場合にも、これと同じことができると、考えているのです。それで、「神出鬼没」ということが出てくるのです。私もこの点で同意です。

整理しますが、
ヤン艦隊は、敵を撃破した後、悠々と帰還するわけですから、そもそも敵の追撃など受けていないのです。「帝国軍の追撃を振り切る」必要のある状況になど、追い込まれては無いのです。
ですから、移動化されたイゼルローン要塞を用いて、「神出鬼没」の行動を取る、というのも、あくまで、敵の追撃など受ける恐れの無い状況を作り出すことが、そもそもの前提になっているのです。もちろんこの場合、戦闘に勝ちつづける必要はありますが、別にイゼルローン要塞自体を決戦場に持っていく必然性などありません。冒険風ライダーさんのそもそものお考えでも、要塞のもっとも恐るべき点は、その防御装甲や要塞主砲の威力でもなく、無限の補給能力、この一点にある、ということなのですから。イゼルローン要塞は後方に待機し、実戦部隊であるヤン艦隊のみを戦場に送り出せばよいのです。ヤンのことですから、勝算のない決戦場に出向かないくらいの戦略性は期待してよいでしょう。
その意味では、イゼルローン要塞は、よほど必要の無い限り、敵の「光年単位」の索敵を受けるような宙域に、わざわざ出向く必要はないのです。ですから、イゼルローン要塞は、ヤン艦隊に補給を与えることさえできればよく、必要が無い限り、質量体の密集地帯に潜んでいればよいのです。
質量体の密集地帯に潜んでいれば見つかることが無く、逆に質量体のない場所にいれば発見されてしまうことについては、No.6468で銀英伝に記載の実例を挙げて説明しました。
重要な点を繰り返しますが、既知スペースでの「神出鬼没」の移動とは、そもそも「敵の追撃を受ける状況に追い込まれない」という前提条件が入っているのです。

これに対して、未知スペースを逃れる場合、
当初は、敵に発見されていないとしても、いずれ発見されてしまうことになるのです。
No.6407で冒険風ライダーさんが説明されていますが、未知スペースでは満足にワープを行うことができず、ワープを連続的に行いえる既知スペースでの移動と比べて、格段に移動速度が落ちてしまうのです。言うなれば、未知スペースを逃れようとするイゼルローン要塞は、宇宙空間に停止しているかのような状態であると、言いえるのです。身を隠す質量体群もないまま、ワープも満足に行い得ない状況で宇宙を移動していたならば、いずれ光年単位の索敵によって、発見されてしまうでしょう。

詳しくは後述しますが、「未知のスペースへの航路を発見すること」がいかにも簡単なように不沈戦艦さんは主張していますが、なんら作品中の根拠に基づいていませんよね。作品中には、同盟が成立以来、数百年をかけて索敵された範囲が、せいぜい、直径1万光年程度(ハイネセンからイゼルローン回廊までが確か6000光年くらいだったか)なのであることが記されているだけです。しかも、この直径1万光年程度の球状(?)領域の全域がことごとくワープ可能な領域となっているわけではなく、この領域内に安全航路が網目状に確保されている、というだけに過ぎません。網目を構成する糸に沿ってはワープ航行が安全でも、網目から外れた航路は安全ではないのでしょう。

それが、イゼルローン要塞の脱出行に際しては、このような外世界へのたちまち発見できるというのであれば、それに関する根拠を作品中より是非とも、探し出していただきたいですね。

ついでに未知スペースでの追撃戦が始まった場合の状況についても説明しておきましょう。未知スペースでは、ワープも満足に行い得ない状況にあります。これについては、逃げるイゼルローン要塞も、追撃する帝国艦隊も、同様です。しかし、一旦通過した航路は、既知スペースといえるでしょう。つまり、追撃する帝国艦隊への援軍は、既知スペースをワープすることで追いつけるので、どんどん援軍の数を増やすことができるのです。この援軍には、当然補給船も含まれますから、補給切れの心配もありません。
また、逃げるイゼルローン要塞は、一つの航路に沿ってしか移動できませんが、追撃する帝国艦隊は、10の異なる航路でも、20の異なる航路でも選択できるわけです。多数の航路を移動していけば、当然、他より効率のよい航路も存在します。そうすれば、逃げるイゼルローン要塞が、なんらかの質量体群に引っかかって、大きく迂回などせざるを得なくなった際に、ついに回りこまれてしまう公算も大です。進路を塞ぐ敵を撃破すべく、一旦、足を止めて、イゼルローン要塞が帝国艦隊と殴りあうような羽目にでもなれば、帝国艦隊が既知スペースのみを通過して送られてくる援軍が続々戦場に到達し、いよいよ不利になるに違いありません。回廊の狭さも機雷源の防壁もない宙域では、質量弾攻撃によって、あっけなく破壊されてしまう可能性も大きいでしょう。

ここでも重要な点を繰り返しますが、未知スペースを通過しての逃避では、「敵の追撃を受ける状況に追い込まれた状況下」で、さらに逃避を成功させる必要があるのです。
これは、既知スペースでの「神出鬼没」の移動が「敵の追撃を受ける状況に追い込まれない」状況下で行われるのと、決定的に異なる点です。

なによりも、質量体の密集地帯を経由することなく単に未知スペースを逃避することに成功した実例が、銀英伝に一つもないことを、お忘れなく。
実例のないことができると言い張る以上、作品中の根拠を複数組み合わせるなどして、実例は無いが可能である、言える程度に証明を行って頂かない以上、とても客観的に人を納得せしめる内容であるとはいえないでしょう。
別に、私が上で述べた「未知スペースでの追撃戦」に関する状況説明が、必ずしも真でなかったとしても、「質量体の密集地帯を経由することなく未知スペースを逃避することが不可能」という結論になんの差し支えもありません。単に、そういう実例が無いのだから、という反論で十分です。これは、先の投稿でも述べたように、作品中に実例のない「波動砲」を否定するのに、「そんな実例は無い」の一言で済むのと同じことだからです。

(2)ハイネセンたちが「天の川」を横断することにした根拠

> >>  例えばですが、「たまたま、思いつきで天の川方向に逃げた」とか、「他の方向は帝国軍にふさがれていたので、唯一天の川方向だけに逃走可能だった」という可能性は、全くないんですか?そうではなくて、「天の川方向は質量体が多いので、敵に発見されづらい。だからイオン・ファゼカス号はそちらに逃げた」という具体的な記述か、直接そう書いていなくても、記述から明らかにそうだと結論付けられるものを示してくれ、と言っているんです。「質量体が多いので発見されづらい」だけでは、証明になっていませんよ。

銀英伝1黎明編P80上段
「無名の一惑星の地下に姿を隠し、そこで80隻の恒星間宇宙船を建造すると、銀河系の深奥部に歩を踏み入れた。そこは巨星(以下略)」

彼らは、積極的意思を持って、銀河系の深奥部(つまり天の川)に足を踏み入れたことが明らかに示されています。「銀河系の深奥部に歩を踏み入れた」とあって、「踏み込まざるを得なかった」とか「追いやられた」という風には書かれていませんね。
もし、帝国軍の包囲下にあって唯一の進路が「天の川」方面だったといった事情があったなら、それは当然記載されているでしょう。なにせ、銀河系の深奥部(つまり天の川)など通過しなければ、質量帯の密集地帯を通過することによる決定的な被害、を逃れることができるのですから。

以上のことから、「他の方向は帝国軍にふさがれていたので、唯一天の川方向だけに逃走可能だった」という可能性は、まったく無いでしょう。
また、「たまたま、思いつきで天の川方向に逃げた」などという、ふざけたことを、真面目に言っているのですか?

ま、いずれにしても、質量体の密集地帯を経由することなく単に未知スペースを逃避することに成功した実例が、銀英伝に一つもない、ことには変わりがありませんしね。

(3)誤読1

> >そういう危険性を承知で「天の側」の横断を実行するからには、「天の側」の横断を実行せず質量体の密集度の低い「未知スペースへの逃避」の方が、より一層危険である、ということになりませんか。
>
>  正直「ハァ?」です。これ、何が言いたいんですか?質量体の密集地帯が航行の難所だというのなら、そうでない場所は難所ではないのでは?

「他の方向は帝国軍にふさがれていたので、唯一天の川方向だけに逃走可能だった」という可能性、を主張しているのは、一体誰ですか?
不沈戦艦さん、あなたは自分で、
「天の側」の横断を実行せず質量体の密集度の低い「未知スペースへの逃避」の方が、(帝国軍にふさがれているので)より一層危険である、という可能性を主張しているわけではありませんか?
自分の誤読を得意げに、「ハァ?」とかいってる場合か、おい!

(4)未知スペースでの追撃戦における追撃側艦船の補給問題

>  一つ抜けています。「移動要塞」は「無限の自給自足能力」があるので「補給不要」ですが、追撃艦隊は移動要塞ではないので、「補給必要」です。もちろん、冒険風ライダー氏が言っていた「銀英伝の艦船の航続力は相当なまでに長く、燃料補給はあまり必要ではない」には私も賛同していますが、食料はそうではないでしょう。補給不要な移動要塞と、補給必要な艦隊とで「追いかけっこ」をした場合、一体どっちが有利だと思いますか?

これについては、(1)で述べたので省略いたします。

(5)追撃戦の実例について

> >銀英伝の作品中には、艦船の相対速度が0であるので、追撃が成功しない、といった話が出てこないのではないでしょうか。艦船の相対速度が0であるので追撃が成功しない、という話があれば、ぜひ指摘していただきたいです。
>
>  艦隊追撃戦については、艦隊行動であることを忘れて貰っては困ります。負け逃げる艦隊は、損傷艦もあるし指揮系統もダメージを受けているのですから、艦隊としての行動能力は低下していて当然ではないですか。敗走する敵のうち、無傷の高速巡航艦一隻を追撃して仕留めろと命令された場合、そんなことが可能だと思いますか?「銀英伝作中」で、ヤン艦隊のイゼルローン要塞奪取の時、ローゼンリッターが帝国軍の軽巡航艦一隻を「回廊突破の新手法を開発した同盟軍に追撃されたが、何とかイゼルローン要塞に逃げ込むことに成功した」という偽装を行っていますが、追撃された場合簡単に捕まるようでは、こんな偽装は直ぐに見破られてしまってどうしようもなくなるんじゃないですかね。

「無傷の高速巡航艦一隻を追撃して仕留めろと命令された場合、そんなことが可能だと思いますか?」
あのねえ、不沈戦艦さん自身、移動要塞論を巡る討論では、ファンタジーと思ってみてはどうか、という提案をされましたよね。私(パンツァー)の常識が合致するかどうかなどということは、全然関係ないのですよ。作品中の実例に対応しているかどうか、が重要なのです。作品中の実例の有無に逆らうような推論など、なんの意味もないのですよ。

不沈戦艦さんが、追撃の成功した例としてあげているのは、唯一、
ローゼンリッターの乗る軽巡航艦一隻が追撃を逃れた、という「偽装」の話ですか。
これは、大体、その軽巡航艦の逃避先となるイゼルローン要塞が、近くに存在していた、という決定的な要素があるじゃありませんか。既知スペースをひたすら逃げて敵の追撃を逃れたという実例とは、なんの関わりもないじゃありませんか。しかも「偽装」の話とは。作品中から「既知スペースをひたすら逃げて敵の追撃を逃れたという実例」を導き出すことができないことを、如実に物語っていますね。

それに、これは、「未知スペースをひたすら逃げて敵の追撃を逃れたという実例」とも、まったくかかわりがないものです。

(6)「既知のスペースでも行方を眩ますことは可能」について

>  それで、イゼルローン移動要塞は「艦」としては「一隻」なので、「艦隊行動」と見なす必要はないでしょう。速度や指揮能力の低下など、考慮する必要はありません。それに、何度も言っている通り「既知のスペースでも行方を眩ますことは可能」なのですから、行方を眩ましたあと、未知のスペースに逃げればいいんですよ。その場合、どうやって探すつもりですか?どこに行ったかも全く分からないというのに。あてもなく、分散させた捜索艦隊(一艦隊100隻以下かも知れませんね)を、未知のスペースに向けて送り出すんですか?

はっきり言いますが、だれも、「(一旦敵に捕捉された艦船や移動要塞が)既知のスペースでも行方を眩ますことは可能」などとは主張しておりません。
(1)で述べたように、既知スペースでの「神出鬼没」の移動とは、そもそも「敵の追撃を受ける状況に追い込まれない」という前提条件が入っている、ことをお忘れなく。
それから、逃げるイゼルローン要塞が、未知スペースでもたもたしていれば、追撃側の帝国艦隊は、光年単位の索敵能力を生かして、既知スペースのみを通行しながら、イゼルローン要塞の概略の位置を特定できるのですよ。一旦位置が特定できたなら、艦隊を不必要に分散させる必要など無く、そのまま追撃させればよいのです。
この未知スペースでの移動速度の低下、これこそが、未知スペースでの逃避における困難を決定しているのです。
No.6407「Re6404:銀英伝世界における宇宙航行事情の問題」で冒険風ライダーさんが主張されている点、これは、この未知スペースでの逃避における困難点を、きわめて明確に示しているのです。

(7)未知スペースにおける航路探索について

>  また、冒険風ライダー氏は「未知のスペースへの航行を行うには、一箇所に留まって長期間観測をする必要がある」と主張しています(根拠が何なのかは知りませんが)が、もしこれを「是」とするのなら、パンツァーさんの言っていた「ハイネセンにいながら、『写真撮影』および『コンピュータ解析』をやれば、『外宇宙への航路』を確定することが可能で」ということも当然「是」ですよ。というか、これは本来冒険風ライダー氏にぶつけるべき疑問ですね。

まず、同盟成立以来、数百年をかけて得られた成果が、イゼルローン要塞の脱出行に際しては、あっという間に得られるとでも言うのですか? 明らかに作品設定に反することを主張していませんか? これは、あくまで作品に基づく話なのですから、作品から遊離したことを前提に主張されても、なんの説得力もないのですよ。

>  ちなみに、この点についての私の考え方ですが、「銀英伝作中」に「未知のスペースへの航路を発見する為の方法」についての説明がないので「現世の考え方」を採用しています。例えばですが、ある恒星までの距離を測定するのに、地球の春分点と秋分点でのその恒星の見え方(角度)を計測して、地球の公転半径からその星までの距離を算出する、という手法がありましたよね。つまり、宇宙の異なる2箇所の位置関係と、対象物の「見え方」が分かれば、直ぐには手の届かない場所の距離を計算で出すことができる、ということです。銀英伝世界のように、「確定した座標」が「既知のスペース」内に山ほどあって、そのどこからでも「未知のスペース」の観測が可能であれば、「現世」よりはよほど簡単に「未知のスペース」の状況が把握できるのではないでしょうか。「そんなに簡単なのなら、何で銀英伝世界では、未知のスペースに乗り出していく集団が無いんだよ」と言いたくなるでしょうが、それは
>
> >「第一次長征一万光年」をストーリーの骨格に据えておきながら、その後に「帝国と同盟」という「枠組み」を崩すことを嫌って「既知のスペース」以外を全て捨象してしまった、田中芳樹の設定が矛盾しているからですよ。

あの〜、宇宙に存在する質量体は、恒星だけではないんですけどね。
恒星の周りを公転する衛星もあれば、ブラックホールのような光を発しない質量体(正確には質量体ではないかもしれないが、航行の危険物には変わりない)もあるわけですよ。
それに、「未知スペースの状況把握が容易」だからといって、必然的に「未知のスペースに乗り出していく集団が無い」のは可笑しい、とはなりませんよ。田舎を避けて都会にすむ人が多いように、わざわざ未開地に出向く人がいないのは、全然不思議ではありません。

不沈戦艦さんは田中芳樹氏の設定に矛盾を感じるのかもしれませんが、例えば、私は、この点に関して、別に矛盾を感じるわけではありません。矛盾を感じるべき、客観的根拠も存在するように思いませんし。

フェザーン侵攻でラインハルトが航路局のデータを確保できたことを何よりも喜んでいたように、銀英伝世界において、未知スペースにおける航路探索が容易でないことは、明らかではないでしょうか。これが、簡単にできるというのであれば、ぜひとも作品中の根拠を探し出していただきたいものです。

>  それと最後に老婆心ながら付け加え。他でも指摘されているようですが、ちょっとパンツァーさんの受け答えがおかしくなっているんじゃないですかね。「Ken」氏のようだなんて、よっぽどの事がなければ私も言いませんよ。もう少し、自己の言動には気を使うようにして下さい。

不沈戦艦さん、あなたにしたことろで、討論相手と冷静に議論できている場合がすくないではありませんか。今回などは、冒険風ライダーさんに対しても、挑発的言動を含めてヒートしていたではありませんか。
不沈戦艦さんは、これまで私(パンツァー)が論敵に回ることが無かったから気が付かなかっただけで、私の論敵達は、私の主張にそうとう不愉快感を持っていただろうと思いますよ。私はさしてこれまでとかわりのあることを主張してはいません。相手が挑発的言動を絡めるようになれば、それに応じてこちらも挑発的になるだけの話です。
「受け答えがおかしくなっている」と不沈戦艦さんが感じるのは、今回、私(パンツァー)が論敵に回ったから、という部分が大きいでしょうね。
客観的に自己を見つめるのは、難しいということです。

(8)結論部

>  上記で全てについて反論していますので、それを読んでから「勝ち誇る」ようにして下さい。というか、「私の説の方が優れているということに必然的になりましょう」だなんて、パンツァーさんがこんなことを平気で放言するということ自体が、信じがたいことですな。これでは、まるで「Ken」氏のようです。

上記すべてに反論って、本当に、そう思っているのですか?

まず、「質量体の密集地帯を経由することなく単に未知スペースを逃避することに成功した実例があるか」という問いに対しては、まったく答えることができてないではありませんか。この点、全然、反論になっていませんよね。

また、「追撃側と比べて相対速度が0もしくはそれ以上であっても、逃避を成功させることができない」ことに対する反例(逃避が成功する場合の実例)すら、「既知スペース」の場合ですら、明確に上げえてないですよね。

あと、「神出鬼没」の解釈に関しては、不沈戦艦さんの方で、勝手に独り善がりの解釈をしていたようなので、この点については、今後は正しく理解していただきたい、とお願いいたします。つまり、既知スペースでの「神出鬼没」の移動とは、そもそも「敵の追撃を受ける状況に追い込まれない」という前提条件が入っている、ことです。

不沈戦艦さんは、実例のないことを可能だと主張されているのですから、 ぜひとも、作品中の直接の根拠か、複数の根拠の組み合わせにより、「質量体の密集地帯を経由することなく単に未知スペースのみを通過して逃避を成功させること」を、証明してみてください。
私の方は、はっきり言って、余計な推論など述べる必要も無く、「そんな実例はないのだから不可能である」の一言で済むのですから。作品中に実例のない「波動砲」を否定するのに、「そんな実例は無い」の一言で済むように。


No. 6503
やあ勝木田君
S.K 2005/06/12 17:08
> 不沈戦艦さんにとって参考となるように、
> 「証明」ということが、どういうことか、少し説明してみましょう。
>
> 銀英伝には、未知スペースを経由して敵の追撃を逃れた例はない。
> ハイネセン率いる共和主義者たちは、未知スペースを経由して敵の追撃を逃れることができたが、この場合は、質量体の密集地帯を横切ることで、達成したものである。つまり、質量体の密集地帯を横切ることなく、未知スペースを経由して敵の追撃を逃れた例は、銀英伝には、ない。

 本質というものを考えましたか?

「何故帝国軍は質量体の密集地帯を哨戒しなかったのか?」
→「航行という観点から二重遭難が危惧されるレベルの危険地帯だったから。
  加えて貧相な逃亡者達の装備ではそこに追い込んだ時点で『処刑同然』という油断ではあるが確率的説得力をもつ判断も働いた」

「何故ハイネセン達はそこまでの危険地帯に足を踏み入れざるを得なかったのか?」
→「正直通常巡航能力と戦闘能力において帝国艦隊との対峙というのは自殺そのものだった。
  危険宙域の踏破はとてつもない困難ながらまだ『かもしれない』程度の可能性があった」

 丸裸の逃亡者が完全に三方の陸路を重火器と猟犬を引き連れた無数の分隊に追跡包囲された時、哨戒艇を出せば沈没確定な大時化の海に手頃な木片一枚抱えて飛び込む行為は果たして「有り得ない程愚かな判断」ですかね?


> 実例のないことをできると主張するには、それなりの根拠が必要です。

 どれほどハイネセン達の逃亡が危険だったかはその後の再遭遇を巡っての騒乱の記述と同盟の政治家たちの士気高揚演説に充分描写されているかと。


> 例えば、ある人が、銀英伝において、
> 「なぜ同盟軍は宇宙戦艦ヤマトのような波動砲を使わなかったのだ!そうすれば、帝国軍など、一撃であったのに」と主張したとします。
> これに対する反論は、単に、「波動砲など銀英伝には登場しない。波動砲が使えないのはあたりまえだ」で十分でしょう。

 どの道ミッターマイヤーの精緻な高速艦隊運用やヤンの散開陣形からの一点集中砲撃などの戦術のある世界では、大出力砲の類は戦局を左右する兵器には成り辛いでしょうね。


> 不沈戦艦さんの主張する「第二次長征一万光年」の場合、
> なにを根拠に、それが可能である、と主張しているのでしょうか?
> 上で書いたように、
> 「質量体の密集地帯を横切ることなく、未知スペースを経由して敵の追撃を逃れた例がない」以上、実例は存在しないのです。
> 実例がない以上、単純に考えれば、「できない」とするのが妥当です。

 まず事実を整理しましょうね。
 ハイネセン達は危険宙域(だから調査困難により『未知スペース』になっていた)を航行する事により『帝国艦隊の追撃』という要素は排除した訳です。
 無理に追撃すれば帝国艦隊も遭難は充分にありえたので。
 他の何をもって帝国が逃亡共和主義者をその手で処刑した訳でもないのに同盟発見まで一切『脱走奴隷の生存』の可能性を考慮しなかったと言うのですか。

 で「第二次長征一万光年」の場合そもそも『イゼルローンの航行』という要素が帝国側からは先立って想定はされていない訳ですよね。
 そこに『要塞同伴のゲリラ戦』の肝もある訳で。
 初動でいきなり監視役のファーレンハート・ビッテンフェルド両艦隊の前で消えてしまえばそれだけで

「何事が起こったのか」
「帝国、同盟いずれの方向に移動したのか」
「ワープアウト宙域はどの座標か」
「詭計を用心してこの宙域を警戒し続け本隊を待つべきか」
「このまま皇帝と本土に報告後両艦隊で探索がてら帝国領に向かいメックリンガー艦隊と合流して帝国領の守りを固めるべきか」
「急ぎ同盟領に引き返し皇帝を警護をこそ固めるべきか」
「二手に分かれるべきか」

 これだけの判断、取捨選択の労を最低限でかけられますね。
 ハイネセンの時と違い巡航能力は互角、長期的には補給能力の分有利、そして開始位置及び帝国艦隊の展開という制約はつくものの既知宙域のどこを未知宙域への出発地点にするも自由。
「第一次長征一万光年」から比べれば遥かに好条件にしか見えませんね。


> 何一つ実例のない「第二次長征一万光年」を「可能である」と主張する不沈戦艦さんの側であることを、お忘れなく。

「ゲリラ戦が可能かつ有効である事はバーミリオン会戦前のヤン艦隊による百に満たない同盟領内補給基地を利用した帝国軍遠征艦隊への嫌がらせに対し有効な迎撃手段がなかった事実で明白。
 そのゲリラ戦と比較しても『補給基地』と要素に縛られないイゼルローン艦隊の行動予測は至難を極めるであろうことは必然。
 ではその延長でイゼルローン艦隊が既知宙域にいるかいないかを短期的に察知する手段およびいないと推察されて後どの方角より出立したかの短期的判別手段はあるのか?」

 原作に準拠して
「短期的にイゼルローン艦隊の動向を知る術は襲撃を受けるもしくはラグナロック時の埋め合わせのごとき幸運に恵まれての哨戒探査成功以外にない。
 イゼルローン艦隊は万全とはいえないかも知れないが『回廊の戦い』プランとは比較にならない成功率をもって未知宙域への航海に臨める」
でしょうとも。


> (1)イゼルローン要塞の神出鬼没について
>
> >  意味不明です。前提条件の「移動要塞論」自体に、「既知のスペースであっても、帝国軍の追撃を振り切って神出鬼没の行動を取ることは可能」とあるではないですか。既知のスペースであっても帝国軍の追撃を振り切ることができると言うのに、何で未知のスペースではそれが不可能なんですか?こんなことを言い出すのなら、最初から「移動要塞論」の支持などしないで下さい。自分が支持している「論」の根幹を、自分で否定してどうするのでしょうか?
>
> 一から十まで全部説明しないといけないというのも、面倒な話ですがいたし方ありませんね。
>
> 銀英伝中に登場する「神出鬼没」の実例は、ヤン艦隊による「連戦」における「神出鬼没」の行動でしょう。冒険風ライダーさんは、イゼルローン要塞を移動要塞化した場合にも、これと同じことができると、考えているのです。それで、「神出鬼没」ということが出てくるのです。私もこの点で同意です。
>
> 整理しますが、
> ヤン艦隊は、敵を撃破した後、悠々と帰還するわけですから、そもそも敵の追撃など受けていないのです。「帝国軍の追撃を振り切る」必要のある状況になど、追い込まれては無いのです。

「追いすがってくる敵を叩きのめす必要」が必ずしもないのは「第一次長征一万光年」(敵の追わない方角に逃げた)も「第二次長征一万光年」(そもそも会戦回避の為の行為)も同じ事なんですがね。
 ついでにヤンは致命要素ではなかったですがワーレン艦隊に嫌がらせを行って後航路探査で使っている手法の洗い出しはされてますので厳密には振り切れたと言い切ると無理があるでしょうね(むしろこんな対処に厄介な事をしていると帝国に知らしめたかったところは多々あったでしょうから)。


> これに対して、未知スペースを逃れる場合、
> 当初は、敵に発見されていないとしても、いずれ発見されてしまうことになるのです。
> No.6407で冒険風ライダーさんが説明されていますが、未知スペースでは満足にワープを行うことができず、ワープを連続的に行いえる既知スペースでの移動と比べて、格段に移動速度が落ちてしまうのです。言うなれば、未知スペースを逃れようとするイゼルローン要塞は、宇宙空間に停止しているかのような状態であると、言いえるのです。身を隠す質量体群もないまま、ワープも満足に行い得ない状況で宇宙を移動していたならば、いずれ光年単位の索敵によって、発見されてしまうでしょう。
>
> 詳しくは後述しますが、「未知のスペースへの航路を発見すること」がいかにも簡単なように不沈戦艦さんは主張していますが、なんら作品中の根拠に基づいていませんよね。作品中には、同盟が成立以来、数百年をかけて索敵された範囲が、せいぜい、直径1万光年程度(ハイネセンからイゼルローン回廊までが確か6000光年くらいだったか)なのであることが記されているだけです。しかも、この直径1万光年程度の球状(?)領域の全域がことごとくワープ可能な領域となっているわけではなく、この領域内に安全航路が網目状に確保されている、というだけに過ぎません。網目を構成する糸に沿ってはワープ航行が安全でも、網目から外れた航路は安全ではないのでしょう。
>
> それが、イゼルローン要塞の脱出行に際しては、このような外世界へのたちまち発見できるというのであれば、それに関する根拠を作品中より是非とも、探し出していただきたいですね。

 未知宙域への出発地点が、直径1万光年程度の最外周面積分あれば滞在危険宙域を差し引いても
「イゼルローン艦隊に対抗しうる戦力を取りまとめての、あるいは至近においての即時広域捜索は極めて困難」
で作中事実に基づいた論理的帰結ではないですか?
 広域探索とそれに伴う速やかな戦力移動が艦隊戦クラスで可能ならトゥルナイゼンも馬鹿呼ばわりはされなかったでしょうしミュラーも一人で鉄壁防戦するよりは楽が」できたでしょうとも。

 あと「将来の禍根を断つ為にイゼルローンは断固として帝国に追撃される」という冒険風ライダーさんの説には賛同しかねます。
 それは帝国側から「臣従か死か今すぐ絶対に選べ」という宣告だからです。
 つまりそうなるともうイゼルローン側としては『帝国大打撃必至のゲリラ戦』を敢行するしかない訳でその他の反帝国勢力もそれなりにいろいろ煩わしい厄介を引き起こす事でしょう。
 帝国としても流石にその段階で休戦講和は国が滅びかねない事態ですから体力格差にものをマンパワーで遥かに貧弱なイゼルローン側を押しつぶすしかないでしょうし。
 どちらの勝ちもありえはしますがその後の人類社会全体は資産人口活力とも惨々たるものではないかと思いますね。
「ガンになりたくないから先に今から肝臓を全摘出した、あるいは自殺した」並みの愚行ではないですか、これ。


> ついでに未知スペースでの追撃戦が始まった場合の状況についても説明しておきましょう。未知スペースでは、ワープも満足に行い得ない状況にあります。これについては、逃げるイゼルローン要塞も、追撃する帝国艦隊も、同様です。しかし、一旦通過した航路は、既知スペースといえるでしょう。つまり、追撃する帝国艦隊への援軍は、既知スペースをワープすることで追いつけるので、どんどん援軍の数を増やすことができるのです。この援軍には、当然補給船も含まれますから、補給切れの心配もありません。

 追撃が間に合った、運良く遭遇に成功したと仮定してイゼルローンとの遭遇宙域はイゼルローンに遅れて発見した訳でそこからの移動ルートは帝国は逃げられた後から割り出さなくてはいけないのですが。
 まさかイゼルローンは追撃艦隊に宙域の観測解析データを残していってくれるわけではありませんよ?
 ただしその調子でもう一つ幸運に恵まれれば前の地点に戻る以外の航路がない袋小路的宙域に追い詰められる可能性は絶無ではないですね。
 これに期待するようならもう「回廊の戦いで勇戦することでラインハルトの翻心を誘う」戦略は無体なのではなく、この作中人類はあらかたアホの子であるとして納得すべきでしょが。


> (2)ハイネセンたちが「天の川」を横断することにした根拠
>
> > >>  例えばですが、「たまたま、思いつきで天の川方向に逃げた」とか、「他の方向は帝国軍にふさがれていたので、唯一天の川方向だけに逃走可能だった」という可能性は、全くないんですか?そうではなくて、「天の川方向は質量体が多いので、敵に発見されづらい。だからイオン・ファゼカス号はそちらに逃げた」という具体的な記述か、直接そう書いていなくても、記述から明らかにそうだと結論付けられるものを示してくれ、と言っているんです。「質量体が多いので発見されづらい」だけでは、証明になっていませんよ。
>
> 銀英伝1黎明編P80上段
> 「無名の一惑星の地下に姿を隠し、そこで80隻の恒星間宇宙船を建造すると、銀河系の深奥部に歩を踏み入れた。そこは巨星(以下略)」
>
> 彼らは、積極的意思を持って、銀河系の深奥部(つまり天の川)に足を踏み入れたことが明らかに示されています。「銀河系の深奥部に歩を踏み入れた」とあって、「踏み込まざるを得なかった」とか「追いやられた」という風には書かれていませんね。

 希望を持ってあえて困難な未来に臨んだと強調したいがために前向きなレトリックを使っただけでしょう。
 何せ「奇跡的な慈悲にすがれる事を期待して降伏する」「特攻をかける」という選択であれ、ない訳ではなかったのですから「せざるを得なかった」とは言えますまい。
 特攻あたりは自尊心は保てて楽に死ねると結構現在の苦境の中誘惑を感じていた脱走奴隷の共和主義者もけっこういたんじゃないですかね。


> もし、帝国軍の包囲下にあって唯一の進路が「天の川」方面だったといった事情があったなら、それは当然記載されているでしょう。なにせ、銀河系の深奥部(つまり天の川)など通過しなければ、質量帯の密集地帯を通過することによる決定的な被害、を逃れることができるのですから。
>
> 以上のことから、「他の方向は帝国軍にふさがれていたので、唯一天の川方向だけに逃走可能だった」という可能性は、まったく無いでしょう。
> また、「たまたま、思いつきで天の川方向に逃げた」などという、ふざけたことを、真面目に言っているのですか?
>
> ま、いずれにしても、質量体の密集地帯を経由することなく単に未知スペースを逃避することに成功した実例が、銀英伝に一つもない、ことには変わりがありませんしね。
>
> (3)誤読1
>
> > >そういう危険性を承知で「天の側」の横断を実行するからには、「天の側」の横断を実行せず質量体の密集度の低い「未知スペースへの逃避」の方が、より一層危険である、ということになりませんか。
> >
> >  正直「ハァ?」です。これ、何が言いたいんですか?質量体の密集地帯が航行の難所だというのなら、そうでない場所は難所ではないのでは?
>
> 「他の方向は帝国軍にふさがれていたので、唯一天の川方向だけに逃走可能だった」という可能性、を主張しているのは、一体誰ですか?
> 不沈戦艦さん、あなたは自分で、
> 「天の側」の横断を実行せず質量体の密集度の低い「未知スペースへの逃避」の方が、(帝国軍にふさがれているので)より一層危険である、という可能性を主張しているわけではありませんか?
> 自分の誤読を得意げに、「ハァ?」とかいってる場合か、おい!

 馬鹿ではないかと思いました。
 状況が違うでしょう。
「第一次長征一万光年」で密集度の低い宙域が逃走に危険だったのはそれこそ「通るならここ」と帝国軍が厳戒態勢だったからでしょう。
 翻って「第二次長征一万光年」はこれから包囲網を(可能な)しき、追撃を(間に合うものなら)かけるわけでしょうに。
「道路を武装警官隊に封鎖されたので荒海に飛び込む」のと「一刻も早く逃げたいので全速で道路上を走り後ろの追跡者たちを振り切ろうとする」状況の『追跡者にとっての道路』の意味合い同じに解釈する人も珍しいと思います。

 ちょっと関係ない話。
「逆境ナイン」という野球ギャグマンがに勝木田君というキャラクターがおりましてね、まあ名前の通り事実として劣っていようがルール的に負けようが「〜から見れば明らかに僕が優れているのがわかる」とか思わせぶりな含み笑いとともにハッタリかまして何となく迫力だけで相手をめげさせて悦に入っているようなそういう野球少年。
 オチは珍しく頭のあがらないキャプテンの前で散々醜態をさらした挙句いつもの調子をかまそうとして「いいから引っ込め負け犬」と一括されておしまい。
 なかなかこうはなりたくない物ですね。


No. 6506
6492に対するレス
パンツァー 2005/06/13 00:11
(1)「質量体の多い天の川では、追ってくる帝国軍に発見される可能性が低いのは当然」について

>  どうも、私が指摘していることを、理解されていないようですね。おそらく、「パンツァー氏の中」では「質量体の多い天の川では、追ってくる帝国軍に発見される可能性が低いのは当然」ということになっているんでしょうけど、私はそれに対して「銀英伝作中にそんな記述はないから、そのような断定はできない。断定するなら証拠を出せ」と言っているんです。「質量体が多く、探索網に引っかかりにくいので、ハイネセン一党は天の川方向に逃げたのだ」という、「具体的記述」をね。「推論」だけじゃ、いつまで経っても「証明」したことにはならないんですよ。いくら「自分の中」では「道理」になっているからと言って、「推論」を「道理」にしないで下さい。
>
> 「推論」で「証明した」ということになるのなら、「銀河帝国によるハイネセン一党追撃の手が早く、航行が危険な天の川方向以外、アッという間に塞がれてしまった。ハイネセン一党は、仕方なく天の川方向に逃げることにした」でも、十分「推論」で「証明した」ということになるんじゃないですか。

「質量体の多い天の川では、追ってくる帝国軍に発見される可能性が低いのは当然」というのは、No.6468「6407の趣旨等について」で作品中の記載を元に説明したように、質量体の有無が索敵に影響することを根拠にしています。つまり、作品中の根拠に基づいています。
「銀河帝国によるハイネセン一党追撃の手が早く、航行が危険な天の川方向以外、アッという間に塞がれてしまった。ハイネセン一党は、仕方なく天の川方向に逃げることにした」というのは、なにか、作品中の根拠に基づいているのですか?
明確に違うことがお分かりになったでしょうか。

(2)「未知のスペースへの航行を行うには、一箇所に留まって長期間観測をする必要がある」について

> >冒険風ライダー氏は「未知のスペースへの航行を行うには、一箇所に留まって長期間観測をする必要がある」
> >これは本来冒険風ライダー氏にぶつけるべき疑問ですね。
>
> 「未知のスペースへの航路を発見する為には、一箇所に長期間留まって観測をする必要がある」が「真」だとするのなら、「その『一箇所に長期間留まる』のがハイネセンであって、何か不都合があるの?」ということに、当然なります。別にハイネセンでなくても、フェザーンでもオーディンでも、どこでもいいですが。

未知スペースで、艦船(移動化要塞を含む)が通行可能な航路を探すという作業は、要は航行上の障害物を探す、という点については、不沈戦艦さんも同意されていますよね。「恒星の観測だったら簡単にできる」という趣旨の反論を6489でも述べていましたから。そうすると、これは、索敵の一種に等しい作業になるわけですよ。バーミリオンの会戦では、偵察艇を使って光秒単位の索敵をヤンおよびラインハルトの艦隊が行っていましたが、このような細かな索敵をしないと、質量体の正確な位置を特定することができないのでしょう。
冒険風ライダーさんが指摘される「一箇所に長期間留まって観測をする必要」というのも、未知スペースの周辺で、この種の作業(偵察艇等をも利用した索敵というか探索作業)が必要であることを意味するものでしょう。
要は地形の測量をやるようなものですよ。伊能忠敬は北海道から九州まで歩いて全国の測量をやりましたが、不沈戦艦さんの指摘は、東京にいて全国の測量ができる、と主張するようなものです。

ハイネセンに留まって観測すれば質量体の探索作業がことごとくできるのであれば、戦場でわざわざ索敵する必要すらありませんって。まあ、不沈戦艦さんは、未知スペースでの航路探索に必要な処理が、恒星の位置を特定することのみでよいようにお考えのようでしたから、その意味では、ハイネセンに留まって観測が可能だ、と結論していたのも無理はないかもしれませんが。

(3)「天の川」について

> >それから、帝国領と同盟領とを分かつ防壁「宇宙の墓場(サルガッソ・スペース)」というのは、いわゆる「天の川」のことなんでしょうが、
>
>  これって根拠は何ですか?銀英伝一巻の冒頭部を読み返してみましたが、「無名の一惑星の地下に姿を隠し、そこで八〇隻の恒星間宇宙船を建造すると、銀河系の深奥部に歩を踏み入れた。そこは巨星、矮星、変光星などの危険が満ちた巨大な空間だった。造物主の悪意が脱出者たちの頭上に次々と降りかかった。」ということは確かに書いてあります。しかし、パンツァーさんのこの後の「推論」の根拠が分からない。これが「天の川のこと」というのは、一体どこから出てきたんでしょうか?

「巨星、矮星、変光星などの危険が満ちた巨大な空間」が「天の川」である、という直接的記載は、たしかに作品中にありません。恐らく、そうだろう、と思って、「いわゆる「天の川」のことなんでしょうが」と書いているのです。イゼルローンおよびフェザーン両回廊を別として、同盟領と帝国領とを分かつ防壁であり、イゼルローンおよびフェザーン両回廊を経ることなく、同盟領から帝国領に向かうには、銀河系の外縁部を通過するしかない、といった記載も作品中にはあったかと思います。
別に、「巨星、矮星、変光星などの危険が満ちた巨大な空間」が「天の川」であると断定されるのが嫌なのであれば、この点に関しては、別に取り下げてもかまいません。説明の便宜上、一々、「巨星、矮星、変光星などの危険が満ちた巨大な空間」とか「同盟領と帝国領とを分かつ防壁」とか言うのが面倒なので、「天の川」と表現しているに過ぎません。が、まあ、現代の我々の持っている銀河系に関する知識からして、「天の川」であることは、まず間違いないと思いますけどね。

(4)「質量体の密集地帯を外れると容易に索敵されてしまう」ことについて

> >銀河系には、「天の川」以外には、「天の川」に匹敵するような星の密集地帯は無いので、イゼルローン要塞軍の場合、「天の川」の両側に帝国軍が控えている以上、「天の川」を越えて逃げる、というような手は、使えないことになりそうですね。
>
>  私は「既知のスペース内で一旦帝国軍を振り切って、行方を眩ましてからおもむろに未知のスペースに逃げれば良い」と主張しているので、逃げる方向が「天の川」でなければならない理由は何もありません。その場合に、逃げた相手を探すことはほとんど不可能ですし。こんなことを「反論」として書く暇があるのなら、「どこに脱出したか分からない相手」を探す方法を呈示して下さい。

これについては、No.6497で↓のように書きました。
<これに対して、未知スペースを逃れる場合、
当初は、敵に発見されていないとしても、いずれ発見されてしまうことになるのです。
No.6407で冒険風ライダーさんが説明されていますが、未知スペースでは満足にワープを行うことができず、ワープを連続的に行いえる既知スペースでの移動と比べて、格段に移動速度が落ちてしまうのです。言うなれば、未知スペースを逃れようとするイゼルローン要塞は、宇宙空間に停止しているかのような状態であると、言いえるのです。身を隠す質量体群もないまま、ワープも満足に行い得ない状況で宇宙を移動していたならば、いずれ光年単位の索敵によって、発見されてしまうでしょう。>

未知スペースでの逃避においては、質量体の密集地帯という隠れ蓑から離れて、敵の探索を受けやすい空間上に長く留まることになるので、必然的に発見されることになるだろう、と主張しています。
これに対して、既知スペースでの逃避においては、局部的に戦術優勢が確保できる戦場にのみ出現し、必要のない限りは、可能な限り質量体の密集地帯に逃れるという方策を採れば、敵に捕捉発見される公算はきわめて小であろう、と考えられます。
だから、当然ながら、既知スペースでの逃避においても、無茶をして、質量体の密集地帯から離れることが多かったり、戦場で敵を潰し切れず追撃を受けながら逃走する、などの状況に追い込まれると、捕捉殲滅される可能性は大でしょうね。

>  これは冒険風ライダー氏の「論」ですが、「イゼルローン移動要塞で逃げながら既知のスペース以外への航路を探す場合も、同じことが成立する。なぜなら、帝国軍側には、イゼルローン移動要塞がゲリラ戦を意図しているのか、第二次長征一万光年を意図しているのか、それ以外の何かを意図しているのか、判断材料が全くないので分からない」ということが、本当に理解できないのでしょうか?「移動要塞によるゲリラ戦を行う場合は捕捉されないが、未知のスペースへの航路を探す場合は直ぐに捕捉されてしまう」だなんて、「ご都合主義的な主張」でしかないことを、早いこと分かってもらいたいものです。というか、あまりに「ご都合主義」がヒドイので、馬鹿馬鹿しくて付き合う意欲も失せてくるんですけど。

ゲリラ戦に関してですが、
これについても、質量体の密集地帯から離れていれば発見されてしまうし、質量体の密集地帯に潜んでいれば、発見されないで済む、ということです。
また、一旦、発見されることがあったとしても、帝国軍の主力部隊からは遠い位置にあって、すぐに追撃を受けるような状況でなかったなら、質量体の密集地帯を転々と移動するなどして、敵の追跡を何とか逃れるようにする、ものでしょう。小惑星群を移動させて、艦隊レベルの偽装を行う例は、作品中に多々あります。要塞に関しては、これに近い質量体を移動させて偽装を図るのは、やや困難かもしれませんが、できないこともないでしょう。できるだけ、露出するのはヤン艦隊だけにして、イゼルローン要塞の方は隠れているのが望ましいでしょうね。

(5)「長期間一箇所に留まらなければならないケース」について

> >そのために長期間一箇所に留まらなければならないケースも当然想定されるわけですし、
>
>  唐突に出てきたこの主張は、本当に訳が解りません。一体、根拠は何なのですかね?冒険風ライダー氏には、是非これについての根拠を説明していただきたいと思います。

6407の趣旨からすれば、ワープも通常エンジンでの移動もままならないほど、移動が困難な領域に入った場合だろうかと思いますが。


No. 6507
「第二次長征一万光年」を実行する時期について
パンツァー 2005/06/13 00:35
>  これは冒険風ライダー氏の「論」ですが、「イゼルローン移動要塞で逃げながら既知のスペース以外への航路を探す場合も、同じことが成立する。なぜなら、帝国軍側には、イゼルローン移動要塞がゲリラ戦を意図しているのか、第二次長征一万光年を意図しているのか、それ以外の何かを意図しているのか、判断材料が全くないので分からない」ということが、本当に理解できないのでしょうか?「移動要塞によるゲリラ戦を行う場合は捕捉されないが、未知のスペースへの航路を探す場合は直ぐに捕捉されてしまう」だなんて、「ご都合主義的な主張」でしかないことを、早いこと分かってもらいたいものです。というか、あまりに「ご都合主義」がヒドイので、馬鹿馬鹿しくて付き合う意欲も失せてくるんですけど。

「第二次長征一万光年」を実行する時期ですが、
不沈戦艦さんも、
「帝国軍側には、イゼルローン移動要塞がゲリラ戦を意図しているのか、第二次長征一万光年を意図しているのか、それ以外の何かを意図しているのか、判断材料が全くないので分からない」時期としているように、
同盟が崩壊間近か、崩壊後のヤンウェンリー軍の成立後か、といった時期を想定しているわけですよね。
私自身は、同盟がまだ健全な段階で「第二次長征一万光年」のような脱出行が企画できるとはとても思えません。

別な個所で書いたことがあったと思いますが、
単に、同盟から脱出して新天地を作るというのであれば、ハイネセンたちが乗船した恒星間宇宙船と同種の、無補給航行可能な宇宙船を作って逃げればよいだけの話で、別にイゼルローン要塞を必要とはしません。
同盟領が健在な状態で脱出行を行うというという話であれば、当然、脱出グループが帝国軍の索敵や追跡を受けるわけではないので、時間さえかければ未知スペースを手探りに出も探索しながら逃げることは当然可能でしょう。同盟領が健在で、同盟領自体が帝国軍の追撃に対する防壁として機能するのですから。

私が考えている状況は、イゼルローン要塞およびヤン艦隊が、ほとんど唯一の同盟軍(もしくはヤンウェンリー軍)の戦力となった状況下で、イゼルローン要塞およびヤン艦隊が「第二次長征一万光年」のような脱出行に参加したなら、たちまち同盟領が帝国の進駐を受けてしまうような状況です。

少なくとも、ガイエスブルグ要塞の要塞特攻を見てから出ないと、ヤンもヒントを得ることができないでしょうから、政治的な問題を別としても、イゼルローン移動要塞化は、この時期以降になりますよね。
また、同盟領が一応は健在な段階でさっさとイゼルローン移動要塞を率いて「第二次長征一万光年」のような脱出行を行うというのも、無理があるように思いますし。

要点を述べますが、
例えば、ヤン艦隊およびイゼルローン移動要塞がゲリラ戦を展開して、時間稼ぎをしている間に、無補給航行可能な宇宙船で一部同盟市民が、別世界へ脱出を図る、とかいうことでしたら、私も可能であろう、と思います。
あくまで、私は、同盟領がもはや帝国領になりかけの時期において、イゼルローン移動要塞による「第二次長征一万光年」の脱出行の問題点を指摘しているのです。


No. 6514
Re:お返事
不沈戦艦 2005/06/18 14:54
>銀英伝には、未知スペースを経由して敵の追撃を逃れた例はない。
>ハイネセン率いる共和主義者たちは、未知スペースを経由して敵の追撃を逃れることができたが、この場合は、質量体の密集地帯を横切ることで、達成したものである。つまり、質量体の密集地帯を横切ることなく、未知スペースを経由して敵の追撃を逃れた例は、銀英伝には、ない。
>
>実例のないことをできると主張するには、それなりの根拠が必要です。

 私は「移動要塞論」を元にして、「移動要塞なら、『既知のスペース』で帝国軍の追撃を振り切って行方を眩ますことは可能である。その後で、『未知のスペース』へ乗り出せば良い」と主張しています。それに対する反論に、全然なっていませんね。既知のスペースですら行方が分からなくなってしまうのに、その後未知のスペースで、どうやってイゼルローン移動要塞を発見できると言うのでしょうか?

 それと、「質量体の密集地帯」って、一体どこのことなんでしょうか。パンツァーさんは「天の川(銀河系中心部、核恒星系のことなのですよね)」と考えているようですが、ハイネセン一党が居たアルタイルは地球から17光年弱。そこから「長征一万光年」したところで、天の川(銀河の中心部は地球から三万光年)には、全く届かないんですが。


>「なぜ同盟軍は宇宙戦艦ヤマトのような波動砲を使わなかったのだ!そうすれば、帝国軍など、一撃であったのに」と主張したとします。
>これに対する反論は、単に、「波動砲など銀英伝には登場しない。波動砲が使えないのはあたりまえだ」で十分でしょう。

 言ってもいないことを、他作品から勝手に取り込まないで下さい。私はそんなことはやっていませんよ。仮定自体が無意味です。


>「質量体の密集地帯を横切ることなく、未知スペースを経由して敵の追撃を逃れた例がない」以上、
>実例は存在しないのです。実例がない以上、単純に考えれば、「できない」とするのが妥当です。

 上記で反論済みなので、繰り返しはしません。私が何を言っているのかを、早く理解して頂きたいですね。


>第二次世界大戦の艦隊の追撃戦の常識

 何ですか、これは。「第二次大戦の例(二次大戦に限った話でもないですが)として、『現世』には駆逐艦より高速な商船など存在しない」ということと、「敗北して逃げる艦隊は、損傷艦なども抱えているし、指揮系統に混乱も来しているので、追撃された場合は逃げ切れないことはある(これはあくまで銀英伝の話)」ということは確かに主張しました。それを自分の都合の良いように一部を切り取った上で勝手に組み合わせて、言ってもいないことを主張していると捏造するのは、止めてくれませんかね。自分が、極めて失礼なことをやっているということが、分かっていますか?


>作品設定にないこと(「第二次長征一万光年」)を「可能である」と言い張る

 何度も言っていますが「第一次長征一万光年」は「作品設定」です。「質量体の密集地帯を横切ることなく、未知スペースを経由して敵の追撃を逃れた例がない」については反論しています。


>銀英伝中に登場する「神出鬼没」の実例は、ヤン艦隊による「連戦」における「神出鬼没」の行動でしょう。冒険風ライダーさんは、イゼルローン要塞を移動要塞化した場合にも、これと同じことができると、考えているのです。それで、「神出鬼没」ということが出てくるのです。私もこの点で同意です。

 これについて私が反対意見を持っているということではありませんよ。


>その意味では、イゼルローン要塞は、よほど必要の無い限り、敵の「光年単位」の索敵を受けるような宙域に、わざわざ出向く必要はないのです。ですから、イゼルローン要塞は、ヤン艦隊に補給を与えることさえできればよく、必要が無い限り、質量体の密集地帯に潜んでいればよいのです。

 それで「第二次長征一万光年にあたって、航路を探す」為に、同じことをやって何か問題でもありますか?その間に逃げる先を探せばいいではありませんか。「第二次長征一万光年」というのは、「ひたすら逃げるだけで一切交戦しない」のではないんですよ。「逃げる為の状況を作り出す」のに、帝国軍を適当に叩いておく場合も、当然発生するのですから。非武装だったハイネセン一党とは違って、ヤン一党には武力があるんですからね。また、別に何が何でも帝国領に出戦しなくてもいいんじゃないかとも思います。同盟領内から未知のスペースを目指すという手段もありますし。


>身を隠す質量体群もないまま、ワープも満足に行い得ない状況

 これって一体根拠は何でしょうね。単なる「想像」でしょ。

 それと、一つ思ったんですけど、パンツァーさんって「銀英伝世界の人類は、銀河系のほとんどを版図にしている」と誤解していませんか?だから、「既知のスペース」以外に出ると星がまばらにしかないので、直ぐに見つかってしまうと。ハイネセン一党の路程は「長征一万光年」ですので若干は誤差があるにせよ大差はないだろうし、「イゼルローン−ハイネセン間が一万光年」でもあるのですから、直径十万光年、厚さ一万五千光年の銀河系の、一部しか「銀英伝世界の人類の版図」になっていないということが、分かっていないんじゃないですかね。「人類の版図の領域外の銀河系」に出たところで、いくらでも「質量の密集地帯」を見出し、そこに隠れることは可能ではないかと思いますが。「既知のスペース以外の銀河系」に「質量の密集地帯がない」と、何をどうやって判断したのでしょうか?それがさっぱり分からないです。

 それともう一つ。星がまばらな空間に出た場合は、当然「航行の困難さ」も解消されるのではないのですか?質量体があまり存在しないのに、航行が困難になるって一体どういうケースを想定しているんですかね。それと、一旦帝国軍を引き離して、質量体があまり存在しない空間に出ることができた場合(想定としては銀河系の外に出た場合)は、居場所が見つかってしまってもさほど問題はないです。その場合、帝国軍が追撃艦隊を差し向けて来た場合でも、そのまま逃げればいいんですよ。「補給の問題」で追撃艦隊は引き返さざるを得なくなりますが、イゼルローン移動要塞に「補給の問題」は存在しないので、宇宙の果てまででも逃げることは可能です。私が「イゼルローン移動要塞で第二次長征一万光年が可能」と言っていることの主眼は「無補給で航行できるので、補給が必要な追いかける側より圧倒的に有利」ということがあるんですが、そのこと分かっていますか?


>「未知のスペースへの航路を発見すること」がいかにも簡単なように不沈戦艦さんは主張していますが、なんら作品中の根拠に基づいていませんよね。

 そうでないのであれば、「第一次長征一万光年」も不可能であった筈です。パンツァーさんは「作中事実」である「第一次長征一万光年」を否定するのでしょうか?でしたら、パンツァーさんの結論は「銀英伝という作品は存在しない」ということで、「銀英伝という作品は存在する」という立場の私との議論は終わりですね。


>一旦通過した航路は、既知スペースといえるでしょう。
>
>逃げるイゼルローン要塞は、一つの航路に沿ってしか移動できませんが、追撃する帝国艦隊は、10の異なる航路でも、20の異なる航路でも選択できるわけです。多数の航路を移動していけば、当然、他より効率のよい航路も存在します。そうすれば、

 そうですか。イゼルローン移動要塞がどういう航路を取ったのか、追撃側には簡単に判明するんですか。しかもそれさえ掴んでいれば、もっと有利な航路を他にいくらでも発見できると。「未知のスペースでの航路確定は非常に困難」という主張をしている人が言っていることとは、到底思えないですね。自分で言っていて、二重基準だとは思いませんか?ダブスタには敏感なパンツァーさんとして。


>そうすれば、逃げるイゼルローン要塞が、なんらかの質量体群に引っかかって、大きく迂回などせざるを得なくなった際に、

 質量体があった場合は、そこに隠れれば発見不可能になるんじゃなかったんでしたっけ?あまり、自分の都合の良いように、論理を使い分けないで下さいね。「ダブスタに敏感」なパンツァーさん。


>追撃する帝国艦隊への援軍は、既知スペースをワープすることで追いつけるので、どんどん援軍の数を増やすことができるのです。この援軍には、当然補給船も含まれますから、補給切れの心配もありません。

 そうですか。帝国軍はどんな遠方にでも、無限に補給艦隊を派遣できるんですか。「既知のスペースですら、遠距離になると補給困難になる」ということは、「銀英伝の常識」かと私は思っていたのですが、パンツァーさんは違ったようです。


>銀河系の深奥部(つまり天の川)

 勝手に断定しないで下さい。銀河系の深奥部=天の川って、いつ確定したんですか?何が根拠なんですか?「アルタイルから一万光年では核恒星系には届かない」と、私は示しましたよ(銀英伝作中には一万光年とあって、「現世」の話ではアルタイルから核恒星系には一万光年では届かないということです)。


>自分の誤読を得意げに、「ハァ?」とかいってる場合か、おい!

 頭を冷やすことをお勧めします、としか言えませんねぇ。本当に、大丈夫ですか?


>これについては、(1)で述べたので省略いたします。

「距離が長くなると補給困難になる」という「銀英伝の常識」を弁えるようにして下さいね。


>「無傷の高速巡航艦一隻を追撃して仕留めろと命令された場合、そんなことが可能だと思いますか?」
>あのねえ、不沈戦艦さん自身、移動要塞論を巡る討論では、ファンタジーと思ってみてはどうか、という提案をされましたよね。

 なるほど。パンツァーさんは「無傷の高速巡航艦であっても、追撃された場合は簡単に捕捉されてしまう」と「ファンタジー」としてお考えなのですか。そういうことは分かりました。

 艦隊が追撃されると、簡単に捕捉されて全艦が餌食になると、一体銀英伝のどこに書いてあるのでしょうか。「同盟軍の惨敗」であったアムリッツァでも追撃はされていますが、全艦撃滅された例はないのでは。ボロディン中将の第十二艦隊は全滅していますが、これは逃げていません。「急襲されて旗艦の他残り八隻になるまで戦い、戦闘も脱出も不可能になった」と書いてあります。損害を受けて戦場から逃走した艦隊はもちろん追撃戦で損害は受けますが、全艦が捕捉され撃滅された訳ではないです。損害を受けていない艦隊に対して、追撃して捕捉可能だという説が、どこから出てくるのか示して頂きたいものです。


>追撃側の帝国艦隊は、光年単位の索敵能力を生かして、既知スペースのみを通行しながら、イゼルローン要塞の概略の位置を特定できるのですよ。一旦位置が特定できたなら、艦隊を不必要に分散させる必要など無く、そのまま追撃させればよいのです。

 ところで、その「光年単位の索敵能力」というのは、どの程度なんでしょうか?それを確定して頂かないと、議論にならないと思いますが。例えばですが、5光年以内だった場合と、千光年でも二千光年でも索敵可能な場合では、相当なまでに結論が違ってくるのではないですかね。それを確定できずに「光年単位の索敵が可能なのだから、簡単に発見できるのだ」と主張するのは、あまりに乱暴なのではないでしょうか。


>まず、同盟成立以来、数百年をかけて得られた成果が、イゼルローン要塞の脱出行に際しては、あっという間に得られるとでも言うのですか? 明らかに作品設定に反することを主張していませんか? これは、あくまで作品に基づく話なのですから、作品から遊離したことを前提に主張されても、なんの説得力もないのですよ。

 先ずは「第一次長征一万光年などということが、銀英伝の作中事実として起こる筈がなない」と主張されてみたらいかがでしょうか。


>あの〜、宇宙に存在する質量体は、恒星だけではないんですけどね。

 これは一例として出しただけです。


>恒星の周りを公転する衛星もあれば、ブラックホールのような光を発しない質量体(正確には質量体ではないかもしれないが、航行の危険物には変わりない)もあるわけですよ。

「光年単位の索敵が可能である(要塞だけではなく、戦闘艦レベルでも)」なのに、質量体の発見は難しいんですか。光年単位の索敵が可能(既知のスペースであっても未知のスペースであっても)ならば、その範囲内にある質量体の発見が難しいというと同時に主張するのは、ちょっと無理があるとしか言えませんね。自分で「ダブスタ」だとは思いませんか?


>不沈戦艦さんは田中芳樹氏の設定に矛盾を感じるのかもしれませんが

「田中芳樹の設定がおかしい」だけを金科玉条にするのなら、最初から「移動要塞論」支持なんかしませんって。


>不沈戦艦さん、あなたにしたことろで、討論相手と冷静に議論できている場合がすくないではありませんか。今回などは、冒険風ライダーさんに対しても、挑発的言動を含めてヒートしていたではありませんか。

 今回のパンツァーさんには、他人にそんなことを言う資格はないと思います。先ずは、自分の言動を省みましょう。


>不沈戦艦さんは、これまで私(パンツァー)が論敵に回ることが無かったから気が付かなかっただけで、私の論敵達は、私の主張にそうとう不愉快感を持っていただろうと思いますよ。

 程度の違いはありますが、これは「恥ずかしい自画自賛」の類ですよ。自分の姿を「立派なもの」として見たい心情は分からないでもないですが、そういうことはなるべく止めましょうね。みっともないから。


>つまり、既知スペースでの「神出鬼没」の移動とは、そもそも「敵の追撃を受ける状況に追い込まれない」という前提条件が入っている、ことです。

 目的が「第二次長征一万光年」だろうと「移動要塞によるゲリラ戦」だろうと、「既知のスペース」内で実行することは同じです。「移動要塞によるゲリラ戦」で可能なことが、目的が「第二次長征一万光年」になった途端、不可能であると主張するようなことは止めて下さいね。


No. 6516
Re:お返事2
不沈戦艦 2005/06/18 15:52
>質量体の有無が索敵に影響することを根拠にしています。つまり、作品中の根拠に基づいています。

 これについては諒解しました。

>「銀河帝国によるハイネセン一党追撃の手が早く、航行が危険な天の川方向以外、アッという間に塞がれてしまった。ハイネセン一党は、仕方なく天の川方向に逃げることにした」

 これは単なる「想像」です。そうであることを、最初から認めています。

 問題は「質量体のある方向に逃げたこと=帝国軍の追撃をかわす為」であると、確定できていないということです。ここが、パンツァーさんの意見も「想像」だと言っているのです。「想像」同士に優劣はないと私は言っているのですよ。

>銀河帝国軍の執拗な追撃と捜索をかわして、彼らは無名の一惑星の地下に姿を隠し、そこで80隻の恒星間宇宙船を建造すると、銀河系の深奥部に歩を踏み入れた。

 という記述ですが、「銀河帝国軍の執拗な追撃と捜索をかわして」というのは、「無名の一惑星の地下に姿を隠し」で終わってませんか。「銀河帝国軍の執拗な追撃と捜索をかわして」が「銀河系の深奥部に歩を踏み入れた」にかかるのなら、

>彼らは無名の一惑星の地下に姿を隠し、そこで80隻の恒星間宇宙船を建造すると、銀河帝国軍の執拗な追撃と捜索をかわして、銀河系の深奥部に歩を踏み入れた。

 とならないとおかしいと思います。つまり、「銀河系の深奥部」を目指した理由が、「銀河帝国軍の執拗な追撃と捜索をかわす為」であるとは、「銀英伝の記述」からは言えないんです。


>未知スペースで、艦船(移動化要塞を含む)が通行可能な航路を探すという作業は、要は航行上の障害物を探す、という点については、不沈戦艦さんも同意されていますよね。「恒星の観測だったら簡単にできる」という趣旨の反論を6489でも述べていましたから。そうすると、これは、索敵の一種に等しい作業になるわけですよ。バーミリオンの会戦では、偵察艇を使って光秒単位の索敵をヤンおよびラインハルトの艦隊が行っていましたが、このような細かな索敵をしないと、質量体の正確な位置を特定することができないのでしょう。

「光年単位の索敵が可能」との整合性について説明願います。


>伊能忠敬は北海道から九州まで歩いて全国の測量をやりましたが、

「ファンタジーと考えるべき」を再度持ち出してくる人が、こういうことを平然と書きますか。伊能忠敬と銀英伝と、何の関係があるんですか?地球上の土地調査事業と、宇宙観測との関連性は何ですか?「ファンタジー」的に、「光年単位の索敵」が可能な世界なのではなかったのですか。ひょっとして、パンツァーさんは「田中芳樹氏の設定に矛盾を感じるのかもしれませんが」なのでしょうか?


>恐らく、そうだろう、と思って、「いわゆる「天の川」のことなんでしょうが」と書いているのです。

「恐らく、そうだろう」で「作中事実」として確定するんですか。スゴイですね。「恐らく、そうだろう」で決めつけるようなことは止めて下さい。


>現代の我々の持っている銀河系に関する知識からして、「天の川」であることは、まず間違いないと思いますけどね。

 前のレスにも書きましたが「アルタイルから一万光年では天の川に届かない」と「現在の我々の持っている知識から」、それは間違いであることを示しました。パンツァーさんの主張が「現在の我々の知識から」を根拠にしているのなら、この件については貴方の方が「劣」です。

 ということなので、「(銀河系内の)未知のスペース」であっても、「隠れることの可能な質量体の密集地帯」が存在する可能性は否定できません。「パンツァー説」を全肯定したところで、隠れ場所がある以上、十分に「イゼルローン移動要塞」は逃げられることになりますが、その結論でよろしいですか?


>未知スペースでの逃避においては、質量体の密集地帯という隠れ蓑から離れて、敵の探索を受けやすい空間上に長く留まることになるので、必然的に発見されることになるだろう、と主張しています。

「未知スペースでの逃避においては、質量体の密集地帯という隠れ蓑から離れて」とは決めつけられないので、パンツァーさんのこの主張は肯定できません。これを「銀英伝作中から導き出される当然の結論」としたいのなら、「質量体の密集地帯(イゼルローン回廊やフェザーン回廊のある場所)というのは核恒星系であって、銀河系には他にそのような場所は一切ない」ということを、銀英伝の記述から証明して下さい。話はそれからです。


>ゲリラ戦に関してですが、
>これについても、質量体の密集地帯から離れていれば発見されてしまうし、質量体の密集地帯に潜んでいれば、発見されないで済む、ということです。

 これ、パンツァーさんが言っていることとしても、整合性があまりないんじゃないですか。「パンツァー説」によれば、質量体の密集地帯って銀河系中心部のイゼルローン回廊やフェザーン回廊のあるところなんですよね。とすると、銀河帝国のどこでも攻撃できるという訳ではなさそうです。移動要塞の隠れ場所のイゼルローンやフェザーンのあるエリアに隣接する宙域以外では、「ゲリラ戦」も難しいんじゃないですか?それにこれでは、発進してくる艦隊の場所さえ分かれば(エリアも限られていますし)、割と簡単に「移動要塞の隠れ場所」が判明してしまいそうです。これでは、冒険風ライダー氏の「移動要塞論」からは、かなり隔たってしまっているのではないかと思うんですが。

「移動要塞論」って、「移動要塞が帝国領に進出した場合、無限の補給能力を生かしてどこを攻撃することもできるので、必然的に帝国軍は兵力を分散させた防衛的な体制を取らざるを得ず、動き回っている移動要塞を大艦隊で包囲して叩くようなことはほとんど不可能になる。だから、移動要塞側が圧倒的に有利」というようなことであったと私は理解していたんですが。

 これは冒険風ライダー氏に聞きたいところですが、移動要塞論って「移動要塞はイゼルローン回廊やフェザーン回廊のある質量体の密集地帯に隠れたまま動かず、駐留艦隊だけをそこから発進させて帝国軍を叩く」ということだったんでしょうか?ご本人に裁定して貰いたいところです。


>ワープも通常エンジンでの移動もままならないほど、移動が困難な領域に入った場合だろうかと思いますが。

 こういう場合は、「質量体が多い場所なので、索敵も困難になり、発見される可能性は低い」としか思えませんね。今までのパンツァーさんの主張を総合すると。


No. 6517
Re:お返事3
不沈戦艦 2005/06/18 22:11
>私自身は、同盟がまだ健全な段階で「第二次長征一万光年」のような脱出行が企画できるとはとても思えません。

 一々断らなくても、こんな想定はしていないことは明白でしょう。


>私が考えている状況は、イゼルローン要塞およびヤン艦隊が、ほとんど唯一の同盟軍(もしくはヤンウェンリー軍)の戦力となった状況下で、イゼルローン要塞およびヤン艦隊が「第二次長征一万光年」のような脱出行に参加したなら、たちまち同盟領が帝国の進駐を受けてしまうような状況です。

 同盟再降伏間近の状況では、イゼルローン回廊帝国側通路の封鎖にあたっているのはメックリンガー艦隊だけでしたよね。その状況で、唐突にやってきた移動要塞と駐留艦隊からの攻撃に、対処できるものでしょうか。艦隊戦力が対等としても、イゼルローン要塞の主砲や砲塔群による攻撃能力によって、ヤンたちが有利であることは先ず間違いないところです。というか、この場合「突然移動要塞が襲いかかってきた」という心理的な面も含めて、メックリンガー艦隊が敗北するのはほぼ必至と見て良いでしょう(もちろん、イゼルローン側は少なくともメックリンガー艦隊が組織的な行動を取れない程度までには、徹底的に叩くことになります。この後、追撃されないようにするには、それしかないので)。

 この後、イゼルローン移動要塞の行動を掣肘する存在は、帝国領内には全くありません。敗北の連絡を受けた帝国軍が同盟領から急遽引き返してきたところで、相当な時間があります。その間、どこに行こうと、どこを攻撃しようと、イゼルローン側の自由です。その状況で、一体誰が「イゼルローン移動要塞の行方」を把握できるのでしょうか?「既知のスペース」ですら、捕捉はほとんど不可能でしょうよ。その後、「既知スペースのどこに行ったかすら分からない状況で、更に未知のスペースに逃げ出す」ということになった場合、一体どうやったらイゼルローン移動要塞を発見できるんでしょうね。こうなってしまった場合は、奇蹟のような僥倖以外では、事実上捜索することは不可能なのでは。


No. 6524
Re:矛盾
不沈戦艦 2005/06/25 10:39
 パンツァー氏の反論で訳が解らないのは、

1.質量体多数が存在する場所では敵艦(移動要塞も)の探知は困難
2.光年単位の探知能力がある
3.未知のスペースを調査し、新航路を発見するのは極めて困難

 これらが「同時に成立する」と言っている点です。どうやら、ご本人はこれらの主張が矛盾していることに全く気付いていないようですが。

「1」から言えることとしては「銀英伝世界の敵艦探知は、質量探知」ですね。でなければ、「質量体多数が存在する場所」での探知が困難になるということはあり得ません。質量体を探知しているので、他に紛らわしい質量体が多数あるから、どれが目指す敵艦の質量なのか判別できないということに、必然的になる筈です。

 そういう条件に「2」を重ね合わせれば「光年単位の質量体探知能力」を銀英伝世界では有しているということに当然なります。それと「3」は完全に矛盾してしまうではないですか。「光年単位の質量体探知能力」があるというのに、何で未知のスペースではその能力が発揮できないんですか?「光年単位の質量体探知能力」があれば、未知の恒星だろうと惑星だろうと小惑星だろうと隕石だろうとブラックホールだろうと、たちどころに判別できなければ変です。少なくとも「質量いくらの物体が空間座標のこの位置にある」ということは分かる訳です。「光年単位の質量探知能力」によって。それが分かっていれば、その空間を進んでいくことに、何も問題はないと思いますがね。

 まさか、「探知できる質量は艦や要塞のような人工物だけであって、自然の存在である星は探知できない」なんて、訳の解らないことは主張しませんね?少なくとも、貴方は「未知のスペースであっても、移動要塞は光年単位の探知能力によって追撃する帝国軍に直ぐに居場所を知られてしまう」ということと、「質量体多数が存在する空間に隠れれば、移動要塞は発見されない」ということは主張していた訳です。後者からは「紛らわしい星が探知に引っかかる」と言えるし、前者からは「未知のスペースであっても光年単位の探知は可能」と言える訳ですから、総合すると「未知のスペースの星(質量体)の位置(質量体密集地帯ではない)」は当然探知できる筈です。

 未知のスペースにおける星(質量体)の位置は光年単位で探知できるのに、それを避けて行く航路の発見ができないというのは、全く理解に苦しむ主張と言わざるを得ません。是非、この点について合理的な説明をして頂きたいと思いますね。


No. 6525
Re:矛盾
よこやり 2005/06/25 12:01
よこやりですが、

2と3でサイズのギャップがある可能性があります。

例えば、
戦艦程度のサイズならば、光年単位で探知できるが
車サイズでは探知可能な距離はぐっと縮まる。
航路として利用するには、椅子ひとつ分の質量体でも
障害となる。

上記仮定について、銀英伝世界では肯定的な見解も、
否定的な見解もなされていません。
但し、実世界では往々にして、利用目的毎に精度のギャップが存在します。


No. 6527
Re:矛盾
不沈戦艦 2005/06/26 01:32
>よこやりですが、
>
>2と3でサイズのギャップがある可能性があります。
>
>例えば、
>戦艦程度のサイズならば、光年単位で探知できるが
>車サイズでは探知可能な距離はぐっと縮まる。
>航路として利用するには、椅子ひとつ分の質量体でも
>障害となる。
>
>上記仮定について、銀英伝世界では肯定的な見解も、
>否定的な見解もなされていません。
>但し、実世界では往々にして、利用目的毎に精度のギャップが存在します。


 上記の主張を是だとすると、「既知のスペース」の航行にも問題が出てきませんか?

 何しろ、車サイズの質量体になると探知可能距離が極めて短くなって、しかもそのサイズでも航行を阻む障害となるというのなら、既知のスペースでどうやってそれを避けているんでしょうね。恒星や惑星、小惑星クラスなら既知のスペースでは場所と軌道が判明しているから避けられるとしても、いくら何でも隕石程度の質量体について、全ての位置と軌道を把握しているというのには無理があるでしょうよ。特に、それらが大量に存在するであろうイゼルローン回廊のような「質量体の密集地帯」なら尚更です。だいたい、あなたの主張では「車クラスの大きさの質量体の探知距離は短い」となっているのですから、既知のスペースについても「航行を阻む小さな質量体がどこにあるのか分からないし、相当なまでに近くに行かないと探知することもできない」ということになって、航路は危険だらけで宇宙船が走破することは困難、ということになってしまいます。

 着眼点は面白いのですが、「人類によって観測済みであるという以外に、既知のスペースと未知のスペースの条件が違う」となってしまうのは、主張として無理があるのではないかと思いました。未知のスペースで航行を阻害する要因を考え出すだけでなく、それが既知のスペースに適用された場合にはどうなるかを、十分考慮した上で反論するようにお願いしますね。


No. 6528
Re:矛盾
よこやり 2005/06/26 11:36
宇宙船単体で考えると既知も未知のスペースもリスクが
あることに同意します。

私の提案は、スペースは3種類あるという想定を導入したら
いかがでしょう。
 1.未知
 2.既知
 3.航路(既知)

航路とは、既知のスペースの中で障害物等々の
影響を受けないようにしてある部分であると想定します。

よって航路部分においては隕石程度質量体も管理されている
と想定しております。

(航路に影響の無い段階の隕石が管理されているか否かは想定をしません)

 障害物の危険が高い部分では、除去、探知、通報をするシステムが配置されていて宇宙船単体の探査能力の不足を補う。
つまり、実世界での灯台や、ブイ、あるいはそういったものの
運用する海上保安庁の管理化にある部分が航路となると推論
します。


 逆説的な問いになりますが、ラインハルトがフェザーンで
航路情報を押さえる必然性があるのは何故か?

航路とは光年単位で観測可能なデータ以外の何がしかがあると
想定することに無理は無いと考えますが
いかがでしょうか。


No. 6531
Re:矛盾
不沈戦艦 2005/06/26 18:37
>宇宙船単体で考えると既知も未知のスペースもリスクが
>あることに同意します。

 そうですね。私も同意見です。


>私の提案は、スペースは3種類あるという想定を導入したら
>いかがでしょう。
> 1.未知
> 2.既知
> 3.航路(既知)

 なるほど。


>航路とは、既知のスペースの中で障害物等々の
>影響を受けないようにしてある部分であると想定します。
>
>よって航路部分においては隕石程度質量体も管理されている
>と想定しております。

 そこが分からないところではないかと。何しろ、「銀英伝世界における航路の管理」というものが、一体どうなっているのかは、さっぱり分からないですから。そういう細かいことまで、作中にはないですからね。ということで、これについては「書いていないから分からない。よって、何も確定しない」という結論になるのでは?


> 障害物の危険が高い部分では、除去、探知、通報をするシステムが配置されていて宇宙船単体の探査能力の不足を補う。
>つまり、実世界での灯台や、ブイ、あるいはそういったものの
>運用する海上保安庁の管理化にある部分が航路となると推論
>します。
>
> 逆説的な問いになりますが、ラインハルトがフェザーンで
>航路情報を押さえる必然性があるのは何故か?
>
>航路とは光年単位で観測可能なデータ以外の何がしかがあると
>想定することに無理は無いと考えますが
>いかがでしょうか。

 ここで問題になってくるのは、「何故ハイネセン一党が、航路データもない未知のスペース、しかも障害物である質量体が多数散在するイゼルローン回廊を通り抜けることができたのか?」ということではないでしょうか。この「銀英伝作中の実例」からすれば、「未知のスペースであっても航路として使用することは、決して不可能ではない」と言えるのではないかと。


 あなたとの議論の結論としては、「『銀英伝世界の航路データとはどのようなものか?』について作中で詳細に記述していない以上、確定的なことは何も言えない。お互い、想像によって補っている部分が多すぎるので、どちらが正しいとも言えない」ということでいいんじゃないかと思いますが、どうでしょうか。


No. 6533
Re:矛盾
よこやり 2005/06/26 21:48
>  あなたとの議論の結論としては、「『銀英伝世界の航路データとはどのようなものか?』について作中で詳細に記述していない以上、確定的なことは何も言えない。お互い、想像によって補っている部分が多すぎるので、どちらが正しいとも言えない」ということでいいんじゃないかと思いますが、どうでしょうか。

同意します。


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