反創竜伝・評論批判編
5−A

創竜伝の関東軍評価(1)

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コンテンツの総収録投稿数23件の内、1〜17件目の投稿を掲載

収録投稿1件目
board1 - No.517

戦略的批判をしてはどうでしょう

投稿者:カエルサル
1999年01月01日(金) 19時28分

あけましておめでとうございます。

ところで「田中芳樹を撃つ!」のなら、創竜伝文中の
具体的記述を検証されてはいかがでしょう。

例えば、

「在日アメリカ軍機が墜落し、民間人の母子3人が死傷したが、救助に駆けつけた自衛隊員は瀕死の民間人の母子は目にも留めず、パラシュートで脱出して無傷のアメリカ兵だけを回収していった事がある」
「警察は思想検閲が厳しく、リベラルな大学(共和学園)をでた者は絶対に就職できない」
「関東軍はソ連侵攻の時に真っ先に逃げて鉄道を爆破し、民間人を捨て駒にした」

等です。これらが本当なら日本人は田中氏が言うように劣等豚民族ということになります。
デタラメでも「小説」ということになりますが。

収録投稿2件目
board1 - No.518

元ネタ捜しも楽しい

投稿者:小村損三郎
1999年01月01日(金) 20時59分

>「在日アメリカ軍機が墜落し、民間人の母子3人が死傷したが、救助に駆けつけた自衛隊員は瀕死の民間人の母子は目にも留めず、パラシュートで脱出して無傷のアメリカ兵だけを回収していった事がある」
>「警察は思想検閲が厳しく、リベラルな大学(共和学園)をでた者は絶対に就職できない」
>「関東軍はソ連侵攻の時に真っ先に逃げて鉄道を爆破し、民間人を捨て駒にした」

>等です。これらが本当なら日本人は田中氏が言うように劣等豚民族ということになります。

う〜ん、2番目のはどうだか知りませんが(恐らく事実でしょう)、1番目と3番目については事実だったと思います。
(1番目の「ファントム墜落事件」については、これを元ネタにしたアニメ映画があったような。)
これについては本当に言語道断と言うしかありません。

3番目の事例については昭和12年の(俗に「南京大虐殺」と言われる)「南京事件」の際の中国軍もそうなんですよね。
田中氏の論法だと「南京事件」の責任は中国側にも有る、ということになってしまいます。
どこの国であるとに関わらず軍人や官僚の習性なんでしょうが、いずれもひどい話なのは確かですね。

収録投稿3件目
board1 - No.519

事実と真実

投稿者:石井由助
1999年01月02日(土) 01時32分

>「在日アメリカ軍機が墜落し、民間人の母子3人が死傷したが、救助に駆けつけた自衛隊員は瀕死の民間人の母子は目にも留めず、パラシュートで脱出して無傷のアメリカ兵だけを回収していった事がある」
>「警察は思想検閲が厳しく、リベラルな大学(共和学園)をでた者は絶対に就職できない」
>「関東軍はソ連侵攻の時に真っ先に逃げて鉄道を爆破し、民間人を捨て駒にした」

>等です。これらが本当なら日本人は田中氏が言うように劣等豚民族ということになります。

>う〜ん、2番目のはどうだか知りませんが(恐らく事実でしょう)、1番目と3番目については事実だったと思います。
>(1番目の「ファントム墜落事件」については、これを元ネタにしたアニメ映画があったような。)
>これについては本当に言語道断と言うしかありません。

>3番目の事例については昭和12年の(俗に「南京大虐殺」と言われる)「南京事件」の際の中国軍もそうなんですよね。
>田中氏の論法だと「南京事件」の責任は中国側にも有る、ということになってしまいます。

 私も本文中で随分とこの手の記述を槍玉に挙げてきましたが、事実かどうかと言われれば、おそらく事実であるとは思います。ただし、真実かどうかと問われれば、これは相当怪しいと言わざるを得ないですけどね。1番目の「ファントム墜落事件」が事実だとしても、そこから発展させた「マスコミが牙を抜かれていて批判せず、それを恥もしない」という論理はとても真実とは言えないでしょう。小村さんの指摘する関東軍と南京事件の共通性などは、まさに事実と真実が一致していない良い例ですね。
 ちなみに、リベラルな大学出身だと警察に就職できないというのは、事実かどうか分からないですが、身内に共産党員がいるとダメだというのは確かにあるようですね(知り合いの警察官から聞いた話です…>こう書くと何かデマっぽいな^^;)
 ところで、私が気になっているのが、サミットの時に検問に協力しなかった人の免許証に「非国民」と書いたという奴。これ、マジなん?(余談だけど、検問に協力しない奴の九割以上はヤンキーらしい。免許証の提示が「任意」であることを知っていて、それをネタに警察官にからむそうな>以上伝聞)

>どこの国であるとに関わらず軍人や官僚の習性なんでしょうが、いずれもひどい話なのは確かですね。

 この「習性」のルーツに関しては、川島弘三「社会主義の軍隊」が詳細に検証していておすすめです。

収録投稿4件目
board1 - No.520

ちょっと酷な評価だと思いますが。

投稿者:北村 賢志
1999年01月03日(日) 15時06分

小村損三郎さん
>(1番目の「ファントム墜落事件」については、これを元ネタにしたアニメ映画があったような。)
>これについては本当に言語道断と言うしかありません。

うろ覚えですが、それは確か「パパ・ママ・グッバイ」とかいった作品だったはずです。でも自衛隊員云々は無かったと思います。

>どこの国であるとに関わらず軍人や官僚の習性なんでしょうが、いずれもひどい話なのは確かですね。

それはちょっと酷な評価なのでは。ソ連参戦時の関東軍は殆どの兵士が昭和20年に入ってから徴収され、訓練は元よりライフルすらろくに持っていない「案山子部隊」です。
 それが圧倒的大兵力のソ連軍による攻撃を受ければ、大混乱となるのは当然です。むしろ戦前のように「生粋の軍人」をそろえた精鋭部隊であったなら遙かに多くの邦人を救えたのは間違い有りません。
 ようするにソ連侵攻時の関東軍の醜態は、軍人の習性ではなく、同じ状況に置かれたら誰でもやりそうなことだと考えた方が良いと思います。

収録投稿5件目
board1 - No.523

うーむ、確かに知識の量には一目置かざるを得ない。けど…

投稿者:本ページ管理人
1999年01月04日(月) 00時44分

>それはちょっと酷な評価なのでは。ソ連参戦時の関東軍は殆どの兵士が昭和20年に入ってから徴収され、訓練は元よりライフルすらろくに持っていない「案山子部隊」です。
> それが圧倒的大兵力のソ連軍による攻撃を受ければ、大混乱となるのは当然です。むしろ戦前のように「生粋の軍人」をそろえた精鋭部隊であったなら遙かに多くの邦人を救えたのは間違い有りません。
> ようするにソ連侵攻時の関東軍の醜態は、軍人の習性ではなく、同じ状況に置かれたら誰でもやりそうなことだと考えた方が良いと思います。

 確か、創竜伝で批判しているのは、満州国の『中国人』の総理張景恵が「各都市に無防備都市宣言をさせれば、ソビエト軍が略奪破壊をするときに国際法で処罰できる」と提案したのを関東軍が蹴り、ソビエト軍が一般市民を暴行、略奪する間に自分たちが逃げ、さらに自分たちが通過した鉄橋を爆破したために一般人が犠牲になった。だから、関東軍は人類史上世界最悪の軍隊だ、ということらしいのですが、この点についてはどうなのでしょうか?
 個人的には、あの状況で国際法による懲罰なんて笑止だと思うし(大体、国際法を守る気があったら、不可侵条約を破って侵攻してきやしないって)、後の一方的な戦犯処罰やシベリア抑留も含め、そもそも道義的に悪いのは人類史上世界最悪の関東軍ではなく、ソ連軍の方だと思うのだけど。
 ただ、これに関しては、逃げ遅れた祖母がソ連兵に犯された経歴を持つレディLの感想なので(続も同感だといっているけど)、「小説だったら許される」部分があることを留保しておきます。

>うろ覚えですが、それは確か「パパ・ママ・グッバイ」とかいった作品だったはずです。でも自衛隊員云々は無かったと思います。

どういった話なのでしょうか? う〜ん、気になりますね。

収録投稿6件目
board1 - No.524

尼港事件

投稿者:ゲオルグ
1999年01月04日(月) 01時10分

 掲示板の趣旨とは離れるかもしれませんが少しだけ。
 シベリア出兵当時、パルチザンに包囲された日本軍が邦人保護の名目でパルチザンと休戦協定を結ぶも、それを反故にして包囲していたパルチザンを奇襲。情けないことに返り討ちに遭い激昂したパルチザンに居留民ともども虐殺されるという事件がありました。いわゆる尼港事件です。
 このとき動員されていたのは正規軍だったと思いますので、日本陸軍の自国民間人への無関心ぶりは当時の列強諸国の中でも最低といえるものでしょう、やはり。
 悪名高いナチスドイツも末期はソ連軍の暴虐から自国国民の退避する時間を稼ぐために絶望的な戦闘を行っています。
 末期の関東軍よりはマシな装備だったとはいえ、絶望的な戦力比に直面した素人集団(熟練兵たちは1944年のバグラチオン作戦により失われている)という点で日独は共通します。
 日本陸軍、少なくとも関東軍は最低に分類すべき軍隊だということでは完全に同意しますね。第一、兵だけならともかく士官までが我勝ちに逃げだすというのはどういうことでしょうか。

収録投稿7件目
board1 - No.525

理由としてはこんなところでしょう

投稿者:北村 賢志
1999年01月04日(月) 18時54分

ゲオルグさんへ
> このとき動員されていたのは正規軍だったと思いますので、日本陸軍の自国民間人への無関心ぶりは当時の列強諸国の中でも最低といえるものでしょう、やはり。

 そうなった理由は、戦前日本軍の生い立ちに由来していると思われます。
 国境線が地続きで戦争が即、自国領土への他国軍の侵攻に繋がる大陸諸国や、世界中に点在する植民地にいる自国民の保護を要求されたイギリスとは異なり、日本では長らく戦争とは内戦と外地への侵攻しか有りませんでした。
 すなわち日本軍では「自国民間人の保護」は優先順位が低い要素だったわけです。
 そういう点では日本に似たアメリカも、ルソン島にて日本軍がマニラから撤退中であることを把握おり、ほっておけば無傷でマニラを奪還できたにも関わらず、作戦の遅れにいらだったマッカーサーが総攻撃を命じて、市街を廃墟にした実例があります。

> 悪名高いナチスドイツも末期はソ連軍の暴虐から自国国民の退避する時間を稼ぐために絶望的な戦闘を行っています。
> 末期の関東軍よりはマシな装備だったとはいえ、絶望的な戦力比に直面した素人集団(熟練兵たちは1944年のバグラチオン作戦により失われている)という点で日独は共通します。
> 日本陸軍、少なくとも関東軍は最低に分類すべき軍隊だということでは完全に同意しますね。第一、兵だけならともかく士官までが我勝ちに逃げだすというのはどういうことでしょうか。

 一応、理由は以下の通りです。
1,兵員、装備の劣悪さ
 昭和20年になって動員された部隊では士官も現役をとっくに引退した壮年の予備仕官か、学徒動員で士官に任じられたものが大部分です。質が低いのは致し方有りません。実際、数少ない精鋭部隊は圧倒的なソ連軍相手にも相当奮戦しています。

2,状況の違い
 ドイツ軍兵士の場合は、動員され配属された時点で「ソ連軍と戦う」覚悟を否応なしに求められました。
 しかし関東軍の場合は、ソ連参戦のその日まで満州は本土より遙かに平穏でした。関東軍の殆どの人員にとってソ連参戦は寝耳に水の事態だったのです。
 要するに彼らには「覚悟を決める」いとまなど全くなかったのです。素人連中が覚悟も無しにいきなり敵の攻撃に晒されれば、パニックに陥るのもやむを得ないことだと思います。

3,ソ連軍の実態を知らなかった。
 当時の関東軍には、侵攻してきたソ連軍が、広範囲な暴行、略奪を行うとの認識は薄かったと思われます。
 ヨーロッパ戦線の正確な情報が入っていたとも思えませんし、入ってきたとしても戦時中のことですから余りあてになりません。
 戦後のシベリア抑留の段階でも、資料を読むと関東軍はソ連軍を「国際法を尊重する」ことを前提に話をしています。
 つまりソ連軍の暴虐を関東軍は全く予見できてはいなかったと考えるべきでしょう。

 理由としてはこんなところでしょうか。
 無論、だからといって関東軍並びに軍指導者の責任が免れるはずもありませんが「人類史上最悪」は行き過ぎでしょう。
 彼らは少なくとも「自国民を虐殺した」ことは無いのですから。

収録投稿8件目
board1 - No.526

色々考えてしまうなー

投稿者:小村損三郎
1999年01月05日(火) 00時19分

>>うろ覚えですが、それは確か「パパ・ママ・グッバイ」とかいった作品だったはずです。でも自衛隊員云々は無かったと思います。

>どういった話なのでしょうか? う〜ん、気になりますね。

実は私も本編は見ていません。
雑誌で紹介記事を読んだだけです。
たしかお母さんは助かったけどお子さん2人は亡くなったんでしたね(__)。

>それはちょっと酷な評価なのでは。
>ソ連参戦時の関東軍は殆どの兵士が昭和20年に入ってから徴収され、訓練は元よりライフルすらろくに持っていない「案山子部隊」です。
> それが圧倒的大兵力のソ連軍による攻撃を受ければ、大混乱となるのは当然です。むしろ戦前のように「生粋の軍人」をそろえた精鋭部隊であったなら遙かに多くの邦人を救えたのは間違い有りません。
> ようするにソ連侵攻時の関東軍の醜態は、軍人の習性ではなく、同じ状況に置かれたら誰でもやりそうなことだと考えた方が良いと思います。

なるほど、そういう事情だったんですか。
たしかに急に徴兵された人には同情の余地があるでしょう。
ただ、司令官や参謀といった責任者連中が真っ先に逃げ出した、という話を聞いたんですが。このていたらくでは松井や○り氏に「当時の軍人にも公が無かった」と言われても仕方無いかも(苦笑)。

あ、勿論一番悪いのはソ連だというのは当然ですが。

収録投稿9件目
board1 - No.527

関東軍への私評

投稿者:ゲオルグ
1999年01月05日(火) 00時58分

北村さん
>1,兵員、装備の劣悪さ

 ですがこれは日独共通ですね。素人集団の戦線の火消しに熟練兵が奮戦せざるを得なかった事情は分かります。

>2,状況の違い

 私はパニックに陥った日本兵は「最低」とは思いませんが、その対処方法などに全く無策・かつそもそもその必要性をまともに考慮していなかった関東軍という組織を否定しています。

>3,ソ連軍の実態を知らなかった。

 2にも絡みますが、関東軍のそもそもの部隊発足の名目は満州における邦人の生命財産保護を含む権益維持にあります。まして日本陸軍の仮想敵は常にソ連であったはず。その実情も知らず、ましてソ連の兵力増派を把握しておきながらむざむざ奇襲を受けるなど最低でしょう。

>彼らは少なくとも「自国民を虐殺した」ことは無いのですから。

 日本軍は台湾では先住民族を、朝鮮では3・1運動などのときに自国国民を組織的に虐殺してます。(すでにそのときは日本の国民です)
 日本人への虐殺はなかったですが、それはその必要がなかったがためではないでしょうか?
 戦中、戦車将校だった司馬遼太郎さんのエッセイでこういうのがあります。
 本土決戦を想定した問答で司馬氏が中央から来た参謀に聞いたそうです。
「戦場に駆けつけるとき避難民で街道が塞がってしまったらどうしたらよいか?」
 答えは「ひき殺していけ」だったそうです。

収録投稿10件目
board1 - No.534

何故、関東軍は無防備だったのか

投稿者:北村 賢志
1999年01月05日(火) 22時33分

ゲオルグさん
>関東軍のそもそもの部隊発足の名目は満州における邦人の生命財産保護を含む権益維持にあります。まして日本陸軍の仮想敵は
>常にソ連であったはず。その実情も知らず、ましてソ連の兵力増派を把握しておきながらむざむざ奇襲を受けるなど最低でしょう。

 仰有るとおり関東軍上層部の無能ぶりには弁護の余地がありません。そこで「なぜ関東軍は奇襲を受けることになったのか」と言う点について私なりの分析をしてみます。
 いくら何でも関東軍の上層部がソ連軍の動きに気が付かなかったとは思えません。
 と、すれば簡単です。そう、関東軍上層部は「近々ソ連軍の侵攻の可能性が大きい事を知っていたが、意図的に無視した」と考えるのが一番自然かと思います。
 いくら情報を軽視した日本陸軍でも、当時の実状でソ連軍の攻撃を受ければ敗北は100%間違いないことは簡単に予想できます(遙かに精鋭を投入したノモンハンですら惨敗だったのですから)。
 そこで合理的に考えれば「まだましな敗北の道を探る」となるはずですが、精神主義・勝利至上主義の日本軍では「敗北を前提として作戦を立てる」と言うことは許されることではありませんでした。
 となると詰め込み教育型エリート官僚の悲しさ、教えられたことの枠を越えて物事を考えることが出来ません。
その結果として
「ソ連軍に攻めてこられればどうしようもない」が故に「ソ連軍が攻めてくるはずはない」
との現実逃避した答えを無理矢理引き出してしまったのではないでしょうか。
 そして元々、現実逃避している為に、各部隊にソ連軍の侵攻に備えて警戒をさせたり、移住者の避難準備をすることは、目をそらしている現実を直視させることになりますから必然的に避けられてしまいます。
(このあたり「軍隊を持つことは戦争に繋がる」といった非武装中立論と同レベルです)
 何とも酷い話ではありますが、これがどうも一番有りそうな結論だと自分では考えます。

 しかしそこで「関東軍とは史上最悪の軍隊」とは思いません。
 なぜなら最近のバブル期の「土地狂想曲」、社会主義国の農業集団化に伴う農民の大量餓死(中国とソ連を併せただけで5000万人以上とも言われてます)を見れば分かるとおり、選りすぐりのエリートが現実を見ずに素人でもやらないような大失敗を犯す実例が多々あるからです。
 また似たような理由で、スターリンやヒトラーが貴重な情報を無視した結果、大敗北を招いています。
 以前、ゲオルグさんの言われたバグラチオン作戦時、ドイツ軍崩壊の最大の原因がヒトラーの無茶な確地命令により、圧倒的優勢なソ連軍(ドイツ軍の5倍以上)の電撃的な侵攻に対し、ドイツ軍は拠点にこもって機動的な運用を封じられるという自殺行為に等しい作戦に有ったのは明白です。
 外伝のラインハルト風に言えば
「あのような作戦は味方の背後に、強大な予備戦力が有る場合にのみ有効なのだ!」
というところでしょうか。
 関東軍に関して私の感覚は、個々の兵士・下士官・前線指揮官には後のシベリヤ抑留もあって同情します(「無能」ではあっても「卑劣漢」とは言えません)。そして上層部はやはり「弁護の余地無き無能者」でこちらは犯罪的と言えます。
 しかし、ここで彼らが犯したのと同じ失敗を、誰しも(無論、私も)犯す危険性が有ることを忘れるべきではない、と言うのが結論です。

> 日本軍は台湾では先住民族を、朝鮮では3・1運動などのときに自国国民を組織的に虐殺してます。(すでにそのときは日本の国民です)
>  日本人への虐殺はなかったですが、それはその必要がなかったがためではないでしょうか?

 そうでしょうか?イギリスをはじめとした欧米諸国は植民地にて日本軍など問題にならない規模で虐殺を行いましたが、だからといって自国民(この定義が曖昧であることは承知してます)にその銃を向けたかと言えば疑問です。
 ナチスドイツでも降伏直前にヒトラーの出した全ドイツ焦土作戦命令は殆どの司令官に無視されました。
 彼らの多くがソ連の村々を焼き払い、ロンドンの市街地を平気で空爆し、何より同じドイツ国民だったユダヤ人を弾圧した人間であったにも関わらずです。
 そう考えると日本が日本人を虐殺しなかったのは必要のあるなしではなく、20世紀の国民国家の軍隊としては、むしろ普通の事だったと思うのですがいかがでしょう。
 まあ、やったやらないの議論をしてもしょうがないので、ここは見解の分かれても致し方有りません。

>戦中、戦車将校だった司馬遼太郎さんのエッセイでこういうのがあります。
>本土決戦を想定した問答で司馬氏が中央から来た参謀に聞いたそうです。
>「戦場に駆けつけるとき避難民で街道が塞がってしまったらどうしたらよいか?」
>答えは「ひき殺していけ」だったそうです。

 それは山本七兵氏の評した「精神力演出家」と言うやつなのでは?
 戦後の日本でも非武装中立論者が「攻撃されれば無条件降伏する」などと無責任なことを言ってましたが、それと同レベルの単なる無責任発言だと思いますよ。

収録投稿11件目
board1 - No.536

レスです

投稿者:ゲオルグ
1999年01月06日(水) 00時15分

北村さんのスタンスは良く理解できました。
 田中芳樹さんのアジに乗る形で関東軍批判したのはちと拙かったですね。「日本人として見た場合、関東軍は最低だ」と修正しときましょう。
 しかし、このまま大戦当時の列強の軍隊の民間人保護への認識の持ち方(コベントリー空襲やベルリン攻防戦)を語り合うのも楽しそうですが、脱線が過ぎるような気もしますね(笑)

収録投稿12件目
board1 - No.537

田中芳樹がイヤな理由

投稿者:本ページ管理人
1999年01月06日(水) 02時54分

>関東軍に関して私の感覚は、個々の兵士・下士官・前線指揮官には後のシベリヤ抑留もあって同情します(「無能」ではあっても「卑劣漢」とは言えません)。そして上層部はやはり「弁護の余地無き無能者」でこちらは犯罪的と言えます。

 全くその通りであって、下士官や兵士全体に責任を求めたり、「卑劣漢」かどうかを問うような道義的な問題を追求するのには、かなり酷な部分があると思います(もちろん、中にはろくでもない奴もいるだろうが)。
 私が創竜伝でもっとも気にくわない部分の一つがここですね。人民解放軍が弾圧の非民主的組織ということになると、頂点から末端まで、判に押したように全員権威主義的なサディストのような描かれ方をする。その一方で、天安門事件でデモを起こしたグループは、一律に「彼らのような人間が中国を支える」というような趣旨の評価になる。
 しかし、現実には大学に通えたり市民運動家になれたりするような青年は、それだけ余裕のある裕福な家の子弟だったりするし、逆に、貧しい家の子弟の方が、身を立てるために人民解放軍に入っているのが、現実でしょう。
 こうした現実を無視し、「民主」「被弾圧」という錦の御旗を立てていれさえすれば正義で、これに対する弾圧者は悪という「図式」でもって対象をぶった切り、それで「毒舌」のつもりになっているあたりの精神性が、正直言って恐ろしく醜悪でイヤなんですよ。
 たとえば七巻にすごい文章があるのですけど、

『職業に貴賎はないといわれる。だが国民を監視・弾圧する秘密警察の警官や、強制収容所の看守などは、やはり高貴な職業ではありえない。そのような職業に従事する兵士は、かつては勇敢で名誉を重んじていたとしても、精神の格調をすりへらしてしまう。無抵抗の政治犯や反革命分子を痛めつけ、苦しめることに喜びを見出すようになってしまうのだ。終が見たのは、すでにそうなりはててしまった人間たちだった。』

 完全な職業差別です。第一に、「秘密警察の警官や強制収容所の看守」だって個々それぞれに事情があるはずなのに、それを一括りにして一元的に判断している。良い人間も悪い人間もいるユダヤ人を、一括りに「劣等人種」と判断したヒトラーと同じですね。第二に、『そのような職業に従事する兵士は、かつては勇敢で名誉を重んじていたとしても、精神の格調をすりへらしてしまう。』と職業内容から人格を貶めていること。「殺生をしているから汚らわしい」と被差別部落民を差別した日本人の悪癖と全く同質です。
 この差別意識は、上記の職業の他に「政治家」や「大資本の経営者」にも当てはまるほか、職業を越えて、日本人に対する差別などにも広がります。
 私は田中氏の思想の自由を認めますから、差別意識はイカンとはあえて申しませんが、このような差別思想をベストセラーで開陳するような方は、口が裂けても「民主主義」などという説教を垂れないで欲しいものです。

収録投稿13件目
board1 - No.538

関東軍・ソ連軍と田中芳樹

投稿者:不沈戦艦
1999年01月06日(水) 12時58分

 なかなか興味深い話をしていらっしゃいますね。そもそもは田中芳樹が「関東軍が最低最悪の軍隊だった」とか創竜伝に書いていた事から始まったんでしたよね。まあ、これに関しては、明らかにどうかしてますな。利害無しの第三者(日本、ソ連、アメリカ、中国、朝鮮半島など除く)の目で見れば、確かに民間人を見捨てて逃げ出そうとした関東軍の幹部などは義務を放棄しようとしたとしか思えないでしょうけど、その事態を引き起こしたソ連軍の方が、数倍凶悪に見えるんじゃないでしょうか。無防備都市宣言云々以前に、民間人に対する暴行、虐殺、略奪など近代国家の軍隊とは思えない蛮行を組織的に働いていたんですから。それも、スターリンが「かつての屈辱(日露戦争)の復讐」と蛮行を煽っていたし。しかもその後捕まえた民間人を「資本主義援助罪」とかいうソ連の国内法を適用して有罪とし、シベリアに送って強制労働させていましたわな。こんなもん、誉められた話じゃないんですから、殊更関東軍の無責任だけを取り上げて、「極悪非道な日本軍」と宣伝したいってのは病理の域ではないでしょうか。

 それに、北村さんが検証されているように、関東軍の精鋭は南の島でのたれ死にか、輸送船と一緒に魚雷を喰らって海の底かでもう満州には存在せず、急遽徴兵された員数合わせ(員数合わせの病理に関しては山本七平氏が詳しいです)の見てくれだけ、ってな状況だったんですし。こういったバイアスのかかったものの見方しか出来ない、ってのは全共闘世代らしいところですね。さすがにもう「革命を起こして日本を理想の世界に」などと考えている訳はないでしょうが、「三つ子の魂百まで」とは言ったもので、かつて「正しい」と刷り込まれたものからの脱却が出来ないんでしょう。「共産主義革命・理想の未来・人類の夢・進歩主義」がしっかり脳裏に焼き付いているから、それに因むものは全て正しいし、そうでないもの、「宗教・君主制・帝国主義・植民地・守旧勢力」などは無条件に否定したくなるってことでしょう。その点、実質的に満州を植民地化していて、天皇という君主がおり、帝国主義政策を取り続け、国家神道を国民に強制していた大日本帝国など見るもおぞましい穢れた(おっと、この概念は神道そのものですが)もので、たとえどんな蛮行を行っていようとも、人類の未来に向かってた共産国の軍隊は正しく、穢れた日本軍を掃除しただけ、と無意識に考えてしまうんじゃないでしょうか。

 こういう人がよく陥っているんですけど、行動様式と思考様式が骨の髄まで日本人そのもの(神道の概念やら話し合い絶対主義など)なのに、仮にそのことを指摘されても理解できず、却って指摘した方の人間を馬鹿扱いする、ってのはよくある話です。変にマルクス主義にかぶれた時期があるから、「日本人の宗教性」について言われても「宗教はアヘンで、良くないもの」と「三つ子の魂百まで」で刷り込まれているもんだから、まるで理解できないんですよ。こういう人は、本人が自覚しない限り、一生直らないと思いますよ。まあ、先ず無理な話だと思いますけど。

収録投稿14件目
board1 - No.543

謹賀新年・色々と

投稿者:新Q太郎
1999年01月07日(木) 03時47分

> 関東軍。
私も一般イメージとしては無能・無責任・卑怯の軍隊という感じを持っていました(つうか、辻政信がイメージキャラだからさ)。色々ここで背景を知りましたが、ここで田中氏に聞きたいことは「つーことは、やはり彼らには自己犠牲と殉国の精神、強大な軍備、仮想敵国への警戒が必要だったんすね」。
何ならついでに「あなたは今、どこにいるの?」とも付け加えようか(笑)。ま、後者は冗談としても、結局軍人はそういう「自己犠牲」が必要っつうことでしょ。やっぱり「個人の自由や権利」なんて言ってらないじゃん(笑)。

−−−−−−−−−−−−−
ついでですんでこの場を借りて顕彰するけど、北方諸島方面できちんと軍を指揮し続け、赤軍の侵攻を撃退した樋口季一郎閣下偉い!戦前はオトポールでユダヤ人を救い、最後に日本の民間人も救った彼の業績が知られていないのは良くないな。
−−−−−−−−−−−−−−−
ついでに書くけど、山本七平氏を皆が引用するのはちょっと嬉しい。彼が亡くなられてもう8年目だがまだまだ、いや今だからこそ学ぶべきことがある。(勿論キリスト教学関係、特に外国文献からの彼の引用は若干の疑問があることを割り引いてだが)ふと、彼が今生きていたら「ゴー宣戦争論」をどう読んだのか、と思う事があるんですよね。

収録投稿15件目
board1 - No.545

批判の矛先

投稿者:やぶにらみ
1999年01月07日(木) 12時28分

関東軍よりソ連軍が数等残虐だったと言ってもも、
まあ、せいぜいが「どっちもどっち」であるし、
そもそも田中氏が、ソ連軍を弁護しているわけでもないので、

今回の争点に関し、田中氏への批判を社会主義者への罵倒でもって行なうのは、いささか駒を進めすぎと思うのであるが、いかがなものか。

収録投稿16件目
board1 - No.546

確かに

投稿者:本ページ管理人
1999年01月07日(木) 13時11分

>今回の争点に関し、田中氏への批判を社会主義者への罵倒でもって行なうのは、いささか駒を進めすぎと思うのであるが、いかがなものか

 創竜伝を読む限り、田中芳樹って「社会主義者」と罵倒されれば、待ってましたとばかり小躍りして喜びそうなのが気になりますね。

収録投稿17件目
board1 - No.565

ご無沙汰してましたが、色々

投稿者:不沈戦艦
1999年01月12日(火) 22時08分

>皆さんへ

 前に書いたのは、「ソ連軍の悪行より日本軍の悪行に先ず目が行くところが全共闘世代らしい」ってのが趣旨でして、だから田中芳樹が今も共産主義者だとか、革命を願望しているとか言っていた訳ではありません。田中芳樹がソ連軍を賛美していることも無論ある訳ありません。「田中芳樹は共産主義者」とレッテル貼りをし、悪魔化(と言っても、「共産主義者は悪魔」と信じている人にしか意味がありませんが)し、こき下ろしたつもりは無かったんですが、誤解を与える表現にはなっていたかもしれません。その点はお詫びします。ただ、田中芳樹が「殊更日本の悪を強調し、煽り立てる事に異常なまでに熱心である」ってことは皆さんもご存知の通りですし、「全共闘世代だった」というのも管理人氏の言っている通りです。その二つを並べて、多少扇情的に書いただけだったんですが案外不評でしたね。次からはもう少し考えて書きますわ。

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