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銀英伝に続き「カルパチア綺想曲」も電子書籍化

銀英伝に続き、「カルパチア綺想曲」も「らいとすたっふ文庫」で電子書籍化されるそうです↓

http://a-hiro.cocolog-nifty.com/diary/2012/05/post-a856.html
>  電子書籍版『銀河英雄伝説』をリリースしてから、「ほかの田中作品は電子化されないのですか」というお問い合わせを数多く頂きました。
>  そこで、
いま書店ではなかなか手に入らない作品を中心に、電子書籍化していくことにしました。
>  まずは『カルパチア綺想曲』。
>  昨日から、appleのiTunesStoreで販売が開始されています。(リンクはこちら)

そういう既存著書の電子書籍化をやっている傍らでは、アルスラーン戦記の光文社文庫版での再販戦略が推進されていますし、出版社的にはともかく、読者的にはもはや何の意味があるのかも理解不能な展開としか言いようがありませんね。
いずれはアルスラーン戦記もまた電子書籍化されるであろうことは、現時点で既に目に見えているのですし。
これが、あれだけ己の作品および評論本などで大企業や金持ちなどに対する社会批判を披露しまくっていた作家の実態であることを考えると、呆れるのを通り越して笑いすら出てくるところですらあるのですが(-_-;;)。
自分のやっていることが結果的に「自分に甘く他人に厳しい」醜悪なダブルスタンダードな行為にまで堕ちていると、果たして田中芳樹は実感できているのでしょうかねぇ(苦笑)。


タイタニア完結巻数&薬師寺シリーズ新刊のタイトルについて

https://twitter.com/adachi_hiro/status/195300619974746113
<いえ、タイタニアは5巻で完結の予定です。 RT @livemaster: @adachi_hiro @mage_jp え、って事はタイタニアは次巻で完結なんですか?(苦笑>

https://twitter.com/adachi_hiro/status/195306879868612608
<@sako0321 @mage_jp 『創竜伝』も大事な作品なのですが、まずは田中さんが「書きたい」気分になっている『タイタニア』を書いて貰おうかと。あと2冊で完結なんだし、2冊連続で書いて欲しいと思ったりもするのですが、さすがにそれは難しいかな。>

タイタニアが5巻完結予定とは初めて聞きましたよ。
元々銀英伝10巻および「夢幻都市」のあとがきでも「次回は比較的コンパクトなものになります」的なことを述べていましたから、それよりは最初から少ない巻数の予定ではあったのでしょうけど。
まあ、5巻完結だろうが10巻完結だろうが、続巻が刊行されなければ全く意味がないのですが(苦笑)。
2012年4月下旬現在の田中芳樹は、何やら短編を書いているとのことで、それが済んだらいよいよタイタニア4巻の執筆に取りかかる予定なのだとか。

https://twitter.com/adachi_hiro/status/195285472598167552
<田中さんの今後の予定ですが、5月から6月にかけて、短篇をひとつ書く予定です。すでに構想も固まっているので、さほど時間は掛からないんじゃないかな。>

短編の内容が何なのかまでは分かりませんが。
タイタニア続巻については、もう3年も前から告知されニュースにまでなってしまっているのですから、よほどの厚顔無恥かやむをえない事情でもない限りはもう今更引き返すこともできないわけですが、とっとと執筆にかかって欲しいものです。

それと、どうやら薬師寺シリーズ9巻のタイトルも決定したようですね↓

http://a-hiro.cocolog-nifty.com/diary/2012/04/post-9600.html
>  先日、『薬師寺涼子の怪奇事件簿』の新作原稿を書き上げ、編集さんに渡した田中さん。
>  垣野内成美さんから、表紙カバー絵のラフも届きました。
6月初旬の発売日に向けて、着々と準備が進んでいます。
>  
タイトルも『魔境の女王陛下』と決まりました。
>
>  どうやら、すでに絶滅した大型肉食ほ乳類が出てくる話のようです。
>  あと1ヶ月、発売まで楽しみにお待ち下さい。

読む前から相当なまでの駄作臭が漂いまくっているのですが、また「既に作中世界でも当たり前になっているはずのオカルト絡みの超常現象を、主人公達以外の一般人がありえない物でも見るような対応に終始する」みたいな描写が出てきたりするのですかねぇ(苦笑)。
あれだけ衆人環視どころか全国・全世界レベルのTV放映でオカルト現象が周知されていれば、一般人レベルでもある程度の耐性が出来ているのがむしろ当然なのではないかとすら思うのですが(笑)。
あと、「すでに絶滅した大型肉食ほ乳類」というのはサーベルタイガーのことのようですね。
以前にも、「(薬師寺シリーズの)新刊の資料」として田中芳樹がサーベルタイガーの人形を持ってきていたという話がありましたし。

ただ、タナウツ的には創竜伝よりも評判が悪い(というより無関心な人が多い)薬師寺シリーズですが、巷では新刊の予約がそこそこある程度の人気はあるようで↓

https://twitter.com/adachi_hiro/status/195282511432122368
<田中さんの新刊、『魔境の女王陛下 薬師寺涼子の怪奇事件簿』、Amazonで見たら、講談社ノベルスで予約で2位になってる。ありがたいなあ。>

まあ、主人公2人の掛け合い漫才&コテコテのラブコメ描写「だけ」を観る分には、それでもそれなりに楽しめるのかもしれませんが……。
個人的にも薬師寺シリーズ考察を始めてから初となる新刊となるわけですが、作者サイドおよび一般的なファンとはまるで異なる意味で内容が楽しみな限りですね(笑)。


コメント一覧

葵猫 (04/28 02:08) 編集・削除

ええと、ここにおいては酷評の限りをつくされている薬師寺シリーズですが、私の大切な観劇友達が楽しみにしているのですよ、このシリーズ。
あまり色々考えずに気楽に読めるとの事です。
彼女は家に病人が2人もいて心身ともに疲れてますし、彼女の慰めになるのであれば、田中芳樹氏には頑張っていただきたいと思ってます。
他にも同じような方々は存在すると思いますし。
まあ私個人としましては、タイタニアの続きを望んでいますが。

冒険風ライダー(管理人) (04/28 02:58) 編集・削除

>葵猫さん
まあ作品の楽しみ方は人それぞれで色々ありますし、それ自体は特に問題視することでもないですね。
かくいう私自身、特定の作品以外だと普通に「広く浅く」な楽しみ方をしているものが多いですし、映画感想のツッコミなども、酷評としてではなく「作品を楽しむ手法のひとつ」としてやっているものが多いくらいですからね。
むしろ、あそこまで細部にわたって調べ上げる私のような人間の方が圧倒的少数派かつ異端なのでしょうし(苦笑)。

ただ薬師寺シリーズは、タナウツ本家で問題視されている「小説中に現実世界の評論をぶち込む」という創竜伝の性質を色濃く受け継ぐ作品な上、物語構成自体もこれまた創竜伝と同じく破綻だらけなので、そこは座視できないといったところです。
もちろん、それに対する受け取り方も千差万別あって当然なのですが。

http://www.tanautsu.net/

通行人 (09/30 00:12) 編集・削除

タイタニア4巻執筆は、タイタニアがNHKでアニメ化された時に、NHKの特番に田中芳樹氏本人が出演し、『すぐに執筆します』とTV番組の中で明言してるんだから、いい加減書きなさいよ、と言いたい。他の作品(新シリーズとか一冊完結の話)執筆してる訳だから、執筆できない状況ではないと思うんだけど。

冒険風ライダー(管理人) (09/30 00:51) 編集・削除

今年(2012年)の4月に薬師寺シリーズが脱稿して、ようやくタイタニア4巻の執筆に入ったようです。
多くのシリーズ作品を抱え込み過ぎて処理しきれない状態なのに、あちこちに手を出しまくるから今のような惨状になるのですけどね、田中芳樹は。

http://www.tanautsu.net/

銀英伝2次創作「亡命編」におけるエーリッヒ・ヴァレンシュタイン考察8

久しぶりにタナウツ本家の常連である不沈戦艦さんのサイトに掲載されている「悪ふざけ架空戦記」を読んでいたところ、主人公の図茂艦長があまりにもエーリッヒ・ヴァレンシュタインそっくりに見えて思わず笑ってしまいました。
「悪ふざけ架空戦記」について知らない方向けに簡単に説明しますと、これは過去に存在した(現在は消滅している)保守系サイト「日本ちゃちゃちゃクラブ」およびその界隈の議論系サイトの掲示板に投稿していた投稿者およびその言動を元ネタに作られたパロディ小説です。

悪ふざけ架空戦記 戦艦「百舌鳥」大作戦!
http://www.geocities.jp/hangineiden/warufuzake1.html
悪ふざけ架空戦記2 暦新島上陸作戦
http://www.geocities.jp/hangineiden/warufuzake2.html

左派系の投稿者達が集った国である酉国と、保守系論者で構成されているちゃちゃちゃ国の戦争を描きつつ、タイトル通りのお笑いギャグやパロディネタを大量に織り交ぜてストーリーが進行していきます。
そして、この作品の主人公である酉国艦隊所属の図茂艦長は、元々は金融業界系の人間だったのに、ただ「フネがマトモに操縦できるから」というしょうもない理由で軍に徴用&いきなり艦長に任命されたことから、周囲に被害者意識ばかり抱く上に罵倒ばかり繰り返すという、まさにどこぞのキチガイ狂人を彷彿とさせるような性格設定がなされているんですよね。
あまりにも性格や言動が生き写しと言って良いほどにそっくりなため、「ヴァレンシュタインってもしかして図茂艦長をモデルにして作られたキャラクターなのか?」とすら考えてしまったほどです(苦笑)。
「悪ふざけ架空戦記」が置かれているサイトには、皮肉にもヴァレンシュタインと同じファーストネームを持つエーリッヒ・フォン・タンネンベルク(こちらはヴァレンシュタインの1億倍以上はマトモな性格のキャラクターですが)を主人公とする銀英伝二次創作小説「反銀英伝 大逆転!リップシュタット戦役」もあるわけですし、作者氏があのサイトをある程度参考にしていた可能性は高そうではあるのですが。

反銀英伝 大逆転!リップシュタット戦役
http://www.geocities.jp/hangineiden/

ただ「悪ふざけ架空戦記」の場合、最初からパロディを意図したツッコミ役兼ギャグキャラクターとして図茂艦長が造形されており、かつ周囲もわざとパロディキャラばかりで固めストーリー自体も笑いを取ることを目的としているからこそ、周囲のトンデモキャラのトンデモ言動に囲まれて苦労している図茂艦長に笑いと共に同情・共感できる部分も出てくるのであって、本質的に真面目路線一辺倒で作られているはずの「エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝」で、図茂艦長と似たりよったりなギャグキャラクター同然の人物が主人公というのはミスマッチもいいところでしかないんですよね。
ヴァレンシュタインは銀英伝の二次創作小説などではなく、ボケ役だらけのギャグ小説におけるツッコミ担当の主人公として本来活躍すべきキャラクターであるべきだったのではないのかと、ついつい考えてしまった次第です。
まあもっとも、ヴァレンシュタインの偉大さを示すために周囲の人間を軒並み禁治産者レベルの無能者集団に仕立て上げるという荒業が駆使されまくっているために、「エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝」自体が「悪ふざけ架空戦記」、もっと悪く言えば創竜伝や薬師寺シリーズの形態にどんどん近づいてはいるのですが(爆)。
それでは今回も引き続き、第6次イゼルローン要塞攻防戦におけるヴァレンシュタインの言動について検証を進めていきたいと思います。
なお、「亡命編」のストーリーおよび過去の考察については以下のリンク先を参照↓

亡命編 銀河英雄伝説~新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
http://ncode.syosetu.com/n5722ba/
銀英伝2次創作「亡命編」におけるエーリッヒ・ヴァレンシュタイン考察
http://www.tanautsu.net/blog/archives/weblog-entry-570.html(その1)
http://www.tanautsu.net/blog/archives/weblog-entry-571.html(その2)
http://www.tanautsu.net/blog/archives/weblog-entry-577.html(その3)
http://www.tanautsu.net/blog/archives/weblog-entry-585.html(その4)
http://www.tanautsu.net/blog/archives/weblog-entry-592.html(その5)
http://www.tanautsu.net/blog/archives/weblog-entry-604.html(その6)
http://www.tanautsu.net/blog/archives/weblog-entry-608.html(その7)

第6次イゼルローン要塞攻防戦では、原作でも同盟軍の癌細胞とすら言って良い「無能な働き者」ぶりを披露していたロボス&フォークを、ヴァレンシュタインが排除するというコンセプトがメインで展開されていきます。
原作知識を持っている人間からすれば、ロボス&フォークを排除することが同盟にとってプラスになることは一目瞭然なのであり、その点でヴァレンシュタインの選択自体は妥当なものであるとは言えるのですが、問題なのは肝心のヴァレンシュタインが、例によって例のごとくあまりにも幼稚&自己中心的過ぎる点にあります。
それが最も悪い形で出ているのが、作中で披露されている以下のような会話ですね↓

http://ncode.syosetu.com/n5722ba/23/
> 三日前だがロボスと廊下でばったり会った。腹を突き出し気味に歩いていたが、あれはメタボだな。お供にアンドリュー・フォーク中佐を連れていたが俺を見ると顔を露骨に顰めた。上等じゃないか、そっちがそう出るなら俺にも考えがある、必殺微笑返しで対応してやった。ザマーミロ、参ったか!
>
> フォークがすれ違いザマに“仕事が無いと暇でしょう、羨ましい事です、ヴァレンシュタイン大佐”と言ってきた。仕事なんか有ったってお前らのためになんか働くか、このボケ。
>
>
“貴官は仕事をしないと給料を貰えないようですが私は仕事をしなくとも給料が貰えるんです。頑張ってください”と言ってやった。顔を引き攣らせていたな。ロボスが“中佐、行くぞ、我々は忙しいのだ”なんて言ってたが、忙しくしていれば要塞を落とせるわけでもないだろう。無駄な努力だ。
>
> 余程に頭に来ていたらしい、早速嫌がらせの報復が来た。クッキーを作るのは禁止だそうだ。
“軍人はその職務に誇りを持つべし”、その職務って何だ?人殺しか? 誇りを持て? 馬鹿じゃないのか、と言うより馬鹿なんだろう、こいつらは。

再春館製薬所が販売するドモホルンリンクルのCMで一昔前に喧伝されていた「365日間、何もしないことが仕事になる、そんな仕事があります」のキャッチフレーズじゃあるまいし、「仕事をしなくとも給料が貰える」などという状態が自慢できるシロモノなどであるわけがないでしょうに(笑)。
軍隊だけでなく一般企業でも「仕事をしなくとも給料が貰える」というのは、上司が部下に仕事を任せきりにしているパターンでなければ、窓際族として干されていたり、仕事がなくて自身が左遷・免職される、最悪は組織自体が瓦解する直前の状態にあったりするなどといった状態を意味するのですが(爆)。
ドモホルンリンクルのCMにしても、アレは本当に何もしていないのではなく、長い時間をかけて抽出されるエキスを1滴1滴チェックしていくという、単調かつ気の抜けないキツイ仕事を表現するものだったりするのですし。
またそれ以前の問題として、他人があくせく仕事をしている中で、ひとりだけ楽をしている(ように見える)人間がいたら、文句や嫌味のひとつも言いたくなるのが普通一般的な人情というものでしょう。
そもそもヴァレンシュタイン自身、バグダッシュやヤンに対して「お前のような暇で気楽な人間と違って俺は忙しいんだ、ウザいから失せろ」みたいな罵倒を平気で吐き散らしているではありませんか(爆)。
全く同じ発言を自分がやるのはOKだが、他人がするのはNGだとでも言うのでしょうか?
いくら相手がロボスやフォークであっても、いやむしろあんな連中【だからこそ】、相手に対する罵倒内容がそっくりそのまま自分自身に跳ね返ってくるような発言は、いかに外面が良くても内実は醜悪かつ無様そのものでしかないのです。
その問題をクリアできない限り、自分がロボスやフォークと同類でしかないという自覚が、ヴァレンシュタインには絶対に必要なのではないかと思うのですが。

そしてもうひとつ、軍人という職業を「人殺し」「誇りなんてない」と断言して憚ることのないヴァレンシュタインは、そもそも何故自分が蔑んでやまない軍隊などという「卑しい職種」に、それも自ら選んで就いていたりするのでしょうか?
元々ヴァレンシュタインは、実の祖父だったらしいリメス男爵から20万帝国マルクもの金が入ったカードを譲り受けており、すくなくとも当面の間は金銭的な心配をする必要が全くない立場にありました。
しかも、同盟に亡命して以降も「帝国への逆亡命計画」なるものを構想しており、同盟に永住するつもりも最初から更々なかったのです。
となれば、ヴァレンシュタインには別に同盟内で職を得る必然性自体が全くありませんし、仮に「手に職をつける」ために就職を考えていたとしても、その先が同盟軍でなければならない理由もありません。
むしろ、考察1でも述べていたように、下手に同盟軍内に入ってしまうと、同盟から抜け出すことが至難を極めるようになってしまい、「帝国への逆亡命計画」に重大な支障を来たす恐れすらあったのです。
元々軍人になることを嫌がっていたヤンの場合は、それでも「カネがなかったから」「タダで歴史を学びたかったから」などといった「止むに止まれぬ」金銭的な事情がまだあったのですが、ヴァレンシュタインにはそんな切迫した事情もなく、それどころか自身の計画に弊害すら発生しえるであろうことが最初から分かりきっていたわけです。
そこに来てのこの軍人差別発言は、わざわざ同盟軍に入ったヴァレンシュタインの選択に、ますます大きな矛盾と疑問を突きつけることになってしまうではありませんか。
ヴァレンシュタインは資格を取って弁護士稼業をやりたかったとのことですが、そのために軍隊に入らなければならない理由もないでしょうに。
そもそも、同盟で獲得した国家資格が帝国でも通用するという保証自体が実のところ全くありませんし、帝国に亡命したら同盟で得られた資格は全て無効化する可能性も多々ある(というか普通は確実にそうなる)のではないかと思うのですけどねぇ(苦笑)。
勉強すること自体には意味があるにしても、資格を得てから帝国に逆亡命するまで5年あるかどうかも不明な「同盟における」資格の取得などに、果たして意味などありえるのかと。
繰り返しますが、ヴァレンシュタインは何故、さしたる緊急性もない状況下で、自分にとって何の利益もないどころが弊害すら予測され、自身でも蔑んでやまない「同盟の」軍隊などに、それも自ら志願して入ったりしたのでしょうか?
こういうのって普通、「考えなしなバカの自殺行為な所業」とでも評すべきシロモノなのではないのですかねぇ(爆)。

そもそも、この一連のヴァレンシュタインのタワゴトって、実はヴァレンシュタインのオリジナルですら全くなかったりするんですよね。
何と、銀英伝6巻で全く同じ主張がヤンによって繰り広げられているのです↓

銀英伝6巻 P60上段
「仕事をせずに金銭をもらうと思えば忸怩たるものがある。しかし、もはや人殺しをせずに金銭がもらえると考えれば、むしろ人間としての正しいあり方を回復しえたと言うべきで、あるいはけっこうめでたいことかもしれぬ」
 などと
厚かましく記したメモを、この当時ヤンは残しているが、これはヤンを神聖視する一部の歴史家には、故意に無視される類のものである。>

もちろん、原作知識を持っているなどと称するヴァレンシュタインともあろう者が、この記述のことを知らないはずもないわけで。
原作でさえ「厚かましい」「故意に無視される類のもの」などと酷評され、ヤンの怠け根性とユーモアセンスを披露する程度のシロモノとしてしか扱われていなかった「内輪向けな本音」などを、その意味すらも全く理解せず何の疑問も抱くことなくパクった挙句に、他人に叩きつける罵倒文句として活用しまくっているヴァレンシュタイン。
何しろヴァレンシュタインは、これと全く同じ主張を、この後で繰り広げられることになる軍法会議でさえも堂々と披露しているわけですからね(38話)。
アレって、当のヤンですら人目を憚って私的に書いただけの「ネタ」の類でしかなかったはずなのですけどねぇ(爆)。
「釣り」とか「ネタ」とか「炎上マーケティング」とかいった概念を永遠に理解することすらできない、悪い意味での「大真面目」な性格をしているみたいですね、狂人ヴァレンシュタインは(苦笑)。
今更心配する意味があるとも思えないのですが、頭大丈夫なのですかね、ヴァレンシュタインは(笑)。

ただでさえ原作知識からロボスとフォークに全く好意的ではない上、同族嫌悪・近親憎悪の観点からも対立せざるをえないヴァレンシュタインは、自らの感情の赴くがままに公の場でロボスとフォークを吊るし上げることとなります。
フォークを原作同様に転換性ヒステリー症に追い込み、ロボスに対しても侮蔑交じりの嘲弄を繰り広げ始めたのです。
しかしこれ、実はヴァンフリート星域会戦後の自爆発言に続く、ヴァレンシュタイン2度目の最大の危機に【本来ならば】なりえたはずなのですけどねぇ……↓

http://ncode.syosetu.com/n5722ba/25/
> 「小官は注意していただきたいと言ったのです。利敵行為と断言……」
> 「利敵行為というのがどういうものか、中佐に教えてあげますよ」
> 「……」
> ヴァレンシュタインは笑うのを止めない。嘲笑でも冷笑でもない、心底可笑しそうに笑っている。
>
>
「基地を守るという作戦目的を忘れ、艦隊決戦に血眼になる。戦場を理解せず繞回運動等という馬鹿げた戦術行動を執る。おまけに迷子になって艦隊決戦に間に合わない……。総司令部が迷子? 前代未聞の利敵行為ですよ」
>
> フォークの顔が強張った。ロボス元帥の顔が真っ赤になっている。そして会議室の人間は皆凍り付いていた。聞こえるのはヴァレンシュタインの笑い声だけだ。
目の前でここまで愚弄された総司令官などまさに前代未聞だろう。
>

(中略)
>
> 困惑する中、笑い声が聞こえた。ヴァレンシュタインが可笑しそうに笑っている。
> 「何が可笑しいのだ、貴官は人の不幸がそんなに可笑しいのか!」
> 唸るような口調と刺すような視線でロボス元帥が非難した。
>
>
「チョコレートを欲しがって泣き喚く幼児と同じ程度のメンタリティしかもたない人物が総司令官の信頼厚い作戦参謀とは……。ジョークなら笑えませんが現実なら笑うしかありませんね」
>
>
露骨なまでの侮蔑だった。ロボス元帥の顔が小刻みに震えている。視線で人を殺せるならヴァレンシュタインは瞬殺されていただろう。
> 「本当に笑えますよ、彼を満足させるために一体どれだけの人間が死ななければならないのかと思うと。本当に不幸なのはその人達ではありませんか?」
>
> ヴァレンシュタインが笑いながらロボス元帥を見た。ロボス元帥は憤怒の形相で
ヴァレンシュタインは明らかに侮蔑の表情を浮かべている。
>
> ロボス元帥が机を叩くと席を立った。
> 「会議はこれで終了とする。ご苦労だった」
> 吐き捨てるように言うとロボス元帥は足早に会議室を出て行った。皆が困惑する中ヴァレンシュタインの笑い声だけが会議室に流れた……。

原作や「亡命編」におけるロボスやフォークが無能であるにしても、ヴァレンシュタインにそれを誹謗する資格があるとは到底言えたものではないでしょう。
自分の穴だらけの言動について「自分だけは何が何でも正しく、悪いのは全て他人」と頑なに信じ込んで反省もせず、まさに「チョコレートを欲しがって泣き喚く幼児と同じ程度のメンタリティ」なるシロモノを散々発揮しまくって、被害妄想と共に周囲に当たり散らしてきたのはどこのどなたでしたっけ?
ヴァレンシュタインがあの2人と異なるのは、原作知識があることと、「神(作者)の介入」による超展開と御都合主義の乱発によるものでしかありません。
何しろ、ヴァンフリート星域会戦後における自爆発言をやらかしてさえ、周囲の人間はヴァレンシュタインを罪に問うどころか、その問題点に気づきすらもしなかったというのですから。
この件に関して、当のヴァレンシュタイン自身は全く何もしていない上に、原作知識とやらも少しも発動されてなどいなかったのですから、この「奇跡」が「神(作者)の介入」によるものであることは疑いの余地がありますまい。
原作のフォークに原作知識と神(作者)の祝福を与えた上で大量の興奮剤とサイオキシン麻薬でも投与すれば、それでヴァレンシュタインが出来上がるわけなのですから、ずいぶんと安普請な話ではあるのですが(苦笑)。
「目くそ鼻くそを笑う」とは、まさに上記にあるがごときヴァレンシュタインの態度を指す格言なのではないですかねぇ(笑)。

さて、原作知識の恩恵をすらはるかに凌ぐ、ヴァレンシュタインの最強無敵にして本当の切り札である「神(作者)の介入」は、実はこのロボス&フォークとのやり取りの中でも如何なく発揮されています。
何しろ、ここでヴァレンシュタインが自らの身の危険について全く考慮する必要すらなく好き勝手に暴れられるという事実そのものが、「神(作者)の介入」の恩恵によるものでしかないのですから。
実は一般的な軍事組織では、ヴァレンシュタインのような人間の出現を未然に阻止するために、いわゆる「軍法」というものが整備されています。
「軍法」は、一般的な民法や刑法などのような「個人の権利を守る」ためのものではなく、「軍の秩序を維持・安定させる」ために存在するものです。
そして、ヴァレンシュタインのごとき人間に対処するための対処法としては、「上官侮辱罪」の適用が最も有効かつ効果的なものとなります。
軍法における「上官侮辱罪」の構成要素は、「直接面と向かって上官を罵倒する」「公衆の面前で公然と上官を罵倒する」というものであり、ヴァレンシュタインの言動はこの2つ共に充分過ぎるほど該当します。
つまり、ヴァレンシュタインに罵倒されたロボスは、ただ「上官侮辱罪」をヴァレンシュタインの眼前に突きつけるだけで、ヴァレンシュタインを力づくで黙らせるどころか、逮捕拘禁にまで至らしめ軍法会議にかけることすらも【本来ならば】充分に可能だったのです。
そして、すくなくとも原作「銀英伝」および「エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝」の世界には、疑問の余地なく「上官侮辱罪」が存在します。
銀英伝10巻では、オーベルシュタインの発言に激怒したビッテンフェルトが、オーベルシュタインに掴みかかったことから謹慎処分を受けていますし、「本編」には以下のごときそのものズバリな単語が存在するのです↓

http://ncode.syosetu.com/n4887n/49/
> 「オッペンハイマー中将は命令違反、上官侮辱罪、さらに皇位継承の有資格者の身を危険にさらした事、反逆を煽った事、それらの罪で逮捕しました」

これらは全て帝国の事例ではありますが、帝国にあるのに同盟側にだけ「上官侮辱罪」がないとは到底考えられません。
ましてや「亡命編」における同盟には、この後に登場する、軍の司令官の首を挿げ替えることを可能にする「自由惑星同盟軍規定第214条」の存在がありますので、そのバランスと兼ね合いからなおのこと「上官侮辱罪」は必要とされます。
本来、「上官侮辱罪」なるものが作られた最大の理由は、上官個人の権利や名誉を守るなどという瑣末な事象のためなどではなく、上官をトップとする軍としての指揮系統や団結・秩序を維持するためという目的こそが大きいのです。
司令官の意向と権威を無視して皆が好き勝手に振舞っていたら、軍という組織そのものが成り立たなくなってしまいます。
それを未然に抑止すると共に、全ての将兵を各部署毎の上官に従わせ、その上官達全てをまとめ上げる最高司令官の意思ひとつで軍内が統一され軍としての機能を最大限に発揮させる、それこそが「上官侮辱罪」が持つ本来の立法趣旨なのです。
そのため「上官侮辱罪」では、上官に対する罵倒の内容が正当なものであるのか否かなど、実は罪の構成要素を論じるに際しては何の争点にもなりはしません。
内容が正当であろうがなかろうが、上官に対する罵倒によって軍が混乱し秩序が乱れることには変わりがなく、またいちいち内容によって適用の度合いを判断などしていたら、そこにつけ込んで上官侮辱を乱発されてしまうことにもなりかねないのですから。
罵倒の内容などは、「上官侮辱罪」が成立すると見做された後に、せいぜい情状酌量の余地として弁護側が主張できることもあるかもしれない程度の意義くらいしかありえませんね。

ヴァレンシュタインに罵倒されたロボスおよび周辺の人間達は、ヴァレンシュタインの発言内容に対してではなく、ヴァレンシュタインの「行為」そのものを「軍の秩序を乱し混乱を招くもの」として糾弾し、「上官侮辱罪」として告発すれば良い、というよりもむしろ「そうしなければならなかった」のです。
ヴァレンシュタインがいくら「自身の発言の正当性」について述べたところで、そんなものは「上官侮辱罪」の構成要件をむしろ強化する結果にしかならないのですし、この当時のヴァレンシュタインには、相手を黙らせたり自らの不祥事をもみ消すことができたりするだけの権力的なバックアップが存在していたわけでもありませんでした。
ヴァレンシュタインが本格的かつ公然とシトレやトリューニヒトのバックアップが得られるようになったのは、この第6次イゼルローン要塞攻防戦が終わって以降のことだったのですし。
また、ヴァレンシュタインから直接罵倒されたロボスなどは、立場的にも軍法的にも心情的にも、ヴァレンシュタインに対して容赦などしなければならない理由は全くなかったはずです。
しかも「上官侮辱罪」というシロモノは、むしろ上層部が無能だったり不正行為の類に手を染めていたりする事実があればあるほど、「口封じの道具」などというその立法趣旨に反したやり方で濫用されることが珍しくない法律なのですからなおのこと。
にもかかわらず、この場でもそれ以降でも「上官侮辱罪」は全く発動されなかったのですから、これはもう「神(作者)の介入」によるもの以外の何物でもないでしょう。
狂人ヴァレンシュタインを偉く見せるため、またその立場を死守するため、神(作者)による「奇跡の行使」がまたしても振舞われたわけですね(苦笑)。
こんな神(作者)の祝福があるのであれば、そりゃどんなに愚劣な言動を繰り出しても、ヴァレンシュタインは永久に無敵でいられるに決まっています。
自分の足で立つことなく、神(作者)が押す乳母車にふてぶてしく鎮座し、誰も逆らえない神(作者)の力に守られながら周囲に威張り散らして他者を罵り倒すヴァレンシュタイン。
その光景の、何と愚劣で醜悪で滑稽なことなのでしょうか。

第6次イゼルローン要塞攻防戦の考察はまだまだ続きます。


銀英伝2次創作「亡命編」におけるエーリッヒ・ヴァレンシュタイン考察7

今の自分が置かれている現状を招いた責任のほとんど全てが自分自身にあるにもかかわらず、そこから目を逸らして他人を罵り倒し続けるエーリッヒ・ヴァレンシュタイン。
まるでそうしないと生きていられないかのごとく、自分の責任を認めることを何が何でも拒絶するヴァレンシュタインは、必死の形相で格好のスケープゴートを探し始めるのですが、それがまたさらにトンデモ発言を引き出しまくるという悪循環を呈しているんですよね。
素直に自分の非を認めた方が本人もスッキリするでしょうし周囲&読者の人物評価も上がるのに、何故そこまでして「自分は正しく他人が悪い」というスタンスに固執するのか、普通に見れば理解に苦しむものがあります。
まあそれができる人間であれば「キチガイ狂人」と呼ばれることもなく、そもそも私が一連の考察を作ること自体がなかったわけなのですが、一体どのようにすればこんな人物が出来上がるのか、非常に興味をそそられるところです。
「作者氏が意図的に仕込んだ釣りネタ&炎上マーケティング戦略」といった類の作外の「大人の事情」的な要素を除外して物語内の設定に原因を求めるならば、ヴァレンシュタインの(今世だけでなく前世も含めた)家族や育てられた環境に致命的な問題があったということになるのでしょうが、それでもここまで酷いものになるのかなぁ、と。
あるいはもっと単純に、過去に何らかの理由で頭でも強打したショックから、脳の理性や感情を司る機能が回復不能なまでにおかしくなった、という事情も考えられなくはないかもしれませんが……。
今回より、「亡命編」における第6次イゼルローン要塞攻防戦で繰り広げられたヴァレンシュタインのキチガイ言動について検証していきたいと思います。
なお、「亡命編」のストーリーおよび過去の考察については以下のリンク先を参照↓

亡命編 銀河英雄伝説~新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
http://ncode.syosetu.com/n5722ba/
銀英伝2次創作「亡命編」におけるエーリッヒ・ヴァレンシュタイン考察
http://www.tanautsu.net/blog/archives/weblog-entry-570.html(その1)
http://www.tanautsu.net/blog/archives/weblog-entry-571.html(その2)
http://www.tanautsu.net/blog/archives/weblog-entry-577.html(その3)
http://www.tanautsu.net/blog/archives/weblog-entry-585.html(その4)
http://www.tanautsu.net/blog/archives/weblog-entry-592.html(その5)
http://www.tanautsu.net/blog/archives/weblog-entry-604.html(その6)

ヴァンフリート星域会戦後の自爆発言で、本人が全く自覚することすらなく発生していたヴァレンシュタイン最大の危機は、「神(作者)の介入」によるものなのか、それに関わった登場人物全てが原作ですらありえないレベルの桁外れな無能低能&お人好しぶりを如何なく発揮したがために、誰ひとりとしてその存在に気づくことさえもなくひっそりと終息してしまいました。
自分が致命的な失態を犯したことも、類稀な幸運で命拾いしたこともこれまた当然のごとく知ることがないまま、能天気なヴァレンシュタインは「会戦を勝利に導いた英雄」として称賛され、二階級段階昇進を果たすこととなります。
もちろん、超重度の万年被害妄想狂患者である狂人ヴァレンシュタインがその結果に感謝も満足もするはずなどなく、不平不満を並べ立てるのは当然のお約束なのですが、そのヴァレンシュタインと同様に不満を抱いたのが、ヴァンフリート星域会戦でロクに活躍することができず嘲笑の的となった宇宙艦隊司令長官ラザール・ロボスです。
引き続き第6次イゼルローン要塞攻防戦を指揮することとなったロボスは、その腹いせとばかりにヴァレンシュタインとその一派を自分から引き離し隔離することとなります。
それに対するヴァレンシュタインの反応がこれ↓

http://ncode.syosetu.com/n5722ba/20/
> 頭を切り替えよう、参謀は百人は居るのだが俺が居る部屋には三人しか居ない。俺とサアヤとヤンだ。部屋が狭いわけではない、少なくともあと五十人くらいは入りそうな部屋なのだが三人……。滅入るよな。
>
> 想像はつくだろう。ロボス元帥に追っ払われたわけだ。彼はヴァンフリートで俺達に赤っ恥をかかされたと思っている。バグダッシュは相変わらず世渡り上手なんだな、上手い事ロボスの機嫌を取ったらしい、あの横着者め。グリーンヒル参謀長は俺達のことをとりなそうとしてくれたようだが無駄だった。
>
>
心の狭い男だ、ドジを踏んだのは自分だろう。それなのに他人に当たるとは……。宇宙艦隊司令長官がそれで務まるのかよ。笑って許すぐらいの器量は欲しいもんだ。
>
>
まあ、俺も他人の事は言えない。今回はヤンにかなり当り散らした。まあ分かっているんだ、ヤンは反対されると強く押し切れないタイプだって事は。でもな、あそこまで俺を警戒しておいて、それで約束したのに一時間遅れた。おまけに結果は最悪、そのくせ周囲は大勝利だと浮かれている。何処が嬉しいんだ? ぶち切れたくもなる。
>
> しかしね、
まあちょっとやりすぎたのは事実だ、反省もしている。おまけにロボスに疎まれて俺と同室なった。ヤンにしてみれば踏んだり蹴ったりだろう。悪いと思っている。

「心の狭い男だ、ドジを踏んだのは自分だろう。それなのに他人に当たるとは……」って、発言した瞬間にブーメランとなって自分自身に跳ね返っているという自覚はないのですかねぇ、ヴァレンシュタインは(笑)。
これまで検証してきたように、ヴァンフリート星域会戦でラインハルトを取り逃した最大の原因は、他ならぬヴァレンシュタイン自身がラインハルトに関する情報提供と補殺目的の提示を怠ったことにあるのですし、1時間遅れた件に関しても、ヴァレンシュタインが救援のための無線通信を乱発したことに問題がある可能性が少なくないわけでしょう。
それにヤンは、なすべきことをやらなかったヴァレンシュタインと違って、すくなくともビュコックに対して補給基地へ向かうように進言すること自体はきちんと行っていたわけですし、それに反対されるのも、ビュコックがその発言を採用するか否かを決定するのも、基本的にヤンの一作戦参謀としての権限ではどうにもならない話です。
そして、そんな場合に強気に出れないヤンの性格も、当時のヤンとビュコックの関係も知悉していながらヤンを配置するよう手配したのも、これまたヴァレンシュタイン本人なのですから、当然その責任もまたヴァレンシュタインに帰するものでしかありません。
この3つの問題がない状態でそれでも同盟軍がしくじったというという想定であれば、ヴァレンシュタインの罵倒にもある程度の正当性が見出せるのでしょうが、現実は全くそうではないのです。
責任論の観点から言えば、ヴァンフリート星域会戦の失敗の責任は、どう少なく見積もっても95%以上、実際のところは限りなく100%近い数値でヴァレンシュタインに帰するものなのですから、その事実を無視してアレだけヤンを責めたのは、ロボスがヴァレンシュタインを遠ざける理由よりもはるかに不当もいいところです。
ヴァレンシュタインが本当に反省すべきなのは「ヤンを責めすぎた」ことではなく、「不当な理由と言いがかりでヤンを責めた」ことそれ自体にあるのです。
「ヤンを責めすぎた」では、「ヤンを責めた」こと自体は正しいことだったと断定しているも同然ですし、それでは結局「本当の原因と問題から目を背けている」以外の何物でもなく、本当の反省とは到底言えたものではないでしょうに。
「ドジを踏んだのは自分だろう。それなのに他人に当たるとは……」とは、むしろ逆にヤンこそがヴァレンシュタインに対して発言すべき台詞であるとしか評しようがないのですが。

そして私がさらにウンザリせずにいられないのは、自分の責任についてここまで無自覚な上に甘過ぎるスタンスを取っているヴァレンシュタインが、他人の過ちを糾弾する際には自分の時と比較にならないほど厳格極まりない態度を示していることです。
「亡命編」ではなく「本編」の話になるのですが、ヴァレンシュタインがラインハルトに愛想を尽かして敵対することを決意した際、こんなことをのたまっていたりするんですよね↓

http://ncode.syosetu.com/n4887n/66/
> 2だが、一番いいのはこれだ。門閥貴族たちを潰せる可能性は一番高い。しかし問題は俺とラインハルトの関係が修復可能とは思えないことだ。向こうは俺にかなり不満を持っているようだし、今回の件で負い目も持っている。いずれその負い目が憎悪に変わらないという保障はどこにも無い。
>
> こっちもいい加減愛想が尽きた。
欠点があるのは判っている、人間的に未熟なのもだ。しかし結局のところ原作で得た知識でしかなかった。実際にその未熟さのせいで殺されかけた俺の身にもなって欲しい。おまけに謝罪一つ無い、いや謝罪は無くても大丈夫かの一言ぐらい有ってもいいだろう。
>
> この状態でラインハルトの部下になっても碌な事にはならんだろう。いずれ衝突するのは確実だ。門閥貴族が没落すれば退役してもいいが、そこまで持つだろうか。その前にキルヒアイスのように死なないと誰が言えるだろう?

さて、「亡命編」におけるヴァレンシュタインは、たとえその内実がピント外れ過ぎる反省ではあったにせよ、ヤンに対して「悪かった」とは思っていたわけですよね?
ならば、そのヤンに対して全く謝罪しようともせず、もちろん「大丈夫か」の一言をかけようとすらも考えないヴァレンシュタインは、「本編」における【人間的に未熟な】ラインハルトと一体何が違うというのでしょうか?
しかも実際には、ヤンに対するヴァレンシュタインの罵倒責めは冤罪レベルで不当もいいところだったのですから、本来ヴァレンシュタインは、ヤンに対して謝罪どころか土下座までして許しを請うたり慰謝料を支払ったりしても良いくらいなのです。
ヴァレンシュタインの「未熟」などという言葉では到底収まることのない、幼稚園児以下のワガママと狂人的な電波思考に基づいて、八つ当たりと責任転嫁のターゲットにされたヤンこそ、いい面の皮でしかないでしょう。
自分と他人でここまであからさまに違うダブルスタンダードな態度を、しかもそれを整合するための具体的な理由すらも全く提示することがないからこそ、ヴァレンシュタインは人格的にも全く信用ならないのですが。
原作におけるヤンやラインハルト&キルヒアイスも、すくなくとも狂人ヴァレンシュタインなどよりは、自分に対してそれなりに厳しい態度を取っていたと思うのですけどねぇ(-_-;;)。
ヴァレンシュタインが同じく罵りまくっているロボスやフォークなどは、まさに「自分には甘いくせに他人にはとてつもなく厳しい性格」な人間であるが故に周囲&読者から白眼視されているのですし、一般的に見てさえもそんな性格の人間なんて、「人間的な未熟さを露呈している」どころか「傍迷惑なキチガイ狂人」以外の何物でもないでしょうに。
この期に及んでも、とことんまでに自分自身のことを自己客観視できない人間なのですね、ヴァレンシュタインは。

ところで、これまでの考察でも何度か書いているのですが、私は以前から「ヴァレンシュタインは何故『自身が転生者である事実』を徹底的にひた隠しにするのか?」という疑問をずっと抱き続けています。
あまりにも秘密主義に徹しすぎるので、「実はこいつは元々人間不信的な精神的障害か疾患でも抱え込んでいて、自分以外の他者を誰ひとりとして信じることができない体質なのではないか?」とすら考えたくらいでしたし。
これまでは「本編」も含めてヴァレンシュタインが転生の問題を秘密にする件について語る描写が全くなかったため、その理由については推測の域を出ることがなかったのですが、「亡命編」の22話でついにヴァレンシュタインが自身の転生問題について語っている場面が登場しました。
で、その部分が以下のようなモノローグとして表現されているのですが…↓

http://ncode.syosetu.com/n5722ba/22/
> ラインハルトが皇帝になれるか、宇宙を統一できるかだが、難しいんだよな。此処での足踏みは大きい。それに次の戦いでミュッケンベルガーがコケるとさらに帝国は混乱するだろう。頭が痛いよ……。俺、何やってるんだろう……。
>
> おまけにヤンもサアヤも何かにつけて俺を胡散臭そうな眼で見る。何でそんな事を知っている? お前は何者だ? 口には出さないけどな、分かるんだよ……。
しょうがないだろう、転生者なんだから……。
>
>
せっかく教えてやっても感謝される事なんて無い。縁起の悪い事を言うやつは歓迎されない。そのうちカサンドラのようになるかもしれない。疎まれて殺されるか……。ヴァンフリートで死んでれば良かったか……。そうなればラインハルトが皇帝になって宇宙を統一した。その方がましだったな……。人類にとっても俺にとっても。
>
>
いっそ転生者だと言ってみるか……。そんな事言ったって誰も信じないよな。八方塞だ……。俺、何やってんだろう……。段々馬鹿らしくなって来た。具合悪いって言って早退するか?

……何ですか、この支離滅裂な論理は?
「本編」でも「亡命編」でも、持ち前の原作知識とやらを盛大に振る舞い、周囲から称賛と恐怖混じりの注目を浴びると共に多大な恩恵まで享受していたのは、一体どこの誰だったというのでしょうか?
ヴァレンシュタインと彼が持つ原作知識のために、「本編」および「亡命編」のラインハルト&キルヒアイスは本来被るはずもない災厄と破滅の運命を押しつけられたというのに、何とまあ被害者意識に満ちた発想であることか。
そこまで転生者としての自分の立場と原作知識が疎ましかったのであれば、そもそも原作知識など封印して何の才幹も披露することなく、また原作に関わる政治や軍事に関与することもなく、ごく普通の一般庶民としての人生を送っていれば良かったでしょうに。
ヴァレンシュタインが原作知識を駆使して原作の歴史を変えたのは、他の誰でもない自分のためでしょう。
誰に強制されたわけでもなく自分の意思で、原作知識を当然の権利であるかのごとく使い倒して(客観的に見れば)非常に恵まれた地位と立場にあるにもかかわらず、その原作知識に対してすら感謝するどころか不満さえ抱くヴァレンシュタイン。
こんな愚劣な思考で動いているのであれば、ヴァレンシュタインが同盟に亡命した際に謝意ではなく不平満々な態度を示していたのも納得ですね。
原作知識という「絶対的な世界の理」を持つ自分が他者と比べてどれだけ恵まれているのか、ヴァレンシュタインはもう少し思いを致し、その境遇に感謝すべきなのではないのかとすら思えてならないのですが。

そしてさらに問題なのは、一方では原作の歴史を変えるレベルで原作知識を使うことに躊躇がないくせに、他方では「転生者であるという事実」をありとあらゆる人間から隠すという、ヴァレンシュタインの非常に中途半端なスタンスにあります。
「本編」でも「亡命編」でも、ヴァレンシュタインは原作知識に基づいた的確な予測と判断で周囲を驚愕させ、その見識を称賛される一方、なまじ才幹があるラインハルトやキルヒアイス、ヤンなどから恐怖と警戒の目で見られるという問題を抱え込んでいました。
その恐怖の根源は、ヴァレンシュタインの神がかった(ように見える)手腕や才覚がどこから来るものであるのか理解できず、得体のしれない存在を見る目でヴァレンシュタインを評価せざるをえなかったことに尽きます。
「こいつは不気味だ」「何を考えているのか分からない」と見做される人間に恐怖と警戒心を抱くのは、動物の本能的に見ても至極当然のことなのですから。
しかし、もしヴァレンシュタインが自身の秘密を明かし、その原作知識を売り込みにかかっていれば、彼らの恐怖と警戒心を解消させると共に強固な信頼関係を獲得することも充分に可能だったのです。
もちろん、最初は当然のごとく「お前は何を言っているんだ?」という目で見られるかもしれませんが、原作知識を持つヴァレンシュタインがその存在を立証するのは極めて容易なことです。
実際、作中でもヴァレンシュタインの「預言」や「奇跡」は実地で何度も立証されているわけですしね。
そして一方、転生および原作知識の秘密は、何も全ての人間に共有させる必要もありません。
ヴァレンシュタインが自分の人生を託すべきごく限られた人間、「本編」ではラインハルト&キルヒアイス、「亡命編」ではシトレとヤン辺りにのみ、「信頼の証」「自分達だけの秘密」として教えれば良いのです。
原作知識から考えても、彼らならばヴァレンシュタインの秘密を「非科学的だ!」の一言で頭ごなしにイキナリ否定することはないでしょうし、立場的にも才覚の面で見ても、すくなくともヴァレンシュタイン単独の場合よりもはるかに有効に原作知識を活用することが可能だったでしょう。
何よりも、そういった有益な知識を供給してくれるヴァレンシュタインに、大きな利用価値を確実に見出してくれるはずですし、上手くいけばヴァレンシュタインが永遠に持つことのないであろう「恩義」というものも感じてくれたかもしれないのです。
何でもかんでも被害妄想を抱き、「恩は踏み倒すもの」「恩には仇で報いるべき」という信念でも持っているとしか思えないヴァレンシュタインには到底理解できない概念なのでしょうが、すくなくとも銀英伝世界ではヴァレンシュタインと違って「恩には感謝する」人間の方が数的には多いものでしてね(爆)。
自身の秘密をヴァレンシュタインが「限られた他者」に打ち明けるだけで、これだけの恩恵をヴァレンシュタインは得ることができたのです。

一方、そういった選択肢を取らなかったことで、ヴァレンシュタインがどれほどまでの不利益を被ってきたのかは、「本編」および「亡命編」の惨状を見れば一目瞭然でしょう。
「本編」でヴァレンシュタインがラインハルト&キルヒアイスと決別してしまったのも、「亡命編」でヴァレンシュタインが周囲、特にヤンから警戒されるようになったのも、突き詰めれば全てヴァレンシュタインの秘密主義が最大の元凶です。
そしてさらに「亡命編」では、ラインハルトの情報を同盟軍首脳部に事前に提供しなかったがために、ヴァレンシュタインが悔いても悔やみきれない「ヴァンフリート星域会戦におけるラインハルト取り逃がし」という結果を招くことになったわけでしょう。
これにしても、ヴァレンシュタインが自身の秘密とラインハルトによってもたらされる未来図を提示して殲滅を促していれば、目的が達成できた公算はかなり高いものになったはずなのですが。
「縁起の悪い事を言うやつは歓迎されない」「そんな事言ったって誰も信じない」というのは、転生という事実を目の当たりにしながら「科学教」という名の新興宗教の教義に呪縛されているヴァレンシュタインの、それこそ非合理的かつ「非科学的な」思い込みに過ぎないのです。
そもそも「非科学的」というのであれば、先のヴァンフリート星域会戦におけるヴァレンシュタインの自爆発言の数々に、作中の登場人物の誰ひとりとして何の疑問も疑念も抱かず、その重要性に気づきすらもしなかったことこそが、奇妙奇天烈な超怪奇現象以外の何物でもないのですし(笑)。
あの時点では誰も知りえない原作知識の話をあれだけ披露しても裏付けひとつ必要なく素直に信じてもらえるのであれば、「ヴァレンシュタインが転生者である」という突拍子もない秘密の告白だってすぐさま信じてもらえるでしょうよ(爆)。
正直、作中の描写から考えてもあまりにも無理のあり過ぎる論理としか評しようがなく、「転生の秘密を隠さなければならない理由」としては全く成り立っていないですね、ヴァレンシュタインの説明は。

それにしても、「転生」などという超常現象を目の当たりにしてさえ、「科学」の論理に束縛されて「非常識な【常識的判断】」をしてしまうというヴァレンシュタインの滑稽極まりない光景は、同じ田中作品である創竜伝や薬師寺シリーズで幾度も繰り返された「オカルトを否定しながらオカルトに依存する」あの構図をついつい想起してしまうものがありますね。
「科学」というのは事実を否定する学問などではないのですし、いくら科学的に説明不能な超常現象であっても、それが目の前に事実として現れた時、道を譲るべきは「科学」の方なのであって、「事実」を「科学」に合わせるなど本末転倒もはなはだしいのですが。
科学で本当に重要なのは「結論」そのものではなく「結論までに至る検証過程」なのであって、その過程を経て得られた「結論」だけを取り出し、ある種の権威として盲目的に信奉し他者を攻撃する武器として振り回すがごとき行為は、中世ヨーロッパの魔女狩りと同じシロモノでしかなく、むしろ科学を貶めるものですらあるでしょうに。
田中芳樹もそうなのでしょうが、ヴァレンシュタインもまた、その手の「科学の宗教的教義」の信奉者であると言えるのではないかと
「転生」などという一見不可解な現象を、証明の過程を経て他者を納得・信用させる、実はこれも立派な「科学」の手法なのですけどね。
まあ、科学の手法というのは相当なまでの根気と忍耐を必要とするものですから「それと全く無縁な人生を歩んできた狂人ヴァレンシュタインに果たして実践できるものなのか?」と問われると、私としては無条件で否定的な回答を返さざるをえないところではあるのですが(苦笑)。

次回も引き続き、第6次イゼルローン要塞攻防戦におけるヴァレンシュタインの言動について検証を続ける予定です。


コメント一覧

S.K (04/22 21:18) 編集・削除

>その恐怖の根源は、ヴァレンシュタインの神がかった(ように見える)手腕や才覚がどこから来るものであるのか理解できず、得体のしれない存在を見る目でヴァレンシュタインを評価せざるをえなかったことに尽きます。

それ以前にヴァレンシュタインの支離滅裂な対人姿勢に問題がないかと思います。
「本流」では本来ラインハルトの物であるはずだった人材と功績をバスバス横取りし、「亡命編」でヤンに「悪かった」と思いつつ結論がヤンに全く関係ない「ロボスが悪い」に落ち着いてヤンに報いる事なく精々クッキーを焼くくらいで後はまた自分に好意的な同盟軍上層部の前でヤンの戦い自体に対する消極的姿勢に「何故」と思いをはせるでもなく誹謗の嵐とくれば、誰がヤンやラインハルトであれヴァレンシュタインのごとき存在は「鬱陶しい」「嫌な奴」と遠ざけるのが正気の人間のとる態度というものでしょう。
ヴァレンシュタインってまさか「原作知識」と引き換えに「人徳」を喪失した、なんてオカルトオチが待ってないでしょうかね、この先。

yui (04/22 22:36) 編集・削除

本編の時も思いましたけど、ヴァレンシュタインってちゃんと士官教育受けてる筈だよな?という疑問を改めて思い出したり。
極端な表現をすれば士官・将官には義務と責任しか無いというのにそこらへんがまるで……まあ、靴に足を合わせろ的な軍隊教育でもヴァレンシュタインは矯正しようが無かったのかもしれませんが。
銀英伝世界の軍隊、軍人教育という物(特に帝国の)が”そんなんで本当にいいのか?”的な代物だと仮定してもヴァレンシュタインの無責任さと他の何よりも自分第一主義は……酷いですしね。
正直ここまで来ると作者さんは主人公をたまにでもカッコよく描写する気がまるで無いとしか思えないです。
正直、”いい加減諦めやがれ”とか”死ねよこのヘタレ”とか”一々女々しい”とか”貴様それでも男か!?”とか思う頻度が亡命篇になってから飛躍的に激増しています。いやあ弱ったなあ(笑)

冒険風ライダー(管理人) (04/23 01:52) 編集・削除

>S.Kさん
「本編」のラインハルト&キルヒアイスの場合、恐怖を抱いたのが先なのでは?
初期の頃も、ヴァレンシュタインの人格云々よりも「奇跡」「預言」的なものに対する恐怖心が先立っていましたし。
元々ラインハルトは、第7次イゼルローン要塞攻防戦で失敗するまではヴァレンシュタインよりも階級も地位も上でしたし、立場上ラインハルトがヴァレンシュタインを部下にすることも不可能ではありませんでしたから。
恐怖が反感に変わり、遂には「互いに相容れず」として敵対にまで至ったのが実情だったのではないかと。
それにラインハルト&キルヒアイスは、双方共に確実に毛嫌いしていたであろうオーベルシュタインを、それでも「必要悪」として受け入れられるだけの器量はあったのですし、これだけでも人格的な問題だけで使える人材をスポイルするような人物でないことは確実でしょう。
ヴァレンシュタインが最初から胸襟を開いてラインハルト&キルヒアイスに自分の秘密と利用価値を打ち明けていれば、彼らはちゃんとヴァレンシュタインを受け入れてくれたと思うのですけどね。

「亡命編」のヤンについては、ヴァレンシュタインがただひたすら己の被害妄想に基づいて一方的に逆恨みしているだけでしょう。
現時点でも、ヤンは未だにヴァレンシュタインを警戒している【だけ】な上、ヴァンフリート星域会戦の一件で(本当は背負わなくても良いはずの)負い目すら感じているくらいなのですから。
上司の受けが良く部下や同僚に当り散らす態度といい、他人を罵る快楽に浸っているとしか思えない精神状態といい、今のヴァレンシュタインは、ブラック企業のパワハラ上司と何ら異なるところがないですね。
そのうちヴァレンシュタインは、ヤンに超過重な労働を強いて過労死させることでも企図するのではないのかと(爆)。

>yuiさん
家庭環境や教育行程などからして疑問と推測をせざるをえないほどに、ヴァレンシュタインの性格設定はおよそありえないシロモノにまでなっていますからねぇ(笑)。
銀英伝世界における両親はヴァレンシュタインに優しかったらしい(過度に甘やかされていた可能性はありますが)ので、問題があるとすれば転生前の佐伯隆二の家庭環境にあるのかなぁ、と。
人間の基本的な性格や人格というものは3歳児までには形成されるらしいので、あの悲惨なまで自己中心主義もそこから生まれたのではないかと推測しているのですが。

作品全体の視点から見ると、最近はヴァレンシュタインを偉く見せるために、他の登場人物の思考水準を意図的に無能低能なレベルにまで落としているようなイメージがどうにも拭えないですね。
「本編」でも、キルヒアイスが小悪党でも考えつかないような成功率皆無かつお粗末極まりない5流以下のヴァレンシュタイン襲撃計画を実行して簡単に返り討ちにされていた問題がありましたが、「亡命編」はそれをさらに拡大・悪化させている感じです。
この手法は、原作者である田中芳樹自身が創竜伝や薬師寺シリーズで散々繰り返しているものでもあるのですが、これを続けると作品の質がどんどん落ちていってしまうんですよね。
主人公がどれだけバカな言動をやっても止める人間が作中からいなくなるため、歯止めが利かなくなって主人公も周囲の人間もどんどん頭が悪くなっていくのですから。
現時点でも、シトレやヤンといった主要登場人物でさえこの弊害が発生している状況にあります(ヴァレンシュタインの自爆発言の問題点に全く気づいていない)から、このまま悪化し続けていけば一体どうなることやら……。
「何で田中芳樹の一番悪いところを真似るんだよ」とは私も嘆きたくなるのですけどねぇ(T_T)。

http://www.tanautsu.net/

S.K (04/23 12:24) 編集・削除

>恐怖が反感に変わり、遂には「互いに相容れず」として敵対にまで至ったのが実情だったのではないかと。

それこそ「有能なんだから誘ってみるか?」と思う所でヴァレンシュタインがとっとと先に進んで「そういう立場」でなくされただけではないですか。

>それにラインハルト&キルヒアイスは、双方共に確実に毛嫌いしていたであろうオーベルシュタインを、それでも「必要悪」として受け入れられるだけの器量はあったのですし、これだけでも人格的な問題だけで使える人材をスポイルするような人物でないことは確実でしょう。

オーベルシュタインは動機から身上まで隠さず晒して「部下にしてくれ」と頼みに行きました。
これだけとってもヴァレンシュタインの胡散臭さとは比較にもならないでしょう。
事実私とて以前に「ヴァレンシュタインが目的に誠実でありたいならオーベルシュタインを模倣すればいい」とは言っております。
それをしないのはやはり何か精神に致命的欠陥があるとしか思えません。

>「亡命編」のヤンについては、ヴァレンシュタインがただひたすら己の被害妄想に基づいて一方的に逆恨みしているだけでしょう。

だから私は「何故それなりに上手く付き合う気がないのだ」と糾弾しているのです。

>そのうちヴァレンシュタインは、ヤンに超過重な労働を強いて過労死させることでも企図するのではないのかと(爆)。

流石に死ぬ前に最低で入院できると思いますよ。
原作のクブルスリー大将の心労やビュコックの旧副官ファイフェル大佐の心臓発作の入院は国の興亡をかけた非常時でも認められましたし、過労死できるほどヤンは真面目な軍人じゃないでしょう。
いっそ謀殺した方がまだ早道で狂人の被害妄想なりに筋が通った行いというものです。

malativas (04/23 18:45) 編集・削除

管理人さんの考察を興味深く読ませていただきました。

本日更新された最新話を読むと作者さんが管理人さんに対して「主人公はあなたの言うような人格破綻者ではない」と訴えているように感じました。私の気のせいでしょうか。

さて、ヴァレンシュタインの人格についてですが、やはり両親を子供のときに殺害され、さらに命を狙われて亡命せざる得なくなったことが一番大きな影響を与えていると思います。幼少のときの家庭環境や前世などはそれに比べたら些細なことではないでしょうか。人は簡単に死に、簡単に、しかも理不尽に居場所を失うという現実を目の当たりにしたら、視野が狭くなり、自己中心的になるのも無理はないと思います。もっともこれは理不尽な理由で親を失った人にしかわからないことなんでしょうけど。

本編のキルヒアイスの自爆行為については確かに原作と相違が激しいですね。そこに作者の限界を感じました。多分妥協の産物だったのではないかと思います。

S.K (04/23 21:14) 編集・削除

>malativaさん
>本日更新された最新話を読むと作者さんが管理人さんに対して「主人公はあなたの言うような人格破綻者ではない」と訴えているように感じました。私の気のせいでしょうか。

一回前とあわせて読みましたか?
最新話で「俺が悪かった」と言っている事の何と醜い事か、しかも「ヤンに謝る」ではなく味方の「ミハマ・サアヤに言い訳を」しているという駄目っぷり。
とどめにヤンシンパのフレデリカの誹謗もミハマ・サアヤ視点で忘れないとくればどこに弁護の余地があるのです。

>さて、ヴァレンシュタインの人格についてですが、やはり両親を子供のときに殺害され、さらに命を狙われて亡命せざる得なくなったことが一番大きな影響を与えていると思います。幼少のときの家庭環境や前世などはそれに比べたら些細なことではないでしょうか。人は簡単に死に、簡単に、しかも理不尽に居場所を失うという現実を目の当たりにしたら、視野が狭くなり、自己中心的になるのも無理はないと思います。もっともこれは理不尽な理由で親を失った人にしかわからないことなんでしょうけど。

どんなに重要でも個人的感情で関係の無い他者に八つ当たりして良い理由にはなりません。
冤罪で40年拘禁された男性が「肩が当った」という理由で貴方の大事な存在を傷つけあるいは殺し、貴方自身にも重篤な危害を加えたとしたら「可哀想な人のした事だから」で最軽量刑を検察に嘆願しますか?
「そうする」というのであればそれで宜しいです、管理人さんは知りませんが確かに私の理解の及ぶ所ではありません。

冒険風ライダー(管理人) (04/23 22:05) 編集・削除

>S.Kさん
> それこそ「有能なんだから誘ってみるか?」と思う所でヴァレンシュタインがとっとと先に進んで「そういう立場」でなくされただけではないですか。

「本編」でラインハルト&キルヒアイスが最終的にヴァレンシュタインを凌駕出来なくなったのは、第7次イゼルローン要塞攻防戦以降の話では?
それ以前はラインハルトの方が立場的に上でしたし、ヴァレンシュタインも「将来的にはラインハルトに仕える」と本人に向けても公言し、かつラインハルト&キルヒアイスも有能さは認めていたわけですから、手を結ぶ機会そのものはあったと思うのですが。

> オーベルシュタインは動機から身上まで隠さず晒して「部下にしてくれ」と頼みに行きました。
> これだけとってもヴァレンシュタインの胡散臭さとは比較にもならないでしょう。
> 事実私とて以前に「ヴァレンシュタインが目的に誠実でありたいならオーベルシュタインを模倣すればいい」とは言っております。
> それをしないのはやはり何か精神に致命的欠陥があるとしか思えません。

いや、「人格的な問題だけで使える人材をスポイルするような人物でないことは確実」というのはラインハルト&キルヒアイスに対して述べている評価なのであって、別にヴァレンシュタインのことを指しているわけではありません。
ヴァレンシュタインに多少(どころではないですが(笑))人格的に問題があっても、有能かつ利用価値があればそれを受け入れる程度の度量くらいは「ラインハルト&キルヒアイスには」あるだろう、という話で。
彼らがヴァレンシュタインに対してそうなれなかったのは、もちろん人格の問題も多々あったでしょうが(最初から上から目線で話しかけていた感はありましたし)、それよりも「得体の知れない恐怖」の方が勝っていたのではないかと考えるわけです。
ヴァレンシュタインが最初から全てを打ち明けていれば…というのは私も述べていることですし、それについては全面的に同意します。

> 流石に死ぬ前に最低で入院できると思いますよ。
> 原作のクブルスリー大将の心労やビュコックの旧副官ファイフェル大佐の心臓発作の入院は国の興亡をかけた非常時でも認められましたし、過労死できるほどヤンは真面目な軍人じゃないでしょう。
> いっそ謀殺した方がまだ早道で狂人の被害妄想なりに筋が通った行いというものです。

これまでの被害妄想な軌跡の数々から考えると、どうもヴァレンシュタインはヤンを内心では殺したがっているのではないかとすら思えてならないんですよね(苦笑)。
実際、「本編」でもラインハルト&キルヒアイスを結果として死に追いやっているわけですし、自分がこれまでに犯した失態を隠匿しようとヴァレンシュタインが考えるのであれば、ヤンに全ての責任を擦り付けて口封じに殺してしまった方が手っ取り早いので。
さすがに今のところは「対ラインハルトの切り札を自分で捨てる馬鹿が何処にいる」などと述べているようですが、その「馬鹿」を平気でやりかねないのがヴァレンシュタインという人間なのですから(爆)。
ヤンに早く指揮権を与えたいというヴァレンシュタインの考えも、むしろ「本編」のキルヒアイスのごとき暴発を期待しているような感すら否めないところですし。
ブラック企業のパワハラ上司って、自分の立身出世と上司のご機嫌取りのために部下を平気で切り捨てるところがありますし、その点から言ってもヤンの今後は安泰とは到底言い難いものがありますねぇ(T_T)。

>malativasさん
はじめまして。
ヴァレンシュタインのファンやあの作品の読者の方々にとっては、私の考察は痛烈過ぎる部分もあろうかと思いますが、お読み頂きありがとうございますm(__)m。

> 本日更新された最新話を読むと作者さんが管理人さんに対して「主人公はあなたの言うような人格破綻者ではない」と訴えているように感じました。私の気のせいでしょうか。

ブログで考察記事をアップするたびにあちらにトラックバックも飛ばしているので、作者氏がこちらのことを全く知らないということはさすがにないと思うのですが、確かに56話のヴァレンシュタインの言動は少々意表を突かれたところはありましたね。
その前の55話でああいうことをやらかした後だったこともあって、私はてっきり、例によって例のごとく自己正当化と責任転嫁に満ち満ちた「ヴァレンシュタインの脳内的にはもっともらしい言い訳」を並べまくった後でヤン抹殺の決意表明を行う、とばかり思っていましたから(苦笑)。
ただ惜しむらくは、その殊勝な態度をあと40話ほど早くやっていれば、「亡命編」のヴァレンシュタインがああまで悲惨な評価になることもなかったと思うのですけどね。
ヴァンフリート後のあの自爆発言こそが、当ブログでヴァレンシュタイン絡みの考察が作られるに至った全ての元凶であると言っても過言ではなかったのですし。

ただまあ、「現時点で」ヴァレンシュタインがそういう態度を示したとしても、今後あっさり態度を翻さないという保証はどこにもないですけどね。
もちろん、情勢が変わるという問題もありますが、一番の懸案はヴァレンシュタインのあの性格がそんなことに耐えられるのかという点にこそあるのですし(苦笑)。

> さて、ヴァレンシュタインの人格についてですが、やはり両親を子供のときに殺害され、さらに命を狙われて亡命せざる得なくなったことが一番大きな影響を与えていると思います。幼少のときの家庭環境や前世などはそれに比べたら些細なことではないでしょうか。人は簡単に死に、簡単に、しかも理不尽に居場所を失うという現実を目の当たりにしたら、視野が狭くなり、自己中心的になるのも無理はないと思います。もっともこれは理不尽な理由で親を失った人にしかわからないことなんでしょうけど。

「本編」も「亡命編」も共通する「両親を殺された」についてはともかく、亡命の件はヴァレンシュタインの人格形成とはあまり関係がないのではないでしょうか?
すくなくとも亡命した直後におけるヴァレンシュタインはこれといった悲壮感もあまりなく、むしろ事態を楽観視していた感すらありましたし、自身が暗殺されかけたことがトラウマになっているような形跡もないのですから。
ヴァレンシュタインが同盟で孤立感を背負うようになったのは、例のヴァンフリート4=2の補給基地赴任命令以降のことであって、しかもそれ以前から自己中心主義は健在だったことを鑑みると、亡命や暗殺未遂自体はむしろ何も影響を与えていないと考えるのが妥当なのではないでしょうか。
それに、ヴァレンシュタインをターゲットとした暗殺未遂ならば「本編」の10話以降でも少なからず繰り広げられていますし、それにいちいち人格に影響を受けるようなタマでもなかったですしね(怒り狂いはしていたでしょうけど)。
そうなると、消去法であとはもう前世の問題くらいしかなくなってしまうわけで、それが私がヴァレンシュタインこと佐伯隆二の過去にこだわる理由でもあるわけです。

> 本編のキルヒアイスの自爆行為については確かに原作と相違が激しいですね。そこに作者の限界を感じました。多分妥協の産物だったのではないかと思います。

いくらラインハルト&キルヒアイスが置かれている状況が悪く追い詰められているからってアレはないだろうアレは、とは私も思わざるを得なかったですからねぇ(T_T)。
あまりにも知的退化が酷すぎて、創竜伝や薬師寺シリーズに登場する3流悪役以下の立ち回りでしかなかったですし。
「亡命編」のヤンもあんな末路を辿ることになるのではないかと思うと、何ともいたたまれないものがあるのですけどね。

http://www.tanautsu.net/

冒険風ライダー(管理人) (04/23 22:07) 編集・削除

>S.Kさん
> どんなに重要でも個人的感情で関係の無い他者に八つ当たりして良い理由にはなりません。

いや、malativasさんもそれは承知の上で自分なりの推測を述べているのではないですか?
ヴァレンシュタインの人格起源問題のネタふりをした他ならぬ私自身、その理由や背景事情がどうだろうとヴァレンシュタインのキチガイ狂人ぶりに容赦などするつもりは欠片たりともありませんし。
ただ、あのような人格が形成された理由や背景事情が分かれば、それを勘案した上でより効果的に急所を突ける考察もできるだろうと考えるからこそ、ああいうネタふりをやったわけで。
相手の事情を理解することと、理解した上で同情もせずに拒絶する行為は、何ら矛盾することなく立派に両立します。
そこはきちんと区別をつけるべきではないかと。

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S.K (04/23 22:22) 編集・削除

>冒険風ライダーさん

malativasさんが

>視野が狭くなり、自己中心的になるのも無理はないと思います。もっともこれは理不尽な理由で親を失った人にしかわからないことなんでしょうけど。

と仰るので「理由はそれで成り立つんだろうけど同感も賛同もしかねる」と言っているだけです。
これは

>相手の事情を理解することと、理解した上で同情もせずに拒絶する行為は、何ら矛盾することなく立派に両立します。

のと違うんですか?

冒険風ライダー(管理人) (04/23 22:40) 編集・削除

>S.Kさん
前々回のS.Kさんの投稿の最後の部分で、

> 冤罪で40年拘禁された男性が「肩が当った」という理由で貴方の大事な存在を傷つけあるいは殺し、貴方自身にも重篤な危害を加えたとしたら「可哀想な人のした事だから」で最軽量刑を検察に嘆願しますか?
> 「そうする」というのであればそれで宜しいです、管理人さんは知りませんが確かに私の理解の及ぶ所ではありません。

という文章があり、これが「malativasさんがヴァレンシュタインの境遇に同情どころか共感・賛同すら示している」という前提で語られているように見えたので、それは違うのではないかと考えた次第です。
malativasさんはヴァレンシュタインの言動について「視野が狭くなり、自己中心的になる」とはっきり認めているわけですから、同情はしていても共感・賛同まではさすがにしていないのではありませんか?
私自身は同情もするつもりはありませんが、「同情はするが行動は認められない」という人はいても良いと思いますよ。

http://www.tanautsu.net/

malativas (04/24 18:39) 編集・削除

管理人様

>「本編」も「亡命編」も共通する「両親を殺された」についてはともかく、亡命の件はヴァレンシュタインの人格形成とはあまり関係がないのではないでしょうか?

>そうなると、消去法であとはもう前世の問題くらいしかなくなってしまうわけで、それが私がヴァレンシュタインこと佐伯隆二の過去にこだわる理由でもあるわけです。

「両親を殺された」ことについては触れられていないので、消去法を適用するのは無理があるのではないでしょうか?

>malativasさんはヴァレンシュタインの言動について「視野が狭くなり、自己中心的になる」とはっきり認めているわけですから、同情はしていても共感・賛同まではさすがにしていないのではありませんか?

いえ、同情ではなく単なる分析です。

冒険風ライダー(管理人) (04/24 23:02) 編集・削除

>malativasさん
(今世の)両親殺害の件については「本編」でも「亡命編」でも共通なので、「亡命編」だけ特別に悪い理由にはなりえないことから、あえて言及していなかったんですよね。
ただ、ヴァレンシュタインにとって本当の「人は簡単に死に、簡単に、しかも理不尽に居場所を失うという現実」というのは、他の誰でもない自分自身の「前世の死」ではないかと思うんですよね。
何しろアレによって、ヴァレンシュタインこと佐伯隆二は、それまでの家族・友人関係(これらはいたかどうか不明ですが)・恋人(こちらは佐伯隆二のモノローグから存在するのは確実)・その他諸々の人間関係全てを、ある日突然全て失った経験を記憶に刻み込むこととなったのですから。
理不尽というのであれば、こちらの方がよほどに理不尽ですし、突然全ての人間関係を消失させられた挙句に未知の世界に放りこまれたというのであれば、前世の人間関係が上手く行っていればいるほどにショックも大きなものがあるでしょう。
しかも転生直後のヴァレンシュタインは、大人としての意識がありながら手足すらもマトモに動かせないという、ある意味重度の身体障害者レベルの不自由と窮屈な「地獄の生活」を3~4年にわたって強いられたのです。
これに比べれば、今世の両親の死などは所詮他人事(すくなくとも佐伯隆二から見れば、あの2人は「本当の」両親ではない)でしかありませんし、理不尽であっても理解はできることでしかありません。
ヴァレンシュタインの転生問題は理不尽な上に理解もできないのですから、精神的なダメージでいえばこちらの方が本来大きそうではあるのですけどね。
そして、これにすらもヴァレンシュタインは全くトラウマを抱えている形跡がない(ある日突然に何の前触れもなく再転生させられる可能性だって否定できないのに)のですから、佐伯隆二的には本当の両親ですらない、たかだか「親しい他人」の死程度のことに、怒りを覚えることは当然あっても、それが人格にまで影響を、しかもあんな形で与えるのかと問われると正直疑問なのですが。

あと佐伯隆二は、転生直後に恋人に毒殺された可能性を疑っていたり、前世経験に基づく女性不信じみたモノローグを「本編」で語っていた描写があることなどから、前世の恋人と相当なまでに悲惨な関係にあった可能性が高いですし、例の被害妄想ぶりと併せて考えると、恋人にあの被害妄想な感情を抱いていた&直接本人に叩きつけまくっていた可能性も多々ありえます。
もちろん、逆に前世の恋人がとんでもなくビッチだった可能性もありますが、それも含めて前世の方にこそ、あのような愚劣な人格を形成してしまうような問題が何かあったのではないかと考える次第です。

http://www.tanautsu.net/

銀英伝2次創作「亡命編」におけるエーリッヒ・ヴァレンシュタイン考察6

作者氏の意図的にはメインヒロインとして登場させたであろう「亡命編」オリジナルキャラクターであるミハマ・サアヤ。
しかしあちらのサイトの感想欄では、上司たるバグダッシュ共々非難轟々な惨状を呈するありさまで、「亡命編」における鼻つまみ者的な扱いを受けています。
ところがそのような状態にあるにもかかわらず、非難が頻出するのにあたかも比例するかのように、ミハマ・サアヤの描写は次々と展開され続け、設定もどんどん詳細になっていくという奇怪な状況が続いています。
ミハマ・サアヤに対する作者氏の力の入れようと感想欄のギャップを見た時、私は最初「ミハマ・サアヤというキャラクターは【釣り】【炎上マーケティング】を意図して作られた存在なのではないか?」とすら考えたくらいなんですよね。
わざと読者の反感を煽るような造詣のキャラクターをことさら作り出し、それによってヴァレンシュタインへの同情票を集め読者を惹きつけることを目的とした【釣り具の餌】、それこそミハマ・サアヤが作者氏によって与えられた真の役割なのではないか、と。
もしミハマ・サアヤが本当にそんな意図で作られたキャラクターなのであれば、まさに作者氏の目論見は充分過ぎるほどに達成されたと言えるのでしょうが、ただそれにしてもミハマ・サアヤ絡みの作中描写には奇妙なものが多すぎるとは言わざるをえないところです。
そんなわけで今回の考察では、エーリッヒ・ヴァレンシュタイン本人ではなく、彼の動向について多大なまでに関わっている、「亡命編」のオリジナルキャラクターであるミハマ・サアヤとバグダッシュのコンビについて論じていきたいと思います。
ミハマ・サアヤの評判が著しく悪化したのもヴァンフリート星域会戦以降でしたし、ちょうど次の会戦までを繋ぐ幕間ということで(^^;;)。
なお、「亡命編」のストーリーおよび過去の考察については以下のリンク先を参照↓

亡命編 銀河英雄伝説~新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
http://ncode.syosetu.com/n5722ba/
銀英伝2次創作「亡命編」におけるエーリッヒ・ヴァレンシュタイン考察
http://www.tanautsu.net/blog/archives/weblog-entry-570.html(その1)
http://www.tanautsu.net/blog/archives/weblog-entry-571.html(その2)
http://www.tanautsu.net/blog/archives/weblog-entry-577.html(その3)
http://www.tanautsu.net/blog/archives/weblog-entry-585.html(その4)
http://www.tanautsu.net/blog/archives/weblog-entry-592.html(その5)

ミハマ・サアヤという人物は、その序盤の言動を見るだけでも「超弩級の天然が入っている」以外の何物でもない様相を披露しています。
そもそもの出会いからして、ミハマ・サアヤは「原作知識が使えない」はずのヴァレンシュタインにいいようにあしらわれている始末ですからね。
ヴァレンシュタインの監視を始めてからわずか4日で自身の素性がバレたのみならず、バグダッシュが上司であることまでもが筒抜けになっていましたし。
まあこれだけならば、そもそも士官学校を卒業して間もない新人でしかなかった人間に「監視」などという高度な任務を、しかも単独で与えたバグダッシュにこそ一番の責任があると評するところですが、ミハマ・サアヤの暴走はむしろここから始まります。
アルレスハイム星域会戦では、ヴァレンシュタインの言うがままに、作中では「パンドラ文書」などというご大層な名前で呼ばれていたらしいヴァレンシュタインの監視報告書を書き綴ってしまうミハマ・サアヤ。
フェザーンでも、これまたヴァレンシュタインの言うがままにヴァレンシュタインと帝国側の人間との情報交換に加担した上、その詳細を「彼らの想いを汚したくない」「情報部員としては間違っていても人としては正しい姿なのだ」などという個人的な感情から上層部に報告しなかったミハマ・サアヤ。
そしてヴァンフリート星域4=2の補給基地に赴任するよう命じられ、ヴァレンシュタインが(自分の問題を他者に責任転嫁しながら)豹変した際には、「昔のヴァレンシュタインに戻って欲しい」などという感傷に浸りまくるミハマ・サアヤ。
挙句の果てには、フェザーンでの前科を忘れて自分に盗聴器を仕込んだバグダッシュ相手に「自分を信じないなんて酷い」などとなじり、ついには自身の監視対象であるはずのヴァレンシュタインを相手に「私は信じたい」「私を信じて下さい」などとのたまってみせるミハマ・サアヤ。
原作知識の援護が全く受けられない状況下のヴァレンシュタイン相手にここまでの失態を晒してしまうミハマ・サアヤは、すくなくとも「監視者」としては相当なまでの無能者であるとしか評しようがなく、またこんな人間に「監視」などという任務をあてがった「亡命編」のバグダッシュもまた、多大なまでに任命&監督責任が問われなければならないところです。

では、ミハマ・サアヤが乱発しまくった一連の問題だらけな言動は、一体どこから出てきているのか?
それは「プロ意識の完全なる欠如」の一言に尽きます。
そもそも、彼女の「監視者」としての仕事の様子を見ていると、実は監視対象に対して公私混同レベルの感情移入をしているのが一目瞭然だったりするんですよね。
フェザーンでヴァレンシュタインの個人的事情に感動?するあまり、報告書を上げる義務を放棄した一件などはまさにその典型でしたし。
監視対象の事情がどうだろうと、それと自分の仕事内容はきちんと区別した上でほうれんそう(報告・連絡・相談)を遂行することこそが、プロの職業軍人として本来全うすべき基本的な義務というものでしょう。
ましてや、ミハマ・サアヤがヴァレンシュタインに入れ込む動機自体が、監視任務や同盟の動向とは何の関係もない、単なる自己感情を満足させるだけのシロモノでしかないのですからなおのこと。
第一、ヴァレンシュタインがミハマ・サアヤを油断させるための演技の一環として、そういったアピールをしていないという保証が一体どこにあるというのでしょうか?
自分の無害ぶりをアピールし、監視者に「こいつは安全だ」と錯覚させ、自分に対する疑惑を解除させた上で油断を誘いつつ、裏で諸々の工作を展開したり、「決行」の日に備えて準備を進めたりする。
「スパイ容疑」をかけられている相手が本当にスパイなのであれば、むしろそういう「したたかさ」を披露しそうなものですし、監視する側も予めそういう想定をしておく必要が確実にあるはずなのですけどね。
監視されている身であることを充分に承知していながら「私は同盟に仇なすことを画策しています」などという自ら墓穴を掘る自爆発言をやらかして平然としているような奇跡的な低能バカは、それこそヴァレンシュタインくらいなものなのですから(爆)。
監視者としてのミハマ・サアヤの仕事は、そういった可能性をも勘案した上で、ヴァレンシュタインの言動の一切合財全てを疑いながら素性を明らかにし、その全容を余すところなく上層部に報告していく、というものでなければならないはずでしょう。
監視対象の境遇を「理解」するところまではまだ仕事の範疇ですが、そこから同情したり親愛の感情を抱いたり、ましてや上への報告の義務を怠ったりするのは論外です。
仕事に私的感情を持ち込み、公私を混同する点から言っても、ミハマ・サアヤは能力以前の問題でプロの職業軍人として失格であると評さざるをえないのです。
軍人に限らずプロ意識というものは、ただその職に就きさえすれば自動的に備わるなどというシロモノでは決してないのですけどね。

また、元来「監視対象と監視者」という関係でしかないヴァレンシュタインとミハマ・サアヤとの間には、相互信頼関係を構築できる余地自体が【本来ならば】全くないはずなのです。
考察3でも述べましたが、「自分が生き残る」ことが何よりも優先されるヴァレンシュタインにとって、自分の言動を監視しいつでも自分を暗殺できる立ち位置にいるミハマ・サアヤは、原作知識が活用できないことも相まって、本来ラインハルト以上に厄介な脅威かつ警戒すべき存在です。
さらにヴァレンシュタインは、「帝国への逆亡命計画」などという他者に公言できない後ろ暗い秘密を、すくなくとも17話までは(周囲にバレていないと思い込んで)ひとりで抱え込んでいたわけですから、なおのこと監視の目を忌避せざるをえない境遇にあったはずでしょう。
そしてミハマ・サアヤはミハマ・サアヤで、実は暗殺どころか、自分の胸先三寸次第でいつでもヴァレンシュタインを合法的に処刑台へ送ることができるという絶対的な強みがあるのです。
何しろ、もっともらしい証拠と発言を元に「ヴァレンシュタインは帝国のスパイです」という報告書をでっち上げるだけで、ヴァレンシュタインをスパイ容疑で逮捕拘束させ軍法会議にかけることが可能となるのですから。
別に虚偽でなくても、フェザーンでの一件と、ヴァンフリート星域会戦後における自爆発言などは、事実をそのままありのままに書いただけでも【本来ならば】ヴァレンシュタインを処刑台に追いやることが充分に可能な威力を誇っていましたし。
彼女はその立場を利用することで、ヴァレンシュタインに対等の関係どころか自分への服従・隷属を要求することすらも立場上行うことが可能だったのですし、逆にヴァレンシュタインがそれを拒むことはほぼ不可能なのです。
下手に反抗すれば、それを「スパイ容疑の動かぬ証拠」として利用される危険があるのですし、仮にミハマ・サアヤを何らかの形で排除できたとしても、後任の監視者がミハマ・サアヤと全く同じ立場と強みを引き継ぐことになるだけで、ヴァレンシュタインにとって事態は何も改善などされないのですから。
こんな2人の関係で、相互信頼など築ける方が逆にどうかしているでしょう。
表面にこやかに左手で握手を交わしつつ、右手に隠し持った武器を相手に突き込む隙を互いに窺い合う、というのが2人の本当のあるべき姿なのです。
にもかかわらず、ヴァレンシュタインはミハマ・サアヤについて外面だけ見た評価しか行わず安心しきってしまい、「実はそれは自分を騙すための擬態であるかもしれない」という可能性についてすらも全く考慮していませんし、ミハマ・サアヤもヴァレンシュタインに対して「私は信じたい」「私を信じて欲しい」などとのたまう始末。
自分達の置かれている立場に思いを致すことすらなく、小中学生のトモダチ付き合いレベルの関係を何の疑問もなく構築している2人を見ていると、「人間ってここまで『人を疑わない善良なお人良し』になれるのだなぁ」という感慨を抱かずにはいられないのですけどね(苦笑)。
正直、2人共おかしな宗教の勧誘や詐欺商法の類に簡単に引っ掛かりそうな「カモ」にしか見えないのですが(笑)。

ただ、ヴァレンシュタインとミハマ・サアヤは、立場的なものを除いて個人的な性格という面だけで見れば、非常に「お似合い」な男女の組み合わせではあるでしょうね。
ミハマ・サアヤがヴァレンシュタインにあそこまで入れ込むのは、突き詰めれば「自分のため」でしかなく、その点についてはヴァレンシュタインと全く同じなのです。
ヴァレンシュタインがヴァンフリート4=2の補給基地赴任を命じられて発狂した際も、ミハマ・サアヤが考えたのは「ヴァレンシュタインが作った美味しいスイーツをまた食べたい」「今のままでは居心地が悪いから昔に戻ってほしい」というものでしたし、フェザーンでの命令違反や「私を信じて」云々の発言も、任務とは全く無関係の私的感情からです。
ミハマ・サアヤがヴァレンシュタインのことを気にかけるのは、何もヴァレンシュタインのことを想ってのことなどではなく、単なるその場その場の自己都合か、または「こんなに愛しのヴァレンシュタインのことを心から心配し彼に尽くしている(つもりの)私ってス・テ・キ」みたいな自己陶酔の類でしかないわけです。
何でも「自分は正しく他人が悪い」で押し通す自己正当化と他罰主義のモンスタークレーマーであるヴァレンシュタインと、仕事中に公私混同ばかりやらかして自己に都合の良い選択肢を都度優先するミハマ・サアヤ。
形は少し異なりますが、どちらも「自己中心的」「自分のことしか見ていない&考えていない」という点では完全無欠の同類としか言いようがなく、だからこそ2人は「お似合い」であるというわけです。
もちろん、世の中には「同族嫌悪」「近親憎悪」という概念がありますし、自分しか見ていない者同士では相互コミュニケーション自体が全く成り立たないのですから、「お似合い」だからといって気が合うはずも仲良くなれるわけもないのですが。
ただ、「似た者同士でもでもどちらがよりマシなのか?」と問われれば、どう見てもミハマ・サアヤの方に軍配が上がってしまうのですけどね。
ミハマ・サアヤはすくなくとも被害妄想狂ではありませんし、まだ自分の言動を振り返ることができるだけの自省心くらいはかろうじて持ち合わせているわけですが、狂人ヴァレンシュタインにそんなものは全く期待できないのですから(爆)。

次回の考察から再びヴァレンシュタインの言動についての検証に戻ります。


コメント一覧

jynx (04/20 12:44) 編集・削除

考察お疲れ様です
ミハマ・サアヤなあ……あれで諜報畑の人間でさえなければ……いや、職業軍人でさえなければ……いやいやいやそもそも軍属でさえなければラブコメラノベ的ヒロインとして十分なスペックだというのに(棒) 
もっとも作中での扱いの割には男性向け作品の女性キャラとしてちゃんと描写されているなどとは口が裂けても言えないキャラでありますが。

やはり150年の長きに渡り続いている戦争による人的資源の払底はそれ程までに悲劇的だという事でしょうか?どんな人間でも使いこなす事が要求されるのが軍隊といえ、こういう人間を諜報畑に配属せねばならないというのは(棒)
まあ何かやらせるとしたら監視は別の人間がやって、彼女には世話役と称して、何も知らせず何も分からせず彼女が知り得る情報の何もかもが全てフェイクの、ヴァレンシュタイン相手に無意識且つ善意でハニトラをやらせる事位ですかねえ。もちろん恋愛関係になってもならなくてもどっちでも良いですね。
ヴァレンシュタインという亡命者がそこまで手の込んだ事をやるに値するかどうかは兎も角として。

S.K (04/20 15:27) 編集・削除

実はここはそんなに問題視しておりません。
実際「情報将校バグダッシュ」という存在が原作に
おいてもボリス・コーネフやド・ヴィリエにさえ二枚
劣る程度のスキルである事は事実ですし、ミハマ・
サアヤが「個人として」ヴァレンシュタインを好ましく
思う事については同盟ならずとも正に「個人の自由」
でしょう(その趣味はどうか、というのはさておき)。
それにまあ、ラインハルトとキルヒアイスの友情と
いうのも立派に『綺麗事』ですしねえ。
ここは個人的には「いいんじゃない?」で通しますね。

冒険風ライダー(管理人) (04/20 22:04) 編集・削除

>jynxさん
> やはり150年の長きに渡り続いている戦争による人的資源の払底はそれ程までに悲劇的だという事でしょうか?どんな人間でも使いこなす事が要求されるのが軍隊といえ、こういう人間を諜報畑に配属せねばならないというのは(棒)

人的資源の払底というよりも、教育に時間と手間とカネをかけていない問題の方が大きいでしょうね。
原作でも、戦史研究科を廃止しているという作中事実がありますし。
ミハマ・サアヤは特にそうなのですけど、彼女は士官学校を卒業して間もない時期に、しかも現場経験をロクに積むこともなく、唐突にヴァレンシュタインの監視役に抜擢されているんですよね。
「監視」というのは字面通りのターゲットの監視以外にも、ターゲットの護衛や暗殺などといった行為も場合によっては遂行する必要があるので、経験と実績もそれなりにないと、すくなくとも単独では不測の事態に対応できなくなる恐れがあるはずなのですが。
特にヴァレンシュタインの場合は亡命した経緯にも問題があるので、暗殺だけでなく帝国からの刺客に備えた護衛の必要性も確実にあるわけですし。
何故ある程度のベテランを持ってこなかった、と、これはバグダッシュの方に言いたいことではありますね。

それでも彼女にヴァレンシュタインと接触させるのであれば、仰る通り監視のことは何も知らせず普通に世話役・補佐役、または護衛役としてヴァレンシュタインの下に就かせた上で、仕事についての報告書を定期的に上げるようにだけ指示するのが理想だったでしょうね。
当面重要なのは報告書の内容なわけですし、これならば重要な情報がミハマ・サアヤから漏れる心配も大幅に減ります。
特に護衛役という口実ならば、自己の生存とやらにやたらとこだわるヴァレンシュタイン的にも拒絶はしにくいでしょうし。
昨今のスパイアクション映画に登場するヒラの諜報員達と比較してさえも、バグダッシュとミハマ・サアヤ2人の仕事のど素人ぶりと覚悟のなさっぷりは目を覆わんばかりのものがあるのですけどね(笑)。

>S.Kさん
> 実際「情報将校バグダッシュ」という存在が原作に
> おいてもボリス・コーネフやド・ヴィリエにさえ二枚
> 劣る程度のスキルである事は事実ですし、ミハマ・
> サアヤが「個人として」ヴァレンシュタインを好ましく
> 思う事については同盟ならずとも正に「個人の自由」
> でしょう(その趣味はどうか、というのはさておき)。

いや、軍人に限らず公の仕事の中で公私混同したり「個人の自由」の名の下にサボタージュしたりするのは、「その道のプロ」としてやはりマズいのではないかと。
バグダッシュも、原作では「ヤン・ファミリーの重要な構成員」としてはそれなりに名の通った人物でもあったのですし、救国軍事会議クーデターの面々からヤン暗殺を任される程度には力量も実績もあるはずなのですが。
それに、あの2人とヴァレンシュタインの関係における立場的な問題は、「何故あの関係でお互いにいがみ合わないんだ?」とすら思ってしまったくらいに、「個人の自由」とは関係なしに信頼関係を築くことを阻害してしまうものですからねぇ。
特に狂人ヴァレンシュタインなんて、あの2人を邪魔者どころか「自分にいつ仇なすか分からない害虫」とすら見做しても何の不思議もないくらいですし。
その辺りの何とも奇妙な構図が、今回の半ば脇道的な考察を作った動機ですね。

http://www.tanautsu.net/

S.K (04/21 19:02) 編集・削除

>いや、軍人に限らず公の仕事の中で公私混同したり「個人の自由」の名の下にサボタージュしたりするのは、「その道のプロ」としてやはりマズいのではないかと。

「公の利益と私利のすり合わせ」はさほど悪い事ではないのではないでしょうか。
ミハマ・サアヤの場合、ヴァレンシュタインが結果論ででも同盟に尽くしてくれて、その上でそうするに当たり協力した自分に好意を抱いてくれれば理想的なわけで。

>バグダッシュも、原作では「ヤン・ファミリーの重要な構成員」としてはそれなりに名の通った人物でもあったのですし、救国軍事会議クーデターの面々からヤン暗殺を任される程度には力量も実績もあるはずなのですが。

であればこそ、上記と多少相反しますが同盟軍情報部自体を私はあまり評価していません。
上が「あわよくば懐柔、念のためもう一段上から監視」とか考えたからこそバグダッシュとミハマ・サアヤというコンビは成立したのでしょう。
本来なら「廃人寸前までの投薬の上深層心理検査を行いそれでシロと出たら初めていつでも暗殺に切り替えられる秘密裏の監視の上で登用」というのが正気の判断だと思います。
バグダッシュ自身に関しても、実際ヤン暗殺はシェーンコップに見破られて凍結拘禁、同盟の暴走によるヤン救出に際してもシェーンコップとアッテンボローの使い走りでは褒め様がないというものです。
救国軍事会議にした所で、フォークを温情からとはいえ一員に加えていた様な惨状でかつチェン・ウー・チュンの暗躍もトリューニヒトの逃亡先も、果ては計画自体がリンチに代行させたラインハルトの裏工作という事に誰も気付かなかったといえば「お粗末」としか言い様もなくそこで大任を任されたから、と言って評価はやはりあまり高くはできないですね。

>それに、あの2人とヴァレンシュタインの関係における立場的な問題は、「何故あの関係でお互いにいがみ合わないんだ?」とすら思ってしまったくらいに、「個人の自由」とは関係なしに信頼関係を築くことを阻害してしまうものですからねぇ。
>特に狂人ヴァレンシュタインなんて、あの2人を邪魔者どころか「自分にいつ仇なすか分からない害虫」とすら見做しても何の不思議もないくらいですし。

むしろあらゆる意味で「だからこそ」の現状でしょう。
「全知なる」ヴァレンシュタインにとってはあの2人は「路傍の石」以外の何者でもなく、であれば必要な時に愛想なり手柄なりをくれてやり、必要がなくなれば遠ざける、万一邪魔なら正に「虫のように潰す」と思いのままなんですから。
実際軍という組織にとってヤンというのは「嫌な人材」なのは確かですが、1巻他の“薔薇の騎士”連隊の扱い一つ見ても亡命者よりヤンを信頼しない、下に見るという発想は正真正銘の「気違い沙汰」なんですが、作中事実は今正にこの「気違い沙汰」が超高速で突き抜けているのですから。

冒険風ライダー(管理人) (04/22 01:02) 編集・削除

>S.Kさん
> 「公の利益と私利のすり合わせ」はさほど悪い事ではないのではないでしょうか。
> ミハマ・サアヤの場合、ヴァレンシュタインが結果論ででも同盟に尽くしてくれて、その上でそうするに当たり協力した自分に好意を抱いてくれれば理想的なわけで。

いや、ミハマ・サアヤの場合は「公の利益と私利のすり合わせ」にすらなっていないのが問題なのですが。
「本編」でヴァレンシュタインの副官になっていたヴァレリー・リン・フィッツシモンズの場合は、仕事の内容も「ヴァレンシュタインの補佐」的なものでしたから公も私も比較的近い距離にあって両者の整合が難しくなかったのですが、ミハマ・サアヤの場合は「監視」などという「補佐」とは全く反対とすら言って良い任務を背負っています。
両者を整合するのはほとんど不可能に近いので、ミハマ・サアヤは公と私の二者択一を常に迫られてしまうんですよね。
で、本来ならば常に「公」を選ぶべきところを、ミハマ・サアヤはその場その場で自分に都合の良い方を選択するから、プロの職業倫理と一貫性の両面で問題視される、というわけで。

>バグダッシュについて
一応彼も、救国軍事会議クーデター以降もヤンに重用されているわけですし、第10次イゼルローン要塞攻防戦では擬態通信を駆使して帝国軍を撹乱させることに成功しているわけですから、原作でもさすがに無能であるとまでは設定されていないのではないかと。
「亡命編」の中で無能を晒していても、それは「神(作者)の介入」である可能性の方がはるかに高く、原作評価としては正直信用できるものなどではないですし。
「亡命編」における同盟軍情報部については、例のヴァレンシュタインの自爆発言についてヤンやシトレですら「神(作者)の介入」でマヌケぶりを晒す中、唯一情報部だけは「ヴァレンシュタインをもう一度取り調べろ」と比較的マトモな判断を下していた(19話)ので、そこは相対的に高く評価しても良いのではないかと。

> 「全知なる」ヴァレンシュタインにとってはあの2人は「路傍の石」以外の何者でもなく、であれば必要な時に愛想なり手柄なりをくれてやり、必要がなくなれば遠ざける、万一邪魔なら正に「虫のように潰す」と思いのままなんですから。

あらゆる設定を好き勝手に改竄する「神(作者)の介入」はともかく、ヴァレンシュタイン自身はあくまでも全能ではありますまい。
そんな自覚はさすがに本人にもないでしょうし、自覚しているのであればそもそもヴァンフリート星域会戦で身の危険など覚えるはずもないのですから。
自分の監視については原作知識が使えないのですし、ラインハルトとの戦いに全力を注視しなければならない時などでは、小物が足元で蠢動するという事態はかなり厄介です。
下手に監視役を殺してしまったら、ますます自分に疑いの目が向いてしまいますし、虫は虫でも非常に厄介な「獅子身中の虫」なのでしてね、あの2人は。
「自分を害そうとする人間」に対してアレほどまでにヒステリックな罵倒と対応を叩きつけるヴァレンシュタインが、指一本で自分の命運を簡単に左右できる立場にあるあの2人に恐怖と殺意を抱かないのはあまりにも不自然なのですが。
ただでさえ暗殺されかけた経歴まで持っているのに何と身辺への警戒が甘いことか、と言わざるをえないのですけどね。

> 実際軍という組織にとってヤンというのは「嫌な人材」なのは確かですが、1巻他の“薔薇の騎士”連隊の扱い一つ見ても亡命者よりヤンを信頼しない、下に見るという発想は正真正銘の「気違い沙汰」なんですが、作中事実は今正にこの「気違い沙汰」が超高速で突き抜けているのですから。

もうあの国は原作「銀英伝」の自由惑星同盟などではないですね。
「神(作者)の介入」によって国内の住民もろとも何もかも変えられてしまった、全く別の何かです(苦笑)。

http://www.tanautsu.net/

薬師寺シリーズ9巻、ようやく脱稿!

薬師寺シリーズの新刊がいつの間にか脱稿していたみたいですね。
脱稿日は2012年4月16日なのだそうで↓

https://twitter.com/adachi_hiro/status/191717520061890560
<今日の田中さん。執筆中だった「薬師寺涼子の怪奇事件簿」の新作、ようやく脱稿。いま、編集さんが取りに来て下さってます。>

http://a-hiro.cocolog-nifty.com/diary/2012/04/post-e654.html
>  田中さんと講談社の編集さんが事務所にいらっしゃいまして、新作『薬師寺涼子の怪奇事件簿』の原稿の受け渡しがありました。長らくお待たせしてしまったのですが、これで脱稿、完成となります。
>  あとは編集さんのお仕事になります。田中さんも、ちょっと一息入れた感じです。
>  もっとも、このあとすぐに新たな仕事に掛かって貰わないといけないのですけどね。

やっと田中芳樹のストレス解消行為が終わったわけですね。
去年の5月末頃?から執筆を続けていたらしいので、実に11ヶ月もの間、長々と続けていたことになるわけですね。
まあ、執筆開始から新刊刊行まで2年近くもかかった「髑髏城の花嫁」に比べればまだ短い方なのでしょうが。
新刊刊行は6月予定とのことだそうですが、こちらは意外に早いですね。
「髑髏城の花嫁」なんて、脱稿から4~5ヶ月もの時間をかけてようやくでしたから、てっきり今回もそれくらいかかるのではないかと予想していたのですが。

そして、これでようやく2009年からずっと言われ続けてきたタイタニア4巻の執筆が始まるわけですね。
……田中芳樹や社長氏が当初スケジュールを改竄したりしなければ(爆)。
薬師寺シリーズの完成などよりも、むしろそちらの方が実は嬉しい情報だったりするんですよね。

気がつけば薬師寺シリーズも、現時点で最新刊となる8巻が出てからもう4年以上が経過しているのですね。
タナウツ本家の考察シリーズもどうやら近いうちに再起動することになりそうですが、さて、肝心の中身は一体どれだけ笑えるシロモノに仕上がっているのですかねぇ(苦笑)。


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K.Okazaki (04/18 23:07) 編集・削除

もう二度と出ないかも?と思っていた作品が出るのは嬉しいです。いい情報です。

宝塚歌劇で銀英伝の舞台公演決定

銀英伝が宝塚版舞台として公演されるとの情報が、宝塚歌劇公式サイトにて発表されました。
情報ソースはこちら↓

2012年 公演ラインアップ【宝塚大劇場、東京宝塚劇場】<8月~11月・宙組『銀河英雄伝説@TAKARAZUKA』>
http://kageki.hankyu.co.jp/news/detail/fb6b5d97082c3e93437db31dc0797b01.html

舞台の名前は「銀河英雄伝説@TAKARAZUKA」。
公演は、2012年8月31日~10月8日までが宝塚大劇場、同年10月19日~11月18日までが東京宝塚劇場で行われるとのことです。

しかし、銀英伝の登場人物ってほとんど男性ばかりなのに、一体どうやって配役を設定&キャラクターを演じるつもりなのでしょうか。
銀英伝の宝塚版舞台の話自体は以前にもあったそうですが、確か当時は「女性の登場人物が少ないから」という理由で企画自体がお流れになっていたと記憶しています。
ラインハルトやキルヒアイスなどの「若い美形キャラクター」はまだ何とかなるかもしれませんが、ビュコックやメルカッツなどのジジイ系やルビンスキーなどのオヤジ系キャラクターは、すくなくとも宝塚系の「若く美形な女性」ではそもそも演じようがないでしょう。
まさか、付け髭とか白髪&禿頭のヅラなどをかぶって、わざわざ「男性の中年&老人」を演じたりでもするのでしょうか?
それもひとりや2人などではなく、主要人物以外の全ての脇役で。
宝塚の舞台の方向性と銀英伝のそれって、根本的に合わないような気がしてならないのですけどね。

今回の宝塚の決定は十中八九、今行われている銀英伝舞台版の成功を見て、宝塚独自に行われたものなのでしょう。
本家の銀英伝舞台版公式サイト&ブログの方でも、すくなくとも現時点では宝塚の発表について完全無視を決め込んでいるようですし↓

http://www.gineiden.jp/
http://ameblo.jp/gineiden-stage

はっきり言って現時点では、「宝塚も何を血迷ったのかなぁ」という感想以外は抱きようがないですね。
本職だからなのでしょうけど、舞台の公演期間も1劇場で1ヶ月単位と、これまでの銀英伝舞台版と比較してもかなり長いですし。
役者は当然真剣に演じることになるのでしょうが、それ故にどんな「笑える喜劇」になるのかと、怖い物見たさで一度見てみたい気はしますねぇ(苦笑)。


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葵猫 (04/17 19:26) 編集・削除

こんばんは、一夜明けて、やや冷静さを取り戻しましたw
あちこち見て、宝塚ファンには待望していた人も結構いたらしいこともわかりました。
おじさんキャラ…管理人様は、昨今の宝塚が、かなり色々異色の演目を上演しているのはご存知ですか?
逆転裁判にオーシャンズ11、相棒(神戸尊編)
鑑識の米沢さんは八頭身の美形、でもメガネと髪型はあのまま、捜査一課トリオも美形揃い。
それなりに楽しめるものだったようです。
髭は風と共に去りぬの時、レット・バトラー役が大論争の末つけて以来、まあ普通になりましたし、多少おじさんキャラの人員整理をしつつ、なんとかやるのではないかと思います。
むしろ、多忙な演出家小池氏が原作ちゃんと読んでるのか、改編バリバリやる彼が、変なアレンジしないか心配です。
あとヒロイン、宝塚では主人公と恋愛関係が原則なので、アンネローゼは無理、でもヒルダの出番は序盤は少ないし、どうなるのか見えません。
気持ちが落ち着いてくると、やはり銀英伝なら興味ありますし、帝国編なら観てもいいかな、という感じになりつつあります。
女性の演じるヤンは観たくありませんが。
河村さんで満足していますし。

読者A (04/17 23:34) 編集・削除

ラインハルトやキルヒアイスは美形男性キャラを見事に演じた前例があるので心配なさそうですし、
ヤンやユリアン辺りもどうにかなると思いますが、
流石にルビンスキーとか地球教教祖は難しそうですね。(前者は漫画版設定で女性にできますが)

まあ葵猫氏の仰ったように、宝塚は原作を良かれ悪かれねじ伏せますんで(笑)
今更「男が多い作品は無理」とか言ったらファンには失笑されますよ。
何にせよ楽しみです。なるべく原作に沿ってくれれば最高

冒険風ライダー(管理人) (04/18 22:30) 編集・削除

>葵猫さん
>読者Aさん
最近の宝塚って、男性メインの作品も積極的に演じているのですね。
葵猫さんご紹介の作品は全部映画で観賞しているのですが、全部男性だけで8~9割近くを占めていましたし。
宝塚というと、個人的にはゲームの「サクラ大戦」シリーズに登場する帝国歌劇団のイメージと重ねてしまうのですが(^^;;)。

ストーリーは原作のどこら辺を使うつもりなのでしょうかね?
まさか1巻から10巻全てを網羅するわけないでしょうし、あちらの舞台版と同じく1巻から2巻までくらいになるのでしょうか?
全く新しいオリジナルストーリーならばともかく、原作ストーリーの改竄は、やはり原作ファンとしてはやって欲しくないところではあるのですが。

http://www.tanautsu.net/

舞台版オリジナル外伝「銀河英雄伝説 撃墜王篇」の公演決定

銀英伝舞台版公式サイトで、同盟側の新たな外伝となる「銀河英雄伝説 撃墜王篇」の舞台公演が決定したとの情報が発表されました。
公式サイトおよび関連記事はこちら↓

銀英伝舞台版公式サイト
http://www.gineiden.jp/
銀河英雄伝説 撃墜王篇
http://www.gineiden.jp/gekitsui/
銀英伝舞台版公式ブログ【「銀河英雄伝説 撃墜王篇」上演決定!!】
http://ameblo.jp/gineiden-stage/entry-11222723364.html

舞台公演は2012年8月3日~12日、場所は「天王洲 銀河劇場」とのこと。
公式サイトのストーリー紹介を見る限りでは、外伝2巻のエピソードがベースになるみたいですね。
帝国側の「双璧編」「オーベルシュタイン編」と同じく、オリビエ・ポプランやイワン・コーネフが主人公の外伝など原作にはないのですから、当然オリジナルストーリーにならざるをえないでしょうが、さてこちらは一体どんな出来になるのやら。

そういえば以前に銀英伝舞台版第二章の製作発表記者会見が行われた際、第二章本編の他に2本の舞台が公演される予定があると発表されていました。
となると、今回の発表の他にあと1本外伝があることになるのですが、それは一体誰が主人公になるのでしょうかね?
シェーンコップかアッテンボロー辺りが最有力候補になりそうではあるのですが……。


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葵猫 (04/16 18:59) 編集・削除

こんばんは、銀河英雄伝説、宝塚で上演決定だそうで…嫌だ〜!
すみません、失礼致しました。
本当に、誰得?と頭抱えてしまいました。
ヅカファンからは、これで来年はロミジュリ一本に絞れる、なんて声が聞こえてきてますし。
ロミジュリは、かの有名な誰もが知ってるシェークスピアのあれが原作のフランスのミュージカルで、曲が素晴らしいので宝塚に興味の薄い私もでも、二択ならこちら選ぶでしょう。
まあ、確かにラインハルとやロイエンタールは宝塚的イメージありますけど、やはり男のキャストは本物の男性にやっていただきたいですし、艦隊戦その他、普通の舞台より観るのが怖い気がします。

冒険風ライダー(管理人) (04/17 00:14) 編集・削除

>葵猫さん
宝塚の件はブログの記事にしてみました。
男性の割合が半端なレベルじゃないのに配役はどうするんだとか、素人目に見てさえもツッコミどころが満載なところが何とも言えないところで(苦笑)。

http://www.tanautsu.net/

実は教員免許を持っていた田中芳樹

https://twitter.com/adachi_hiro/status/190412214094675968
<@masumi_asano 少なくとも田中さんは小説家になれて良かったと思う。本人、教員免許は持っているんですけどね。あと、一応、大学の学部のときに在京FMラジオ局の最終面接までは行っているし。自分で辞退してるけど。>

FMラジオ局の面接の件は以前にもネタに上がっていましたが、教員免許を持っているという話は初耳ですね。
学歴にも「学習院大学文学部・国文学科卒業」とありますから、確かに持っていても不思議ではないのですけど。
だからかつて、教育問題についてこんなことをのたまっていたわけですか↓

週刊現代1987年9月26日号
<ほとんどが想像の世界の産物です。エンターテイメントで行くというのが僕の基本姿勢ですから。面白く仕立てるために、政治家や官僚を登場させたんです。もっとも、学校のこと、教育の問題に関しては、ちょっとニュアンスが違うんですが…。
(中略)
僕は就職という経験がないためか、いまだに学生気分が抜けず、学校の問題となると敏感になる部分があるんです。そのせいで、
歪んだ権力構造としての現在の日本の学校教育の姿は、これは粉砕しなければならない対象だと思うんです。やたらと校則を作り、履いた靴下の端は三つ折りにとか、下着の色は白と決めてあるからと、教師たちが女生徒のスカートを脱がせてパンティーの色を確かめるというようなことが現実にある。これは怒りをぶつける相手だと思うんです。それで、その辺はそれなりに書きこんであるわけです。>

創竜伝以来の「小説中に現実の社会評論を織り交ぜる行為」はエンターテイメントとして全く成り立ってもいないどころか、むしろ逆に作中の設定やストーリーを破壊してすらいるのですが(苦笑)、そんなタワゴトをのたまっていた田中芳樹でさえ、教育問題についてはマジだったと【自分から】認めていたわけです。
何故教育問題だけ? という疑問が以前からあったのですが、ようやく解答が得られたという感がありますね。
小説中に「現実への怒り」なんてシロモノを、しかもストーリーの本筋やメインテーマとは全く関係ない形でぶつけることに一体何の意義があるというのか、当の本人に一度聞いてみたいところではあるのですが(爆)。

それにしても、教員免許を持っているということは、田中芳樹は「教育実習」という形で短期間であるにせよ実地で教鞭を執っていた可能性があるわけですが、そうだとしたら一体どんな授業をしていたのか少しばかり興味がありますね。
創竜伝の社会評論に忠実に沿った、日教組が喜びそうな内容のカリキュラムでも披露していたのでしょうかねぇ、やっぱり(笑)。

あと、本日から銀英伝舞台版第二章「自由惑星同盟編」の東京公演が始まりますね(4月22日まで)。
第一章の時よりも話題性があるみたいですし、今回も客入りはそれなりにありそうではありますが。
熊本在住という地理的な問題もあって、私は今回も観に行くことはできないのですが、一体どんな出来なのやら。


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葵猫 (04/14 20:49) 編集・削除

こんばんは、お久しぶりです。
舞台銀英伝同盟編、明日観劇予定です。
河村氏のヤンが、そのもの、ヤンが息をしてそこにいる、などという評価が聞こえているので、とても楽しみです。
あと、中川晃教君のポプラン、素晴らしいという評価にミュージカルファンとしては嬉しい思いで、こちらもたのしみです。
8月の撃墜王編、彼が主役なのは大正解だと思います。
彼にはそれだけの実力も魅力もありますから。
ただ、ジャニーズさんが共演というのが…一般舞台ファンにとってヅカ(元宝塚の女優、特に元男役トップ)とジャニタレはチケット取りの恐ろしい障害なので今から頭が痛いものはあります。
でも是非一度は観たいと思っています。

冒険風ライダー(管理人) (04/14 22:44) 編集・削除

>葵猫さん
お久しぶりです(^^)。
今回の舞台はマスコミでも取り上げられたようで、注目度の高さが伺えますね。
外伝はもともと「第二章の後に2本公演される予定」と製作発表記者会見の際にも言われていましたので予定内の話ではあるのでしょうが、また舞台版のみのオリジナルストーリーとなるわけですね。
公式サイトのストーリー紹介を読む限りでは、原作1巻と外伝2巻を混ぜ合わせたものにはなりそうですが。

明日観に行かれるという舞台は楽しんできて下さい。
よろしければ観賞後の感想も是非(^_^;;)。

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葵猫 (04/15 22:10) 編集・削除

こんばんは、舞台観て参りました。
いや、良かったです、予想以上に。
まず、舞台その物の出来が帝国編よりかなり上で、役者さん達が皆はまり役。
特に河村さんのヤン、驚きでした!
ヤンを三次元で演じるのは、もはや彼しか考えられないかんじです。
かなり銀英伝好きのヤン好きな事もプラスに働いているのだと思いますが、かなりの分量の台詞も滑らかで噛む事もなく、お見事という感じです。
リピーターチケットも凄い売れ行きです。
体調が良くない事と、贔屓の舞台のチケット取りの為、一度しか観られないのがとても残念です。
DVDは買ってしまいそうです。
あと、衣装の出来も帝国編とはえらい違いで、同盟軍の軍服はかっこよかったです。
予算の差、でしょうか?

冒険風ライダー(管理人) (04/16 00:35) 編集・削除

>葵猫さん
おお、観に行かれましたか。
楽しんでこられたようで何よりです(^^)。
今回の舞台の出来や衣装や豪勢になっているのは、やはり前回の舞台で満員御礼の成功を収めたことから、ある程度の自信とバックアップを得られたことが大きいのでしょうね。
前回はネガティブな前評がかなり幅を利かせていましたし。
それに今回の舞台はマスコミでも報じられていましたし、アレも話題の提供兼宣伝効果としてはプラスとして働いていたでしょう。
ともあれ、感想ありがとうございますm(__)m。

DVDの方は私も買う予定です。

http://www.tanautsu.net/

銀英伝2次創作「亡命編」におけるエーリッヒ・ヴァレンシュタイン考察5

「亡命編」におけるヴァンフリート星域会戦についての最後の考察は、いよいよそのグランドフィナーレを極彩色かつ悪趣味な形で派手に飾り立てることとなる、エーリッヒ・ヴァレンシュタインが吐き散らしまくっていた愚劣極まりない罵倒内容について検証していきたいと思います。
これまでの考察で検証してきたような自身の問題に全く気づけない、もしくは知っていながらその事実を直視することなく、「全て他人が悪い」という自己正当化と責任転嫁ばかりに終始する、能力的にも人格的にも「多大」などという程度の言葉ではとても表現できないほどに問題がありまくるヴァレンシュタインは、もう理屈もへったくれもない論理でもって周囲の人間全てを罵倒しまくった挙句、ついにはそれこそ自身の立場どころか生命すらも危うくしかねない致命的な発言までも繰り出してしまうことになります。
こんなキチガイをわざわざ重用しなければならないとは、それほどまでに「亡命編」における同盟という国家は低能かつ善良すぎるお人好し集団なのかと、思わず嘆かずにはいられませんでしたね(苦笑)。
さて、前置きはこのくらいにして、検証を始めていくことに致しましょう。
なお、「亡命編」のストーリーおよび過去の考察については以下のリンク先を参照↓

亡命編 銀河英雄伝説~新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
http://ncode.syosetu.com/n5722ba/
銀英伝2次創作「亡命編」におけるエーリッヒ・ヴァレンシュタイン考察
http://www.tanautsu.net/blog/archives/weblog-entry-570.html(その1)
http://www.tanautsu.net/blog/archives/weblog-entry-571.html(その2)
http://www.tanautsu.net/blog/archives/weblog-entry-577.html(その3)
http://www.tanautsu.net/blog/archives/weblog-entry-585.html(その4)

「自己正当化&責任転嫁」という自身の欲望を満たすべく、ヴァレンシュタインが最初に選んだ口撃のターゲットはヤンでした。
ヴァレンシュタインはヤンに対し、ビュコック艦隊の来援が「自分の予想より一時間遅かった」などという理由でもってヤンを詰問し始めたのです。
前回の考察でも検証したように、このヴァレンシュタインの言い分自体に全く正当性がないのですが、そのことに気づかずよほどのハイテンションにでもなっているのか、ヴァレンシュタインは更なる不可解な言いがかりを披露し始めます↓

http://ncode.syosetu.com/n5722ba/17/
> ヴァレンシュタインが薄く笑った。
> 「なるほど、ではヤン中佐の独断ですか……」
> 「馬鹿な事を言うな! ヴァレンシュタイン少佐! 一体何が気に入らないんだ。戦争は勝ったんだ、一時間の遅延など目くじらを立てるほどのことでもないだろう」
>
> 俺の叱責にもヴァレンシュタインは笑みを消さなかった。
> 「勝ったと喜べる気分じゃないんですよ、バグダッシュ少佐。
エル・ファシルでも一度有りましたね、中佐。あの時も中佐は味方を見殺しにした
> 今度はエル・ファシルか、何故そんなに絡む? 一体何が気に入らないんだ……。
>
> 「何を言っている、あれは
リンチ少将達がヤン中佐に民間人を押し付けて逃げたんだ。見殺しにされたのはヤン中佐のほうだろう」
> 俺はヤン中佐を弁護しながら横目で中佐を見た。中佐の身体が微かに震えている。怒り? それとも恐怖?
>
> 「バグダッシュ少佐、
ヤン中佐は知っていましたよ、リンチ少将が自分達を置き去りにして逃げることをね。その上で彼らを利用したんです。リンチ少将のした事とヤン中佐のした事にどれだけの違いがあるんです。五十歩百歩でしょう

こんな阿呆な形での活用しかされないなんて、私はヴァレンシュタインが持っているとされる「原作知識」とやらに心から同情せざるをえないですね(T_T)。
エル・ファシル脱出時におけるリンチは、本来自分が率先して守らなければならない民間人とヤンを見捨てたばかりか、自身の任務も放擲して逃走を行ったわけですよね。
そういうことをやらかした上司を、見捨てられた側のヤンが守ってやらなければならない理由や法的根拠が一体どこにあるというのでしょうか?
しかも民間人脱出のための準備に忙殺されていたであろうヤンは、リンチに直接諫言を行える場にもいなかったわけですし。
リンチはリンチで、まさか民間人とヤンを見捨てることを当のヤンに懇切丁寧に教えてやるわけもないのですから、この件に関してヤンは全くのノータッチということになります。
となればヤンは、リンチが見捨てた民間人および自分の生命を助けるために奔走せざるをえなかったでしょうし、そのためにいちいち手段など問うてはいられなかったでしょう。
しかも、リンチがヤンに与えた最後の命令は「民間人脱出計画の立案と実行」なのですから、実はヤンはリンチの命令にすらも全く背いていないことになります。
自身の任務を放棄し敵前逃亡したリンチと、上司の命令を最後まで忠実に守って実行したヤン。
両者の行動には、誰が見ても明々白々でしかない絶対的かつ圧倒的な格差があるとしか思えないのですけどねぇ。

そしてさらに笑止なのは、リンチとヤンのやっていることが同じだと断罪する他ならぬヴァレンシュタイン自身がもしヤンと同じ立場に立たされた場合、確実にヤンと同じことをするであろうということです。
何故なら、リンチの敵前逃亡によって危機に晒されたのは民間人だけでなく、ヤン自身も同じだったからです。
ヤンが民間人脱出をやってのけたのは、もちろん民間人保護のためでもあったでしょうが、同時に自分自身を助けるためでもあったのです。
そしてヴァレンシュタイン自身もまた、自分の生命を守り生き残るために、原作の流れを変えてラインハルトを殺そうとすらしたわけでしょう。
エル・ファシルにおけるヤンの行為と同じなのは、リンチの敵前逃亡などではなく、ヴァンフリート星域会戦におけるヴァレンシュタイン自身の選択なのです。
それから考えれば、もしエル・ファシルの脱出におけるヤンの立場にヴァレンシュタインがあった場合、彼がヤンと全く同じ行動を取ってリンチを見捨てるであろうことは確実なわけです。
またヴァレンシュタインの性格から言っても、自分を見捨てて危機に晒すような上司に対して何の報復もしないとは到底考えられません。
リンチを見捨てるどころか、むしろ嬉々として帝国軍に捕まるような取り計らいをすらするでしょうね、ヴァレンシュタインならば(笑)。
実際、この先のストーリーでも、ロボスとフォークをその地位から叩き出すような行為をヴァレンシュタインは平気で行っているのですから。
もちろん、「自分が生き残ること」を至上命題とするヴァレンシュタインにとって、そういった行為は無条件に正しいとされる行為なのでしょう。
しかしそれならば、他ならぬ自分自身の行動原理と照らし合わせても妥当としか言いようのないヤンの行為について、何故ヴァレンシュタインがそこまで罵り倒すのか、およそ理解不能と言わざるをえないのですけど。
それって、普通に考えたら「自分だけを特別扱いするダブルスタンダード」としか評されないのではないですかね?

さて、ヴァレンシュタイン個人の被害妄想に立脚した私怨に満ちた罵倒に対し、しかしヤンはいっそ紳士的とすら評しても良いくらい律儀な弁明を行います。
ビュコックにヴァンフリート4=2への転進するよう進言はしたが、他の参謀に反対され意見を通せず、それ故に1時間はロスしたであろうと。
状況から言っても、ヴァレンシュタインが持つ原作知識から見ても充分に起こりえる話であり、何よりも前回の考察で述べたように当時の2人の関係とヤンの性格を読み間違えたヴァレンシュタインにこそ最大の問題と責任があったことを鑑みれば、すくなくともヤン「だけ」に全面的な非があると責めるのは酷というものでしょう。
しかし、その事実を突きつけられてもなお、ヴァレンシュタインは全く納得しようとしません。
それもそのはずで、そんなことを認めてしまったら、ヴァレンシュタインが最大の目的としている「自己正当化&責任転嫁」の欲望が達成できないことになってしまうではありませんか(苦笑)。
何が何でも「自分に問題がある」と認めるわけにはいかない、他人に責任をなすりつけ罵りまくりたい。
そんな風に懊悩するヴァレンシュタインの様子を根本的に勘違いしたバグダッシュから、話の流れとは全く関係のない「救いの手」が差し伸べられました。
バグダッシュは、ヴァレンシュタインを帝国に帰すわけにはいかないから前線勤務を命じたという事情をヴァレンシュタインに話したのですね。
ところが何を血迷ったのか、ヴァレンシュタインは自分以外の人間には全く理解できない理論を駆使して周囲の人間全てを罵倒し始めた挙句、ついには致命的な発言まで繰り出してしまったのです↓

http://ncode.syosetu.com/n5722ba/17/
> 「よくもそんな愚劣な事を考えたものだ。自分達が何をしたのか、まるで分かっていない」
> 「少佐……」
> ヴァレンシュタインの口調が変わった。口調だけではない、表情も変わった。さっきまで有った冷笑は無い、有るのは侮蔑と憎悪だけだ。その変化に皆が息を呑んだ。
>
> 「私はヴァンフリート4=2へ行きたくなかった。行けばあの男と戦う事になる。だから行きたくなかった」
> 「あの男?」
> 恐る恐るといった感じのミハマ中尉の問いかけにヴァレンシュタインは黙って頷いた。
>
> 「
ラインハルト・フォン・ミューゼル准将、戦争の天才、覇王の才を持つ男……。門閥貴族を憎み、帝国を変える事が出来る男です。私の望みは彼と共に帝国を変える事だった
>

(中略)
>
>
「第五艦隊の来援が一時間遅れた……。あの一時間が有ればグリンメルスハウゼン艦隊を殲滅できた、逃げ場を失ったラインハルトを捕殺できたはずだった」
> ヴァレンシュタインは呻くように言って天を仰いだ。両手は強く握り締められている。
>
> 「最悪の結果ですよ、ラインハルト・フォン・ミューゼルは脱出しジークフリード・キルヒアイスは戦死した。ラインハルトは絶対私を許さない」
> ジークフリード・キルヒアイス? その名前に不審を感じたのは俺だけではなかった。他の二人も訝しそうな表情をしている。俺達の様子に気付いたのだろう、ヴァレンシュタインが冷笑を浮かべながら話し始めた。
>

(中略)
>
> 「
貴官らの愚劣さによって私は地獄に落とされた。唯一掴んだ蜘蛛の糸もそこに居るヤン中佐が断ち切った。貴官らは私の死刑執行命令書にサインをしたわけです。これがヴァンフリート星域の会戦の真実ですよ。ハイネセンに戻ったらシトレ本部長に伝えて下さい、ヴァレンシュタインを地獄に叩き落したと」
> 冷笑と諦観、相容れないはずの二つが入り混じった不思議な口調だった。

……よくもまあ、ここまで自爆同然の発言をやらかして平然としていられるものだなぁと、もう呆れるのを通り越していっそ絶賛すらしてやりたくなってしまいましたね。
実はここでヴァレンシュタインは、自身の未来どころか生命すらをも破滅に追いやりかねない致命的な発言を2つもやらかしているのです。
ひとつは、このタイミングでラインハルトの情報および自分の真の戦略目的を公言してしまったこと。
そもそもこの時点まで、ラインハルトに関する軍事的才能などについての詳細な情報は、同盟国内の誰ひとりとして知る機会すら全くありませんでした。
当然、その将来的な脅威や来るべき未来図などは、ヴァレンシュタイン以外に、ヴァンフリート星域会戦当時における「亡命編」の世界で知っている者などいるはずがありません。
そういった人物を捕殺することがヴァレンシュタインの真の戦略目的だったというのであれば、それは会戦前にヴァレンシュタイン自ら同盟軍首脳部に対し情報を提供し、その殲滅を最優先するように周知徹底させなければならないことだったはずです。
存在すら知らない人間の殲滅なんてできるわけもないのですから。
ところがヴァレンシュタインは、自分が当然やるべき責務を怠ったのですから、これでは失敗するのが当たり前で、むしろ成功などする方が逆に奇跡の類なのです。
そしてここが重要なのですが、ヴァレンシュタインがそのような公言を行ったことにより、ヴァレンシュタインが同盟軍に対して本来提供すべき情報を故意に隠蔽していたという事実を、当の同盟軍側が知ることとなってしまったのです。
一般企業でさえ、上層部にほうれんそう(報告・連絡・相談)を怠って不祥事を招いた人間は、相応の責任を問われる事態に充分なりえるのです。
ましてや、これが軍であればなおのこと、重罪に問われても文句は言えないはずです。
この時点でヴァレンシュタインは、情報を隠蔽され不確実な軍事行動を強いられた同盟軍から、何らかの罪に問われるであろうことが【本来ならば】確実だったわけです。

そして、より致命的なふたつめは、そのラインハルトに仕えることが自分の望みであると自分から公言してしまったこと。
本来考えるまでもないことなのですが、このヴァレンシュタインの発言は「自分が帝国のスパイである」と自分から公言しているも同然です。
ラインハルトの下につこうとするヴァレンシュタインが、ラインハルトに対して同盟について自分が得た経験と知識を提供しないわけがないのですから。
ヴァレンシュタインは「俺がブラウンシュヴァイク公などに仕えるわけがないだろう!」と怒り狂っていますが、同盟側にしてみれば、情報提供する相手がブラウンシュヴァイク公だろうがラインハルトだろうが「帝国に同盟の内部情報が持ち去られてしまう」という点では何も変わりません。
元々スパイ疑惑がかけられ監視されていたヴァレンシュタインは、これで晴れて「帝国のスパイ」としての地位を自ら確立することとなってしまうわけです。
こちらは同盟側にとっては「現時点ではまず真偽を確認するところから始めなければならない未確定なラインハルト関連情報」の隠蔽問題よりもはるかに切実な事件となりえますので、【本来ならば】ヴァレンシュタインは、この言質を元に逮捕拘禁されて軍法会議にかけられ、最悪銃殺刑に処されたとしても文句は言えないのです。
何しろ同盟側から見れば、誰からも強制されていないのに「自分はスパイになるのが望みである」と当の本人が堂々と公言しているも同然なわけなのですから。
ヴァンフリート星域会戦を戦勝に導いた功績など全部帳消しになるどころか、自身の立場や生命すらも危うくなりかねない失態を、ヴァレンシュタインは【本来ならば】演じていたことになるわけです。

では何故、【本来ならば】罪に問われるはずだったヴァレンシュタインが全くそうなることなく、順当に二階級段階昇進などをしているのか?
もちろん、「ヴァレンシュタインが密かに暗躍してそういう事態を未然に防いだ」などということは全くなく、単に同盟軍上層部がヴァレンシュタインの発言の意味すらも全く理解しえなかったほどの「常識外れのバカ」かつ「人を疑うことすら知らないレベルの重度のお人好し」だった、という以外の結論など出ようはずもありません。
何しろ、一連のヴァレンシュタインの言動は報告書として上げられシトレやキャゼルヌもきちんと検分している(19話)のに、それでもヴァレンシュタインに嫌疑をかけることすら全く思いもよらないのですから。
彼らは一体何のためにヴァレンシュタインを監視していたというのでしょうか?
別の意味で「国家」や「軍隊」の体を為していませんし、原作「銀英伝」の自由惑星同盟だって、いくら何でもここまで酷くはなかっただろうにと思えてならなかったのですけどね(爆)。
たかだかヴァレンシュタインごときのキチガイな言動を正当化する【だけ】のためなどに、ここまで同盟軍および原作主要登場人物達は徹底的に貶められなければならないのでしょうかねぇ(-_-;;)。

ヴァレンシュタインが同盟軍に入らなければ。
ヴァレンシュタインが同盟軍内で目立つような言動を披露などしなければ。
ヴァンフリート4=2の補給基地赴任を命じられた時点でヴァレンシュタインがラインハルトの情報を同盟軍に公表し殲滅を促していれば。
そして何よりも、原作知識を過信せずに正しく使いこなしていれば。
ヴァレンシュタインがラインハルトと「望まない直接対決」を強いられる羽目になり、ヴァンフリート星域会戦でラインハルトを取り逃がすまでに至ったのは、そのほとんどがヴァレンシュタイン自身の責任に帰する問題以外の何物でもありません。
これこそが、ヴァレンシュタインがひたすら目を背け続けた、ヴァンフリート星域会戦の【本当の】真実なのですよ(苦笑)。
屁理屈の類にすらも全くなっていない愚劣で非現実的な「迷推理」ばかり披露し空回りを続けてでも他人に八つ当たりしまくり、自己正当化と責任転嫁に汲々としてばかりいる、人並みの羞恥心すらもない思い上がりと厚顔無恥を地で行くヴァレンシュタインには、おそらく永遠に理解できないであろうことなのでしょうけどね。

さて、これで「亡命編」におけるヴァンフリート星域会戦についての考察はとりあえず終了ですが、「亡命編」のストーリーはこれ以降もまだまだ続きます。
当然、「亡命編」が完結するか中途放棄されるまで、ヴァレンシュタインの笑える珍道中も続くことになるわけですが、次回の考察では少し幕間的な話をしてみたいと思います。


コメント一覧

S.K (04/09 20:44) 編集・削除

>亡命編 銀河英雄伝説~新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)

とりあえず視点の人物および地の文の人称を一章のうちからコロコロ変えるのを止めてもらいたいですね。
読み辛いだけじゃなく「誰が誰に何を思っているのか」が非常に判り難い字面になっていないでしょうか。

>ヴァレンシュタイン
何故彼は目的は「~に仕えたい」「~に身を寄せたい」と低姿勢なのに「何故~しないのだ」「何故~な事になるのだ」と事態の推移について高圧的かつ結果として初期の目的を変節させてしまうのでしょう。
初期の目的に対してよくせき不誠実なんかもしくは頭が悪いように見えてしまいます。

帝国にいて彼の立場で「ラインハルトに仕えたい」と真剣に考え、かつ「『読者』として歴史を俯瞰している人物の端末である」設定ならば、本流も亡命編も最良の解答は「オーベルシュタインに取って代わる」事なんですよね。
正解を知っているので最低限の必要悪だけを行える参謀、というのはラインハルト側の誰にとっても有難い存在になりうる上に、亡命編においては「窮地に立ったのでローエングラム侯爵に頼り代わりに自分の価値を知らしめる」というのは「ラインハルトに仕える」最良最短の理由と進路ではないですか。

とはいえ楽しみではあります、本流の「どこかで間違った」に対して亡命編においてヴァレンシュタインはいったいどこまで「何もかも間違えられる」のか(笑)。

冒険風ライダー(管理人) (04/09 22:23) 編集・削除

>S.Kさん
結局のところヴァレンシュタインは、「自分こそが一番偉い」「自分は常に(反省の必要すらないほど)絶対に正しい」と考えるナルシスト的な人間でしかないんですよね。
その裏返しとして「悪いのは常に他人」という他罰主義に走るわけで。
作中でヴァレンシュタインは「自分はヤンやラインハルトに遠く及ばない存在」などと謙遜的な発言を何度も披露していますが、いざ両者に接すると、表面的な態度でもモノローグでも「上から目線」なスタンスを示してしまっています。
つまり彼は、「自分はヤンやラインハルトに遠く及ばない存在」などとは本当は欠片たりとも全く信奉してなどいなくて、実際のところは「自分こそが両者よりも上位の絶対的な存在である」というのが心の奥底にある「真の本音」なのでしょう。
だからこそ、自分より「格下」であるヤンやラインハルトが、自分に対して少しでも反抗的な(とヴァレンシュタインが勝手に解釈する)様子を示すと、「格下ごときが」と激怒した挙句に感情的な報復に打って出てしまうというわけです。
なので「ラインハルトに仕えたい」というヴァレンシュタインの願望も、心の奥底にある「真の本音」は完全に拒否しており、その矛盾を無理矢理整合させるためにあんな相反した言動に突っ走っているのでしょうね。
そして自制心も羞恥心も全くないために、なおさら感情的な暴走が止まらなくなってしまうわけで(笑)。
ヴァレンシュタインの一見謙虚に見える発言やモノローグは、無意識的な深層心理にある「ナルシスト的な真の本音」を覆い隠すための擬態でしかない、と考えた方が、一連の言動の矛盾を全て説明できるのではないかと思うのですが、どうでしょうか。

ただ、ヴァレンシュタインが狂人かつキチガイなのは常識外れであるにしてもある意味「個性」ではあるのかもしれませんが、そのヴァレンシュタインを持ち上げるために、誰が見ても明々白々な致命的発言にすら気づかないような白痴レベルにまで原作キャラクターを貶めるのはさすがにどうなのかと。
創竜伝や薬師寺シリーズの悪い部分を真似ている以外の何物でもなく、正直、作品的にはヴァレンシュタインの発狂ぶりよりもはるかに深刻な問題であると言わざるをえないですね。
そういう不公正かつ露骨極まりない御都合主義を持ち出せば持ち出すほど、ヴァレンシュタインの「正しさ」も作品の質も、他ならぬ作者氏自身の手によってどんどん貶められていくように思えてならないのですが……。

http://www.tanautsu.net/

浅谷隆 (04/12 19:36) 編集・削除

はじめまして。
わかりやすい考察ありがとうございます。
そういわれるとそうだなというところがたくさんあり、
いろいろ勉強になりました。

さて、ヴァレンシュタインですけど確かに人格的に問題ありすぎるようですが、主人公とみなさなければよいのではないでしょうか。
亡命編の主役はラインハルトであり、ヴァレンシュタインは物語のラスボスであると。
だとしたら、能力といい、性格といい、ちょうどよいのではないかと思います。

それと管理人さんに同意できない点があります。
致命的問題発言に同盟側が気づいていないという指摘ですが、本当は気づいているという可能性はないでしょうか。
ヴァレンシュタインの発言もよく読むとスパイであることを認めたとは思えません。裏切りの意思があると表明したに過ぎないのではないでしょうか。
つまり、同盟側のトップ(シトレとトリューニヒト)は、彼がスパイでないことははっきりしている、同盟を裏切ろうとしてもそんなことはさせない、ある程度有能だから利用する、と考えているのではないでしょうか。
だとしたら原作登場人物を貶めているとまではいえないと思います。(ミハマはオリキャラですし、ワイドボーンは原作でもすぐ戦死したので除外します)

まあ可能性は低いですが、もしヴァレンシュタインが悪役として描かれればこの作品の評価も上がるのではないでしょうか。

yui (04/12 22:07) 編集・削除

はじめまして。一連の考察を楽しく読ませていただきました。
まあ、ヴァレンシュタインについては”良く原作を読み込んで書いているなあ”と思って楽しく本編を読んでいた頃から思ってはいたのですよ、何という小市民的身勝手さに満ちているんだろうと。まあ最初はしょうがねーやとは思っていたんですけどね、実際小市民な前世でしたから。ただまあ銀凡伝の主人公のは最初から最後まで笑えただけにねえ。
亡命篇になってからは……ええ、狂人という表現を見てようやく腑に落ちました。
後、原作キャラがヴァレンシュタインを可哀想がる度になんか違和感を感じていたのですが、亡命篇でヒロイン(になるのだろうおそらく)がヴァレンシュタインを可哀想がって泣き出した時にこれじゃない感がMAXになりました。理屈ではなくあくまで感覚的な物ではありますがこれは絶対に違うと。

冒険風ライダー(管理人) (04/12 22:50) 編集・削除

>浅谷隆さん
>yuiさん
こちらこそはじめまして。
賛否数多ある感想や批評の中でも、うちのブログのそれはかなり異端かつ特殊な部類に入るのではないかと思うのですが(^^;;)、ともあれそのような考察をお読み頂きありがとうございますm(__)m。

>浅谷隆さん
> さて、ヴァレンシュタインですけど確かに人格的に問題ありすぎるようですが、主人公とみなさなければよいのではないでしょうか。
> 亡命編の主役はラインハルトであり、ヴァレンシュタインは物語のラスボスであると。

しかし「本編」のあの顛末を見ても、作者氏がそんなことを考えているようにはとても見えないのですが。
ヴァレンシュタインの得手勝手ぶりが寛大すぎるほどに免罪されている点などは、むしろ「本編」よりもさらに悪化していますし。
元来「亡命者」であるヴァレンシュタインの立場は、たとえば「士官学校卒ではない叩き上げであるために出世できない【原作の】ビュコック」などと比較してさえもはるかに悪いはずなのですけどね。
シェーンコップみたいに「同盟国内で育った」というわけでもないのですからなおのこと。
ヴァンフリート4=2の補給基地へ赴任する際も、本来ならば要求すら認められず身ひとつで赴任を強要されてもおかしくなく、むしろそれこそが当然の流れですらあるはずなのに、実際には地位に見合わないほど桁外れなまでに優遇されていますし、やはり相当なまでの「神の介入」「主人公補正」がかかっていると見るべきなのではないかと。

> 致命的問題発言に同盟側が気づいていないという指摘ですが、本当は気づいているという可能性はないでしょうか。
> ヴァレンシュタインの発言もよく読むとスパイであることを認めたとは思えません。裏切りの意思があると表明したに過ぎないのではないでしょうか。

いや、「裏切りの意思があると表明した」という時点で、同盟軍としてはヴァレンシュタインを処断しないとマズいのではありませんか?
そもそも、ヴァレンシュタインがラインハルトの元へと下った時点で、同盟軍および同盟内における諸々の情報全ても一緒に提供されることは最初から目に見えています。
10話でシトレはまさにそういう事態が発生することを懸念していたのですし、しかもヴァレンシュタインは「他人に強要されて」ではなく「自分の意思で」それを行うつもりであったことを告白してしまったわけです。
ヴァレンシュタインの望み通りになれば、懸念通りに自分達の情報を持ち逃げされることが確実である以上、ヴァレンシュタインの主観的にはともかく、被害者となるであろう同盟側にとって「ヴァレンシュタインはスパイである」という疑惑は確定したも同然となるわけです。
同盟側がヴァレンシュタインの発言をどのように受け止めるのか、という問題ですね。

また、会戦後にラインハルトの情報を公表した件については、真偽の確認と同時に「何故そのような重要な情報を隠していた!」と問い詰めなければならない問題です。
すくなくとも事情聴取をきちんと行って洗い浚い情報を吐かせておく必要性が同盟側には確実にあります。
今後またヴァレンシュタインの情報隠蔽で勝機を逃がすようなことがあってはたまったものではないのですから。
原作「銀英伝」3巻で「魔術師」としての名声を確立してしかも大将の地位にすらあったヤンを相手に、非公式とはいえ査問会まで開催できた同盟に、ヴァレンシュタインを問い詰められない理由なんて本来ないはずなのですけどね。

> つまり、同盟側のトップ(シトレとトリューニヒト)は、彼がスパイでないことははっきりしている、同盟を裏切ろうとしてもそんなことはさせない、ある程度有能だから利用する、と考えているのではないでしょうか。

もしヴァレンシュタインが「他人に強要されてイヤイヤ同盟を裏切らざるをえない」という境遇だったのであれば、まだ同盟側としては「ヴァレンシュタインを庇護する&恩を売る」という形で、打算的な関係くらいならあるいは構築することも可能だったかもしれません。
しかし、「自分の意思で裏切る気満々な奴」ではそういうことすら全くできないのですから、同盟側はむしろ一刻も早くヴァレンシュタインを処断しなければならなかった、ということになるのです。
スパイというのは何も「敵に味方の情報を渡す」仕事のことだけを指すのではなく、国内で情報工作や破壊工作活動を行ったりする行為も仕事のうちに入るのですしね。
ヴァレンシュタインが表面大人しくしているフリをして、実は裏で何らかのスパイ工作を行っていないと、どうして同盟側は無条件に信じることが出来るのでしょうか?
監視役であるミハマ・サアヤやバグダッシュでさえ、自分でも気づいていないだけで実は出し抜かれているのかもしれないのですし、他の人間がそのように疑ってはならない理由もありません。
あるいは、重要な局面でわざと敵に有利になるような進言を行って戦況を不利にしたり、それこそ戦闘の最中に敵に情報を送るなどという利敵行為の類をやらかさないとは(ヴァレンシュタイン自身が自分を説得するケース以外では)誰も保証しえないでしょう。
自分の意思で同盟を裏切る気満々な態度を表明したヴァレンシュタインを「利用価値がある」などとして生かしておく行為自体が、すくなくとも近代国家における政府や軍隊のあり方から見ればあまりにも異常なのです。
どんな有能な人間であっても、というより、むしろ有能な人間【と評価するからこそ】、同盟を裏切る意思を自分から表明したヴァレンシュタインは【同盟側にとって】現在および将来的な【何らかの】脅威となる前に処断しなければならない人間である、ということになるわけです。
そういう常識的な懸念に誰一人として気づきえないほどに、シトレ・ヤン・キャゼルヌ・バグダッシュ、および彼らに率いられた同盟軍は無能として貶められなければならないのか、という話です。

>yuiさん
> まあ、ヴァレンシュタインについては”良く原作を読み込んで書いているなあ”と思って楽しく本編を読んでいた頃から思ってはいたのですよ、何という小市民的身勝手さに満ちているんだろうと。まあ最初はしょうがねーやとは思っていたんですけどね、実際小市民な前世でしたから。

私も最初は全くそんなパターンでしたね。
ヴァレンシュタインは好き勝手にやり過ぎ&自分と他人でダブルスタンダード過ぎるけど、本編、特に原作考察はよく読み込んで考えられているし一読の価値があると。
ヴァレンシュタイン個人の性格がイッちゃっていたとしても、原作考察の面白さはそれとは別に評価するべきだ、とも考えていましたし。
ところが亡命編になってから精緻な原作考察がなくなった上に、ヴァレンシュタインの欠点および原作知識と全く無関係の御都合主義がさらに前面に出るようになってしまい、特にヴァンフリート星域会戦以降はヴァレンシュタインの独白を読むたびにウンザリするようになってしまいました。
そんなこんなで、もう普通に楽しむことが全然できなくなったので、いっそネタキャラとしてその正当性を徹底的に叩き潰してしまおう、というのが、私が一連の考察を書くようになった最大の動機です。
本格的に調べてみたら「ほとんどお前自身に帰する問題じゃないか」と結論付けられてしまったことに、自分でも笑ってしまいましたが。

> 後、原作キャラがヴァレンシュタインを可哀想がる度になんか違和感を感じていたのですが、亡命篇でヒロイン(になるのだろうおそらく)がヴァレンシュタインを可哀想がって泣き出した時にこれじゃない感がMAXになりました。

ミハマ・サアヤについては次回の考察で少し触れてみようと考えております。
まあ、あちらの感想欄で言われていたものとは少し違うものになりそうですが。

http://www.tanautsu.net/

一読者 (06/04 17:50) 編集・削除

なんだこれ、頭の悪い解釈ばかりしているところだな
もうちょっと考えてから物言えよ(笑)
お前ら批判ばかりしているけどかなり矛盾したこと言いまくって楽しいか?
どういう解釈をしたらそんな考察ができるんだ。
わけのわからない批判を書くのはやめたほうがいいんじゃないかな。
お前らより作者のほうが考えていると思う。
ていうかそんなに批判しているなら自分で書けよ。
いちゃもんばっかり言って何が楽しいんだ?

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