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銀英伝2次創作「亡命編」におけるエーリッヒ・ヴァレンシュタイン考察3

「亡命編」の8話で、ヴァンフリート星系に存在する同盟軍の補給基地へ赴任するよう命じられたエーリッヒ・ヴァレンシュタイン。
原作ではラインハルトとリューネブルクによって壊滅に追い込まれることになっているそこへ赴任する羽目となったヴァレンシュタインは、自らが生き残るために歴史を改変することを決意、そしてここが「亡命編」における重要なターニングポイントとなるのです。
そして同時に、「亡命編」におけるヴァンフリート星域会戦は、ヴァレンシュタインの愚劣な発想・醜悪な性根・滑稽な空回り、およびそれに基づいた思い上がり・責任転嫁・自己正当化・八つ当たり・厚顔無恥と、ヴァレンシュタインの負の側面と本性がこれでもかと言わんばかりに前面に出ているストーリーでもあります。
こんな精神異常と人格破綻を同時にきたしているような「狂人」を無条件で受け入れる同盟って、何と寛大な(それ故に低能かつ御都合主義な)政体なのかと、つくづく痛感せずにはいられなかったですね(笑)。
今回はこのヴァンフリート星域会戦におけるヴァレンシュタインの思考・言動について検証してみたいと思います。
なお、「亡命編」のストーリーおよび過去の考察については以下のリンク先を参照↓

亡命編 銀河英雄伝説~新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
http://ncode.syosetu.com/n5722ba/
銀英伝2次創作「亡命編」におけるエーリッヒ・ヴァレンシュタイン考察
http://www.tanautsu.net/blog/archives/weblog-entry-570.html(その1)
http://www.tanautsu.net/blog/archives/weblog-entry-571.html(その2)

「亡命編」におけるヴァンフリート星域会戦絡みの話を読み進めていて、まず最初に爆笑せざるをえなかったのはこの記述ですね↓

http://ncode.syosetu.com/n5722ba/12/
> 此処までは特に原作との乖離は無い。両軍が繞回運動を行なった事、混乱した事、原作どおりだ。酷い戦だよ、ヴァンフリートのような戦い辛い場所で繞回運動だなんて帝国軍も同盟軍も何考えてるんだか……。
>
> 特にロボス、同盟軍の総司令官なのに基地の事なんて何も考えていないだろう。
目先の勝利に夢中になってるとしか思えん。こいつが元帥で宇宙艦隊司令長官なんだからな、同盟の未来は暗いよ。

これを読んだ瞬間にすぐさま入れたツッコミは「お前が言うな!」でしたね(苦笑)。
そもそもヴァレンシュタインがヴァンフリートに赴任せざるをえなくなった最大の原因は、「帝国への逆亡命計画」なる未来図を構築していながら、目先の復讐感情を満足させることに夢中になり、不要不急に自身の有能さを発揮して注目の的になってしまったことにあるわけでしょう。
目先のことばかりに目を奪われて大局的な視野が欠落しているという点では、ヴァレンシュタインもまたロボスと同レベル以下でしかないのです。
そしてさらに笑えるのは、そんな過去の自分の言動を顧みて「あそこでは自分の行動が拙かった」的な自責や自省の類どころが、そもそも「自分の行動が間違っていた」という自覚や認識すらも全くないことです。
ヴァレンシュタインの頭の中では、自分の行動は全て正しく、自己一身の得手勝手な都合でしかない「帝国への逆亡命計画」を妨害するかのような人事を繰り出す他者は人類の敵であるかのごとく全て悪い、ということにでもなっているのでしょう。
その辺りの無反省・自己正当化な性格は、ロボスどころかフォークにすら通じるものがあります。
帝国にせよ同盟にせよ、こんな人間が重鎮になる陣営の未来は、はっきり言って「暗い」どころの騒ぎではないのではないですかねぇ(苦笑)。

さて、原作知識からヴァンフリート4=2の補給基地に赴任することを渋りつつも命令として行かざるをえなくなったヴァレンシュタインは、交換条件とばかりにキャゼルヌに対し大量の物資と人員を要求します。
(すくなくとも同盟軍的には)過剰とすら言える戦力を配備し、来襲するであろう帝国軍を圧倒することで原作の歴史を改変しようとしたわけです。
そして一方、大量の物資を要求されたキャゼルヌもまた、シトレの了承の下、ヴァレンシュタインの要求に応えてくれました。
少佐に昇進したばかり、それも亡命者であるヴァレンシュタインの立場では本来とても要求できるような物量ではないレベルの融通を、ヴァレンシュタインは通してもらったわけですね。
実際、物資を要求されたキャゼルヌは、様々な方面から苦情や嫌味を言われていたみたいですし(10話)。
ところがヴァレンシュタインは、このことに対してキャゼルヌやシトレに感謝するような素振りすら全く示さないばかりか、「こんな程度のことでは足りない」と言わんばかりの態度を貫き通す始末だったりするんですよね。
挙句の果てには、自分に物資を融通することを承認してくれたシトレ一派に対して、こんな疑心暗鬼なことを考えるありさま↓

http://ncode.syosetu.com/n5722ba/15/
> 残念だが基地の安全は未だ確保されたわけではない。味方艦隊がヴァンフリート4=2に来ない。本当なら第五艦隊が来るはずだが、未だ来ない……。第五艦隊より帝国軍が先に来るようだと危険だ。いや、危険というより必敗、必死だな……。
>
> 原作では同盟軍第五艦隊がヴァンフリート4=2に最初に来た。第五艦隊司令官ビュコックの判断によるものだった。念のためにヤン・ウェンリーを第五艦隊に置いたが、失敗だったか……。原作どおりビュコックだけにしたほうが良かったか……。
>
> それとも
ヤンはあえて艦隊の移動を遅らせて帝国に俺を殺させる事を考えたか……。帝国軍が俺を殺した後に第五艦隊がその仇を撃つ。勝利も得られるし、目障りな俺も消せる……。有り得ないことではないな、俺がヤンを第五艦隊に送った事を利用してシトレあたりが考えたか……。
>
> ヤンは必要以上に犠牲を払う事を嫌うはずだ。そう思ったから第五艦隊に送ったが誤ったか……。信じべからざるものを信じた、そう言うことか……。慌てるな、此処まできたら第五艦隊が来る事を信じるしかないんだ。

……自分が融通してもらった物資や戦力の数々をすっかり忘れてしまっているとしか思えない発想ですよね、これって。
本気でシトレが、ヴァレンシュタインが考えているようなやり方で見殺しにしたいと考えるのであれば、そもそもヴァレンシュタインのために物資を融通するなんてことをするはずもないでしょう。
ヴァレンシュタインの要求など一切認めず、そのまま身ひとつでヴァレンシュタインをヴァンフリート4=2の補給基地に赴任させて、後は知らん顔を決め込んでいれば良かったわけですし。
第一、たかだかヴァレンシュタインひとりを殺すために基地を丸ごと見捨てるなんて、払うべきリスクが高すぎる上に壮大なコストパフォーマンスの浪費でしかありません。
基地が失われた時点で軍上層部に対する非難は避けられないのですし、それはシトレにとっても手痛いダメージとして返ってこざるをえないのですから。
ましてや、その前にヴァレンシュタインに大量の物資と戦力を送りしかもそれが全て失われたとなれば、「何故わざわざそんなことをしたんだ!」と更なる責任問題にまで発展してしまうことは必至です。
何しろ、ヴァレンシュタインの過剰な要求を認めたのはキャゼルヌであり、それを最終的に承認したのはシトレなのですから、当然火の粉も盛大に降りかからざるをえないわけで。
ヴァンフリートの補給基地に新規配備された大量の物資と戦力を見ただけでも、「今自分を見捨てることはシトレにとっても損失になる」という常識的な結論に、いとも簡単に思い至るはずでしょうに。
せっかく過大な物資や戦力を融通してもらったことも忘れてこんな被害妄想にふけっているのでは、ヴァレンシュタインは「忘恩の徒」「鶏のような記憶力の欠如」のそしりを免れないでしょう。

それでもあくまでヴァレンシュタインが「シトレは自分を抹殺したがっている」と考えるのであれば、本来何よりも最優先で警戒しなければならなかった人物がいます。
それは自身の監視を行っているバグダッシュとミハマ・サアヤです。
この2人は「シトレの承認の下で」ヴァレンシュタインの監視と報告を行っているわけですし、いざとなればすぐにでもヴァレンシュタインを暗殺することができる位置に【常時】いるのです。
この位置的な問題に加え、バグダッシュは原作でも救国軍事会議クーデター側の手先としてヤンを暗殺しようとした作中事実がありますし、ミハマ・サアヤはその彼の部下。
他にも原作には、用兵では不敗を誇ったヤンがあっさりと暗殺に倒れた作中事実や、ラインハルト&キルヒアイスがベーネミュンデ侯爵夫人の刺客によってしばしば生命の危機に晒された事例、さらにはブルース・アッシュビーが会戦の帰趨が決した直後に不可解な戦没を強いられた歴史などもあり、かつそれらの知識を当然ヴァレンシュタインは知っているのですから、それと自分の境遇を重ね合わせることくらい簡単に行えたはずです。
ヴァレンシュタインが抱え込んでいる諸々の原作知識から考えても、バグダッシュとミハマ・サアヤの2人は真っ先に警戒対象にならなければおかしいのです。
当時のバグダッシュとミハマ・サアヤが実際にどんなことを考えていたのかはこの際何ら問題ではなく、ヴァレンシュタインの立場から見てこの2人がどれだけ危険な位置にいるのかだけが問われるのですから。
そもそも「亡命編」におけるヴァレンシュタイン自身、第5次イゼルローン要塞攻防戦の最中に自分の生命を暗殺者に直接狙われた過去があったりするわけですし、「同じことを二度と繰り返させない」ためにも、自分の身辺に対する警戒心は本来過剰過ぎても良いくらい身についていて然るべきはずではありませんか。
戦場のドサクサに紛れてヴァレンシュタインを直接暗殺し「名誉の戦死」的な扱いにでもすれば、会戦の帰趨に関わりなくヴァレンシュタインを「効率良く使い潰す」こともはるかに容易となりますし、その方がコストパフォーマンスも払うべきリスクも大幅に安くて済みます。
ヴァレンシュタインの被害妄想的な思考パターンから言っても、不確実極まりないシトレやヤンの動向などよりも、むしろこちらの可能性にこそ思いを致さなければならなかったはずです。
アレだけ「自分が生き残る」ということに固執しているにもかかわらず、また暗殺者に狙われた過去があるにもかかわらず、自分の身辺に対する警戒心が能天気も極まれりなレベルで甘くかつ薄すぎると断じざるをえないですね。
原作知識も相変わらずロクに使いこなせていないですし、これでは宝の持ち腐れもいいところです。
それともまさか、「基地を丸ごと見捨てでもしない限り、偉大なる不死身の俺様を殺すことはできない」とでもヴァレンシュタインは考えていたりしていたのでしょうか?

まだまだ続きますが今回はここまで。
次回の考察でも、ヴァンフリート星域会戦におけるヴァレンシュタインの言動と思考を追跡します。


コメント一覧

南無 (03/28 19:18) 編集・削除

この小説に大してここまで悪評をつけるのはココだけだと思いますよ…。
ヴァレンシュタインがおかしいんじゃなくて、寧ろここの人たちの感覚の方が変だと思いますがね。
そもそもこれが物語で、ヴァレンシュタインが主人公って解ってるんですかね…。
ご都合主義じゃない物語なんて無いし、主人公っていうのは大抵何らかの形で我を通すもの、悪く言い換えれば自己中でなんぼです。(寧ろ本編での主人公はラインハルトに対してなど良く我慢したもんだと思いますよ。)
ここの感想を見ているとその前提の上で述べているとは思えず、はっきり言ってここの感想の方がトンチンカンで滑稽です。

…後、バグダッシュとサアヤがヴァレンシュタインを暗殺なんて、無理無理。それをやるには二人ともアホで間抜け過ぎるから…。

冒険風ライダー(管理人) (03/28 20:53) 編集・削除

御都合主義だからといって何でも許される、というわけではありません。
物語的に必然性のある御都合主義でなければ、それはむしろ作中の登場人物達を貶め作品の質を下げる害悪なシロモノにしかなりえないのです。
同じ田中作品の創竜伝や薬師寺シリーズが特に顕著ですが、他人の行動原理や行為を批判する立場の人間が、その他人以上に、しかも「全く同じ論理で」批判されてしまうような言動を取りまくっているなど論外もいいところです。
ヴァレンシュタインは、特にヤンやラインハルトをメインターゲットにその行動原理や未熟な人格などに批判を加えていながら、その批判がそっくりそのまま自分に返ってくるような言動を他ならぬ自分自身が繰り広げてしまっているわけです。
それは結果的に、ヴァレンシュタイン自身の「正しさ」をも貶めてしまうことになるのではありませんか?

もちろん、「主人公だから何をしても許される」ということにもなりません。
それを言ってしまったら、そもそも「エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝」という二次創作そのものが、原作「銀英伝」に対して論外なことをしているという話にまでなってしまいます。
むしろ主人公【だからこそ】、その言動は否応なく注目されるのですし、最大級の批判の対象として晒されるべきではないのですか?

> …後、バグダッシュとサアヤがヴァレンシュタインを暗殺なんて、無理無理。それをやるには二人ともアホで間抜け過ぎるから…。

原作のヤンだってラインハルトよりもはるかに小物な地球教の、それもあんなお粗末極まりない暗殺劇で殺されてしまったわけですし、ロイエンタールなどもラングごときのこれまた3流な姦計にまんまとハマって叛乱に追い込まれてしまっているわけなのですが。
そもそもヴァレンシュタイン自身、バグダッシュがミハマ・サアヤに仕込ませていた盗聴器の存在に、当人から言われるまで全く気づいていなかったという実例もあります(ミハマ・サアヤが秘密をしゃべったと思い込んでいたわけですし)。
「アホで間抜け過ぎる」バグダッシュごときの姦計にすら気づけないヴァレンシュタインって、実はこの2人よりも低能だったりするのですかねぇ(苦笑)。

……というのは冗談であるにしても、(ほとんど自業自得とはいえ)ラインハルトとの来るべき対決に全力を注がざるをえないヴァレンシュタインにとっては、むしろ小物であるが故に注意が向かず、その蠢動を見過ごしていたが故に結果的に思わぬ攻撃を受け致命傷を被ってしまう、という事態だって決してありえないことではないはずでしょう。
それこそ原作知識から考えても。
なまじ監視役だからそうそう機先を制して排除することもできないですし、バグダッシュとミハマ・サアヤの内心をヴァレンシュタインが読心術で読めるというわけでもないのですから、ことこの2人に関してヴァレンシュタインは「常に受身」の立場に甘んじざるをえないのです。
何もしていなくても相当な脅威ですし、それこそ「戦場のドサクサに紛れて逆にこの2人を殺してしまった方が【安心できる】」という発想にすら行き着いても不思議ではないと思うのですけどね、私は。

http://www.tanautsu.net/

ティーズ (03/28 22:31) 編集・削除

この小説をそんなに悪し様に言ったり批判ばかりするなら、読まなきゃ良いのに(=_=;)
小説は読んで楽しむ為にあるものなのに、何が何でも批判しなきゃ気が済まないのかねぇ
批判するなら、自分はここがこのようにおかしいと思う、と小説の感想欄ではっきり書きゃ良いじゃん・・・
それをこんな風にネチネチと・・・使う言葉もファンが見たら不愉快になるようなものばかり
最近ココアさん関係の4つの記事を知ったが愕然としたよ
まあそれは兎も角として1つ訊ねたいが、管理人氏はこの小説がにじファンでも総合評価が最も高いというくらい人気があって(正確には帝国本伝だが、ヴァレンシュタインシリーズと考えて欲しい)、ファンも多いことに対してはどう考えていらっしゃるんだい?

読者A (03/29 00:44) 編集・削除

>この小説をそんなに悪し様に言ったり批判ばかりするなら、読まなきゃ良いのに(=_=;)
>小説は読んで楽しむ為にあるものなのに、何が何でも批判しなきゃ気が済まないのかねぇ

>批判するなら、自分はここがこのようにおかしいと思う、と小説の感想欄ではっきり書きゃ良いじゃん・・・

あのー、上段では「作品批判」という行為自体を否定しているにも関わらず、
下段では「感想欄でなら批判していい」と批判行為を許しているのはどういう事なんでしょうか(笑)
二次創作作品には興味が無いので読んでませんが、
一目見て矛盾してると分かる文章を書かれるのはどうかと思いますよ?

>使う言葉もファンが見たら不愉快になるようなものばかり

この世にファンが不快にならない(アンチによる)批判があるんですか?

>管理人氏はこの小説がにじファンでも総合評価が最も高いというくらい人気があって、
>ファンも多いことに対してはどう考えていらっしゃるんだい?

人気がある=誰が見ても面白い?ならハンバーガーとコーラが嫌いな人なんて居ませんよね(笑)

冒険風ライダー(管理人) (03/29 00:48) 編集・削除

> 小説は読んで楽しむ為にあるものなのに、何が何でも批判しなきゃ気が済まないのかねぇ

いや、私も「エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝」は楽しんで読んでいるのですけど。
現に過去の記事でもこう述べていますし↓

http://www.tanautsu.net/blog/archives/weblog-entry-570.html
> 2012年3月19日現在でアップされている42話時点では、「本編」でしばしば見られていた「原作に対する考察」も皆無なため、正直ヴァレンシュタインの「狂人」「キチガイ」としか評しようのない性格設定やトンデモ言動ばかりが鼻に付くシロモノと化している始末なのですが、個人的にはその支離滅裂な言動にツッコミを入れまくるという、恐らくは作者が全く意図していないであろう形で楽しませて頂いております(苦笑)。

http://www.tanautsu.net/blog/archives/weblog-entry-530.html
>(冒頭)
> 本編は2012年2月11日現在、未だ未完結ながら総計239話にも及ぶ大長編で構成されており、またその内容や銀英伝原作に関する考察は、賛否いずれにせよ、銀英伝を詳細に読み込んだ上で練られていることがよく分かります。
>(末尾)
> かくのごとく、主人公には全く共感も好意も持ちようがないのですが、それも含めた総体としての「ひとつの物語」としては読み応えのある面白い作品ではあるので、今後とも注視していきたい2次創作シリーズではありますね。

小説を読んで楽しみ、ツッコミも入れて楽しむ。
「一粒で二度おいしい」楽しみ方をしているのですから、これほどの「資源の有効活用」もまたとないと思うのですが。
他の作品や映画などでも似たような楽しみ方をしていますしねぇ、私は。

> 批判するなら、自分はここがこのようにおかしいと思う、と小説の感想欄ではっきり書きゃ良いじゃん・・・
> それをこんな風にネチネチと・・・使う言葉もファンが見たら不愉快になるようなものばかり

いいのですか? そんなことを言ってしまって。
そもそも、「エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝」に限らず、あのサイトの感想欄って基本的に議論禁止とされているじゃないですか。
そこで私が記事内容のような投稿をしようものならば、投稿内容ではなく「投稿したことそれ自体」に文句を言われた挙句に「ルールに反した荒らし」扱いされ、最悪強制退去を余儀なくされるのは最初から目に見えているのですが。
だからこそ私は、自分のブログで記事をアップし、一方で「陰でコソコソと…」などと言われないように記事URLのトラックバックをそちらのサイトに飛ばすことで自身の記事を作者および読者にアピールする、という手法を使っているわけで。
これは一応私なりの配慮のつもりなのですけど、ひょっとしてあなたは「あちらの感想欄で荒らしをやって欲しい」とでも言っているのですかね?

ちなみに言葉遣いに関しては、作中におけるヴァレンシュタインもヤンやラインハルトにこのくらい言っているのですから、私がヴァレンシュタインに同じように返しても「目には目を」で何の問題もないと思いますけどね。
常に「自分は正しく他人が悪い」を信条としているヴァレンシュタイン的にはさぞかし激怒することなのでしょうが、これが自分を特別視しない因果応報なやり方というものです。

> まあそれは兎も角として1つ訊ねたいが、管理人氏はこの小説がにじファンでも総合評価が最も高いというくらい人気があって(正確には帝国本伝だが、ヴァレンシュタインシリーズと考えて欲しい)、ファンも多いことに対してはどう考えていらっしゃるんだい?

「ファンが多い」という事実と「作品構成に穴が多い」という問題は全く矛盾することなく両立します。
他ならぬ原作「銀英伝」やその他の田中作品(特に創竜伝と薬師寺シリーズ)が良い例ですし、二次創作たる「エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝」自体も確実にその影響下にあるわけですよね。
それに批判記事があるということは、それだけ反響や影響が大きいということをも意味するわけですし、その点で作者的には「おお、俺の小説もここまでの大物になったか」とむしろ喜んですらいるかもしれませんよ。
まあ作者氏が本当はどのように考えているのかまでは私の知るところではありませんが、すくなくともトラックバックを承認しそのまま残してくれているという点は、「作品に対する批判も受け入れる度量がある」と私も肯定的に評価しています。
田中芳樹の版権管理会社たる「らいとすたっふ」なんて、銀英伝パチンコ化問題に纏わる問い合わせ投稿を掲載すらせずスパム扱いまでして恥じることのない手合いでしたし。
「ファンが多い」から「作品構成に穴が多い」ことに目を瞑れというのは、むしろ却って作品を貶めることにもなりかねないと思います。

http://www.tanautsu.net/

S.K (03/29 02:04) 編集・削除

>ヴァレンシュタインがおかしいんじゃなくて、寧ろここの人たちの感覚の方が変だと思いますがね。
 
奇遇ですね、私もヴァレンシュタイン「だけ」じゃなく貴方の頭もおかしいと思いましたよ。

>寧ろ本編での主人公はラインハルトに対してなど良く我慢したもんだと思いますよ。

ヴァレンシュタインは少なくとも当初ラインハルトに仕えたかったのであって、そういう身の上で「我慢」なぞ「おこがましい」「頭が高い」「身の程知らず」と言います。

>ここの感想を見ているとその前提の上で述べているとは思えず、はっきり言ってここの感想の方がトンチンカンで滑稽です。

銀河英雄伝説~新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)もヤンやラインハルトのファンから見たら「何この馬鹿」扱いされるでしょうな。

>…後、バグダッシュとサアヤがヴァレンシュタインを暗殺なんて、無理無理。それをやるには二人ともアホで間抜け過ぎるから…。

そういう事を言っていいんですか?
バグダッシュはともかくサアヤは「作者の二次創作オリジナル」という点でヴァレンシュタインと変わらないでしょうに。
「憎まれ役」「悪役」じゃあなく「間抜け過ぎる」んならそれが作者氏の「筆力」なんでしょう。
いや「あんなモン」面白がってるヒトの多寡をわざわざ晒しに来てくださってお疲れ様でした、またどうぞ。

>この小説をそんなに悪し様に言ったり批判ばかりするなら、読まなきゃ良いのに(=_=;)

「読ませる」為に作者氏は書いてると思いますよ。

>何が何でも批判しなきゃ気が済まないのかねぇ

銀英伝ファンが銀英伝大事にしてない二次創作に厳しいのは当たり前です。

>使う言葉もファンが見たら不愉快になるようなものばかり

これも奇遇ですね、私もラインハルトを間抜けにされたりヤンを非道扱いされて少々ムカつきました。

>まあそれは兎も角として1つ訊ねたいが、管理人氏はこの小説がにじファンでも総合評価が最も高いというくらい人気があって(正確には帝国本伝だが、ヴァレンシュタインシリーズと考えて欲しい)、ファンも多いことに対してはどう考えていらっしゃるんだい?

管理人氏でなくて良ければ一言「世の中馬鹿が多いな(オスカー・フォン・ロイエンタール)」

酔いどれ狼 (09/21 19:55) 編集・削除

主人公批判ばかりなので「非難のための非難」という印象を受けます。

そも原作からして、主人公格たる二人も完全なる人格者ではありませんし、その行動が完全であるわけでもない。

というか、主人公が人格も行動も完璧な作品って、どう考えても駄作じゃないですか?

作品を叩くなら、主人公叩きではなくシチュエーション叩きをすべきじゃないですか?
主人公に荒があるのが作品の欠陥となるのなら、ダークヒーロー物はすべて駄作となってしまうでしょう。

冒険風ライダー(管理人) (09/22 01:00) 編集・削除

> 主人公批判ばかりなので「非難のための非難」という印象を受けます。

「主人公批判ばかり」も何も、タイトルを見れば最初からそういう考察であることが誤解しようもなく明示されているはずですが。
そもそも、銀英伝の二次創作たる「エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝」では、ヴァレンシュタインなくして作品を語ること自体が不可能に近いでしょう。
ヴァレンシュタイン以外の銀英伝登場人物は、ヴァレンシュタインがいなければ原作銀英伝に戻るだけでしかなく、それは「エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝」とは全く別に語るべきものなのですから。
「エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝」がヴァレンシュタインなくして成立しえない以上、その内容を語るに当たってヴァレンシュタインの言動が常に取り上げられるのはむしろ当然のことです。

> そも原作からして、主人公格たる二人も完全なる人格者ではありませんし、その行動が完全であるわけでもない。

ヴァレンシュタインって、「本編」で原作におけるヤンやラインハルトの言動を非難しまくっていましたよね。
帝国領侵攻作戦とかヴェスターラントの虐殺とか回廊の戦いとかを「無用な犠牲を出しまくった」などと主張したり、その人格について「未熟だ」と罵りまくったり。
そんなことをしている当のヴァレンシュタイン自身が、原作のヤンやラインハルトですら足元にも及ばないレベルの醜態や狂人ぶりを晒しまくるというのは、ヴァレンシュタインの言動の一貫性という観点から考えれば論外であるとしか言いようがないでしょう。
民主党のダブスタ&ブーメラン発言が「自民党を舌鋒鋭く批判している」などとは全く評価されないのと同じことです。
第一、「本編」におけるヴァレンシュタインの原作考察というのは、「エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝」を構成する魅力のひとつと言えるものではなかったのですか?
その魅力および言論の正当性を、自らブチ壊すかのごとき言動を振る舞うヴァレンシュタインに批判が集中するのも、これまた当然のことだと考えますが。

> というか、主人公が人格も行動も完璧な作品って、どう考えても駄作じゃないですか?

主人公のダメな人格や言動を、周囲の茶坊主な登場人物達に礼賛&ヨイショさせたり、悪役をわざと小物化させて主人公にエラそうなお説教をさせたりする光景が延々と繰り広げられることの方がはるかに作品をダメにする、とこれは自信を持って断言できます。
創竜伝や薬師寺シリーズなどで、その実例をまざまざと目の当たりにしてきましたのでね、私は。

> 作品を叩くなら、主人公叩きではなくシチュエーション叩きをすべきじゃないですか?
> 主人公に荒があるのが作品の欠陥となるのなら、ダークヒーロー物はすべて駄作となってしまうでしょう。

前述のように、ヴァレンシュタインはヤンやラインハルトの言動や人格を非難しているにもかかわらず、それ以下の醜態や狂人ぶりを自ら晒しているから問題となるのです。
ダークヒーローというのも、悪は悪なりに一貫した主張なり信念なりがあるからこそ他者の共感が呼べるのであって、ダブスタ&ブーメランに彩られたヴァレンシュタインのそれは、単なる「ガキのワガママ」でしかありません。
こういうのって、まさに「最悪のシチュエーション」そのものなのではないかと思うのですけどね。

http://www.tanautsu.net/

ご高説に感服いたしました (09/24 00:00) 編集・削除

こんばんは、管理人様。

二次創作のキャラクターに『粘着ストーカー』するはおやめになったほうが良いと、以前ご忠告申し上げましたものです。

お久しぶりです。
碧海かせな様からのコメント
(管理人様が無断で人様の文章をコピペし、ありもしない『騒動』をでっち上げている記事のことです)
を無視して自説ばっかたれてるのは、人としてドウでですか?

二次創作のキャラクターに粘着ストーカーする暇があったら、現実に実在するかせな様に謝罪するなり対応したほうがいいですよ。
二次創作のキャラーに粘着し人格破綻者呼ばわりしてご自分の行動は顧みれないところなんか、
まさに人格破綻者であることの証明をなさっているようで、盛大なブーメラン芸人と表現されるわけですね。

もしかして、延々と自虐なさっていたのですか?

ぽぬ (10/03 07:29) 編集・削除

言い方ややり方はともかく、言ってる内容については正直、賛成する。
自分が報復行動なんて子供じみたことして智謀を見せ付けたせいでヴァンフリート4-2に行くことになったのに、エーリッヒかわいそう!みたいな演出は、正直付いていけないものがありました。
他のお話ではこのお方に欠点はない!あったとしてもそれすら人格賛美の材料になってるって具合だったのに、亡命編で突然子供じみたことをするので混乱しました。
……まぁ、亡命者が帝国の話でやってたみたいに、素晴らしい智謀をほとんど無条件で聞き入れてくれる立場にするためには仕方なかったんだろうな、と察するものはある。

銀英伝2次創作「亡命編」におけるエーリッヒ・ヴァレンシュタイン考察2

「心の内に飼っている獣」の命じるがまま衝動的に動くが故に、一般的な「忍耐」「我慢」という概念とは全く無縁な存在であるエーリッヒ・ヴァレンシュタイン。
よほどに自己顕示欲が旺盛なのか、ヴァレンシュタインという人物は、目立ってはいけない局面ですら無為無用に目立った言動を披露し周囲からの注目を集め、結果的に自分を危険な方向へと追い詰めてしまう傾向が多々あるんですよね。
「亡命編」の4話~8話辺りまでのストーリーは、そんなヴァレンシュタインの性癖が致命的な形で裏目に出ている回であると言えるのですが、今回はそれについて検証をしてみたいと思います。
なお、「亡命編」のストーリーおよび過去の考察については以下のリンク先を参照↓

亡命編 銀河英雄伝説~新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
http://ncode.syosetu.com/n5722ba/
銀英伝2次創作「亡命編」におけるエーリッヒ・ヴァレンシュタイン考察
http://www.tanautsu.net/blog/archives/weblog-entry-570.html(その1)

「帝国への逆亡命計画」などという同盟への裏切り行為をありえないほど楽観的に画策していたヴァレンシュタインは、しかしその妄想に反して3話の終わりにアルレスハイム星域へと向かう第四艦隊での前線勤務を命じられることになります。
自身の妄想を妨害されたと早合点した挙句に被害妄想じみた怒りに囚われたヴァレンシュタインは、自分に前線勤務することを画策した者達に報復することを考えつきます。
そして、原作知識を利用した助言を行い、自分を監視しているミハマ・サアヤに報告書を書かせることで、ヴァレンシュタインは見事に報復を行うことに成功するのですが……。

一見するとヴァレンシュタインの有能性を示すかに思えるこのエピソードは、しかし実際には、ヴァレンシュタインの無思慮さとヒステリックな性格を露にしているだけでしかないんですよね。
そもそもヴァレンシュタインは、原作知識に基づいてラインハルトに協力すべく「帝国への逆亡命計画」を画策している身であったはずです。
そのために軍に入って職を得た、という選択自体が前回の考察でも述べているように既に間違っているのですが、それにあえて目を瞑るとしても、帝国へ逆亡命するためには必須とも言える絶対条件がひとつ存在します。
それは「自分が同盟内で目立つ存在になってはいけない」
ただでさえヴァレンシュタインは、亡命してきた経緯から「スパイ疑惑」をかけられ監視されている上、「帝国への逆亡命計画」という他者にバレるとマズい秘密を抱え込んでいるわけです。
であれば、その監視の目に対して「自分は無害な存在である」とアピールし続け、仕事についても無難かつ平穏にこなして「こいつは安全だ」と騙し込ませつつ、「決行の日」に向けて密かに準備を進める、という手法を取る必要がヴァレンシュタインには確実にあったはずでしょう。
もし何らかの形で自分が目立ってしまうと、ますます疑いの目で見られて監視の目が強くなったり、逆に「有能」と見做されて注目を浴びたりこき使われたりすることで、「帝国への逆亡命計画」が非常に難しくなる危険性があるのです。
実際、アルレスハイム星域の会戦後も、監視役であるミハマ・サアヤに対して「ヴァレンシュタインを引き続き監視し、どんな小さなことでも報告するように」との命令が、上司たるバグダッシュから伝達されています。
同盟軍に深く関わるようになればなるほど、同盟は「帝国への逆亡命」などを許しはしないでしょうし、一挙手一投足が注目されるような状況下でそんなことが可能なわけもないのです。
にもかかわらずヴァレンシュタインは、目先の報復感情を満足させるためだけに他者からの注目を浴びるような言動を披露することで、結果的には「帝国への逆亡命計画」を自分から破綻させる方向へと舵を切ってしまったわけです。
一般常識で考えるだけでも簡単に理解できる程度のことすら勘案できないほどに、ヴァレンシュタインは考えなしのバカだったのでしょうか?

さて、アルレスハイムでの1件で自業自得的に一際目立つ存在となってしまったヴァレンシュタインは、ほとぼりを冷ますことも兼ねてフェザーンへ行くことを命じられます。
そして、ここでも大人しくしていれば良いものを、またしてもヴァレンシュタインは考えなしの行動に走ってしまうんですよね。
これみよがしに同盟の高等弁務官事務所に届けられた、帝国の高等弁務官府で行われるパーティの招待状に応じ、パーティ現場へノコノコと足を運んでしまうのです。
そして、ここでヴァレンシュタインは旧友であるナイトハルト・ミュラーとの邂逅を果たし、ミハマ・サアヤを介して情報交換をしてしまうんですね(7話)。
自身がスパイ疑惑で未だに監視されている身であり、かつミハマ・サアヤ自身が自分の監視役であることを、他ならぬヴァレンシュタイン自身も充分過ぎるほど承知だったはずでしょうに、どうしてこんな短慮かつ危険な行為に及んだのか理解不能と言わざるをえません。
一般常識はもちろんのこと、スパイアクション映画の類な付け焼刃な知識だけで考えても、自身に危険が及ぶことが余裕で理解できるシチュエーションでしかないのですが(苦笑)。
実際、一連の行為はミハマ・サアヤに仕込まれていた盗聴器の存在(13話で判明)によって軍上層部の耳に入り、それがヴァンフリート4=2への前線勤務命令へと繋がることになるのですし(8話と10話)。
ヴァレンシュタインから原作知識がなくなると、ここまで近視眼かつ判断力皆無な人間にまで成り下がるという好例ですね。

ヴァレンシュタインが密かに考えている「帝国への逆亡命計画」からすればあまりにも「考えなし」の言動丸出しなヴァレンシュタインですが、しかし彼の立場でこういった危険性を予測することはできなかったのでしょうか?
実は一般常識やスパイアクション映画の知識などがヴァレンシュタインに全くなかったとしても、ヴァレンシュタインの立場であればこのことを充分に予測できる材料があるはずなんですよね。
それはもちろん、原作知識。
何しろ原作には、銀英伝1巻でイゼルローン奪取後に辞表を提出したヤンを、発足間もない第13艦隊をネタにシトレが却下するという作中事実が立派に存在するのですからね。
当然、この「シトレの法則」はヴァレンシュタインについても全く同じように適用されるわけで、軍内で有能さを示せば示すほど、その有能さを見込んだシトレがヴァレンシュタインを引き止めようとすることなんて、原作知識があるヴァレンシュタインにとって簡単に予測できるものでしかなかったわけですよ。
ヴァレンシュタインが本当に「帝国への逆亡命」をしたかったのであれば、むしろ逆に「自分は全く使えない人間である」という演出でもすべきだったのです。
にもかかわらず、わざわざ同盟軍に入ってしまった上に自分の有能さをアピールしてしまい、自分で自分の首を絞めているヴァレンシュタイン。
自分が何をしているのかすらも理解できず、周囲に誤解を振りまきまくって勝手にどんどん追い込まれている惨状が、私には何とも滑稽極まりないシロモノに見えてならなかったのですけどねぇ(笑)。

かくのごとく、そもそものスタートからして致命的に間違っているものだから、その後ヴァレンシュタインがシトレ一派を憎む描写があっても「それはただの八つ当たり」「お前の自業自得だろ」という感想しか抱きようがないんですよね。
しかもヴァレンシュタインは、自分が帝国に帰れなくなった最大の原因が「他ならぬ自分自身にある」という事実すら直視せず、ひたすら他人のせいにばかりして自分の言動を顧みることすらしないときているのですから、ますます同情も共感もできなくなってしまうわけです。
「本編」でヴァレンシュタインが批判していたヤンやラインハルトでさえ、自分達の言動を顧みる自責や自省の概念くらい「すくなくとも原作では」普通に持ち合わせていたはずなのですけどねぇ(苦笑)。
何でもかんでも全て他人のせいにして生きていけるヴァレンシュタインは、ある意味凄く幸せな人間であると心から思いますよ、本当に。

何故序盤におけるヴァレンシュタインが、こうまで先の見えない近視眼的な人物として描かれているのか?
身も蓋もないことを言えば「そうしないと作者がストーリーを先に進めることができないから」という事情に尽きるのでしょう。
しかしその結果、ヴァレンシュタインは「考えなしのバカ」というレッテルが貼られることになってしまった上、そのレッテルには「あれだけの原作知識がありながら…」というオマケまで付加される羽目となったわけです。
せめて、何らかのトラブルに巻き込まれて「有能さを発揮しないと自分が死んでしまう」という状況下で「やりたくもないけど才覚を発揮【せざるをえなかった】」という形にすれば、まだヴァレンシュタインの「考えなしな言動」も何とか取り繕えないこともなかったのですけどねぇ。
「能ある鷹は爪を隠す」という格言がありますが、その観点から言えば、全く必要性のない無意味なところで有能さを発揮し、そのくせ肝心なところで最も重要なことを隠蔽してしまうヴァレンシュタインは、到底「能ある鷹」とは言い難く、せっかくの強力な武器であるはずの原作知識すらもロクに使いこなせていない低能であるとしか評しようがありません。

さて次回は、そのヴァレンシュタインの醜悪極まりない本性がこれ以上ないくらい最悪な形で露呈しているヴァンフリート星域会戦について述べてみたいと思います。


コメント一覧

S.K (03/21 19:12) 編集・削除

>それは「自分が同盟内で目立つ存在になってはいけない」。

逆に「ヤン・ウェンリーの有能かつ有益な右腕として
銀河に遍く理想的民主主義社会を構築する」という
選択肢もあるはずなんですけれどね。
『本流』では「仕えたい」と思っていたラインハルト
を破滅に追い込んで今更どうしたという感じしか
しませんね。
何となれば『本流』よろしくヴァレンシュタイン自ら
がヤンを蹴り落としてとって替わる事も不可能では
ない、といいますかモチベーション対比で明らかに
『本流』より簡単なはずです。
もうここまでくると「IFの世界」ではなく単なる
「作品破壊」じゃないかという気がしてきました。

冒険風ライダー(管理人) (03/21 22:22) 編集・削除

>S.Kさん
「本編」を読む限りでは、ヴァレンシュタインは民主共和政についてどうにも否定的な見解のようですからねぇ。
その民主共和政を信奉している同盟には、ヴァレンシュタインは元から好意的ではなかったのでしょう。
ただ、そこに亡命した自分を受け入れてくれた同盟に対して、ほとんど逆恨みとしか言いようのない「忘恩の徒」同然の罵倒を吐きまくっている光景は、正直見ていて気分の良いものではないのですが。

> 何となれば『本流』よろしくヴァレンシュタイン自ら
> がヤンを蹴り落としてとって替わる事も不可能では
> ない、といいますかモチベーション対比で明らかに
> 『本流』より簡単なはずです。

このまま行くと、ヤンが「魔術師」と呼ばれるきっかけとなる第7次イゼルローン要塞攻防戦もヴァレンシュタインが指揮することになりそうですし、案外ヤンはこれ以上有名になることなくあっさり軍を退役することになるかもしれませんね(苦笑)。
すくなくとも「原作の」ヤンであれば、ヴァレンシュタインの台頭を素直に歓迎して心置きなく身を引くでしょうし。
ヤンも矛盾が多く問題だらけな人間ではありますが、それも「狂人」「精神異常者」ヴァレンシュタインの前ではすっかり霞んでしまうのが何とも…。

> もうここまでくると「IFの世界」ではなく単なる
> 「作品破壊」じゃないかという気がしてきました。

原作キャラクターの性格設定がメチャクチャに改竄されている時点で、既に「原作世界そのもの」ではなくなってしまっていますからねぇ(-_-;;)。
何故あの世界で「原作知識」なるものがそのまま通用してしまうのだろうか、とすら考えてしまったくらいで(爆)。
ヴァレンシュタインはヴァレンシュタインで、その辺りのことについては何の疑問も抱いていないみたいですからねぇ(苦笑)。
全く、何と支離滅裂かつ御都合主義に満ち溢れた世界であることか……。

http://www.tanautsu.net/

銀英伝2次創作「亡命編」におけるエーリッヒ・ヴァレンシュタイン考察1

「銀河英雄伝説~新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)」(以下「本編」)の作者が、同じキャラクターを主人公とした更なるIF話として新規に書き綴っている「亡命編」。
銀英伝世界に転生した日本人の佐伯隆二(25歳)ことエーリッヒ・ヴァレンシュタインが、諸々の事情で帝国から同盟に亡命し、銀英伝の原作知識を駆使して大活躍を演じるという転生物2次創作小説です。
小説一覧はこちら↓

亡命編 銀河英雄伝説~新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
http://ncode.syosetu.com/n5722ba/

「本編」でも桁外れなまでの人格破綻と対人コミュニケーション能力の致命的欠如ぶりをこれでもかと言わんばかりに誇示しまくり、設定改竄&御都合主義という「神のお導き」による超展開によって何度も救われていたヴァレンシュタインの惨状は、「亡命編」ではさらに磨きがかかっていて、もはや一種のネタキャラと化している感すらあります。
2012年3月19日現在でアップされている42話時点では、「本編」でしばしば見られていた「原作に対する考察」も皆無なため、正直ヴァレンシュタインの「狂人」「キチガイ」としか評しようのない性格設定やトンデモ言動ばかりが鼻に付くシロモノと化している始末なのですが、個人的にはその支離滅裂な言動にツッコミを入れまくるという、恐らくは作者が全く意図していないであろう形で楽しませて頂いております(苦笑)。
今回は、その作中におけるヴァレンシュタインの問題点について少し。

「亡命編」は、「本編」の第9話から分岐したストーリーとなっており、第五次イゼルローン要塞攻防戦の最中、門閥貴族の一派に生命を狙われたヴァレンシュタインが、庇護を求めて同盟へと亡命することからスタートします。
「本編」でも如何なく発揮されていたヴァレンシュタインの得手勝手ぶりは、2話の時点で早くも顕現します。
ヴァレンシュタインの亡命を受けて、同盟側は「帝国があえて送り込んできたスパイの可能性」を勘案して様々な取調べを行ったり、軍人としての能力を試すために軍事シミュレーションをヴァレンシュタインに課したりしているのですが、それに対するヴァレンシュタインの感想がイキナリ振るっています。

http://ncode.syosetu.com/n5722ba/2/
> ようやく情報部から解放された。これで俺も自由惑星同盟軍、補給担当部第一局第一課員エーリッヒ・ヴァレンシュタイン中尉だ。いやあ長かった、本当に長かった。宇宙では総旗艦ヘクトルで、ハイネセンでは情報部で約一ヵ月半の間ずっと取調べだ。
>
> 連中、俺が兵站専攻だというのがどうしても信じられないらしい。士官学校を五番で卒業する能力を持ちながらどうして兵站なんだと何度も聞きやがる。前線に出たくないからとは言えんよな、身体が弱いからだといったがどうにも信じない。
>
> 両親の事や例の二十万帝国マルクの事を聞いてきたがこいつもなかなか納得してくれない。俺がリメス男爵の孫だなんて言わなくて良かった。誰も信じないし返って胡散臭く思われるだけだ。
>
> おまけにシミュレーションだなんて、
俺はシミュレーションが嫌いなんだ。なんだって人が嫌がることをさせようとする。おまけに相手がワイドボーンにフォーク? 嫌がらせか? 冗談じゃない、あんまり勝敗には拘らないヤンを御願いしたよ。
>
> どうせ負けるのは分かっているからな、最初から撤退戦だ。向こうも気付いたみたいだ、途中で打ち切ってきた。いや助かったよ、あんな撤退戦だなんて辛気臭いシミュレーションは何時までもやりたくない。
>
> しかし、なんだってあんなに俺を睨むのかね。やる気が無いのを怒ったのか? あんただって非常勤参謀と言われているんだからそんなに怒ることは無いだろう。
俺はあんたのファンなんだからもう少し大事にしてくれ。今の時点であんたのファンは俺、アッテンボロー、フレデリカ、そんなもんだ。ユリアンはまだ引き取っていないんだからな。

この一連のモノローグを見てまず愕然とせざるをえなかったのは、自身の亡命を受け入れてくれた同盟に対する感謝の念が全くないことです。
ヴァレンシュタインはあくまでも個人的な都合で同盟に亡命してきただけであり、それを無条件に受け入れなければならない義務など同盟側には全くありません。
もちろん、同盟は昔から帝国からの亡命者を受け入れてきた国是があるのですから最終的に拒否されることはなかったかもしれませんが、それでも自分を受け入れてくれたことに対する感謝の念は当然あって然るべきではあるでしょう。
ヴァレンシュタインが同盟に亡命してきた経緯を考えれば、最悪、ヴァレンシュタインの身柄を帝国との取引材料として利用する、という手段を選択肢のひとつとして検討することも同盟としては充分に可能だったわけなのですから。
そして一方、同盟側がスパイの可能性を懸念してヴァレンシュタインを取り調べるのもこれまた当然のことなのに、それに対して理解を示そうとすらもしない始末。
挙句の果てには、ヴァレンシュタイン個人のことなど知りようもない相手に対して「俺のことを知っていて当然だ」と言わんばかりの不平不満を並べ立てるありさまです。
ここからはっきり読み取れるのは、ヴァレンシュタインが極めて自己中心的な性格をしている上、自分が置かれている立場を自覚&自己客観視することすら満足にできていないという事実です。
この性格設定は、銀英伝原作における門閥貴族達のあり方やアンドリュー・フォークの小児転換性ヒステリーと五十歩百歩なシロモノでしかないではありませんか。
ヴァレンシュタインと彼らの違いは、ヴァレンシュタインに原作知識があるという、ただそれだけなのです。
自分の利害が絡んだり、自分の気に食わないことがあったりすると、周囲の事情も鑑みず暴走しまくるところなんて、他ならぬヴァレンシュタイン自身が罵りまくっているフォーク辺りと全く同じ症状を発症している以外の何物でもないのですし。
あの2人を見ていると「同族嫌悪」や「近親憎悪」という言葉を想起せずにはいられないですね(苦笑)。
それを「亡命編」や「本編」では「心の内に獣を飼っている」などという装飾過剰もはなはだしい美辞麗句を並べ立てて絶賛しているわけですが、普通に考えるならば「狂人」「キチガイ」以外の評価しか与えようがないでしょうに。

ヴァレンシュタインの自己中心主義と同盟をないがしろにする態度は、3話における次のようなモノローグにもよく表れています。

http://ncode.syosetu.com/n5722ba/3/
> 第四艦隊? パストーレ中将かよ、あの無能の代名詞の。しかもアルレスハイム? バグダッシュの野郎、何考えたんだか想像がつくが全く碌でもないことをしてくれる。俺は前線になんか出たくないんだ。
>
> 後方勤務で適当に仕事をしながら弁護士資格を取る。大体三年だな、三年で弁護士になる。その後は軍を辞め弁護士稼業を始める。そして
帝国がラインハルトの手で改革を行ない始めたらフェザーン経由で帝国に戻ろう。そして改革の手伝いをする。それが俺の青写真なんだ。

http://ncode.syosetu.com/n5722ba/3/
> 変更の余地無しか……随分と手際がいいじゃないか。覚えてろよ、この野郎。バグダッシュ、お前もだ。俺はやられた事は数倍にして返さないと気がすまないんだ。俺を第四艦隊に放り込んだ事を後悔させてやる。

原作知識から「近い将来に同盟が滅ぶ」という未来を知っているヴァレンシュタインにしてみれば「どうせ滅ぶ予定の同盟がどうなろうが知ったことか」といったところなのでしょう。
しかしその同盟は、ヴァレンシュタインの個人的都合に基づくものでしかない亡命を受け入れ、軍内に職まで用意してくれたわけです。
原作で幼少時のシェーンコップが同盟に亡命してきた際の経緯などを見ても、亡命者に対する偏見や差別が同盟内に存在することは明らかであり、そんな環境下で亡命早々に職を確保できるヴァレンシュタインが相当なまでに恵まれた境遇にあったことは確実です。
ところがそのヴァレンシュタインは、自身の境遇に感謝することすらもせず、それどころか将来的には帝国に戻るとまで公言する始末。
亡命を受け入れた同盟側にしてみれば、ヴァレンシュタインの計画は自分達に対する裏切り行為も同然ですし、そもそも逆亡命の際に同盟の重要な機密の類まで持ち去られてしまう危険性だってありえます。
「恩を仇で返す」とはまさにこのことですし、ヴァレンシュタインの計画は同盟としては到底許せるものではないでしょう。
また、帝国から同盟への亡命は数多けれど、その逆が極めて微少でしかないことは、それこそ原作知識から容易に理解できることでしかないはずです。
同盟の体面から考えても、機密保持の観点から言っても、同盟はヴァレンシュタインの逆亡命計画を何が何でも阻止せざるをえないわけで、その実現可能性は極めて困難なシロモノであると言わざるをえないのですが。
まさか、原作にも全くない逆亡命計画を原作知識とやらで乗り越えられる、などとはいくらヴァレンシュタインでも考えてはいますまい?

もしそれでもヴァレンシュタインがあくまで逆亡命にこだわるのであれば、彼はそもそも同盟軍内で職を得るべきではありませんでした。
軍に入った時点で機密を外に漏洩しないことを誓約させられるのですし、それに反する動きをしようとするだけでも罰せられるのですから。
本当に逆亡命がしたかったのであれば、同盟にある程度の情報を提供した後に軍に入らず一般人として活動するか、あるいはフェザーンへの亡命斡旋でも頼むべきだったのです。
しかもそれでさえ、同盟の当局から監視の目が向けられることはまず避けられなかったでしょう。
同盟に限らず、国家の安全保障や防諜というのはそうやって保たれているものなのですから。
こんなことは原作知識とやらを持たなくても普通に理解できそうな一般常識でしかないはずなのですが、同盟の実情と未来を熟知しているであろうヴァレンシュタインがそんな簡単なことすらも理解できていないとは、その頭の中身は相当なまでの濃密な香りが漂うお花畑が広がっているとしか評しようがありませんね。
あんなバカげた逆亡命計画が成功するなどと、まさか本気で考えてでもいたのでしょうか、ヴァレンシュタインは。
挙句、「俺は前線になんか出たくないんだ」「俺はやられた事は数倍にして返さないと気がすまないんだ」などと軍上層部に怒りを抱くのに至っては、もはや理屈もへったくれもない単なる逆恨みの類でしかありません。
この後、ヴァレンシュタインは同盟軍から抜けるに抜けられない状況に陥るわけですが、そうなった最大の元凶はヴァレンシュタインの自己中心的な思考と感情的な言動、そして何よりも原作知識さえをも黙殺した見通しの甘さによる自業自得以外の何物でもないのです。
その辺りのことを、ヴァレンシュタインはきちんと理解できているのでしょうかねぇ(-_-;;)。

「亡命編」におけるヴァレンシュタインの珍道中はまだまだ始まったばかり。
この後も延々と続くことになるヴァレンシュタインのトンデモ言動とその他作中キャラクターの「現実を一切直視しない装飾過剰な美辞麗句の数々」は、読者である我々に多種多様なツッコミの楽しみを提供してくれています。
その点でエーリッヒ・ヴァレンシュタインという人物は、高度に熟成された天然サンドバッグお笑い芸人であるとすら言えましょう(爆)。
この面白キャラクターの軌跡を、当ブログでは今後も追跡していきたいと思います。


2次創作「銀河英雄伝説~新たなる潮流」の主人公人物評

銀英伝の2次創作小説「銀河英雄伝説~新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)」。
銀英伝の大ファンだったという日本人の佐伯隆二(25歳)が、何故か銀英伝世界に転生し、銀英伝の原作知識を持ったエーリッヒ・ヴァレンシュタインとして活躍するという、いわゆる「紺碧の艦隊」系架空戦記的な歴史改変を売りにした作品です。
小説一覧はこちら↓

銀河英雄伝説~新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
http://ncode.syosetu.com/n4887n/

本編は2012年2月11日現在、未だ未完結ながら総計239話にも及ぶ大長編で構成されており、またその内容や銀英伝原作に関する考察は、賛否いずれにせよ、銀英伝を詳細に読み込んだ上で練られていることがよく分かります。
銀英伝ファンか、あるいはタナウツの主旨に賛同できる人間であれば、まず読んでみて損はない2次創作作品であろうと思います。

ただ、人物評も人それぞれで千差万別であることを承知の上で言わせてもらうと、個人的にはこの作品の主人公であるエーリッヒ・ヴァレンシュタインという人物にはまるで共感も好感も抱けない、というのが正直なところだったりします。
そう思うようになった最初のきっかけは、作中におけるヴァレンシュタインの対人コミュニケーション能力がとにかく悪すぎることにあります。
作中のヴァレンシュタインは、その原作知識に基づいた事件や戦争の処理能力から、上司となる人物から何かと頼られることが多いのですが、それに対してヴァレンシュタインは表面的な礼儀作法すらもマトモにこなしている形跡がなく、不平満々な態度を相手の前で堂々と曝け出したりしています。
それどころか、平然と貴族に対して銃口を向けたり、後半になると門閥貴族の面前で堂々とゴールデンバウム体制批判まで展開したりしていますし。
銀英伝の原作設定から考えたら、不敬罪だの大逆罪だのといった罪を着せられて何度処刑台に直行してもおかしくないほどの言動を披露しているにもかかわらず、上司側はそれに対して特に問題視することもなくヴァレンシュタインを重用し続けるんですよね。
好き勝手に振る舞うヴァレンシュタインを受け入れられるほどに上司(リヒテンラーデ候や帝国軍3長官の面々)の人間性ができているのは、原作から乖離し過ぎているのみならず、ヴァレンシュタインの歴史改変とも全く無関係に発生しており、何故彼らの性格設定がこれほどまでに変わっているのかについての理由説明すらもありません。
まず、この構図自体が全く納得できませんでした。

次に引っかかったのは、ヴァレンシュタインがやたらと「奇麗事」にこだわる信念を披露する一方で、自身は謀略に邁進していたこと。
ヴァレンシュタインは、同盟軍に大打撃を与えることに成功した銀英伝原作1巻の同盟軍帝国領侵攻作戦における焦土戦略を「政治的なマイナス面の影響が大きすぎる」と採用せず(第99話)、またその後のリンチを使った原作の救国軍事会議クーデター絡みの謀略を「捕虜交換は紳士協定」だの「人道」だのといった言葉で否定しています(第136話)。
しかし、その前のイゼルローン要塞攻防戦でヤンに自分を消すための謀略を仕掛けられたことに激怒した挙句に同盟相手に謀略戦を展開し、原作同様の帝国領侵攻作戦を行わせたのは他ならぬヴァレンシュタイン自身ではなかったのでしょうか?
しかも第89話の最後では、「お前が俺を殺すために三百万の人間を殺すのなら俺がお前を殺すために三百万の人間を殺してもお前は文句を言えまい。お前が一番嫌がることをやってやる」などとヤンに対する個人的な怒りから大量の人間を殺す宣言までやらかす始末だったんですよね。
自分はこういうことを平気で明言した上に実行までしておきながら、同盟にクーデターを起こさせようとラインハルトが提言したら「紳士協定」だの「人道」だのを並べて拒否するって、それは自分だけを特別扱いしているタチの悪いダブルスタンダード以外の何物でもないでしょう。
謀略を否定するにせよ肯定するにせよ、自分と他人で一貫して同じ論理を適用するのであれば、まだヴァレンシュタインの言動は筋が通っていたのですが、これでは単に自己利益に基づいたその場その場の御都合主義でしかありません。
個人的な復讐心から千万単位の人間を殺すのは「紳士協定」だったり「人道」だったりするのでしょうかね、ヴァレンシュタインの論理では。

で、作中におけるヴァレンシュタインは、原作知識に基づいてラインハルトが抱える諸問題の数々をモノローグで指摘していたりします。
それ自体はタナウツでも過去に指摘されていたものもあって、それなりの説得力はあるのですが、上記2つの問題を鑑みると、さすがに「お前が言うな!」とは言いたくもなってくるんですよね。
ヴァレンシュタインはどう見てもラインハルトと同等、下手すればそれをも上回る人格破綻者ですし、それが周囲に受け入れられているのは、それが周囲にとっても利益をもたらしたことと、何よりも原作から著しく乖離している上にヴァレンシュタインの言動と歴史改変とは何の関係もない原作キャラクターの性格改変の産物によるものでしかないのです。
それに加えてヴァレンシュタインには、絶対的な預言書とすら言える原作知識という必勝の武器まで備わっています。
ここまでヴァレンシュタイン個人の才覚とは全く無縁なところで確立されている御都合主義的な絶対優位を前提に、それを持たない他者に、あたかも絶対に到達しえない高みから見下ろし神の鉄槌でも打ち下すかのような論評を繰り広げるヴァレンシュタインの態度は、どうにも受け入れ難いものがあります。
せめてあの上司達の設定が原作のままで、それをヴァレンシュタインが己の力と謀略と社交辞令の限りを尽くして心酔させていった、とでもいうのならばまだ共感もできたのですけどね。
自分の立場がどれほどまでに恵まれ、他者からは羨望されるものであるのか、ヴァレンシュタインはほんの少しでも考えたことがあるのでしょうか?
作中の言動を見ても、ひたすら被害妄想一歩手前レベルの被害者意識ばかりが前面に出ている始末ですし、自省という言葉ともかなり縁遠い性格をしていますからねぇ(-_-;;)。

また、これはずっと疑問に思っていたことなのですが、どうしてヴァレンシュタインは、自身の知識や戦略の出所、すなわち「自分が転生者であるという事実」を誰にも明かそうとしないのでしょうか?
全宇宙に向けてその事実を大々的に公表するわけはさすがにないにせよ、「これは信頼できる」と判断した1人~極少数の人間にその事実を伝えることで自分の利用価値をアピールしたり適切な助言をしたりする、という選択肢は、むしろない方が却って不自然なのではないかと思うのですが。
ヴァレンシュタインを取り巻く周囲の人間達は、ヴァレンシュタインの才覚に感嘆し頼りにする一方、その神がかり的な予見力に一種の恐怖心すら抱いていました。
ラインハルトやキルヒアイスなども、ヴァレンシュタインのその才覚に恐れを抱いたひとりでしたし、それを恐れるが故に彼らはヴァレンシュタインと反目する羽目になったわけです。
しかし、もしヴァレンシュタインが最初からラインハルトとキルヒアイスに「転生者である自分の事実」を教えていたら、すくなくとも2人はヴァレンシュタインに対して「得体の知れない恐怖」を抱く必要はなくなったはずですし、未来を知りえるヴァレンシュタインの力を利用することで利害関係が成立し、そこから相互信頼を得ることだってできた可能性もあります。
もちろん、最初は当然の反応として「こいつ気は確かか?」「正気か?」的な奇異な目で見られるでしょうが、本来誰も知りえない原作の事実などを当ててみせたり、原作知識に基づいた未来予測を披露したりすれば、相手だって最終的には納得せざるをえないでしょう。
現にヴァレンシュタインはそういう「神がかり的な予測」を作中で何度も披露しているのですから、なおのことその信憑性は高くなるはずです。
しかも未来を知るヴァレンシュタインは元々ラインハルトに仕えるつもりだったわけですからなおのこと、信頼の証として自身の秘密を打ち明けても良かったのではないかと思えてならないのですが。
ところがヴァレンシュタインは、作中の極々親しい人間に対してさえ、自身の転生の秘密を全く明かそうとしないどころか、そもそもほんの一瞬でも考えた形跡すらもないんですよね。
実はヴァレンシュタインって、一見外面の良い友好的な雰囲気に反して、自分以外の人間を一切信頼も信用もしてなどいないのではないか、とすら考えてしまったくらい、頑ななまでに秘密主義に徹し過ぎているのですが。
この辺りも、ヴァレンシュタインの対人コミュニケーション能力に致命的な問題があると私が考える理由のひとつだったりします。

ヴァレンシュタインを見ていると、どうも私は創竜伝の竜堂兄弟を想起せずにはいられないんですよね。
むやみやたらに自己防衛本能が強すぎる、他人を全く信用せず傍若無人に振る舞う、謀略を全否定して夢想的な3流ヒューマニズムを信奉する、全く同じことを自分がやるのはOKだが他人がするのはNGというダブルスタンダード。
全て竜堂兄弟が持っている人格的・思想的な欠陥ですからねぇ(苦笑)。
性格自体もあの兄弟4人のそれを全て合体させたかのようなシロモノですし。
まあ唯一、竜堂兄弟が持つ何よりも最悪の致命的欠陥である「反対しながら代案がない」とだけは無縁なのがせめてもの救いではあるのですが。

あと、エーリッヒ・ヴァレンシュタインの転生元である佐伯隆二という人物は、作中で披露している「原作知識」を見る限りでは、原作小説版ではなくアニメ版のファンだったみたいですね。
カストロプ星系の「アルテミスの首飾り」のエピソードやクラインゲルト子爵領の話なんて、当然のごとく原作小説版には全くありませんし。
そして、だからこそヴァレンシュタインは、作者である田中芳樹という存在に束縛されることなく、アレだけの原作考察ができるのではないかと。
ひょっとすると佐伯隆二は、銀英伝の原作者が田中芳樹であるという、ある意味最も基本中の基本である「原作知識」を知らなかった可能性すらありえます。
創竜伝やアルスラーン戦記などの他の田中作品は一切引き合いに出されていませんし、それどころか田中芳樹の「た」の字すらも全く出てこないのですから。
「絶対作者はそんな細かいことまで考えてねぇよ」と言いたくなるほどの内容ですからねぇ、ヴァレンシュタインの原作考察は。

かくのごとく、主人公には全く共感も好意も持ちようがないのですが、それも含めた総体としての「ひとつの物語」としては読み応えのある面白い作品ではあるので、今後とも注視していきたい2次創作シリーズではありますね。


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黒犬13号 (02/12 10:50) 編集・削除

本文未読ですから先入観でしかないのかもしれませんが、
典型的なメアリー・スーって感じですねえ。

http://ja.wikipedia.org/wiki/Mary_Sue

佐伯隆二というのは思いっきり作者の自己投影なんじゃないか、と。

冒険風ライダー(管理人) (02/12 14:10) 編集・削除

>黒犬13号さん
ただ作中で披露されている原作についての考察や物語進行については、賛否いずれにせよ原作をよく読んだ上で練りこまれているものではあります。
タナウツの閲覧者であればかなり楽しめるであろうことは請け合いです。

ただ、本質的に人格破綻者であるヴァレンシュタインを寛大に受け入れさせ出世させていくために、原作キャラクターの性格を意図的に改竄しているところが唯一「惜しい」と言えるところですね。
ヴァレンシュタインのいる「銀英伝世界」というのが、原作(およびアニメ版)に基づいた「本当の銀英伝世界」であるようには見えないのが何とも……。
別にヴァレンシュタインがいなくても、原作からの歴史改変が普通に起こりえそうに思えてなりませんからねぇ、アレでは。

http://www.tanautsu.net/

S.K (02/12 21:41) 編集・削除

「気高いリップシュタット同盟」に笑いつつ、あれならゴールデンバウム王朝は中興してもいいんじゃないかという気分になりました。
「旗色が悪いにもかかわらずラインハルト一点賭けで
ゴールデンバウム王朝打倒を画策するオーベルシュタイン」というのもかなりシュールというか不条理というか。
ただ逆に
>「お前が俺を殺すために三百万の人間を殺すのなら
>俺がお前を殺すために三百万の人間を殺してもお前
>は文句を言えまい。お前が一番嫌がることをやって
>やる」
は、まあ敗将の激昂として3巻のミュラーもやったので
見逃しても良い気はしました。
総合的な感想としては「初志貫徹してラインハルトに
仕えていれば格好がついたのに方向間違ったなあ」
という感じですね。

冒険風ライダー(管理人) (02/13 01:55) 編集・削除

>S.Kさん
> 「気高いリップシュタット同盟」に笑いつつ、あれならゴールデンバウム王朝は中興してもいいんじゃないかという気分になりました。

確かに無用なまでに高潔過ぎましたからねぇ、アレは(苦笑)。
ただ、特定の登場人物の性格を改変していること自体もさることながら、その性格改変が一体どのような基準に基づいて行われているのかが不可解すぎるのは正直どうかとは思うのですが。
ブラウンシュヴァイク公やフレーゲル男爵などがやたらと高潔になっている一方、ランズベルク伯やフォーク准将などはほぼ原作設定のままだったりとか。
貴族達の性格を変えるのであれば全員の性格を変えてしまい「貴族達は全て有能かつ識見がある」みたいな感じにしても良いはずなのに、貴族全体の傾向自体は原作通りだったりしますし。
ヴァレンシュタイン贔屓の神(作者)の恣意性がこれほど露骨に出ているところもそうはないよなぁ、と。

> まあ敗将の激昂として3巻のミュラーもやったので
> 見逃しても良い気はしました。

ミュラーの場合は元々「用兵家としてのヤンおよび実績」は高く評価していましたし、ヤンと直接対面して印象を変えたという描写もある(銀英伝5巻P234)のでまだ理解もできるのですが、ヴァレンシュタインの場合はそうではないですからねぇ。
そもそもヴァレンシュタインは、第191話でキルヒアイスが自分を殺しに来て返り討ちにした際、

「謀略に卑怯などという言葉は有りません。謀られるほうが間抜けなだけです。卑怯と罵られるのは最高の褒め言葉ですよ。それだけ相手を悔しがらせたという事ですからね」

とまで明言してのけているのに、それを自分自身には全く適用してなどいないのですから。
この論理に従えば、第89話でヤンを「そこまでやるのか」「復讐してやる」と罵り倒していたヴァレンシュタインは実はヤンを最高に賛辞していたことになってしまうのですが、当然そんなことには全く気づいてもいないでしょうね、彼は。
自分の利害が絡むと、自分の信念も持論も投げ捨てて自己防衛を優先した挙句、「俺は悪くない、全て他人が悪いんだ」と必死になって自分を説得するのがヴァレンシュタインという人間らしいので。
最近作者が集中的に書いている「亡命編」などは、そのヴァレンシュタインの本性が露骨なまでに出ていて、もう笑うしかないというか……。

> 総合的な感想としては「初志貫徹してラインハルトに
> 仕えていれば格好がついたのに方向間違ったなあ」
> という感じですね。

ラインハルトとヴァレンシュタインが仲違いした最大の理由は、ヴァレンシュタインが自身の秘密をラインハルトに話さなかったことにあると思うのですけどね、私は。
それが結果的に、ラインハルトとキルヒアイスにヴァレンシュタインへの恐怖心を抱かせたわけで。
最終的に信じてもらえる方法なんていくらでもあるのですから、ヴァレンシュタインが自身の秘密を誰にも話してはならない理由などどこにもないはずなのですけど。
そんなに後生大事に自分ひとりだけで抱え込んでいなければならないものなのですかね、たかが「原作知識」とやらが。

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banラーメン (06/29 14:03) 編集・削除

 初めて書き込みをさせて頂きます。
 楽しくヴァレンシュタイン氏の考察を拝見させて頂いています。

 この2次創作小説は、原作を読み込んでいる読者にはニヤリとさせられるものがありますが、私は途中で読むのをやめてしまいました。今はまた、さらりと当たり障りの無い部分だけ、読んでいる感じです。

 あまりにも原作から離れ、原作のキャラの肉付け部分が改変されてしまい、もはや『銀河英雄伝説』とはまったくの別物だと思ってしまったからです。私だけではなく、ファンが多い小説に突っ込みを考えている方がいるのだなぁと、ホッとさせて頂きました。

 今は、まったくの別物だと思って読んでいますが。あれだけ政府の高官(文官で明らかに核上の相手)に無礼千万しておいて、他の文官から恐れられないって事はないでしょうに。リヒテンラーデ侯が指摘していましたが、このままではあらゆる意味で政治が曲がってしまいますね。軍部の元帥一人の顔色を伺って政治を取らねばならない状況に追い込まれていても、当人だけはわかっていない(笑)たぶん、この世界のフリードリヒ陛下はわかっているのでしょうね。

 大人がフォロー、『人罪』になりそうなヴァレンシュタイン氏を、『人財』たる宰相へと導く。これってありえないと思いながらも、それがまかり通ってしまうのが、この物語の恐ろしさ。こんな国には生きていたくないですね。もはや専制君主国家でもなく、ヴァレンシュタイン愛護団体にこのごろは見えます(汗)

 ヴァレンシュタイン氏の物語の対極だと個人的に思う作品もあります。アルカディアの『蝶は羽ばたいた』。転生者がひたすら黒子に徹し、原作知識を利用してどうにか、戦争の被害を無くそう。主要人物たちの死亡を無くそうと裏で走り回ります。これほど主要人物の死亡(原作においての)が少ない作品は私、近年読んだ事がありませんでした。もうお読みかもしれませんが。参考までに紹介させて頂きます。

冒険風ライダー(管理人) (06/29 23:21) 編集・削除

>banラーメンさん
こちらこそはじめまして。
よろしくお願い致します。

>  あまりにも原作から離れ、原作のキャラの肉付け部分が改変されてしまい、もはや『銀河英雄伝説』とはまったくの別物だと思ってしまったからです。私だけではなく、ファンが多い小説に突っ込みを考えている方がいるのだなぁと、ホッとさせて頂きました。

私もあれには最初大きな違和感を覚えていた部分でした。
あの程度のことで老齢な登場人物達の性格設定が簡単に変わったりするわけないだろう、と私も散々ツッコミを入れていたものでしたし。
まあしばらくして、「こういう前提の話なのだから仕方がないか」と不承ながらも割り切らざるをえませんでしたが。

> あれだけ政府の高官(文官で明らかに核上の相手)に無礼千万しておいて、他の文官から恐れられないって事はないでしょうに。リヒテンラーデ侯が指摘していましたが、このままではあらゆる意味で政治が曲がってしまいますね。軍部の元帥一人の顔色を伺って政治を取らねばならない状況に追い込まれていても、当人だけはわかっていない(笑)

ヴァレンシュタインって、「上司にそういう態度を取ることで自分が罰せられるかもしれない」という発想がまるでないんですよね。
ある程度地位が上がってきた頃ならともかく、序盤から中盤にかけては門閥貴族のような権力やコネクションがバックについていたわけでもなく、徒手空拳も同然の状態だったというのに。
あの好き勝手な態度の淵源については、いくら作中の記述を調べても全く何も出てこないんですよね。
だから私としては、「神(作者)の祝福」だの「神(作者)の奇跡」だのといった概念を持ってこざるをえないわけなのですが。

> こんな国には生きていたくないですね。もはや専制君主国家でもなく、ヴァレンシュタイン愛護団体にこのごろは見えます(汗)

その表現はまさに「本編」における帝国にピッタリですね(苦笑)。
「亡命編」の同盟はもっと深刻で、地球教もビックリのヴァレンシュタインを崇め奉る神権国家と化している感すらありますが(爆)。
そのうちヴァレンシュタインを神格化するための巨大な銅像でも作られて、ニュースなどで「我が国の神聖にして偉大なる鋼鉄の名将…」とか言い出したりするのではないかなぁ、と(笑)。

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犀藤 (09/17 01:03) 編集・削除

>表面的な礼儀作法すらもマトモにこなしている形跡がなく
「形跡がなく」とまで言うと嘘になりますね。
多分、帝都防衛司令官代理を努めた頃以降のことを仰っているのだと思いますが。
(それ以前は「余程育ちがいいのだろうか?」といわれるほど礼節を保っています)

>平然と貴族に対して銃口を向けたり
大義名分はあるんですが?
帝都防衛司令官代理が「叛乱者」に対してであったり、不敬罪を犯した者に対してであったり。

>後半になると門閥貴族の面前で堂々とゴールデンバウム体制批判まで展開
既にそれだけの権力を持っていますし、皇帝の承認の下に動いているのですが……。

>何故彼らの性格設定がこれほどまでに変わっているのか
これについては、幾つかに対しては想像がつく気もしますが、全てに納得できるかというとそうでもないですねw

>やたらと「奇麗事」にこだわる信念を披露する一方で
「奇麗事」ではなく、単純に政治的なデメリットがあるんだよ、という事なのではないかと。

>自分だけを特別扱いしているタチの悪いダブルスタンダード
「他人を殺せても自分が死ぬのはやっぱり嫌」、これは極自然な感情なんじゃないのかなあ……。
肉親を殺された事による、自己生存欲求の高さ……主人公の性格が合わなければ読まなきゃいいんじゃないのかと。

>絶対的な預言書とすら言える原作知識という必勝の武器
>個人の才覚とは全く無縁なところで確立されている御都合主義的な絶対優位
原作知識チートものが嫌いなら読まなきゃいいのに……と思うのは私だけなんでしょうかね?

>「自分が転生者であるという事実」を誰にも明かそうとしないのでしょうか?
普通カミングアウトしないものじゃないのかと……。
>むしろない方が却って不自然なのではないか
周囲にばらす方が不自然です。

>「得体の知れない恐怖」を抱く必要はなくなったはず
>相互信頼を得ることだってできた可能性もあります
その前に狂人だと思われたり、貴方のように周囲がチートする主人公を妬む可能性の方が大ですね。

>謀略を全否定して
してませんけど……。少なくとも「全否定」はしてません。

>「絶対作者はそんな細かいことまで考えてねぇよ」と言いたくなるほどの内容
創作に転生()した主人公が自己の置かれた状況を真剣に考察するのは当然じゃないのかと。命懸かってますし。

……「原作知識チートものは嫌いなんだよ!」の一言で済むんじゃないんですか?これ。

冒険風ライダー(管理人) (09/17 03:22) 編集・削除

> 「形跡がなく」とまで言うと嘘になりますね。
> 多分、帝都防衛司令官代理を努めた頃以降のことを仰っているのだと思いますが。
> (それ以前は「余程育ちがいいのだろうか?」といわれるほど礼節を保っています)

教官や上司に対して普通なら言い難いであろう物事や自分の本心をズケズケと主張するあの態度は、どう見ても「表面的な礼儀作法」すら遵守しているとは言い難いものがあるのですが。
士官学校時代から一貫してそうだったじゃないですか。
表面的に敬語を使っているだけでは「礼儀作法に叶っている」とは到底言えたものではないですよ。

> 大義名分はあるんですが?
> 帝都防衛司令官代理が「叛乱者」に対してであったり、不敬罪を犯した者に対してであったり。
> 既にそれだけの権力を持っていますし、皇帝の承認の下に動いているのですが……。

原作「銀英伝」におけるゴールデンバウム王朝において、平民出身のヴァレンシュタインが貴族に対して容赦なく振る舞うこと自体がありえません。
原作のクロプシュトック侯の反乱の際、ミッターマイヤーが軍法に則ってブラウンシュヴァイク公の親類縁者を処断した件でさえ、不当な圧力が加わってミッターマイヤーは獄に入れられたのです。
平民出身という弱い立場のヴァレンシュタインに如何なる大義名分があろうと、それを権力や暴力で覆してしまえるだけの力が門閥貴族側にはあるのです。
ましてや、公衆の面前におけるゴールデンバウム王朝批判なんて、たとえ皇帝の後ろ盾があろうと「叛逆者」の烙印が押されその場で処刑されても文句の言えない所業です。
王朝に叛逆するものは皇帝個人の意思よりも優先して処断されなければならない、というゴールデンバウム王朝の国是は、原作でも普通に明記されているものなのですから。
そういう「ゴールデンバウム王朝の体質」や「力の論理」を無視した振る舞いができるヴァレンシュタインの言動そのものが、原作の設定から考えても明らかに異常なのです。

> 「奇麗事」ではなく、単純に政治的なデメリットがあるんだよ、という事なのではないかと。
> してませんけど……。少なくとも「全否定」はしてません。

同盟との捕虜交換の際、原作同様にそれを利用した内部分裂工作をラインハルトが提示した際、ヴァレンシュタインはこれ以上ないほどの綺麗事を並べ立ててラインハルトを罵りまくっていましたが……。
帝国領侵攻作戦やヴェスターラントの虐殺絡みのラインハルト批判についても、89話のヤンに対する「三百万虐殺肯定発言」や「亡命編」における諸々の所業を鑑みると空しい限りでしかありませんね。
ヴァレンシュタインがラインハルトの「思想や行動」を批判するのであれば、自分がそれと全く同じ「行動」に出ることを誰よりも戒めるべきなのではありませんか?
自分の利害が絡んだ途端に、自分が批判していた「行動」と全く同じことをやらかすというのではダブルスタンダード以外の何物でもないですよ。
そんなことをされたら、「じゃあ何故ヴァレンシュタインはラインハルトを批判しているの? どちらも【同じ穴のムジナ】でしかないのに」という根源的な疑問すら抱かざるをえないのですから。
ラインハルトを批判するために謀略を否定するのならば、自分についても同じように謀略を否定すべきですし、そうでないなら謀略を否定してはなりませんし、ラインハルトを「謀略否定」の観点から批判すべきでもありません。
自分ができず、またする気もないことを他人に押し付けるな、という至極簡単な話ですよ。
それをせず、その場その場の都合や自分の利害に基づいて態度を使い分けるからこそ、ヴァレンシュタインの言動は問題視されるのです。

> 肉親を殺された事による、自己生存欲求の高さ……主人公の性格が合わなければ読まなきゃいいんじゃないのかと。
> 原作知識チートものが嫌いなら読まなきゃいいのに……と思うのは私だけなんでしょうかね?

あなただけの考え方ではないでしょうが、それは同時に「臭いものに蓋」「事なかれ主義」的なものでもあるという自覚くらいは持っていて然るべきでしょう。
というかそれを言うならば、ヴァレンシュタイン伝の作者氏にだって、そこまでラインハルトや銀英伝が嫌いなら読まなければ良かったのに……と言えてしまうのではありませんかね?
まさか、そんな考えには賛同しないと思いますが……。

> 普通カミングアウトしないものじゃないのかと……。
> 周囲にばらす方が不自然です。
> その前に狂人だと思われたり、貴方のように周囲がチートする主人公を妬む可能性の方が大ですね。

「マブラヴ オルタネイティヴ」という作品では、未来から転生?してきた主人公の白銀武が、転生後の世界にいる香月夕呼に自身の秘密を包み隠さず話すというエピソードが普通にあったりします。
もちろん、最初は当然のごとく信じてはもらえなかったものの、当時は香月夕呼しか知りえなかった機密事項を披露したり、未来を予測したりすることで、彼は信用を獲得することに成功しています。
転生の秘密を話す際に重要なのは、「それが事実である」ことを如何にして証明するかにあります。
そして、ヴァレンシュタインの原作知識には、自身の転生が事実であることを証明できるだけの材料がいくらでも転がっています。
であれば、一時的に狂人と思われても、すぐさまそれを信用に変えることは充分に可能であるわけです。
信用を獲得しえるだけの材料も公算も充分にあるというのに、何故それを活用しないのか、それが不思議でならないのですよ。
ましてや、ヴァレンシュタインが元々ラインハルトに仕えるつもりだったのであればなおのことです。

> 創作に転生()した主人公が自己の置かれた状況を真剣に考察するのは当然じゃないのかと。命懸かってますし。

原作のキャラクター設定の多くが改変されている時点で、「この世界は原作銀英伝とは似て非なるものなのではないか?」程度のことくらいは考えてもらいたいものなのですけどね。
あそこまで原作とは似ても似つかないほどの設定改竄を行っていながら、銀英伝の二次創作を名乗られましてもねぇ……。

> ……「原作知識チートものは嫌いなんだよ!」の一言で済むんじゃないんですか?これ。

違います。
キャラクター設定の改竄や原作ではありえない政治理論など、原作知識やヴァレンシュタインの才覚以外の要素で物事が動きすぎるために「原作知識チート」としてすら成り立っていないというのが問題なのですよ。
私がしばしば「ヴァレンシュタインは神(作者)の祝福によって護られている」などと揶揄するのも、原作知識やヴァレンシュタインの才覚とは全く関係なしに、ヴァレンシュタインに都合良く動く珍現象があまりにも多すぎるからです。
「原作知識チート」なら「原作知識チート」としてきちんと描いてほしいものですよ、本当に。

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犀藤 (11/15 19:31) 編集・削除

>教官や上司に対して普通なら言い難いであろう物事や自分の本心をズケズケと主張するあの態度は
>士官学校時代から一貫してそうだったじゃないですか

あの……本編でも外伝でも、士官学校当時に於ける教官との直接対話の描写なんて、本編第六話の校長室での会話以外存在しないんですけど。
貴方の脳内で補完された内容を持ち出されても困ります。

>平民出身という弱い立場のヴァレンシュタインに如何なる大義名分があろうと、それを権力や暴力で覆してしまえるだけの力が門閥貴族側にはあるのです。

ありません。
帝都防衛司令官代理であった時にはオーディンに於いて最大の戦力を有していましたし、
その後に於いてもリッテンハイム候やフレーゲル男爵を殺害したわけではないので、軍を完全に敵に回す(権威の問題です)リスクを犯すに足る動機が不足しているのです。
ミッターマイヤー少将(当時)のケースと単純に比較するのは無理があると思うのですが。

>ましてや、公衆の面前におけるゴールデンバウム王朝批判なんて、たとえ皇帝の後ろ盾があろうと「叛逆者」の烙印が押されその場で処刑されても文句の言えない所業です。

時系列が混乱してませんかね……。
というか本編では「公衆の面前におけるゴールデンバウム王朝批判」なんて箇所はありません。
「『少数の』『信頼できる部下の前での』発言」ではなかったのかと思いますけど。
どちらにしても、その時点では帝国軍の、そして帝国の実権をほぼ掌握済みなので、門閥貴族を今更恐れる必要はないのではないでしょうか。

>同盟との捕虜交換の際、(略)ヴァレンシュタインはこれ以上ないほどの綺麗事を並べ立ててラインハルトを罵りまくっていましたが……
>「亡命編」における諸々の所業を鑑みると空しい限りでしかありませんね

え? 本編に於ける発言と「亡命篇」に於ける言動が矛盾している事を非難されているのですか?
まあ、それはともかくとして、別に「亡命篇」でも紳士協定的な事を踏み躙ったりはしていませんが……。

>ヴァレンシュタインがラインハルトの「思想や行動」を批判するのであれば、自分がそれと全く同じ「行動」に出ることを誰よりも戒めるべき

「全く同じ『行動』」、これをもう少し厳密に定義して欲しいのですがね。
・謀略上の紳士協定破棄
・謀略による民間人大量殺人
・通常の軍事行動による大量殺人
これが貴方の中でごっちゃになっているので議論にならないのですよ。

>それは同時に「臭いものに蓋」「事なかれ主義」的なものでもある

違いますね。
貴方の精神の安定に配慮しただけです。

>ラインハルトや銀英伝が嫌いなら読まなければ良かったのに

この作品、銀河英雄伝説やラインハルトへのヘイトものでないと思いますよ?
原作でもラインハルトは完璧超人として描かれていた訳ではありませんし。

>香月夕呼に自身の秘密を包み隠さず話す
>香月夕呼しか知りえなかった機密事項を披露したり、未来を予測したりすることで、彼は信用を獲得することに成功

彼女凄い天才じゃなかったですかね……。
論理性を重んじる彼女と他の凡人の反応を一緒にされてもねえ……。

>転生の秘密を話す際に重要なのは、「それが事実である」ことを如何にして証明するかにあります

違います。全く違います。
転生の秘密を話す際に重要なのは、「話した後の安全性」です。
「素晴らしい能力を持った尊敬に値する人物」が「原作知識チートの凡人」に過ぎなかった、という事実を知った人間の反応は予測不可能です。
失望でしょうか、それまでの尊敬の念を裏切られた事への怒りでしょうか、「その原作知識があれば俺にだって……」という妬みでしょうか。
プライドの高いラインハルトなら尚の事です。

>「この世界は原作銀英伝とは似て非なるものなのではないか?」程度のことくらいは考えてもらいたい

これに関しては全面的に同意します。
「この世界でも」という言葉自体は実に数多いのですが……。
少なくとも相違点の発見により、原作知識が当てにならなくなった事への不安が描写されていなければおかしいですね。

>あそこまで原作とは似ても似つかないほどの設定改竄を行っていながら、銀英伝の二次創作を名乗られましてもねぇ……。

言い過ぎだと思います。
設定改変はブラウンシュバイク公爵、リッテンハイム侯爵などの(トリューニヒトはまだグレーだな……)一部の登場人物の性格などに止まっています。
それとも、原作設定を忠実に再構成した作品しか二次小説として認めないとの御意見なのでしょうか?

>原作知識やヴァレンシュタインの才覚以外の要素で物事が動きすぎる

この作品(本編)での御都合主義要素って、第1巡察部隊司令時代に密輸船と遭遇した事くらいだと思っております。
(あれがなきゃ、未だにオーディン周辺で第1巡察部隊司令をやっていた筈)

>ヴァレンシュタインに都合良く動く珍現象があまりにも多すぎる

何の事を仰っておられるのか些か分かりかねます。
(原作知識チートによって)多大な功績を挙げ、(原作知識チートによって)多くの才能に溢れた人材を登用した、私欲も無く冷静沈着な(まあ外からそう見えるだけなんですが)人間が、周囲から尊敬され評価されなかったらその方がおかしいのでは?

冒険風ライダー(管理人) (11/15 22:36) 編集・削除

> あの……本編でも外伝でも、士官学校当時に於ける教官との直接対話の描写なんて、本編第六話の校長室での会話以外存在しないんですけど。
> 貴方の脳内で補完された内容を持ち出されても困ります。

本編9話にも、「帝国文官試験」に合格した士官学校の校長がヴァレンシュタインを何度も呼び出し、官僚にならないかと何度も執拗に勧められていたのを「兵站統括部でなければ任官しない」とまで言って押し切った、という記述があります。
これも「教官や上司に対して普通なら言い難いであろう物事や自分の本心をズケズケと主張するあの態度」には充分に該当するでしょう。
それにここでは、その手のスタンスがヴァレンシュタインに一貫して存在する事例が最低ひとつ提示できれば目的は達成できるわけで、既にひとつある時点で何の問題もないと思うのですが。

> ありません。
> 帝都防衛司令官代理であった時にはオーディンに於いて最大の戦力を有していましたし、
> その後に於いてもリッテンハイム候やフレーゲル男爵を殺害したわけではないので、軍を完全に敵に回す(権威の問題です)リスクを犯すに足る動機が不足しているのです。
> ミッターマイヤー少将(当時)のケースと単純に比較するのは無理があると思うのですが。

リッテンハイム候やフレーゲル男爵に銃を突きつけて脅す的な行為をやらかしている時点で、少なくともリッテンハイム・ブラウンシュヴァイクの両家から恨みや憎しみ等の負の感情を買っても文句は言えないでしょう。
そして彼らには実力も権力もそれなりにはあるわけですし、最悪「暗殺」や「謀殺」などといった行為を陰から駆使してヴァレンシュタインを排除するという危険性だって当然考慮しなければならなかったはずなのですが。
原作でも、外伝1巻でミッターマイヤーが艦隊戦の最中にコルプト子爵に襲撃された作中事実がありましたし、ベーネミュンデ侯爵夫人がたびたびラインハルトを襲撃していた問題もあったのですから。
権力・財力・暴力をある程度掌握している人間は、どんな理不尽な理由で攻撃してくるか分かりませんし、少し頭の回る人間であれば、その際にも合理的に説明がつけられる口実や責任回避の逃げ道を適当にでっち上げるものなのです。
それがいつ、どのような形で自分にとって作用することになるのか、少しは考えても良さそうなものなのですけどね。
目先のプライドに拘泥しすぎて、先のことがまるで見えていないのですよ、ヴァレンシュタインは。

> 時系列が混乱してませんかね……。
> というか本編では「公衆の面前におけるゴールデンバウム王朝批判」なんて箇所はありません。
> 「『少数の』『信頼できる部下の前での』発言」ではなかったのかと思いますけど。
> どちらにしても、その時点では帝国軍の、そして帝国の実権をほぼ掌握済みなので、門閥貴族を今更恐れる必要はないのではないでしょうか。

第百二十一話 元帥杖授与
http://www.akatsuki-novels.com/stories/view/1660/novel_id~103
> 「そちを貴族にしてはどうかと言うものが有る」
> 「……」
> 「これまで平民が帝国元帥になった前例は無い。貴族に列するべきだとな」
>
> ヴァレンシュタインは顔を伏せたまま答えない。周囲がざわめく。陛下の問いに答えない、本来なら不敬といって良いだろう。答えないことで不快感を表しているのか……。陛下も怒ることなく話し続ける。
>
> 「どうじゃな、ヴァレンシュタイン」
> 「その儀は御無用に願います」
> 「ほう、いらぬか」
>
> 「臣は平民として最初の元帥かもしれません。しかし最後の元帥ではありません。御無用に願います」
> 周囲がまたざわめいた。最後の元帥ではない。その言葉の意味する所は貴族の否定……。

皇帝自らの手による元帥杖授与式、しかも大勢の貴族が参内する中でこんな態度を取れば、元々貴族制度と密接不可分に結びついているゴールデンバウム王朝では「体制批判」と解釈されない方がむしろ変です。
すくなくとも、そのように訴えて「ヴァレンシュタインは大逆罪を犯した!」と主張する人間がひとりどころではなくいても不思議ではありません。
元帥と言えども、大逆罪は普通に適用されますから、この時点でヴァレンシュタインは処刑台へ直行することになっても文句は言えないのですけどね。
ゴールデンバウム王朝下で「体制批判」がいかに重罪であるかということを、ヴァレンシュタインどころか帝国の人間が知らないはずはないと思うのですが。

> え? 本編に於ける発言と「亡命篇」に於ける言動が矛盾している事を非難されているのですか?
> まあ、それはともかくとして、別に「亡命篇」でも紳士協定的な事を踏み躙ったりはしていませんが……。

人の文章を都合よく切り貼りして全く違う文章を作り出して反論する典型例みたいな文章ですね。
【89話のヤンに対する「三百万虐殺肯定発言」】という文章もあったのに、それは完全無視ですし。
そしてこれと全く同じことを、ヴァレンシュタインは亡命編でも普通に述べていたりしますよね。
ヴェスターラントや帝国領侵攻作戦時におけるラインハルトの決断を人非人だと言わんばかりに批判していたヴァレンシュタインが、自分の利害が絡んだ途端に全く同じことをやらかす、というダブルスタンダードな行為がいかにヴァレンシュタインの正当性を壊してしまうのかなんて、よほどのバカでもない限りは簡単に理解できそうなものなのですけどね。

> 「全く同じ『行動』」、これをもう少し厳密に定義して欲しいのですがね。
> ・謀略上の紳士協定破棄
> ・謀略による民間人大量殺人
> ・通常の軍事行動による大量殺人
> これが貴方の中でごっちゃになっているので議論にならないのですよ。

私の主張のどこをどう見たら「ごっちゃになっている」と解釈しえるのか理解に苦しむのですが……。
ヴァレンシュタインのラインハルト&ヤン批判を読み返して、固有名詞を全部ヴァレンシュタインに置き換えてみても全く同じことが言えてしまう批判は全て該当する、としか言いようがないのですが。
まあとりあえずは、「謀略上の紳士協定破棄」と「通常の軍事行動による大量殺人」については本編89話のヤンに対する「三百万虐殺肯定発言」と本編136話の捕虜交換批判が、「謀略による民間人大量殺人」については亡命編58話におけるヴァレンシュタインの発言が、それぞれ該当するとは明言しておきましょうか。

> この作品、銀河英雄伝説やラインハルトへのヘイトものでないと思いますよ?
> 原作でもラインハルトは完璧超人として描かれていた訳ではありませんし。

……そもそも「原作知識チートものが嫌いなら読まなきゃいいのに……」って、あなたが先に持ち出していた文言でしたよね?
それに対する返しがアレだったのに、自分の発言を皮肉られていることにも気づかないとは、すいぶんとまあ能天気な話ですな(苦笑)。
まあ同じ返しをまたやるというのも何なのですが、それを言うのであれば私の一連の考察も、別にヴァレンシュタイン伝のヘイトものというわけではないのでしてね(笑)。
むしろ私くらい、ヴァレンシュタイン伝を細部まで読み倒し楽しんでいる読者というのもそうはいないだろう、とすら考えているくらいですし(爆)。
この手の手垢のついた主張なんて、所詮はこの程度の返しが簡単に行えてしまうシロモノにすぎないのですよ、いいかげんにお分かり頂けましたか?

> 彼女凄い天才じゃなかったですかね……。
> 論理性を重んじる彼女と他の凡人の反応を一緒にされてもねえ……。

……ヤンやラインハルトって、すくなくとも銀英伝の作中でもヴァレンシュタイン伝の中でも、そして何よりもヴァレンシュタイン個人の脳内評価でさえも「天才」という位置付けではなかったのですか?
少なくとも他のキャラクターと比較すれば相対的に論理性を重んじる彼らと、他の凡人の反応を一緒にされましてもねえ……(爆)。

> 違います。全く違います。
> 転生の秘密を話す際に重要なのは、「話した後の安全性」です。
> 「素晴らしい能力を持った尊敬に値する人物」が「原作知識チートの凡人」に過ぎなかった、という事実を知った人間の反応は予測不可能です。
> 失望でしょうか、それまでの尊敬の念を裏切られた事への怒りでしょうか、「その原作知識があれば俺にだって……」という妬みでしょうか。
> プライドの高いラインハルトなら尚の事です。

は?
香月夕呼が天才だから白銀武の転生話を信用した、というのであれば、それは同様に天才であるヤンやラインハルトにも当然同じことが言えてしまうのではないのですか?
人格の問題であれば、香月夕呼もなかなかに奇矯な性格と謀略思考の持ち主だったのですし、未来話関連でヒステリックに怒鳴り散らす局面もあったりしたのですけど。
ましてや、ヴァレンシュタインは最初からラインハルトに仕えるつもりだったのですからなおのこと、自分の売りを積極的にアピールしても問題はなかったはずでしょう。
原作のヤンもラインハルトも、「自分にとって使える」人間に対してそこまで狭量な人物としては描かれていないはずなのですけどね。

> 言い過ぎだと思います。
> 設定改変はブラウンシュバイク公爵、リッテンハイム侯爵などの(トリューニヒトはまだグレーだな……)一部の登場人物の性格などに止まっています。
> それとも、原作設定を忠実に再構成した作品しか二次小説として認めないとの御意見なのでしょうか?

原作がある作品をベースにした二次創作というのであれば、すくなくとも原作に記載されている諸々の設定はひとつ残らず忠実に再現しないと論外です。
それを変えるというのであれば「変わっていく過程」をきちんと描くべきです。
それもせず、最初からこうだったと言わんばかりの設定改竄を理由の明示もなく行ったら、それはもう原作破壊に他なりません。
設定を改竄すること自体が問題なのですから、それが一部であろうが全部だろうが論外であることに変わりはないのです。

> 何の事を仰っておられるのか些か分かりかねます。
> (原作知識チートによって)多大な功績を挙げ、(原作知識チートによって)多くの才能に溢れた人材を登用した、私欲も無く冷静沈着な(まあ外からそう見えるだけなんですが)人間が、周囲から尊敬され評価されなかったらその方がおかしいのでは?

実はヴァレンシュタインは「原作知識チート」などではないのですよ。
むしろ、それだからこそ問題なのでしてね。
ヴァレンシュタインの言動の中には、前述の元帥杖授与式における貴族否定なスタンスの披露などのように「原作設定から考えても、それをやったら原作知識やヴァレンシュタイン個人の才幹に関わりなく処刑台へ直行させられても不思議ではない」という内容のものが少なくないのです。
亡命編は特にその傾向が酷く、しかもその手のヴァレンシュタインの言動が何故免罪されるのかについて全く言及されていないか、理由にもならない屁理屈にしかなっていないケースがほとんどです。
それがヴァレンシュタインに纏わる御都合主義の問題点であり、私が「神(作者)の奇跡」「神(作者)の祝福」と呼ぶものの実態でもあるわけです。
「原作知識チート」ならば「原作知識チート」としてきちんと動かして欲しいものなのですけどね。

http://www.tanautsu.net/

犀藤 (11/28 00:00) 編集・削除

>「教官や上司に対して普通なら言い難いであろう物事や自分の本心をズケズケと主張するあの態度」には充分に該当する

「自分の進路に対して自己の意見を堅持する」という行為が貴方の中では「教官や上司に対して普通なら言い難いであろう物事や自分の本心をズケズケと主張する」という事に該当するとでも言うのですか?
自分で言っていて「流石に無理があるな」とは思っていないのですか?

>最悪「暗殺」や「謀殺」などといった行為を陰から駆使してヴァレンシュタインを排除するという危険性だって当然考慮しなければならなかったはず

勿論最悪のケースが発生する可能性はいつだって存在しています。
ですが、そのような事が『政治的に』可能なら、何故ミッターマイヤーは平時に於いて謀殺されなかったのですかね?

>外伝1巻でミッターマイヤーが艦隊戦の最中にコルプト子爵に襲撃された作中事実がありました

つまり、「艦隊戦のドサクサで無ければ手を出せなかった」、という事実の証明になる訳です。

>ベーネミュンデ侯爵夫人がたびたびラインハルトを襲撃していた問題もあった

つまり、「ベーネミュンデ侯爵夫人のような常軌を逸した精神状態の人間でない限り、そこまでの無茶は出来ない」という事を意味しています。

>権力・財力・暴力をある程度掌握している人間は、どんな理不尽な理由で攻撃してくるか分かりませんし、

権力・財力・暴力をある程度掌握している人間はそれを維持できるだけの知性があります。
でなければ、他の野獣たちに食い物にされるだけです。

>少し頭の回る人間であれば、その際にも合理的に説明がつけられる口実や責任回避の逃げ道を適当にでっち上げるものなのです

少し頭の回る人間であれば、その程度の「口実や逃げ道」では軍・政府高官の怒りから逃げ切れないと判断し、とりあえずその時点での直接的謀殺は諦め、次の機会を窺うでしょう。

カストロプ公爵は特殊なケースだと理解していますよね?
逆に言えば、他の貴族達にどれだけ権力があろうと、彼ほど無茶な事は出来ない、という事を意味しています。

>目先のプライドに拘泥しすぎて

何の事か判りかねます。リッテンハイム侯爵やフレーゲル男爵に対する行動の動機は、プライド云々ではなく、政治的もしくは謀略上の理由からなのですが。

>元々貴族制度と密接不可分に結びついているゴールデンバウム王朝では「体制批判」と解釈されない方がむしろ変です。

「ヴァレンシュタインの発言は貴族否定に繋がる可能性がある」を拡大解釈して、「公衆の面前におけるゴールデンバウム王朝批判」と同義とする事には些か疑問を感じるのですけどねえ。
貴方が自明の事としている「ゴールデンバウム王朝と貴族制度は密接不可分に結びついている」というのを論理的に証明してみてください。
「密接不可分であるからといって二者が等しい存在とは言えない」というのは、それ程重要な点ではないのでスルーしてもいいですけど。

>この時点でヴァレンシュタインは処刑台へ直行することになっても文句は言えない

この時点でヴァレンシュタインは軍権を掌握し、皇帝からの絶対的なまでの信任を受けているというのにですか?
そんな事を言い出す貴族が出たら、それを口実に捕縛され処刑されてしまうのですが……。
寧ろ、ヴァレンシュタインの思う壺でしょう。
皇帝が弱者だったのは、門閥貴族を打倒し得る実戦力を持つ信頼できる臣下がいなかったからです。
この時点で(門閥貴族の多くはまだ理解できていませんが)、皇帝と門閥貴族たちの力関係は逆転しているのです。

>人の文章を都合よく切り貼りして全く違う文章を作り出して反論する典型例みたいな文章

では、
『「亡命編」における諸々の所業を鑑みると空しい限りでしかありませんね』
の部分は如何なる意味で持ち出されたのか、説明してみてくれますか? 誤魔化さずに。

>ヴェスターラントや帝国領侵攻作戦時におけるラインハルトの決断を人非人だと言わんばかりに批判

「どうも気が進まない」を拡大解釈するにも程がありませんか?
すぐ後に「政治的なマイナス面の影響が大きすぎる。取るべきではない。」と言っています。
政治的な点を問題にしているのです。

>私の主張のどこをどう見たら「ごっちゃになっている」と解釈しえるのか理解に苦しむのですが……。
>「謀略上の紳士協定破棄」と「通常の軍事行動による大量殺人」については本編89話のヤンに対する「三百万虐殺肯定発言」と本編136話の捕虜交換批判が、「謀略による民間人大量殺人」については亡命編58話におけるヴァレンシュタインの発言が、それぞれ該当するとは明言しておきましょうか。

何も理解してませんね……。
それらはそれぞれ別個に取り扱うべき事象だと言ったのですが……。

>「謀略による民間人大量殺人」については亡命編58話におけるヴァレンシュタインの発言が、それぞれ該当する

違います。「これからも何百万、何千万人の帝国人を殺してあげますよ。」は「通常の軍事行動による大量殺人」に該当します。

まず前提として、
①焦土戦術とヴェスターラントに対しては本編第99話に於ける記述を見る限り、ヴァレンシュタインは倫理上の観点からの批難をしていません。
②捕虜交換時に於ける間諜潜入に対しては(本編第136話)、
「転生する前は捕虜交換を利用した内部分裂工作にそれほど強い嫌悪感を抱いていたわけではない。いやむしろ嫌悪感など全く無かった。しかし、この世界に来てかなり考えが変わった。」
「人道って何だ、さっきの感謝は何なのだ、そう言いたくなるのは俺だけだろうか。」
「つまり、同盟政府はラインハルトを信じられなかったのだと思う。その事が彼らにラインハルトを拒否させた……。」
紳士協定破棄に関して倫理的な観点からの批難はしていますが、政治的なデメリットについても問題視しています。

◎通常の軍事行動による大量殺人

「本編第89話に於けるヤンへの報復宣言」が該当します。
軍人なので政治的・軍略上のメリットがあれば問題があるとは思えません。
(「亡命篇第58話に於ける帝国軍殺戮宣言」も該当しますが、別の世界線上に於ける別の自分の発言の責任を負うべきではないでしょう)

◎謀略による民間人大量殺人

焦土戦術とヴェスターラント(の虐殺の黙認)が該当します。(本編第99話)
前述のようにヴァレンシュタインは政治的なデメリットについて問題視しています。

◎謀略上の紳士協定破棄

捕虜交換時に於ける間諜潜入が該当します。(本編第136話)
前述のように政治的なデメリットについて問題視していると共に倫理的な観点からの批難をしています。

「捕虜交換時に於ける間諜潜入」に対する倫理上の批難が、「ヤンへの報復宣言」と矛盾する、と言われればそうなのですが……。
貴方の主張には事実と異なる点が多いですよ?

>ヤンやラインハルトって、すくなくとも銀英伝の作中でもヴァレンシュタイン伝の中でも、そして何よりもヴァレンシュタイン個人の脳内評価でさえも「天才」という位置付けではなかったのですか?

「軍事的な分野に於ける天才」の筈ですが。
他の分野では、ヤンは二流の歴史学者、ラインハルトは万能に近い秀才でしかないんですけど……。

>他のキャラクターと比較すれば相対的に論理性を重んじる彼ら


原作にそんな記述がありますか?
ラインハルトは比較的感情に流される傾向がありますし、ヤンとて論理性よりも自分の好悪を優先した結果が同盟の滅亡に繋がったのではないですか?

>原作のヤンもラインハルトも、「自分にとって使える」人間に対してそこまで狭量な人物としては描かれていない

問題点はまさにここにあります。
彼等にとってヴァレンシュタインは、「自分にとって使える人間」ではなく「自分にとって使える知識を持つ人間」なのです。
自分を軽々と凌駕出来るだけの原作知識を、自分のものにしてしまえば用済みですし、その知識が他に漏れる事によってその優位性が消滅してしまう訳ですね。
ラインハルトがそのような危険人物を放置するほど能天気だとは思えません。
(オーベルシュタインがこの情報を知れば即時抹殺は間違いないでしょう)
ヤンに関しては些か不確定な面がありますが、『歴史の流れを歪ませる異分子』に寛容に接してくれるのかについては疑問の余地があります。
ヴァレンシュタインが亡命篇でカミングアウトしなかった事がそれ程おかしいとは思えません。
(暗殺されかかったり、前線送りにされたりした後で、初対面の人間を全面的に信用できるでしょうか?)

・即座にカミングアウト⇒信用されるまで数年間(?)狂人扱い⇒信用されたとしても要抹殺対象と認識される
・原作知識チートを見せ付けてからカミングアウト⇒幻滅・失望・憎悪⇒やはり抹殺対象として認識される

>香月夕呼

そもそも、Muv-Luv Alternativeで、何故彼女以外の仲間にカミングアウトしなかったんですかね。
彼女が超の付く天才科学者であったからという理由ならば、ヤンやラインハルトたちには適用不可ですし、人格的にも深い理解を持ち、信頼できる相手であるところの仲間達にまでその事実を伏せたのは何故ですか?
自分で自分の主張を否定してしまっている事に気がついていないのでは?

>設定を改竄すること自体が問題なのですから、それが一部であろうが全部だろうが論外である

貴方の極めて偏った意見は理解しました。御自身の主張が少数派である事は認識して下さい。

>私の一連の考察も、別にヴァレンシュタイン伝のヘイトものというわけではないのでしてね(笑)。
>「原作知識チート」ならば「原作知識チート」としてきちんと動かして欲しいものなのですけどね。

では何故、正確な分析と事実と異なる根拠に基づいた批判が混在しているのですか?
その点について御自身の頭で考え、結論を出してください。
それが、貴方の人間的成長に繋がる事を強く希望します。

冒険風ライダー(管理人) (11/28 03:48) 編集・削除

> 「自分の進路に対して自己の意見を堅持する」という行為が貴方の中では「教官や上司に対して普通なら言い難いであろう物事や自分の本心をズケズケと主張する」という事に該当するとでも言うのですか?
> 自分で言っていて「流石に無理があるな」とは思っていないのですか?

「自分の進路に対して自己の意見を堅持する」なる信念をああいう形で実行に移すのでは、すくなくとも他人から見れば「教官や上司に対して普通なら言い難いであろう物事や自分の本心をズケズケと主張する」と評されても文句は言えないでしょう。
銀英伝と同じ田中作品の「カラトヴァ風雲録」に登場するファビオンのごとく「自分は直接反対しないが、他人のコネなどを使って相手の主張を退かせる」的な腹芸でも披露しているのであれば、また話も違ってきたでしょうけど。

> 勿論最悪のケースが発生する可能性はいつだって存在しています。
> ですが、そのような事が『政治的に』可能なら、何故ミッターマイヤーは平時に於いて謀殺されなかったのですかね?

> つまり、「艦隊戦のドサクサで無ければ手を出せなかった」、という事実の証明になる訳です。

> つまり、「ベーネミュンデ侯爵夫人のような常軌を逸した精神状態の人間でない限り、そこまでの無茶は出来ない」という事を意味しています。

政治的謀略だって、いつ如何なる場合においても常に自由気ままに発動可能というわけではありますまい。
発動の際にはタイミングもあれば時勢というのも必要不可欠ですし、その機会に恵まれなければ謀殺できない、ということだって普通にありえますよ。
「戦場のドサクサに紛れて……」というのは、その意味では非常に使い勝手の良いシチュエーションだから多用された、ただそれだけのことです。
他にもっと上手い方法があってタイミングもバッチリと条件が揃っていたのであれば、躊躇うことなくそちらの策を採用したことでしょうね。
ちなみにベーネミュンデ侯爵夫人にしても、最後のアンネローゼ襲撃以外では自身に危険が迫らないような工作くらいはしていたでしょうし、でなければあの襲撃よりも前の時点で彼女はラインハルト襲撃の罪に何らかの形で問われてはいたはずでしょう。
当時のラインハルトも、一応は皇帝の寵姫の弟という立場にあったのですし。
そのタイミングを常に伺う人間を、作中のヴァレンシュタインはとにかく無差別かつ衝動的に敵に回しているようにしか思えないのですけどね。
ましてや、原作とは全く異なる性格設定を持つ(それ故に原作知識が必ずしも有効たりえない)人間を相手に、です。

> 権力・財力・暴力をある程度掌握している人間はそれを維持できるだけの知性があります。
> でなければ、他の野獣たちに食い物にされるだけです。

> 少し頭の回る人間であれば、その程度の「口実や逃げ道」では軍・政府高官の怒りから逃げ切れないと判断し、とりあえずその時点での直接的謀殺は諦め、次の機会を窺うでしょう。

> カストロプ公爵は特殊なケースだと理解していますよね?
> 逆に言えば、他の貴族達にどれだけ権力があろうと、彼ほど無茶な事は出来ない、という事を意味しています。

そんな「高度な」知性の持ち主な門閥貴族は、原作銀英伝においてはヒルダやマリーンドルフ伯などの一部例外を除き存在しないのですが。
カストロプ公爵は、そのワガママ三昧かつ知性の欠片も見い出しえない門閥貴族の中でも、特に強欲と自己保身に特化した化け物だった、というだけの話ですよ。
その息子のマクシミリアンなんて、原作では考えもなしに帝国政府に喧嘩を打って動乱を起こす始末だったのですし。
原作のブラウンシュヴァイク公が、たかだか甥が一人殺されただけでヴェスターラントの核攻撃を命じた事例を、まさかご存じないわけないですよね?
トップからしてこの程度の知性なのでは、その下の思考水準など推して知るべしですよ。
そもそも、原作者たる田中芳樹からして、悪役をそのように卑小に描く傾向が多大なまでにあるのですし。

> 何の事か判りかねます。リッテンハイム侯爵やフレーゲル男爵に対する行動の動機は、プライド云々ではなく、政治的もしくは謀略上の理由からなのですが。

自分がああいう挑発的な言動をすることによって門閥貴族達を暴走させることを期待している、とでもいうのであればまだ「計算ずく」という評価も可能なのですが、ヴァレンシュタインは明らかに「相手の敵意を買う」という問題について全く何も考えていないか、極めて軽視している傾向が多々ありますよね。
そして、ラインハルトに対してはそういう言動をすることを戒めたり人格未熟として批判したりしているのに、自分はまさにそういう言動をする、というのが問題だと言っているのですが。

> 違います。「これからも何百万、何千万人の帝国人を殺してあげますよ。」は「通常の軍事行動による大量殺人」に該当します。

殺害対象が「帝国軍」ではなく「帝国人」という時点で、これは民間人も当然のごとく含められ、軍事行動とは別の大量虐殺も普通に行われると解釈されるべきなのですが。
その発言の発端となった、ヴァレンシュタインの両親の墓を暴いた件の実行犯も「帝国軍」ではなく「(遺族や平民を含めた)帝国人」なのですし。
ヴァレンシュタイン本人の意図はどうであれ、すくなくとも件の発言を受けた帝国側は当然そう解釈するに決まっているでしょう。
ヴァレンシュタインの発言は「帝国人」の上から下まで全てを敵に回す行為だったのですが、これが政治的マイナスにならないとでも?

> (「亡命篇第58話に於ける帝国軍殺戮宣言」も該当しますが、別の世界線上に於ける別の自分の発言の責任を負うべきではないでしょう)

この発言でやっと分かりましたよ、何故ここまで「亡命編のことを本編に持ってくるな」と主張されるのかが。
私が一貫して主張しているのは「発言の責任」ではなく「発言の正当性」なのです。
そりゃ確かに、本編におけるヴァレンシュタインが亡命編の自身の言動について責任の取りようはないでしょう。
しかし「発言の正当性」というのは、状況が変わっても普遍的に適用することが可能なのです。
たとえば「政治的デメリットがあるから○○という策はやるべきではない」という場合、その「発言の正当性」は似たような事案であれば常に同じように適用することが可能ですし、またそうすべきなのです。
その発言がAというケースでは適用されるがBという事件では全く適用されないという場合、その発言には正当性がない、もしくはダブルスタンダードであると見做されるのです。
ヴァレンシュタインの発言に正当性があるのであれば、その正当性は本編だろうが亡命編だろうが普遍的に適用されて然るべきものなのです。
「本編ではこんなことを言っているのに亡命編では何故自爆的な発言をしているんだ?」という批判は、ヴァレンシュタインの発言に正当性がない、もっと言うと「説得力がない」ということを指しているわけです。
全く同じ事象で全く異なる主張が繰り広げられる場合、そうなるに至った特殊な理由や経緯が必要不可欠なのですが、本編と亡命編にそのような説明はどこにも存在しません。
強いて挙げるのであれば「ヴァレンシュタイン個人の事情」くらいなものですが、ヴァレンシュタイン以外の何者にも関係のないそんな私的事由では、「発言の正当性」を担保しえる要素になど全くなりえないのですし。
だからこそ、本編と亡命編の発言は互いに矛盾していると私は主張するわけです。

> 「軍事的な分野に於ける天才」の筈ですが。
> 他の分野では、ヤンは二流の歴史学者、ラインハルトは万能に近い秀才でしかないんですけど……。

あなたの「天才」の定義は「=ありとあらゆる方面で万能」だったりでもするのですかね?
元々「天才」というのは「全てにおいて万能」というわけではなく、特定の分野に才能が偏っている状態にあると、これは原作銀英伝の中でさえ言及されていることなのですが。
第一、「他の分野」について言及するのであれば、香月夕呼にしても自身の得意分野以外では凡人以下な部分だってありえるでしょうに。

またラインハルトについては、銀英伝3巻P37に「ラインハルトが軍事の天才であると同時に統治の天才でもある」という記述がありますし、原作者たる田中芳樹自身からして「意図的に完璧な存在にしました」などとのたまっているようなキャラクターとして定義されていたりします。
もちろん、政治と軍事以外な分野では「異性への関心」のごとく凡人以下な部分も多々ありはするでしょうけど。
政治面でも天才と原作では定義されているラインハルトと香月夕呼の天才性って、一体どこら辺に違いがあるというのですか?

> ?
> 原作にそんな記述がありますか?
> ラインハルトは比較的感情に流される傾向がありますし、ヤンとて論理性よりも自分の好悪を優先した結果が同盟の滅亡に繋がったのではないですか?

原作における帝国の門閥貴族や同盟の政治家達と比較する分には、「相対的に論理性を重んじる」とは言えるでしょう。
それどころか、ヤンファミリーやラインハルトの部下達でさえ、オーベルシュタインなどの一部例外を除けば、ラインハルトを盲目的に崇拝したり無批判に受け入れたりしている要素が多大にあったりするのですし。
そもそも、原作者たる田中芳樹自身、主人公をそのように描く傾向が多大にあり、それは銀英伝でも例外ではないのですから。

> 問題点はまさにここにあります。
> 彼等にとってヴァレンシュタインは、「自分にとって使える人間」ではなく「自分にとって使える知識を持つ人間」なのです。
> 自分を軽々と凌駕出来るだけの原作知識を、自分のものにしてしまえば用済みですし、その知識が他に漏れる事によってその優位性が消滅してしまう訳ですね。
> ラインハルトがそのような危険人物を放置するほど能天気だとは思えません。
> (オーベルシュタインがこの情報を知れば即時抹殺は間違いないでしょう)

香月夕呼と白銀武が繰り広げた駆け引き程度のことすらも、ヴァレンシュタインには不可能だとでもいうのですかね?
第一、原作のラインハルトは、実際に叛乱を起こしたロイエンタールをその寸前まで重用していたほどに「使える人材」に貪欲な人間なのですが。
当のヴァレンシュタイン自身、ラインハルトに仕えるために知識を磨いたり後方関連の経験を蓄えたりしていたのではないのですかね?
原作を見る限り、ラインハルトがヴァレンシュタインを遠ざけなければならない理由など、能力面でも性格面でもありはしませんよ。
オーベルシュタインにしても、ラインハルトに先んじて自分の部下として迎えるとか、最悪は表舞台に出てくる前に抹殺するとかして、その驚異を除去する方法がないわけではないでしょう。
原作知識があるからこそできるその手の防衛策を、ヴァレンシュタインは率先して実行すべきではありませんか。
それとも、こんなことすらできないほどにヴァレンシュタインは無能であるとでも?

> ヴァレンシュタインが亡命篇でカミングアウトしなかった事がそれ程おかしいとは思えません。
> (暗殺されかかったり、前線送りにされたりした後で、初対面の人間を全面的に信用できるでしょうか?)

そんなに信用できないはずの人間に対して、ヴァレンシュタインはあの「伝説の17話」のタイミングで原作知識を後付的に披露して論点をそらした挙句に罵り倒したわけですか。
あらゆる意味で究極のバカとしか言いようがないですね、ヴァレンシュタインは(爆)。
それに「初対面の人間を全面的に信用できるでしょうか?」って、何のために原作知識があると思っているのですかね?
原作知識を持つヴァレンシュタインは、本来誰よりもヤンやシトレのこと(特に人格や能力)を詳しく知りえる立場にいたはずなのに。
前線送りにされた件などは、どう見ても自業自得以外の何物でもなかったのですし、ヴァレンシュタインは被害妄想も甚だしいとしか評しようがないのですけどね。

> そもそも、Muv-Luv Alternativeで、何故彼女以外の仲間にカミングアウトしなかったんですかね。
> 彼女が超の付く天才科学者であったからという理由ならば、ヤンやラインハルトたちには適用不可ですし、人格的にも深い理解を持ち、信頼できる相手であるところの仲間達にまでその事実を伏せたのは何故ですか?
> 自分で自分の主張を否定してしまっている事に気がついていないのでは?

香月夕呼以外の人間で白銀武と親しい人間は、出自は良いにしても基本的に権力を持っていません。
白銀武のカミングアウトは、権力を持ちオルタネイティブ4の責任者でもあった香月夕呼に対するものだったからこそ有効だったのであって、それがない人間に対してカミングアウトなどしたところで、未来に絶望するか自暴自棄になるかのいずれかでしかないでしょう。
その香月夕呼相手にしても「賭け」の要素が全くなかったわけではなく、また当の白銀武自身も秘密を持て余して不必要に悲観的になる局面もあったのですから、相手を選ばなければならないのはむしろ当然のことです。
その手のカミングアウトは「自分や世界の命運を託せる人間」についてのみ「信頼の証」としてやれ、とは私も最初から一貫して述べていますし、「カミングアウト=無差別にやる」という図式の方が変なのでは?

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