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映画「ムーンライズ・キングダム」感想

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映画「ムーンライズ・キングダム」観に行ってきました。
1960年代、アメリカ北東部に浮かぶ小さな島を舞台に、一組の少年少女の行動とそれに振り回される大人達の姿を描いたコメディドラマ。
「ダイ・ハード」シリーズのブルース・ウィリス、「ゴーストバスターズ」シリーズのビル・マーレイなどといった豪華俳優が出演しています。
ストーリー自体はほのぼのとした展開ではあるのですが、作中では犬が矢に射抜かれ殺されている光景や、微妙なエロネタがあったりするため、PG-12指定されています。

アメリカ北東部のニューイングランド沖に浮かぶ、全長26㎞程度の小さな島・ニューペンザンス。
その島の西部に位置するサマーズエンドという地区に建てられている赤い家に、スージー・ビショップという12歳の少女が住んでいました。
彼女は、本を読んだり双眼鏡で自宅の周囲を観察したりすることを趣味としていましたが、やたらと厳格な父親と口うるさい母親、そして一日中管弦楽の音楽を聴き続いている3人の弟の存在に日々閉口していました。
そんな彼女の生活は、同じ島にあるカーキ・スカウトのキャンプ場で、ひとりの隊員が「スカウトを抜ける」との書き置きを残して脱走したことから一変することになります。
脱走から遡ること1年前、彼ら2人は「ノアの方舟」の演劇が行われている楽屋で出会ったのをきっかけに意気投合し、1年間の文通を通してついに2人で駆け落ちを決行するに至ったのでした。
サムはカーキ・スカウトのキャンプ場からサマーズエンドまでひとりで歩き続け、スージーとの邂逅しそのまま2人で道なき道を進み始めるのでした。
事情を知ったカーキ・スカウト、およびビショップ家の面々は、島唯一の警官であるシャープ警部に事の次第を伝えると共に、2人を探し出すべく行動を起こします。
島を上げて2人を捜索する捜索隊と、人目を避けるように島を渡り歩く少年少女のサバイバルな探検がここに始まることとなるのですが……。

映画「ムーンライズ・キングダム」のタイトル名の由来は、駆け落ちした2人が逃避行の末にたどり着いた、ニューペンザンス島の中央北部にある入り江の浜辺にあります。
そこは元々「3.25海里 潮流口」などという、およそ地名とも言い難い散文的な名前で呼ばれていた場所だったのですが、その名前が気に入らなかった2人が代わりに名付けたのが映画のタイトルだったというわけです。
その場所は一応、2人が初めてダンスを踊りキスを交わし、一夜を共に過ごした場所でもあったので、思い出の地ということで映画のタイトルにもなったのではないかと。
ただその割には、作中における扱いがどうにも小さかった感は否めなかったところなのですが。
作中におけるあの場所の扱いがそこまで重要なものだったことが理解できたのは、サムがスケッチであの場所を描いていたラストシーンからでしたし。
あの場所で大人達に見つかり連行された後もさらに物語は続き、第二の逃亡先となった隣の島では疑似結婚式まで上げていたので、浜辺のエピソードよりもそちらの方が重要度は高いのではないかとすら考えていたくらいでしたからねぇ。
12歳であそこまでの行動力があるというのは、ある意味羨望に値することではあるのかもしれませんが、作中の子供達は良くも悪くも「純真」なのだなぁ、とついつい考えてしまったものでした。

あと、今作は1960年代が舞台だからなのか、年端もいかない子供に対してロボトミー手術だの電気ショック療法だのを行うなどといった行為が、作中でも誰に憚ることなく登場人物達によって堂々と語られていたりします。
当時のアメリカって、現代から考えるととんでもない非常識がまかり通っていた時代なのですね。
同じような精神科関係の用語が語られている「シャッターアイランド」「エンジェルウォーズ」なども、今作と比較的近い時代が舞台となっていますし。
複数の作品で同じように語られる傾向にある1900年代半ばにおける精神科系の外科手術療法というのは、現代のアメリカにとってもやはりそれなりに印象に残るダーティな歴史だったりするのでしょうか?
今となっては倫理どころか科学的にも医学的にも完全に間違っているシロモノでしかないのですから、その手の外科手術療法が映画の中で肯定的に語られるわけもないのですが、当時としては一体どんな形で受け入れられていたのでしょうかね、これって。

今作ではブルース・ウィリスとビル・マーレイが出演していたということが観賞を決めた最大の要素となったのですが、個人的にはブルース・ウィリスよりもビル・マーレイの方が期待値は高かったんですよね。
アクションスターとしてではないブルース・ウィリスって、「サロゲート」や「LOOPER/ルーパー」のごとくイマイチな感が否めないところですし。
しかしいざ蓋を開けてみると、ビル・マーレイはイマイチ見せ場がなく、むしろブルース・ウィリスの方が「カッコイイ大人」を演じていましたね。
正直、全く期待していなかっただけに意外な感がありましたが。
それと、ブルース・ウィリス演じるシャープ警部が島を走り回っていた際に乗っていたパトカーが、かつての「ゴーストバスターズ」シリーズで使用されていたクルマと同じ形であるように見えたのは、オマージュを意図したものなのか単なる偶然なのか、ちょっと考えてしまったものでしたね(^^;;)。
同シリーズの主人公を演じたビル・マーレイが出演していることを考えても、まるきり偶然であるようにも見えなかったですし。

豪華俳優が出演してはいるものの、演出や構成などはかなり安っぽく作られている感がどうにも拭えない作品ですね。
出演している俳優さんのファンの獲得を意図して作られた映画である、ということになるのでしょうか。


コメント一覧

sakurai (02/24 09:55) 編集・削除

どんな豪華な役者さんを使っても、安っぽい味わいになるのが、この監督さんの妙というか、ウェス・フィルターと言いましょうか、特徴ですよね。
わりと好きですわ。
この監督さんの純愛ものが見れるとは思ってもいませんでした。

http://blog.goo.ne.jp/sakura1043_2004/

冒険風ライダー(管理人) (02/24 10:56) 編集・削除

>sakuraiさん
私はウェス・アンダーソン監督製作の映画は今作が初めてとなるのですが、1960年代の映画を製作するに当たり、作品構成や映像の質までその時代に合わせているような作りではありましたね。
それが一般受けするのがどうかは微妙なところではあるのですが。

http://www.tanautsu.net/

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