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テレビドラマ「大奥 ~誕生~ 有功・家光篇」 第8話感想

全10話放送予定のTBS系列の金曜ドラマ「大奥 ~誕生~ 有功・家光篇」。
いよいよ残り3回となり、ラストも見えてきた今回は2012年11月30日放映分の第8話感想です。
前回第7話の視聴率は、これまでの放映分では最低記録となる7.1%。
内容的には「動物の死」や陰惨なイジメなどは特に描かれていないのですし、必ずしも悪いものではなかったはずなのですが、一体何が災いしていたのでしょうか?
なお、過去の「大奥」に関する記事はこちらとなります↓

前作映画「大奥」について
映画「大奥」感想&疑問
実写映画版とコミック版1巻の「大奥」比較検証&感想

原作版「大奥」の問題点
コミック版「大奥」検証考察1 【史実に反する「赤面疱瘡」の人口激減】
コミック版「大奥」検証考察2 【徳川分家の存在を黙殺する春日局の専横】
コミック版「大奥」検証考察3 【国内情報が流出する「鎖国」体制の大穴】
コミック版「大奥」検証考察4 【支離滅裂な慣習が満載の男性版「大奥」】
コミック版「大奥」検証考察5 【歴史考証すら蹂躙する一夫多妻制否定論】
コミック版「大奥」検証考察6 【「生類憐みの令」をも凌駕する綱吉の暴政】
コミック版「大奥」検証考察7 【不当に抑圧されている男性の社会的地位】
コミック版「大奥」検証考察8 【国家的な破滅をもたらす婚姻制度の崩壊】
コミック版「大奥」検証考察9 【大奥システム的にありえない江島生島事件】
コミック版「大奥」検証考察10 【現代的価値観に呪縛された吉宗の思考回路】
コミック版「大奥」検証考察11 【排除の論理が蠢く職業的男性差別の非合理】

テレビドラマ「大奥 ~誕生~ 有功・家光篇」
第1話感想  第2話感想  第3話感想  第4話感想  第5話感想  第6話感想  第7話感想

第8話は、原作3巻P197から4巻P11までのストーリーとなります。
お楽の方が死亡後、春日局が危篤状態に陥り死ぬシーンから、公の場における女版家光のお披露目までが描かれています。
ただ一方で、これまでの話ではスルーされていたエピソードが順番を入れ替える形で出てきていたりもしますね。
今話のオリジナル要素は以下の通り↓

・春日局の看病について「何故!?」と問い質しにきた玉栄と、それに答える有功。
・有功に触れることを嫌がる矢島。
・有功に自分の過去を話す春日局(内容は原作3巻P44~P47のエピソード)。
・稲葉正則の死で、妹の「のの」が代わりに稲葉正則に成り替わる。
・「自分を恨んでいるであろう?」と有功に返答を求め、かつ「平和のために手段を問わなかった」と告白する春日局。
・その春日局に対し、自身の心境を語る有功。
・春日局の死の間際に回想シーン(内容は原作3巻P51~P52のエピソード)、および女版家光との会話。
・春日局の死で稲葉正勝が号泣するシーン。

いよいよ男女逆転が公然と歴史の表舞台に出てくることなった今回のストーリー展開で、しかし多大なまでの違和感を覚えざるをえないのは、男性が減って女性が圧倒的多数になって社会的な実権を掌握していく過程が原作と比較して圧倒的に少なく、登場人物の説明だけで強引に片づけているために、その必然性や切実感が今ひとつ弱い感が否めないことですね。
原作だとこれは、神原家のエピソードでそれなりなレベルで語られることではあるのですが、神原家はテレビドラマ版には全く出てきていないのですし。
代わりに出してきたのが稲葉正勝の一家ということになるのでしょうが、作中に出てくる赤面疱瘡の脅威と社会的な男女逆転の変遷を示す描写が少ない上に規模が小さすぎることもあって、見様によっては「単にお家存続の危機にある個々の武家が、お家取潰しの沙汰が下ることを避けるための自己保身的な手段として女性を男性に見せかけているだけ」でしかないようにも解釈できたりしてしまいます。
作中の赤面疱瘡は、全身が赤くなる不治の奇病としての部分ばかりが強調されていて、その驚異的な感染力や人口激減などについては全く何も描かれていません。
本当に赤面疱瘡の脅威を描くのであれば、映画の「アウトブレイク」や「感染列島」のごとく、人から人へ次々と集団感染していく様をきっちり描き、若い男性が次から次へと大量にバタバタ死んでいく描写でも織り交ぜないと説得力など出しようがないでしょうに。
まあその点については原作でも甘い描写に終始してはいるのですが、その原作と比較してさえも、登場人物の説明にその大部分を依存している赤面疱瘡の脅威の描かれ方は、個人的な嘆きとしてはともかく、社会的な切実感や緊迫感といったものがまるで伝わってこないシロモノにしかなっていないのですが。
作中の赤面疱瘡は、江戸時代の四大飢饉(寛永・享保・天明・天保)の犠牲者数の総計をさらに2~3倍しただけの数の人口を減らしているというのに。
「大奥」世界の世界観にも関わってくるであろうその辺りの事情を、登場人物の説明や解説だけで終わらせてしまうというのは正直どうなのかと。
身も蓋もないことを言えば、番組制作の予算がないからそんな描写に終始しているのでしょうけど、もう少し何とかならなかったのでしょうかねぇ。

今話は全体的に、原作ストーリーの引き伸ばしとオリジナル要素を織り交ぜて時間稼ぎでもしているかのような構成でしたね。
原作を知っているからというのもあるかもしれないのですが、どうにも退屈な展開が延々と続いているような印象が拭えなかったです。
個人的には今まで一番面白くなかったエピソード回でしたね、今話は。
残りはあと2話で、次回は有功が大奥総取締に就任するまでの話となるようなのですが、今回のような「引き伸ばし感」満載なストーリーは勘弁願いたいものです。


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