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映画「プロメテウス」感想

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映画「プロメテウス」観に行ってきました。
リドリー・スコット監督が制作を手掛けた、人類の起源をテーマとするSF作品。
今作は3D/2D同時上映で劇場公開されていますが、私が観賞したのは2D版となります。
しかし、今作は本来2012年8月24日から公開のはずなのですが、私の行きつけの映画館では土日だけとはいえ、8月4日から延々3週間も先行上映をやっていたりするんですよね。
8月4日は1回上映限定だったにしても、実質的には8月11日からの劇場公開といっても過言ではない状況でしたし。
お盆休みの時期を狙ってのものではあったのでしょうが、それならば最初から8月11日公開にすれば良いのにと、ついつい考えてしまいましたね。
なお作中では、女性の腹から子宮を摘出するなどのスプラッタな描写が披露されていることもあってか、この映画はPG-12指定されています。

映画の冒頭、全体的に白く、かつ毛髪の類が全くないものの、限りなく人間に近い容姿のエイリアンが、黒い液体を飲んで身体に異変をきたしながら大河?へ飛び込み、その身体がDNA単位で分解されていく光景が展開されます。
一旦は破壊された彼のDNAが、水の中で再度DNAとして構築されていき、これが生物(人間?)の起源になったらしきことが描写されています。
しかし、物語全体を通して、この行為に何の意味があったのか、また「何故彼がこのようなことをしたのか?」という理由については全く解明されることなく終わっています。
まあ前者については、「これが人類の起源だったのだ!」的なことが言いたかったのではあるのでしょうが、具体的な明示は全くなされておらず、しかも理由が分からないのでは意味不明な描写もいいところですし。
制作側としては、人類起源の謎を断片的に提示しつつ、次回作に繋げたいという意図でもあったのかもしれませんが、そのため今作単独ではいささか消化不良の感が否めないところではありますね。
そもそも、「今作は本当にシリーズ化するのか?」ということすら現時点では不明なのですし。

そこから時代は現代からさらに進むこと2089年。
考古学者のエリザベス・ショウとチャーリー・ホロウェイの2人は、イギリスのスコットランドにある古代遺跡の壁画を目の当たりにしていました。
そこで描かれている壁画には、これまで見てきた他の古代遺跡と共通する星座が描かれています。
しかし、星座が描かれていた古代遺跡の間には全く交流の記録も形跡も確認されていません。
各古代遺跡の壁画に描かれた星座は、人類の起源の謎を解くカギなのではないかと考えられ、ウェイランド・コーポレーションという巨大企業の下、星座に描かれている星に人類を派遣して探索するという壮大なプロジェクトが始動されました。
未知の惑星へ赴くための宇宙船は「プロメテウス」と名付けられ、エリザベス・ショウとチャーリー・ホロウェイを含む総計17名で構成される調査チームが構成されることになりました。
そして年単位に及ぶ低温睡眠状態の宇宙航行を経て、2093年、彼らは人類の起源とされる星座上の惑星に降り立つことになります。

惑星の大気圏へ降下後、惑星の大気圏内を飛び回りつつ、惑星の調査を進めるプロメテウス号。
惑星上の大気成分は、窒素が7割台後半・酸素が21%と地球のそれにほど近い内容だったものの、一方で毒性の強い気体が3%弱程度あることから、外での活動には防護服&ヘルメットの着用が必須とのこと。
さらに惑星の地表へ近付いていくプロメテウス号は、やがて明らかに人工的に作られた直線の道路と思しき形跡と、ドーム状に見える山を発見します。
ドーム状に見える山は、プロメテウスの分析結果から、内部が空洞であることが判明。
そこに人類の起源の謎を解くカギがあると誰もが判断する中、数人の調査隊がドーム状の山へと向かい、ドームの内部を探索することになるのでした。
それが、誰もが思いもよらぬ結果をもたらすとは知らずに……。

映画「プロメテウス」は、元々1979年に初めて劇場公開された「エイリアン」シリーズの前日譚として制作が進められており、途中で路線変更したという経緯を辿っています。
路線変更した後も「エイリアン」シリーズの影響は色濃く残っており、調査チームがドームに入って以降は、「エイリアン」を髣髴とさせる存在が調査チーム達を次々と殺していきます。
この辺りは、元がホラー系作品であるが故の描写でしょうね。
ただ、変にホラー要素を前面に出し過ぎた結果、「人類の起源の謎を解く」という映画のキャッチフレーズに象徴される、ミステリーとSF冒険アドベンチャー的な要素は大きく損なわれてしまった感が否めないところなのですが。
物語後半なんて、もう「人類の起源」云々は脇に追いやられ、生物兵器という正体が判明した化け物達と、「エンジニア」と呼ばれる人類の元となった存在の悪意に対処するのがすっかりメインになってしまっていましたし。
「人類の起源」について作中で明らかになったのは、

DNA的に見て人類と同じ種と見られる「エンジニア」と呼ばれるひとりの宇宙人が、原始時代の地球に降り立ち、自身の身と引き換えにDNAを地球に放出することで人類を作りだした(何故人類を作りだしたのかについての理由は一切不明)。
しかしその後、今度は地球上の人類を滅ぼそうと生物兵器を作り上げた(ドーム状の山はその生物兵器を保管・散布するための宇宙船の一部。また「何故地球の人類を滅ぼそうと考えたのか?」についても全く不明)
生物兵器を満載した宇宙船は、地球へ向けて出発しようとした際、何らかのトラブルが発生し、「エンジニア」達は作中で覚醒した低温睡眠状態のひとりを除き全て全滅した。

しかし、仮にも「人類の起源」というのであれば、「人類を作った」「人類を滅ぼそうとした」如何なる理由があったのか、ということについても明らかにならないと、正直不完全燃焼もいいところなのではないでしょうかねぇ。
結局、「人類の起源」云々の話は相変わらず謎のヴェールに包まれたままで、17人の調査チームの中でただひとり生き残ったエリザベス・ショウが、「エンジニア」達が残した別の宇宙船を使って再び探求の旅に出る、という形で終わってしまいましたし。
映画「プロメテウス」は既に続編制作が決定しているとのことで、最初から続編制作を前提に制作されてはいたのでしょうが、正直、この出来とこの内容では、続編が待望され実際の制作にGOサインが下りるだけの興行的な成功が収められるのかどうか……。
この映画、当初の予定通りに「エイリアン」シリーズの起源作品として素直に売り込んでいた方が、却って内容的にも合致し面白いものになったのではないかと。

「人類の起源」云々以外で一番印象に残ったのは、たった1日のセックスで妊娠3ヶ月と判明するや否や、プロメテウス号に搭載されていた手術マシーンを使い、自分の腹から胎児の摘出手術を実行してのけたエリザベス・ショウの描写ですね。
いくら麻酔が効いているとは言え、意識のある中で自分の腹がレーザーで切り開かれていき、化け物の胎児が摘出される一部始終を全てその目で直接目の当たりにしていながら、よくまあエリザベス・ショウは発狂しなかったものだと。
アレだけの手術を敢行していながら、その後も全く支障なく動き回れるというのも凄いですが。
手術の際の出血も(現代のそれと比べれば)問題にならないほどの少量だったようですし、この辺りはさすが未来技術、といったところになるでしょうか。

未来技術ならではの小道具については、構造物の中を赤外線?を放ちながら自動で巡回しつつ、プロメテウス号にデータを送信して地図を作り上げていくシステムや3Dホログラフィー的な映像投影技術など、作中でも色々と描写されていました。
その中でも最たる未来技術の結晶は、やはり何と言っても外見上は人間と全く区別がつかないデヴィッドになるでしょうか。
記憶能力はもちろんのこと、自分でものを考えて動くことができ、かつ首がもげても会話を続けることができるデヴィッドは、まさに未来ロボットの鏡と言えるものがありました。
ただ、一方でデヴィッドは、チャーリー・ホロウェイの飲み水に、エリザベス・ショウが妊娠すると共にチャーリー・ホロウェイの死因にもなった、生物兵器の毒を混入させるという行為を行っているのですが、正直これは一体何がしたかったのか理解不能ですね。
人間としての感情がないが故に、そこらの人間を使って人体実験をするつもりだったのかもしれませんが、これをデヴィッドは他の誰かに報告するでもなく自分の独断で行っていますし。
そうかと思えば、物語終盤ではエリザベス・ショウに対して積極的なサポートを行ったりしていますし。
どうにも作中におけるデヴィッドの行動には行き当たりばったりな要素が拭えないのですが、彼は一体、最終的に何がやりたかったのでしょうか?

続編制作が既に決定しているということから考えても、今作は「続編の出来と関連性を見て初めてその真価を発揮する作品」と言えるのではないかと。
逆に今作単独だけで見ても、分からない謎と分かりにくい展開だらけで、正直あまりエンターテイメント的に楽しめる映画とは言い難いですね。


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