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映画「スリーデイズ」感想(DVD観賞)

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映画「スリーデイズ」をレンタルDVDで観賞しました。
日本では2011年9月に劇場公開されたアメリカ映画で、2008年公開のフランス映画「すべて彼女のために」のハリウッド版リメイク作品です。

どこにでもいる、ごく普通の両親と息子の3人家族であるブレナン一家。
いつものように朝の食事をとっていたブレナン一家を、突如複数の警官達が包囲し、妻のララ・ブレナンが殺人容疑の罪で逮捕されてしまったことから物語は始まります。
ララの夫で今作の主人公であるジョン・ブレナンは、妻の無罪を信じ3年にもわたり法廷闘争を繰り広げるのですが、1審はむろんのこと2審の裁判でも、ララの無罪を勝ち取ることは叶いませんでした。
ララの弁護人は、日本の最高裁に当たるアメリカの連邦最高裁では30年以上にわたって殺人事件を扱っていないことを理由に、判決を受け入れるよう進言します。
しかし、妻の無実を信じているジョンは当然のごとくそれを受け入れません。
しかし、もう裁判で逆転の目が全くないことは、如何にジョンと言えども覆すことのできない事実でした。
法の正義というものをまるで信じられなくなったジョンは、ここに至ってついに妻を刑務所から脱獄させ、逃亡生活を送ることを決意します。

ジョンは脱獄計画を成功させるため、過去に7回にわたって刑務所からの脱獄に成功した実績を持つデイモン・ペニントンに接触します。
彼はジョンに対し、「逃亡生活を続けることに比べれば、刑務所を脱獄すること自体は容易なことだ」と述べ、刑務所を脱獄するための極意をいくつか教えるのでした。
税関を通過できる新しい社会保障番号と偽造パスポートを揃え、逃亡のための資金を用意すること。
刑務所の官吏達は日常の業務を惰性的に行っていることから、非常時の際には隙が生まれやすいので、刑務所の様子をよく観察した上でその隙を突くこと。
逃亡の際にはアメリカと仲の良くない国に高飛びしてしまうこと。
そして何よりも、手段を問わず脱獄を成し遂げるという覚悟を持つこと。
ジョンはそれらのアドバイスを全て実行に移すべく、まずは社会保障番号と偽造パスポートを得るべく内々の活動を始めます。
最初のうちは、その手の裏稼業の人間にいくら金を積んでも、ただ金を奪われた挙句に暴力を振るわれるだけの結果に終わるのみで、なかなか目的のブツを手に入れることができません。
しかしそれでも、相場の2倍近い金をかけた末に、何とか家族全員が逃亡するのに必要な3つの社会保障番号と偽造パスポートを揃えることに成功します。
ただ、そのための代償は決して少ないものではなく、なけなしの資金も底を尽きることになってしまいます。
さらには、有罪が確定したララが、3日以内にこれまでの刑務所とは全く別の遠い場所にある刑務所へ移送されるとの情報が、面会したララからもたらされるのでした。
窮地に追い込まれたジョンは、ついに強硬手段を取ることを決意するのですが……。

映画「スリーデイズ」の最も皮肉で面白いところは、無実の妻ララを救うために有罪確実の犯罪を重ねていかなければならないという夫ジョンの立場ですね。
彼は妻を助けるために脱獄の準備を進め実行するのはもちろんのこと、資金難から麻薬密売組織のアジトを襲撃し、その構成員を2人も殺害して札束を奪ってしまいます。
必要に迫られ、また相手が麻薬密売グループとはいえ、立派な強盗殺人ですし、無実の妻を助けるために自分が罪を重ねるというのは本末転倒ではないか、とは思わなくもなかったですね。
もちろん、ジョンにしてみれば、2審でも有罪判決な上に再審の道も断たれたことで妻を助ける方法が他になくなってしまったわけですし、アメリカの社会システムそのものに絶望を抱いていたというのが正直なところではあったのでしょうが、それでも自ら強盗殺人を犯すというのは、当人にとっても「ルビコン川を渡る」的な心境ではあったのではないかと。
ジョン自身、強盗殺人を犯したことで「もう引き返せない」「ここで手をこまねいていたら何もしなくても全てを失う」という覚悟を抱かざるをえなかったでしょうし。
妻を見捨てて息子と2人だけで人生をやり直す、という選択肢も、ジョンにとっては論外なシロモノだったでしょうからね。
この「覚悟の描き方」というのは結構上手い部類に入るのではないかと思います。

制限時間が課せられ、一刻の猶予もない脱獄作戦は、全体的に紙一重的に警察の包囲網を掻い潜りつつ、時間が経てば経つほどに敵を罠に嵌める余裕が出てくるというパターンで進行していきます。
ジョンやララにとっての一番の難所は、一番包囲網が厚く隙を見出しにくい監視下の病院だったということになるのでしょう。
ある程度距離を離しての心理戦であれば、ある程度頭を使えば何とかすることもできるわけですが、警察を直接相手取っての逃亡劇となると、「逃げ方をどうするか?」以外の智恵など活用のしようがないわけです。
ジョンもララも別に武芸の達人というわけではなかったのですから、警察に捕まったらその場で一巻の終わりだったのですし。
この辺り、主人公が超人やスパイアクション系の凄腕工作員でないのがよく出ていますね。

個人的に少し御都合主義的に思えたのは、片道20分以上もかかる動物園に息子が行ってしまった件で、迎えに行くかどうかであれだけド派手に揉めたにもかかわらず、そのことで他者から警察へ通報が行くでもなく、またいともあっさりと息子を迎えにいくことが出来てしまった点でしょうか。
高速道路?とおぼしき場所でアレだけ危険運転でスピンしまくっていたら、他の通行人に対して目立ちまくり&大迷惑かけまくりなわけですし、通報が行かないほうが変だと思うのですが。
また、警察も「2人は子供の場所へ向かうだろう」と目星をつけていた割には、時間をかけまくって揉めにもめていたジョンとララ相手に後れを取ってしまい、結局3人を逃がす羽目になっていましたし。
個人的には、あの揉めていた時間は充分に致命傷たりえましたし、警察が先回りする時間くらいのロスは普通にあったのではないかと思えてならないのですが。
デイモン・ペニントンの「脱獄の心得」を見事に無視した上での行動でしたし、アレで助かるというのは少々御都合主義的な感が否めないところですね。

アクションはやや地味ながらも、手に汗握るサスペンス的な面白さはなかなかのものではないかと思います。


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