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TOHOシネマズが導入した映画チケット自動発券機の課題

2012年の4月頃から、全国各地のTOHOシネマズ系列のシネコンにて導入された、チケットカウンターの自動発券機。
既存のインターネットチケット販売「vit」と並ぶ、TOHOシネマズが繰り出した販売戦略の一翼を担うシステムです。
導入からそれなりの時間が経過していますが、今回はこの自動発券機の問題点について少し。

TOHOシネマズで導入された自動発券機は、映画館の戦略的には、発券窓口の人件費を削減すると共に、ともすれば閉じられがちな窓口を常時オープンさせ続けることで、客のチケット購入需要に常時対応可能にすることを目的にしたものと思われます。
客が列を作って並んでいるのに受付可能な窓口が1つしか開いていない、という事態も結構ありましたし、理屈の上で言えば、企業的にも観客的にも利益が出るものとなるはずです。
しかし、実際にチケットカウンターに並んでみると、自動発券機の設置数が増えたことで以前よりも多くの客が捌けるようになっているにもかかわらず、以前よりも却って流れが悪くなっているような感がどうにも否めないんですよね。

自動発券機でチケットを購入する客の様子を見てみると、自動発券機の前で戸惑っていたり、考えこんでいたりする光景がしばしば目につきます。
TOHOシネマズの自動発券機は、操作方法自体がコンビニのATM以上に煩雑で、初心者の場合は操作方法が分からず立ち往生してしまうことも珍しくなかったりします。
TOHOシネマズ側も、一応はそういう事態を想定してスタッフを常駐させているのですが、教えられながらのたどたどしい操作では、当然のごとく自動発券機の滞留時間も通常より長くなります。
そうなると、たったひとりの客が止まることで後ろがつかえてしまい、結果的に渋滞を招いて回転率が悪化してしまうなどという、観客的にも企業的にも望ましくない事態が発生することになってしまうわけです。
かくいう私自身、あの自動発券機は何度か操作したことがあるのですが、この手の操作に慣れている人間から見ても、操作の手順がかなり多い感は否めなかったところですからねぇ。
しかも、これがさらに家族などで複数分のチケット発券をひとりでやっていたりすると、さらに厄介なことになりかねないわけで。
家族全員がそれぞれシネマイレージカードを所持していたりする場合、作業を一括で行うことができないのですから。
それやこれやで、ひとりないしは一組の集団が自動発券機の前でモタモタしながら作業に没頭することによる渋滞が、人間のスタッフがやっていればありえない落とし穴として立ちはだかることになるわけです。

この手の自動発券機の操作方法に纏わる問題については、まだ導入して間もないことから「客側が慣れていない」という事情も当然あるでしょう。
何度も繰り返し操作していけば、やがて慣れていって操作時間も短縮されるのは間違いないのですから。
しかし、ただでさえ映画館の観客には「数ヶ月~1年に1度程度」の一見さんが少なくなく、あまり自動発券機に触れることのない彼らがこの手の自動発券機の操作に慣れるのはかなり難しいものがあります。
特に人気映画ともなれば、彼らの割合は飛躍的に増えることになるわけですから、慣れない操作による人の流れの停滞と渋滞の発生は無視できない問題になりそうです。
また、レディースディやシニア割引を見ても分かるように、映画館は女性層やシニア層を観客のメインターゲットに据えているところがあるのですが、それらの層はこの手の操作を特に苦手としている人達が少なくない層でもあります。
常連客であればそれでも慣れるのは難しくはないでしょうが、これが一見さんだったりすると一体どうなるのか……。
映画館の主要客層が交通渋滞の原因になる、というのは映画館側にとっても皮肉もいいところなのではないでしょうかねぇ。

TOHOシネマズのみならず、映画館の自動発券機の導入自体は「時代の流れ」と言える部分もあるのですが、それが問題も違和感もなく自然に受け入れられるようになるには、まだまだ少なからぬ時間が必要になりそうですね。


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