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映画「SP THE MOTION PICTURE 革命篇」感想

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映画「SP 革命篇」観に行ってきました。
フジテレビ系列で放送されたテレビドラマ「SP 警視庁警備部警護課第四係」の映画版「SP THE MOTION PICTURE」2部作の後編に当たります。
全く予備知識がなかった前作の観賞時とは異なり、今回はテレビドラマ版のエピソード0~4、映画版前編の「SP 野望篇」、そして「SP 革命前日」を全て網羅し、準備万端整えた上で映画観賞に臨むことと相成りました。
過去作を観賞した際の私の感想については以下を参照のこと↓

映画「SP THE MOTION PICTURE 野望篇」感想
テレビドラマ版「SP 警視庁警備部警護課第四係」エピソード1&2感想
テレビドラマ版「SP 警視庁警備部警護課第四係」エピソード3&4感想
テレビドラマ「SP 革命前日」感想

私が観に行った映画館では、初日で期待作ということもあり、スクリーンはほぼ満席状態でしたね。
ただ全国的に見れば、やはりこの作品も東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の影響は避けられなかったところだったでしょうけど。

物語は、「SP 革命前日」でも登場していた、妙にがらんどうな印象があるワンルームから、尾形総一郎が出勤していくところから始まります。
机には、これまた「SP 革命前日」で執筆していた井上薫宛に書かれた封筒が置かれています。
尾形総一郎はそれを胸ポケットにしまい、自らの職場である警視庁警備部警護課第四係へと向かうことになります。
一方、警視庁警備部警護課第四係では、サブリーダー格の石田光男と山本隆文が「SP 革命前日」で過ごした休暇の内容について語り合っています。
そこへ笹本絵里が登場し、山本隆文と2人でドツキ漫才を展開している最中に、我らが主人公である井上薫が入ってくるという展開になります。
しかしそこで突然、井上薫の例の危機感知能力が発動し、本人に「何かが起こる」と予感させます。
そんな中、トリで警視庁警備部警護課第四係に姿を現し、部下の4人組に、内閣総理大臣・麻田雄三の不信任案が提出される国会へ赴く4人の議員達を護衛する任務を伝える尾形総一郎。
エピソード4の最後と「SP 野望篇」以降、尾形総一郎に不信感を抱くようになっている井上薫もまた、議員のひとりの護衛任務に従事しつつ、国会議事堂へと向かうことになります。

国会議事堂の衆議院棟で本会議が始まる中、外で待機するSP4人組に別室を「検索」するよう命じて自分達と切り離しつつ、残ったSPメンバーと偽装した工作員達で国会議事堂の制圧に乗り出す尾形総一郎。
事前に周到な準備を整えていた襲撃側に対し、襲撃自体全く想定していない上に武器の携帯すら許されていないためにほとんど無防備と言っても過言ではない警備員達。
当然、マトモな勝負になどなるはずもなく、瞬く間に警備員達は倒され、衆議院棟へ続く通路は次々と封鎖されていきます。
そして全ての封鎖が完了し、不信任決議案で揉めに揉めている衆議院棟の扉を開き、拳銃を携えて侵入する襲撃者達。
国会議員達を銃で脅しつつ、壇上に上がった尾形総一郎は銃声一発と共に高らかに宣言します。
「国民の諸君に告ぐ。 現在をもって国会議事堂、衆議院棟は我々の支配下にはいった」と。
これが「革命」の始まりになります。

前作の「SP 野望篇」と同様、「SP 革命篇」のストーリーもまた、これまでの全エピソード、特に「SP 革命前日」を予め観ておかないと分からない設定が多いですね。
公安部所属の田中一郎が登場早々重傷を負って入院している光景や、本来国会警備の予定がなかったはずのSP4人組が国会警備に従事していることに気づいて愕然とする梶山光彦の姿などは、「SP 革命前日」を観ていないと意味不明な話でしかありませんし。
映画版「海猿」シリーズなどが単体でも話が成り立つ仕様であることを考えると、全ての話を踏襲しておかないとストーリーどころか人間関係や世界観すら理解できない、というのは、観客にとってはややハードルが高いかもしれません。
まあ、製作者側もその辺りのことを自覚していたからこそ、映画公開1週間前というタイミングで、スペシャルアンコール特別編や「SP 革命前日」をテレビ放送していたのでしょうけどね。

前作「SP 野望篇」で盛大に振舞われたアクションシーンは今作でも健在でした。
「革命」が始まり、SP4人組を始末に向かったSP四係新人チームとの戦いが勃発して以降はアクションシーンの連続。
エピソード2の戦いを髣髴とさせるような「そこら辺のありきたりな道具を使って撹乱・奇襲を仕掛ける」的な描写もあります。
ただ、それだけの卓越した戦いができるのに、衆議院棟の扉を守っていたSP所属の門番2人を倒す際に何故か丸腰同然で正面から説得に当たるという手に出ていたのは不可解もいいところでしたが。
国会制圧という挙に出ていたメンバー達は当然それなりの覚悟で事に当たっていたわけですし、井上達の説得に応じる方が変なのですし、それまでと同じように奇襲をかけて倒した方が安全確実だったのではないでしょうか。
相手が拳銃を一発ぶっ放すだけで衆議院棟や他の階にいる仲間達に自分達の所在が知られ、人質どころか自分達の身の安全すら確保しえなくなる、という現状でのあの作戦は無謀極まりない行為としか言いようがありませんし。

尾形総一郎が意図した「革命」の実態は、マスコミに国会を生中継させ、議事録にも発言内容を完全に記録させた状態で、特定政治家の過去の汚職や犯罪行為を暴露し、罪を認めさせるというもの。
何か一昔前の左翼グループの間でさかんに行われていた「総括」を想起させるものがあるのですが、本質的には「復讐」が目的だった尾形総一郎にとっては唯一絶対の必殺な策だったのでしょうね。
国民の審判を恐れる民主主義国家の政治家にとっては、確かにこれ以上ないほどに恐ろしい効果的な「罰」になりますし。

内閣を構成する閣僚達に対する追及から始まった「革命」は順調に推移し、最後に本命である麻田雄三が壇上に立たされることになります。
ここで麻田雄三は、自身を先輩として慕っていたとある議員の「自殺」についての「お前が殺したんだ!」と糾弾されることになるのですが、その際に描写された回想シーンから、実は尾形総一郎と伊達國雄が実の兄弟らしい、という事実が発覚します。
「SP 革命前日」で、伊達國雄が尾形総一郎を信頼しているかのような謎の発言を披露していたのはこれが原因だったわけですね。
しかし、尾形総一郎は確かに伊達國雄を裏切りませんでしたが、伊達國雄は尾形総一郎を見事なまでに裏切りました。
しかも伊達國雄は他の襲撃メンバー達も取り込み、尾形総一郎に銃口を向けさせるという念の入れよう。
さらにそこへ、門番達を説得し扉の向こうで待機していたSP4人組が乱入。
仲間の襲撃メンバーが次々と倒され、内と外の両面から尾形総一郎が意図した「革命」は失敗に終わってしまいます。

自分達の脅威が消失したことを知った議員達が扉に向かって殺到していく中、麻田雄三はよせば良いのに護衛もなしに単独で地下通路に逃げる道を選択してしまいます。
他の議員達をある意味「盾」にして一緒に安全圏まで逃げていれば、身の安全は普通に保証されていたのに、わざわざそんなことをするから尾形総一郎が追撃を開始してくるんですよね(苦笑)。
ここから始まる麻田雄三を巡る追跡劇は、アクションシーンがあることを除けばエピソード4のそれを想起させるものがありましたね。
これが最終的には、予告編や「SP 革命前日」にもあった屋上での対峙に繋がるわけです。

映画「SP 革命篇」は「運命の最終章」「The Final Episode」と謳われているのですが、終盤の展開を見る限りでは未だ解明されていない謎が残されており、また別の黒幕的な存在も暗示されています。
尾形総一郎が井上薫宛に出した封筒も、結局内容の公開どころか封を切られることすらなく終わってしまっていますし。
どう見ても「続きがある」ような終わり方をしているのですが、果たして続編が作られることはあるのでしょうか?


コメント一覧

nori (05/12 01:06) 編集・削除

門番のSP2人は決行後に賛同した
首相付SPの中の2人だったはずです。

一時的にテロリストの軍門に下ってはみたものの
井上にSPとしての使命を説かれて思い直す

そんな風に見てました

冒険風ライダー(管理人) (05/12 03:39) 編集・削除

確かにあの2人は主人公四人組に敵意を剥き出しにしていた四課新人SP達とは違いましたね。

ただ、彼らの行動はいかにも中途半端な印象が否めません。
一時的にせよテロリスト達と同調した以上、「国家の要人を警護するSP」としては完全に失格ですし、かといってテロリストに徹するだけの覚悟もなかったわけですから。
ああいう葛藤って、本来最初にテロリスト達に誘われた際にやるべきことなのであって、一度SPとしての職務を裏切った後にあんな迷いを見せるようでは、SPとしてもテロリストとしても論外でしょう。
SPとしての職務を全うするのであれば、彼らはテロリスト達の誘いに最初から乗るべきではありませんでしたし、一度裏切ったのであれば最後までその道を貫き通すべきなのではなかったのかと。

個人的にその辺はかなり違和感を覚えたところでした。

http://www.tanautsu.net/

みぽりん (09/04 14:11) 編集・削除

遅ればせながら、海外から革命編 観ました。

門番のSP二人に対しては、仲間には銃を向けない、戦う意思がないということを表して井上達は向かって行ったので、まだ、SP精神の残る二人には、十分な説得になったのではないでしょうか?

地下通路に逃げた、麻田首相には、他の議員達にはできない首相の国会議事堂内での特権を見せた演出ではないのでしょうか?(暗証番号と指紋照合でドアが開くなどのシステム)

ドラマ編から、この作品には、矛盾点がありますが、そこを差し引いても面白い作品でした。

冒険風ライダー(管理人) (09/04 22:01) 編集・削除

>みぽりんさん
> 門番のSP二人に対しては、仲間には銃を向けない、戦う意思がないということを表して井上達は向かって行ったので、まだ、SP精神の残る二人には、十分な説得になったのではないでしょうか?

井上側の意図としてはそうだったのでしょうけど、ただそれにしても「かなり分の悪い賭け」だったことは否めませんね。
門番SP2名側にしてみれば、一度体制側を裏切っているわけですし、テロリスト達に自分達の忠誠心を示す必要もある局面だったのですから、そのまま井上側が撃ち殺される公算は決して少なくなかったでしょう。
実際、4人が無防備に出て行く前に山本隆文が「これで俺達も終わりかも」と嘆いている描写もありましたし。
「一か八か」「かなり分の悪い賭け」だったことは井上側もかなり自覚的ではあったろうと思います。

> 地下通路に逃げた、麻田首相には、他の議員達にはできない首相の国会議事堂内での特権を見せた演出ではないのでしょうか?(暗証番号と指紋照合でドアが開くなどのシステム)

ただそれならば、自分で開いたドアをすぐさま閉じないと追撃される憂き目に遭ってしまいますよね。
作中でも、追撃を遮る障壁となったであろうドアなどはその機能をまるで発揮していませんでしたし。
アレでは「特権」の意味なんてないのではないかと。

> ドラマ編から、この作品には、矛盾点がありますが、そこを差し引いても面白い作品でした。

私の場合は「野望篇」を観賞した後にDVDでドラマシリーズを観て「革命前日」「革命篇」に至ったクチなのですが、確かに通読する価値はあるシリーズですね。
「革命篇」のラストを見てもまだ続きがあることを匂わせる終わり方をしていましたし、続編が作られるならまた観に行きたいですね。

http://www.tanautsu.net/

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