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アメリカでも深刻な「女性の社会進出」の陥穽

男女平等イデオロギーの間違ったあり方に苦しめられているのは日本だけではなく、アメリカも同様みたいですね。
アメリカでは「女性はもっと出世に貪欲であれ」というメッセージを綴ったキャリアウーマンの著書が論争を巻き起こしているのだそうで↓

http://megalodon.jp/2013-0318-2250-45/jbpress.ismedia.jp/articles/-/37350
> 現在の米国で最も影響力のある女性の1人とされるSNS大手フェイスブックの幹部、シェリル・サンドバーグ(43歳)がバッシングを受けている。
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>  今月発売された彼女の著書『Lean In』は、発売前から論争を巻き起こしていた。本のタイトルの意味は、「もっと身を乗り出して」「もっと厚かましく」「もっと割り込んで」というような訳になるだろうか。
女性に対して、遠慮せずにもっと貪欲に出世を望めというのが主要メッセージの1つだ。
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企業のトップにいまだに女性が少ないのは、女性自身が高望みをしないように自身を制したり、まだ結婚もしていないうちから将来の家族設計を考えて出世を望まない傾向があるからだ、と述べている。
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>  彼女の言わんとしていることをよく理解せず、一部だけ要約して読んだ女性たちは激高した。「女性の社会進出が進まないのは我々のせいだというのか」「これ以上努力できないほど頑張っているのに、努力が足りないような言い方はどうか」などの感情論が全米に巻き起こった。
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>  サンドバーグをバッシングしているのは米国の女性たちである。男性たちは怯えたような顔つきで口を一文字に結んで沈黙している。ここで何か間違えたことを言ったら、大変なことになると分かっているからだ。
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>  米国で著名なキャリアウーマンがバッシングの嵐に見舞われるのは、この1年で3人目である。
論争の共通テーマは女性の社会進出だった。
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こと女性問題に関すると、米国は女の内戦状態に突入した感がある。一体なにが彼女たちをそこまで逆上させるのだろうか。そこには、米国人女性たちの厳しい現実が背景にある。

女性の最大の敵は女性自身、という格言を地で行くような話ですね(苦笑)。
全ての女性が企業のトップや社会的成功を望まないのは、むしろ当然のことでしょう。
外に出て働きに出る女性は、常に「妊娠・出産・子育て」の事案に如何にして対処するかという問題に直面します。
仕事と家庭の両立は極めて困難であり、大抵の場合はそのどちらか一方を犠牲にして他方を取るか、もしくは不便を承知でどちらも中途半端な状態で維持しつつ、常にギリギリのシーソーゲーム的な綱渡りを強いられるかのパターンになるのが常です。
仕事バリバリのキャリアウーマンが「私は仕事と家庭をきちんと両立させている!」などと主張する時、それは家族が文句を言わないことを自分に都合良く解釈していたり、家庭の問題を別の誰かに委ねて家族の不満を顧みることなく我が道を行っていたりするケースがほとんどなのですし。
ましてや、上記記事のケースでは「家庭を捨ててでも仕事場での立身出世を望め!」と言っているも同然なわけですから、そりゃ社会的なバッシングも厳しいものになると言わざるをえないでしょう。
アメリカでは、この手のキャリアウーマンな発言がしばしば波紋を呼んでいるのだそうで↓

http://megalodon.jp/2013-0318-2337-49/jbpress.ismedia.jp/articles/-/37350?page=2
>  2人目はプリンストン大学教授で著名な国際政治学者、さらにはヒラリー・クリントン国務長官の元で政策企画本部長を務めたアン・マリー・スローターである。彼女は、国務省の仕事を2年で辞めなければならなかったのは、難しい年頃の息子たちのためで、いまだに女性は家庭のことで仕事を犠牲にしなければならない、という記事を書いてバッシングを受けた。
>
>  3人目は、妊娠中にヤフーのCEO(最高経営責任者)に就任したマリッサ・メイヤーだ。
妊娠中に重責の仕事を引き受けたことでバッシングされ、出産後たった2週間で仕事に戻ったことで批判された。最近では女性問題とはまったく関係ないところで、社員全員に自宅で仕事をすることを禁じたことが、なぜか「子育てしながら働いている女性を罰するような処置だ」ということでバッシングされた。
>
>  最も多く聞いたのは、この超エリート女性たちが我々の代弁者のように振る舞うのが気に食わないという意見だ。
米国のほとんどの女性と何の共通点もないようなスーパーウーマンが、分かったような顔をして女性問題を語るのが許せないというのである。

家庭や家族をないがしろにして仕事に没頭する女性のあり方というのは、如何にアメリカと言えどもスタンダードというわけにはいかないみたいですね。
そりゃ、この手の手法は家庭、特に子供を大きく犠牲にすることによって初めて成り立つものであるのですから当然の話ではあるのですが。
女性には「妊娠・出産・子育て」をはじめとする家庭の問題が常に付き纏うのですし、それをないがしろにして仕事に没頭するようでは論外もいいところなのですから。
家族の中でも、特に子供は、母親の仕事熱心ぶりと育児放棄に対して不満を述べることが少ない存在ですからねぇ。
年端も行かない子供には、母親が自分を顧みることなく働きに出るという構図が異常なことであるという知識も想像力も持ちようがないのですし、そうでなくても「神」に等しいレベルの絶対的存在である母親に逆らうのは非常に難しいでしょう。
子供が不満を述べないから子育てが上手くできている、などという考え方は非常に間違ったものであると言わざるをえないですね。
子供は母親に「何も言わない」のではなく「何も言えない」状態なのかもしれないのですから。
男女問わず、親が自分のために子供を犠牲にすることを当然視するなどというあり方が、しかも大手を振ってまかり通るというのは、社会として何か間違っているとしか言いようがないのですが。
ところがアメリカでは、まさにそう考える女性が意外に多いみたいなんですよね↓

http://megalodon.jp/2013-0318-2348-36/jbpress.ismedia.jp/articles/-/37350?page=3
>  サンドバーグが言うように、確かに米国でさえ女性の社会進出は決して十分とは言えない。大企業のトップも政治の世界も、女性は依然として少数派だ。
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>  ただ筆者から見ると、
多くのフェミニストが語る「企業のトップも政治も男女の比率が同じにならなければならない」というメッセージが米国人女性の混乱を生み出しているような気がしてならない。
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>  男性が作った社会システムの中に割り込んでいくことが、本当に女性が望むような社会進出なのだろうか。
「男性並みに」という概念そのものが、何もかも犠牲にしてがむしゃらに働く女性を賞賛するような文化を作ってはいないか。男性が成功と見なすことを目指す行為そのものが、反フェミニズムなのではないか。
>
>  バッシングを受けた3人の女性たちは、女性が感じる社会の壁をあれもこれもと述べているため、読み手や聞き手の混乱を招いているようだ。しかし、彼女たちの言わんとすることをよく読み込んでみると、共通点が見えてくる。
>
>  先進国の女性は、かなりの自由を獲得した。すでに「社会の弱者」という立場からは脱却している。勉強も仕事も制度的な不公平はない。それでも女性の社会進出が進まないと感じるのはなぜか。それは、次のステップが見えないからである。
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>  
そもそも女性の出世を阻んでいるものは何か。「それは子育てだ」というのが彼女たちの共通した意見である。子供ができるまでは、男性と変わらず仕事をこなすことができる。しかし、子供ができると事情は一変する。現在の女性は、子育てのために第一線から退かざるを得ないか、将来的に子供が欲しいので出世街道を自ら降りてしまう、というわけだ。
>
>  だから次のステップは、親が自分の子供を育てながら、どのようにキャリアを続けていくかというシステム作りにある。子供の面倒を見るのは、男性でも女性でも構わない。この新しい社会システムを構築することで、新たな問題がよりクリアに見えてくるだろう。女性たちの自己研鑽が足りないというわけでは決してない。彼女たちが言いたいのは、最終的にはこういうことだと感じた。
>
>  米国の女性たちが進もうとしている方向が、果たして正しいのかどうかは分からない。世界の女性の手本になるか、反面教師になるのか、この問題は続きが楽しみである。

しかし、如何に女性の社会進出に子育てが邪魔だと言っても、現実問題として、世界的規模で人間という種そのものの改造でも行わない限り、子育ての問題から解放されることなんてありえないでしょう。
家事については科学技術の発展でいくらでも簡素化・自動化できるでしょうが、子育てに関してそれを適用するのは限りなく不可能に近いのですし。
よしんば、保育園などに子育てを「外注」するにしても、子供にとっては母親こそが一番大事な存在である以上、結局子供は不安と不満を抱え込まざるをえませんし、それは結局、何らかの形で歪みとなって子供や母親に大きくのしかかることになります。
子供にとって、母親自身の手による子育てに勝るものなど、よほどの幸運にでも恵まれない限りはそうそうあるものではないのですから。

無理に「仕事と家庭の両立」を目指すよりも、昨今では時代錯誤と評価されがちな性別役割分担を、男女平等の路線にも合致した形で見直していった方が、個々人や社会はもとより、長期的な観点から見ても誰もが幸福になる選択肢なのではないかと思えてならないのですけどね。


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