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映画「T.R.Y.(トライ)」の時代考証に反する反日感情

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日中韓の共同制作作品として2003年に劇場公開された映画「T.R.Y.(トライ)」。
20世紀初頭、正確には1911年の上海を舞台に、織田裕二が演じる伝説の日本人詐欺師が、当時の日本軍から武器を奪うべく頭脳戦を繰り広げるサスペンスアドベンチャー作品です。

映画「T.R.Y.(トライ)」に登場する中国・韓国系の主要登場人物達は、皆多かれ少なかれ日本に対し反感や恨みの感情を抱いている設定を持っています。
しかし、彼らが何故日本を恨んでいるのかについて作中では何らの裏設定なり解答なりが全く明示されておらず、また当時の国際情勢を鑑みても日本が恨まれる要素は存在しません。
「過去の侵略行為」を常日頃絶叫する中国・韓国およびそれに迎合して安易に謝罪する日本、という現代でよく見られる図式から「当時もそうだったのだろう」と安易に考えてでもいたのでしょうが、当の中国・韓国が「過去の侵略行為」とやらを絶叫するようになったのは戦後になってからのことです。
そもそも「侵略が悪い」という認識が大手を振ってまかり通るようになったのは第一次世界大戦終結以降の話ですし、当時の大韓帝国などは、ハーグ密使事件と伊藤博文暗殺という2つの事件の報復を恐れるあまり、「自分の国を日本の一部として併合してくれ」などと日本に対して嘆願すらしていたくらいなのですけどね。

また中国の場合、当時の中国を支配していた清王朝は漢民族の国ではありませんし、また義和団事件から日露戦争終結まではロシアに満州を占領された上に略奪・虐殺の限りを尽くされるなど、日本以外の国による侵略の脅威にも晒されていました。
それを救ったのは皮肉にも日露戦争による日本の勝利で、ロシアは極東での南下政策を断念することになったのですから、むしろ感謝すらされても良かったくらいなものです。
すくなくとも日本軍はロシア軍どころか清王朝軍よりもはるかに公正な軍であると列強からも当時の中国人達からも高く評価されていたのですから。
実際、義和団事件や日露戦争を経て「日本の明治維新に学べ!」と考えて日本に渡った中国の革命家も数多く、後に中華民国を建国し臨時大総統に就任した孫文も、東京で中国同盟会を結成したりしています。
そして何より、このような中国の革命家達に協力したり、資金面で支援したりした日本人も決して少なくはなかったのです。

中国で国を挙げての反日感情が蔓延するようになるのは辛亥革命後、1915年に行われた対華21ヶ条要求以降です。
しかし、それよりも前の1911年時点では、映画「T.R.Y.(トライ)」のような話は時代背景的に成り立たないのではないかと思えてなりません。
前述のように、日本は中国革命家達の根拠地でもあったわけですし、革命前にわざわざ日本を敵に回してアジトを放棄したり支援のツテを失ったりするなど、自殺行為以外の何物でもないでしょう。
それでもなおかつ、そういう時代背景を無視してでも日本軍をあくまでも敵にする、という発想に行き着いてしまう辺り、「さすが日中韓合作!」という雰囲気を感じずにはいられなかったですね(苦笑)。
「T.R.Y.(トライ)」という映画は、元々井上尚登という日本人作家による同名小説を原作としているのですが、そのような作品の共同合作という形態を中国・韓国が受け入れたのは「敵は日本軍」という図式が気に入ったから以外の何物でもないでしょうから。
現代におけるあの2国の世界最大級の反日感情から考えても、そう結論せざるをえないところです。

純粋なエンターテイメント作品としては、織田裕二演じる主人公と敵の頭脳戦やラストの大どんでん返しなど、当時の邦画としては確かに面白い部分も多々あります。
しかし一方で、1911年当時の時代考証・政治背景的にはツッコミどころが満載で違和感も多く感じずにはいられなかった、というのが映画「T.R.Y.(トライ)」に対する私の評価ですね。


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