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田中芳樹造語の「世襲制公務員」

久々にお笑い&ツッコミどころ満載な田中芳樹発言。少し相手をしてみましょうかね。

http://twitter.com/adachi_hiro/status/13468846473
<田中芳樹さん曰く、「サムライっていうのは、言ってしまえば世襲制公務員なんだよな」。いや、なんで「サムライジャパン」の話題から、そこまで話を持って行きますか。>

世襲制云々以前の問題として、そもそも田中芳樹の公務員というものに対する認識そのものが問題大アリなシロモノでしかないですからね~↓

創竜伝2巻 P197下段
<「おれは東京都民で納税者だ」
 始の声は低く、熱雷をはらんでいた。
「だからお前らのご主人さまなんだよ! 使用人の分際で、ご主人さまにむかって無礼な口をたたくと、たたじゃおかんぞ。都民の税金で養ってもらっているくせに何がVIPだ。使用人は階段を使って上り下りしろ!」

イギリス病のすすめ・文庫版 P217~P219
<土屋:
 だから、賢く金を使って落ちぶれたほうがいいんじゃないかって……むずかしいなぁ。(笑)まあ、田中なんか、言いたいだろうなあ、やっぱり税金いっぱい払ってるから……。
田中:
 うん、言いたい、有効に使ってほしい。(笑)とりあえず都議会議員の数を半分にしてください。
土屋:
 で、都庁売りましょう、ですよ。
――:
 売っちゃいましょうね、電気代もかかるし。(笑)
土屋:
 都庁とか、区役所とか……なんだろうね、あれ。なんか、勘違いしてるんじゃないかと思うね。公僕でしょ、あの人たちは。一番貧しい事務所にいてね、冷房もないところで汗かきながら仕事して公僕っていうんであってさ、あんな高い所にいて、ふんぞりかえって、下々を見下ろして、何が公僕だ、ってね。そこが根本的に違うんじゃないかって。
田中:
 でも、「わたし公僕って言葉が一番キライ」って、大蔵省のお役人の奥さんが言ったらしいから。(笑)佐高信さんの文章によると。
――:
 なんかものすごい勘違いしてますね。それ。
土屋:
 日本を動かしてるエリートだと思ってるんだからね。それでもって私腹こやして天下りして……。
田中:
 エリートって、最終的な責任を背負う人のことなんですけどね。
――:
 エリートだけで、どっかに言ってくれるといいですね。(笑)エリート島というのをつくってスノッブに暮らしていただければ。
土屋:
 それは言えてるよね。どっか、夢の島あたりに隔離してね。……イギリスでは公僕うんぬんと言うよりも、「国家に奉仕する」っていう意識があって、腐ってもやっぱり大英帝国だなあ、って思うよね。>

現実と小説の区別くらいきちんとつけたらどうか、と思わず言いたくなってしまうくらい、小説と対談本で言っていることが全く同一なのですが(苦笑)。
そもそも、上記引用と同じ著書である「イギリス病のすすめ」の対談の中で、イギリスの貴族院のことを「報酬がタダ」というその一事だけを取り上げて「身分ある人は義務を負わなきゃならない階級社会の正の面」などと絶賛していたのはどこのどなたでしたっけ?

http://www.tanautsu.net/kousatsu11_03_aa.html
イギリス病のすすめ・文庫版 P183
<土屋:
 うん、それは納得できないと思うよね。政治家になると金がもうかる。今の日本はそうなってて、政治家で貧乏したやつっていないわけでしょ? 「政治家になってあれだけ資産が増えるというのは絶対おかしい」っていうふうにみんな思わなくちゃいけない。
 イギリスは日本と同じ二院制だけど、貴族院には給料がないわけですよ。地位の高い者の社会的な義務であって、それが当然。戦前の日本の政治家の中にはそういう人もいてね。政治で自分の身上を全部食いつぶしたとか、無一文になるとか。
田中:
 貴族院の報酬がただ、というのはやっぱり階級社会の正の面でしょう。身分ある人は義務を負わなきゃならない、という。これが日本だとオレンジ共済組合事件になるわけでね。(笑)残念なことですが、日本の政治的な民度というものをよく表してると思います。>

イギリスの貴族院なんて、それこそ「世襲制公務員」以外の何物でもないというのに、そちらについては何も言及しなくて良いのでしょうかねぇ(笑)。

私が確認しただけでも最低3回はイギリス旅行に行った経歴があり、かつ創竜伝や「イギリス病のすすめ」でアレほどまでにタワゴトな説教を開陳した実績のある田中芳樹御大であれば、イギリスの貴族が普段どれほどまでに豪奢な生活をしているかについて無知なはずがありません。
日本の公務員がイギリスの貴族と同様のことをしていたら、田中芳樹はここぞとばかりにヒステリックに罵り倒すことは必至なのですが。

そもそも、田中芳樹の公務員に対する認識というのは、創竜伝や「イギリス病のすすめ」で書かれているような「ご主人様に奉仕すべき存在」というところまでで完全に思考停止している惨状ですからね~(-_-;)。
ノブレス・オブリッジの「義務」の部分を絶賛しておきながら、その義務に付随している「一般庶民から見れば桁外れな特権や財産」の部分は完全無視して、それとは真逆の「清貧」を推奨していたりする始末ですし。

ノブレス・オブリッジにおける権利と義務は表裏一体の関係にあるのであって、一方だけを論って他方を無視できるものではないのですけど、どうも田中芳樹はその辺りのことについて無頓着もいいところですね。
「権利を主張せずに義務だけを果たす」というのは、その逆と同様に極めて不健全なあり方なのですが。

田中芳樹が信奉しているであろう「国民に奉仕する政治家や公務員は【清貧であるべし】」などという考え方は、田中芳樹が絶賛するノブレス・オブリッジとは全く相容れない異質の思想である、という、こちらも「サムライジャパン」から脱線しまくった造語をほざき倒す田中芳樹に負けず劣らずな脱線だらけの結論をもって、とりあえずはアンチテーゼとすることに致しましょうか。


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